JP2018194033A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性能を良好にでき、かつ、最も径方向外側のシールリップが摺接する部分の性状を良好にする。【解決手段】回転フランジ8の軸方向内側面のうちの径方向内端部には、軸方向外方に凹んだ環状凹部19が全周にわたって設けられており、環状凹部19の内部に、該環状凹部19の底面を全周にわたって覆う摺接環23が支持されている。最も径方向外側のシールリップ18aの先端縁が、摺接環23の軸方向内側面に全周にわたり摺接している。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪および制動用回転体は、ハブユニット軸受により、懸架装置に対して回転自在に支持されている。図5および図6は、特開2011−89558号公報に記載されている、従来のハブユニット軸受の1例を示している。ハブユニット軸受1は、外方部材である外輪2と、内方部材であるハブ3と、複数個の転動体4とを備える。
外輪2は、内周面に設けられた複列の外輪軌道5と、外輪2を懸架装置(図示せず)に支持固定するための静止フランジ6とを有する。ハブ3は、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、外周面のうちで複列の外輪軌道5に対向する部分に設けられた複列の内輪軌道7と、車輪および制動用回転体(図示せず)を支持するための回転フランジ8とを有する。転動体4は、複列の外輪軌道5と複列の内輪軌道7との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、転動自在に配置されている。このような構成により、ハブ3は、外輪2の内径側に回転自在に支持されている。
なお、図示の例では、ハブ3は、軸方向内端部に小径段部9を有するハブ本体10と、小径段部9に圧入された内輪11とから構成されている。なお、軸方向に関して「内」とは、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車両の幅方向中央側となる、図1〜図6の右側をいう。反対に、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車両の幅方向外側となる、図1〜図6の左側を、軸方向に関して「外」という。
外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在する円筒状の内部空間12の軸方向両端部はそれぞれ、シール装置13a、13bにより塞がれている。軸方向外側のシール装置13aは、芯金14と、シール材15とから構成された、シールリングである。
芯金14は、軟鋼板などの金属板を曲げ成形により、断面L字形で全体を円環状に構成されたもので、外輪2の軸方向外端部内周面に内嵌された円筒状の嵌合筒部16と、嵌合筒部16の軸方向外端部から径方向内方に折れ曲がった支持部17とを備える。
シール材15は、ゴムのごときエラストマーなどの弾性材により構成されており、シール材15の基端部は、支持部17に加硫接着により支持固定されている。また、シール材15は、接触式のシールリップ18a、18b、18cを有する。シールリップ18a、18b、18cのそれぞれの先端縁は、回転フランジ8の軸方向内側面またはハブ3の軸方向中間部外周面に全周にわたって摺接している。
図示の例では、回転フランジ8の軸方向内側面のうち、径方向に関して外輪2の外周面よりも内側に存在する径方向内端部には、軸方向外方に凹んだ環状凹部19が全周にわたって設けられている。そして、シールリップ18a、18b、18cのうち、最も径方向外側のシールリップ18aの先端縁は、環状凹部19の底面に全周にわたって摺接している。このため、車両の走行中に跳ね上げられた泥水などの異物が、シールリップ18aの先端縁が摺接する部分に直接跳ねかかることが防止され、当該部分に異物が到達しにくいため、耐泥水性などのシール性能が良好である。
特開2011−89558号公報
図5および図6に示した構造には、次の面から改良の余地がある。すなわち、環状凹部19の外径側周面は、径方向内方を向いた段差面となっている。このため、軸方向外側の内輪軌道7および小径段部9に研削加工による仕上げ加工を施す際に、シールリップ18aの先端縁が摺接する環状凹部19の底面を同時に研削することは、砥石の形状を工夫したとしても困難である。環状凹部19の面精度や面粗さなどを整えるための研削加工を、軸方向外側の内輪軌道7および小径段部9の仕上げ加工とは別工程で行うと、ハブユニット軸受1の製造コストが増大してしまう。
したがって、環状凹部19の底面は、通常切削加工により仕上げられるが、環状凹部19を切削加工により仕上げると、研削加工により仕上げた場合と比較して、振れ精度や面粗さが悪化したり、送り目が形成されたりする。この結果、環状凹部19とシールリップ18aの先端縁との間の摩擦が増大して、シールトルクが増大したり、異音が発生したりする可能性がある。また、シールリップ18aの先端縁が磨耗しやすくなって、シール性能を長期にわたり良好に維持することが難しくなる可能性がある。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、シール性能を良好にでき、かつ、最も径方向外側のシールリップが摺接する部分の性状を良好できるハブユニット軸受の構造を実現することを目的としている。
本発明のハブユニット軸受は、外方部材と、内方部材と、複数個の転動体と、シールリングとを備える。
前記外方部材は、内周面に外輪軌道が設けられている。
前記内方部材は、軸方向外側部に回転フランジが一体に設けられたハブ本体を有し、外周面に内輪軌道が設けられている。
前記複数個の転動体は、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に配置されている。
前記シールリングは、前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する内部空間の軸方向外側の開口部を塞ぐ。
前記ハブ本体は、前記回転フランジよりも軸方向内側で、かつ、前記内輪軌道よりも軸方向外側に存在する軸方向中間部に、軸方向外側を向いた段差面を有している。
前記回転側フランジの軸方向内側面の径方向内端部には、軸方向外方に凹んだ環状凹部が全周にわたって設けられている。
前記環状凹部の内部には、前記環状凹部の底面を全周にわたって覆う摺接環が支持されている。前記摺接環の径方向内側部は、径方向内方に向かうほど軸方向内方に向かう方向に湾曲しており、該摺接環の軸方向内端部が、前記段差面に突き当てられている。
前記シールリングは、少なくとも1本のシールリップを有し、該少なくとも1本のシールリップのうちの最も径方向外側のシールリップの先端縁は、前記摺接環の軸方向内側面に全周にわたり摺接している。
前記摺接環の軸方向内側面のうちで前記最も径方向外側のシールリップの先端縁が摺接する部分は、前記回転フランジの軸方向内側面のうちで前記環状凹部の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向外側に位置している。
また、前記摺接環の軸方向内側面のうちで前記最も径方向外側のシールリップの先端縁が摺接する部分の表面粗さは、前記環状凹部の底面の表面粗さよりも小さくなっている。
例えば、前記環状凹部の底面は、切削加工により仕上げられた切削面であり、前記摺接環の軸方向内側面の表面粗さは、ヘアライン仕上げによるもの以上の良好な(粗さが小さい)面となっている。
前記摺接環を、前記最も径方向外側のシールリップの先端縁よりも径方向外側部分に庇部を有するものとし、該庇部の軸方向内端部を、前記回転フランジの軸方向内側面のうちで前記環状凹部の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向内側に位置させることができる。
前記摺接環の径方向内端部を櫛歯状にすることができる。
前記摺接環は、金属板製の本体部と、該本体部に加硫接着された、弾性材製のシール材とから構成することができる。シール材は、先端縁が環状凹溝の外径側内周面に全周にわたって当接したリップ部を有することができる。
本発明のハブユニット軸受によれば、車両の走行中に跳ね上げられた泥水などの異物が、最も径方向外側のシールリップが摺接する部分に到達しにくく、耐泥水性などのシール性能を良好にでき、かつ、前記最も径方向外側のシールリップが摺接する部分の性状を良好にできる。このため、シールトルクの増大や異音の発生を防止でき、かつ、シール性能を長期にわたり良好に維持することができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例のハブユニット軸受を示す断面図である。 図2は、図1のX部拡大図である。 図3は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図である。 図4は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図である。 図5は、ハブユニット軸受の従来構造の1例を示す断面図である。 図6は、図5のY部拡大図である。
[実施の形態の第1例]
図1および図2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のハブユニット軸受1aは、図5および図6に示した従来構造と同様に、外方部材である外輪2と、内方部材であるハブ3aと、複数個の転動体4とを備える。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されており、複列の外輪軌道5と、外輪2を懸架装置に支持固定するための静止フランジ6とを備える。複列の外輪軌道5は、外輪2の内周面に設けられている。静止フランジ6は、外輪2の軸方向中間部に径方向外方に突出するように設けられている。静止フランジ6の径方向中間部の円周方向複数箇所にはそれぞれ、支持孔20が設けられている。外輪2は、支持孔20のそれぞれに螺合あるいは挿通されたボルトなどの結合部材により、懸架装置を構成するナックルに支持固定される。
ハブ3aは、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、複列の内輪軌道7と、車輪および制動用回転体を支持するための回転フランジ8aとを備える。複列の内輪軌道7は、ハブ3aの外周面のうちで、複列の外輪軌道5に対向する部分に設けられている。回転フランジ8aは、軸方向に関して外輪2の軸方向外端面よりも外側に存在するハブ3aの軸方向外側部に、径方向外方に突出するように設けられている。回転フランジ8aの径方向外側部の円周方向複数箇所にはそれぞれ、取付孔21が設けられている。車輪および制動用回転体は、取付孔21のそれぞれに圧入されたスタッド36、あるいは螺合されたボルトなどにより回転フランジ8aに支持される。
転動体4は、軸受鋼などの硬質金属、あるいはセラミックにより構成されており、複列の外輪軌道5と複列の内輪軌道7との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、転動自在に配置されている。なお、図示の例では、転動体4として、玉を使用しているが、円すいころを使用することもできる。
本例では、ハブ3aは、中炭素鋼などの硬質金属製のハブ本体10aと、軸受鋼などの硬質金属製の内輪11とを組み合わせることにより構成されている。すなわち、ハブ本体10aの軸方向内端部に小径段部9が設けられており、内輪11は小径段部9に圧入されている。複列の内輪軌道7のうちの軸方向外側の内輪軌道7は、ハブ本体10aの軸方向中間部に設けられており、軸方向内側の内輪軌道7は、内輪11の外周面に設けられている。回転フランジ8aは、ハブ本体10aの軸方向外側部に設けられている。
回転フランジ8aの軸方向内側面のうち、径方向に関して外輪2の外周面よりも径方向内側に存在する径方向内端部には、軸方向外方に凹んだ環状凹部19が全周にわたって設けられている。このような環状凹部19は、回転フランジ8aの軸方向内側面の径方向内端部に、旋削加工などの切削加工を施すことにより形成される。環状凹部19の底面は、ハブユニット軸受1aの中心軸に直交する平坦面であり、環状凹部19の外径側周面は、ハブユニット軸受1aの中心軸を中心とする円筒面である。なお、環状凹部19の底面の径方向内端部とハブ本体10aの軸方向中間部外周面とは、断面円弧形の曲面により滑らかに接続されている。また、環状凹部19の外径側周面の内径寸法は、外輪2の軸方向外端部の内径寸法とほぼ同じである。
ハブ本体10aのうちで軸方向外側の内輪軌道7の軸方向外側に隣接する溝肩部の外周面には、径方向外方に突出した突起22が、全周にわたり、あるいは円周方向に関して間欠的に設けられている。本例では、突起22の軸方向外側面が、段差面37となっている。段差面37は、ハブ本体10aのうちで、回転フランジ8aよりも軸方向内側で、かつ、軸方向外側の内輪軌道7よりも軸方向外側に存在する軸方向中間部に位置している。
本例では、環状凹部19の内部に、この環状凹部19の底面を全周にわたって覆う摺接環23が支持されている。摺接環23は、本体部24と、シール材25とを備える。
本体部24は、ステンレス鋼板などの表面粗さが良好な金属板を、プレス加工などの塑性加工により略ラッパ状に曲げ成形することにより造られている。すなわち、本体部24は、円輪部26の径方向内端部と円筒部27の軸方向外端部とを、断面円弧状の湾曲部28により接続することで構成されている。本例では、本体部24を構成する金属板として、少なくとも軸方向内側面の表面粗さが、ヘアライン仕上げによるもの以上の精度を有するものが使用されている。
円輪部26の軸方向外側面は、環状凹部19の底面に直接突き当てられており、円筒部27の軸方向内端部は、段差面37に直接突き当てられている。換言すれば、本体部24は、環状凹部19の底面と、段差面37との間で突っ張っている。また、円筒部27は、ハブ本体10aの軸方向中間部に弾性的に外嵌されている。湾曲部28の軸方向外側面とハブ本体10aの外周面との間には、断面弓形の隙間が存在している。このような構成により、環状凹部19の内部に摺接環23が支持され、ハブ3aの回転時に摺接環23が、軸方向および径方向に変位することが防止されている。なお、必要に応じて、摺接環の軸方向外側面を環状凹部の底面に接着などにより固定することもできる。
円輪部26の軸方向外側面が環状凹部19の底面に突き当てられた状態では、円輪部26の軸方向内側面は、回転フランジ8aの軸方向内側面のうちで環状凹部19の径方向外側に隣接し、かつ、外輪2の軸方向外端面と対向する部分よりも軸方向外側に位置している。すなわち、本体部24を構成する金属板の板厚は、環状凹部19の軸方向深さよりも小さくなっている。
シール材25は、ゴムのごときエラストマーなどの弾性材により構成されており、シール材25の基端部は、円輪部26の径方向外端部に加硫接着により支持固定されている。シール材25は、リップ部29を有し、リップ部29の先端縁が、環状凹部19の外径側周面に全周にわたり当接している。これにより、回転フランジ8aの軸方向内側面に付着した水分が、環状凹部19の底面と円輪部26の軸方向外側面との当接部から、外輪2の内周面とハブ3aの外周面との間に存在する円筒状の内部空間12内に侵入することが防止されている。
本例のハブユニット軸受1aでも、図5および図6に示したハブユニット軸受1と同様に、内部空間12の軸方向両端部はそれぞれ、シール装置13a、13bにより塞がれている。軸方向外側のシール装置13aは、芯金14と、シール材15とから構成された、シールリングである。
芯金14は、軟鋼板などの金属板を曲げ成形により、断面L字形で全体を円環状に構成されたもので、外輪2の軸方向外端部内周面に内嵌された円筒状の嵌合筒部16と、嵌合筒部16の軸方向外端部から径方向内方に折れ曲がった支持部17とを備える。
シール材15は、ゴムのごときエラストマーなどの弾性材により構成されており、シール材15の基端部は、支持部17に加硫接着により支持固定されている。また、シール材15は、接触式のシールリップ18a、18b、18cを有する。本例では、シールリップ18a、18b、18cのうち、最も径方向外側のシールリップ18aの先端縁は、摺接環23を構成する円輪部26の軸方向内側面に全周にわたり摺接している。これに対し、最も径方向内側のシールリップ18cの先端縁は、摺接環23を構成する円筒部27の外周面に全周にわたり摺接しており、残りのシールリップ18bの先端縁は、摺接環23を構成する湾曲部28の外周面に全周にわたり摺接している。
一方、軸方向内側のシール装置13bとしては、シールリングとスリンガとを組み合わせて構成された、組み合わせシールリングが使用されている。
本例では、シール装置13aを構成する最も径方向外側のシールリップ18aの先端縁は、摺接環23を構成する本体部24の円輪部26の軸方向内側面に全周にわたり摺接しており、かつ、円輪部26の軸方向内側面は、回転フランジ8aの軸方向内側面のうちで環状凹部19の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向外側に位置している。このため、車両の走行中に跳ね上げられた泥水などの異物が、シールリップ18aの先端縁が摺接する部分に直接跳ねかかることが防止され、当該部分に異物が到達しにくいので、耐泥水性などのシール性能が良好である。
さらに、摺接環23を構成する本体部24は、ステンレス鋼板などの表面粗さが良好な金属板により構成されている。したがって、シールリップ18aの先端縁と円輪部26の軸方向内側面との間の摩擦が、シールリップ18aの先端縁を環状凹部19の底面に直接摺接させる場合に比べて小さく抑えられるので、シールトルクの増大や異音の発生を防止することができる。また、シールリップ18aの先端縁を磨耗しにくくできるため、シール性能を長期にわたり良好に維持することができる。
本例では、シールトルクの増大や異音の発生を防止でき、かつ、シール性能を長期にわたり良好に維持できる構造を、回転フランジ8aの軸方向内側面のうちの径方向内端部に環状凹部19を設け、かつ、環状凹部19の内側に摺接環23を支持することで実現している。したがって、環状凹部19の底面に、面精度や面粗さなどを整えるための研削加工を施す場合と比較して、ハブユニット軸受1aの製造コストを低減することができる。
なお、本例は、本発明を、ハブ3aの中心部に、駆動軸であるスプライン軸を係合させるためのスプライン孔35が設けられた、駆動輪用のハブユニット軸受1aに適用した例を示している。ただし、本発明は、ハブが中実である、従動輪用のハブユニット軸受に適用することもできる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のハブユニット軸受1bを構成する摺接環23aは、シール性能をより向上するための庇部30を有する。このために、摺接環23aを構成する本体部24aは、円輪部26の径方向外端部から全周にわたり軸方向内方に折れ曲がった外径側円筒部31を有する。庇部30は、外径側円筒部31を、摺接環23aを構成するシール材25aにより覆うことで構成されている。
庇部30の軸方向内端部は、回転フランジ8aの軸方向内側面のうちで環状凹部19の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向内側に位置している。したがって、実施の形態の第1例と比較して、車両の走行中に跳ね上げられた泥水などの異物が、最も径方向外側のシールリップ18aの先端部と、円輪部26の軸方向内側面とが摺接する部分に到達することがより効果的に防止され、シール性能がより良好になっている。
本例では、本体部24aは、円輪部26の径方向外端部から全周にわたり軸方向内方に折れ曲がった外径側円筒部31を有しているため、本体部24aの径方向外端部の軸方向に関する剛性を向上でき、結果として、回転フランジ8aの曲げ強度を向上することができる。その他の部分の構成および作用効果については、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のハブユニット軸受1cを構成する摺接環23bの庇部30aは、ラビリンスリップ32を有する。庇部30aは、本体部24bを構成する外径側円筒部31をシール材25bにより覆うことで構成されている。ラビリンスリップ32は、シール材25bのうちで外径側円筒部31を覆う部分から軸方向内方に突出するように一体に設けられている。ラビリンスリップ32の先端縁は、シール装置13aを構成するシール材15のうちで、芯金14を構成する支持部17の径方向外端部の軸方向外側面を覆う部分に近接対向している。さらに、ラビリンスリップ32の先端縁は、外輪2の軸方向外端面よりも軸方向内側に位置している。このような構成により、ラビリンスリップ32の先端縁と、シール材15のうちで芯金14の支持部17の軸方向外側面を覆う部分との間には、ラビリンスシール33が設けられている。このため、車両の走行中に跳ね上げられた泥水などの異物が、最も径方向外側のシールリップ18aの先端部と、円輪部26の軸方向内側面とが摺接する部分に到達することを、実施の形態の第2例よりもさらに効果的に防止でき、シール性能がより一層良好になっている。
さらに、本例では、本体部24bは、径方向外側の円輪部26と、径方向内側の湾曲部28aとから構成されている。湾曲部28aは、断面円弧状で、径方向内側に向かうほど軸方向内側に向かう方向に湾曲している。湾曲部28aの径方向内端部の円周方向複数箇所には、径方向内端縁に開口する切り欠き34が設けられている。要するに、湾曲部28aの径方向内端部は、櫛歯状になっており、径方向に関する剛性が小さくなっている。このような湾曲部28aの径方向内端部は、突起22aの軸方向外側面である段差面37aに突き当てられている。
なお、本例では、シールリップ18a、18b、18cのうち、最も径方向内側のシールリップ18cの先端縁は、突起22aの外周面に摺接している。このために、突起22aは、ハブ本体10bのうちで軸方向外側の内輪軌道7の軸方向外側に隣接する溝肩部の外周面に、全周にわたって設けられている。また、突起22aの軸方向長さは、実施の形態の第1例および第2例の場合と比較して長くなっている。一方、最も径方向外側のシールリップ18aの先端縁は、円輪部26の軸方向内側面に全周にわたり摺接しており、残りのシールリップ18bの先端縁は、湾曲部28aのうちで切り欠き34の奥端部よりも径方向外側に位置する部分の外周面に全周にわたり摺接している。
本例では、摺接環23bの回転フランジ8aの基端部への組み付け作業が、実施の形態の第1例および第2例と比較して容易になっている。すなわち、摺接環23bを回転フランジ8aの基端部へ組み付ける際には、摺接環23bは、ハブ本体10bの周囲に軸方向内側から挿入され、突起22aを乗り越えて回転フランジ8aの基端部に組み付けられる。摺接環23bが突起22aを乗り越える際には、湾曲部28aの径方向内端部を弾性的に拡径させる必要がある。本例では、湾曲部28aの径方向内端部が櫛歯状で、径方向に関する剛性が小さくなっているため、湾曲部28aの径方向内端部を弾性的に拡径させやすく、結果として、摺接環23bの回転フランジ8aの基端部への組み付け作業を容易化できる。
なお、本体部の径方向内端部を櫛歯状とし、径方向に関する剛性を小さくする構成は、実施の形態の第1例または第2例と組み合わせて実施することもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
1、1a、1b、1c ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6 静止フランジ
7 内輪軌道
8 回転フランジ
9 小径段部
10、10a、10b ハブ本体
11 内輪
12 内部空間
13a、13b シール装置
14 芯金
15 シール材
16 嵌合筒部
17 支持部
18a、18b、18c シールリップ
19 環状凹部
20 支持孔
21 取付孔
22 突起
23、23a、23b 摺接環
24、24a、24b 本体部
25、25a、25b シール材
26 円輪部
27 円筒部
28、28a 湾曲部
29 リップ部
30、30a 庇部
31 外径側円筒部
32 ラビリンスリップ
33 ラビリンスシール
34 切り欠き
35 スプライン孔
36 スタッド
37、37a 段差面

Claims (3)

  1. 内周面に外輪軌道が設けられた外方部材と、
    軸方向外側部に回転フランジが一体に設けられたハブ本体を有し、外周面に内輪軌道が設けられた内方部材と、
    前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、
    前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する内部空間の軸方向外側の開口部を塞ぐシールリングとを備え、
    前記ハブ本体は、前記回転フランジよりも軸方向内側で、かつ、前記内輪軌道よりも軸方向外側に存在する軸方向中間部に、軸方向外側を向いた段差面を有しており、
    前記回転フランジの軸方向内側面の径方向内端部には、軸方向外方に凹んだ環状凹部が全周にわたって設けられており、
    前記環状凹部の内部には、該環状凹部の底面を全周にわたって覆う摺接環が支持されており、該摺接環の径方向内側部は、径方向内方に向かうほど軸方向内方に向かう方向に湾曲しており、該摺接環の軸方向内端部が、前記段差面に突き当てられており、
    前記シールリングは、少なくとも1本のシールリップを有し、該少なくとも1本のシールリップのうちの最も径方向外側のシールリップの先端縁が、前記摺接環の軸方向内側面に全周にわたり摺接しており、
    前記摺接環の軸方向内側面のうちで前記最も径方向外側のシールリップの先端縁が摺接する部分が、前記回転フランジの軸方向内側面のうちで前記環状凹部の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向外側に位置しており、
    前記摺接環の軸方向内側面のうちで前記最も径方向外側のシールリップの先端縁が摺接する部分の表面粗さが、前記環状凹部の底面の表面粗さよりも小さい
    ハブユニット軸受。
  2. 前記摺接環は、前記最も径方向外側のシールリップの先端縁よりも径方向外側に存在する部分に庇部を有しており、該庇部の軸方向内端部が、前記回転フランジの軸方向内側面のうちで前記環状凹部の径方向外側に隣接する部分よりも軸方向内側に位置している、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記摺接環の径方向内端部が櫛歯状である、
    請求項1または2に記載のハブユニット軸受。
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