JP2017119085A - 殺菌方法 - Google Patents

殺菌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017119085A
JP2017119085A JP2016202127A JP2016202127A JP2017119085A JP 2017119085 A JP2017119085 A JP 2017119085A JP 2016202127 A JP2016202127 A JP 2016202127A JP 2016202127 A JP2016202127 A JP 2016202127A JP 2017119085 A JP2017119085 A JP 2017119085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active oxygen
irradiation
sterilization
sterilized
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016202127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6857004B2 (ja
Inventor
東山 堅一
Kenichi Higashiyama
堅一 東山
健太 冨永
Kenta TOMINAGA
健太 冨永
裕二 平山
Yuji Hirayama
裕二 平山
和希 芳原
Kazuki Yoshihara
和希 芳原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Publication of JP2017119085A publication Critical patent/JP2017119085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6857004B2 publication Critical patent/JP6857004B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】殺菌効果に優れる殺菌方法を提供すること。【解決手段】殺菌対象物に対し活性酸素を照射する活性酸素照射工程と、活性酸素照射工程後に照射後の殺菌対象物をエージングする工程を有する、殺菌方法。即ち、活性酸素は殺菌対象物表面に接触することで初めて殺菌作用が発揮されるが、殺菌対象物に活性酸素を照射して、照射後の殺菌対象物を活性酸素の非照射下でそのまま放置することにより、照射後直ぐの時点と比べて殺菌作用を顕著に増大させる方法。【選択図】図2

Description

本発明は、殺菌方法に関する。より詳しくは、例えば、放電により発生したプラズマから生成した活性酸素を照射して殺菌処理を行う方法に関する。
食品又は飲料(飲食品)等の容器は、その内外面の殺菌が求められる。従来の殺菌方法として過酸化水素水や薬剤を用いる方法が知られているが、それらが残留するなど問題があることから、代替する技術の開発が検討されている。
例えば、特許文献1には、流体中に放電を用いてプラズマ噴流を発生させ、対象物の表面に該プラズマ噴流を接触させて、プラズマ噴流から表面へのエネルギー伝達によって殺菌(消毒)を行う方法が開示されている。ここでのプラズマ噴流は、酸素を含む作動ガス、好ましくは空気内での空中放電によって発生させている。
特表2009−519799号公報
一般に、スーパーオキシドラジカル(・O )、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル(HO・)等の活性酸素種(Reactive Oxygen Species、ROS)は、その強い酸化作用により優れた殺菌作用を奏するが、これらは空気中においては主に酸素分子や水分から生成されている。具体的には、例えば、ヒドロキシラジカルは、水分子にプラズマ電子が反応することにより得られる。
一方、特許文献1の殺菌方法では、その効果を高めるためには、消毒物質をプラズマ噴流発生元の作動ガス内に混合する方法が開示されているに過ぎず(特許文献1の[0025]参照)、プラズマ噴流そのものに影響する条件については不明であり、更なる技術が求められている。
本発明の課題は、殺菌効果に優れる殺菌方法を提供することにある。
本発明は、殺菌対象物に対し活性酸素を照射する活性酸素照射工程と、活性酸素照射工程後に照射後の殺菌対象物をエージングする工程を有する、殺菌方法に関する。
本発明の殺菌方法は殺菌効果に優れるという優れた効果を奏する。また、流体による殺菌のため、従来の殺菌に用いられた薬剤等の残留がないことから、工程の簡略化につながり、生産性を格段に向上することができる。
図1は、本発明で用いた殺菌装置の一態様を示す概略図である。 図2は、エージング工程で用いるユニットの一態様を示す概略図である。 図3は、エージング工程で用いるユニットの一態様を示す概略図である。 図4は、試験例1における静置時間と殺菌値の関係を示す図である。
本発明の殺菌方法は、例えば、プラズマを用いて発生させた活性酸素を照射後、照射した殺菌対象物を特定時間放置することで殺菌することに特徴を有する。活性酸素は殺菌対象物表面に接触することで初めて殺菌作用が発揮されるが、本願発明者らが、照射後の対象物を活性酸素の非照射下でそのまま放置したところ、驚くべきことに、照射後直ぐの時点と比べて殺菌作用が顕著に増大することが分かった。その詳細なメカニズムは不明であるが、活性酸素の照射により、即死滅する菌だけではなく、死滅には至らず損傷されるに留まる菌も含まれており、それらが一定時間放置されることで弱体化して遂には死滅し、より完全に殺菌されることになると推定される。本発明では、このように、活性酸素を照射して放置することにより殺菌効果を増大させることを「エージング」すると記載する。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本発明において、「殺菌」とは、微生物の生体を破壊又は殺菌対象表面から除去することを意味し、例えば、消毒、滅菌、又は除菌することを含むものである。
以下に、本発明で用いられる殺菌装置を図1に基づいて詳細に説明する。なお、図1に記載の殺菌装置は、本発明の一態様に過ぎず本発明を限定するものではない。
図1に示すように、本発明で用いられる殺菌装置は、交流電流の供給ユニット1、昇圧ユニット2、ガス供給ユニット3、ノズル4、ノズルの冷却ユニット5、ノズルへの水蒸気供給ユニット6、水蒸気供給ユニットへの水供給ユニット7、照射台8の各ユニットを備えて構成される。
先ず、活性酸素を照射する工程(活性酸素の照射工程)について説明する。本発明における活性酸素としては特に限定はなく、例えば、交流電流を用いてプラズマを発生させ、得られたプラズマを用いて発生させるものが用いられる。
交流電流の供給ユニット1は、プラズマ放電の荷電発生源である。供給される交流電流としては、特に制限はなく、例えば、周波数が10〜15kHz、電圧が200〜500V程度のものが例示され、公知技術に従って適宜設定することができる。また、交流電流のアンペア数も特に制限はなく、供給装置の仕様によって適宜調整することができ、例えば、11Aの交流電流が用いられる。本発明においては、交流電流の代わりに直流電流を用いることも可能であるが、電圧を調節する観点から、交流電流の方が好ましい。
昇圧ユニット2は、交流電流の供給ユニット1と接続しており、ユニット1から供給された交流電流の電圧を昇圧する装置である。昇圧可能な装置であれば特に問題なく使用できる。また、ユニット1と一体化したものであってもよい。昇圧後の電圧としては、特に制限はなく、例えば、10〜30kV程度である。
ガス供給ユニット3は、ノズル4及び水蒸気供給ユニット6のそれぞれへ各種ガスを供給する装置であり、公知のガス供給装置を用いることができる。
具体的には、ノズル4へは、プラズマ発生のためのキャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、空気、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、及びこれらの混合物を用いることができ、なかでも、空気と酸素の2種類を用いることが好ましい。キャリアガスの供給量は、ノズル4の大きさ、形状等によって一概には設定されない。例えば、空気を6L/minで、酸素を3L/minで供給する態様が例示される。
また、水蒸気供給ユニット6へは、プラズマから活性酸素を生成する際に必要な水蒸気と混合するための空気を供給する。水蒸気に空気を混合して含水気体として用いることで、プラズマと水蒸気との混合が促進され、効率よく水蒸気からヒドロキシラジカルを生成することができる。水蒸気供給ユニット6への空気供給量はノズル4への含水気体供給量と同じであり、例えば、3L/minで供給する態様が例示される。なお、ここでの空気とは、相対湿度が20℃において0〜10体積%程度のもののことを言う。
ノズル4は、プラズマを発生して活性酸素を照射する装置であり、活性酸素照射ユニットともいう。装置には、内部電極及び外部電極が設けられており、両電極間に昇圧ユニット2からの昇圧された電圧をかけることで電界を発生させることが可能になる。また、内部電極にはコイルが接続されていてもよく、より大きな電界を形成することが可能となる。コイルの形状や大きさ等は当業者の技術常識に従って調整することができる。
また、装置には、ガス供給口及び活性酸素照射口が設けられており、ガス供給口は活性酸素照射口が存在する端部とは反対側の端部に存在する。そして、ガス供給口にはガス供給ユニット3からの配管が接続されており、前記のようにして発生させた電界内をキャリアガスが通り抜けることで、プラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマは、流体でもあることからプラズマ噴流と記載することもある。一方、活性酸素照射口は、管状構造又は出口に向かって先細になる円錐構造を有するものであって、出口に至るまでの何れかの部分に水蒸気供給ユニット6から含水気体を供給するための配管が接続されており、前記生成されたプラズマと反応して活性酸素が生成され、活性酸素照射口の出口から照射されることになる。
ノズル4は、前記パーツを有するのであればその形状や大きさは特に限定されず、例えば、筒状構造の上端部にガス供給口が配置され、下端部に当該装置の径より小さい径を有する管状構造の活性酸素照射口が配置された構造が例示される。当該筒状構造は層状構造を形成していてもよく、例えば、キャリアガスが通り抜ける管の周囲に、コイルが形成され、必要により、該コイルの周囲に絶縁材料の層が更に形成される構造が例示される。管は通電素材であれば特に限定はなく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。また、絶縁材料も特に限定はなく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
ノズルの冷却ユニット5は、ノズル4に冷却水を供給する装置であり、公知の冷却水供給装置を用いることができる。ノズル4は高電圧がかかることによって発熱するため、冷却することが好ましい。冷却水は、温度が例えば5℃程度のものを用いることが好ましく、ノズル4と冷却ユニット5の間を循環させてもよい。冷却水の流量は、ノズル4の表面温度が25℃以下となるように適宜調整することができる。なお、ノズル4の表面温度は接触式温度計を用いて測定することができる。
ノズルへの水蒸気供給ユニット6は、ノズル4に含水気体を供給する装置であり、前記したようにノズル4の活性酸素照射口に接続されている。含水気体を供給するにあたっては、先ず、水供給ユニット7から供給された水を内蔵された電熱線により加熱して水蒸気を生成し、その後、ガス供給ユニット3から供給された空気と混合したものを、含水気体としてノズル4に供給している。ここで、水供給ユニット7は水蒸気供給ユニット6と一体化したものであってもよい。電熱線の加熱温度は供給される水の量によって適宜調整することができ、例えば、180℃が例示される。また、水供給ユニット7から供給される水の量は、活性酸素の生成に必要な水蒸気量に応じて調節することが可能であるが、本発明においては、活性酸素含有気体に飽和水蒸気量以上の水分を含有させる観点から、0.5mL/min以上が好ましく、1.0mL/min以上がより好ましい。また、上限は特に設定されないが、6mL/min以下が好ましく、5mL/min以下がより好ましい。かくして得られた水蒸気をガス供給ユニット3から供給された空気と体積比(水蒸気/空気)で0.2〜2.5程度で混合して、ノズル4の活性酸素照射口に供給する。水蒸気と空気の混合体積比は、例えば、上記した水の供給量を変動させることで変更することが可能であり、水供給量を増加すると含水気体に含ませる水蒸気量を増加させることが可能となる。ノズル4において生成されるプラズマ噴流と水蒸気供給ユニット6から供給される含水気体の混合体積比〔プラズマ噴流/含水気体〕としては、0.8〜2.6が例示される。
殺菌対象物を載置する照射台8は、照射されるヒドロキシラジカルを分解しない観点から、当該対象物を常温(40℃)以下に載置できることが好ましい。また、その素材は、公知のものであれば特に限定はないが、照射台の一部又は全体が樹脂及び/又は非金属で構成されていることが好ましい。
このようにして、殺菌対象物に対して活性酸素を照射する活性酸素の照射工程を行うことができる。次に、本発明では、殺菌対象物を経時する工程(エージング工程)を行う。
エージング工程では、具体的には、活性酸素照射後、直ぐに、殺菌対象物を閉鎖空間内で静置してエージングを行う態様と、閉鎖空間内で搬送しながらエージングを行う態様が挙げられる。よって、本発明では、無菌状態で取り扱う観点から、図2(静置する態様)又は図3(搬送する態様)に記載した照射台を含むユニットを用いて行うことが好ましい。以下に、図2及び図3に基づいてエージング工程の詳細を説明する。
図2では、活性酸素の照射を閉鎖空間にて行った後、そのままの状態で一定時間静置する。このようなユニットで活性酸素を照射することで、閉鎖空間内には活性酸素が存在することになる。本発明においては、照射台が殺菌対象物を間欠的に搬送できるような搬送装置を用いることが好ましく、具体的には、例えば、コンベアー等を有する照射台が、閉鎖空間内において、活性酸素照射口下で照射後の殺菌対象物を静置するために一時停止し、一定時間経過後、搬送を再開して新たな殺菌対象物を活性酸素照射口下に搬送すればよい。複数の殺菌対象物を一グループとして扱い、そのグループを搬送しながら活性酸素の照射を行ってもよいが、当該グループに対する活性酸素の照射が終わった後は、搬送を停止してエージングを行う。停止時間、即ち、エージング時間は、少なくとも4秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは300秒以上である。上限は特に限定はないが、殺菌効率の観点から、例えば、1800秒程度である。
図3では、活性酸素の照射を閉鎖空間で行った後、搬送しながらエージングを行う。このようなユニットで活性酸素を照射することで、閉鎖空間内には活性酸素が存在することになる。本発明においては、照射台が殺菌対象物を連続的に搬送できるような搬送装置を用いることが好ましく、具体的には、例えば、コンベアー等を有する照射台が、活性酸素照射口下を通過して活性酸素が照射された後は、一定時間経過するまで閉鎖空間内に存在するような速度で搬送すればよい。活性酸素照射後に閉鎖空間内に殺菌対象物が居続ける時間、即ち、エージング時間は、少なくとも4秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは300秒以上である。上限は特に限定はないが、殺菌効率の観点から、例えば、1800秒程度である。このような時間となるよう、公知技術に従って搬送装置の速度を適宜設定する。
なお、本発明においては、活性酸素照射後の殺菌対象物を閉鎖空間内で静置又は搬送しながらエージングすることが好ましいが、一旦、閉鎖空間内から出たものを再度閉鎖空間内に戻してエージングすることを妨げない。その場合、エージング時間の合計は、前記した範囲内であることが好ましい。
閉鎖空間としては、例えば、照射台が遮蔽壁等により覆われて形成されているものが挙げられ、チャンバーなどを好適に用いることができる。なお、閉鎖空間内では、活性酸素照射後のエージングを効果的に行う観点から、活性酸素が別途供給されていてもよい。
なお、本発明で用いられる殺菌装置は前記ユニット以外に、他のユニットを更に有するものであってもよい。また、本発明においては、複数のノズルを有する装置を用いてもよく、例えば、図2又は3に示すように、照射台の進行方向に沿ってノズルが整列するような構成の装置を用いることができる。この場合、各ノズルに前記したような放電やガス、水蒸気の供給があるよう、各ユニットや配管が適宜配置される。
かくして、殺菌対象物をエージングすることで菌を十分に死滅させることが可能になって、優れた殺菌活性を示すことが可能になる。また、活性酸素が流体であることから、三次元的な構造のものでも殺菌することが可能であり、エッジや角に残渣が残らないという優れた効果が奏される。
照射される活性酸素は、ノズル4内での放電や水蒸気供給ユニット6からの含水気体によって温かいものであり、温度は50〜80℃程度である。これにより、照射された対象物の熱負荷は小さいものと考えられる。なお、活性酸素の温度とは、活性酸素照射口の出口における活性酸素の温度を熱電対温度計を用いて測定した温度のことである。
また、活性酸素と殺菌対象物表面との温度差は、ラジカルの反応性を高める観点から、例えば、10℃以上が好ましく、25〜40℃がより好ましい。ここで、殺菌対象物表面の温度とは、殺菌対象物を接触式温度計にて測定した温度のことである。
照射スピードは、ガスの供給量及び活性酸素照射口の形状によって調節することが可能であり、例えば、50000mm/secが例示される。照射時間は、対象物によって一概には設定されず、例えば、0.05〜1秒が例示される。複数のノズルから照射される場合には、合計照射時間が前記範囲内となることが好ましい。
また、活性酸素照射口と殺菌対象物表面との距離は、例えば、5〜50mmが好ましい。
本発明の殺菌方法は、殺菌を要する対象物に活性酸素を照射するために使用される。対象物としては、例えば、飲食品の容器、容器の口部を封鎖するキャップ、医療器具、野菜や肉などの飲食品等が例示される。
本発明はまた、本発明の殺菌方法において用いられる殺菌装置を提供する。殺菌装置としては、照射台が閉鎖空間内に設置されていることに特徴を有する殺菌装置であり、装置の仕様や構成は、本発明の殺菌方法の項を参照することができる。
本発明の殺菌装置においては、活性酸素が閉鎖空間内に設置された照射台に照射されるため、殺菌対象物表面での活性酸素の作用が十分に発揮されて完全に殺菌されることになり、優れた殺菌活性が奏されることになる。かかる殺菌装置を用いて、例えば、プラズマを用いて発生させた活性酸素を照射する工程を行った後、照射した殺菌対象物を閉鎖空間内にて特定時間放置(エージング)する工程を行うことができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1
本発明で用いられる殺菌装置を設置する室内の相対湿度の影響を検討した。
<菌液の調製及び菌付けキャップ作製>
芽胞菌Bacillus atrophaeusの菌液を用いて、各種濃度(2×10〜2×10CFU/mL濃度範囲において3水準)の菌液を調製した。得られた菌液を樹脂キャップ(素材ポリエチレン)1個あたり1μL×9spotで菌付けを行った(各濃度n=5)。なお、菌付けした樹脂キャップは24時間滅菌シャーレ内に静置して乾燥したものを用いた。
<活性酸素の照射>
図1(搬送部分は図3)に示す殺菌装置を用いて、活性酸素を菌付けした樹脂キャップの上方30mmの距離から1個あたり合計で0.5秒間照射し、照射後のキャップは滅菌シャーレに回収した。なお、本発明で用いた殺菌装置の使用条件は次の通りであり、また、キャップの表面温度(照射台表面温度)は25℃であった。
(殺菌装置の使用条件)
交流電流の供給ユニット1:周波数13kHz、電圧350V、電流11A
昇圧ユニット2:昇圧後の電圧20kV
ガス供給ユニット3:空気供給量6L/min、酸素供給量3L/min(以上、ノズル4へ)、空気供給量3L/min(水蒸気供給ユニット6へ)
ノズル4:活性酸素照射温度51℃、照射スピード50000mm/sec
冷却ユニット5:冷却水5℃
水蒸気供給ユニット6:電熱線180℃、含水気体供給量4.5L/min(プラズマ噴流/含水気体供給量(体積比)=9/4.5)
水供給ユニット7:水供給量1.2mL/min
照射台8:搬送速度50cm/sec
<殺菌活性値の測定>
樹脂キャップを表1に記載の静置時間経過後に滅菌シャーレから取出し、5mLのTSA液体培地(BD Falcon社製)を注入し、微生物の増殖に好適な35℃で3日間培養した。培養後、微生物増殖により培地が濁ったキャップ個数を陽性としてカウントし、最確数法(MPN法)により殺菌活性値LRV(Log Reduction Value)を算出した。結果を表1及び図4に示す。なお、殺菌活性を示す「D」値とは、キャップ1個当たりの菌数を常用対数で表し(LOG値)、処理前の菌数(LOG値)から処理後の菌数(LOG値)を減算した値のことであり、数が大きい程殺菌活性が高く、4.5D以上であれば食品容器の殺菌処理として問題ないことを示す。また、比較例1及び実施例2、3、4の結果は概算値であるので、図中では白抜き記号と破線で示す。
Figure 2017119085
表1及び図4より、静置時間が300秒を超えると優れた殺菌効果が得られることが示唆される。
本発明の殺菌方法は、優れた殺菌活性を示すものであり、例えば、飲食品の容器、容器の口部を封鎖するキャップ、医療器具、野菜や肉などの飲食品等の殺菌に好適に用いられる。
1 交流電流の供給ユニット
2 昇圧ユニット
3 ガス供給ユニット
4 ノズル
5 冷却ユニット
6 水蒸気供給ユニット
7 水供給ユニット
8 照射台

Claims (4)

  1. 殺菌対象物に対し活性酸素を照射する活性酸素照射工程と、活性酸素照射工程後に照射後の殺菌対象物をエージングする工程を有する、殺菌方法。
  2. エージング工程が、閉鎖空間内での静置工程、もしくは、閉鎖空間内での搬送工程の少なくともいずれか一つの工程を有する、請求項1記載の殺菌方法。
  3. エージング工程が4秒以上である、請求項1又は2記載の殺菌方法。
  4. 閉鎖空間内において活性酸素が存在していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の殺菌方法。
JP2016202127A 2015-12-25 2016-10-13 殺菌方法 Active JP6857004B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015253724 2015-12-25
JP2015253724 2015-12-25

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017119085A true JP2017119085A (ja) 2017-07-06
JP6857004B2 JP6857004B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=59271413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016202127A Active JP6857004B2 (ja) 2015-12-25 2016-10-13 殺菌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6857004B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021177700A1 (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 씨제이제일제당 (주) 살균 모듈 및 개폐 모듈

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331763A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Ngk Insulators Ltd プラズマ処理装置及びそれを用いたプラズマ処理方法
JP2007145407A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 殺菌方法および殺菌装置
JP2007269325A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 殺菌装置および殺菌方法
JP2007268252A (ja) * 2006-03-07 2007-10-18 Univ Of Ryukyus 滅菌装置及びそれを用いた滅菌方法
JP2008237047A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Masaru Hori 殺虫殺菌方法及び殺虫殺菌装置
JP2012202637A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Osaka Gas Co Ltd 空調装置
JP2014514140A (ja) * 2011-03-11 2014-06-19 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション 制御されたガス組成物を利用したパッケージ内部での殺菌剤の生成

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331763A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Ngk Insulators Ltd プラズマ処理装置及びそれを用いたプラズマ処理方法
JP2007145407A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 殺菌方法および殺菌装置
JP2007268252A (ja) * 2006-03-07 2007-10-18 Univ Of Ryukyus 滅菌装置及びそれを用いた滅菌方法
JP2007269325A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 殺菌装置および殺菌方法
JP2008237047A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Masaru Hori 殺虫殺菌方法及び殺虫殺菌装置
JP2014514140A (ja) * 2011-03-11 2014-06-19 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション 制御されたガス組成物を利用したパッケージ内部での殺菌剤の生成
JP2012202637A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Osaka Gas Co Ltd 空調装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021177700A1 (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 씨제이제일제당 (주) 살균 모듈 및 개폐 모듈
CN115243559A (zh) * 2020-03-02 2022-10-25 Cj第一制糖株式会社 消毒模件及打开/关闭模件

Also Published As

Publication number Publication date
JP6857004B2 (ja) 2021-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6704448B2 (ja) 殺菌装置
AU2016202043B2 (en) Peracetic acid vapor sterilization of food and beverage containers
JP5305274B2 (ja) 液体にイオンを供給する方法および装置並びに殺菌方法および装置
JP2013537433A (ja) プラズマ生成ガス滅菌法
JP6309444B2 (ja) 殺菌方法
JP2017119085A (ja) 殺菌方法
JP6843578B2 (ja) チャンバー殺菌装置
JP6820714B2 (ja) 殺菌装置
WO2017065234A1 (ja) 殺菌装置
WO2017065235A1 (ja) 殺菌方法
JP6820713B2 (ja) 殺菌装置
JP6857005B2 (ja) 殺菌方法
JP2017074376A (ja) 殺菌方法
JP2013094468A (ja) 大気圧プラズマによる微生物の殺滅装置及び方法
WO2017065233A1 (ja) 殺菌方法
RU2767065C1 (ru) Способ дезинфекции меланжа и устройство для его осуществления
CN104172429A (zh) 一种微等离子体液体食品杀菌的方法
JPH08168516A (ja) 殺菌方法
JP2016033044A (ja) 殺菌された容器の製造方法及び製造装置
JPWO2017110501A1 (ja) 殺菌システム
Patra et al. Application of Cold Plasma Technology in Milk and Dairy Products-Current Status and Future Prospective
JP6584994B2 (ja) 殺菌方法および殺菌装置
WO2018041417A1 (en) Method for sterilizing gas dispersed liquids
JP2006136217A (ja) 食品の処理方法および処理装置、ならびに包装容器
JPH08126686A (ja) 殺菌方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200212

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6857004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250