JP2006136217A - 食品の処理方法および処理装置、ならびに包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 後工程における微生物などによる汚染の問題のない食品の処理方法および処理装置ならびに包装容器を提供する。
【解決手段】 超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理方法であって、包装容器30で密封された食品1を処理容器20内に収納する工程と、処理容器20内に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を導入し、包装容器30で密封された食品1と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11とを接触させる工程とを含む食品の処理方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理方法であって、包装容器30で密封された食品1を処理容器20内に収納する工程と、処理容器20内に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を導入し、包装容器30で密封された食品1と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11とを接触させる工程とを含む食品の処理方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理方法および処理装置に関する。また、本発明は、上記食品の処理方法に用いられる包装容器に関する。
超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて食品を処理することにより、食品の風味を損なうことなく、食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を行なう方法および装置が提案されている。
たとえば、処理槽内の液状食品に超臨界二酸化炭素を微小泡にして導入して、連続的に液状食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を効率的に行なう方法および装置が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
しかし、上記特許文献1に記載された液状食品の処理方法においては、超臨界二酸化炭素を微小泡化して処理層内の液状食品に導入するための大型で高耐圧の処理槽が必要となる。また、この処理方法により殺菌および/または酵素失活を行なった液状食品について、その後のボトリング工程またはパッケージング工程などにおける微生物による汚染の問題が存在する。
また、耐圧製高速ミキサーおよび蓄圧管内において、二酸化炭素の臨界圧力以上の圧力で圧縮された液状食品と二酸化炭素とを接触させて一定時間保持した後、二酸化炭素放圧器内で放圧することにより、液状食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を効率的に行なう方法および装置が提案されている(たとえば、特許文献2を参照)。
上記特許文献2に記載された液状食品の処理方法においては、大型で高耐圧の処理槽は必要としないが、この処理方法により殺菌および/または酵素失活を行なった液状食品についても、ボトリング工程またはパッケージング工程などの後工程における微生物などによる汚染の問題が存在する。
したがって、後工程における微生物などによる汚染の問題のない食品の処理方法および処理装置の開発が望まれている。
特開平09−206044号公報
特開2003−310227号公報
本発明は、後工程における微生物などによる汚染の問題のない食品の処理方法および処理装置ならびに包装容器を提供することを目的とする。
本発明は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理方法であって、包装容器で密封された食品を処理容器内に収納する工程と、処理容器内に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を導入し、包装容器で密封された食品と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素とを接触させる工程とを含む食品の処理方法である。本発明にかかる食品の処理方法において、さらに、食品を密封した包装容器から二酸化炭素を除去する工程を含むことができる。
また、本発明は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理装置であって、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給装置と、包装容器で密封された食品を収納し、包装容器で密封された食品と前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素とを接触させる処理容器とを含む食品の処理装置である。
さらに、本発明は、上記の食品の処理方法において用いられる食品を密封する包装容器であって、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を透過する材料で形成されている包装容器である。本発明にかかる包装容器は残圧除去弁を有することができる。
上記のように、本発明によれば、後工程における微生物などによる汚染の問題のない食品の処理方法および処理装置ならびに包装容器を提供することができる。
本発明にかかる一の食品の処理方法は、図1を参照して、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を用いた食品1の処理方法であって、包装容器30で密封された食品1を処理容器20内に収納する工程と、処理容器20内に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を導入し、包装容器30で密封された食品1と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を接触させる工程とを含む。
ここで、超臨界二酸化炭素とは、臨界温度31.1℃以上および臨界圧力7.38MPa以上である流体状の二酸化炭素をいい、気体および液体の両方の性質を有する。かかる超臨界二酸化炭素は、微生物の細胞内に浸透し微生物の細胞を破壊する特徴およびタンパク質のα−ヘリックス構造を破壊する特徴を有するため、微生物の殺菌および酵素の失活を行なうことができる。また、亜臨界二酸化炭素とは、超臨界に近い亜臨界(たとえば、臨界温度31.1℃以上または臨界圧力7.38MPa以上の領域であって、超臨界の領域を除く領域)の状態にある流体状の二酸化炭素をいい、超臨界二酸化炭素と同様に微生物の殺菌および酵素の失活を行なうことができる。二酸化炭素の臨界温度は、31.1℃と低いため、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて、20℃〜60℃程度の比較的低温で食品を処理することにより、食品の風味を損なわずに、食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を行なうことができる。
本処理方法においては、食品を包装容器に密封されたままの状態で超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に接触させる処理を行なうことにより、食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を行なうものであることから、二酸化炭素処理後の食品に対するボトリング工程またはパッケージ工程などの後工程が不要となるため、後工程における微生物などの汚染の問題が生じない。
本処理方法について、図1および図2を参照して、詳細に説明する。まず、図1および図2(a)に示すように、包装容器30で密封された食品1を処理容器20内に収納する。商品としての最終形態である食品1を密封した包装容器30の形態のままで、食品1を超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素で処理することにより後工程が不要となる。
次に、包装容器30で密封された食品1が収納された処理容器20内に、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を導入する。図2(b)に示すように、導入された超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11は、包装容器30の容器壁を透過して、包装容器30内の食品1に接触する。食品1に接触した超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11は、さらに、食品1の内部に浸透して、食品1中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を行なう。
本処理方法において、図2(c)に示すように、さらに、食品1を密封した包装容器30から二酸化炭素を除去する工程を含めることができる。上記図2(b)において説明したように、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11が包装容器30内に侵入して食品1中の微生物の殺菌および/または酵素の失活を行なうことから、食品の処理後も二酸化炭素が包装容器30内に残留するため、処理圧力から大気圧に戻し食品を密封した包装容器30を処理容器から取り出す際に、二酸化炭素ガスの膨脹により包装容器30が膨脹する場合がある。かかる場合には、図2(c)に示すように、包装容器30に設けられた残圧除去弁31を介して、包装容器30内部の二酸化炭素12を除去することが好ましい。
本処理方法において用いられる食品を密封する包装容器は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を透過する材料で形成されているものであれば特に制限はなく、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの高分子材料で形成されていることが、加工性の観点から好ましい。
また、上記包装容器30は、包装容器30内部に残留した二酸化炭素12を除去して、包装容器30内の残圧を除去するための残圧除去弁31が設けられていることが好ましい。さらに、外部からの微生物などの侵入を防ぐ観点から、残圧除去弁31は逆止弁構造となっていることが好ましい。
本処理方法において、食品添加物として用いられる有機溶剤を、予め食品に添加しておくことにより、あるいは、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素とともに食品に接触させることにより、食品中の微生物の殺菌および/または酵素の失活効果を高めることができる。上記観点から、上記有機溶剤は、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素との相溶性が高く殺菌および/または酵素の失活効果の大きい有機溶剤がより好ましく、たとえば、エチルアルコール、プロピルアルコールなどが好ましく挙げられる。
本発明にかかる一の食品の処理装置は、図1を参照して、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を用いた食品1の処理装置100であって、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を供給する二酸化炭素供給装置10と、包装容器30で密封された食品1を収納し、包装容器30で密封された食品1と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11とを接触させる処理容器20とを含む。
二酸化炭素供給装置10は、処理容器20に超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11を供給する装置であり、その構造は特に制限はないが、たとえば、以下の構造を有する。
すなわち、本二酸化炭素供給装置10は、図1に示すように、液体二酸化炭素タンク101、冷却器102、液体定量ポンプ103、加熱器104から構成されている。また、液体二酸化炭素タンク101から冷却器102、液体定量ポンプ103を経由して加熱器104まで液体二酸化炭素供給配管110が設けられており、液体二酸化炭素タンク101の出口から圧力調節弁111を介して取り出された液体二酸化炭素は、冷却器102で冷却された後、液体定量ポンプ103を用いて加熱器104に送られる。なお、加熱器104と液体定量ポンプ103の間に液体二酸化炭素の逆流を防止するための逆止弁112が設けられている。ここで、液体定量ポンプ103は、液体二酸化炭素を定量的に安定して送ることができるものであれば特に制限はないが、プランジャー式ポンプ、ブースター式ポンプなどが好ましく用いられる。
加熱器104に送られた液体二酸化炭素は、加熱器104内で超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に変えられて、圧力調整弁131を介して二酸化炭素供給配管130より超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11が供給される。
なお、本二酸化炭素供給装置10においては、図1に示すように、液体二酸化炭素供給配管110のB点(加熱器104の入口)からA点(冷却器102の入口)まで、液体二酸化炭素を循環させるための液体二酸化炭素循環配管120を設けることは、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を間欠的に供給する場合でも安定して供給できる観点から好ましい。ここで、液体二酸化炭素循環配管120には、液体二酸化炭素の循環量を調節するための圧力調節弁121と、液体二酸化炭素の逆流を防止するための逆止弁122とが設けられている。
処理容器20は、包装容器30で密封された食品1を収納することができ、包装容器30で密封された食品1と超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素11とを接触させることができるものである。すなわち、二酸化炭素を超臨界状態または亜臨界状態で、包装容器30で密封された食品1と十分に接触させるだけの時間保持するための耐温耐圧性(特に耐圧性)を有することが必要となる。本処理容器20には、処理容器20内部の温度および圧力を検出するための、温度センサ201および圧力センサ202が設けられている。また、図示はしないが、処理容器20には、超臨界状態または亜臨界状態を一定に保つための圧力調節装置ならびに温度調節装置(加熱装置および冷却装置)が設けられていることが好ましい。
処理容器20において、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて包装容器で密封された食品を処理した後、二酸化炭素排出配管140から圧力調節弁141を介して、二酸化炭素が排出される。
(実施例1)
図1を参照して、内容量398cm3(直径13cm×高さ3cm)の処理容器20に、モヤシ25g(食品1)を密封した10cm×10cmのPVC袋(包装容器30)を一部折り曲げて収納した後、処理容器20の内部温度を40℃、内部圧力を10MPaとなるように超臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この超臨界状態で60分間保持した。その後、超臨界二酸化炭素の導入を停止して、処理容器20の内部圧力を30分間かけて大気圧に戻した後、モヤシを密封したポリ塩化ビニル袋を回収した。
図1を参照して、内容量398cm3(直径13cm×高さ3cm)の処理容器20に、モヤシ25g(食品1)を密封した10cm×10cmのPVC袋(包装容器30)を一部折り曲げて収納した後、処理容器20の内部温度を40℃、内部圧力を10MPaとなるように超臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この超臨界状態で60分間保持した。その後、超臨界二酸化炭素の導入を停止して、処理容器20の内部圧力を30分間かけて大気圧に戻した後、モヤシを密封したポリ塩化ビニル袋を回収した。
次に、滅菌室内で、ポリ塩化ビニル袋からモヤシを取り出し、厚生省生活衛生局監修「食品衛生検査指針」微生物編(日本食品衛生検査協会、1990年)に準拠して、モヤシ中の一般生菌数を測定した。なお、一般生菌の測定は、モヤシ25gに対して10倍量となる0.2%Tween80加生理食塩水を加えて25℃で30分間振とうした液を用いて標準寒天培地培養を行なったものから算出した。ここで、Tween80とは、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(オキシエチレンの総数が20個)をいい、非イオン界面活性剤の1種である。結果を表1にまとめた。
(実施例2)
包装容器として10cm×10cmのPE袋を用いた以外は、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
包装容器として10cm×10cmのPE袋を用いた以外は、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
(実施例3)
処理容器の内部温度を25℃、内部圧力を8MPaとなるように亜臨界二酸化炭素を処理容器に導入して、この超臨界状態で60分間保持した以外は、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
処理容器の内部温度を25℃、内部圧力を8MPaとなるように亜臨界二酸化炭素を処理容器に導入して、この超臨界状態で60分間保持した以外は、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
(実施例4)
包装容器として10cm×10cmのPE袋を用いた以外は、実施例3と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
包装容器として10cm×10cmのPE袋を用いた以外は、実施例3と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
(比較例1)
上記実施例1から実施例4において用いたモヤシ25gを超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素で処理することなく、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
上記実施例1から実施例4において用いたモヤシ25gを超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素で処理することなく、実施例1と同様にしてモヤシ中の一般生菌数を算出した。結果を表1にまとめた。
表1から明らかなように、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて、包装容器で密封された食品を処理することにより、食品中の生菌数を3.2×106個/g(モヤシのg数、以下同じ)から10個/g〜100個/gまでに著しく低減することができた。このことから、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて、包装容器で密封された食品を処理することにより、食品中の微生物を殺菌できることが確認できた。
(実施例5)
タンパク質分解酵素の一つであるパパイン(規格力価:300,000u/g)10gを1000cm3の純水に希釈したパパイン水溶液を密封した外形が3.5cm×2.5cm×4.5cmで内容量35cm3のPE容器(包装容器30)を、内容量398cm3(直径13cm×高さ3cm)の処理容器20に収納した後、処理容器20の内部温度を40℃、内部圧力を10MPaとなるように超臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この超臨界状態で60分間保持した。その後、超臨界二酸化炭素の導入を停止して、処理容器20の内部圧力を30分間かけて大気圧に戻した後、パパイン水溶液を密封したリ塩化ビニル袋を回収した。二酸化炭素処理後のパパイン水溶液中におけるパパインの力価を、プロテアーゼの力価測定方法である波長275μmにおける吸光度を測定する方法により測定した。結果を表2にまとめた。
タンパク質分解酵素の一つであるパパイン(規格力価:300,000u/g)10gを1000cm3の純水に希釈したパパイン水溶液を密封した外形が3.5cm×2.5cm×4.5cmで内容量35cm3のPE容器(包装容器30)を、内容量398cm3(直径13cm×高さ3cm)の処理容器20に収納した後、処理容器20の内部温度を40℃、内部圧力を10MPaとなるように超臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この超臨界状態で60分間保持した。その後、超臨界二酸化炭素の導入を停止して、処理容器20の内部圧力を30分間かけて大気圧に戻した後、パパイン水溶液を密封したリ塩化ビニル袋を回収した。二酸化炭素処理後のパパイン水溶液中におけるパパインの力価を、プロテアーゼの力価測定方法である波長275μmにおける吸光度を測定する方法により測定した。結果を表2にまとめた。
(実施例6)
処理容器20の内部温度を31℃、内部圧力を8MPaの臨界点近傍となるように臨界点近傍にある二酸化炭素を処理容器20に導入して、この臨界点近傍状態で60分間保持した以外は、実施例5と同様にして、パパイン水溶液を処理して、処理後のパパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
処理容器20の内部温度を31℃、内部圧力を8MPaの臨界点近傍となるように臨界点近傍にある二酸化炭素を処理容器20に導入して、この臨界点近傍状態で60分間保持した以外は、実施例5と同様にして、パパイン水溶液を処理して、処理後のパパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
(実施例7)
処理容器20の内部温度を25℃、内部圧力を8MPaとなるように亜臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この亜臨界状態で60分間保持した保持した以外は、実施例5と同様にして、パパイン水溶液を処理して、処理後のパパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
処理容器20の内部温度を25℃、内部圧力を8MPaとなるように亜臨界二酸化炭素を処理容器20に導入して、この亜臨界状態で60分間保持した保持した以外は、実施例5と同様にして、パパイン水溶液を処理して、処理後のパパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
(比較例2)
実施例5から実施例7において用いたパパイン水溶液について、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素で処理することなく、パパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
実施例5から実施例7において用いたパパイン水溶液について、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素で処理することなく、パパインの力価を測定した。結果を表2にまとめた。
表2から明らかなように、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて、包装容器で密封された酵素を処理することにより、酵素の力価を3250u/gから50u/g未満に著しく低減することができた。このことから、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いて、包装容器で密封された食品を処理することにより、食品中の酵素を失活できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 食品、10 二酸化炭素供給装置、11 超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素、12 二酸化炭素、20 処理容器、30 包装容器、31 残圧除去弁、100 処理装置、101 液体二酸化炭素タンク、102 冷却器、103 液体定量ポンプ、104 加熱器、110 液体二酸化炭素供給配管、111,121,131,141 圧力調整弁、112,122 逆止弁、120 液体二酸化炭素循環配管、130 二酸化炭素供給配管、140 二酸化炭素排出配管、201 温度センサ、202 圧力センサ。
Claims (5)
- 超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理方法であって、
包装容器で密封された食品を処理容器内に収納する工程と、前記処理容器内に前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を導入し、前記包装容器で密封された食品と前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素とを接触させる工程とを含む食品の処理方法。 - さらに、前記食品を密封した包装容器から二酸化炭素を除去する工程を含む請求項1に記載の食品の処理方法。
- 超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を用いた食品の処理装置であって、
前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給装置と、包装容器で密封された食品を収納し、前記包装容器で密封された食品と前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素とを接触させる処理容器とを含む食品の処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の食品の処理方法において用いられる食品を密封する包装容器であって、超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素を透過する材料で形成されている包装容器。
- 残圧除去弁を有する請求項4に記載の包装容器。
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