JP2017120478A - 挙動事故検知装置、サーバ装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミラーデバイス1は、加速度センサ6と、制御部19とを備える。制御部19は、ミラーデバイス1が車両に設置された傾きθに応じた加速度である加速度検出値Gxを加速度センサ6から取得する。そして、制御部19は、車両の走行中に取得した加速度検出値Gxに基づき設定した閾値Tmax、Tminと、現在の加速度検出値Gxとに基づいて、危険運転となる車両の挙動を検知する。
【選択図】図6
Description
図1及び図2は、実施例に係るミラーデバイス1の構成を示す。具体的には、図1は、ミラーデバイス1が車室内のルームミラー12に装着された状態(単に「装着状態」とも呼ぶ。)における正面図を示す。また、図2は、装着状態におけるミラーデバイス1の背面図を示す。以後では、車両の進行方向を「X軸方向」、車両の左右方向を「Y軸方向」、路面と垂直な方向を「Z軸方向」とし、各正方向を図のように定める。なお、図1及び図2では、ルームミラー12は傾けられていない。
加速度検出値Gxに基づく危険運転検知処理について説明する。本実施例では、制御部19は、車両の停車時と車両の走行時とでそれぞれ補正値ΔTを算出し、閾値Tmax、Tminを設定する。ここで、車両の停車時での閾値Tmax、Tminの設定処理(「停車時閾値設定処理」とも呼ぶ。)と、車両の走行時での閾値Tmax、Tminの設定処理(「走行時閾値設定処理」とも呼ぶ。)とについてそれぞれ説明する。
制御部19は、車両の停車時には、上限初期閾値及び下限初期閾値に対し、車両が停車した際の加速度検出値Gxに基づき算出した補正値ΔTの平均値(「平均補正値ΔTa1」とも呼ぶ。)を加えることで、閾値Tmax、Tminをそれぞれ設定する。ここで、車両の停車時には、車両の加減速に伴った加速度検出値Gxの増減が発生しない。よって、制御部19は、車両の停車時に取得した加速度検出値Gxに基づく補正値ΔTにより閾値Tmax、Tminを補正することで、重力加速度により増減する加速度検出値Gxの増減分(即ち重力加速度の加速度検出方向における分解成分)の影響を好適に排除する。
θ=ASIN(Gx/9.81)
が成立する(「ASIN」はアークサイン)。また、図4によれば、重力加速度(1G)の加速度検出方向における分解成分は、角度θを用いると、以下の式により表される。
SIN(θ)×1G
ΔT=SIN(ASIN(Gx/9.81)+GY)×1G 式(1)
Tmax=ΔTa1+0.35 式(2)
Tmin=ΔTa1−0.35 式(3)
これにより、制御部19は、重力加速度により増減する加速度検出値Gxの増減分をオフセットとした閾値Tmax、Tminを好適に設定することができる。
走行時閾値設定処理では、制御部19は、車両の走行中に式(1)に基づき補正値ΔTを算出し、直前に算出した所定時間長分の補正値ΔTの平均値(「平均補正値ΔTa2」とも呼ぶ。)を算出する。上述の所定時間長は、車両が一時的な減速や加速に起因した加速度検出値Gxの増減値が相殺又は低減されるような時間長に設定され、本実施例では一例として60秒に設定される。そして、制御部19は、平均補正値ΔTa2と車両が最後に停車した時に算出した平均補正値ΔTa1との差が所定差より大きい場合には、走行中に運転者によるルームミラー12の角度調整等によりミラーデバイス1の傾きθが変化したと判断し、平均補正値ΔTa2により閾値Tmax、Tminを算出する。
|ΔTa2−ΔTa1|>0.174 式(4)
Tmax=ΔTa2+0.35 式(5)
Tmin=ΔTa2−0.35 式(6)
図7は、図6のステップS106で制御部19が実行する走行時閾値設定処理の手順を示すフローチャートである。
本実施例による効果について、図8及び図9を参照して説明する。
以下、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。
制御部19は、不揮発性メモリ15が記憶する地図データ又は通信部18により電気的に接続された図示しないナビゲーション装置が記憶する地図データに含まれる道路データに、道路の傾斜角度又は標高を示すデータ(「傾斜情報」とも呼ぶ。)が含まれている場合には、当該傾斜情報を参照し、加速度センサ6が出力する加速度検出値Gxを補正してもよい。この場合、制御部19は、傾斜情報に基づき補正した加速度検出値Gxを用いて、図6及び図7のフローチャートの処理を実行する。
制御部19は、変形例1と同様に道路の傾斜角度を勘案して閾値Tmax、Tminを設定する場合、道路の傾斜を予測・管理するサーバ装置から現在位置に対応する道路の傾斜角度の情報を受信してもよい。
制御部19は、図7の走行時閾値設定処理を、車両の走行時に限らず常時実行してもよい。これにより、制御部19は、例えば停車時であって図6の停車時閾値設定処理の実行直後に傾きθが変化した場合等であっても、式(4)による平均補正値ΔTa1と平均補正値ΔTa2との比較により、的確に傾きθの変化を検知し、閾値Tmax,Tminを適切に設定することができる。
制御部19は、図6の停車時閾値設定処理を実行することなく、図7の走行時閾値設定処理のみを実行してもよい。
制御部19は、式(1)に基づき補正値ΔTを算出する代わりに、加速度検出値Gxをそのまま補正値ΔTとしてもよい。例えば、図6に示す停車時閾値設定処理では、制御部19は、停車時に計測された3回分の加速度検出値Gxの平均値を平均補正値ΔTa1として設定し、閾値Tmax、Tminを算出する。これによっても、制御部19は、傾きθに応じて増減する重力加速度の影響分がオフセットされた閾値Tmax、Tminを好適に設定することができる。
制御部19は、加速度センサ6が検出するミラーデバイス1の正面方向(即ち車両の進行方向)における加速度である加速度検出値Gxに基づき、危険運転の検知を行った。これに代えて、又はこれに加えて、加速度センサ6は、ミラーデバイス1の長手方向(即ち車両の左右方向)における加速度(「左右加速度」とも呼ぶ。)を検出し、当該加速度に基づき、危険運転の検知を行ってもよい。
ミラーデバイス1は、危険運転を検知するのに代えて、又は、これに加えて、車両の前後方向や左右方向での衝突等の事故を検知してもよい。この場合、ミラーデバイス1は、例えば、上限初期閾値(実施例では0.35)を「1」に設定し、下限初期閾値(実施例では−0.35)を「−1」に設定する。このように、ミラーデバイス1は、上限初期閾値及び下限初期閾値を検出対象に応じて設定することで、任意の車両の挙動や事故を検知することができる。
本発明が適用可能な挙動事故検知装置は、ルームミラー12に装着されるミラーデバイス1に限定されない。例えば、車内において、クレードルに保持されるスマートフォン等の端末装置であってもよい。
4 前方撮影カメラ
6 加速度センサ
10 ディスプレイ
11 RAM
12 ルームミラー
15 不揮発性メモリ
16 GPS受信機
17 入力部
18 通信部
19 制御部
Claims (14)
- 移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する挙動事故検知装置において、
前記移動体に設置された傾きに応じた加速度を取得する加速度取得部と、
前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度と、前記加速度取得部が取得する現在の加速度とに基づいて、前記移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する検知部と、
を備えることを特徴とする挙動事故検知装置。 - 前記検知部は、前記移動体の停止時に前記加速度取得部が取得した加速度、又は、前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度のいずれか一方と、前記加速度取得部が取得する現在の加速度とに基づいて、前記移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知することを特徴とする請求項1に記載の挙動事故検知装置。
- 前記検知部により検知される前記移動体の挙動または事故の少なくとも一方であるとみなす加速度の範囲を設定する設定部を備え、
前記設定部は、前記移動体の停止時に前記加速度取得部が取得した加速度と、前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度のいずれか一方に基づいて、前記範囲を設定することを特徴とする請求項2に記載の挙動事故検知装置。 - 前記設定部は、前記移動体の停止時に前記加速度取得部が取得した加速度に基づいて算出した補正値と、前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度に基づいて算出した補正値とのいずれか一方に基づき、前記範囲の境界値となる閾値を補正することを特徴とする請求項3に記載の挙動事故検知装置。
- 前記設定部は、前記移動体の停止時に前記加速度取得部が取得した加速度に基づく補正値の平均値と、前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度に基づく補正値の平均値との差が所定差以上の場合に、前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度に基づく補正値の平均値に基づき、前記閾値を補正することを特徴とする請求項4に記載の挙動事故検知装置。
- 前記加速度取得部が取得する加速度は、前記移動体の進行方向における加速度、又は、前記移動体の左右方向における加速度のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の挙動事故検知装置。
- 前記移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記移動体が走行する道路の傾きおよび/または標高を示すデータを有し、前記移動体の移動に用いられる地図情報を記憶する地図情報記憶部と、をさらに備え、
前記検知部は、前記現在位置情報により特定された前記地図情報における前記道路が傾斜を有する場合、前記傾斜に基づいて、前記加速度を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の挙動事故検知装置。 - 前記移動体の現在位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記現在位置情報を送信する位置情報送信部と、
前記現在位置情報が示す地点の道路の傾斜の情報を受信する受信部と、をさらに備え、
前記検知部は、前記傾斜に基づいて、前記加速度を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の挙動事故検知装置。 - 前記検知部は、前記移動体の挙動として、前記移動体の急発進、急ブレーキ、左右の急ハンドルの少なくともいずれかを検知し、前記移動体の事故として、前記移動体の前後方向または/および左右方向の衝突を検知することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の挙動事故検知装置。
- 前記移動体のルームミラーに装着される、または前記ルームミラーに置き換えて設置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の挙動事故検知装置。
- 加速度を取得する端末から受信した現在位置情報と加速度とを対応付けて記憶する記憶部と、
移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する挙動事故検知装置から、前記移動体の現在位置情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した現在位置情報に基づき前記記憶部に記憶された加速度を抽出し、前記現在位置情報が示す地点の道路の傾斜を予測する傾斜予測部と、
前記傾斜予測部が予測した前記傾斜の情報を前記挙動事故検知装置へ送信する送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。 - 移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する挙動事故検知装置が実行する制御方法であって、
前記移動体に設置された傾きに応じた加速度を取得する加速度取得工程と、
前記移動体の走行中に前記加速度取得工程で取得した加速度と、前記加速度取得工程で取得する現在の加速度とに基づいて、前記移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する検知工程と、
を有することを特徴とする制御方法。 - 移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知するコンピュータが実行するプログラムであって、
前記移動体に設置された傾きに応じた加速度を取得する加速度取得部と、
前記移動体の走行中に前記加速度取得部が取得した加速度と、前記加速度取得部が取得する現在の加速度とに基づいて、前記移動体の挙動または事故の少なくとも一方を検知する検知部
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 請求項13に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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