JP2013133879A - クラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で低コストのクラッチ装置の提供。
【解決手段】湿式多板クラッチであるクラッチ装置1のクラッチインナ11は、エンジンのフライホイール22に接続されている。一方、クラッチアウタ12はモーター3のローター32に接続されている。クラッチインナ11とクラッチアウタ12との間には、それぞれ複数の駆動ディスク111と従動プレート123とが、互い違いに介装されている。駆動ディスク111と従動プレート123は、ダイヤフラムスプリング14の付勢力により圧着されて一体回転が可能となり、双方の間でトルク伝達を行う。ダイヤフラムスプリング14の内端は、油圧により移動されるプランジャ部材18により押圧され、クラッチ装置1の接続が解除される。ダイヤフラムスプリング14の撓み荷重特性は、プランジャ部材18がクラッチ装置1の接続を解除する方向へ移動するにつれて、撓み荷重が増大する。
【選択図】図2
【解決手段】湿式多板クラッチであるクラッチ装置1のクラッチインナ11は、エンジンのフライホイール22に接続されている。一方、クラッチアウタ12はモーター3のローター32に接続されている。クラッチインナ11とクラッチアウタ12との間には、それぞれ複数の駆動ディスク111と従動プレート123とが、互い違いに介装されている。駆動ディスク111と従動プレート123は、ダイヤフラムスプリング14の付勢力により圧着されて一体回転が可能となり、双方の間でトルク伝達を行う。ダイヤフラムスプリング14の内端は、油圧により移動されるプランジャ部材18により押圧され、クラッチ装置1の接続が解除される。ダイヤフラムスプリング14の撓み荷重特性は、プランジャ部材18がクラッチ装置1の接続を解除する方向へ移動するにつれて、撓み荷重が増大する。
【選択図】図2
Description
本発明は、駆動力の伝達を断続するクラッチ装置に関する。
車両の状態に基づき、エンジンと変速機との間の回転力の伝達を断続する自動クラッチ装置に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。これは、クラッチディスクをエンジンのフライホイールに押さえつけるために、プレッシャープレートを付勢するダイヤフラムを備え、ダイヤフラムによるプレッシャープレートの付勢を解除するためのレリーズ機構を、電動モーターによるアクチュエータにより作動させているものであった。
クラッチ装置においては、クラッチディスクとフライホイールとが完全に接続され、双方が一体となって回転する状態(完全接続状態)、クラッチディスクとフライホイールとが完全に断たれた状態(接続解除状態)およびクラッチディスクとフライホイールとの間に、所定の滑りが発生した状態(半クラッチ状態)が形成される。したがって、自動クラッチ装置においては、その作動を制御するために、クラッチディスクのフライホイールに対する圧着状態、換言すれば、クラッチ装置の接続状態を検出する必要があった。
そのために、上述した従来技術においては、アクチェータに含まれるロッドの移動量を検出している。アクチュエータのロッドは、電動モーターを回転させることにより軸方向に移動し、クラッチレバーの端部に当接して移動させ、レリーズ機構を作動させている。従来技術においては、ロッドのストロークを検出することにより、クラッチ装置の接続状態を検出していた。
上述した特許文献1に開示された自動クラッチ装置においては、アクチュエータのロッドの移動量を検出するために、ストロークセンサーを必要としている。このために、ストロークセンサーの取り付けのためのスペース、およびストロークセンサーと制御装置との間の配線のためのスペースを必要とした。また、ストロークセンサーの取り付けや、配線のための作業も必要であった。さらに、通常、ストロークセンサーには、磁気を応用したホール素子センサー等が使用され、高価な場合が多く、コストの増大をも招いていた。
上述した課題を解消する方法として、クラッチ装置の接続状態を検出するために、アクチュエータによる解除ストロークに代えて、解除荷重を検出することが考えられた。すなわち、プレッシャープレートを押圧しているダイヤフラムの撓み荷重を検出する方法である。
上述した課題を解消する方法として、クラッチ装置の接続状態を検出するために、アクチュエータによる解除ストロークに代えて、解除荷重を検出することが考えられた。すなわち、プレッシャープレートを押圧しているダイヤフラムの撓み荷重を検出する方法である。
しかしながら、通常、クラッチ装置のダイヤフラムにおいて、その撓みストロークに対する荷重特性は、図6に示すようなものであった。つまり、ダイヤフラムの異なる撓みストロークに対して、同一の荷重を発生させる場合があった。
ダイヤフラムの荷重特性が、このようなものである理由は、クラッチディスクが新品状態(図6において、新品時の接続点をEにて示す)から摩耗した場合、接続点が図6において左方へと移動するため、クラッチディスクの摩耗時に、フライホイールに対する圧着荷重を低減させないためであった。
ダイヤフラムの荷重特性が、このようなものである理由は、クラッチディスクが新品状態(図6において、新品時の接続点をEにて示す)から摩耗した場合、接続点が図6において左方へと移動するため、クラッチディスクの摩耗時に、フライホイールに対する圧着荷重を低減させないためであった。
上述したように、ダイヤフラムは、その異なる撓みストロークに対して、同一の荷重を発生させることがあるため、クラッチ装置の接続状態を検出するために、アクチュエータによる解除荷重を利用することは非常に困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で低コストのクラッチ装置を提供することにある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で低コストのクラッチ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係るクラッチ装置の発明の構成上の特徴は、互いに圧着される摩擦部材と、入力部材または出力部材との間の摩擦面には潤滑油が供給され、弾性部材の押圧部材への付勢を解除する方向へ向けて、作動部材が変位するにつれて、弾性部材の撓み荷重が常に増大することである。
尚、本発明において、弾性部材の撓みという場合、ダイヤフラムスプリングのしなり、曲げ、コイルスプリングの圧縮、引っ張り、その他、弾性部材のあらゆる変形を含むものとする。
また、本発明において、作動部材の変位という場合、プランジャ部材の直進移動、曲線移動、レバー部材の回転、揺動、その他、作動部材のあらゆる変位を含むものとする。
また、本発明において、作動部材の変位という場合、プランジャ部材の直進移動、曲線移動、レバー部材の回転、揺動、その他、作動部材のあらゆる変位を含むものとする。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1のクラッチ装置において、入力部材は車両のエンジンの出力伝達部材に連結されており、出力部材はモーターの回転子と連結されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2のクラッチ装置において、摩擦部材は回転軸方向に重ねられて配置され、入力部材とともに回転する複数の摩擦ディスクであり、摩擦ディスクの間には、回転軸方向に移動可能で、出力部材とともに回転する複数の接続プレートが交互に介装され、押圧部材による付勢により、複数の摩擦ディスクおよび接続プレートが互いに圧着されることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のうちのいずれかのクラッチ装置において、押圧部材による摩擦部材に対する付勢を解除する作動部材は、油圧による荷重を受けて変位することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のうちのいずれかのクラッチ装置において、弾性部材をダイヤフラムスプリングにしたことである。
請求項1に係るクラッチ装置によれば、互いに圧着される摩擦部材と入力部材または出力部材との間の摩擦面には潤滑油が供給されることにより、摩擦部材、入力部材および出力部材の摩耗を低減させることができる。これにより、弾性部材が接続を解除する方向へ撓むにつれて、撓み荷重が常に増大するようにし、弾性部材の撓み量と弾性部材の撓み荷重とが、一対一で対応するようにしている。
したがって、弾性部材の付勢力に抗して作動部材を変位させる荷重により、クラッチ装置の接続状態を検出することができる。作動部材を変位させる装置の発生荷重は、クラッチ装置に特別なセンサーを設けなくても、変位させる装置自体から把握することができる。このため、自動クラッチに適用した場合、ストロークセンサー等が不要となり、構成が簡単で、小型、低コストのクラッチ装置にすることができる。
請求項2に係るクラッチ装置によれば、エンジンとモーターとの間に介装されるため、クラッチ装置をモーター内に配置することにより、回転子の回転によって、潤滑油を摩擦部材と入力部材または出力部材との摩擦面に直接的に供給することができ、耐摩耗性に優れたクラッチ装置にすることができる。
請求項3に係るクラッチ装置によれば、交互に介装された摩擦ディスクと接続プレートとを有する多板クラッチにすることにより、トルク伝達のための有効半径を低減でき、クラッチ装置をモーターの回転子の半径方向内方等に、容易に収容することができる。
請求項4に係るクラッチ装置によれば、押圧部材による摩擦部材に対する付勢を解除する作動部材が油圧によって変位することにより、作動部材の作動制御のために、既存の自動変速機の作動を制御する油圧装置等を流用することができる。したがって、自動変速機の油圧装置の制御油圧を、そのまま使用することにより、作動部材を変位させる荷重の検出が容易になる。また、油圧を制御することにより、クラッチ装置の完全接続状態、接続解除状態および半クラッチ状態を容易に形成できる。
請求項5に係るクラッチ装置によれば、弾性部材をダイヤフラムスプリングにしたことにより、回転軸方向にコンパクトなクラッチ装置にすることができる。
図1乃至図5に基づき、本発明の一実施形態によるクラッチ装置1について説明する。尚、説明中において軸方向という場合、特に断らなければ、クラッチ装置1の回転軸C方向、すなわち図2乃至図4における左右方向を意味する。図1は、本実施形態によるクラッチ装置1を使用したハイブリッド車両のパワートレーンの概略を示している。図1において、実線による矢印は、各装置間をつなぐ油圧配管を示しており、破線による矢印は、制御用の信号線を示している。
図1に示したように、車両のエンジン2とモーター3とは、クラッチ装置1を介して直列に接続されている。クラッチ装置1は、エンジン2とモーター3との間のトルク伝達を断続している。また、モーター3には、車両のトランスミッション4が直列に接続されており、トランスミッション4には、図示しない車両の駆動輪が接続されている。
エンジン2は、炭化水素系の燃料により出力を発生させる通常の内燃機関である。モーター3は、これに限定されるものではないが、車輪駆動用の同期モーターであり、トランスミッション4は、通常の自動変速機である。また、クラッチ装置1は、普段はエンジン2とモーター3との間を接続しているノーマリクローズタイプのクラッチ装置である。
エンジン2は、炭化水素系の燃料により出力を発生させる通常の内燃機関である。モーター3は、これに限定されるものではないが、車輪駆動用の同期モーターであり、トランスミッション4は、通常の自動変速機である。また、クラッチ装置1は、普段はエンジン2とモーター3との間を接続しているノーマリクローズタイプのクラッチ装置である。
図1に示したパワートレーンを用いた車両は、エンジン2により走行する場合、エンジン2がトランスミッション4を介して駆動輪を回転させる。また、モーター3により走行する場合、モーター3がトランスミッション4を介して駆動輪を回転させる。この時、クラッチ装置1をレリーズさせて、エンジン2とモーター3との間の接続を解除している。さらに、モーター3は、クラッチ装置1を介してエンジン2により駆動され、発電機としても機能する。
クラッチ装置1の後述する圧力室PCには、調圧弁5が接続されている。調圧弁5は、電磁弁を使用した減圧弁である。また、調圧弁5には電動ポンプ6の吐出口が接続されており、電動ポンプ6により発生された油圧が調圧弁5により調圧された後、クラッチ装置1に供給される。電動ポンプ6によって発生される油圧は、トランスミッション4のシフトバルブ(図示せず)にも供給され、トランスミッション4の変速作動にも使用されている。
調圧弁5および電動ポンプ6には、コントローラー7が電気的に接続されている。コントローラー7は電動ポンプ6および調圧弁5を作動させて、クラッチ装置1の圧力室PCに適正な油圧を供給し、クラッチ装置1を目標とする接続状態に制御している。
また、コントローラー7は、エンジン2またはモーター3の回転を制御し、車両を走行させている。さらに、コントローラー7は、トランスミッション4のシフトバルブを作動させる電磁ソレノイド(図示せず)と接続されており、エンジン2の回転速度、車両速度、シフト位置等に基づき、トランスミッション4の作動を制御している。
また、コントローラー7は、エンジン2またはモーター3の回転を制御し、車両を走行させている。さらに、コントローラー7は、トランスミッション4のシフトバルブを作動させる電磁ソレノイド(図示せず)と接続されており、エンジン2の回転速度、車両速度、シフト位置等に基づき、トランスミッション4の作動を制御している。
図2に示すように、湿式多板クラッチであるクラッチ装置1は、ハウジング8内に内蔵され、回転軸Cを中心に回転する。尚、図2において、回転軸Cはエンジン2、モーター3およびトランスミッション4の回転軸でもある。ハウジング8は大別して、エンジンブロック81、モーターカバー82およびミッションハウジング83により形成されている。
エンジン2のクランクシャフト21には、フライホイール22(本発明のエンジンの出力伝達部材に該当する)が、一体回転可能に取り付けられている。フライホイール22の軸部22aの外周面には、クラッチ装置1を形成するクラッチインナ11(本発明の入力部材に該当する)の内周面がスプライン嵌合しており、クラッチインナ11に対しエンジン2の駆動力が入力可能に形成されている。クラッチインナ11は、ベアリング821を介して、モーターカバー82に支承されている。
クラッチインナ11の外周面には、複数のスプライン溝11aが形成されている。スプライン溝11aには、複数枚の駆動ディスク111(本発明の摩擦部材および摩擦ディスクに該当する)が、回転軸方向に重ねられた状態で支承されている。各々の駆動ディスク111は略リング状に形成され、その内周端には、円周上に複数の突部111aが設けられており、これらの突部111aが、スプライン溝11aに対して係合している。これにより、各々の駆動ディスク111は、クラッチインナ11に対し回転軸C方向に移動可能で、かつ、クラッチインナ11とともに回転可能に形成されている。駆動ディスク111の表裏面には、摩擦材(図示せず)が形成されている。
一方、ミッションハウジング83の内周部には、モーター3のステータ31が、スクリュー311により取り付けられている。ステータ31には、回転磁界発生用の複数のコイル312が巻回されている。
また、ステータ31の半径方向内方には、モーター3のローター32(本発明の回転子に該当する)が配置されている。ローター32は、ステータ31と所定のギャップを保持しながら対向するように設けられている。ローター32は、複数の積層鋼板321が一対の保持プレート322a、322bにより挟まれた状態で、固定部材323を貫通させて端部をかしめることにより形成されている。また、ローター32の円周上には、複数の界磁極用マグネット324が設けられている。
また、ステータ31の半径方向内方には、モーター3のローター32(本発明の回転子に該当する)が配置されている。ローター32は、ステータ31と所定のギャップを保持しながら対向するように設けられている。ローター32は、複数の積層鋼板321が一対の保持プレート322a、322bにより挟まれた状態で、固定部材323を貫通させて端部をかしめることにより形成されている。また、ローター32の円周上には、複数の界磁極用マグネット324が設けられている。
ローター32の一側の保持プレート322aの内端には、保持ボルト325により、クラッチアウタ12(本発明の出力部材に該当する)の軸方向の一端部が取り付けられている。クラッチアウタ12は、回転軸Cを中心に、クラッチインナ11に対し相対回転可能に形成されている。他側の保持プレート322bは半径方向内方へと延び、クラッチアウタ12の受圧プレート121と成している。受圧プレート121は、クラッチアウタ12の他端部に取付ボルト122により固定されている。受圧プレート121は、上述した駆動ディスク111のうち、軸方向の最端位置にあるものと対向している。
また、クラッチアウタ12の内周側には、略リング状に形成された複数の従動プレート123(本発明の接続プレートに該当する)が配置されている。クラッチアウタ12の内周面には、円周上に複数のスプライン溝12aが形成されている。一方、従動プレート123の外周部には複数の突部123aが設けられ、各々の突部123aがスプライン溝12aに係合している。これにより従動プレート123は、クラッチアウタ12に対して回転軸C方向に移動可能で、かつ、クラッチアウタ12とともに回転可能に形成されている。各々の従動プレート123は、それぞれ上述した複数の駆動ディスク111の間に、交互に介装されている。
クラッチアウタ12の内周面には、クラッチカバー13が取り付けられている(図3示)。クラッチカバー13は、鋼板をプレス成形することにより円環状を呈しており、内周端は断面形状が略U字状に形成されている。クラッチカバー13は、駆動ディスク111と軸方向に対向するように設けられている。クラッチカバー13は、クラッチアウタ12の内方に配置された後、スナップリング124を係止溝12bに装着することにより、軸方向に移動不能に固定される。
クラッチカバー13には、ダイヤフラムスプリング14(本発明の弾性部材に該当する)が取り付けられている。ダイヤフラムスプリング14は、板状のバネ鋼により概ね円環状に形成され、クラッチカバー13と駆動ディスク111との間に位置している。ダイヤフラムスプリング14は、クラッチカバー13の内周部に取り付けられた一対のピボットリング131により、半径方向の略中間部位が保持されている。
図3に示した状態において、ダイヤフラムスプリング14の内周端は外周縁に対し、わずかに右方へ突出した円錐形を呈している。また、ダイヤフラムスプリング14の内周縁からは複数のスリット溝(図示せず)が半径方向外方に放射状に延びており、ピボットリング131により保持された部位を支点として、内周端が軸方向(図3において左方)に変位可能に形成されている。
ダイヤフラムスプリング14と、上述した駆動ディスク111および接続プレート123との間には、プレッシャープレート15(本発明の押圧部材に該当する)が、軸方向に移動可能に配置されている。プレッシャープレート15は概ね円環状に形成され、ダイヤフラムスプリング14の外周部と当接した係合部151と、駆動ディスク111のうち、クラッチカバー13側の最端位置にあるものに係合する押圧部152とを備えている。尚、クラッチカバー13、ダイヤフラムスプリング14およびプレッシャープレート15は、公知の乾式クラッチ装置に使用されるものを適用してもよい。
図3に示したように、駆動ディスク111とダイヤフラムスプリング14との間に、プレッシャープレート15を介装することにより、ダイヤフラムスプリング14の外周部は、図3において右方に撓ませられている。したがって、ダイヤフラムスプリング14はプレッシャープレート15を介して、駆動ディスク111および従動プレート123を軸方向(図3における左方)に付勢している。
これにより、複数の駆動ディスク111と従動プレート123は、受圧プレート121とプレッシャープレート15との間で、互いに圧着されてトルク伝達が可能となっている。したがって、駆動ディスク111と従動プレート123は一体に回転し、クラッチインナ11からクラッチアウタ12に対し、駆動力が伝達される。
これにより、複数の駆動ディスク111と従動プレート123は、受圧プレート121とプレッシャープレート15との間で、互いに圧着されてトルク伝達が可能となっている。したがって、駆動ディスク111と従動プレート123は一体に回転し、クラッチインナ11からクラッチアウタ12に対し、駆動力が伝達される。
クラッチアウタ12は半径方向内方に延びており、内端においてクラッチハブ16と接続されている(図2示)。クラッチアウタ12とクラッチハブ16とによりシリンダ部17が形成され、シリンダ部17中には、プランジャ部材18(本発明の作動部材に該当する)が軸方向に移動可能に収容されている。プランジャ部材18は略円環状に形成され、シリンダ部17の内周面に対して液密的に嵌合している。プランジャ部材18とシリンダ部17との間には、液圧室PCが形成されている。
クラッチハブ16の軸部16aの外周面には、トランスミッション4のインプットシャフト41がスプライン嵌合している。インプットシャフト41は、軸受832を介して、ミッションハウジング83の固定壁831に支承されている。また、インプットシャフト41には回転センサーの可動体411が形成されており、可動体411と対向するように固定壁831に設けられた検出体833により、インプットシャフト41の回転速度が検出されている。さらに、インプットシャフト41には、ポンプインペラーに連結された連結メンバ42が一体回転可能なように取り付けられている。これにより、クラッチアウタ12の駆動力が、トランスミッション4のトルクコンバータに入力可能に形成されている。
固定壁831には、半径方向内方へと延びたオイル通路831aが形成され、オイル通路831aは先端において軸方向に延びる供給通路831bに接続されている。供給通路831bには、それぞれ半径方向内方および外方へと延びる潤滑孔831cおよび吐出孔831dが形成されている。オイル通路831aから、上述した電動ポンプ6が吐出した油圧が導入されることにより、供給通路831bおよび潤滑孔831cを介して軸受832に潤滑油として供給される。
また、固定壁831には、吐出孔831dと連通するように、外周スリット831eが全周上に形成されている。さらに、クラッチハブ16には、外周スリット831eと、上述した液圧室PCとを連通させるように貫通孔16bが形成されている。これにより、オイル通路831aに供給された油圧は、供給通路831b、吐出孔831d、外周スリット831eおよび貫通孔16bを介して、液圧室PCに導入される。シリンダ部17内のプランジャ部材18は、液圧室PCに導入された油圧による荷重を受け、軸方向(図3において左方)に移動する。
モーターカバー82と固定壁831とで囲まれた空間には、潤滑油が封入されている。モーター3のローター32が回転することにより、潤滑油は掻き上げられて、クラッチ装置1の、少なくとも受圧プレート121と駆動ディスク111との間、各々の駆動ディスク111と従動プレート123との間、駆動ディスク111とプレッシャープレート15との間の摩擦面に供給され、摩擦面の冷却を行う。
図3に示したように、ダイヤフラムスプリング14がプレッシャープレート15を付勢し、受圧プレート121とプレッシャープレート15との間で、複数の駆動ディスク111と従動プレート123とが互いに圧着された状態(完全接続状態)において、液圧室PCに電動ポンプ6からの油圧が供給されると、油圧による荷重を受けたプランジャ部材18は、ダイヤフラムスプリング14の付勢力に抗して軸方向に移動する。
プランジャ部材18の左方への移動により、ダイヤフラムスプリング14の内周端は、ピボットリング131によって保持された部位を支点として軸方向左方に撓む。これにより、プレッシャープレート15を押圧していたダイヤフラムスプリング14の外周端は、軸方向右方へと返り、プレッシャープレート15による、駆動ディスク111および従動プレート123への付勢は解除される(図4示)。
プレッシャープレート15による付勢力が解除されることにより、複数の駆動ディスク111と従動プレート123との間の圧着係合が解除され、クラッチインナ11とクラッチアウタ12との間のトルク伝達が遮断される(接続解除状態)。
また、調圧弁5により、液圧室PCに供給される油圧を制御して、駆動ディスク111と従動プレート123との間に、所定の滑りが発生した半クラッチ状態を形成することも可能である。
また、調圧弁5により、液圧室PCに供給される油圧を制御して、駆動ディスク111と従動プレート123との間に、所定の滑りが発生した半クラッチ状態を形成することも可能である。
プランジャ部材18が移動して、プレッシャープレート15による駆動ディスク111および従動プレート123に対する付勢が解除される場合、図5に示すように、プランジャ部材18の接続解除方向への移動ストロークが増大するにつれて、ダイヤフラムスプリング14による撓み荷重も常に増大している。すなわち、プランジャ部材18の移動ストローク量(ダイヤフラムスプリング14の、接続解除方向への撓み量と等価である)に対する、ダイヤフラムスプリング14による撓み荷重は、いわゆる右肩上がりの特性となっている。
この撓み荷重特性は、ダイヤフラムスプリング14上におけるピボットリング131による保持位置、プレッシャープレート15の当接位置、プランジャ部材18による押圧位置を互いに調整することにより設定される。尚、図5において、Fはクラッチ装置1の接続点を示している。
この撓み荷重特性は、ダイヤフラムスプリング14上におけるピボットリング131による保持位置、プレッシャープレート15の当接位置、プランジャ部材18による押圧位置を互いに調整することにより設定される。尚、図5において、Fはクラッチ装置1の接続点を示している。
本実施形態によれば、駆動ディスク111、従動プレート123、受圧プレート121、プレッシャープレート15間の摩擦面には潤滑油が供給されることにより、駆動ディスク111、従動プレート123、受圧プレート121、プレッシャープレート15の摩耗を低減させることができる。これにより、ダイヤフラムスプリング14が接続を解除する方向へ撓むにつれて、撓み荷重が常に増大するようにし、プランジャ部材18の移動ストローク量(ダイヤフラムスプリング14の撓み量)と撓み荷重とが、一対一で対応するようにしている。
したがって、ダイヤフラムスプリング14の付勢力に抗して、プランジャ部材18を移動させる荷重により、クラッチ装置1の接続状態を検出することができる。プランジャ部材18を移動させるための油圧による発生荷重は、クラッチ装置1に特別なセンサーを設けなくても、調圧弁5を制御しているコントローラー7が把握することができる。このため、自動クラッチに適用した場合、ストロークセンサー等が不要となり、構成が簡単で、小型、低コストのクラッチ装置1にすることができる。
また、クラッチ装置1はエンジン2とモーター3との間に介装されるため、クラッチ装置1をモーター3内に配置することにより、ローター32の回転によって、潤滑油を駆動ディスク111、従動プレート123、受圧プレート121、プレッシャープレート15間の摩擦面に直接的に供給することができ、耐摩耗性に優れたクラッチ装置1にすることができる。
また、クラッチ装置1を多板クラッチにすることにより、トルク伝達のための有効半径を低減でき、クラッチ装置1をローター32の半径方向内方等に、容易に収容することができる。
また、クラッチ装置1を多板クラッチにすることにより、トルク伝達のための有効半径を低減でき、クラッチ装置1をローター32の半径方向内方等に、容易に収容することができる。
また、プランジャ部材18が油圧によって移動することにより、プランジャ部材18の移動制御のために、既存のトランスミッション4の作動を制御する油圧装置等を流用することができる。したがって、トランスミッション4の油圧装置の制御油圧を、そのまま使用することにより、プランジャ部材18を移動させる荷重の検出が容易になる。また、油圧を制御することにより、クラッチ装置1の完全接続状態、接続解除状態および半クラッチ状態を容易に形成できる。
また、プレッシャープレート15を押圧するための弾性部材として、ダイヤフラムスプリング14を使用しているため、クラッチ装置1を軸方向にコンパクトにすることができる。
また、プレッシャープレート15を押圧するための弾性部材として、ダイヤフラムスプリング14を使用しているため、クラッチ装置1を軸方向にコンパクトにすることができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明によるクラッチ装置1は、単一のクラッチディスクを使用した単板クラッチ装置により形成してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1は、上述したようなプッシュタイプクラッチのみではなく、プルタイプクラッチに適用してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1において、プレッシャープレート15を押圧する弾性部材として、ダイヤフラムスプリング14に代えて、コイルスプリングを使用してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明によるクラッチ装置1は、単一のクラッチディスクを使用した単板クラッチ装置により形成してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1は、上述したようなプッシュタイプクラッチのみではなく、プルタイプクラッチに適用してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1において、プレッシャープレート15を押圧する弾性部材として、ダイヤフラムスプリング14に代えて、コイルスプリングを使用してもよい。
また、プレッシャープレート15への付勢を解除する方向へ向けて、ダイヤフラムスプリング14が撓むにつれて、ダイヤフラムスプリング14の撓み荷重が常に増大する領域は、少なくとも、クラッチ装置1においてプランジャ部材18が移動する範囲を含んでいればよい。したがって、プランジャ部材18が移動する領域外においては、ダイヤフラムスプリング14の同方向への撓みに対して、ダイヤフラムスプリング14の撓み荷重が減少してもよいし、あるいは一定であってもよい。
また、クラッチ装置1のクラッチアウタ12に駆動力を入力し、クラッチインナ11を従動側に連結してもよい。
また、クラッチ装置1のクラッチアウタ12に駆動力を入力し、クラッチインナ11を従動側に連結してもよい。
また、クラッチ装置1の接続を解除するために、ダイヤフラムスプリング14を押圧する手段は油圧に限られず、例えば、エア圧または電磁ソレノイドを使用した電動アクチュエータであってもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1はハイブリッド車両のみではなく、内燃機関のみで走行する車両の、エンジンとトランスミッションとの間のトルク伝達の断続に使用してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1は、車両のみではなく、一般的な産業機械のクラッチ装置として使用することも可能である。
また、本発明によるクラッチ装置1はハイブリッド車両のみではなく、内燃機関のみで走行する車両の、エンジンとトランスミッションとの間のトルク伝達の断続に使用してもよい。
また、本発明によるクラッチ装置1は、車両のみではなく、一般的な産業機械のクラッチ装置として使用することも可能である。
図面中、1はクラッチ装置、2はエンジン、3はモーター、11はクラッチインナ(入力部材)、12はクラッチアウタ(出力部材)、14はダイヤフラムスプリング(弾性部材)、15はプレッシャープレート(押圧部材)、18はプランジャ部材(作動部材)、22はフライホイール(エンジンの出力伝達部材)、32はローター(回転子)、111は駆動ディスク(摩擦部材、摩擦ディスク)、123は従動プレート(接続プレート)を示している。
Claims (5)
- 駆動力が入力されて回転する入力部材と、
前記入力部材に対して相対回転可能な出力部材と、
回転軸方向に移動可能で、前記入力部材および前記出力部材のうちの一方とともに回転可能な摩擦部材と、
回転軸方向に移動可能で、前記摩擦部材を、前記入力部材および前記出力部材のうちの他方に向けて押圧する押圧部材と、
前記入力部材および前記出力部材のうちのいずれかに取り付けられ、前記押圧部材を前記摩擦部材に向けて付勢する弾性部材と、
荷重を受けて変位することにより、前記押圧部材への付勢を解除する方向に、前記弾性部材を撓ませる作動部材と、
を備え、
前記押圧部材により押圧された前記摩擦部材が、前記入力部材および前記出力部材のうちの他方に対して圧着されることにより、前記入力部材と前記出力部材との間において駆動力が伝達され、
前記作動部材が変位することにより、前記弾性部材を撓ませて前記押圧部材による前記摩擦部材に対する付勢を解除し、前記入力部材と前記出力部材との間の駆動力の伝達を遮断するクラッチ装置において、
前記摩擦部材と、前記入力部材または前記出力部材との間の摩擦面には潤滑油が供給され、
前記弾性部材の前記押圧部材への付勢を解除する方向へ向けて、前記作動部材が変位するにつれて、前記弾性部材の撓み荷重が常に増大することを特徴とするクラッチ装置。 - 前記入力部材は、
車両のエンジンの出力伝達部材に連結されており、
前記出力部材は、
モーターの回転子と連結されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチ装置。 - 前記摩擦部材は、
回転軸方向に重ねられて配置され、前記入力部材とともに回転する複数の摩擦ディスクであり、
前記摩擦ディスクの間には、回転軸方向に移動可能で、前記出力部材とともに回転する複数の接続プレートが交互に介装され、
前記押圧部材による付勢により、複数の前記摩擦ディスクおよび前記接続プレートが互いに圧着されることを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチ装置。 - 前記作動部材は、
油圧による荷重を受けて変位することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のクラッチ装置。 - 前記弾性部材は、
ダイヤフラムスプリングであることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のクラッチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011284639A JP2013133879A (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | クラッチ装置 |
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JP2013133879A true JP2013133879A (ja) | 2013-07-08 |
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JP2011284639A Pending JP2013133879A (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | クラッチ装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104776131A (zh) * | 2014-01-14 | 2015-07-15 | 福特全球技术公司 | 用于模块化混合动力电动车辆的分离离合器 |
CN106870592A (zh) * | 2017-03-16 | 2017-06-20 | 湖南江麓容大车辆传动股份有限公司 | 离合器及汽车传动装置 |
CN110454515A (zh) * | 2019-08-22 | 2019-11-15 | 泸州容大智能变速器有限公司 | 一种离合装置、变速箱及电动汽车 |
JP7555854B2 (ja) | 2021-03-05 | 2024-09-25 | Nskワーナー株式会社 | 摩擦係合装置 |
-
2011
- 2011-12-27 JP JP2011284639A patent/JP2013133879A/ja active Pending
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