JP2006333835A - 高圧二酸化炭素を利用した液状流体の処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液状食品あるいは薬品等の液状製品の殺菌、酵素失活、脱臭といった処理を、高圧二酸化炭素を用いて加熱による変性を防止しながら行うと共に、残存二酸化炭素による品質低下の抑制等を効率的に行うことができる方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、液状流体に、加圧下で高圧二酸化炭素を接触させて処理する方法であって、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程と、供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程と、得られた混合流体を減圧する工程と、減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程とを含むことを特徴とする液状流体の処理方法である。
【解決手段】 本発明は、液状流体に、加圧下で高圧二酸化炭素を接触させて処理する方法であって、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程と、供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程と、得られた混合流体を減圧する工程と、減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程とを含むことを特徴とする液状流体の処理方法である。
Description
本発明は、高圧二酸化炭素を利用した液状食品あるいは液状薬品といった液状流体の処理に関するものであり、特に、殺菌、酵素失活、脱臭等の処理を効率よく行う方法および装置に関する。
液状流体状の食品あるいは薬品等の液状流体製品には、水分の存在により、細菌、カビといった微生物が繁殖し易く、異臭も発生し易いものが多い。果汁ジュース等の天然物由来の液状流体製品は、含まれる酵素によって品質が損なわれる場合がある。
従って、液状流体製品の品質を維持するためには、殺菌、酵素失活あるいは脱臭等の処理を行う必要があり、従来、高温による加熱処理が行われていた。
しかし、高温で加熱処理する方法では、加熱によって、食品や薬品中の有効な成分までも失活させてしまうおそれがある。
そこで、有効成分を失活させないような低温で液状流体製品を処理する技術が開発されてきた。
例えば、液状食品などの液状原料を、超臨界または亜臨界二酸化炭素を用いて連続的に処理する技術が開発されており、特許文献1および2には、溶解槽にて液状原料中に液体二酸化炭素を微小泡化して供給し、続く加温配管にて混合流体の臨界処理を行った後、減圧タンクで急速に減圧すると共に二酸化炭素を除去することによって、製品を回収する技術が開示されている。
また、特許文献3および4には、液状原料と微小泡化した液体二酸化炭素とを処理槽に供給し、かかる処理槽内で液状原料に二酸化炭素を溶解し、所定の圧力、温度条件下で臨界処理した後、減圧タンクで急速に減圧すると共に二酸化炭素を除去することによって、製品を回収する技術が開示されている。
更に、特許文献5には、加圧下で、アルコールを添加した被処理物と液体二酸化炭素とを溶解槽に供給し、これらを溶解させた後、加熱器を用いて所定温度で所定時間保持することにより殺菌を行い、圧力弁で急速に減圧すると共に混合流体を分離槽へ移送し、分離槽にて二酸化炭素を除去することによって、製品を回収する技術が開示されている。
しかし、上記特許文献1および2の方法では、溶解槽内で二酸化炭素の溶解を行うため、槽内にデッドスペースが生じ、二酸化炭素の溶解および混合が十分になされない。また、槽内壁近傍での二酸化炭素の流通が十分ではないため、槽内壁に付着した微生物、酵素あるいは臭気成分といった不要成分に対する二酸化炭素の接触が困難となり、十分な処理を行うことができない。また、液状流体に二酸化炭素を供給し、そのまま臨界処理を行っても、単に両者を接触させるのみでは、十分に二酸化炭素を溶解、混合することはできない。このため、二酸化炭素による処理効率は不十分となる。更に、過剰の二酸化炭素が供給された場合、液状原料中の香味成分および/または味覚成分(香味成分/味覚成分)等の有効成分が抽出、除去されてしまうため、品質が低下するおそれがある。そして、減圧と二酸化炭素の分離を一つの槽内で行うと、気化した二酸化炭素が、回収される液状流体製品に随伴して排出されるため、残存二酸化炭素量を抑制することが困難である。
また、上記特許文献3および4の方法では、上記2文献の場合と同様、処理槽内のデッドスペースの存在のため、槽内壁に付着した不要成分への二酸化炭素接触量が不十分となったり、過剰二酸化炭素により有効成分が抽出、除去されてしまうという問題がある。また、二酸化炭素の供給から除去までを1つの槽内で行うため、二酸化炭素の接触効率は更に不十分となる。更に、処理槽内で二酸化炭素の減圧分離まで行うため、回収される液状流体製品への二酸化炭素の随伴がより生じ易く、品質低下を引き起こし易い。
一方、特許文献5の方法では、アルコールを用いるため、アルコールによって有効成分が分解されたり、アルコールを含有することが適当でない製品には適用することができない。
特開2001−299303号公報
特開2000−139433号公報
特開平11−33087号公報
特開平9−206044号公報
特開2004−313304号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液状食品あるいは薬品等の液状流体製品の殺菌、酵素失活、脱臭といった処理を、高圧二酸化炭素を用いることによって加熱による品質低下を防止しながら行うと共に、過剰な高圧二酸化炭素の供給を抑制し、かつ、分離時に発生する液状流体中への二酸化炭素の随伴を抑制し、更にこれら抑制を、従来より一層十分に、かつ効率的に行うことによって、香味成分/味覚成分といった有効成分の変性および散逸、処理後の液状流体製品中の残存二酸化炭素に由来する味覚変化、流通過程での液状流体製品からの二酸化炭素の発泡といった液状流体製品の品質低下の抑制を可能とする方法および装置を提供することを目的とするものである。
本発明の液状流体の処理方法は、液状流体に、加圧下で高圧二酸化炭素を接触させて処理する方法であって、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程と、供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程と、得られた混合流体を減圧する工程と、減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程とを含むことを特徴とする。
本発明方法によって、高圧二酸化炭素の供給過剰が抑制されるため、処理中、液状流体相と高圧二酸化炭素相が二相状態で存在することを抑制でき、高圧二酸化炭素相による有用成分の抽出、除去を抑制することができ、かかる有用成分の散逸を抑制することができる。更に、減圧と同時に二酸化炭素の分離を行わないため、減圧によって気化した二酸化炭素が、液状流体製品に随伴して回収されてしまうことを抑制することができる。かかる処理によって、液状流体製品中に二酸化炭素が溶解して残存する量を低減することができる。従って、流通過程における液状流体製品から生じる二酸化炭素の発泡や、二酸化炭素由来の味覚変化といった品質低下を抑制することができる。
本発明方法は、上記分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、加圧下で、更に分離する工程であって、上記分離された液状流体に、加圧した不活性ガスを、加圧下で連続的に供給し、混合した後、当該混合流体を減圧することによって、残存二酸化炭素を分離する工程を含むことが好ましい。液状流体中の残存二酸化炭素量を更に低減することができるからである。
上記不活性ガスとして、空気中の窒素を用いることが好ましい。安全であり、環境中から十分に得られるため安定供給とコスト低減が可能である。また、空気中にはわずかに存在するような不活性ガス(アルゴン等)を大気中に放出するのは、環境汚染の要因となりかねず、望ましくない。
上記混合は、スタティックミキサーを用いて行うことが好ましい。より均一な混合が可能となるため、液状流体と高圧二酸化炭素の接触および溶解がより十分なものとなり処理効率の向上が図られる。また、高圧二酸化炭素相として存在する二酸化炭素量をより低減できるため、液状流体中の有効成分の抽出の抑制をより容易にすることが可能となるからである。
本発明方法に係る液状流体の処理は、殺菌、酵素失活、あるいは脱臭のいずれか1種以上の処理に適用することが好適である。
また、本発明の液状流体処理装置は、上記本発明方法を実現する手段である。具体的には、液状流体を、高圧二酸化炭素を用いて処理する装置であって、液状流体を高圧状態にして連続的に供給するための液状流体供給手段と、当該液状流体に、二酸化炭素を高圧状態にして連続的に供給するための高圧二酸化炭素供給手段と、上記液状流体の流量、圧力および温度を検出する検出手段と、当該検出手段により得られた値に基づいて、高圧二酸化炭素が液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%で溶解するよう、高圧二酸化炭素の供給量を制御するための濃度制御手段と、上記液状流体と高圧二酸化炭素を混合するための混合手段と、当該混合流体を減圧するための減圧手段と、当該減圧した混合流体から、二酸化炭素を分離するための分離手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の液状流体処理装置は、更に、上記分離手段により分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、加圧下で、更に分離するための手段であって、不活性ガスを上記分離手段により分離された液状流体に、加圧して連続的に供給するための不活性ガス供給手段と、当該液状流体と加圧不活性ガスを混合するための混合手段と、得られた混合流体から、減圧することによって残存二酸化炭素を分離するための分離手段とを含有する、残存二酸化炭素分離手段を備えたものであることが好ましい。
更に、上記不活性ガスを発生するための手段であって、空気中の酸素を空気から分離することによって窒素ガスを発生するための不活性ガス発生手段を備えたものであることが好ましい。また、上記混合手段が、スタティックミキサーであることが好ましい。
そして、本発明装置は、液状流体の殺菌、酵素失活、あるいは脱臭を行うためのものであることが好適である。
本発明の液状流体の処理方法および装置により、液状食品あるいは薬品等の液状流体製品の殺菌、酵素失活、脱臭といった処理を、加熱による品質低下を防止しながら行うと共に、過剰な高圧二酸化炭素の供給の抑制、分離時の液状流体製品への二酸化炭素の随伴の抑制、および残存二酸化炭素量の抑制を、従来より一層十分に、かつ効率的に行うことが可能となる。従って、過剰な高圧二酸化炭素の供給による香気成分/味覚成分といった有効成分の散逸および欠損、液状流体製品中の残存二酸化炭素に由来する味覚変化、発泡の発生といった品質低下を抑制することが可能となる。
本発明者らが、鋭意検討を行ったところ、高圧二酸化炭素を用いて液状流体を処理する際、高圧二酸化炭素が液状流体に溶解することなく、高圧二酸化炭素相として液状流体相と二相状態で存在し、かつ供給した二酸化炭素の除去が不十分であると、処理後、回収した液状流体製品の品質に大きな影響を及ぼすことを見出し、これらの問題を解決するために本発明を完成した。
即ち、本発明の液状流体の処理方法は、液状流体に、加圧下で高圧二酸化炭素を接触させて処理する方法であって、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程(以下、供給工程とする)と、供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程(以下、混合工程とする)と、得られた混合流体を減圧する工程(以下、減圧工程とする)と、減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程(以下、分離工程とする)とを含むことを特徴とする。
本発明の液状流体の処理方法において、処理とは、二酸化炭素を高圧液体状態とすることにより、被処理物である液状流体に溶解し、当該液状流体中に存在する有害物質を死滅、除去、失活等することを意味する。このような処理としては、例えば、殺菌処理、酵素失活処理、脱臭処理などが挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を行うことが好ましい。
上記殺菌処理としては、例えば、液状流体中に、下痢等を誘発する有害な微生物が存在する場合には、かかる微生物を殺菌処理すること等が挙げられる。また、上記酵素失活処理としては、酒類、果汁入りジュースなどに含まれる不要な酵素を失活させること等が挙げられる。例えば、液状流体が、果汁入りジュースなどの場合、果汁中に含まれるペクチンが酵素(ペクチンエステラーゼ)によって分解されると、果汁の分離が生じ、品質が著しく低下し、あるいは、酒類の場合、発酵後に不要な酵素が存在すると、品質が著しく低下するため、このような不要な酵素を失活させることが必要である。更に、上記脱臭処理としては、例えば、液状流体中に存在する不快臭を有するタンパク質等を分解して脱臭すること等が挙げられる。
高圧二酸化炭素による微生物の殺菌、酵素失活、脱臭作用は、よく知られているところである。特に、殺菌処理のメカニズムに関しては、これまで多くの研究が行われ、例えば、以下の仮説が提唱されている。本発明の殺菌処理では、これらのメカニズムが複合的に作用しているものと考えられる。
(1)高圧二酸化炭素は、微生物の細胞あるいは細胞膜から機能物質を抽出し、それによって細胞中の微小器官のコンフォメーションが崩壊し、機能が喪失する。
(2)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素がイオン解離し、細胞液の水素イオン濃度を増大させる。
(3)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素は、種々の酵素を不可逆的に失活させる。
(4)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素が、急激な減圧により膨張し、細胞を破壊する。
(1)高圧二酸化炭素は、微生物の細胞あるいは細胞膜から機能物質を抽出し、それによって細胞中の微小器官のコンフォメーションが崩壊し、機能が喪失する。
(2)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素がイオン解離し、細胞液の水素イオン濃度を増大させる。
(3)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素は、種々の酵素を不可逆的に失活させる。
(4)細胞内に浸透した高圧二酸化炭素が、急激な減圧により膨張し、細胞を破壊する。
本発明の処理対象の液状流体とは、代表的には、液状食品、液状薬品等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、殺菌処理、酵素失活処理あるいは脱臭処理といった処理が必要なものならいずれの液状流体でもよい。
上記液状食品としては、例えば、野菜ジュースあるいは果汁入りジュース、またはこれらの飲料であって果肉等の固体粒子が含まれているもの、日本酒、ビールあるいはワイン等の酒類、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶等の飲料が挙げられる。この他、液状の健康食品あるいは特定健康食品等も挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらのうち、野菜ジュースあるいは果汁入りジュース、酒類が好ましい。また、野菜ジュースあるいは果汁入りジュースのうち、低酸性飲料に分類されるもの(pH4.6以上、水分活性0.94以上)がより好ましい。通常、高温の加熱処理が必要とされる低酸性飲料の殺菌処理において、処理温度を低下させることが可能となるからである。
また、上記液状薬品としては、シロップ剤、エキス剤、ローション剤、点眼剤、注射剤など薬効成分を液体に溶解したものを挙げることができる。
本発明で用いられる高圧二酸化炭素は、4〜30MPaに加圧された二酸化炭素であり、好ましくは5〜20MPaである。当該圧力範囲内であれば、液体、気体、亜臨界あるいは超臨界状態のいずれの状態であっても用いることができる。加圧時の温度は、10〜90℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。このような高圧二酸化炭素のうち、より好ましく用いられるものは、超臨界状態のものであり、かかる超臨界状態とするには、温度31℃以上、圧力7.4MPa以上とすればよい。
以下、本発明の液状流体の処理方法の具体的な実施例を図面を参照しながら、各工程ごとに説明する。
図1には、本発明の液状流体の処理方法を実施するための本発明の液状処理装置の一実施例を示した。2は液状流体供給手段(例えば、液加圧ポンプ)、7は高圧二酸化炭素供給手段かつ流量検出手段かつ濃度制御手段(例えば、流量検出器を有する二酸化炭素供給ポンプ)、22および23は圧力、温度検出手段(例えば、22は圧力計、23は温度計)、8は混合手段(例えば、混合器)、11は減圧手段(例えば、減圧弁)、12は分離手段(例えば、分離器)である。以下は、好ましい態様として本発明装置が更に含む手段であり、14は不活性ガス供給手段(例えば、加圧供給圧縮機)、15は不活性ガス発生手段(例えば、不活性ガス分離器)、16は、分離された液状流体と不活性ガスを混合するための混合手段(例えば、混合器)、17および20は、液状流体と不活性ガスとの混合流体から残存二酸化炭素を分離するための分離手段(例えば、順に、分離器、減圧弁)である。この他、1は液状流体貯槽、3は二酸化炭素貯槽、4は二酸化炭素移送ポンプ、5は二酸化炭素受槽、6は過冷却器、9は加熱器、10は保持器、13および18は液面制御弁、19は製品回収槽、21は凝縮器である。
<供給工程>
本発明方法において、供給工程とは、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程である。
本発明方法において、供給工程とは、連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程である。
処理対象となる液状流体は、液状流体貯槽1から、液加圧ポンプ2で圧力5〜20MPaに加圧され、混合器8に連続的に供給される。
圧力2MPa程度で二酸化炭素貯槽3に貯留されている加圧二酸化炭素は、二酸化炭素移送ポンプ4で二酸化炭素受槽5に供給され、一旦貯留された後、過冷却器6で冷却され、二酸化炭素供給ポンプ7で5〜20MPaに加圧され、連続的に液状流体に供給される。
本発明方法では、「液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解する」ことを必須要件とする。液状流体に対して、高圧二酸化炭素の溶解量が多くなれば、高圧二酸化炭素による処理能力は向上する。しかし、高圧二酸化炭素量が多すぎると、液状流体に溶解せず液状流体相と二相状態で存在する高圧二酸化炭素相の存在量が増加し、かかる余剰の高圧二酸化炭素相によって、液状流体中の有効成分が抽出、除去され、液状流体の品質低下を招く。従って、液状流体を処理するのに十分な高圧二酸化炭素が存在し、かつ、液状流体に溶解せず液状流体相と二相状態で存在する高圧二酸化炭素相の存在量を実質的に無くすことが必要である。そこで、高圧二酸化炭素を、液状流体に対する飽和溶解量の90〜100質量%、好ましくは95質量%〜99質量%供給する。尚、特に飽和溶解量の100質量%を制御目標値とすると、供給される二酸化炭素が過多となり、高圧二酸化炭素相が存在する懸念が生じるので、制御目標値は100質量%より小の値とすることが望ましい。このように飽和溶解量の90〜100質量%となるように供給量を抑制することによって、高圧二酸化炭素相の存在量を、理論上、0にすることができる。このように液状流体に対する高圧二酸化炭素供給量を抑制することによって、液状流体中の香味成分/味覚成分といった有効成分が高圧二酸化炭素相中へ溶解し、抽出されることも生じ難くなる。従って、十分な処理を可能としつつ、余剰の高圧二酸化炭素による液状流体の品質低下を防止することが可能となる。
高圧二酸化炭素の供給量は、以下のように制御する。まず、減圧弁11の上流側の圧力計22および温度計23を用いて液状流体の圧力および温度を検出し、液加圧ポンプ2に設置された流量検出器を用いて液状流体の流量を検出する(必要に応じて高圧二酸化炭素の圧力、流量の検出値を用いて算出する)。これら圧力、温度および流量の検出値から、図示しない演算装置などによって、液状流体中に高圧二酸化炭素の溶解量が飽和溶解度の90〜100質量%となる流量条件を決定する。例えば、液状流体の上記圧力、温度、流量の検出値が10MPa、40℃、1000kg/Hrである場合には、高圧二酸化炭素の供給量を54kg/Hrとすることによって、高圧二酸化炭素を飽和溶解量の90〜100質量%の範囲の値、具体的には99質量%とすることができる。かかる供給量で、高圧二酸化炭素を、高圧二酸化炭素供給ポンプ7により供給する。高圧二酸化炭素供給流量は、上記高圧二酸化炭素供給ポンプ7に設置された流量検出器で検出される流量値を用い、フィードバック制御により高圧二酸化炭素供給ポンプ7の回転数を制御することによって、決定した供給量を維持するよう制御する。
上記圧力、温度および流量検出器の設置位置は、上記の位置に限定されるものではなく、液状流体に高圧二酸化炭素が飽和溶解量の90〜100質量%で溶解するような高圧二酸化炭素の供給量を決定するための圧力、温度および流量検出値が得られる位置であればよい。圧力および温度計は、例えば、混合器8の上流側、加熱器9の上流側、保持器10の上流側、あるいは減圧弁11の上流側の少なくとも1箇所にそれぞれ少なくとも1つ以上となるよう設置することができ、これら機器と一体化して設置することもできる。この際、液状流体と高圧二酸化炭素が合流した後、減圧されるまでの系内における温度変化および圧力変化を考慮して設置することが好ましい。
また、液状流体の流量を検出する流量検出器は、例えば、液加圧ポンプ2の吸込側、あるいは高圧二酸化炭素との合流前の少なくとも1箇所に少なくとも1つ以上設置することができ、これら機器と一体化して設置してもよい。高圧二酸化炭素流量を検出する流量検出器は、二酸化炭素供給ポンプ7の吸込側あるいは液状流体との合流前に少なくとも1つ以上設置することができ、これら機器と一体化して設置してもよい。また、これら流量検出器は、必要に応じて液状流体と高圧二酸化炭素の合流後から減圧弁11までの間に適宜設置することもできる。流量検出器を設置する際も、上記系内での流量変化を考慮して設置することが好ましい。
高圧二酸化炭素の液状流体中への供給は、それぞれの流路を接続することによって行うことができる。例えば、両者の配管をT字配管となるよう接続し、接続部において直接合流させる方法、液状流体の流路内に高圧二酸化炭素供給配管を挿入し、当該挿入管をノズル状の形態とする方法等が挙げられる。このうち、ノズル状の形態を有する供給配管を挿入する方法が好ましい。液状流体と高圧二酸化炭素の接触をより効率的に行うことができるからである。更に、高圧二酸化炭素を平均孔径100μm以下のフィルター等の媒体を介し供給することがより好ましい。高圧二酸化炭素を微細化して供給することができ、液状流体中での分散性が向上し、液状流体との接触効率が更に良くなり、液状流体中に高圧二酸化炭素を溶解し易くなるからである。
<混合工程>
上記の供給工程で液状流体に高圧二酸化炭素を供給した後、混合器8で混合する。
上記の供給工程で液状流体に高圧二酸化炭素を供給した後、混合器8で混合する。
本発明方法において、混合工程とは、上記液状流体と高圧二酸化炭素を供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程、より具体的には例えば、その流動方向に流れを抑制することによって混合する工程である。
上記「流動方向に流れを抑制する」とは、供給された液状流体と高圧二酸化炭素が、加圧によって流動方向に進行する際、流体の流動方向に向って一定の運動状態を与えることであり、例えば、流体を複数に分散する、複数に分割する、回転する、あるいはこれらの少なくとも1種以上によって、その流れを流動方向に抑制することである。そして、当該混合工程によって、高圧二酸化炭素を液状流体に十分に溶解させることができる。すなわち、流動方向に流れを抑制することによって、二酸化炭素を十分均一に液状流体に溶解させることが可能となり、高圧二酸化炭素による処理効率を向上させることができるとともに、溶解することなく存在する高圧二酸化炭素相の量を抑制することができる。
上記混合するための手段は、液状流体と高圧二酸化炭素をその流動方向に流れを抑制して混合できるものであれば、特に限定されない。例えば、上記供給工程にかかる説明で挙げた、ノズル形状の挿入管や、フィルター等の媒体、それらに準ずるものを使用して、流動方向に流れを抑制しながら、液状流体に高圧二酸化炭素を供給しつつ、これらを混合するようにしてもよい。更には、管路内で流体の流れを抑制することができる管路撹拌装置が好ましく、スタティックミキサーを用いることがより好ましい。スタティックミキサーは、流体を通過させることができる管路を有し、駆動部を用いることなく管路内で流体を撹拌混合することができる静止型の混合器である。スタティックミキサーは、管路内に、例えば長方形に代表される板を180°ねじった形状の邪魔板(ミキシングエレメント)を1組とし、この邪魔板をねじれ面90°ずつ変位させて複数組配置した構成からなる。液状流体と高圧二酸化炭素がこの邪魔板を通過すると、その流れが、流動方向に対して分散、分割および回転する、すなわち、流動方向に流れが抑制され、両流体が管内の上下左右方向に変位しながら上流から下流へと流れていき、両流体の混合が行われる。
上記邪魔板等の形状、配置個数等は、所望の液状流体あるいは処理に応じて、適宜設計変更が可能である。例えば、殺菌などの処理を行う場合、8〜25組が好ましく、10〜20組がより好ましい。8〜25組であれば、供給された高圧二酸化炭素が液状流体に、デッドエンドが存在することなく十分に接触するため、液状流体中に完全に溶解することが可能となる。さらに、管内壁に付着した微生物、酵母、臭気成分といった不要成分等にも二酸化炭素を接触させることができるため、より十分な処理が可能となる。
本発明の好ましい態様では、上記混合工程後、混合流体を、例えば加熱器9で加熱する加熱工程を設けることもできる。
加熱工程で処理温度を高くすることにより、微生物の生存率の低下、あるいは酵素失活の促進等、本発明の処理効果を更に高めることができる。かかる加熱工程は、液状流体の種類、加圧圧力に応じて適宜決定することができるが、液状流体の有効成分の効力を低下させないような温度を上限温度とすることが好ましい。また、二酸化炭素が超臨界状態となる温度を下限温度とすることが好ましい。処理時間を更に短縮することができるからである。
例えば、パン酵母の殺菌処理の場合、通常、殺菌処理によって生菌数を1/1000000以下に減らすことが要求される。このような殺菌処理に要する所要時間は、処理温度が25℃の場合、約9分であるのに対し、40℃に加熱すれば、所要時間は1分以下となるので、殺菌処理の効果をより高めることができ、効率的な処理が可能となる。
本加熱器9としては、上述の混合器8と同様の構造を持つ管路撹拌装置を備えるとともに、管路の外側から温水等で加熱する機構を備えた加熱器を用いることが好ましい。混合流体を、十分に混合しながら加熱することができ、更に効率的な加熱が可能となる。
また、本発明の好ましい態様では、上記混合工程で高圧二酸化炭素を液状流体中に完全に溶解させた後、混合流体を一定時間、例えば、保持器10を用いて、滞留させる保持工程を設けることもできる。かかる保持工程としては、配管径を変化させて混合流体の通過時間を遅延する方法を用いることができる。また、滞留用の容器を用いて混合流体を滞留させてもよい。このような保持工程を設けることにより、液状流体と高圧二酸化炭素との接触時間を長くすることができ、微生物の生存率の低下、酵素活性の失活を更に促進することができる。保持時間は、液状流体の種類、加圧圧力等により適宜設定可能である。
例えば、上記パン酵母の場合、35℃において生菌数を上記値以下とするための必要時間は、圧力20MPaで処理する場合、約0.6分である。この場合、配管径を変化させることにより、かかる必要時間の滞留を確保でき、十分な殺菌処理が可能となる。また、10MPaの場合は、必要時間が約1.2分と長いため、別途、容器を設置して保持工程を行うことにより、十分な殺菌処理が可能となる。
上記保持工程および加熱工程は、上記混合工程の後であり、後述する減圧工程の前であれば、いずれか1つの工程を含むことも、両工程を含むこともできる。また、両工程を含む場合、その工程順序は特に限定されない。本実施例では、加熱工程の後に保持工程を行える構成の装置を図示した。また、上記混合工程、加熱工程および保持工程を、1つの管路内で、連続的に行ってもよい。
<減圧工程>
上記混合工程、加熱工程あるいは保持工程で得られた混合流体を、減圧弁11で減圧する。
上記混合工程、加熱工程あるいは保持工程で得られた混合流体を、減圧弁11で減圧する。
本発明の減圧工程とは、上記工程で得られた混合流体を減圧する工程であり、かかる減圧により、液体状の高圧二酸化炭素が、気体(二酸化炭素ガス)となる。高圧二酸化炭素が気化することによって、例えば、微生物中に侵入し、あるいは酵素と接触していた二酸化炭素の体積が膨張する。その結果、微生物が死滅し、酵素の活性物質の一部であるタンパク質の構造が崩壊するので、この減圧工程においても殺菌、酵素失活あるいは脱臭といった処理を行うことが可能となる。
上記減圧工程では、減圧後の混合流体の圧力が、好ましくは1.5〜6MPa、より好ましくは2〜4MPaとなるように行う。1.5〜6MPaに減圧することにより、二酸化炭素の気化を行うことができ、分離効率を高めることができる。また、後述する分離工程において、液状流体の回収に随伴する二酸化炭素量を抑制することができる。更に、上記分離効率の向上により、二酸化炭素の再利用率を高めることも可能となる。
<分離工程>
上記減圧後、分離器12を用いて、混合流体から二酸化炭素を分離する。
上記減圧後、分離器12を用いて、混合流体から二酸化炭素を分離する。
本発明における分離工程とは、上記減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程である。上記減圧工程では、混合流体は、液体の液状流体と二酸化炭素ガスの二相状態で存在している。この二酸化炭素ガスを、分離器12で混合流体から放散し、上部より排出する。また、分離器12下部より、分離器12内の液状流体の液面を一定に制御しつつ、液状流体を排出することができる液面制御弁13を用いて液状流体は排出される。排出された液状流体製品は、製品回収槽(図示せず、例えば、後述する製品回収槽19と同様なもの)に回収することができる。
一方、排出された二酸化炭素は、凝縮器21で液化し、二酸化炭素受槽5で一旦貯留した後、再利用することができる。二酸化炭素の再利用を行うことによって、高圧二酸化炭素に溶解し、高圧二酸化炭素の気化とともに気化し、二酸化炭素ガス中に随伴する微量の香味成分/味覚成分といった有効成分を、二酸化炭素受槽5を経由して、液状流体中に供給することができる。このため、これら有効成分の散逸を一層抑制することが可能となる。
ここで、液状流体と高圧二酸化炭素の混合流体を、減圧と同時に分離する場合について述べる。かかる場合、気化した二酸化炭素の発生と、液状流体の排出が同時に生じるため、液状流体の排出に伴って(随伴)、気化する前の二酸化炭素あるいは気化した二酸化炭素ガスが排出されてしまう。その結果、回収された液状流体製品中に、二酸化炭素が溶解して残存することになる。
しかし、上記減圧工程で液状流体と二酸化炭素ガスの二相状態にした後、二酸化炭素ガスを分離する本発明方法のように、減圧工程と分離工程を別工程とすることによって、二酸化炭素ガスが、製品回収槽へと移送される液状流体に随伴し、溶解して残存することを抑制することができる。
<その他の態様>
上記分離工程で分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、更に分離することは、本発明方法の好ましい態様である。
上記分離工程で分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、更に分離することは、本発明方法の好ましい態様である。
このような残存二酸化炭素分離工程として、分離された液状流体に、加圧した不活性ガスを、加圧して連続的に供給し、それらを混合した後、減圧することによって、残存二酸化炭素を分離する方法を用いることができる。液状流体中に溶解し残存している二酸化炭素を不活性ガスで置換することにより、残存二酸化炭素を更に分離することができるからである。
上記不活性ガスとしては、液状流体に物理的化学的な相互作用を及ぼさない気体であれば、いずれの気体も用いることができる。例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンといった希ガス、あるいは窒素ガスなどを用いることができるが、窒素ガスを用いることが好ましい。窒素ガスは、安全であり、環境中から十分に得られるため安定供給とコスト低減が可能なため効率的であり、かつ、空気中へ排出しても、環境汚染を回避し得るからである。
不活性ガスとして窒素を用いた場合の残存二酸化酸素除去工程を、以下に説明する。
例えば、上記分離器12で分離された液状流体を、分離器12内の液状流体の液面を一定に制御しつつ、液状流体を排出することができる液面制御弁13を用いて排出する。
一方、空気を、加圧供給圧縮機14を用いて0.5〜1MPa未満の圧力に加圧し、不活性ガス分離器15を用いて窒素ガスを発生させる。当該不活性ガス分離器は、例えば、PSA(圧力スイング型吸脱着)装置、膜分離装置等であり、空気中の酸素を分離、除去(排出)することによって、好ましくは99%以上、より好ましくは99.9%以上の窒素ガスを得ることができる。
得られた不活性ガスは、加圧供給圧縮機14による加圧作用によって、加圧された状態で液状流体へ供給される。また、このように空気から不活性ガスを得るのではなく、予め用意した不活性ガスを用いる場合には、加圧供給圧縮機を用いて当該不活性ガスを、直接、液状流体に供給すればよい。
加圧圧力は、後述する液面制御弁13から分離器17における圧力に応じて適宜設定することができる。不活性ガスの液状流体への供給方法は、上記高圧二酸化炭素を液状流体に供給する方法と同様の方法を用いることができ、例えば、T字配管として供給するか、あるいは、液状流体の流路内に不活性ガス供給管を挿入し、挿入管をノズル状の形態とする方法を用いることができる。好ましくは、ノズル状の形態を有する供給配管を挿入する方法であり、平均孔径100μm以下のフィルター等の媒体を介して不活性ガスを微細化して供給することがより好ましい。
不活性ガスと接触した液状流体は、混合器16によって混合することができる。混合方法は、上記高圧二酸化炭素と液状流体の混合方法を用いることができる。すなわち、混合器16は、上記混合器8と同様の作用をするものを用いることができ、液状流体と不活性ガスを混合できるものであれば、特に限定されない。例えば、管路内で流体の流れを抑制することができる管路撹拌装置が好ましく、スタティックミキサーを用いることがより好ましい。スタティックミキサーを用いて混合することにより、液状流体中に不活性化ガスをより均一に分散することが可能となり、不活性ガスによる残存二酸化炭素の置換効率を向上させることが可能となる。
混合後、不活性ガスと液状流体との混合流体を、分離器17中で、減圧弁20により大気圧まで減圧することによって、分離器17上部から、不活性ガスと共に二酸化炭素を系外に排出することができる。
液面制御弁13から分離器17までの圧力は、好ましくは0.1〜0.9MPa、より好ましくは0.3〜0.8MPaとすることができる。0.1〜0.9MPaと減圧することにより、液面制御弁13から排出された液状流体中の残存二酸化炭素の体積膨張は、上記分離器17で大気圧下に減圧する場合より小さくなる。このため、置換すべき二酸化炭素の全体積が小さくなり、不活性ガスによる残存二酸化炭素の置換が容易になるので、残存二酸化炭素をより効率的に除去することができる。
一方、残存二酸化炭素が分離された液状流体は、液面制御弁18により、分離器17の液面を一定に保ちつつ、製品回収槽19に回収される。
上記残存二酸化炭素分離工程により、液状流体中に残存している二酸化炭素を、不活性ガスを用いることによって更に除去することができるため、液状流体中の残存二酸化炭素量を更に低減することができる。かかる工程により、液状流体中の二酸化炭素溶存量を、通常、味覚上問題とならないとされている0.0003mol/L以下にすることが可能となる。
以上、本発明方法および装置を用いることによって、高圧二酸化炭素の過剰供給を抑制し、かつ液状流体中に残存する二酸化炭素量を効率的に抑制することができる。特に、不活性ガスを用いた残存二酸化炭素分離工程を用いる態様では、残存二酸化炭素量を一層低減することができる。従って、回収した液状流体製品中に多量の二酸化炭素が残存し、製品の搬送中に、残存二酸化炭素が放出されて、発泡が生じてしまうという不都合を回避でき、更に、二酸化炭素の味覚が感知されることによる味覚上の品質低下を、一層抑制することが可能となる。
1 液状流体貯槽
2 液加圧ポンプ
3 二酸化炭素貯槽
4 二酸化炭素移送ポンプ
5 二酸化炭素受槽
6 過冷却器
7 二酸化炭素供給ポンプ
8、16 混合器
9 加熱器
10 保持器
11、20 減圧弁
12、17 分離器
13、18 液面制御弁
14 加圧供給圧縮機
15 不活性ガス分離器
19 製品回収槽
21 凝縮器
22 圧力計
23 温度計
2 液加圧ポンプ
3 二酸化炭素貯槽
4 二酸化炭素移送ポンプ
5 二酸化炭素受槽
6 過冷却器
7 二酸化炭素供給ポンプ
8、16 混合器
9 加熱器
10 保持器
11、20 減圧弁
12、17 分離器
13、18 液面制御弁
14 加圧供給圧縮機
15 不活性ガス分離器
19 製品回収槽
21 凝縮器
22 圧力計
23 温度計
Claims (9)
- 液状流体に、加圧下で高圧二酸化炭素を接触させて処理する方法であって、
連続的に供給される液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%の高圧二酸化炭素が溶解するように、高圧二酸化炭素の供給量を制御しながら連続的に供給する工程と、
供給後、液状流体と高圧二酸化炭素を混合する工程と、
得られた混合流体を減圧する工程と、
減圧後、混合流体から二酸化炭素を分離する工程
とを含むことを特徴とする液状流体の処理方法。 - 上記分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、加圧下で、更に分離する工程であって、
上記分離された液状流体に、加圧した不活性ガスを、加圧下で連続的に供給し、混合した後、当該混合流体を減圧することによって、残存二酸化炭素を分離する工程を含む請求項1に記載された液状流体の処理方法。 - 上記不活性ガスとして、空気中の窒素を用いる請求項2に記載の液状流体の処理方法。
- 上記液状流体の処理が、殺菌、酵素失活、あるいは脱臭のいずれか1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の液状流体の処理方法。
- 液状流体を、高圧二酸化炭素を用いて処理する装置であって、
液状流体を高圧状態にして連続的に供給するための液状流体供給手段と、
当該液状流体に、二酸化炭素を高圧状態にして連続的に供給するための高圧二酸化炭素供給手段と、
上記液状流体の流量、圧力および温度を検出する検出手段と、
当該検出手段により得られた値に基づいて、高圧二酸化炭素が液状流体に、液状流体に対する高圧二酸化炭素の飽和溶解量の90〜100質量%で溶解するよう、高圧二酸化炭素の供給量を制御するための濃度制御手段と、
上記液状流体と高圧二酸化炭素を混合するための混合手段と、
当該混合流体を減圧するための減圧手段と、
当該減圧した混合流体から、二酸化炭素を分離するための分離手段とを備えたことを特徴とする液状流体処理装置。 - 更に、
上記分離手段により分離された液状流体中に残存する二酸化炭素を、加圧下で、更に分離するための手段であって、
不活性ガスを、上記分離手段により分離された液状流体に、加圧して連続的に供給するための不活性ガス供給手段と、
当該液状流体と加圧不活性ガスを混合するための混合手段と、
得られた混合流体から、減圧することによって残存二酸化炭素を分離するための分離手段とを含有する、残存二酸化炭素分離手段を備えた請求項5に記載の液状流体処理装置。 - 更に、
上記不活性ガスを発生するための手段であって、
空気中の酸素を空気から分離することによって窒素ガスを発生するための不活性ガス発生手段を備えた請求項6に記載の液状流体処理装置。 - 上記混合手段が、スタティックミキサーである請求項5〜7のいずれかに記載の液状流体処理装置。
- 液状流体の殺菌、酵素失活、あるいは脱臭を行うためのものである請求項5〜8のいずれかに記載の液状流体処理装置。
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---|---|---|---|
JP2005165414A JP2006333835A (ja) | 2005-06-06 | 2005-06-06 | 高圧二酸化炭素を利用した液状流体の処理方法及び装置 |
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JP2005165414A JP2006333835A (ja) | 2005-06-06 | 2005-06-06 | 高圧二酸化炭素を利用した液状流体の処理方法及び装置 |
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Family Applications (1)
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JP2005165414A Withdrawn JP2006333835A (ja) | 2005-06-06 | 2005-06-06 | 高圧二酸化炭素を利用した液状流体の処理方法及び装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006333835A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008105242A1 (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-04 | Yamaguchi University | 溶解気体の膨張を利用した殺菌方法 |
WO2012107897A1 (en) | 2011-02-10 | 2012-08-16 | E-Pic S.R.L. | Plant and method for processing fluids |
CN105145813A (zh) * | 2015-08-24 | 2015-12-16 | 天津市恒安食品有限公司 | 一种乳制饮品冷杀菌方法 |
CN105212009A (zh) * | 2015-08-24 | 2016-01-06 | 天津市恒安食品有限公司 | 一种豆浆饮品冷杀菌方法 |
CN107581463A (zh) * | 2017-11-02 | 2018-01-16 | 中国海洋大学 | 一种高密度二氧化碳‑闪蒸脱腥装置及脱腥方法 |
-
2005
- 2005-06-06 JP JP2005165414A patent/JP2006333835A/ja not_active Withdrawn
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