JP2017122466A - 組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット - Google Patents

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良雄 神谷
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Abstract

【課題】静止側軌道輪と回転側軌道輪との間の通電を、組み合わせシールリングを介して、長期に亙り行う事ができる構造を実現する。
【解決手段】シールリング20aを構成するシール材22aを、絶縁性の弾性材製の第一のシール部29と、導電性の弾性材製の第二のシール部30とから構成する。第一のシール部29に、先端部を回転側円輪部26の軸方向内側面に摺接させた補助シールリップ34を設ける。第二のシール部30に、先端部をスリンガ19の表面に摺接させた複数本のシールリップ35a〜35cを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットのうち、回転側軌道輪と静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在して複数個の転動体を設置した軸受内部空間の端部開口を、スリンガとシールリングとから成る組み合わせシールリングにより塞いで成る、組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに関する。
自動車の車輪は、懸架装置に対して、車輪支持用転がり軸受ユニットにより回転自在に支持される。図5は、例えばトラックや大型乗用車等、比較的重量が嵩む自動車の車輪を支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示している。この図5に示した車輪支持用転がり軸受ユニット1は、静止側軌道輪である外輪2と、互いに組み合わされる事で回転側軌道輪を構成する、ハブ3、並びに、第一の内輪4及び第二の内輪5と、それぞれが転動体である、複数個の円すいころ6、6とを備える。このうちの外輪2は、内周面に、それぞれが円すい凹面状の曲面である第一の外輪軌道7と第二の外輪軌道8とを有し、外周面に、前記外輪2を懸架装置に対し支持固定する為の静止側フランジ9を有する。尚、前記第一の外輪軌道7の傾斜方向と、前記第二の外輪軌道8の傾斜方向とは、互いに逆である。
又、前記ハブ3の軸方向外端部の外周面で、前記外輪2の軸方向外端開口部から突出した部分には、このハブ3に車輪を支持固定する為の回転側フランジ10が設けられており、このハブ3の軸方向中間部乃至内端寄り部分の外周面には、段部11が設けられている。尚、本明細書で、軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図の右側を言い、反対に、車両の幅方向外側となる、各図の左側を、軸方向に関して「外」と言う。
前記第一の内輪4の外周面には、円すい凸面状の曲面である第一の内輪軌道12が形成されており、前記第二の内輪5の外周面には、円すい凸面状の曲面である第二の内輪軌道13が形成されている。前記第一の内輪4及び前記第二の内輪5は、前記段部11に締り嵌めで外嵌されている。具体的には、前記第一の内輪4の軸方向外端面(大径側端面)を、この段部11の軸方向外端部に、軸方向内方に向いた状態で設けられた段差面14に押し付けた状態で、前記第一の内輪4を前記段部11に締り嵌めで外嵌固定している。又、前記第二の内輪5の軸方向外端面(小径側端面)を前記第一の内輪4の軸方向内端面(小径側端面)に押し付けた状態で、前記第二の内輪5を前記段部11に締り嵌めで外嵌固定している。そして、この段部11の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がった状態で設けられた抑え部15により、前記第二の内輪5の軸方向内端面(大径側端面)を抑え付けている。即ち、前記第一の内輪4とこの第二の内輪5とは、前記段差面14と前記抑え部15とにより、軸方向両側から挟持された状態で、前記ハブ3に対し外嵌固定されている。尚、前記抑え部15は、前記ハブ3のうち、前記第二の内輪5を外嵌固定した状態で、この第二の内輪5の軸方向内端面から軸方向内方に突出した円筒部を径方向外方に塑性変形させる(かしめ拡げる)事により設けられる。前記第一の内輪4及び前記第二の内輪5を前記ハブ3に外嵌固定した状態で、前記第一の内輪軌道12の傾斜方向と、前記第二の内輪軌道13の傾斜方向とは、互いに逆になっている。
前記第一の外輪軌道7と前記第一の内輪軌道12との間、及び、前記第二の外輪軌道8と前記第二の内輪軌道13との間には、前記各円すいころ6、6が、それぞれ複数個ずつ、保持器16、16により保持された状態で転動自在に設けられている。又、前記外輪2の軸方向両端部内周面と、前記第一の内輪4と前記第二の内輪5との互いに反対側の端部である大径側端部の外周面との間に、それぞれ組み合わせシールリング17、17を設け、前記各円すいころ6、6を設置した転動体設置空間18の軸方向両端開口部を塞いでいる。前記両組み合わせシールリング17、17は、前記第一の内輪4及び前記第二の内輪5の大径側端部外周面に外嵌固定される断面L字型のスリンガ19、19と、シールリング20、20とから構成されている。このうちのシールリング20、20は、前記外輪2の軸方向両端部内周面に外嵌固定される、断面L字型の芯金21、21と、これら両芯金21、21に基端部を支持され、それぞれの先端部を前記両スリンガ19、19の表面に全周に亙り摺接させた複数本のシールリップを有するシール材22、22とから構成されている。
前記転動体設置空間18内への異物侵入防止と、この転動体配置空間18内に充填したグリースの漏洩防止とを十分に図る為には、この転動体配置空間18の両端開口部を十分にシールする必要がある。特に、この転動体配置空間18の軸方向外端開口部をシールする為のシールリングに就いては、前記回転側フランジ10の軸方向内側面に沿って径方向内方に導かれた異物が前記転動体配置空間18内に入り込むのを防止する為に、優れたシール性能を要求される。
ところで、前述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1を組み込んだ車両の運転状態に於いて、車両に発生する静電気が、この車輪支持用転がり軸受ユニット1に流れ込む事がある。又、この車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成する前記各円すいころ6、6の転動面と、前記第一、第二の外輪軌道7、8及び前記第一、第二の内輪軌道12、13との
間部分には、絶縁性の高い潤滑油膜が存在する。この為、この間部分の電気抵抗が大きくなり帯電して(外輪2とハブ3との間に電位差が生じて)、この帯電量が多く(外輪2とハブ3との間の電位差が大きく)なると、前記各円すいころ6、6の転動面と、前記第一、第二の外輪軌道7、8及び前記第一、第二の内輪軌道12、13との間に瞬間的に放電現象が発生する(スパークが発生する)。この様なスパークが発生すると、ラジオに雑音が混じる他、著しい場合には、車載の電子機器を誤作動させる可能性がある。特に、前述の図5に示した従来構造の様に、転動体として円すいころ6、6を使用すると、これら各円すいころ6、6の転動面と、前記第一、第二の外輪軌道7、8及び前記第一、第二の内輪軌道12、13とが線接触となり、周方向に油溜りが形成され、前記潤滑油膜の厚さが厚くなり易い。又、耐熱性、耐フレッチング性に優れ、車輪支持用転がり軸受ユニットの潤滑に多く使用される、ウレア系グリースは、増ちょう剤であるウレア化合物が極性を有し、軌道面(前記第一、第二の外輪軌道7、8及び前記第一、第二の内輪軌道12、13)に吸着し易い。この為、前記潤滑油膜の厚さが実質的に厚くなったのと同じ状態となり、前記スパークが発生し易くなる。又、上述の様な帯電は、駆動軸による放電がない従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットに発生し易い傾向にある。
これに対し、特許文献1の図1〜4には、組み合わせシールリングを構成するシールリングの芯金に基端部を支持された、導電性合成ゴムから成る通電体の先端部を、ハブの回転側フランジの軸方向内側面に摺接させ、このハブと外輪とを通電させた構造が記載されている。この様な特許文献1に記載の構造によれば、転動体の転動面と、外輪軌道及び内輪軌道との間部分に形成される絶縁性の高い潤滑油膜にかかわらず、これらの間部分でのスパークの発生を防止する事ができる。但し、前記特許文献1に記載の構造の場合、導電性合成ゴム製の通電体の先端部と、ハブの回転側フランジの軸方向内側面との摺接部の直径が大きく、このハブの回転トルクの損失が大きくなったり、前記通電体の摩耗量が増大する可能性がある。又、この通電体の発熱量が大きくなって、電気抵抗が大きくなり、スパークの発生防止効果が低下する可能性がある。更に、前記通電体を構成する導電性合成ゴムは、吸水性が高い為、この通電体が、泥水等の水分を吸収(膨潤)して、膨張等の変形が生じると、前記回転側フランジの軸方向内側面との摺接部の摩擦抵抗が大きくなって、前記ハブの回転トルクの損失がより大きくなったり、前記通電体の摩耗量がより一層増大して、この通電体から水分が排出された際に、この通電体の先端部と、前記回転側フランジの軸方向内側面とを摺接させられなくなって、前記スパークの発生防止効果を得られなくなる可能性がある。
特開2010−18045号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、静止側軌道輪と回転側軌道輪との間の通電を、組み合わせシールリングを介して、長期に亙り行う事ができる転がり軸受ユニットの構造を実現する事を目的としている。
本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットは、回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、複数個の転動体と、組み合わせシールリングとを備える。
このうちの回転側軌道輪及び静止側軌道輪は、互いに同軸に配置された状態で相対回転する。
前記各転動体は、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた、回転側軌道と静止側軌道との間に、転動自在に設けられている。
前記組み合わせシールリングは、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間の端部開口を塞ぐもので、スリンガ及びシールリングから成る。
このうちのスリンガは、前記回転側軌道輪の周面の一部で前記静止側軌道輪の周面に対向する部分に嵌合固定された回転側円筒部と、この回転側円筒部の軸方向端縁から前記静止側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった回転側円輪部とから構成されている。
前記シールリングは、前記静止側軌道輪の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定された芯金と、この芯金に、加硫接着により基端部を支持された、複数本のシールリップを有するシール材とから構成されている。
特に、本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに於いては、前記シール材が、絶縁性の弾性材製の第一のシール部と、導電性の弾性材製の第二のシール部とから構成されている。そして、前記各シールリップのうち、少なくとも外部空間に最も近いシールリップが、前記第一のシール部に設けられており、残りのシールリップのうちの少なくとも1本のシールリップが、前記第二のシール部に設けられている。
上述の様な本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記第一のシール部と前記第二のシール部との間に、仕切り部(環状隙間)を設ける。尚、この仕切り部は、前記第一のシール部を構成する絶縁性の弾性材と、前記第二のシール部を構成する導電性の弾性材とが混ざり合う事を防止する為に、これら両弾性材を加硫成形する際に、金型の一部を、前記芯金の静止側円輪部の表面(側面又は端面)に突き当てる事により設けられる非連続部分である。
又、好ましくは請求項3に記載した発明の様に、前記各転動体を、円すいころとする。
或いは、これら各転動体を、玉や円筒ころ(ニードルを含む)とする事もできる。
上述の様な本発明の組み合わせシールリングを実施する場合、具体的には、前記各シールリップのうち、少なくとも外部空間から最も遠いシールリップを、前記第二のシール部に設ける。
又、好ましくは、前記第二のシール部を構成する導電性の弾性材の一部を、前記芯金の軸方向両側面のうち、前記スリンガ側と反対側の側面に沿って径方向外方に延出させて、この延出した部分の先端部に、前記静止側軌道輪の周面と接触(当接)する接触リップを設ける。
上述の様な本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットを、車輪支持用転がり軸受ユニットで実施する場合、具体的には、例えば、前記回転側軌道輪を、ハブ及び少なくとも1個の内輪を組み合わせたものとし、前記静止側軌道輪を、外輪とする。この外輪は、懸架装置に支持固定されるもので、内周面に複列の外輪軌道を有する。又、前記ハブは、軸方向外端部の外周面で、前記外輪の軸方向外端部開口から突出した部分に、車輪を支持固定する為の回転側フランジが設けられている。又、前記内輪は、外周面に内輪軌道を有し、前記ハブに外嵌固定されている。そして、前記外輪の内周面と、前記ハブ本体の外周面(前記内輪の外周面)との間に存在する転動体設置空間の軸方向両端開口のうち、少なくとも軸方向外端開口を組み合わせシールリングにより塞ぐ。尚、前記両外輪軌道に対向する複列の内輪軌道のうちの軸方向外側の内輪軌道は、前記ハブの外周面に直接設ける事もできるし、このハブに前記内輪を外嵌固定する事で設ける事もできる。
上述の様に構成する本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットは、静止側軌道輪と回転側軌道輪との間の通電を、組み合わせシールリングを介して、長期に亙り行う事ができる。
即ち、本発明の場合、前記組み合わせシールリングを構成するシール材の複数のシールリップのうち、外部空間に最も近いシールリップ以外の少なくとも1本のシールリップを、このシール材のうち、導電性の弾性材製の第二のシール部に設ける事により、この外部空間に最も近いシールリップ以外の少なくとも1本のシールリップ(及び芯金)を介して、前記静止側軌道輪と前記回転側軌道輪との間の通電を行う事ができる。又、本発明の場合、前記各シールリップのうち、少なくとも外部空間に最も近いシールリップを、前記シール材のうち、絶縁性の弾性材製の第一のシール部に設けている。この様な絶縁性の弾性材製の第一のシール部は、導電性の弾性材製の第二のシール部と比較して、吸水性を低くできる。この為、前記少なくとも外部空間に最も近いシールリップが、泥水等の水分を吸収して、膨張等の変形が生じるのを抑える事ができ、この少なくとも外部空間に最も近いシールリップとスリンガとの摺接部の摩擦抵抗の増大を抑えられる。又、この少なくとも外部空間に最も近いシールリップの摩耗量の増大を抑えられ、前記第二のシール部側に泥水等の水分が侵入するのを長期に亙り防止する事ができる。この結果、前記静止側軌道輪と前記回転側軌道輪との間の通電を、長期に亙り行う事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、断面図。 同じく組み合わせシールリングを取り出して、各シールリップを自由状態で示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同じく第3例を示す、図2と同様の図。 車輪支持用転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、従動輪用のもので、前述の図5に示した従来構造と同様に、静止側軌道輪である外輪2と、互いに組み合わされる事で回転側軌道輪を構成する、ハブ3、並びに、第一の内輪4及び第二の内輪5と、それぞれが転動体である、複数個の円すいころ6、6とを備える。このうちの外輪2は、内周面に、それぞれが円すい凹面状の曲面で、互いに逆の傾斜方向を有する第一の外輪軌道7と第二の外輪軌道8が設けられ、外周面に、前記外輪2を懸架装置に対し支持固定する為の静止側フランジ9が設けられている。
前記ハブ3の軸方向外端部の外周面で、前記外輪2の軸方向外端開口部から突出した部分には、このハブ3に車輪を支持固定する為の回転側フランジ10が設けられており、このハブ3の軸方向中間部乃至内端寄り部分の外周面には、段部11が設けられている。
前記第一の内輪4の外周面には、円すい凸面状の曲面である第一の内輪軌道12が形成されており、前記第二の内輪5の外周面には、円すい凸面状の曲面である第二の内輪軌道13が形成されている。前記第一の内輪4及び前記第二の内輪5は、前記段部11に締り嵌めで外嵌されている。この状態で、前記第一の内輪軌道12の傾斜方向と、前記第二の内輪軌道13の傾斜方向とは、互いに逆になっている。これら第一の内輪4及び第二の内輪5は、この段部11の軸方向外端部に、軸方向内方に向いた状態で設けられた段差面14と、この段部11の軸方向内端部から径方向外方に折れ曲がった状態で設けられた抑え部15とにより、軸方向両側から挟持された状態で、前記ハブ3に対し外嵌固定されている。尚、前記抑え部15は、前記ハブ3のうち、前記第二の内輪5を外嵌固定した状態で、この第二の内輪5の軸方向内端面から軸方向内方に突出した円筒部を径方向外方に塑性変形させる(かしめ拡げる)事により設けられる。
前記第一の外輪軌道7と前記第一の内輪軌道12との間、及び、前記第二の外輪軌道8と前記第二の内輪軌道13との間には、前記各円すいころ6、6が、それぞれ複数個ずつ、保持器16、16により保持された状態で転動自在に設けられている。
又、前記外輪2の軸方向外端部内周面と、前記第一の内輪4の軸方向外端部(大径側端部)外周面との間に組み合わせシールリング17aを設けると共に、前記外輪2の軸方向内端開口を、この開口部分に装着したカバー23により塞いでいる。これにより、前記各円すいころ6、6を設置した転動体設置空間18の軸方向両端開口を塞いで、この転動体設置空間18内に塵芥や雨水等の異物が侵入したり、この転動体設置空間18内に封入したグリースが外部空間に漏洩したりする事を防止している。又、前記第二の内輪5の軸方向内端部(大径側端部)には、前記車輪の回転速度を測定する為のエンコーダ24を外嵌固定している。
本例の場合、前記組み合わせシールリング17aは、スリンガ19とシールリング20aとを組み合わせて成る。このうちのスリンガ19は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成されており、回転側円筒部25と、この回転側円筒部25の軸方向外端縁から径方向外方に折れ曲がった回転側円輪部26とから構成されている。この様なスリンガ19は、前記回転側円筒部25を、前記第一の内輪4の軸方向外端部に締り嵌めで外嵌固定している。
又、前記シールリング20aは、芯金21aとシール材22aとを組み合わせて成る。このうちの芯金21aは、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成されており、静止側円筒部27と、この静止側円筒部27の軸方向内端縁から径方向内方に折れ曲がった静止側円輪部28とから構成されている。又、前記シール材22aは、絶縁性の弾性材(ゴムの如きエラストマー等)製の第一のシール部29と、導電性の弾性材(ゴムの如きエラストマー等に導電性付与剤を添加する等したもの)製の第二のシール部30とから構成されている。この様な第一のシール部29及び第二のシール30はそれぞれ、前記芯金21aに加硫接着されている。又、これら第一のシール部29と第二のシール部30との間部分で、前記静止側円輪部28の軸方向外側面の径方向中間部には、金属製で円環状の仕切り部(環状隙間)31を全周に亙って設けている。この様な仕切り部31は、前記第一のシール部29を構成する絶縁性の弾性材と、前記第二のシール部30を構成する導電性の弾性材とが混ざり合うのを防止する為に設けられた非連続部分である。即ち、前記仕切り部31は、これら両弾性材を加硫成形する際に、金型を構成する1対の割型のうちの一方の割型の一部を、前記静止側円輪部28の軸方向外側面に突き当てる事により形成される。又、前記第二のシール部30のうち、この静止側円輪部28を挟んで前記仕切り部31と反対側の円周方向複数箇所には、窓部32を設けている。これら各窓部32は、前記両弾性材を加硫成形する際に、前記両割型のうちの他方の割型の一部を、前記静止側円輪部28の軸方向内側面に突き当てる事により形成される。即ち、前記加硫成形の際、前記静止側円輪部28は、前記両割型同士の間で挟持される。
前記第一のシール部29は、前記静止側円輪部28の軸方向外側面の径方向外端寄り部分に支持(加硫接着)された厚肉部33と、この厚肉部33の軸方向外端面の径方向内端部から軸方向外方に向けて延出する状態で設けられ、先端部を前記回転側円輪部26の軸方向内側面に摺接乃至近接対向させた補助シールリップ34とを備えている。又、前記第二のシール部30は、前記静止側円輪部28の軸方向外側面の径方向内端寄り部分に基端部を支持され、先端部を前記スリンガ19の表面(前記回転側円輪部26の軸方向内側面及び前記回転側円筒部25の外周面)に摺接させた複数本(図示の例では3本)のシールリップ35a〜35cを備えている。更に、本例の場合、前記第二のシール部30を構成する導電性の弾性材の一部を、前記静止側円輪部28の軸方向内側面に沿って径方向外方に向け放射状に延出させて、これら各延出した部分の先端部(径方向外端部)に接触リップ36を設け、これら各接触リップ36を前記外輪2の内周面に接触(当接)させている。即ち、本例の場合、前記各接触リップ36は、前記静止側円筒部27の外周面と、前記静止側円輪部28の軸方向内側面との連続部のうち、円周方向に離隔した複数箇所に設けられている。尚、この様な接触リップ36は、前記第二のシール部30を構成する導電性の弾性材の一部を、前記静止側円輪部28の軸方向内側面に沿ってこの静止側円輪部28の軸方向内側面を全面に亙り覆う様にして、径方向外方に向け延出させて、この延出した部分の先端部に全周に亙って設ける事もできる。
更に、本例の場合、前記外輪2の軸方向外端部に、第二のシールリング37を支持固定し、この第二のシールリング37のシールリップ38を、前記段差面14(前記回転側フランジ10の軸方向内側面の径方向内端寄り部分)に摺接乃至近接対向させている。これにより、前記組み合わせシールリング17aを設置した部分に、外部空間からの泥水等の水分が侵入する事を防止している。
この様な本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aによれば、前記外輪2と、前記ハブ3及び前記第一、第二の内輪4、5との間の通電を、前記組み合わせシールリング17aを介して、長期に亙り行う事ができる。
即ち、本例の場合、先端部を前記スリンガ19の表面に摺接させた前記各シールリップ35a〜35cを、導電性の弾性材製である前記第二のシール部30に設けている。この為、この第二のシール部30を介して、この外輪2と、前記ハブ3及び前記第一、第二の内輪4、5との間の通電を行う事ができる。又、一般的には、ゴムの如きエラストマー等の弾性材に使用されるフェノール系接着剤やエポキシ系接着剤は、絶縁性である。これに対し、本例の場合には、この第二のシール部30に設けられた前記接触リップ36を、前記外輪2の内周面に接触させる事により、前記通電を、前記芯金21aを介さずに行える為、この通電に対する電気抵抗を小さく抑える事ができる。
又、前記各シールリップ35a〜35cよりも外部空間寄りの部分に存在する補助シールリップ34を、絶縁性の弾性材製である前記第一のシール部29に設けている。この様な絶縁性の弾性材製の第一のシール部29は、導電性の弾性材製の前記第二のシール部30と比較して、一般的にイオン成分が少ない(イオン濃度が低い)為、吸水性が低い。この為、前記補助シールリップ34が、泥水等の水分を吸収して、膨張等の変形が生じるのを抑える事ができ、この補助シールリップ34と前記スリンガ19との摺接部の摩擦抵抗の増大を抑えられる。又、この補助シールリップ34の摩耗量の増大を抑えられ、この補助シールリップ34よりも前記転動体設置空間19側に泥水等の水分が侵入するのを長期に亙り防止する事ができる。この結果、前記各シールリップ35a〜35cが、泥水等の水分を吸収して、膨張等の変形が生じるのを防止する事ができ、前記通電を、長期に亙り行う事ができる。又、本例の場合、導電性の弾性材製の前記各シールリップ35a〜35cの先端部と、前記スリンガ19の表面との摺接部の直径を、前述した特許文献1の通電体の先端部と、ハブの回転側フランジの軸方向内側面との摺接部の直径よりも小さくできて、前記ハブ3の回転トルクの損失が増大するのを防止する事ができる。
更に、本例の場合には、前記第一のシール部29と前記第二のシール部30との間部分に、前記仕切り部31を全周に亙って設けている。この為、前記第一のシール部29と前記第二のシール部30とを同時に(1工程で)加硫成形する事ができる。
尚、本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットは、図示の様な従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットに限らず、駆動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットで実施する事もできるし、車輪支持用転がり軸受ユニットに限らず、各種回転機械用の転がり軸受ユニットで実施する事もできる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、複数のシールリップ35a〜35cのうち、最も外部空間に近い(最も径方向外側の)シールリップ35aを、絶縁性の弾性材製の第一のシール部29aに設けている。そして、仕切り部31aを、この第一のシール部29aと第二のシール部30aとの間部分で、芯金21aの静止側円輪部28の軸方向外側面の径方向内端寄り部分に設け、前記第二のシール部30aのうち、この静止側円輪部28を挟んで前記仕切り部31aと反対側の円周方向複数箇所に窓部32aを設けている。この様な本例の構造によれば、導電性の弾性材製の第二のシール部30aに、泥水等の水分が付着するのをより有効に防止する事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、複数のシールリップ35a〜35cのうち、最も外部空間から遠いシールリップ35cのみを、導電性の弾性材製の第二のシール部30bに設け、残りのシールリップ35a、35bを、絶縁性の弾性材製の第一のシール部29bに設けている。そして、芯金21aの静止側円輪部28の径方向内端部の軸方向外側面に全周に亙って、前記第一のシール部29bと前記第二のシール部30bとを仕切る為の仕切り部31bを設け、前記静止側円輪部28の径方向内端部の軸方向内側面に全周に亙って、窓部32bを設けている。この様な本例によれば、窓部を円周方向複数箇所に間欠的に設ける場合と比較して、組み合わせシールリング17b、延いては、車輪支持用転がり軸受ユニット1a(図1参照)の製造コストを低減する事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
1、1a 車輪支持用転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 第一の内輪
5 第二の内輪
6 円すいころ
7 第一の外輪軌道
8 第二の外輪軌道
9 静止側フランジ
10 回転側フランジ
11 段部
12 第一の内輪軌道
13 第二の内輪軌道
14 段差面
15 抑え部
16 保持器
17、17a、17b 組み合わせシールリング
18 転動体設置空間
19 スリンガ
20、20a シールリング
21、21a 芯金
22、22a シール材
23 カバー
24 エンコーダ
25 回転側円筒部
26 回転側円輪部
27 静止側円筒部
28 静止側円輪部
29、29a、29b 第一のシール部
30、30a、30b 第二のシール部
31、31a、31b 仕切り部
32、32a、32b 窓部
33 厚肉部
34 補助シールリップ
35a〜35c シールリップ
36 接触リップ
37 第二のシールリング
38 シールリップ

Claims (3)

  1. 互いに同軸に配置された状態で相対回転する回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、
    これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた、回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
    前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間の端部開口を塞ぐ、スリンガ及びシールリングから成る組み合わせシールリングとを備え、
    このうちのスリンガは、前記回転側軌道輪の周面の一部で前記静止側軌道輪の周面に対向する部分に嵌合固定された回転側円筒部と、この回転側円筒部の軸方向端縁から前記静止側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった回転側円輪部とから構成されており、
    前記シールリングは、前記静止側軌道輪の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定された芯金と、この芯金に基端部を支持され、それぞれの先端部を前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させた複数本のシールリップを有するシール材とから構成されている
    組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに於いて、
    前記シール材が、絶縁性の弾性材製の第一のシール部と、導電性の弾性材製の第二のシール部とから構成されており、
    前記各シールリップのうち、少なくとも外部空間に最も近いシールリップが、前記第一のシール部に設けられており、残りのシールリップのうちの少なくとも1本のシールリップが、前記第二のシール部に設けられている
    事を特徴とする組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット。
  2. 前記第一のシール部と前記第二のシール部との間に、仕切り部を設けている、
    請求項1に記載した組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット。
  3. 前記各転動体が円すいころである、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット。
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