JP2017122486A - ボンデッドピストンシール - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの応答性を安定させる。【解決手段】ハウジング2の内部空間に往復動可能に配置され、当該ハウジング2の内周面2aと密封摺動する環状のピストンリップ35,36を有し、ハウジング2と共にピストン油圧室38を形成するピストン2と、ピストン2の内周面33aと密封摺動するキャンセラーリップ44を有し、ハウジング2の内部空間に固定され、ピストン3と共にキャンセラー油圧室48を形成する環状のキャンセラー4と、ピストン3とキャンセラー4との間に配置されたスプリング6と、ピストン3の内周面33aと密封摺動するキャンセラーリップ44の外周側端部に、ハウジング2の内部空間に存在する回転駆動軸の軸x方向に沿って形成された所定深さの複数の溝部45と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ボンデッドピストンシールに関し、特に、自動車等の車両用の自動変速機(AT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)等)に用いられるボンデッドピストンシールに関する。
従来、自動車等の車両の自動変速機にはボンデッドピストンシールが装着されている。ボンデッドピストンシールは、多板クラッチの締結に使用されるゴムリップ加硫接着タイプのピストンシール(以下、これを「ピストン」ともいう。)と、キャンセラーシール(以下、これを「キャンセラー」ともいう。)とによって構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
ピストンは、一般に自動変速機の内部における多板クラッチを締結または解放させるための供給油圧を受けてクラッチハウジング(以下、これを「ハウジング」ともいう。)の軸方向に作動(往復動)する金属環である。キャンセラーは、駆動軸と一体に回転するハウジングの高速回転時に、ピストンの平坦な円環部にかかる遠心油圧をキャンセルするために当該ピストンと対向配置される金属環である。
ピストンが装着されるハウジングの内周面と、当該ピストンとの間にはピストン油圧室が形成されており、このピストン油圧室にハウジングのポートから作動油が供給される。ただし、駆動軸と一体に回転するハウジングの高速回転時には、ピストン油圧室に遠心力により生じる圧力(以下、これを「遠心油圧」ともいう。)が発生し、この遠心油圧がピストンとキャンセラーとの間のキャンセル油圧室に取り付けられたリターンスプリングによる当該ピストンの解放方向への動きを阻害することになる。
一方、ピストンとキャンセラーとの間に形成されたキャンセル油圧室には、ハウジングの高速回転時に、ピストン油圧室に発生する遠心油圧と同じ遠心油圧が発生する。これにより、ハウジングの高速回転時において、ピストン油圧室に発生する遠心油圧を、キャンセル油圧室に発生する遠心油圧でキャンセルすることができる。このため、ボンデッドピストンシールは、回転速度依存性が無くなり、ピストンの応答性を向上させることができる。
特開2006−177501号公報
しかしながら、キャンセル油圧室にエアー(空気)が残っている場合がある。このような場合には、キャンセル油圧室で発生するキャンセル力(遠心油圧)を発揮させるための作動油が空気の分だけ不足し、キャンセル力がピストンに伝達され難くなるので、当該ピストンの応答性が不安定になっていた。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ピストンの応答性を安定させることができるボンデッドピストンシールを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングの内部に往復動可能に配置され、当該ハウジングの内周面と密封摺動するピストンリップを有し、前記ハウジングと共にピストン油圧室を形成する環状のピストンと、前記ピストンの内周面と密封摺動するキャンセラーリップを有し、前記ハウジングに固定され、前記ピストンと共にキャンセラー油圧室を形成する環状のキャンセラーと、前記ピストンの内周面と密封摺動する前記キャンセラーリップの外周側端部に、軸方向に沿って形成された所定深さの溝部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るボンデッドピストンシールにおいて、前記溝部は、前記キャンセラーリップの外周側端部に等間隔で複数形成されている。
本発明に係るボンデッドピストンシールにおいて、前記溝部は、前記キャンセラーが所定の回転数未満の低速回転時、前記キャンセラーリップの外周側端部と前記ハウジングの内周面との間に当該溝部による隙間が形成される。
本発明に係るボンデッドピストンシールにおいて、前記溝部は、前記キャンセラーが所定の回転数以上の高速回転時、前記キャンセラーリップの外周側端部が前記ハウジングの内周面に押しつけられて当該溝部が塞がれる。
本発明によれば、ピストンの応答性を安定させることができるボンデッドピストンシールを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るボンデッドピストンシールが変速機のハウジングに装着された状態を示す軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係るボンデッドピストンシールのキャンセラーリップの構造を示す部分拡大図である。 本発明の実施の形態に係るボンデッドピストンシールの低速回転時におけるハウジングの内周面とキャンセラーリップとの摺動状態の説明に供する断面図である。 本発明の実施の形態に係るボンデッドピストンシールの高速回転時におけるハウジングの内周面とキャンセラーリップとの摺動状態の説明に供する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ここでは、説明の便宜上、図1乃至図4において、ボンデッドピストンシール1の径方向を矢印ab方向とし、外周側とは、ボンデッドピストンシール1の外周側すなわち矢印a方向とする。内周側とは、ボンデッドピストンシール1の内周側すなわち矢印b方向とする。また、筐体側とは、ボンデッドピストンシール1の径方向(矢印ab方向)とは直交する矢印c方向とする。多板クラッチ側とは、ボンデッドピストンシール1の径方向(矢印ab方向)とは直交する矢印d方向とする。なお、軸線xは、駆動軸(図示せず)やハウジング2の回転中心である。
図1乃至図4に示すように、ボンデッドピストンシール1は、全体として円環状に形成され、ハウジング2の内部に装着されている。ボンデッドピストンシール1は、ピストン3、および、キャンセラー4を備えている。なお、ボンデッドピストンシール1がハウジング2に装着された状態で所定の機能を発揮するためには、スナップリング5、リターンスプリング6を用いてハウジング2に取り付けられる必要がある。
ピストン3は、ハウジング2の軸線xを中心とする環状の金属材からなる環状部材であり、ハウジング2に装着された状態で当該ハウジング2の回転と共に連れ回るものである。ピストン3の金属材としては、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等があり、主にSPFH(熱間圧延鋼)、SAPH(熱間圧延鋼)である。ピストン3は、例えば、プレス加工や鍛造により製造される。
ピストン3は、軸線xに沿って延び当該軸線xを中心とする板状の環状の部分である内周側円筒部31と、内周側円筒部31の筐体側(矢印c方向)の端部から外周側(矢印a方向)に向かって延びる軸線xを中心とする板状の環状の部分である内周側フランジ部32と、内周側フランジ部32の外周側(矢印a方向)の端部から多板クラッチ側(矢印d方向)に向かって延びる軸線xを中心とする板状の環状の部分である外周側円筒部33と、外周側円筒部33の多板クラッチ側(矢印d方向)の端部から外周側(矢印a方向)に向かって延びる軸線xを中心とする板状の環状の部分である外周側フランジ部34とを備えている。外周側フランジ部34は、ピストン3全体の軸線xに沿った動きに応じて、多層構造の多板クラッチ8を多板クラッチ側(矢印d方向)に向かって押圧する部分、または、多板クラッチ8から離れる部分であり、多板クラッチ8の締結または解放を行う。
ピストン3における内周側フランジ部32の外周側(矢印a方向)の端部であり、かつ、外周側円筒部33の筐体側(矢印c方向)の端部には、外周側ピストンリップ35が加硫接着されている。外周側ピストンリップ35は、内周側フランジ部32の端部および外周側円筒部33の端部を筐体側(矢印c方向)および外周側(矢印a方向)から覆い、かつ、その先端部がハウジング2の内周面2aと摺接するように外周側(矢印a方向)へ向かって延在している。すなわち、ボンデッドピストンシール1のハウジング2に対する装着時、外周側ピストンリップ35の先端部がハウジング2の内周面2aに沿って摺動するように当接される。
ピストン3における内周側円筒部31の多板クラッチ側(矢印d方向)の端部には、内周側ピストンリップ36が加硫接着されている。内周側ピストンリップ36は、内周側円筒部31の多板クラッチ側(矢印d方向)の端部において、その先端部がハウジング2の内周面2aと摺接するように内周側(矢印b方向)に向かって延在している。すなわち、ボンデッドピストンシール1のハウジング2に対する装着時、内周側ピストンリップ36の先端部がハウジング2の内周面2aに沿って摺動するように当接される。
外周側ピストンリップ35および内周側ピストンリップ36は、弾性体であり、例えば、各種のゴム状弾性部材により構成されている。ゴム状弾性部材としては、例えば、二トリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムが用いられる。
ピストン3は、ハウジング2の内部に装着された状態において、当該ピストン3の外側(矢印c方向)の上面とハウジング2の内周面2aとの間にピストン油圧室38が形成されている。ピストン油圧室38は、ハウジング2に形成されたポート2bと連通されている。ピストン3を軸線xに沿って移動させるためのATF(Automatic Transmission Fluid)等からなる作動油は、このポート2bを介してピストン油圧室38へ供給される。すなわち、ピストン3は、ポート2bを介してピストン油圧室38に供給される作動油の油圧に応じて、ハウジング2の内周面2aを軸線xに沿って当該ハウジング2と相対移動する移動部材である。
キャンセラー4は、ピストン3と対向配置された断面略S字状の金属環であり、ハウジング2の所定回転数以上の高速回転時に、ピストン3の内周側フランジ部32の外周側(矢印a方向)寄りの部分にかかる遠心油圧をキャンセルするものである。キャンセラー4の金属材としては、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等があり、主にSPFH(熱間圧延鋼)、SAPH(熱間圧延鋼)である。キャンセラー4は、ピストン3と同様に、例えば、プレス加工や鍛造により製造される。
キャンセラー4は、軸線xとは直交する径方向(矢印ab方向)の外周側(矢印a方向)に向かって延び当該軸線xを中心とする板状の環状の部分である内周側フランジ部41と、内周側フランジ部41の外周側(矢印a方向)の端部から軸線xに沿って外側(矢印c方向)へ延び、当該軸線xを中心とする板状の環状の部分である円筒部42と、円筒部42の外側(矢印c方向)の端部から径方向(矢印ab方向)の外周側(矢印a方向)に向かって延び当該軸線xを中心とする板状の環状の部分である外周側フランジ部43とを備えている。
キャンセラー4の内周側フランジ部41における内周側(矢印b方向)の端部は、スナップリング5に固定されている。スナップリング5は、ハウジング2の内周面2aに取り付けられている。すなわち、キャンセラー4は、スナップリング5を介してハウジング2に固定された固定部材であるが、ハウジング2に固定された状態で当該ハウジング2の回転と共に連れ回るものである。
キャンセラー4の外周側フランジ部43の外周側(矢印a方向)の端部には、キャンセラーリップ44が加硫接着されている。キャンセラーリップ44は、外周側フランジ部43の外周側(矢印a方向)の端部において、外周側(矢印a方向)へ延在している。すなわち、ボンデッドピストンシール1のハウジング2に対する装着時、キャンセラーリップ44の先端部がピストン3の外周側円筒部33の内周面33aに沿って摺動するように当接される。
キャンセラー4とピストン3との間には、キャンセラー油圧室48が形成されている。キャンセラー油圧室48には、作動油が充填されており、ハウジング2の回転時には遠心油圧が発生し、ピストン油圧室38の遠心油圧をキャンセルするように作用する。
ピストン3の内周側フランジ部32とキャンセラー4の内周側フランジ部41との間には、リターンスプリング6が介装されている。リターンスプリング6は、圧縮コイルバネ等からなる弾性部材であり、キャンセラー4からピストン3を離間させるように当該ピストン3を外側(矢印c方向)へ向かって付勢している。
かくして、ピストン3は、ハウジング2の高速回転時であっても、ピストン油圧室38の遠心油圧がキャンセラー油圧室48の遠心油圧によりキャンセルされるので、リターンスプリング6による当該ピストン3の解放動作が阻害されることがなくなる。これにより、ボンデッドピストンシール1は、回転速度依存性を無くしている。
かかる構成に加えてキャンセラー44のキャンセラーリップ44は、図2に示すように、軸線xと直交する径方向(矢印ab方向)の外周側(矢印a方向)へ向かって断面が凸の楔形状かつ環状のリップ先端部44a、リップ天井面44c、および、リップ外周面44dを有している。
リップ先端部44aは、リップ外側面44bt、リップ先端44b、リップ内側面44biにより構成されている。リップ外側面44btは、リップ天井面44cからリップ先端44bに向かって外周側(矢印a方向)および多板クラッチ側(矢印d方向)に傾斜した傾斜面である。リップ内側面44biは、リップ先端44bからリップ外周面44dに向かって内周側(矢印b方向)および多板クラッチ側(矢印d方向)に傾斜した傾斜面である。リップ外側面44btとリップ内側面44biとの交差する稜線部分が、ピストン3の外周側円筒部33の内周面33aと摺接されるリップ先端44bとなる。
このリップ先端部44aの外周側端部には、軸線xに沿って形成された所定深さの溝部45が一定の間隔を空けて複数形成されている。溝部45の数は、任意で構わないが、キャンセラー油圧室48に残存すると予想される空気の量に応じて適宜決定すればよい。溝部45は、リップ外側面44btおよびリップ内側面44biの双方に跨り、かつ、リップ先端44bから所定深さに切り欠かれた断面略三角形状の所定の幅を有する切欠部である。
以上の構成において、ボンデッドピストンシール1は、図3に示すように、ハウジング2の所定の回転数未満の低速回転時、キャンセラー4の外周側フランジ部43の外周側端部に固定されたキャンセラーリップ44のリップ先端部44aがピストン3の外周側円筒部33の内周面33aに当接されている。
このとき、キャンセラーリップ44のリップ先端部44aと外周側円筒部33の内周面33aとの間には、複数の溝部45による微小な隙間が形成されており、キャンセラー4よりも筐体側(矢印c方向)のキャンセラー油圧室48と当該キャンセラー4よりも多板クラッチ側(矢印d方向)の空間とが複数の溝部45の隙間を介して連通されている。
したがって、低速回転時においてキャンセラー油圧室48の作動油に小さな遠心力が加えられたことにより、キャンセラーリップ44に向かって作動油が押し付けられると、キャンセラー油圧室48に残存している空気が作動油によって複数の溝部45から押し出される。
因みに、キャンセラー油圧室48に残存している空気は、キャンセラー4とスナップリング5の周辺の隙間からも逃がしている。したがって、キャンセラー4とスナップリング5の周辺の隙間に加えて複数の溝部45を併用することにより、キャンセラー油圧室48のほぼ全ての空気を短時間のうちに押し出すことができる。
なお、低速回転時においては、キャンセラー油圧室48の作動油に小さな遠心力しか加えられないが、低速回転時には、ピストン油圧室38にピストン3の軸線xに沿った動きに影響を与えるほどの遠心油圧がそもそも発生していない。したがって、低速回転時においては、ピストン油圧室38の遠心油圧をキャンセラー油圧室48の遠心油圧でキャンセルする必要がないのである。
一方、ボンデッドピストンシール1は、図4に示すように、ハウジング2の所定の回転数以上の高速回転時、大きな遠心力の作用により、外周側フランジ部43の外周側端部に固定されたキャンセラーリップ44のリップ先端部44aがピストン3の外周側円筒部33の内周面33aに押し付けられ、所謂ベタ当たりすることになる。
このとき、キャンセラーリップ44のリップ先端部44aと内周面33aとの間に存在する複数の溝部45は、リップ先端部44aが押し潰されたことにより当該複数の溝部45による微小な隙間が無くなり、キャンセラー油圧室48と空間との連通が遮断される。これによりキャンセラー油圧室48が密閉され、高速回転時において当該キャンセラー油圧室48に発生する遠心油圧の圧力が維持される。
このように、ボンデッドピストンシール1は、ハウジング2の低速回転時にキャンセラー油圧室48の空気を全て押し出すことができる。また、キャンセラーリップ44のリップ先端部44aに複数の溝部45が形成されていても、ハウジング2の高速回転時にはキャンセラーリップ44のリップ先端部44aがピストン3の外周側円筒部33の内周面33aに押し付けられて一時的に複数の溝部45が消滅し、キャンセラー油圧室48を密閉することができる。したがって、ボンデッドピストンシール1は、ハウジング2の高速回転時に、ピストン油圧室38に発生する遠心油圧をキャンセラー油圧室48で発生する遠心油圧によりキャンセルし、ピストン3を安定して作動させることができる。
かくして、ハウジング2が低速回転から高速回転まで連続的に動作するのであれば、ボンデッドピストンシール1が低速回転時から高速回転時へと遷移したときには、既に、キャンセラー油圧室48の空気を全て押し出した状態でピストン3を安定動作させる状態になっている。かくして、変速機としては、駆動軸を介してハウジング2を普通に低速から高速に連続して回転させるだけで、自動的にピストン3の動作を安定させることができる。
以上の構成によれば、ボンデッドピストンシール1は、ハウジング2の低速回転時にキャンセラー油圧室48の空気を予め押し出しておくことにより、ハウジング2の高速回転時にピストン3の応答性を安定させることができる。
<他の実施の形態>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係るボンデッドピストンシール1に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
本願発明のボンデッドピストンシールは、自動車等の車両およびその補機、一般産業機械、建設機械等においてピストンの動きを安定させる種々の分野において利用することが可能である。
1 ボンデッドピストンシール
2 ハウジング
2a、33a 内周面
3 ピストン(BPS)
4 キャンセラー(BCS)
5 スナップリング
6 リターンスプリング
8 多板クラッチ
31、41 内周側円筒部
32 内周側フランジ部
33 外周側円筒部
34、43 外周側フランジ部
35 外周側ピストンリップ
36 内周側ピストンリップ
42 円筒部
44 キャンセラーリップ
44a リップ先端部
44bt 外側面
44bi 内側面
44c 天井面
44d リップ外周面
45 溝部
x 軸線

Claims (4)

  1. ハウジングの内部に往復動可能に配置され、当該ハウジングの内周面と密封摺動するピストンリップを有し、前記ハウジングと共にピストン油圧室を形成する環状のピストンと、
    前記ピストンの内周面と密封摺動するキャンセラーリップを有し、前記ハウジングに固定され、前記ピストンと共にキャンセラー油圧室を形成する環状のキャンセラーと、
    前記ピストンの内周面と密封摺動する前記キャンセラーリップの外周側端部に、軸方向に沿って形成された所定深さの溝部と
    を備えることを特徴とするボンデッドピストンシール。
  2. 前記溝部は、前記キャンセラーリップの外周側端部に等間隔で複数形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のボンデッドピストンシール。
  3. 前記溝部は、前記キャンセラーが所定の回転数未満の低速回転時、前記キャンセラーリップの外周側端部と前記ハウジングの内周面との間に当該溝部による隙間が形成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボンデッドピストンシール。
  4. 前記溝部は、前記キャンセラーが所定の回転数以上の高速回転時、前記キャンセラーリップの外周側端部が前記ハウジングの内周面に押しつけられて当該溝部が塞がれる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボンデッドピストンシール。
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