JP2017120124A - クラッチ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、しかも油漏れを防止できる、クラッチ制御装置の構造を実現する。【解決手段】電動モータ17により、傘歯車減速機18を介して、駆動側カム22を回転駆動し、この駆動側カム22を被駆動側カム23に対して相対回転させる。これにより、駆動側カム面25と被駆動側カム面29との間でローラ24を転動させて、被駆動側カム23を軸方向に並進移動させる。そして、レリーズ軸受19を介して、ダイヤフラムばね14を軸方向に押圧する事で、クラッチの断接を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や産業機械等に使用される、マニュアルトランスミッション(手動変速機、MT)やオートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)用のクラッチ装置に組み込まれ、クラッチの断接を行う為に利用する、クラッチ制御装置に関する。
自動車用の変速機は、マニュアルトランスミッションとオートマチックトランスミッション(自動変速機、AT)とに大別されるが、このうち、マニュアルトランスミッションは、オートマチックトランスミッションに比べて、構造が簡単で製造コストを抑え易い、修理が容易であるなどの理由から、新興国など一部の地域で高い需要がある。
又、欧州の自動車メーカを中心に、低燃費化を目的として、高速巡航時などのアクセルオフ時に、エンジンとトランスミッションとを切り離して惰性走行を行う(エンジンブレーキを作用させない状態で走行する)といった、コースティング走行を積極的に採用する事が考えられている。この様なコースティング走行を行うには、変速操作とは別に、クラッチを切り離す操作が必要になる為、クラッチの操作回数の増加に繋がる。これに対し、近年、女性ドライバの増加や交通渋滞の増加などの理由により、クラッチ操作の簡便化(イージードライブ化)の要求が高まっている。
以上の様な事情に鑑み、マニュアルトランスミッションに関してイージードライブ化を図るべく、クラッチ制御の自動化を図る(シフトレバー操作はこれまで通り手動で行い、クラッチペダル操作のみを自動化する)事が考えられている。又、この様なクラッチ制御の自動化に適用可能な、クラッチ制御装置の構造も考えられ始めている。
例えば特許文献1には、制御部から出される信号に基づいてレリーズシリンダ内に所定の圧油を送り込む事で、レリーズフォークの動きを制御し、クラッチの係脱制御を行う技術が記載されている。又、特許文献2には、制御部から出される信号に基づいてコンセントリックスレーブシリンダ(CSC)に導入する油圧を制御する事で、クラッチの係脱制御を行う技術が記載されている。
しかしながら、上述した様な従来構造の場合、オイルリザーバや複雑な油圧配管(回路)が必要になるだけでなく、特許文献1の構造にあってはさらにレリーズシリンダやレリーズフォークが、特許文献2の構造にあってはさらにコンセントリックスレーブシリンダがそれぞれ必要になる。この為、重量が増加し易くなると共に、設置スペースが嵩むといった問題を生じる。又、特許文献1、2の何れの場合にも、油圧制御を行う為、油漏れの問題を生じる可能性がある。
特開2008−101643号公報 特開2010−91043号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、しかも油漏れを防止できる、クラッチ制御装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のクラッチ制御装置は、案内筒部と、カム装置と、電気的駆動源と、レリーズ軸受とを備える。
このうちの案内筒部は、例えばトランスミッション用ハウジング等の固定の部分に設けられ、トランスミッション用入力軸の周囲に配置される。
前記カム装置は、駆動側カムと被駆動側カムと複数本(3本以上)のローラ(ころ、ニードル)とを有している。
そして、このうちの駆動側カムは、軸方向側面に円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面を有しており、前記案内筒部に対し、相対回転可能に且つ軸方向に関して前記被駆動側カムから離れる方向への変位を不能に支持されている。又、前記被駆動側カムは、前記駆動側カム面に対向する軸方向側面に、円周方向に亙る凹凸面である被駆動側カム面を有しており、前記案内筒部に対し、相対回転不能に且つ軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。又、前記複数本のローラは、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持されている。
前記電気的駆動源は、例えば電動モータであり、電気的に作動し、前記駆動側カムを前記被駆動側カム(案内筒部)に対して相対回転させるものである。
前記レリーズ軸受は、外輪と、内輪と、複数個の転動体(例えば玉)とを有している。そして、これら外輪と内輪とのうちの何れか一方の軌道輪(例えば内輪)は、前記案内筒部に対し軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。又、他方の軌道輪(例えば外輪)は、ダイヤフラムばねに当接し、このダイヤフラムばねと共に回転する。
そして、本発明のクラッチ制御装置は、前記電気的駆動源により前記駆動側カムを前記被駆動側カムに対して相対回転させ、この被駆動側カムを軸方向に並進移動させる事により、前記レリーズ軸受を介して、前記ダイヤフラムばねを軸方向に押圧する。
尚、本発明のクラッチ制御装置は、前記レリーズ軸受(他方の軌道輪)により、前記ダイヤフラムばねを軸方向に押圧する事で、クラッチの接続を断っても良い(プッシュ式のクラッチ機構を構成しても良い)し、反対に、クラッチを接続しても良い。
本発明を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記電気的駆動源の回転駆動力を、減速機を介して、前記駆動側カムに伝達する事ができる。
この減速機としては、例えば、傘歯車減速機やウォーム減速機など、従来から知られた各種構造の減速機を使用する事ができる。
この様に、減速機を介して、前記電気的駆動源の回転駆動力を伝達すれば、この電気的駆動源として、出力トルクの小さい小型のものを使用する事が可能になる為、装置全体としての小型化、及び、軽量化を図れる。又、前記電気的駆動源の設置方向に関する自由度を高める事もできる為、設置スペースの小型化を図れる。
尚、本発明を実施する場合には、前記電気的駆動源の回転駆動力を、直接、前記駆動側カムに伝達する事もできる。
又、上述した請求項2に記載した発明の様に、前記電気的駆動源の回転駆動力を、減速機を介して、前記駆動側カムに伝達する場合には、この減速機を構成する最終歯車(例えば傘歯車減速機を構成する一方のかさ歯車、ウォーム減速機を構成するウォームホイール)と、前記駆動側カムとを、一体的に設ける事もできる。
この様な構成によれば、部品点数の低減を図れ、部品管理コスト及び組立コストの低減を図れる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記被駆動側カムと前記一方の軌道輪とを、一体的に設ける事ができる。
この様な構成によれば、部品点数の低減を図れ、部品管理コスト及び組立コストの低減を図れる。
更に、本発明を実施する場合には、例えば、前記案内筒部の外周面の軸方向端部に外向フランジ部を設け、この外向フランジ部の軸方向側面と、前記駆動側カムの軸方向側面(駆動側カム面とは反対側の面)との間に、スラスト軸受(例えばスラストニードル軸受)を配置する事ができる。
この様な構成によれば、前記カム装置の駆動に伴って前記駆動側カムに作用する反力を、前記外向フランジ部により支承する事ができ、この駆動側カムの前記案内筒部に対する相対回転を可能としつつ、前記被駆動側カムから離れる方向への変位を防止できる。
上述の様な構成を有する本発明のクラッチ制御装置によれば、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、しかも油漏れを防止できる。
即ち、本発明の場合には、電気的に作動する電気的駆動源によりカム装置を駆動する事で、レリーズ軸受を軸方向に並進移動させ、ダイヤフラムばねを軸方向に押圧する事で、クラッチを断接する事ができる。この様に本発明の場合には、電気的にクラッチの断接制御を行える為、クラッチ制御の自動化を図る事ができる。
又、本発明の場合には、前述した従来構造で必要であった油圧関連部品やレリーズフォークを不要にできる。従って、装置全体の軽量化及び小型化を図れる。しかも、クラッチの断接制御を電気的に行え、油を使用しなくて済む為、油漏れの問題が生じる事も防止できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、クラッチ装置の断面模式図。 同じく図1のA部拡大図。 同じくカム装置を取り出して示す斜視図。 同じく被駆動側カムを取り出して示す斜視図。 同じくカム装置の動作を説明する為にカム装置を径方向外側から見た模式図であり、(A)は駆動側カムと被駆動側カムとの中立状態(初期状態)を示しており、(B)は駆動側カムを被駆動側カムに対して相対回転させた状態を示している。 本発明の実施の形態の第2例を示す図2に相当する図。 本発明の実施の形態の第3例を示す図6に相当する図。 本発明の実施の形態の第4例を説明する為に示す、モータ性能線図の1例を示す図。 同じくダイヤフラムばねのばね特性線図の1例を示す図。 同じく撓み量(ストローク)とカムリードとの関係を示す線図。 同じくカム回転角度とレリーズ軸受のストロークとの関係(カム面形状)を示す線図。 同じくレリーズ軸受のストロークとモータ出力との関係を示す線図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。図1に示した様に、本例のクラッチ制御装置1は、フライホイール2、クラッチディスク3、クラッチペダル4、及び、制御器5と共に、マニュアルトランスミッションに対するエンジンの動力の伝達状態を切り換える、乾式のクラッチ装置6を構成する。
前記フライホイール2は、例えば鋳鉄等の金属製で、エンジンのクランクシャフト7の軸方向片端部(図1、2の右端部)に複数本のボルト8、8により結合固定されており、このクランクシャフト7と共に回転する。又、前記クラッチディスク3は、エンジントルクが入力される、径方向外方に配置された入力部(摩擦部)と、マニュアルトランスミッションにトルクを出力する、径方向内方に配置された出力部(ハブ)と、これらの入力部と出力部との間部分に設けられたダンパ部とを備えている。この様なクラッチディスク3は、前記入力部を、前記フライホイール2に対し軸方向に対向させた状態で、前記出力部を、トランスミッションハウジング9の内側に回転自在に支持されたトランスミッション入力軸10の軸方向他端寄り部分(図1、2の左端寄り部分)にスプライン嵌合させている。又、前記トランスミッション入力軸10の軸方向他端部は、転がり軸受11を介して、前記クランクシャフト7の軸方向片端部の内側に回転自在に支持されている。又、この状態で、前記クランクシャフト7と前記トランスミッション入力軸10とは、同軸上に配置されている。
前記フライホイール2の径方向外端部には、クラッチカバー12が固定されている。又、このクラッチカバー12の内側には、前記クラッチディスク3を前記フライホイール2に向けて軸方向に押圧する為のプレッシャプレート13、及び、このプレッシャプレート13を前記クラッチディスク3に向けて軸方向に押圧する為のダイヤフラムばね14を、それぞれ配置している。又、このうちのダイヤフラムばね14は、前記クラッチカバー12に対して支持されている。尚、図示のクラッチ装置6は、プッシュ式のクラッチ装置である為、前記ダイヤフラムばね14の中央部が軸方向他側(図1の左側)に向けて押圧されると、前記プレッシャプレート13が前記クラッチディスク3から退避する方向(図1の右側)に移動し、前記フライホイール2と前記クラッチディスク3との接続が断たれる。
前記クラッチ制御装置1は、運転者が行う前記クラッチペダル4の操作量に応じた前記制御器5からの指令信号に基づき、前記ダイヤフラムばね14に所定の押圧力を付与するものであり、案内筒部15と、カム装置16と、特許請求の範囲に記載した電気的駆動源に相当する電動モータ17と、傘歯車減速機18と、レリーズ軸受19とを備えている。又、前記クラッチ制御装置1は、前記トランスミッションハウジング(フロントハウジング)9の内側に配置されており、前記ダイヤフラムばね14の軸方向片側で、且つ、前記トランスミッション入力軸10の周囲に設けられている。
前記案内筒部15は、全体を中空筒状に構成され、前記トランスミッション入力軸10に外嵌(遊嵌)されており、特許請求の範囲に記載した固定の部分に相当する前記トランスミッションハウジング9の内面に支持固定されている。又、前記案内筒部15は、円筒状の筒部本体20と、この筒部本体20の軸方向片端部外周面に設けられた円輪板状の外向フランジ21とを有している。
前記カム装置16は、前記案内筒部15を構成する筒部本体20の軸方向中間部の周囲に設けられており、軸方向片側に位置する駆動側カム22と、軸方向他側に位置する被駆動側カム23と、軸方向中間部に位置する複数本(図示の例では3本)のローラ24、24とを有している。
このうちの駆動側カム22は、円輪板状で、軸方向他側面(図1、2の左側面)に、前記各ローラ24、24と同数だけ、円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面25、25が形成されている。これら駆動側カム面25、25は、軸方向に関する高さが円周方向に関して漸次変化するもので、円周方向片端側が最も低く、円周方向他側に向かうに従って高くなる。又、前記駆動側カム22は、前記筒部本体20に対し、相対回転可能に、且つ、軸方向に関して前記被駆動側カム23から離れる方向(軸方向片側)への変位を不能に支持されている。先ず、前記駆動側カム22を前記筒部本体20の周囲で回転可能とする為に、前記駆動側カム22の内径寸法を前記筒部本体20の外径寸法よりも大きくしている。尚、前記駆動側カム22と前記筒部本体20との間に、滑り軸受や転がり軸受を配置する事もできる。又、前記駆動側カム22が、前記筒部本体20に対し、軸方向に関して前記被駆動側カム23から離れる方向に変位する事を防止する為に、この駆動側カム22の軸方向片側面と前記外向フランジ部21の軸方向他側面との間に、スラストニードル軸受26を設けている。
前記スラストニードル軸受26は、前記駆動側カム22の軸方向片側面に直接形成したスラスト軌道と、前記外向フランジ部21の軸方向他側に添設されたスラストレース27に形成されたスラスト軌道との間に、前記複数本のニードル28を、円周方向に関して等間隔に、それぞれの中心軸を放射方向に向けた状態で配置する事により構成されている。
これに対し、前記被駆動側カム23は、断面L字形で略円筒状に構成されており、前記各駆動側カム面25、25に対向する軸方向片側面に、前記各ローラ24、24と同数だけ、円周方向に亙る凹凸面である被駆動側カム面29、29が形成されている。これら各被駆動側カム面29、29は、軸方向に関する高さが円周方向に関して漸次変化するもので、円周方向他端側が最も低く、円周方向片側に向かうに従って高くなる。つまり、前記各被駆動側カム面29、29は、軸方向に関する高さが円周方向に関して前記各駆動側カム面25、25と逆方向に漸次変化する。又、前記被駆動側カム23は、前記筒部本体20に対し、相対回転不能に、且つ、軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。この為に本例の場合には、前記被駆動側カム23の軸方向中間部内周面に雌スプライン部30を形成し、この雌スプライン部30を前記筒部本体20の外周面に形成した図示しない雄スプライン部にスプライン係合させている。
前記複数本のローラ24、24は、それぞれ円柱状に構成されている。又、これら複数本のローラ24、24は、円周方向に関して等間隔(120度間隔)に配置され、前記各駆動側カム面25、25と前記各被駆動側カム面29、29との間に、それぞれの中心軸を放射方向に向けた状態で挟持されている。
上述の様な構成を有する本例のカム装置16の場合、図5の(A)に示した様に、前記駆動側カム面25のうちで軸方向に関する高さが最も低くなった部分と、前記被駆動側カム面29のうちで軸方向に関する高さが最も低くなった部分とを、軸方向に対向させた中立状態(初期状態)から、同図の(B)に示した様に、前記駆動側カム22を、前記被駆動側カム23に対して所定方向(図5の左方向)に相対回転させると、前記ローラ24が、前記駆動側カム面25及び前記被駆動側カム面29のうちで、軸方向に関する高さの高い側に向けてそれぞれ転動する。この結果、同図の(B)に示した様に、前記被駆動側カム23が、軸方向に関して前記駆動側カム22から離れる方向(図5の上側)に並進移動する。又、同図の(B)に示した状態から、前記駆動側カム22を、前記被駆動側カム23に対し、前記所定方向とは反対方向(図5の右方向)に相対回転させた場合、前記ローラ24が、前記駆動側カム面25及び前記被駆動側カム面29のうちで、軸方向に関する高さの低い側に向けてそれぞれ転動する。この結果、同図の(A)に示した様に、前記被駆動側カム23が、軸方向に関して前記駆動側カム22に近づく方向(図5の下側)に並進移動する。この様に、本例のカム装置16は、前記駆動側カム22を前記被駆動側カム23に対して相対回転させる事で、この被駆動側カム23を軸方向に並進移動させる(駆動側カム22に対し遠近動させる)事ができる。
本例の場合、上述の様なカム装置16を構成する駆動側カム22を、電気的に作動する前記電動モータ17により回転駆動する。この電動モータ17は、例えばサーボモータであり、前記制御器5からの指令に基づき、所定の方向(両方向又は一方向)に所定量(所定角度)だけ回転する様に制御されている。又、前記電動モータ17は、モータ出力軸31を、前記トランスミッション入力軸10に対し直交する方向(図1、2の上下方向)に配置した状態で、前記トランスミッションハウジング9の内面に支持されている。
又、本例の場合には、上述した様な電動モータ17の回転駆動力を、前記駆動側カム22に対し、前記傘歯車減速機18を介して伝達する。この為に、この傘歯車減速機18を構成する1対のかさ歯車32a、32bのうち、一方のかさ歯車32aを前記モータ出力軸31の先端部に固定すると共に、他方のかさ歯車32bを、その中心軸を前記一方のかさ歯車32aの中心軸に対し直交させた状態で、前記駆動側カム22に外嵌固定している。この様な構成により、前記電動モータ17の回転駆動力を、前記傘歯車減速機18により減速させた状態で、前記駆動側カム22に伝達可能としている。
又、本例の場合、軸方向に並進移動可能とされた前記被駆動側カム23により、前記レリーズ軸受19を介して、前記ダイヤフラムばね14を軸方向他側に向けて押圧する。このレリーズ軸受19は、外周面に深溝型の内輪軌道を有し、特許請求の範囲に記載した一方の軌道輪に相当する内輪33と、内周面にアンギュラ型の外輪軌道を有し、特許請求の範囲に記載した他方の軌道輪に相当する外輪34と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に図示しない保持器により保持された状態で転動自在に設けられた複数個の玉35とを備えた、玉軸受である。この様に、図示の例では、前記内輪軌道として深溝型のものを、前記外輪軌道としてアンギュラ型のものを、それぞれ使用している。この為、前記レリーズ軸受19は、ラジアル荷重の他、スラスト荷重(外輪34に加わる図1、2の右向きのスラスト荷重)を支承可能である。この様な構成を有するレリーズ軸受19のうち、前記内輪33は、前記被駆動側カム23の軸方向他側面の径方向内端部から軸方向他側に突出する状態で設けられた支持筒部37に外嵌固定(圧入)されている。尚、図3には、この支持筒部37を省略して示している。この為、前記内輪33(及びレリーズ軸受19全体)は、前記被駆動側カム23を介して、前記案内筒部15に対し、相対回転不能に、且つ、軸方向に関する相対変位を可能に支持された状態となる。これに対し、前記外輪34は、その軸方向他端面である押圧部36を、前記ダイヤフラムばね14の中央部に当接させている。この為、前記外輪34は、このダイヤフラムばね14と共に回転する。
本例のクラッチ装置6の場合、前記クランクシャフト7と前記トランスミッション入力軸10との間での動力の伝達状態を切り換える為に、運転者による前記クラッチペダル4の操作量をストロークセンサ38により電気的に測定し、その測定値を前記制御器5に送る。この制御器5では、前記ストロークセンサ38の測定値に基づき、前記電動モータ17の回転方向及び回転量(回転角度)を、計算式や予め用意したマップ(表)を元に算出する。そして、前記制御器5からの指令信号に基づき、前記電動モータ17を所定の方向に所定量だけ回転させる。すると、この電動モータ17の回転駆動力が、前記傘歯車減速機18を介して、前記駆動側カム22に伝達され、この駆動側カム22を、前記被駆動側カム23に対し所定方向に所定量だけ相対回転させる。これにより、前記各ローラ24、24が、前記各駆動側カム面25、25と前記各被駆動側カム面29、29との間で転動し、前記被駆動側カム23及びこの被駆動側カム23に外嵌固定された前記レリーズ軸受19を軸方向に並進移動させる。この結果、本例のプッシュ式のクラッチ装置6の場合、前記レリーズ軸受19を軸方向他側に移動させ、前記外輪34の押圧部36により前記ダイヤフラムばね14の中央部を軸方向他側に押圧する事により、前記フライホイール2から前記クラッチディスク3を離隔させて、クラッチの接続を断つ事ができる。又、反対に、前記レリーズ軸受19を軸方向片側に移動させ、前記ダイヤフラムばね14に付与する押圧力を小さくする事により、前記フライホイール2と前記クラッチディスク3とを接触させて、クラッチを接続する事ができる。
以上の様な構成を有する本例のクラッチ制御装置1によれば、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、しかも油漏れも防止できる。
即ち、本例の場合には、電気的に作動する電動モータ17により前記カム装置16を駆動する事で、前記レリーズ軸受19を軸方向に並進移動させ、前記ダイヤフラムばね14を軸方向に押圧する事で、クラッチの断接を行う事ができる。この様に本例の場合には、電気的にクラッチの断接制御を行える為、クラッチ制御の自動化を図る事ができる。この為、イージードライブ化を図れると共に、コースティング走行を積極的に採用する事による低燃費化(燃費向上)を実現する事もできる。又、本例の場合には、前述した従来構造で必要であった、オイルリザーバ、複雑な油圧配管、及び、シリンダ(レリーズシリンダ、コンセントリックスレーブシリンダ)等の油圧関連部品を不要にできると共に、レリーズフォークを不要にできる。従って、装置全体の軽量化及び小型化を図れる。しかも、本例の場合には、クラッチの断接制御(係脱制御)を、電気的に行え、油を使用しなくて済む為、油漏れの問題が生じる事も防止できる。
又、本例の場合には、前記電動モータ17の回転駆動力を、前記傘歯車減速機18を介して、前記駆動側カム22に伝達する構成を採用している為、前記電動モータ17として、出力トルクの小さい小型のものを使用する事が可能になる。この為、装置全体としての小型化、及び、軽量化を図れる。又、前記電動モータ17の設置方向に関する自由度を高める事もできる為、設置スペースの小型化(省スペース化)を図る事もできる。
尚、本例に使用する前記傘歯車減速機18は可逆性を有する為、前記電動モータ17の作動を停止したり、前記ダイヤフラムばね14の発揮する弾力よりも出力トルクを小さくする事で、このダイヤフラムばね14の弾力に基づいて、前記被駆動側カム23を軸方向片側に移動させる(押し戻す)と共に、前記駆動側カム22を前記所定方向とは逆方向に相対回転させる{図5の(B)の状態から(A)の状態に移行する}事もできる。この為、本例の場合には、前記電動モータ17として、前記駆動側カム22を前記所定方向にのみ回転可能なものを使用する事もできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例の特徴は、減速機としてウォーム減速機39を使用した点、及び、レリーズ軸受19aを構成する内輪33aと、カム装置16aを構成する被駆動側カム23aとを、一体的に設けた点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例の構造と同様である為、重複する部分の図示並びに説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、電動モータ17の回転駆動力を前記カム装置16aに伝達する為の減速機として、ウォーム40とウォームホイール41とを有するウォーム減速機39を使用している。そして、このうちのウォーム40を、前記電動モータ17を構成するモータ出力軸31の先端部に外嵌固定すると共に、前記ウォームホイール41を、前記カム装置16aを構成する駆動側カム22aと一体的に設けている。つまり、本例の場合には、この駆動側カム22a(ウォームホイール41)のうち、外周面にウォームホイール歯42を形成しており、軸方向他側面に駆動側カム面25を形成している。この様な駆動側カム22a(ウォームホイール41)は、前記ウォームホイール歯42のみを合成樹脂製とし、その他の部分を金属製としても良い。又、本例の場合には、前記電動モータ17を、前記トランスミッション入力軸10(図1参照)に対しねじれの位置に前記モータ出力軸31を配置した状態で、トランスミッションハウジング9(図1参照)の内面に支持している。
又、本例の場合、上述した様に、前記レリーズ軸受19aを構成する内輪33aと、前記カム装置16aを構成する被駆動側カム23aとを一体的に設けている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、減速機として、前記ウォーム減速機39を使用している為、前記実施の形態の第1例の場合の様に、傘歯車減速機18を使用した場合に比べて、大きな減速比を得られる。この為、前記電動モータ17の更なる小型化を図れる。又、本例の場合には、前記ウォームホイール41と前記駆動側カム22aとを一体的に設けていると共に、前記内輪33aと前記被駆動側カム23aとを一体的に設けている。この為、本例の場合には、部品点数の低減を図れ、部品管理コスト及び組立コストの低減を図れる。
尚、本例に使用するウォーム減速機39は可逆性を有しない為、前記電動モータ17として、両方向に回転可能なものを使用する。但し、この様な構成を採用する事で、クラッチ切断状態や半クラッチ状態を、前記電動モータ17に電気を通電する事なく保持する事ができる。又、ウォーム減速機として、諸元により可逆性を持たせた場合には、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、電動モータとして一方向にのみ回転可能なものを使用する事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例では、前記実施の形態の第2例のより具体的な構造として、グリース漏れを防止する為の密封装置(シール部材)を追加的に設けた構造に就いて説明する。
本例の場合、レリーズ軸受19aの軸方向両端開口部に、それぞれ円輪状のシール部材43a、43bを設置し、このレリーズ軸受19aの内部に封入したグリースの漏出を防止している。より具体的には、前記レリーズ軸受19aを構成する外輪34は、ダイヤフラムばね14と共に回転するのに対し、このレリーズ軸受19aを構成する内輪33aは回転しない為、前記各シール部材43a、43bの内周縁部を前記内輪33a(被駆動側カム23a)の外周面に外嵌固定し、前記各シール部材43a、43bの外周縁部を、前記外輪34の軸方向両端部内周面に対し、摺接又は近接対向させている。
又、前記カム装置16aの内部に封入したグリースの漏出を防止する為、前記内輪33a(被駆動側カム23a)の軸方向片端部外周面に、円筒状のシール部材44aを外嵌固定している。そして、このシール部材44aの軸方向片端縁(先端縁)を、前記駆動側カム22a(ウォームホイール41)の軸方向他側面に対し、摺接又は近接対向させている。更に、スラストニードル軸受26の内部に封入したグリースの漏出を防止する為、案内筒部15を構成する外向フランジ部21の軸方向他側面と、前記駆動側カム22a(ウォームホイール41)の軸方向片側面との間に、円筒状のシール部材44bを設置している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記レリーズ軸受19a、前記カム装置16a及び前記スラストニードル軸受26内に、グリースを効果的に保持する事ができ、クラッチ制御装置1を長期間に亙り円滑に作動させる事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図8〜12を参照しつつ説明する。本例の特徴は、カム装置16(図1〜5参照)の構造を工夫する事で、クラッチ制御装置1(図1、2参照)の応答性を向上させる点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例と同様である為、重複する部分の図示並びに説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合にも、電動モータ17(図1、2参照)によりカム装置16を構成する駆動側カム22を回転駆動する事により、このカム装置16を構成する被駆動側カム23を軸方向に並進移動させる。そして、この被駆動側カム23により、レリーズ軸受19(図1、2参照)を介してダイヤフラムばね14(図1、2参照)を押圧する。この場合、前記カム装置16には、前記レリーズ軸受19を介して前記ダイヤフラムばね14の反力が加わる。又、ダイヤフラムばね14を軸方向に押圧する事でクラッチの接続を断つ、プッシュ式のクラッチ装置6(図1参照)の場合には、クラッチの接続を断つ為にダイヤフラムばね14の弾性変形量を大きくする程、前記カム装置16には大きな反力が加わる傾向がある。
前記クラッチ装置6の作動時に上述した様な力が加わる前記カム装置16の駆動側カム22にあっては、トルク(駆動トルク、入力トルク)と、カムリード(中心軸に直交する仮想平面に対する駆動側カム面25の傾斜角度)と、軸力(押圧力、推力)とが、次の(1)の関係式を満たす事が知られている。
T=(L/2π)×F・・・(1)
T:トルク、L:カムリード、F:軸力
この為、前記駆動側カム22のカムリード(L)が、駆動側カム面25の底部から頂部まで一定である場合には、この駆動側カム22のトルク(T)とこの駆動側カム22が発生する軸力(F)とは比例関係になる。前述した通り、前記カム装置16(駆動側カム22)に作用する前記ダイヤフラムばね14の反力は、このダイヤフラムばね14の弾性変形量が大きくなる程大きくなる傾向がある為、カムリード(L)が一定である場合には、前記駆動側カム22に必要なトルクも前記ダイヤフラムばね14の変形量に応じて大きくなる。
ところで、クラッチ制御装置1の応答性を高める(クラッチ切断までの作動時間を短くする)面からは、駆動側カム22を回転駆動する電動モータ17を出力が高い状態で使用する事が重要になるが、一般的なモータの性能線図を図8に示す様に、電動モータはその特性上、最大出力(Pmax )が得られるトルクの値(Tp )は1点のみとなる。この為、駆動側カム22に関して、カムリード(L)を一定とした場合には、電動モータ17の出力が最大となる状態を、カム装置16を構成するローラ24が駆動側カム面25の底部から頂部まで移動する間の一部分でしか使用できない事になり、クラッチ制御装置1の応答性の面から不利になる。
そこで、本例の場合には、クラッチ制御装置1の応答性を向上させる為、電動モータ17の出力が最大となるトルク(Tp )及び回転数(Np )で、この電動モータ17を常時使用できる様に、駆動側カム22(及び被駆動側トルク23)のカムリード(L)を設定する。
先ず、駆動側カム22のトルクが電動モータ17により全て入力され、このトルクがモータ出力が最大(Pmax )となるトルク(Tp )である場合を考えると、カムリード(L)は、前記(1)式を利用して導かれ、次の(2)式で表される。
L=(2π×Tp )/F・・・(2)
前記ダイヤフラムばね14と前記カム装置16とで力の釣合が取れている場合、前記駆動側カム22が発生する軸力(F)の大きさは、ダイヤフラムばね14の反力の大きさに等しくなる。又、一般的なダイヤフラムばねのばね特性(たわみ−荷重特性)は、図9に示す様な関係を有する。尚、この図9に示した線図は、たわみ量と荷重との関係が完全な比例関係にはなっていないが、これはダイヤフラムばねの形状等に起因して生じるものである。
そこで、本例の場合には、図9の線図(必要に応じて近似線)を利用して、たわみ量が0から最大値になるまでの荷重を複数{例えば所定間隔毎に(0.1刻みで)}求め、それぞれの荷重を前記(2)式中のFに代入する事により、レリーズ軸受19のストローク(軸方向移動量)に相当するたわみ量と、カムリード(L)との関係を求める。つまり、所定のたわみ量(ストローク)になった時に、電動モータ17を最大出力(Pmax )で運転するのに必要なカムリード(L)の大きさを求める。
この結果、図10に示す様に、電動モータ17の出力が最大(Pmax )となるトルク(Tp )でこの電動モータ17を常時使用する為には、カムリード(L)の値を、たわみ量が少ない(ストロークが小さい)位置では大きい値に設定し、撓み量が大きくなる(ストロークが大きくなる)につれて小さく設定する必要がある事が確認された。別の言い方をすれば、軸力(F)が小さいクラッチ制御装置1の始動開始時近傍(カム面25の底部近傍)でカムリードを最大に設定し、軸力(F)が大きくなるクラッチの切断位置近傍(カム面25の頂部近傍)でカムリードを最小に設定する事で、電動モータ17の出力が最大(Pmax )となるトルク(Tp )でこの電動モータ17を常時使用できる事が確認された。
更に、前記図10に示したたわみ量とカムリード(L)との関係から、図11に示した、駆動側カム22の回転角度とレリーズ軸受19のストロークとの関係を得た。この図11に表された線図(実線)が、電動モータ17の出力が最大(Pmax )となるトルク(Tp )でこの電動モータ17を常時使用できる、駆動側カム面25の母線形状に相当する。尚、図11には、比較例として、カムリードを一定とした場合の線図(駆動側カム面の母線形状の1例)を破線で示している。
そして、上述の様なカムリード(L)に設定した駆動側カム22(及び被駆動側カム23)を使用した場合、トルクはTp (及び回転数はNp )で一定となる為、レリーズ軸受19のストロークと電動モータ17の出力との関係は、図12に示した様になる。尚、図12にも、比較例として、カムリードを一定とした場合の線図を破線で示している。
前記図12から明らかな通り、本例の場合には、カムリード(L)を一定とした場合に比べて、電動モータ17の出力が最大(Pmax )となる状態で使用できる範囲(作動範囲)を大幅に増やす(全作動域を最大出力Pmax で使用する)事ができる。従って、本例の構造によれば、クラッチ制御装置1の応答性を向上させる(クラッチ切断までの作動時間を短くする)事ができる。又、本例の場合には、実際に使用するダイヤフラムばねのばね特性線図を利用してカムリードの値を設定できる為、ダイヤフラムばねの種類が異なるものを使用した場合にも、ダイヤフラムばねに応じた最適なカムリードの値を設定する事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて説明する。本例の特徴は、カム装置16(図1〜5参照)の構造を工夫する事で、クラッチの切断位置での電動モータ17(図1、2参照)の負荷トルクを低減させる点にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例及び第4例と同様である為、重複する部分の図示並びに説明は省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
プッシュ式のクラッチ装置6(図1参照)の場合、コースティング走行時や渋滞時など、クラッチの切断状態を保持する場合には、電動モータ17により保持トルクを出力し続ける必要があり、この電動モータ17の発熱量が多くなる。この為、この様な発熱を抑える為には、電動モータ17を、使用可能なトルク領域のうちの低トルク領域で、クラッチの切断状態を保持するのに使用するのが望ましい。
但し、前記実施の形態の第4例で説明した様に、プッシュ式のクラッチ装置6の場合、カム装置16に作用する反力は、ダイヤフラムばね14の弾性変形量が大きくなる程大きくなる傾向がある為、クラッチの切断位置に於いて駆動側カム22に必要となるトルクも大きくなる(例えば図8でTp以上の高トルク領域になる)傾向がある。従って、電動モータ17の発熱を抑える為には、この電動モータ17としてトルク容量の大きいものを使用する必要があり、モータ体格が大になる事によるクラッチ制御装置1の大型化及び重量増大を招く。
そこで、本例の場合には、クラッチ切断位置に於ける電動モータ17の負荷トルクが低くなる様に、駆動側カム22(及び被駆動側トルク23)のカムリード(L)を設定する。具体的には、低トルク領域のうち、電動モータ17の効率が最大となるトルク(Th )で、この電動モータ17を常時使用し、クラッチの切断状態を保持できる様に、駆動側カム22(及び被駆動側トルク23)のカムリード(L)を設定する。
先ず、駆動側カム22のトルクが電動モータ17により全て付与され、このトルクがモータの効率が最大となるトルク(Th )である場合を考えると、カムリード(L)は、前記(1)式を利用して導かれ、次の(3)式で表される。
L=(2π×Th )/F・・・(3)
そこで、本例の場合にも、前記実施の形態の第4例の場合と同様の手順により、ダイヤフラムばねのばね特性(図9参照)を利用して、たわみ量が0から最大値になるまでの荷重を複数求め、それぞれの荷重を前記(3)式中のFに代入する事により、レリーズ軸受19のストロークに相当するたわみ量と、カムリード(L)との関係を求める。
尚、ダイヤフラムばね14は、前記図9に示した様に、クラッチの切断位置に於いて、たわみ量がδ、荷重がFh となる。この為、クラッチの切断位置に於けるカムリード(L)は、次の(4)式で表される。
L=(2π×Th )/Fh ・・・(4)
以上の様に、前記実施の形態の第4例の場合と同様の手順により、電動モータ17の効率が最大となるトルク(Th )でこの電動モータ17を常時使用する場合の、たわみ量とカムリード(L)との関係を求めると、最大出力(Pmax )となるトルク(Tp )で使用する事を意図した前記実施の形態の第4例の場合に比べて、カムリード(L)が小さくなる。より具体的には、カムリード(L)は、Th /Tp の分だけ小さくなる。従って、本例の場合の駆動側カム面25の母線形状は、前記図11に実線で示したものよりも、傾斜が緩やかなもの(同じ回転角度であればストロークが小さいもの)となる。
以上のような構成を有する本例の場合には、電動モータ17の効率が最大となるトルク(Th )で、クラッチの切断状態を保持する事が可能になる。これにより、クラッチ切断位置での電動モータ17の負荷トルクを低減できる為、この電動モータ17としてトルク容量の大きいものを使用しなくても、発熱を抑える事ができる。又、クラッチ制御装置1の小型化や重量低減を図る事ができる。
尚、本例を実施する場合に、電動モータ17に設定するトルクは、効率が最大となるトルク(Th )に限定されず、例えばモータの出力をより小さくする為に、Th よりも小さい値に設定する事もできる。更に、本例の構造と前述した実施の形態の第4例の構造とを組み合わせて、クラッチ制御装置の応答性を高めつつ、且つ、クラッチの切断状態を保持する際の電動モータのトルクを低くする為に、電動モータをTp とTh との中間の値で常時使用できる様に、カムリード(L)を設定する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
本発明のクラッチ制御装置は、実施の形態で説明した様なプッシュ式のクラッチ機構に限らず、レリーズ軸受を、ダイヤフラムばねを押圧する力が大きくなる方向に移動させる(図1、2、5、6の左側に移動させる)事で、クラッチを接続し、反対に押圧する力が小さくなる方向に移動させる(図1、2、5、6の右側に移動させる)事で、クラッチの接続を断つ構成を採用しても良い。又、上述した実施の形態の各例の構造は、適宜組み合わせて実施する事ができる。又、実施の形態の第4例及び第5例では、カム装置を構成する駆動側カムのカムリード(傾斜角度)だけでなく、被駆動側カムのカムリードに就いても、駆動側カムのカムリードと同様に設定する場合に就いて説明したが、被駆動側カムのカムリードに関しては、必ずしも駆動側カムのカムリードと同様に設定する必要はない。
1 クラッチ制御装置
2 フライホイール
3 クラッチディスク
4 クラッチペダル
5 制御器
6 クラッチ装置
7 クランクシャフト
8 ボルト
9 トランスミッションハウジング
10 トランスミッション入力軸
11 転がり軸受
12 クラッチカバー
13 プレッシャプレート
14 ダイヤフラムばね
15 案内筒部
16、16a カム装置
17 電動モータ
18 傘歯車減速機
19、19a レリーズ軸受
20 筒部本体
21 外向フランジ部
22、22a 駆動側カム
23、23a 被駆動側カム
24 ローラ
25 駆動側カム面
26 スラストニードル軸受
27 スラストレース
28 ニードル
29 被駆動側カム面
30 雌スプライン部
31 モータ出力軸
32a、32b かさ歯車
33、33a 内輪
34 外輪
35 玉
36 押圧部
37 支持筒部
38 ストロークセンサ
39 ウォーム減速機
40 ウォーム
41 ウォームホイール
42 ウォームホイール歯
43a、43b シール部材
44a、44b シール部材

Claims (3)

  1. 案内筒部と、カム装置と、電気的駆動源と、レリーズ軸受とを備え、
    このうちの案内筒部は、固定の部分に設けられ、トランスミッション用入力軸の周囲に配置されており、
    前記カム装置は、駆動側カムと被駆動側カムと複数本のローラとを有しており、このうちの駆動側カムは、軸方向側面に円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面を有し、前記案内筒部に対し相対回転可能に且つ軸方向に関して前記被駆動側カムから離れる方向への変位を不能に支持されており、前記被駆動側カムは、前記駆動側カム面に対向する軸方向側面に、円周方向に亙る凹凸面である被駆動側カム面を有し、前記案内筒部に対し相対回転不能に且つ軸方向に関する相対変位を可能に支持されており、前記複数本のローラは、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持されており、
    前記レリーズ軸受は、外輪と、内輪と、複数個の転動体とを有しており、これら外輪と内輪とのうちの何れか一方の軌道輪が、前記案内筒部に対し軸方向に関する相対変位を可能に支持されており、他方の軌道輪が、ダイヤフラムばねに当接し、このダイヤフラムばねと共に回転するものであり、
    前記電気的駆動源により前記駆動側カムを前記被駆動側カムに対して相対回転させ、この被駆動側カムを軸方向に並進移動させる事により、前記レリーズ軸受を介して、前記ダイヤフラムばねを軸方向に押圧する、
    クラッチ制御装置。
  2. 前記電気的駆動源の回転駆動力を、減速機を介して、前記駆動側カムに伝達する、請求項1に記載したクラッチ制御装置。
  3. 前記被駆動側カムと前記一方の軌道輪とが一体的に設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したクラッチ制御装置。
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