JP2017122860A - 粉体補給装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はそのトナー補給装置(粉体補給装置)とその近傍とを示す構成図であり、図3は作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にある設置部31(トナー容器受台)には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4色の略筒状のトナー容器32Y、32M、32C、32K(粉体容器)が着脱可能(交換可能)に載置されている。また、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置のホッパ81Y、81M、81C、81Kが配設されている。
また、設置部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7(書込み部)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、用紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
トナー補給装置90は、設置部31に設置された粉体容器としてのトナー容器32Yの容器本体33Yを所定方向(図2の矢印方向である。)に回転駆動して、トナー容器32Y内に収容された粉体としてのトナーを容器外に排出して、サブホッパ70を介して現像装置5Yに導くためのものであって、トナー補給経路(トナー搬送経路)を形成している。
なお、図2は、理解を容易にするために、トナー容器32Y、トナー補給装置90、現像装置5Yの配置方向などを変えて図示している。実際には、図2において、トナー容器32Yとトナー補給装置90の一部との長手方向が紙面垂直方向になるように配設されている(図1を参照できる。)。また、搬送管95、96の向きや配置も簡略化して図示している。
詳しくは、図5及び図6等をも参照して、トナー容器32Yが装置本体100の設置部31にセットされると、トナー容器32Yの駆動爪37Yが装置本体100の係合爪110に噛合するとともに、キャップ受部91のキャップ開閉機構92によってトナー容器32Y(容器本体33Y)からキャップ34Y(トナー排出口Wを塞ぐための栓部材である。)が取り外される。これにより、トナー容器32Yのトナー排出口W(排出口)が開放されて、トナー容器32Y内に収容されたトナーの排出が可能になる。
なお、トナー補給装置90におけるキャップ開閉機構92については、後で詳しく説明する。
このように構成されたトナー補給装置90において、駆動モータ115(ボルト駆動モータ)によって係合爪110が回転駆動されるとトナー容器32Yの容器本体33Yが回転駆動されて、トナー容器32Yのトナー排出口Wからトナーが排出される。トナー容器32Yから排出されたトナーは、落下経路部82を落下してホッパ81に貯留される。ホッパ81に貯留されたトナーは、粉体ポンプ60が稼働することで、空気とともに吸引口83から吸引されて搬送管95を介して粉体ポンプ60からサブホッパ70に向けて搬送される。そして、サブホッパ70に搬送されて貯留されたトナーは、搬送管96を介して現像装置5Y内に適宜に補給される。すなわち、トナー容器32Y内のトナーは、図2中の破線矢印方向に搬送されることになる。
詳しくは、トナー残量検知センサ86としては、圧電センサ、透過光センサなどを用いることができる。トナー残量検知センサ86の検知面の高さは、吸引口83の上方に堆積されるトナー量(堆積高さ)が狙いの値になるように設定されている。
そして、トナー残量検知センサ86の検知結果に基いて、トナー容器32Y(容器本体33Y)を回転駆動する駆動モータ115の駆動タイミングや駆動時間が制御される。具体的に、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがないものと判別された場合には駆動モータ115が所定時間だけ駆動されて、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがあるものと判別された場合には駆動モータ115の駆動が停止されることになる。そして、そのような制御が繰り返しおこなわれても、トナー残量検知センサ86によってその位置にトナーがない状態が連続的に検知された場合には、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーが空になった状態(トナーエンド状態)、又は、それに近い状態(トナーニアエンド状態)であるものと判別されることになる。
被補給体としての現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図3の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置90を介して現像剤収容部54Y内に補給される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤はスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
図4を参照して、本実施の形態における粉体ポンプ60は、ダイヤフラムポンプ(容積式ポンプ)であって、ダイヤフラム61(ゴム部材)、ケース62、モータ67、回転板68、逆止弁63、64、シール部材65、66(弾性部材)、等で構成されている。このように構成された粉体ポンプ60は、比較的小型かつ低コストのものである。
ケース62は、剛性を有する樹脂材料又は金属材料からなり、ポンプ本体の主部(ハウジング)として機能する。ケース62(ポンプ本体)には、内部に向けて現像剤を空気とともに流入するための流入口Mと、内部から現像剤を空気とともに流出するための流出口Nと、が形成されている。
ダイヤフラム61は、親トナー性が低く弾性を有するゴム材料で形成されていて、椀状に形成された部分の内部が容積可変部Rとして機能して、その外周部に起立するようにアーム部61a(その穴部に回転板68の偏心軸68aが嵌合している。)が形成されている。ダイヤフラム61はケース62に対して隙間が生じないように接合されていて、ダイヤフラム61の容積可変部Rと、ケース62の内部と、がポンプ本体の内部において1つの閉空間として形成されている。そして、ポンプ本体61、62は、後述する回転板68(偏心軸68a)の回転にともなうダイヤフラム61の伸縮動作によって、内部の容積を増減させて正圧と負圧とを交互に発生させることになる。
このような構成により、制御部に制御されてモータ67が駆動されることで、回転板68(偏心軸68a)が回転して、それにともないダイヤフラム61が容積可変部Rの容積を周期的に増減するように伸縮することになる。そして、このようなダイヤフラム61の伸縮動作にともない、ポンプ本体61、62の内部に正圧と負圧とが交互に発生されることになる。
他方、ポンプ本体(ケース62)の流出口Nには、流出側逆止弁64が設置されている。この流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の内部に負圧が発生したときに流出口Nを閉鎖して、ポンプ本体61、62の内部に正圧が発生したときに流出口Nを開放するものである。流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の外側から流出口Nに対向するように配設されている。粉体ポンプ60における流出口Nの側には、サブホッパ70(供給口75)が接続されている。
このような構成・動作により、先に図2を用いて説明したように、粉体ポンプ60が稼働することで、ホッパ81内に貯留されたトナーが吸引口83から吸引されて搬送管95を搬送された後に、サブホッパ70内にトナーが搬送されて貯留されることになる。詳しくは、サブホッパ70のトナー検知センサ76(検知手段)がサブホッパ70内におけるトナー量の不足を検知すると、粉体ポンプ60(モータ67)を駆動して、ホッパ81からサブホッパ70へのトナー補給をおこなう。
そして、サブホッパ70内に貯留されたトナーは、駆動モータによって搬送スクリュ71〜74が回転駆動されることにより、吐出口77から排出されて搬送管96を介して現像装置5Y内に補給される。詳しくは、現像装置5Yの濃度検知センサ56Yが現像剤収容部54Yにおけるトナー濃度の不足を検知すると、サブホッパ70の搬送スクリュ71〜74を回転駆動して、サブホッパ70から現像装置5Yへのトナー補給をおこなう。
このように、本実施の形態では、トナー容器32Yからのトナーの搬送経路をフレキシブルな搬送管95、96(チューブ)で形成しているために、トナー容器32Yの設置部31を現像装置5Yから離れた位置に比較的自由にレイアウトすることができる。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態におけるトナー補給装置90(粉体補給装置)は、粉体容器としてのトナー容器32Yに収容された粉体としてのトナーを被補給体としての現像装置5Yに向けて補給するものである。なお、トナー容器32Yは、図5、図6に示すように、トナー容器32Yの長手方向を着脱方向として、頭部側(キャップ34Yが設置された側である。)を装着方向奥側として、設置部31の長手方向に沿うようにキャップ受部91に向けて略水平方向に装着される。
ここで、開閉機構としてのキャップ開閉機構92は、フック92a(把持部材)、ホルダ92b(保持部材)、スライダ92c(可動部材)、付勢手段としてのねじりコイルスプリング92a4、支軸92h(シャフト)、移動部材としてのラック部92d、第1付勢部材としての第1圧縮スプリング92e、第2付勢部材としての第2圧縮スプリング92f、押動ユニット92g、シール材93、駆動手段としての駆動モータ116(キャップ開閉駆動モータ)、駆動手段としてのギア列117、などで構成されている。
図8〜図11等を参照して、スライダ92cには、リブ92c1aや壁部92c1bや切欠部92c1cなどが形成された大径部92c1、ホルダ92bを内挿するために大径部92c1から小径部にかけて形成された内径部92c1d(穴部)、内径部92c1dの正方向側の縁部に形成されたテーパ部92c1f(傾斜面)、などが設けられている。
図10、図12等を参照して、ホルダ92bには、壁部92b1や切欠部92b2、92b3が形成されてフック92aの一部(回動中心側である。)が内挿される内挿部や、その内挿部に挿入されたフック92aの穴部92a3とともに支軸92hを挿通させるための貫通穴92b4、などが設けられている。ホルダ92bの内挿部に挿入されたフック92aは、その側方に設けられた壁部92b1に挟まれるように配置されることよって、その姿勢が保持されることになる。
図12等を参照して、フック92aには、ホルダ92bにおいて先端部(突起部34Y1を摘む部分である。)が正方向(図10の左方向である。)に突出するように支軸92h(回動中心)を中心にして回動可能に保持された複数のフック部(下フック部92a1と上フック部92a2とである。)が設けられている。また、フック92a(下フック部92a1及び上フック部92a2)には、支軸92hを挿通させるための穴部92a3が設けられている。さらに、下フック部92a1には、スライダ92cの壁部92c1bに係合して、その開放時の動作範囲と周方向の位置とが定められる突出部92a11が形成されている。同様に、上フック部92a2には、スライダ92cの切欠部92c1cに係合して、その開放時の動作範囲と周方向の位置とが定められる突出部92a21が形成されている。また、穴部92a3が形成されたボス部(上フック部92a2の側面に起立するように形成されている。)には、ねじりコイルスプリング92a4(付勢手段)が巻装されていて、ねじりコイルスプリング92a4の一方の腕部は上フック部92a2に引っ掛けられ、ねじりコイルスプリング92a4の他方の腕部は下フック部92a1に引っ掛けられ、2つのフック部92a1、92a2が開放方向(図10(B)の状態から図10(A)の状態に移行する方向である。)に回動するように付勢されている。
このように構成されたフック92aは、構造が比較的簡易であって、低コストで製造することができる。
第1付勢部材としての第1圧縮スプリング92eは、ラック部92d(移動部材)に対してホルダ92bをスライダ92cとともに正方向に付勢している。詳しくは、図7、図8(B)、図10等を参照して、第1圧縮スプリング92eは、その一端側がラック部92dに接続されていて、その他端側がホルダ92bに接続されている。また、ホルダ92bは、スライダ92cの内径部92c1dにおいて正逆方向の相対的な移動量が制限されるように保持されていて、第1圧縮スプリング92eによってホルダ92bが正方向にある程度付勢されると、ホルダ92bがスライダ92cに当接してスライダ92cも正方向に付勢されるように構成されている。
第2付勢部材としての第2圧縮スプリング92fは、ラック部92d(移動部材)に対してスライダ92cを正方向に付勢している。詳しくは、図8(B)、図9(B)等を参照して、第2圧縮スプリング92fは、その一端側がラック部92dに接続されていて、その他端側がスライダ92cに接続されている。
このような構成により、駆動モータ116(正逆双方向に回転可能なモータである。)が稼働されることで、ラック部92dが正逆方向にスライド移動して、それに連動してスライダ92c内でホルダ92bが相対的に正逆方向に移動してフック92aの開閉がおこなわれながら、スライダ92cやホルダ92b(及び、フック92a)がそれぞれ異なる移動量で正逆方向に移動することになる。
まず、ユーザーによる手動操作によってトナー容器32Yがトナー補給装置90の設置部31に装着されると(図5の状態から図6の状態へのトナー容器32Yの移動である。)、その装着された状態が設置部31に設けられたセット検知部31a(図5(A)を参照できる。)で検知される。そして、セット検知部31aの検知情報に基いて、制御部によってキャップ開閉機構92がキャップ34Yの開栓動作をおこなうように制御される。
その後、図7(C)に示すように、駆動モータ116の駆動によってラック部92dが逆方向の側にさらに大きく移動して、ホルダ92bがスライダ92cに係合することで、第1圧縮スプリング92eや第2圧縮スプリング92fのスプリング力に抗するようにホルダ92bとともにスライダ92cが逆方向の側に大きく移動することになる。このとき、フック92aがキャップ34Yの突起部34Y1を摘まんだ状態(図9、図10(B)に示す閉鎖状態である。)が維持されるため、キャップ34Yが容器本体33Yのトナー排出口Wから取り外される(開栓される)ことになる。また、スライダ92cの大径部92c1に貼着された押動ユニット92gがキャップ34Yに密着した状態も維持されて、トナー排出口Wから排出されたトナーがキャップ開閉機構92に進入する不具合が防止される。なお、図7(A)を参照して、キャップ受部91においてスライダ92cを保持する部分と、スライダ92cと、の間には、摺動性の高いシール材93が設けられていて、双方の部材の間にトナーが入り込む不具合を防止している。
こうして、キャップ開閉機構92によるキャップ34Yの開栓動作が終了して、トナー容器32Yのトナー排出口Wからのトナー補給動作が可能になる。
なお、このように構成された押動ユニット92gは、閉栓時においてトナー容器32Yのトナー排出口Wに対してキャップ34Yが正対せずに傾斜した状態で閉栓される不具合を防止するための部材としても機能することになるが、これについては後で図15等を用いて詳しく説明する。
そして、トナー残量検知センサ86によってトナー容器32Y内のトナー残量がゼロになったものと検知されると、キャップ開閉機構92によるキャップ34Yの閉栓動作がおこなわれる。このときの、キャップ開閉機構92の閉栓動作は、先に説明したキャップ開閉機構92の開栓動作と逆の手順でおこなわれることになる。
また、先に図12等を用いて説明したように、フック92aには、上下2つに分割されたフック部92a1、92a2が開放方向に回動するように付勢するねじりコイルスプリング92a4(付勢手段)が設置されている。このねじりコイルスプリング92a4は、樹脂材料からなる軽量な2つのフック部92a1、92a2を開放方向に回動させるためのものであるため、そのスプリング力を極めて弱く設定することができる。そのため、キャップ34Yの開栓動作においてスライダ92cに対してホルダ92bを逆方向に相対的に移動させるときに生じるフック92aとスライダ92cとの摺動抵抗も極めて小さくすることができて、駆動モータ116を小型化・低コスト化することができるとともに、キャップ34Yの開栓動作をスムーズにおこなうことができる。すなわち、比較的小さな駆動力によってキャップ34Yの開栓・閉栓動作を高い精度で確実におこなうことができる。また、フック92aを閉鎖するときに、第2圧縮スプリング92fによってスライダ92cを保持する力も小さくできるため、第2圧縮スプリング92fの小型化が可能になり、第2圧縮スプリング92fの設置スペースを確保しやすくなる。さらに、外径が大きなキャップ34Yが用いられるなどして、開栓時におけるトナー排出口Wとキャップ34Yとの摺動抵抗が大きくなるような場合であっても、駆動モータ116のパワーをキャップ34Yの着脱の機能に有効に割り当てることができる。
そして、このように、フック92aによって突起部34Y1が把持された状態のキャップ34Yを保持するための大径部92c1を、スライダ92cに形成することで、閉栓動作時においてもキャップ34Yの姿勢が安定するため、閉栓動作(トナー排出口Wへのキャップ34Yの押し込み動作)を確実におこなうことができる。本実施の形態におけるキャップ開閉機構92は、キャップ34Yを把持する機能と、キャップ34Yを引っ張る機能と、が分離されているため、設計の自由度が増すことになる。
また、第1圧縮スプリング92eのスプリング力によって、閉栓動作時に容器本体33Y(トナー排出口W)との摺動負荷に抗して、トナー排出口Wにキャップ34Yを良好に押し込むことができる。
また、第1圧縮スプリング92eとは別に、第2圧縮スプリング92fを設置することで、閉栓動作時においてキャップ34Yをトナー排出口Wに押し込むときに必要な加圧力を分割することができる。
また、第2圧縮スプリング92fは、ラック部92dと、そのスライド移動に連動してスライド移動するスライダ92cと、の間に設置されているため、スライド移動におけるスプリング長の変化が小さくなり、開栓状態においてスプリング圧縮に要するエネルギーを小さくすることができる。そのため、図7(C)に示す開栓状態を維持するための力を小さくすることができる。
先に図8、図14等を用いて説明したように、スライダ92c(大径部92c1)には、押動部材92g2が弾性部材92g1とともに押動ユニット92gとして設けられている。
この押動部材92g2(押動板)は、フック92aによって把持された状態のキャップ34Y(栓部材)がトナー容器32Y(粉体容器)のトナー排出口W(排出口)に閉栓されるときに、キャップ34Yに対して押動面を面接触させた状態で正方向の移動に連動してキャップ34Yをトナー排出口Wに向けて押動するものである。すなわち、閉栓時に、フック92aに把持されたキャップ34Yがトナー排出口Wに押し込まれて、フック92aの把持が解除されるとともに、押動部材92g2(押動ユニット92g)の押動面にキャップ34Y(縁部34Y4)が周状に均等に押動されることで、トナー排出口Wにキャップ34Yが閉栓されることになる。
ここで、本実施の形態において、押動部材92g2は、先に図14等を用いて説明したように、スライダ92cにおいて弾性部材92g1を介して設置された環状の板状部材であって、少なくとも弾性部材92g1よりも剛性の高い材料(本実施の形態では、ステンレス鋼である。)で形成されている。また、弾性部材92g1は、環状の押動部材92g2(板状部材)に貼着された環状の部材であって、スポンジ材料(本実施の形態では、発泡ポリウレタンである。)で形成されている。
先に説明したように、トナー残量検知センサ86によってトナー容器32Y内のトナー残量がゼロになったものと検知されると、キャップ開閉機構92によるキャップ34Yの閉栓動作がおこなわれる。
まず、図15(A)に示すように、フック92aによってキャップ34Yが把持された状態のスライダ92cが、駆動モータ116によるラック部92dの駆動により、正方向(図15(A)の白矢印である。)に移動される。このとき、キャップ34Yが把持された状態のスライダ92cは、図15(A)に示すように、トナー排出口W(トナー容器32Y)に対して正対せずに、トナー容器32Y(容器本体33Y)の回転中心軸に対して傾斜した状態(図15の左方から右方に斜め下方に傾斜した状態である。)になっているものとする。
特に、上記(3)の形態は、駆動モータ116によってラック部92d(スライダ92c)が正方向に駆動されるときに、その駆動力がラック部92dを押し下げるように作用して、図15(A)に示す傾斜方向にスライダ92cを傾斜させるものであって、無視できないものになる。すなわち、スライダ92cによってトナー容器32Y(容器本体33Y)のトナー排出口Wに対してキャップ34Yが正対せずに相対的に傾斜した状態で正方向に移動するときの傾斜方向が、駆動モータ116(駆動手段)による駆動力がラック部92d(移動部材)に作用する方向によるものになり、このように傾斜方向が定まった形態が主たるものになる。
そして、図15(C)に示すように、さらにスライダ92cが正方向に移動すると、押動部材92g2がキャップ34Y(縁部34Y4)に密着した状態を維持しながらスライダ92cの傾斜を相殺してキャップ34Yがトナー排出口Wに正対するように、弾性部材92g1が弾性変形する(上方に比べて下方が大きく潰れる変形である。)。これにより、正対した押動部材92g2による押動によって、キャップ34Yがトナー排出口Wに対して隙間なく真直ぐ閉栓されることになる。
その後、図15(D)に示すように、駆動モータ116の駆動によって、フック92aが開放された状態のスライダ92cが逆方向(図15(D)の右方である。)に移動して、トナー容器32Y(容器本体33Y)に対するキャップ34Yの閉栓が完了することになる。
すなわち、図16(A)〜(C)に示すように、スライダ92cに押動ユニット92gの代わりに単に弾性部材192g(スポンジ材)が設置されている場合には、スライダ92cが傾斜した状態でキャップ34Yの閉栓がおこなわれてしまうと、閉栓動作が完了したときに、トナー排出口Wに対してキャップ34Yが密着せずに斜めに閉栓されてしまって、トナー排出口Wとキャップ34Yとの間に隙間(図16(B)、(C)にて破線で囲んだ部分である。)が形成されてしまう。そのため、その隙間に付着したトナーが、トナー容器32Yを画像形成装置本体100から取り出すときに、画像形成装置本体100の内部に落下して機内を汚してしまったり、トナー容器32Yを取り出すユーザーの手を汚してしまったりすることになる。さらには、トナー容器32Yを取り出すユーザーが、その隙間に触れてしまって、トナー容器32Yからキャップ34Yが外れてしまう不具合が生じてしまう可能性もある。
特に、本実施の形態において、押動ユニット92gを構成する弾性部材92g1は、スライダ92cの傾斜方向が図15に示す傾斜方向とは異なる場合であっても、その傾斜方向に関わらず傾斜を相殺するように弾性変形するものであるため、スライダ92cの傾斜方向が定まらないような場合に有用である。
なお、本実施の形態では、押動ユニット92gを構成する弾性部材92g1をスポンジ材料で形成したが、弾性部材92g1をゴム材料で形成することもできる。また、弾性部材92g1として、スポンジ材やゴム材の代わりに、スプリングや板バネを用いることもできる。
図17は、変形例1としての、キャップ開閉機構92の要部を示す概略図である。変形例1におけるキャップ開閉機構92の押動ユニット92gは、本実施の形態における押動ユニット(押動部材92g2、弾性部材92g1)にさらにシール材92g3が貼着されている。
すなわち、図17に示すように、環状の押動部材92g2(板状部材)には、その押動面に環状のシール材92g3が貼着されていて、キャップ34Y(栓部材)に対してシール材92g3を介して押動面を面接触させるように構成されている。具体的に、シール材92g3は、弾性部材92g1と同様に、厚さが2〜5mm程度の発泡ポリウレタンなどのスポンジ材で形成されている。そして、押動ユニット92gは、シール材92g3と弾性部材92g1との間に、剛体からなる押動部材92g2(押動板)が挟まれて、全体として一体的な環状部材として形成されている。
このように、押動ユニット92gにおいて押動部材92g2の押動面にシール材92g3を設けることで、上述した本発明の効果(キャップ34Yがトナー排出口Wに対して隙間なく真直ぐ閉栓される効果である。)が維持されつつ、キャップ34Y(縁部34Y4)と押動ユニット92gとの密着性が向上して、キャップ34Yを保持した状態のスライダ92cにおけるシール性がさらに高められることになる。
図18(A)は、変形例2としての押動部材92j(押動板)を示す斜視図であって、図18(B)は、その押動部材92jが取り外されたキャップ開閉機構92を示す斜視図であって、図18(C)は、その押動部材92jが設置されたキャップ開閉機構92の要部を示す概略図である。変形例2では、スライダ92cに設置された押動部材92jが一定の方向にのみ回動するように構成されている点が、弾性部材92g1の変形により押動部材92g2があらゆる方向に回動しうる本実施の形態のものと相違する。
図18に示すように、変形例2における押動部材92jは、スライダ92cにおいて一定の傾斜方向の傾斜を相殺できるように回動可能に保持された環状の板状部材であって、金属材料や樹脂材料などで形成された剛体(閉栓時にキャップ34Yをトナー排出口Wに押し込める程度の剛性を有する部材である。)である。この傾斜方向(回動方向)は、先に図15を用いて説明したように、駆動モータ116(駆動手段)による駆動力がラック部92d(移動部材)に作用する方向(図18(C)の実線矢印で示す方向である。)によるものである。
詳しくは、図18(A)を参照して、押動部材92jには、押動面に対して反対側の面上であって、スライダ92c(キャップ開閉機構92)に取り付けられた状態で水平方向に離れた位置に、それぞれ篏合部92j1(水平方向を中心軸とした略円柱状の切欠き部が形成されている。)が形成されている。一方、図18(B)を参照して、スライダ92cの大径部92c1に環状に形成された溝部92c10には、水平方向の離れた位置に、それぞれ被篏合部92c1h(水平方向を中心軸とした略円柱状部である。)が設けられている。そして、スライダ92cの被篏合部92c1hに、押動部材92jの篏合部92j1が篏合されるように組み付けられることで、スライダ92cにおいて押動部材92jが被篏合部92c1hを中心にして図18(C)の破線両矢印で示す回動方向(図15に示すスライダ92cの傾斜を相殺可能な回動方向である。)に回動可能に設置されることになる。
このように構成した場合にも、押動部材92jは、図15に示す本実施の形態における押動部材92gとほぼ同様に動作することになり、上述した本発明の効果(キャップ34Yがトナー排出口Wに対して隙間なく真直ぐ閉栓される効果である。)が得られることになる。
これにより、トナー容器32Yにおける栓部材を開栓・閉栓するためのキャップ開閉機構92によって、トナー容器32Yのトナー排出口Wに対してキャップ34Yを傾斜することなく確実に閉栓することができる。
また、本実施の形態では、粉体容器として容器本体33Y自体が回転駆動されるボトル状のトナー容器32Yを用いたが、粉体容器として容器本体自体は回転駆動されずに、容器本体の内部に収容されたトナーをトナー排出口に向けて搬送する搬送部材(例えば、所定方向に回転駆動される搬送コイルなどである。)が容器本体に内設されたボトル状のトナー容器に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、これらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
31 設置部、 31a セット検知部、
32Y、32M、32C、32K トナー容器(粉体容器)、
33Y 容器本体、
34Y キャップ(栓部材)、
34Y1 突起部、 34Y2 内径部、 34Y3 外径部、
90 トナー補給装置(粉体補給装置)、
91 キャップ受部、
92 キャップ開閉機構(開閉機構)、
92a フック(把持部材)、
92a1 下フック部、 92a2 上フック部、
92a3 穴部(回動中心)、
92a4 ねじりコイルスプリング(付勢手段)、
92a11、92a21 突出部、
92b ホルダ(保持部材)、
92b1 壁部、 92b2、92b3 切欠部、 92b4 貫通穴、
92c スライダ(可動部材)、
92c1 大径部、
92c1a リブ、 92c1b 壁部、
92c1c 切欠部、 92c1d 内径部(穴部)、
92c1f テーパ部、
92c1h 被嵌合部、
92c10 溝部、
92d ラック部(移動部材)、
92e 第1圧縮スプリング(第1付勢部材)、
92f 第2圧縮スプリング(第2付勢部材)、
92g 押動ユニット、
92g1 弾性部材(スポンジ材)、
92g2 押動部材(押動板)、
92g3 シール材、
92h 支軸(シャフト)、
92j 押動部材(押動板)、
92j1 嵌合部、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
115 駆動モータ(ボルト駆動モータ)、
116 駆動モータ(キャップ開閉駆動モータ、駆動手段)、
117 ギア列(駆動手段)。
Claims (8)
- 粉体容器に収容された粉体を被補給体に向けて補給する粉体補給装置であって、
前記粉体容器における容器本体の排出口に着脱可能に設置された栓部材を開栓・閉栓する開閉機構を備え、
前記開閉機構は、
当該粉体補給装置に装着された状態の前記粉体容器の前記排出口に対して近接する方向を正方向として離間する方向を逆方向として正逆方向に可動するスライダと、
当該粉体補給装置に前記粉体容器が装着された状態で前記スライダの前記逆方向・前記正方向の移動に連動して前記栓部材の突起部を把持・把持解除できるように形成されたフックと、
を具備し、
前記スライダは、前記フックによって把持された状態の前記栓部材が前記粉体容器の前記排出口に閉栓されるときに、前記栓部材に対して押動面を面接触させた状態で前記正方向の移動に連動して前記栓部材を前記排出口に向けて押動する押動部材を具備し、
前記スライダによって前記粉体容器の前記排出口に対して前記栓部材が相対的に傾斜した状態で前記正方向に移動したときに、前記栓部材が前記排出口に閉栓される過程において、前記押動部材の前記押動面が、前記スライダにおいて変位して前記排出口に正対した状態で前記栓部材に面接触できるように構成されたことを特徴とする粉体補給装置。 - 前記押動部材は、前記スライダにおいて弾性部材を介して設置された環状の板状部材であって、少なくとも前記弾性部材よりも剛性の高い材料で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の粉体補給装置。
- 前記弾性部材は、前記環状の板状部材に貼着された環状の部材であって、スポンジ材料又はゴム材料で形成されたことを特徴とする請求項2に記載の粉体補給装置。
- 前記開閉機構は、前記スライダを前記正逆方向に移動可能に構成された移動部材を具備し、
前記移動部材を前記正逆方向に移動させる駆動手段を備え、
前記スライダによって前記粉体容器の前記排出口に対して前記栓部材が正対せずに相対的に傾斜した状態で前記正方向に移動するときの傾斜方向が、前記駆動手段による駆動力が前記移動部材に作用する方向によるものであって、
前記押動部材は、前記スライダにおいて前記傾斜方向の傾斜を相殺できるように回動可能に保持された環状の板状部材であることを特徴とする請求項1に記載の粉体補給装置。 - 前記環状の板状部材は、前記押動面に環状のシール材が貼着されて、前記栓部材に対して前記シール材を介して前記押動面を面接触させるように構成されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の粉体補給装置。
- 前記開閉機構は、
前記スライダの内径部において前記スライダに対して前記正逆方向に相対的に移動可能に内挿されて、前記スライダとともに前記正逆方向に移動可能に構成されたホルダと、
前記正逆方向に移動可能に構成された移動部材と、
前記移動部材に対して前記ホルダを前記スライダとともに前記正方向に付勢する第1付勢部材と、
前記移動部材に対して前記スライダを前記正方向に付勢する第2付勢部材と、
を具備し、
前記スライダは、前記押動部材が設置されて、前記フックによって前記突起部が把持された状態の前記栓部材を保持するための大径部が形成され、
前記フックは、
前記ホルダにおいて先端部が前記正方向に突出するように支軸を中心にして回動可能に保持された複数のフック部を具備して、
当該粉体補給装置に装着された前記粉体容器の前記排出口に対して前記スライダが前記ホルダとともに近接した状態において、前記スライダに対して前記ホルダが前記逆方向に相対的に移動したときに前記栓部材の前記突起部を把持できるように前記複数のフック部が前記スライダの前記内径部への進入によって前記支軸を中心にして閉鎖方向に回動して、前記スライダに対して前記ホルダが前記正方向に相対的に移動したときに前記栓部材の前記突起部を把持解除できるように前記複数のフック部が前記スライダの前記内径部からの進出によって前記支軸を中心にして開放方向に回動するように構成されて、
前記複数のフック部が前記開放方向に回動するように付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の粉体補給装置。 - 前記粉体は、トナーであって、
前記粉体容器は、当該粉体補給装置に対して着脱可能に設置されるトナー容器であって、
前記被補給体は、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成する現像装置であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の粉体補給装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の粉体補給装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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