JP2019019912A - クラッチレリーズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチディスクの摩耗量にかかわらず、レリーズ軸受がダイヤフラムばねから離隔するのを防止できる構造を実現する。【解決手段】カム装置12により、電動モータ13の回転運動を並進運動に変換し、レリーズ軸受15をダイヤフラムばね5に向けて押圧する。レリーズ軸受15とカム装置12を構成する被駆動側カム12bとに、付勢ばね16により、軸方向に関して互いに離間する方向の付勢力を付与する。これにより、レリーズ軸受15をダイヤフラムばね5に向けて押圧し、かつ、被駆動側カム12bを駆動側カム12aに向けて押圧する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や産業機械などに使用される、マニュアルトランスミッション(MT)やオートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)用のクラッチ装置に組み込まれ、クラッチの断接を行うために利用するクラッチレリーズ装置に関する。
自動車用の変速機は、マニュアルトランスミッションとオートマチックトランスミッション(AT)とに大別される。マニュアルトランスミッションは、オートマチックトランスミッションに比べて、構造が簡単で製造コストを抑えやすい、修理が容易であるなどの理由から、新興国など一部の地域で高い需要がある。
また、欧州の自動車メーカを中心に、低燃費化を目的として、高速巡航時などのアクセルオフ時に、エンジンとトランスミッションとを切り離して惰性走行を行うといった、コースティング走行を積極的に採用することが考えられている。このようなコースティング走行を行うには、変速操作とは別に、クラッチを切り離す操作が必要になるため、クラッチの操作回数の増加に繋がる。これに対し、近年、女性ドライバの増加や交通渋滞の増加などの理由により、クラッチ操作を簡便にするイージードライブ化への要求が高まっている。
そして、イージードライブ化を図るべく、クラッチ制御の自動化、すなわち、シフトレバー操作はこれまで通り手動で行い、クラッチペダル操作のみを自動化することが考えられている。また、このようなクラッチ制御の自動化に適用可能な、クラッチレリーズ装置の構造も考えられ始めている。
特開2008−101643号公報には、制御装置から出される信号に基づいてレリーズシリンダ内に所定の圧油を送り込むことで、レリーズフォークの動きを制御し、クラッチの制御を行う技術が記載されている。また、特開2010−91043号公報には、制御装置から出される信号に基づいてコンセントリックスレーブシリンダ(CSC)に導入する油圧を制御することで、クラッチの制御を行う技術が記載されている。
特開2008−101643号公報 特開2010−91043号公報
ただし、特開2008−101643号公報及び特開2010−91043号公報に記載されたいずれの構造も、オイルリザーバや複雑な油圧配管が必要になる。また、特開2008−101643号公報に記載された構造は、レリーズシリンダやレリーズフォークがさらに必要であり、特開2010−91043号公報に記載された構造は、コンセントリックスレーブシリンダがさらに必要である。このため、重量が増加しやすくなるとともに、設置スペースが嵩むといった問題を生じる。また、特開2008−101643号公報及び特開2010−91043号公報に記載されたいずれの構造も、油圧制御を行うため、油漏れの問題を生じる可能性がある。
そこで、電動アクチュエータと、該電動アクチュエータの回転運動を並進運動に変換し、レリーズ軸受をダイヤフラムばねに向けて押圧するカム装置とを利用して、クラッチの制御を電気的に行うことが考えられる。ただし、クラッチディスクは、使用により摩耗が進行するため、次のような問題を生じる可能性がある。
図6(A)に示したクラッチディスク3が新品時の状態と、図6(B)に示したクラッチディスク3が摩耗した状態とを比較すれば明らかなように、クラッチディスク3の摩耗が進行すると、ダイヤフラムばね5のたわみ量が変化し、レリーズ軸受15がダイヤフラムばね5を押圧し始める位置(レリーズ開始点)が変化する。具体的には、レリーズ開始点が、クラッチディスク3の摩耗の進行に伴い、カム装置12に近づく(図6の左側から右側に変化する)。このため、クラッチディスク3の摩耗状態を基準にクラッチレリーズ装置の取付位置を設定した場合には、何らかの対策を施さないと、カム装置12からレリーズ開始点までの距離が大きくなる、クラッチディスク3が新品の状態である場合や摩耗量が少ない場合に、レリーズ軸受15とダイヤフラムばね5とが離れる可能性がある。
レリーズ軸受15とダイヤフラムばね5とが離れていると、カム装置12にダイヤフラムばね5から反力(ダイヤフラム荷重)が作用しないため、カム装置12を駆動した際にローラに滑りが発生し、1対のカム同士の位相がずれる可能性がある。また、1対のカム同士の位相がずれた状態でカム装置12を駆動すると、ローラがカム面の頂部に乗り上げてしまい、レリーズ軸受15のストローク(軸方向移動量)が不足する可能性もある。また、レリーズ軸受15がダイヤフラムばね5から離れていると、レリーズ軸受15がダイヤフラムばね5に接触した際に、レリーズ軸受15、及び、レリーズ軸受15を備えたクラッチレリーズ装置に衝撃荷重が加わる。このため、衝撃荷重が加わった場合にも故障が生じないように安全率を大きくとる必要があり、装置全体が大型化し易くなる。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、かつ、油漏れを防止でき、しかもクラッチディスクの摩耗量にかかわらず、レリーズ軸受がダイヤフラムばねから離隔するのを防止できる、クラッチレリーズ装置の構造を実現することを目的としている。
本発明のクラッチレリーズ装置は、カム装置と、電動アクチュエータと、レリーズ軸受、付勢部材とを備える。
前記カム装置は、トランスミッションの入力軸の周囲に回転可能に支持され、前記入力軸の軸方向に関して一方側面に駆動側カム面が設けられた駆動側カムと、前記入力軸の周囲に回転不能にかつ前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に支持され、前記駆動側カム面に対向する前記入力軸の軸方向に関する他方側面に被駆動側カム面が設けられた被駆動側カムと、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持されたローラとを有しており、前記電動アクチュエータの回転運動を並進運動に変換するものである。
前記電動アクチュエータは、前記駆動側カムを回転駆動するものである。
前記レリーズ軸受は、前記入力軸の周囲に前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に支持されており、前記入力軸の軸方向に関する前記被駆動側カムの一方側への移動に伴い、ダイヤフラムばねに向けて押圧される。
前記付勢部材は、前記レリーズ軸受と前記被駆動側カムとに、前記入力軸の軸方向に関して互いに離れる方向の付勢力を付与する。これにより、前記レリーズ軸受を前記ダイヤフラムばねに向けて押圧し、かつ、前記被駆動側カムを前記駆動側カムに向けて押圧する。
本発明では、前記付勢部材を、前記入力軸の径方向に関して前記カム装置の内側に配置することができる。
この場合には、例えば、前記被駆動側カムを、前記入力軸の周囲に回転不能にかつ前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に配置された筒状のガイド筒に外嵌するとともに、前記付勢部材を、前記入力軸の径方向に関して前記ガイド筒の内側に配置する。そして、前記付勢部材により、前記ガイド筒を介して、前記被駆動側カムに付勢力を付与することができる。
また、本発明では、前記レリーズ軸受を、前記入力軸の周囲に前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に配置された軸受ガイドに取り付けることができる。そして、前記付勢部材により、前記軸受ガイドを介して、前記レリーズ軸受に付勢力を付与することができる。
本発明のクラッチレリーズ装置によれば、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、かつ、油漏れを防止でき、しかもクラッチディスクの摩耗量にかかわらず、レリーズ軸受がダイヤフラムばねから離隔するのを防止できる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示す、クラッチ装置の断面模式図である。 図2は、クラッチディスクが新品の状態に関して、図1に示したクラッチ装置のクラッチレリーズ装置部分を拡大して示す図である。 図3は、クラッチディスクが摩耗した状態に関して、図1に示したクラッチ装置のクラッチレリーズ装置部分を拡大して示す図である。 図4は、クラッチレリーズ装置を取り出して示す断面模式図である。 図5は、カム装置の動作を説明するためにカム装置を径方向外側から見た模式図であり、図5(A)は駆動側カムと被駆動側カムとの中立状態(初期状態)を示しており、図5(B)は駆動側カムを被駆動側カムに対して相対回転させた状態を示している。 図6は、クラッチディスクの摩耗とダイヤフラムばねのたわみ量との関係を説明するために示す図であり、図6(A)は、クラッチディスクが新品時の状態を示しており、図6(B)は、クラッチディスクが摩耗した状態を示している。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1〜図5を用いて説明する。
本例のクラッチ装置1は、マニュアルトランスミッションに対するエンジンの動力の伝達状態を切り換えるもので、フライホイール2と、クラッチディスク(摩擦板)3と、プレッシャプレート4と、ダイヤフラムばね5と、電動式のクラッチレリーズ装置6とを備えている。また、クラッチ装置1は、トランスミッションの入力軸7の周囲で、かつ、トランスミッション用のフロントケース8の内側に配置されている。
クラッチ装置1は、図示しないECU(制御装置)からの制御信号に基づき、電動式のクラッチレリーズ装置6を作動させることで、図示しないエンジンのクランクシャフトと入力軸7との間の動力の伝達状態を切り換える。具体的には、クラッチ装置1を、クラッチ締結状態と、半クラッチ状態と、クラッチ遮断状態との間で相互に切り替える。
フライホイール2は、例えば鋳鉄などの金属製で、クランクシャフトの端部に、例えば複数本のボルトなどを用いて結合固定されており、クランクシャフトと同期して回転する。
クラッチディスク3は、図示は省略するが、径方向外側部にエンジントルクが入力される入力部(摩擦部)を有し、径方向内側部に入力軸7にトルクを伝達する出力部を有し、径方向中間部にダンパ部を有している。クラッチディスク3は、径方向外側の入力部を、フライホイール2に対し軸方向に対向させた状態で、径方向内側の出力部を、入力軸7にスプライン嵌合させている。なお、本明細書で、軸方向とは、特に断わらない限り、入力軸7の軸方向をいう。
フライホイール2の径方向外側部には、クラッチカバー9が固定されている。クラッチカバー9の内側には、クラッチディスク3をフライホイール2に向けて押圧するためのプレッシャプレート4、及び、プレッシャプレート4をクラッチディスク3に向けて押圧するためのダイヤフラムばね5が、それぞれ配置されている。
ダイヤフラムばね5は、クラッチカバー9に対して支持されている。なお、図示のクラッチ装置1は、プッシュ式のクラッチ装置であるため、ダイヤフラムばね5の中央部が軸方向一方側(図1の左側)に向けて押圧されると、プレッシャプレート4がクラッチディスク3から退避する方向(図1の右側)に移動し、フライホイール2とクラッチディスク3との接続が断たれる構造を有している。ただし、本発明は、プッシュ式のクラッチ装置に限らず、レリーズ軸受を、ダイヤフラムばねを押圧する力が大きくなる方向に移動させることで、クラッチを接続し、反対に押圧する力が小さくなる方向に移動させることで、クラッチの接続を断つ構成を採用しても良い。
クラッチレリーズ装置6は、ハウジング10と、案内筒11と、カム装置12と、電動アクチュエータに相当する電動モータ13と、ウォーム減速機14と、レリーズ軸受15と、付勢ばね16とを備えている。また、クラッチレリーズ装置6は、フロントケース8の内側に配置されており、ダイヤフラムばね5の軸方向他方側(図1の右側)で、かつ、入力軸7の周囲に設けられている。
ハウジング10は、全体が中空筒状に構成されており、円筒部10aと、該円筒部10aの軸方向他方側の端部から径方向内方に伸長した円輪状の底部10bとを備えている。このようなハウジング10は、フロントケース8の側板部8aの内面に底部10bを固定することによって、フロントケース8の内側に支持されている。
案内筒11は、ハウジング10よりも小径の中空筒状に構成されており、ハウジング10の底部10bに対して固定されている。案内筒11は、段付円筒状の筒部本体11aと、該筒部本体11aの軸方向他方側の端部に設けられた円輪状の外フランジ11bとを有している。筒部本体11aの内側には、入力軸7が挿通されており、筒部本体11aの内径寸法は、入力軸7の外径寸法よりもわずかに大きい。
カム装置12は、ハウジング10の円筒部10aの内周面と案内筒11の筒部本体11aの外周面と間に配置されており、軸方向他方側に配置された駆動側カム12aと、軸方向一方側に配置された被駆動側カム12bと、これら駆動側カム12aと被駆動側カム12bとの間に配置された複数本のローラ12cと、これら複数本のローラ12cを円周方向等間隔に保持する保持器12dとを有している。
駆動側カム12aは、断面クランク形で、全体が円輪状に構成されており、径方向外側部の軸方向一方側面(図1、図2〜図4の左側面)に、ローラ12cと同数だけ、円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面12a1が形成されている。駆動側カム面12a1は、軸方向に関する高さが円周方向に関して漸次変化している。また、駆動側カム12aは、入力軸7の周囲に回転可能に配置されている。具体的には、駆動側カム12aは、案内筒11の筒部本体11aの軸方向他方部に対し、相対回転可能に、かつ、軸方向に関して被駆動側カム12bから離れる方向(軸方向他方側)への変位を不能に支持されている。駆動側カム12aを筒部本体11aの周囲で回転可能とするために、駆動側カム12aの内径寸法を筒部本体11aの軸方向他方側部の外径寸法よりもわずかに大きくしている。なお、駆動側カム12aと筒部本体11aとの間には、滑り軸受や転がり軸受を配置することもできる。また、駆動側カム12aが、筒部本体11aに対し、軸方向に関して被駆動側カム12bから離れる方向に変位することを防止するために、駆動側カム12aと外フランジ11bとの間に、スラストニードル軸受17を設けている。
スラストニードル軸受17は、駆動側カム12aの軸方向他方側面に直接形成したスラスト軌道と、外フランジ11bの軸方向一方側に添設されたスラストレース17aに形成されたスラスト軌道との間に、複数本のニードル17bを、円周方向に関して等間隔に、それぞれの中心軸を放射方向に向けた状態で配置することにより構成されている。
これに対し、被駆動側カム12bは、断面矩形状で、全体が円輪状に構成されており、駆動側カム面12a1に対向する軸方向他方側面に、各ローラ12cと同数だけ、円周方向に亙る凹凸面である被駆動側カム面12b1が形成されている。被駆動側カム面12b1は、軸方向に関する高さが円周方向に関して駆動側カム面とは逆方向に漸次変化している。また、被駆動側カム12bは、入力軸7の周囲に回転不能に、かつ、入力軸7の軸方向に関する移動を可能に支持されている。具体的には、被駆動側カム12bは、筒部本体11aに対し、相対回転不能に、且つ、軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。
このために本例では、被駆動側カム12bを、円筒状のガイド筒18を介して、筒部本体11aに支持している。ガイド筒18は、軸方向他方側部に設けられた内フランジ18aの内周面に形成した雌スプラインを、筒部本体11aの外周面に形成した雄スプラインにスプライン係合させることで、筒部本体11aに対して、相対回転不能にかつ軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。そして、このようなガイド筒18に対し、被駆動側カム12bを、圧入や溶接により相対回転不能に外嵌固定している。なお、ガイド筒18のうち、内フランジ18aから外れた部分の内径寸法は、筒部本体11aの外径寸法よりも十分に大きくなっている。
複数本のローラ12cは、それぞれ円柱状に構成されている。また、複数本のローラ12cは、ガイド筒18の周囲に円周方向に関して等間隔に配置され、駆動側カム面12a1と被駆動側カム面12b1との間に、それぞれの中心軸を放射方向に向けた状態で挟持されている。
本例のカム装置12では、図5の(A)に示すように、駆動側カム面12a1のうちで軸方向に関する高さが最も低くなった部分と、被駆動側カム面12b1のうちで軸方向に関する高さが最も低くなった部分とを、軸方向に対向させた中立状態(初期状態)から、図5の(B)に示すように、駆動側カム12aを、被駆動側カム12bに対して所定方向(図5の左方向)に相対回転させると、ローラ12cが、駆動側カム面12a1及び被駆動側カム面12b1のうちで、軸方向に関する高さの高い側に向けてそれぞれ転動する。この結果、図5の(B)に示すように、被駆動側カム12bが、軸方向に関して駆動側カム12aから離れる方向(図5の上側)に並進移動する。また、図5の(B)に示した状態から、駆動側カム12aを、被駆動側カム12bに対し、前記所定方向とは反対方向(図5の右方向)に相対回転させた場合、ローラ12cが、駆動側カム面12a1及び被駆動側カム面12b1のうちで、軸方向に関する高さの低い側に向けてそれぞれ転動する。この結果、図5の(A)に示すように、被駆動側カム12bが、軸方向に関して駆動側カム12aに近づく方向(図5の下側)に並進移動する。このように、本例のカム装置12は、駆動側カム12aを被駆動側カム12bに対して相対回転させることで、この被駆動側カム12bを軸方向に並進移動させる(駆動側カム12aに対し遠近動させる)ことができる。
本例では、カム装置12を構成する駆動側カム12aを、電気的に作動する電動モータ13により回転駆動する。電動モータ13は、例えばサーボモータであり、ECUからの指令に基づき、所定の方向(両方向または一方向)に所定量(所定角度)だけ回転するように制御されている。また、電動モータ13は、モータ出力軸を入力軸7に対し直交する方向(図1、図2〜図4の表裏方向)に配置した状態で、ハウジング10に支持されている。
本例では、電動モータ13の回転駆動力を、駆動側カム12aに対し、ウォーム14aとウォームホイール14bとを備えたウォーム減速機14を介して伝達する。このために、ウォーム14aをモータ出力軸に固定し、かつ、ウォームホイール14bを駆動側カム12aに外嵌固定している。このような構成により、電動モータ13の回転駆動力を、ウォーム減速機14により減速して、駆動側カム12aに伝達する。
軸方向に並進移動可能とされた被駆動側カム12bは、軸受ガイド19、及び、レリーズ軸受15を介して、ダイヤフラムばね5を軸方向一方側に向けて押圧する。軸受ガイド19は、段付円筒状に構成されており、大径筒部19aと、小径筒部19bと、円輪部19cとを備えている。大径筒部19aは、カム装置12とハウジング10の円筒部10aと間に配置されている。また、大径筒部19aの外周面には弾性材製のシール部19dが設けられており、該シール部19dを円筒部10aの内周面に対して弾性的に接触させている。小径筒部19bは、案内筒11の筒部本体11aに外嵌されている。小径筒部19bの内周面には弾性材製のシール部19eが設けられており、該シール部19eを筒部本体11aの外周面に対して弾性的に接触させている。これらシール部19d、19eにより、カム装置12が配置された空間にグリースを保持している。また、円輪部19cは、被駆動側カム12bの軸方向一方側に位置しており、被駆動側カム12bによって押圧される。
本例では、軸方向に関して軸受ガイド19を構成する円輪部19cとガイド筒18を構成する内フランジ18aとの間で、かつ、径方向に関してカム装置12の内側に、付勢部材に相当するコイル状の付勢ばね16を弾性的に圧縮した状態で配置している。そして、レリーズ軸受15と被駆動側カム12bとに、軸方向に関して互いに離れる方向の付勢力を付与している。具体的には、レリーズ軸受15には、軸受ガイド19を介して付勢力を付与し、被駆動側カム12bには、ガイド筒18を介して付勢力を付与する。これにより、レリーズ軸受15をダイヤフラムばね5に向けて押圧し、かつ、被駆動側カム12bを駆動側カム12aに向けて押圧している。このため、本例では、ダイヤフラムばね5のたわみ量が、図1に実線で示すクラッチディスク3の新品の状態から、1点鎖線で示すクラッチディスク3の摩耗が進行した状態にまで変化する間中、レリーズ軸受15とダイヤフラムばね5とが離隔することを防止できる。
本例では、付勢ばね16による付勢力の大きさを、ダイヤフラムばね5を変形(または移動)させない程度の大きさに設定している。このため、クラッチディスク3の摩耗の進行に伴ってダイヤフラムばね5のたわみ量が大きくなると、ダイヤフラムばね5の反力により、付勢ばね16は図2の状態から図3の状態へと弾性変形させられる。また、付勢ばね16による付勢力の大きさを、上述のように設定しているため、被駆動側カム12bを軸方向に並進移動させて、付勢ばね16の弾性変形量を大きくする場合にも、被駆動側カム12bが軸受ガイド19を構成する円輪部19cを直接押圧するまでは、ダイヤフラムばね5が変形することはない。
また、軸受ガイド19を構成する円輪部19cとガイド筒18を構成する内フランジ18aとの間に付勢ばね16を配置しているため、図4に示すように、クラッチレリーズ装置6をクラッチ装置1に組み付ける以前の状態では、付勢ばね16の付勢力により、レリーズ軸受15及び軸受ガイド19が、案内筒11の軸方向一方側に移動する。このため本例では、レリーズ軸受15及び軸受ガイド19が、案内筒11の軸方向一方側端部から軸方向に脱落することを防止するため、案内筒11の軸方向一方側端部に、円環状のストッパ20をピン21を利用して固定している。
レリーズ軸受15は、外周面に深溝型の内輪軌道を有する内輪15aと、内周面にアンギュラ型の外輪軌道を有する外輪15bと、これら外輪軌道と内輪軌道との間に保持器15cにより保持された状態で転動自在に設けられた複数個の玉15dとを備えた、玉軸受である。図示の例では、内輪軌道として深溝型のものを、外輪軌道としてアンギュラ型のものを、それぞれ使用している。このため、レリーズ軸受15は、ラジアル荷重の他、スラスト荷重(外輪15bに加わる図1、図2〜図4の右向きのスラスト荷重)を支承可能である。このようなレリーズ軸受15のうち、内輪15aは、軸受ガイド19を構成する小径筒部19bに外嵌固定(圧入)されている。このため、内輪15a(レリーズ軸受15全体)は、案内筒11に対し、相対回転不能に、かつ、軸方向に関する相対変位を可能に支持されている。これに対し、外輪15bは、断面L字形で、全体が円輪状の押圧板22を介して、ダイヤフラムばね5の中央部に接触している。このため、外輪15bは、ダイヤフラムばね5とともに回転する。
本例では、以上のような構成をする電動式のクラッチレリーズ装置6を使用するため、クラッチ制御の自動化を図れるだけでなく、装置の軽量化及び小型化を図れ、しかもクラッチディスク3の摩耗量にかかわらず、レリーズ軸受15がダイヤフラムばね5から離隔するのを防止できる。
すなわち、本例では、電気的に作動する電動モータ13によりカム装置12を駆動することで、レリーズ軸受15を軸方向に並進移動させ、ダイヤフラムばね5を軸方向に押圧し、クラッチの断接を行うことができる。具体的には、ECUからの指令信号に基づき、電動モータ13を所定の方向に所定量だけ回転させることで、電動モータ13の回転駆動力が、ウォーム減速機14を介して、駆動側カム12aに伝達され、駆動側カム12aを、被駆動側カム12bに対し所定方向に所定量だけ相対回転させる。これにより、各ローラ12cが、駆動側カム面12a1と被駆動側カム面12b1との間で転動し、被駆動側カム面12b1を軸方向に押圧する。このようにして、レリーズ軸受15を所定位置まで軸方向に並進移動させる。この結果、本例のプッシュ式のクラッチ装置1では、レリーズ軸受15を軸方向一方側に移動させ、ダイヤフラムばね5の中央部を軸方向一方側に押圧することにより、フライホイール2からクラッチディスク3を離隔させて、クラッチの接続を断つことができる。反対に、レリーズ軸受15を軸方向他方側に移動させ、ダイヤフラムばね5に付与する押圧力を小さくすることにより、フライホイール2とクラッチディスク3とを接触させて、クラッチを接続することができる。
以上のように本例では、電気的にクラッチの断接制御を行えるため、クラッチ制御の自動化を図ることができる。このため、イージードライブ化を図れるとともに、コースティング走行を積極的に採用することによる低燃費化(燃費向上)を実現することもできる。また、本例では、前述した従来構造で必要であった、オイルリザーバ、複雑な油圧配管、及び、シリンダ(レリーズシリンダ、コンセントリックスレーブシリンダ)などの油圧関連部品を不要にできるとともに、レリーズフォークを不要にできる。したがって、装置全体の軽量化及び小型化を図れる。しかも、本例では、クラッチの断接制御(係脱制御)を、電気的に行え、油を使用しなくて済むため、油漏れの問題が生じることも防止できる。
また、電動モータ13の回転駆動力を、ウォーム減速機14を介して、駆動側カム12aに伝達するため、電動モータ13として、出力トルクの小さい小型のものを使用できる。このため、装置全体としての小型化、及び、軽量化を図れる。また、電動モータ13の設置方向に関する自由度を高めることもできるため、設置スペースの小型化(省スペース化)を図ることもできる。なお、本例に使用するウォーム減速機14は可逆性を有しないため、電動モータ13として、両方向に回転可能なものを使用する。ただし、このような構成を採用することで、クラッチ切断状態や半クラッチ状態を、電動モータ13に電気を通電せずに保持することができる。また、ウォーム減速機として、諸元により可逆性を持たせた場合には、電動モータとして一方向にのみ回転可能なものを使用することができる。
さらに本例では、付勢ばね16により、レリーズ軸受15と被駆動側カム12bとに、軸方向に関して互いに離れる方向の付勢力を付与し、レリーズ軸受15をダイヤフラムばね5に向けて押圧し、かつ、被駆動側カム12bを駆動側カム12aに向けて押圧している。このため、クラッチディスク3が新品の状態である場合を含め、クラッチディスク3の摩耗量にかかわらず、レリーズ軸受15とダイヤフラムばね5とが離隔することを防止できる。したがって、ダイヤフラムばね5との接触に起因して、レリーズ軸受15及びクラッチレリーズ装置6に、衝撃荷重が入力されることを防止できるため、この面からも装置の大型化を防止できる。さらに、付勢ばね16により、被駆動側カム12bを駆動側カム12aに向けて押圧できるため、カム装置12を駆動した際に、ローラ12cに滑りが発生することを防止でき、駆動側カム12aと被駆動側カム12bとの位相がずれることを防止できる。したがって、ローラ12cが、駆動側カム面12a1又は被駆動側カム面12b1の頂部に乗り上げることを防止でき、レリーズ軸受15のストロークが不足することを防止できる。さらに、付勢ばね16を、カム装置12の径方向内側に配置しているため、付勢ばね16を設けたことに起因して、クラッチレリーズ装置6の軸方向全長が大きくなることを防止できる。
1 クラッチ装置
2 フライホイール
3 クラッチディスク
4 プレッシャプレート
5 ダイヤフラムばね
6 クラッチレリーズ装置
7 入力軸
8 フロントケース
8a 側板部
9 クラッチカバー
10 ハウジング
10a 円筒部
10b 底部
11 案内筒
11a 筒部本体
11b 外フランジ
12 カム装置
12a 駆動側カム
12a1 駆動側カム面
12b 被駆動側カム
12b1 被駆動側カム面
12c ローラ
12d 保持器
13 電動モータ
14 ウォーム減速機
14a ウォーム
14b ウォームホイール
15 レリーズ軸受
15a 内輪
15b 外輪
15c 保持器
15d 玉
16 付勢ばね
17 スラストニードル軸受
17a スラストレース
17b ニードル
18 ガイド筒
18a 内フランジ
19 軸受ガイド
19a 大径筒部
19b 小径筒部
19c 円輪部
19d シール部
19e シール部
20 ストッパ
21 ピン
22 押圧板

Claims (4)

  1. トランスミッションの入力軸の周囲に回転可能に支持され、前記入力軸の軸方向に関して一方側面に駆動側カム面が設けられた駆動側カムと、前記入力軸の周囲に回転不能にかつ前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に支持され、前記入力軸の軸方向に関する他方側面に被駆動側カム面が設けられた被駆動側カムと、前記駆動側カム面と前記被駆動側カム面との間に挟持されたローラとを有するカム装置と、
    前記駆動側カムを回転駆動する電動アクチュエータと、
    前記入力軸の周囲に前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に支持されており、前記入力軸の軸方向に関する前記被駆動側カムの一方側への移動に伴い、ダイヤフラムばねに向けて押圧されるレリーズ軸受と、
    前記レリーズ軸受と前記被駆動側カムとに、前記入力軸の軸方向に関して互いに離れる方向の付勢力を付与する付勢部材と、
    を備えたクラッチレリーズ装置。
  2. 前記付勢部材が、前記入力軸の径方向に関して前記カム装置の内側に配置されている、請求項1に記載したクラッチレリーズ装置。
  3. 前記被駆動側カムが、前記入力軸の周囲に回転不能にかつ前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に配置された筒状のガイド筒に外嵌されており、前記付勢部材は、前記入力軸の径方向に関して前記ガイド筒の内側に配置され、前記ガイド筒を介して、前記被駆動側カムに付勢力を付与する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したクラッチレリーズ装置。
  4. 前記レリーズ軸受が、前記入力軸の周囲に前記入力軸の軸方向に関する移動を可能に配置された軸受ガイドに取り付けられており、前記付勢部材は、前記軸受ガイドを介して、前記レリーズ軸受に付勢力を付与する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したクラッチレリーズ装置。
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