JPWO2004045316A1 - 液体食品の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、液体食品を充填した処理槽内に加圧二酸化炭素を導入し、該処理槽内で加圧二酸化炭素を液体食品中に攪拌循環させることにより、二酸化炭素を液体食品中に溶解し、且つ該液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一にする第1工程、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一に維持しながら液体食品中に含まれる酵素を失活させ及び/又は微生物を死滅させる条件を保持する第2工程、及び加圧二酸化炭素の一部を排出した後液体食品中に不活性ガスを通気して、該処理槽内で不活性ガスを液体食品中に攪拌循環させることにより、溶存した二酸化炭素を除去する第3工程を含むことを特徴とする液体食品の処理方法及び該方法を行なう装置を提供する。本発明によれば、液体食品の香りを逃すこと無く、効率的に殺菌・酵素失活を行うとともに、該液体食品中に溶存する二酸化炭素を効率よく除去し、香気成分の損失を最小限に抑えることができる。

Description

本発明は、液体食品に加圧した二酸化炭素を効率よく溶解させ、殺菌、殺酵素効果を高めるとともに、液体食品の香りを逃すこと無く溶存した二酸化炭素を効率よく除去することができる液体食品の処理方法及び処理装置に関する。
近年、食品の品質、新鮮さ、自然さを保持し、食品への添加物を減らすことが求められるとともに、食品の殺菌のために食品の過度の加熱を避けることが要求されている。そのため、食品の加熱に代わる技術に対する要求が注目されており、加圧した二酸化炭素を利用する液体食品の非加熱殺菌法が、次世代技術として高い可能性を有することから、活発にその研究、開発が行われている。
本発明者らは、加圧二酸化炭素を利用する液体食品の非加熱殺菌法において、殺菌効果が著しくばらつき、この原因が菌体と二酸化炭素との接触の度合いが低いことにあると考え、接触を強力に高める方法を見出し、これにより著しく殺菌効果を高めた低温殺菌技術を提案することができた(特開平7−170965号公報)。上記の技術のポイントは、フィルターを通じて二酸化炭素を微細な泡状で系に吹き込むことで、二酸化炭素の溶解度を系中の二酸化炭素の飽和溶解度の98%にまで達することができることにある。
具体的には、酵素含有液体食品に超臨界状態の二酸化炭素を接触させることにより酵素を失活させる方法を提案した。
特開平7−170965号公報に記載された方法においては、処理槽内に酵素含有液体食品を貯留し、密閉した状態で処理槽内を所定の温度、圧力条件に保つとともに、処理槽内に二酸化炭素の超臨界流体をフィルターを介して微小なサイズ(平均直径:100μm以下)にして供給することにより、液体食品中に超臨界流体を溶け込み易くしている。この方法によれば、効率よく酵素の失活ができるだけでなく、食品に接触するのは二酸化炭素だけであるので、安全性が高いという利点がある。また、この方法によれば、細菌、酵母、カビなどの微生物の殺菌処理も同時に行うことができる。
しかしながら、二酸化炭素の超臨界流体をフィルターを介して微小なサイズにして供給することにより、液体食品中に超臨界流体を溶解させる方法において、Dead−end型処理槽においては二酸化炭素の充分な溶解を達成できないために、不十分な殺菌・酵素失活効果しか得ることができない。一方、通気型溶解槽においては充分な殺菌・酵素失活効果が得られるものの、液体食品中の香り成分が超臨界二酸化炭素流体によって抽出されるという問題が発生する(Journal of Food Science,59,231−233(1994))。
本発明者らは、更に、このような殺菌処理・酵素失活処理をより効率的に且つ品質の劣化なく行うために、新たな連続処理装置を提案した(特開平11−33087号公報及び特開平9−206044号公報)。
特開平11−33087号公報及び特開平9−206044号公報に記載の連続装置では、所定圧力、所定温度に維持した処理槽底部に液体食品を連続的に送給するとともに、処理槽底部に配設したメッシュ状フィルターを通して超臨界状態の二酸化炭素を連続的に供給し、処理槽内上部の液面下近傍に液体取出口を設けて製品を回収している。処理槽内で液体食品と微小泡状の超臨界流体とは上昇方向に並流しつつ接触し、これにより殺菌のみならず酵素を効率よく失活させることができる。また、処理槽上部には超臨界流体排出口を設け、超臨界流体を取り出して二酸化炭素供給源へ戻すことにより再利用もできる。この装置によれば、液体食品を連続的に処理できるので、大量処理が可能である。
しかしながら、特開平11−33087号公報及び特開平9−206044号公報に記載された液体食品の処理方法は、超臨界(71atm、31℃以上)又は亜臨界(60〜70atm、25℃以上)状態の二酸化炭素を微細口径のフィルターを介して二酸化炭素をミクロバブル化して液体食品中に噴出させることにより、二酸化炭素の溶解効率を高めることができるが、二酸化炭素の溶解、保持及び溶存二酸化炭素の除去がそれぞれ別々の場所で行われている。
従って、液体食品送液用の高圧ポンプが必須であり、装置の大型化・設置場所の確保が困難であるだけでなく、二酸化炭素の使用量が膨大であり、また二酸化炭素のリサイクルが困難であるという問題がある。また、この連続処理法においては、流量・圧力制御が極めて複雑であり、設備費および処理費の高コスト化を招き、経済性に欠けるという問題がある。更に、充分な殺菌・酵素失活効果を得るためには、充分量の二酸化炭素を溶解した状態で液体食品を所定時間滞留させなければならず、処理槽容積は液体食品の処理速度に依存して決定される必要がある。
一方、上記の方法によって処理された試料中には、大気圧解放後も、人によって容易に感知される濃度で二酸化炭素が試料中に含有されている。このため、上記方法の実用化にあたっては、液体食品の容器への充填に先立ち、製品中に残存している二酸化炭素を人によって感知されないレベルにまで除去する必要がある。
従って、本発明の課題は、液体食品の香りを逃すことなく液体食品に加圧した二酸化炭素を溶解して、液体食品の殺菌・酵素失活を効率的に行うとともに、二酸化炭素の発泡と液体食品の香気成分等の損失を抑制しながら、液体食品中に溶存した二酸化炭素を効率よく除去する液体食品の処理方法を提供すること、及び、該液体食品の処理方法を行う装置であって、装置の小型化による省スペース化を図り、コストの低減を実現できる液体食品の処理装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、処理槽中の液体食品に導入された加圧した液体、気体、超臨界状態の二酸化炭素を液体食品中に攪拌循環させることにより、液体食品の香りを逃すことなく、加圧した二酸化炭素をほぼ飽和レベルまで溶解させ、溶解した加圧した二酸化炭素の濃度を処理槽内いたるところ均一にした後、所定時間その状態を保持することにより、液体食品の殺菌・酵素失活を効率的に行うことができ、次いで、液体食品を攪拌循環しながら加圧した二酸化炭素を所定の圧力まで減圧した後、不活性ガスにより残存する二酸化炭素を抽出除去することにより、二酸化炭素による発泡を抑制しつつ二酸化炭素が除去できるとともに、液体食品中の香気成分等の濃度分極が抑制でき、抽出による香気成分の過度の損失を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]に記載した事項により特定される。
[1]液体食品を充填した処理槽内に加圧二酸化炭素を導入し、該処理槽内で加圧二酸化炭素を液体食品中に攪拌循環させることにより、二酸化炭素を液体食品中に溶解し、且つ該液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一にする第1工程、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一に維持しながら液体食品中に含まれる酵素を失活させ及び/又は微生物を死滅させる条件を保持する第2工程、及び加圧二酸化炭素の一部を排出した後液体食品中に不活性ガスを通気して、処理槽内で不活性ガスを液体食品中に攪拌循環させることにより、溶存した二酸化炭素を除去する第3工程を含むことを特徴とする液体食品の処理方法。
[2]第1工程の後に、加圧二酸化炭素を溶解した液体食品を加熱する工程を備え、及び/又は、第2工程の後に、加圧二酸化炭素を溶解した液体食品を冷却する工程を備えることを特徴とする[1]に記載の液体食品の処理方法。
[3]ガス導入口及びガス排出口、液体食品導入口及び液体食品排出口を有し、回転し得る中空軸を内蔵する液体食品の処理装置であって、(1)該中空軸と該処理槽との接触部は気密に形成され、(2)該中空軸は、その端部に二酸化炭素又は不活性ガス導入口が設けられ、該中空軸の任意の位置に、該中空軸に連通して形成された二酸化炭素又は不活性ガスを分散させる複数の小孔を有するガス分散装置が設けられ、さらに、該中空軸には中空軸に連通する又は連通しない複数の攪拌翼を設けてなることを特徴とする液体食品の処理装置。
[4]該処理槽内に液体食品を加熱または冷却する手段を備えることを特徴とする[3]に記載の液体食品の処理装置。
[5]処理槽に、ガス導入口及びガス排出口、液体食品導入口及び液体食品排出口並びに該処理槽内壁面に固定された少なくとも1つの邪魔板を有し、回転し得る攪拌軸を内蔵する液体食品の処理装置であって、(1)該攪拌軸と該処理槽との接触部は気密に形成され、(2)該攪拌軸は、液体食品の液面近傍に設けられた1つのタービン型攪拌翼とその下方に設けられた少なくとも1つのプロペラ型攪拌翼を設けられてなることを特徴とする液体食品の処理装置。
[6]該処理槽に液体食品を加熱または冷却する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の液体食品の処理装置。
図1は、本発明の実施の形態1における液体食品の処理装置である。
図2は、本発明の実施の形態1におけるガス発生部の平面図である。
図3は、本発明の実施の形態1におけるガス発生部の側面図である。
図4は、本発明の実施の形態2における液体食品の処理装置である。
図5は、本発明の実施の形態3における液体食品の処理装置である。
図6は、実施例1におけるカーボネーション中の温度と圧力と溶存二酸化炭素濃度の関係を示すグラフである。
図7は、実施例2における処理時間と生残率との関係を示すグラフである。
図8は、従来におけるDead−end型処理装置である。
図9は、比較例1における処理時間と酵母の生残率との関係を示すグラフである。
図10は、従来における通気型処理装置である。
図11は、比較例2における処理時間と酵母の生残率との関係を示すグラフである。
図12は、従来における攪拌翼を設置した通気型処理装置である。
図13は、比較例3における処理時間と酵母の生残率との関係を示すグラフである。
図14は、本発明の実施の形態4における液体食品の処理装置である。
図15は、実施例3における処理時間と酵母の生残率との関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体食品の処理方法は、液体食品を充填した処理槽内に加圧二酸化炭素を導入し、該処理槽内で加圧二酸化炭素を液体食品中に攪拌循環させることにより、二酸化炭素を液体食品中に溶解し、且つ該液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一にする第1工程、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一に維持しながら液体食品中に含まれる酵素を失活させ及び/又は微生物を死滅させる条件を保持する第2工程、及び加圧二酸化炭素の一部を排出した後液体食品中に不活性ガスを通気して溶存した二酸化炭素を除去する第3工程の3つの工程を含む。
本発明の処理方法の第1工程においては、液体食品を充填した処理槽内に導入された加圧二酸化炭素を、液体食品の香りを逃すことなく液体食品に溶解して、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一にすることが重要であり、そのために、導入した加圧二酸化炭素を微小気泡として液体食品中に攪拌循環させる。
本発明の処理方法の第2工程においては、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を処理槽内の全ての場所で均一に維持するとともに、所定時間保持することが重要であり、そのために、加温(30〜65℃)し、又は、加温せずに、加圧二酸化炭素を溶解した液体食品を攪拌循環させる。この工程により、通常の殺菌工程では生残菌数を少なくとも1/1,000,000以下に減らすことができる。
本発明の処理方法の第3工程においては、液体食品が処理槽から溢れ出るのを防ぐために、発泡を抑制しながら加圧二酸化炭素を減圧してその一部を排出し、つづいて不活性ガスを通気して微小気泡にして、残存する二酸化炭素を不活性ガスの微小気泡中に抽出して除去する。この工程においても、残存した二酸化炭素と不活性ガスを含む液体食品を攪拌循環することが重要である。それにより、不活性ガスの微小気泡が液体食品中に均一に分散されるとともに、液体食品中の香気成分等の濃度の分極が抑制され、液体食品中に残存する二酸化炭素が効率良く除去されるとともに、香気成分等の過度の損失を抑制することができる。
このように、本発明の液体食品の処理方法の全ての工程で、加圧二酸化炭素や不活性ガスの微小気泡とともに液体食品を攪拌循環させることが重要である。液体食品を攪拌循環させる方法は、特に限定されないが、後述の、処理槽に、ガス吸引口と複数の小孔を有するガス分散装置と攪拌翼が設けられた中空軸を内蔵する液体食品の処理装置Aや処理槽内壁面に固定された邪魔板と処理槽内で回転するタービン型攪拌翼とプロペラ型攪拌翼を備えた液体食品の処理装置Bを用いることが好適である。
本発明における加圧二酸化炭素は、液体、気体、超臨界状態のものが使用でき、好ましくは、状態図における蒸発線近傍の状態での二酸化炭素である。具体的には、温度が10〜60℃、好ましくは10〜30℃であり、圧力が20〜300atm、好ましくは40〜100atmである二酸化炭素である。加圧二酸化炭素は、液体食品より密度が小さいことが必要であるが、上記条件内で適切に条件を選べば、容易に加圧二酸化炭素の密度を液体食品の密度より小さい密度にすることができる。
本発明における加圧二酸化炭素は、液化炭酸ガスが充填された貯留槽を供給源とするが、必要に応じて、ポンプで昇圧して供給することもできる。あるいは所定の圧力まで昇圧して貯留槽に蓄えておき、これを直接的な供給源とすることもできる。なお、液体食品の温度は、温度センサでモニタし、処理槽内の圧力は、圧力センサでモニタすることが可能である。処理槽内の圧力は、加圧二酸化炭素が加圧ポンプから直接供給される場合は、処理槽に取り付けられた圧力センサの出力により加圧ポンプを制御することにより調節される。加圧二酸化炭素の貯留槽から加圧二酸化炭素が供給される場合は、処理槽には圧力調節弁は必要としない。
本発明の液体食品の処理方法を行なう上で好適である、ガス吸引口と複数の小孔を有するガス分散装置と攪拌翼が設けられた中空軸を内蔵する液体食品の処理装置Aを用いて、本発明の液体食品の処理方法を、更に詳しく説明する。
処理装置Aにおいて、ガス吸引口と複数の小孔を有するガス分散装置と攪拌翼が設けられた中空軸を液体食品中で回転させることにより、ガス分散装置(ガス発生部)の先端部で減圧部分が作り出され、それによって中空軸の端部に突設された吸引口から中空軸の内部を通じ加圧二酸化炭素を吸引し、さらにガス分散装置のせん断力でこの二酸化炭素を微小気泡にして、処理槽の半径方向に分散させることができる。このようにして生じた加圧二酸化炭素の半径方向の分散は、中空軸に配設された攪拌翼により半径方向と垂直方向に広げられ、液体食品は処理槽内で縦方向に循環し、処理槽内における溶解二酸化炭素の濃度分布の偏りを消滅させ、溶解二酸化炭素の濃度分布を処理槽内で均一にすることができる。これにより、液体食品の香りを逃すことなく加圧二酸化炭素を液体食品に効率良く溶解させることができる。
一方、Dead−end方式の処理槽では溶解二酸化炭素の濃度を十分に高くすることができない。通気方式の処理槽では液体食品中の香り成分が加圧二酸化炭素によって抽出され、加圧二酸化炭素とともに処理槽から排出されるために液体食品の香りが弱まることになる。スパージャー方式の処理槽では加圧二酸化炭素および不活性ガスを液体食品中に供給しなければならないが、この場合、該供給口の凹部内の内部に入り込んだ液体食品の処理が不十分となることが懸念される。これは、加圧二酸化炭素を外部循環させる処理槽方式においても同様である。
液体食品と接触する加圧二酸化炭素の量(体積)は、中空軸を回転させて二酸化炭素のガス発生部を回転することによって生じる二酸化炭素の吸引能力により定まる。処理槽の大きさと形状にもよるが、二酸化炭素の吸引能力は、処理槽1m当たり加圧二酸化炭素の体積として4〜20m/hが好ましい。ここで、吸引能力が4m/hより小さくなるにつれ、二酸化炭素の液体食品への溶解速度が減少し、二酸化炭素溶解工程に要する時間が長くなる傾向がみられ、20m/hより大きくなるにつれ、処理槽内の液体食品のホールドアップ容積が増大するために、加圧二酸化炭素を導入するための処理槽上部空間を大きくとる必要が生じてくる。
中空軸を中心にガス発生部あるいは攪拌翼を回転する際の回転数は、ガス発生部の直径および処理する液体食品の種類にもよるが、例えば、オレンジ果汁の場合、100〜600rpmが好ましい。ここで、回転数が100rpm未満であると、液体食品中での加圧二酸化炭素あるいは不活性ガスの微小気泡の発生量が不十分となり、第1工程における二酸化炭素の溶解に長時間を要するばかりでなく、第3工程における残存した二酸化炭素の除去効率が低下する。さらに、攪拌翼による液体食品の縦方向の循環が低下するために香気成分などの揮発性成分の濃度分極を抑制することが難しくなる傾向が見られる。一方、回転数が600rpmを超えると、加圧二酸化炭素の微小気泡の発生過多のために、液体食品のホールドアップ容積が過度に増大する傾向が見られる。さらには、余分な動力消費と中空軸を密閉状態で回転させるためのメカニカルシール等の密閉手段の劣化を早めることになる。
加圧二酸化炭素を溶解した後、液体食品中の溶解二酸化炭素濃度を処理槽内の全ての場所で均一にすることは、第2工程の液体食品中に含まれる酵素を失活させ及び/又は微生物を死滅させる工程(殺菌工程)において極めて重要である。すなわち、通常の殺菌工程では生残菌数を少なくとも1/1,000,000以下に減らすことが求められるが、これを達成するには処理槽壁近傍まで溶解二酸化炭素をムラ無く拡散させることが必要となる。このように、溶解二酸化炭素濃度を処理槽壁近傍に至るまで可能な限り均一に分散させるためには、処理槽底部等で発生した加圧二酸化炭素の微小気泡の上昇による液同伴効果に基づく攪拌では不十分である。
そのために、処理槽の大きさ、形状、材質、ならびに液体食品の種類にもよるが、効果的な攪拌翼を中空軸に設けることが重要である。具体的には、プロペラ型攪拌翼、あるいはタービン型攪拌翼、あるいはこれらを組合せて用いることが有効である。攪拌翼で液体食品を攪拌することにより、液体食品の縦方向の循環が可能になり、液体食品中の溶解二酸化炭素濃度を処理槽内の全ての場所で均一にすることができる。これら攪拌翼の回転速度は、60rpm〜600rpmが好ましい。ここで、攪拌速度が、60rpmより小さくなるにつれ、処理槽壁近傍への溶解二酸化炭素の拡散が低下し、殺菌効果が低下する傾向が見られる。一方、600rpmより大きくなるにつれ、消費電力が増大するとともに中空軸の密閉手段の劣化が促進する傾向が見られる。
本発明における加圧二酸化炭素は、処理槽から排出された二酸化炭素をさらに加圧し、これを冷却液化して貯留槽に貯留したものを必要に応じて再利用することができる。このとき、不要な揮発性成分を分離して除去することも可能である。なお、特別に圧力調整や、加熱または冷却など行うことなく、直接、気体、液体、超臨界状態のままで再利用することもできる。
加圧二酸化炭素の再利用のためには、処理槽を複数配置して、各々の処理槽で進行させる処理工程に時間差を設けることによって、直接加圧二酸化炭素を再利用することができる。すなわち、溶解二酸化炭素を加圧保持する工程が終了した先行の処理槽から加圧二酸化炭素排出口を経て、液体食品が所定量充填された次の処理槽の上部空間に直接移動させることができる。この操作によって、約50%の二酸化炭素が再利用される。さらに再利用率を高めるためには加圧ポンプを経由して二酸化炭素の移動を行わせる必要がある。
液体食品の殺菌および酵素失活速度の対数値は、液体食品の処理温度および溶解した二酸化炭素(溶解二酸化炭素)の濃度に対して直線的に増大する。従って、加圧二酸化炭素を溶解した後、液体食品の温度を所定のレベルまで上げ、所定時間保持することにより、液体食品中の微生物を確実に死滅させることができる。
具体的には、処理槽を密閉した状態で加圧二酸化炭素を溶解した液体食品の温度を10〜30℃から30〜65℃まで上げることにより、処理槽内(加圧二酸化炭素)の圧力を30〜80atmから50〜300atmに上昇させることができ、このままの状態で、3〜60分間保持するのが好適であるが、これらの条件は液体食品の種類により適宜変更される。ここで、加圧二酸化炭素の圧力が300atmより高くなるにつれ処理槽の耐圧性を高めるために多くの費用が必要となる傾向が見られ、圧力が50atmより低くなるにつれ殺菌効果が小さくなるという傾向がみられる。また、加熱された液体食品の温度が65℃より高くなるにつれ液体食品の品質が低下する傾向がみられ、その温度が30℃より低くなるにつれ殺菌効果が不十分になる傾向がみられる。さらに、保持時間が3分間より短くなるにつれ生残菌数が増大する傾向がみられ、保持時間が60分間より長くなるにつれ処理効率が低下するという傾向がみられる。
二酸化炭素を溶解した液体食品を所定時間保持した後、加圧した二酸化炭素を減圧にする工程を行う。減圧した後の圧力は特に限定されるものではないが、1atm(大気圧)〜20atm、好ましくは5〜10atmである。ここで、圧力が5atmより低くなるにつれ、減圧中の発泡が激しくなり、減圧中に処理槽から液体食品が溢れ出るのを防ぐためには、処理槽に液体食品を充填するときの上部空隙を大きく残しておく必要がある。加圧した二酸化炭素を排出した後の圧力が10atmより高い場合には、溶解している二酸化炭素を除去するために使用される不活性ガスの量(質量)が大きくなる傾向が見られる。
本発明に用いる不活性ガスは、窒素の他、アルゴン、ヘリウム等、毒性がなく安全であり、液体食品に対して不活性なガスであれば使用可能である。不活性ガスの発生手段は、圧縮ボンベ(高圧貯留タンク)の他、液化タンク、大気中の窒素を現地にて分離したもの等が用いられるが、これらに限定されるものではない。ここで、大気中の窒素を分離する方法としては、PSA法(Pressure swing adsorption法)等が用いられる。尚、不活性ガスを微小気泡にして通気するのが好ましい。
かかる不活性ガスの微小気泡中に溶存二酸化炭素を抽出することにより、溶存二酸化炭素を除去することができる。すなわち、不活性ガスの微小気泡が液体食品中で攪拌されている間に、溶存二酸化炭素分子がヘンリーの法則に従って該微小気泡中に拡散し、微小気泡中に取り込まれ、二酸化炭素と不活性ガスの混合気体からなる肥大した気泡は、処理槽内の液面上において崩壊することにより、二酸化炭素は不活性ガスとともに系外に排出される。
更に、液体食品中に不活性ガスを通気する工程においては、液体食品中に生成する香気成分等の濃度分極を抑制するのが可能である。具体的には、液体食品に不活性ガスの微小気泡を発生させ、さらに攪拌翼を用いて、より効果的に上昇流と下降流を生じせしめることができ、液体食品中の香気成分等の濃度分布を均一化することができる。この場合、液体食品を入れた処理槽内に仕切壁を設けることにより、さらにより効果的に上昇流と下降流を生じせしめることができる。
加圧二酸化炭素処理中の液体食品中には、液体食品の10〜30倍の体積(標準状態換算)の二酸化炭素が含有されていることから、処理後これらをそのまま減圧していくと液体食品中に激しい発泡が起こり、液体食品を満たしている処理槽から多量の液体食品が溢れ出る。すなわち、加圧下で高濃度の溶解二酸化炭素を含有している場合でも、5〜10atmまでは除圧によって引き起こされる液体食品中での発泡は僅かであるが、その圧力が低くなるにつれて溶解二酸化炭素の発泡は激しくなる。その理由は、加圧下では単位時間あたりに排出される二酸化炭素の量(質量)が大きくても圧縮された状態で除去されるので液体食品中から分離される二酸化炭素の体積は小さいからである。これに対して、5atm以下での除圧操作においては、単位時間あたりに除去される二酸化炭素の量は少なくても処理槽中での圧縮率が小さくなっていることから、液体食品中で激しい発泡が起こる。
液体食品中における二酸化炭素の激しい発泡を回避するには、処理圧力から5〜10atmまでは直接二酸化炭素を処理槽から排出することにより除圧し、それ以降は加圧された状態で不活性ガスの微小気泡を通気攪拌して行うことが好ましい。すなわち、5〜10atm以下では溶存二酸化炭素を膨張させることなく不活性ガスで抽出することにより発泡を抑制しつつ、溶存二酸化炭素を除去することができる。その理由は、不活性ガス(窒素)は二酸化炭素に比べて水溶液に対する溶解度がほぼ1/25であるので、二酸化炭素が分離された液体食品は全く発泡性を示さなくなるからである。
このような状況下、不活性ガスの供給圧力は次のような因子を考慮して決定される。
1)不活性ガスの圧力が高くなるほど液体食品との接触面積が小さくなるために溶存二酸化炭素の抽出速度が低下する。2)不活性ガスの圧力が高くなるほど、溶存気体の抽出に必要とされる不活性ガスの量(質量)は大きくなる。3)必要以上の高圧下での操作は増圧のためのコンプレッサーが必要になるので不利である。4)不活性ガスの圧力が低すぎる場合は、その圧力まで二酸化炭素を排出する操作において、液体食品が発泡し処理槽から溢れ出ることになる。
以上の諸点を考慮すると、加圧下で高濃度の溶存二酸化炭素を含有している液体食品に関しては、5〜10atmまでは不活性ガスを通気することなく除圧により溶存二酸化炭素を分離し放出させ、液体食品の圧力が5〜10atm程度に低下した後は同程度まで加圧された不活性ガスを通気することによって溶存二酸化炭素を抽出分離するのが好ましい。この時、溶存二酸化炭素の除去に伴い供給される不活性ガスの圧力を下げていくことができる。
液体食品を加熱あるいは冷却する手段・方法としては、処理槽の内部に配置し内部に加熱・冷却媒体を挿入した1乃至複数のコイル、処理槽の表面を覆設し処理槽との間に加熱・冷却媒体を挿入したジャケット、処理槽の内部に配置した1乃至複数のプレート型熱交換器等を用いて、加熱・冷却する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加熱・冷却媒体としては、水、水蒸気、オイル等が用いられる。
本発明の処理方法を行なう上で好適な処理装置Bでは、処理槽内壁面に固定された邪魔板と、液面近傍に設けられたタービン型攪拌翼とその下方に設けられてプロペラ型攪拌翼を処理槽内で回転させることにより、導入された加圧二酸化炭素又は不活性ガスと液体食品が効率的に混合され、加圧二酸化炭素又は不活性ガスの濃度が処理槽内の全ての位置で均一にすることができる。すなわち、液面近傍に設けられたタービン型攪拌翼による攪拌と処理槽に固定された邪魔板により、液面近傍に多数の気泡を発生させることでき、次いで、タービン型攪拌翼の下方に設けられたプロペラ型攪拌翼により引き起こされる攪拌軸方向への流動により、液面近傍の気泡を処理槽下部へ循環混合させることができる。その結果、上述の処理装置1と同様に、効率的に二酸化炭素を液体食品中に均一に溶解させることができるとともに液体食品の香気を損なうことなく、不活性ガスによる溶存二酸化炭素の除去を行なうことができる。
タービン型攪拌翼の位置は、液面近傍に設けられるが、その位置は処理槽の容積、攪拌翼の直径、回転速度等により変わりうるが、液面上に導入された加圧二酸化炭素又は不活性ガスを微粒気泡として液面下に発生させるよう配置される。
邪魔板は、タービン型攪拌翼と同程度の深さの位置に設置する。それにより、タービン型攪拌翼の回転運動によって生じる円運動が邪魔板で抑制され、タービン型攪拌翼の先端近傍に気泡を効果的に発生させることができる。
本発明が適用される液体食品は、野菜ジュース、果実ジュース、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ココア、ビールの他、砂糖、ミルク、クリーム等の甘味料、その他の添加物を添加した各種飲料、牛乳、加工乳、発酵乳、乳飲料、ワイン、清酒、醤油、めんつゆ、みりん、ビネガー、滋養強壮用ドリンク等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の液体食品の処理装置について、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における液体食品の処理装置の概略図、図2はガス発生部の平面図、図3はガス発生部の側面図である。
図中、1は本実施の形態における液体食品の処理装置、2は液体食品を収容する耐圧性ステンレス製の円筒状処理槽、3は処理槽2内に収容された液体食品、4は処理槽2の略中央部に回転自在に形成され、内部に加圧二酸化炭素または不活性ガスを通過させるステンレス製の中空軸、5は中空軸4と連通する部分で液体食品の軸方向の攪拌が遮断されないように大きな隙間を設けた横方向の連通管で支えられたドーナッツ状の外側面に多数の小孔を設けたステンレス製のガス発生部、6は中空軸4に配設された、液体食品を攪拌させるステンレス製の攪拌翼、7は処理槽2内の液体食品の液面より上の中空軸4端部に突設され、加圧二酸化炭素または不活性ガスを吸引させる吸引孔、8は処理槽2内に挿通した中空軸4と処理槽2との接触部に形成された、処理槽2内を密閉させる手段としてのマグネティックドライブ、9は処理槽2の上方に形成され、処理槽2内に加圧した二酸化炭素または不活性ガスを導入するガス導入口、10は処理槽2の上方に形成され、処理槽2から加圧した二酸化炭素または不活性ガスを外部へ排出するガス排出口、11は処理槽2の二酸化炭素を減圧する圧力調整弁、12は中空軸4の上端部に固定され中空軸4を回転させる駆動部としてのモータ、13は処理槽2の下方側面部に形成され、液体食品を処理槽2内に導入する食品導入口、14は処理槽2の下方側面部に形成され、液体食品を外部へ排出する食品排出口である。なお、処理槽2内の温度、圧力を調整するために必要な温度計、圧力センサ等を設けることも可能である。これらの調整により、処理槽2内において充分な殺菌効果を発現させることができる。ここで、液体食品の処理装置1については、攪拌翼を備えた中空軸を設置した攪拌槽型反応器(BIAZZI社製)を使用することができる。
ここで、処理槽2の材質としては、ステンレス鋼、鉄鋼、強化型の各種プラスチックやこれらの複合材料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。処理槽2の大きさは、液体食品の製造規模にもよるが、0.5〜20mが好ましい。ここで、容積が20mより大きくなるにつれ、耐圧性を有する処理槽2の製造コストが著しく増大していく傾向がみられる。このような場合は、数mの容積をもつ処理槽2を複数設置することが好都合である。処理槽2の形状としては、円筒状、多角形状等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明に用いる中空軸4は、処理槽2内の略中央部に回転自在に形成され、中空軸4の端部に、加圧二酸化炭素または不活性ガスが吸引される吸引孔7が突設されている。中空軸4の材質としては、ステンレス鋼、鉄鋼などが挙げられるが、これらに限定されない。吸引孔7の突設位置は、液体食品を充填したときの液面からの距離が大きいほど、加圧二酸化炭素あるいは不活性ガスの吸引体積あたりのホールドアップ体積を大きく設定できるので有利である。しかしながら、その形状、大きさは、特に限定されるものではない。
加圧二酸化炭素あるいは不活性ガスのガス発生部5の形状としては、特に限定されるものではないが、中空軸4と連通する部分で液体食品の軸方向の攪拌が遮断されないように大きな隙間を設けた横方向の連通管で支えられたドーナッツ状の外側面に多数の小孔を設けたものが好ましい。かかる小孔の大きさは、加圧二酸化炭素ならびに不活性ガスの微細気泡を効率よく発生する一方、装置の薬液等による洗浄の容易さも考慮して過度に微細な孔径は好ましくない。ガス発生部5の材質としては、ステンレス鋼、鉄鋼が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に用いる攪拌翼6は、中空軸4に配設され、具体的には、プロペラ攪拌翼、タービン攪拌翼等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。攪拌翼6を用いることにより、主に軸方向の流れを起こして、液体食品と加圧二酸化炭素を効率的に接触させその溶解を促進させる。また、溶解二酸化炭素を処理槽壁近傍まで均一に拡散させるとともに、処理槽2内部の壁面等への微生物等の吸着を抑制することができ、殺菌効率を向上させることができる。また、熱交換を促進させることができる。
本発明の処理槽2内を密閉する手段としては、マグネティックドライブ8の他、グランドタイプあるいはメカニカルシール等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における中空軸4を回転させる駆動部は、特に限定されるものではないが、モータ12等が用いられる。
本実施の形態1における液体食品の処理装置を用いた処理方法について、以下説明する。
本実施の形態1における液体食品の処理装置における食品導入口13より、液体食品3を導入し、処理槽2内の中空軸4をモータ12を作動させ回転させる。
加圧した二酸化炭素をガス導入口9より処理槽2内に導入して吸引孔7から中空軸4の内部に吸引し、ガス発生部5から加圧二酸化炭素を液体食品3中に発生させるとともに、中空軸4を中心に攪拌翼6を回転させ、加圧二酸化炭素を液体食品3と充分接触させ、液体食品3中に加圧二酸化炭素を溶解させ、溶解した加圧二酸化炭素の濃度を均一にする。
次いで、ガス導入口9を閉じ、液体食品3の温度を常温にて、処理槽2内の圧力を70〜150atm、5〜30分間維持することによって、液体食品3中に含まれる酵素を失活させ、微生物を死滅させる。
その後、処理槽2内の二酸化炭素を圧力調整弁11から徐々に排出し、処理槽2内の圧力が5〜10atmまで低下したとき、圧縮ボンベ(図示せず)を用いて不活性ガスである窒素ガスをガス導入口9より導入し、吸引孔7から中空軸4の内部に吸引し、ガス発生部5から窒素ガスの微小気泡を液体食品3中に生成させる。このように処理した液体食品3を食品排出口14より処理槽2外へ排出する。
本実施の形態1における液体食品の処理装置を用いた処理方法を行うことにより、以下の作用を有する。
循環型処理槽を用いたので、非循環型の処理槽(Dead−end方式)や通気型の処理槽に比べて、効率的に二酸化炭素を溶解することができ、二酸化炭素の使用量が少なくてすみ、二酸化炭素のリサイクルが容易であるとともに、香気成分の損失を最小限に抑えることができる。
処理槽内の液体食品を攪拌することにより、処理槽内の溶解二酸化炭素の濃度と液体食品の温度を一定に保つことができる。さらに、処理槽内の壁面への微生物の吸着を抑えることができ、高い殺菌効率を得ることが可能である。
液体食品の充填・二酸化炭素の溶解・液体食品の温度制御・溶存二酸化炭素の除去を同一の処理槽で時間をずらして行うので、液体食品の送液用の高圧ポンプを設置する必要がなく、省スペース化を実現することができる。また、各種条件を設定する幅が広く、本発明におけるバッチ処理では処理速度に関係なく滞留時間を設定することができる。すなわち、滞留時間を大きくすることにより、低い殺菌温度によっても充分な殺菌効果を得ることができる。更に、処理槽内の圧力制御を行うだけで、流量制御が不要であるため、システム制御が容易で、安全性に優れるとともに、省エネシステムを実現することができる。
加圧二酸化炭素を利用して液体食品の殺菌処理を効率的に行った後、液体食品の容器への充填に先立ち、同処理槽内で人によって容易に感知される濃度で含有されている二酸化炭素を人によって感知されないレベルにまで除去することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における液体食品の処理装置の概略図である。
図中、1aは本実施の形態における液体食品の処理装置、2aは液体食品を収容する耐圧性ステンレス製の円筒状処理槽、3aは処理槽2a内に収容された液体食品、4aは処理槽2aの略中央部に回転自在に形成され、内部に加圧二酸化炭素または不活性ガスを通過させるステンレス製の中空軸、5aは中空軸4aと連通する部分で液体食品の軸方向の攪拌が遮断されないように大きな隙間を設けた横方向の連通管で支えられたドーナッツ状の外側面に多数の小孔を設けたステンレス製のガス発生部、6aは中空軸4aに配設された、液体食品を攪拌させるステンレス製の攪拌翼、7aは処理槽2a内の液体食品の液面より上の中空軸4a端部に突設され、加圧二酸化炭素または不活性ガスを吸引させる吸引孔、8aは処理槽2a内に挿通した中空軸4aと処理槽2aとの接触部に形成された、処理槽2a内を密閉させる手段としてのマグネティックドライブ、9aは処理槽2aの上方に形成され、処理槽2a内に加圧した二酸化炭素または不活性ガスを導入するガス導入口、10aは処理槽2aの上方に形成され、処理槽2aから加圧した二酸化炭素または不活性ガスを外部へ排出するガス排出口、11aは処理槽2aの二酸化炭素を減圧する圧力調整弁、12aは中空軸4aの上端部に固定され中空軸4aを回転させる駆動部としてのモータ、13aは処理槽2aの下方側面部に形成され、液体食品を処理槽2a内に導入する食品導入口、14aは処理槽2aの下方側面部に形成され、液体食品を外部へ排出する食品排出口、15aは処理槽2a内に配置された加熱又は冷却用コイルである。なお、処理槽2a内の温度、圧力を調整するために必要な温度計、圧力センサ等を設けることも可能である。これらの調整により、処理槽2a内において充分な殺菌効果を発現させることができる。ここで、液体食品の処理装置1aについては、攪拌翼を備えた中空軸を設置した攪拌槽型反応器(BIAZZI社製)を利用することができる。
本実施の形態における液体食品の処理装置1aを用いた処理方法について、以下説明する。
液体食品の処理装置1aにおける食品導入口13aより、液体食品3aを導入し、処理槽2a内の中空軸4aをモータ12aを作動させ回転させる。
加圧した二酸化炭素をガス導入口9aより処理槽2a内に導入して吸引孔7aから中空軸4aの内部に吸引し、ガス発生部5aから加圧二酸化炭素を液体食品3a中に発生させるとともに、中空軸4aを中心に攪拌翼6aを回転させ、加圧二酸化炭素を液体食品3aと充分接触させ、液体食品3a中に加圧二酸化炭素を溶解させ、溶解した加圧二酸化炭素の濃度を均一にする。
次いで、ガス導入口9aを閉じ、加熱媒体(温水60℃)を供給し、液体食品3aの温度を35〜40℃、処理槽2a内の圧力を70〜150atmに、5〜30分間維持することによって、液体食品3a中に含まれる酵素を失活させ、微生物を死滅させる。
その後、冷却媒体(冷却水10℃)を供給するとともに、温度を25〜30℃まで下げ、処理層2a内の二酸化炭素を圧力調整弁11aから徐々に排出し、処理槽2a内の圧力が5〜10atmまで低下したとき、圧縮ボンベ(図示せず)を用いて不活性ガスである窒素ガスをガス導入口9aより導入し、吸引孔7aから中空軸4aの内部に吸引し、ガス発生部5aから窒素ガスの微小気泡を液体食品3a中に生成させる。このように処理した液体食品3aを食品排出口14aより処理槽2a外へ排出する。
本実施の形態においては、実施の形態1で得られる効果に加え、液体食品中に加圧二酸化炭素を溶解した後、液体食品を加温することにより、溶解二酸化炭素濃度を低下させることなく、殺菌効果をさらに増大させることができる。また、処理槽内にコイルが複数配置されているので、熱効率を高めることができる。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3における液体食品の処理装置の概略図である。
図中、1bは本実施の形態における液体食品の処理装置、2bは液体食品を収容する耐圧性ステンレス製の円筒状処理槽、3bは処理槽2b内に収容された液体食品、4bは処理槽2bの略中央部に回転自在に形成され、内部に加圧二酸化炭素または不活性ガスを通過させるステンレス製の中空軸、5bは中空軸4bと連通する部分で液体食品の軸方向の攪拌が遮断されないように大きな隙間を設けた横方向の連通管で支えられたドーナッツ状の外側面に多数の小孔を設けたステンレス製のガス発生部、6bは中空軸4bに配設された、液体食品を攪拌させるステンレス製の攪拌翼、7bは処理槽2b内の液体食品の液面より上の中空軸4b端部に突設され、加圧二酸化炭素または不活性ガスを吸引させる吸引孔、8bは処理槽2b内に挿通した中空軸4bと処理槽2bとの接触部に形成された、処理槽2b内を密閉させる手段としてのマグネティックドライブ、9bは処理槽2bの上方に形成され、処理槽2b内に加圧した二酸化炭素または不活性ガスを導入するガス導入口、10bは処理槽2bの上方に形成され、処理槽2bから加圧した二酸化炭素または不活性ガスを外部へ排出するガス排出口、11bは処理槽2bの二酸化炭素を減圧する圧力調整弁、12bは中空軸4bの上端部に固定され中空軸4bを回転させる駆動部としてのモータ、13bは処理槽2bの下方側面部に形成され、液体食品を処理槽2b内に導入する食品導入口、14bは処理槽2bの下方側面部に形成され、液体食品を外部へ排出する食品排出口、17bは処理槽2bの外表面に覆設された加熱又は冷却用ジャケットである。なお、処理槽2b内の温度、圧力を調整するために必要な温度計、圧力センサ等を設けることも可能である。これらの調整により、処理槽2b内において充分な殺菌効果を発現させることができる。ここで、液体食品の処理装置1bについては、攪拌翼を備えた中空軸を設置した攪拌槽型反応器(BIAZZI社製)を利用することができる。
また、液体食品の処理方法については、実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態によれば、予め加温された液体食品を処理槽に導入する方法に(加熱装置が付属しない方法に)比べて液体食品の加温時間を短くすることができ、液体食品の品質低下を最小限に抑えることができる。また、液体二酸化炭素送液用のポンプとして、より低圧仕様のものが使用できる。更に、低い温度で液体食品に加圧二酸化炭素を溶解するので、二酸化炭素の溶解速度を大きくすることができる。
(実施の形態4)
図14は本発明の実施の形態4における液体食品の処理装置の概略図である。
図14中、図中、1cは本実施の形態における液体食品の処理装置、2cは液体食品を収容する耐圧性ステンレス製の円筒状処理槽、3cは処理槽2c内に収容された液体食品、37は処理槽2cの略中央部に回転自在に形成される攪拌軸、38は、導入された加圧二酸化炭素または不活性ガスを多数の気泡を発生させる、攪拌軸37の液面近傍に配設されたステンレス製のタービン型攪拌翼、39は、攪拌軸37に配設された液体食品を攪拌させるステンレス製のプロペラ型攪拌翼、40は、処理槽2cの内壁面に固定された邪魔板、8cは処理槽2c内に挿通した攪拌軸37と処理槽2cとの接触部に形成された、処理槽2c内を密閉させる手段としてのマグネティックドライブ、12cは、攪拌軸37の上端部に固定された攪拌軸37を回転させる駆動部としてのモータ、9cは処理槽2cの上方に形成され、処理槽2c内に加圧した二酸化炭素または不活性ガスを導入するガス導入口、10cは処理槽2cの上方に形成され、処理槽2cから加圧した二酸化炭素または不活性ガスを外部へ排出するガス排出口、11cは処理槽2cの二酸化炭素を減圧する圧力調整弁、12cは攪拌軸37の上端部に固定され攪拌軸37を回転させる駆動部としてのモータ、13cは処理槽2cの下方側面部に形成され、液体食品を処理槽2c内に導入する食品導入口、14cは処理槽2cの下方側面部に形成され、液体食品を外部へ排出する食品排出口である。また、本実施の形態の処理装置1cには、処理槽2cの外表面に覆設された加熱又は冷却用ジャケット(図示せず)又は処理槽2c内に配置された加熱又は冷却用コイル(図示せず)を設けることができる。なお、処理槽2c内の温度、圧力を調整するために必要な温度計、圧力センサ等を設けることも可能である。これらの調整により、処理槽2c内において充分な殺菌効果を発現させることができる。
本実施の形態におけるタービン型攪拌翼38は、攪拌軸37の液体食品3cの液面近傍に配設されるので、邪魔板40の作用とあいまって、導入された加圧二酸化炭素又は不活性ガスの多数の気泡を液面近傍に発生させることができ、処理槽深部に配置されたプロペラ型攪拌翼39により引き起こされる攪拌軸37方向への流動により近傍の気泡を処理槽2cの深部へ循環混合することができる。
本実施の形態における液体食品の処理装置1cを用いた処理方法について、以下説明する。
液体食品の処理装置1cにおける食品導入口13cより、液体食品3cを導入し、処理槽2c内の攪拌軸37をモータ12cを作動させ回転させる。
加圧した二酸化炭素をガス導入口9cより処理槽2c内に導入して、タービン型攪拌翼38の攪拌と邪魔板40により、液面近傍に多数の気泡を発生させ、次いでプロペラ型攪拌翼39により引き起こされる攪拌軸37方向への流動により近傍の気泡を処理槽2cの深部へ循環させ、加圧二酸化炭素を液体食品3cと充分接触させ、液体食品3c中に加圧二酸化炭素を溶解させ、溶解した加圧二酸化炭素の濃度を均一にする。
次いで、ガス導入口9cを閉じ、液体食品3cの温度を常温にて、処理槽2c内の圧力を70〜150atm、5〜30分間維持することによって、液体食品3c中に含まれる酵素を失活させ、微生物を死滅させる。
その後、処理層2c内の二酸化炭素を圧力調整弁11cから徐々に排出し、処理槽2c内の圧力が5〜10atmまで低下したとき、圧縮ボンベ(図示せず)を用いて不活性ガスである窒素ガスをガス導入口9cより導入し、タービン型攪拌翼38の攪拌と邪魔板40により、液面近傍に窒素ガスの多数の気泡を発生させ、次いでプロペラ型攪拌翼39により引き起こされる攪拌軸37方向への流動により近傍の気泡を処理槽2cの深部へ循環させて、窒素ガス気泡中に、溶存した炭酸ガスを抽出して、ガス排出口10cから除去する。このように処理した液体食品3c食品排出口14cより処理槽2c外へ排出する。
本実施の形態4における液体食品の処理装置を用いた処理方法は、実施の形態1と同様の作用を有する。
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、これらの例は単なる実例であって本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変更させてもよい。
本実施例においては、本発明における実施の形態3の装置を用いて、各温度に対する溶存二酸化炭素濃度を測定した。
酵母(Saccharomyces cerevisiae)を1ml当り10個以上添加したオレンジ果汁(25℃)を大気圧状態の処理槽(250ml容)に食品導入口から処理槽容積の約10%の上部空隙を残して充填した。なお、このとき処理槽のジャケットには25℃の水を循環させた。
次いで、この空隙部にガス導入口より、加圧二酸化炭素(50atm)を導入し、中空軸を毎分600rpmで回転させることにより、加圧二酸化炭素の微小気泡をオレンジ果汁中で発生させ、二酸化炭素の溶解を開始した。中空軸の回転を持続しつつ5分間経過した後、処理槽下方の食品排出口からオレンジ果汁の一部を抜き取り、それから発生した二酸化炭素の体積と果汁の体積から、その温度における水蒸気分圧と大気圧下での二酸化炭素の溶解度を補正して溶存二酸化炭素濃度を算出した。同様の操作を、100atm及び150atmの加圧二酸化炭素を導入して行った。
次に、ジャケット循環水の温度を40℃、50℃及び75℃に変えて、50、100、150atmの二酸化炭素について同様の操作を行った。その結果を図6に示す。
二酸化炭素の圧力を一定とすると、二酸化炭素の溶解度は果汁温度が低いほど大きく、温度が高くなるにつれて小さくなることから、液体食品の温度が低い状態で二酸化炭素を溶解し、その後加温することにより、殺菌力が高い状態に至らしめることができた。
本実施例では、25℃の果汁に50atmの二酸化炭素を溶解させ、それを40℃まで加温することにより、処理槽内圧力は100atmになった。これは40℃の果汁に100atmの二酸化炭素を溶解したときと同じ状態である。
同様にして、25℃の果汁に50atmの二酸化炭素を溶解させた後、50℃まで加温した場合、処理槽内の圧力は150atmに上昇する。これは予め50℃に加温された果汁に150atmの加圧二酸化炭素を溶解したときと同じ状態である。
これらより、低温で二酸化炭素を溶解し、その後加温する方法は、二酸化炭素の供給圧力を低くすることに寄与している。このとき低温下での二酸化炭素の溶解が不十分ならば、その後の加温による圧力上昇幅が小さくなることがわかる。すなわち、初期の二酸化炭素の溶解が十分でなければ、同じ殺菌力を得るためにより大きな加温幅が必要となり果汁の品質低下につながる。
本実施例において、本発明における実施の形態3の処理装置を用いて、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の死滅率を測定した。
酵母(Saccharomyces cerevisiae)を1ml当り10個以上添加したオレンジ果汁(25℃)を大気圧状態の処理槽(250ml容)に食品導入口から処理槽容積の約10%の上部空隙を残して充填した。なお、このとき処理槽のジャケットには25℃の水を循環させた。
次いで、この空隙部にガス導入口より、加圧二酸化炭素(50atm)を導入し、中空軸を毎分600rpmで回転させることにより、加圧二酸化炭素の微小気泡をオレンジ果汁中で発生させ、二酸化炭素の溶解を開始した。中空軸の回転を持続しつつ5分間経過した後、処理槽下方の食品排出口からオレンジ果汁の一部を抜き取ったところ、溶解二酸化炭素濃度は、約1.2Mに達した。明細書中、Mはmol/lを表す。
次に、処理槽内を密閉にして、中空軸を回転維持して、処理槽のジャケットに約55℃の温水を循環しオレンジ果汁を40℃まで加温した。この時、処理槽内圧力は100atmに上昇した。100atmに到達した後、0、5、10、20、30分経過後に、少量のオレンジ果汁を食品排出口よりサンプリングし、種々の倍率で滅菌生理食塩水にて希釈された処理果汁の0.1mlを酵母用寒天培地に塗布し、30℃で24時間経過した後に、寒天培地上に現れたコロニー数から希釈率ならびに塗布量を換算して酵母の生残菌数とした。その結果を図7に示す。
図7はオレンジ果汁を40℃、100atmで30分間保持したときの生残率を示している。
図7より、オレンジ果汁中に添加された酵母は、オレンジ果汁を40℃、100atmの状態に至らしめた段階で、既に生残率は1/10,000に減少していた。図7より明らかなように、本発明の中空攪拌翼を用いた処理装置による加圧二酸化炭素の溶解とその後の加温は、優れた殺菌効果を示した。すなわち、40℃、100atmの状態を5分間維持することにより生残菌数を10個/ml以下にすることができた。
比較例1
本比較例において、Dead−end型反応槽(図8参照)を用いて、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の死滅率を測定した。
Dead−end型反応槽は、処理槽(容積250ml)底部に加圧二酸化炭素を微細化してオレンジ果汁中に発生させるための、ミクロフィルター(孔径10μm)を装着している。
40℃のオレンジ果汁を40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽内に約25%の上部空間を残して充填し、加圧二酸化炭素を処理槽底部から供給していき、処理槽内の圧力が100atmに到達したとき加圧二酸化炭素の供給を止めた。この時の溶解二酸化炭素の濃度は0.71Mであった。
その後、この状態を維持し、0、5、10、20、30分間経過したとき、処理槽底部の食品排出口から少量のオレンジ果汁をサンプリングし、生残菌数の計測に用いた。生残菌の計測方法は、実施例2と同様にして行った。その結果を図9に示す。
図9より、Dead−end型反応槽では、二酸化炭素の溶解が不十分であり、得られる殺菌効果は極めて小さく、液体食品の殺菌技術としては実用に供し得ないことがわかった。また、処理槽壁への酵母の吸着も起こっていると考えられるが、果汁中の生残菌が多いために死滅曲線にテーリング減少は認められなかった。
比較例2
本比較例において、通気型反応槽(図10参照)を用いて、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の死滅率を測定した。
通気型反応槽は、比較例1におけるDead−end型反応槽の上部に圧力調整弁を設けた構造を有し、所定の圧力にした後も、加圧二酸化炭素の通気を持続させ、圧力調整弁を経て二酸化炭素を排出させる方法である。
比較例1のDead−end型反応槽の上部に圧力調整弁を配置した処理槽に、予め40℃に加温したオレンジ果汁を、40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽に充填し、処理槽底部のミクロフィルターから加圧二酸化炭素を毎分6リットル(標準状態)の割合で供給したところ、二酸化炭素の供給開始から5分後には溶解二酸化炭素の濃度は1.2Mに達した。
その後、0、5、10、20、30分間経過したときに、処理槽底部の液体食品排出口から少量のオレンジ果汁をサンプリングし、生残菌数の計測に用いた。生残菌の計測方法は、実施例2と同様にして行った。その結果を図11に示す。
図11より、初期の急速な死滅挙動から、二酸化炭素の溶解は十分に行われたと考えられる。しかしながら、5分以降、生残曲線の傾きは小さくなり、殺菌速度が低下していくことがわかった(テーリング現象)。これは、処理槽内壁に吸着した酵母が十分な濃度の二酸化炭素と接触していないために起こった現象と考えられる。
比較例1及び比較例2から、40℃で十分な殺菌効果を得るためには0.71Mの溶解二酸化炭素濃度では不十分であることがわかった。更に、生残菌数を1/1,000,000に減らすためには、加圧二酸化炭素の微小気泡が試料液中を上昇することによる、僅かな攪拌効果では不十分であり、強制的な攪拌操作が必須であることが判明した。
比較例3
本比較例において、比較例2で用いた通気型反応槽(図10参照)にメカニカルシールを施した攪拌翼を挿入した通気型反応槽(図12参照)を用いて、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の死滅率を測定した。
予め40℃に加温したオレンジ果汁を、40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽に充填し、処理槽底部のミクロフィルターから加圧二酸化炭素を毎分6リットル(標準状態)の割合で供給しつつ、攪拌翼で十分に果汁を攪拌する工程を、オレンジ果汁のサンプリングが終了するまで続けた。
なお、加圧二酸化炭素の供給開始から5分後には、溶解二酸化炭素濃度は1.2Mに達したことから、この時点を処理時間の起点として、0、5、10、20、30分間経過後にサンプリングを行った。その結果を図13に示す。
図13より、実施例2と同等の殺菌効果が得られた。しかしながら、本比較例においては、十分な殺菌効果を得ることができたが、通気方式であるため、オレンジ果汁中の香気成分が著しく減少した。
本実施例において、本発明の実施の形態4に示した、処理槽内壁面に固定された邪魔板と、処理槽内で回転するタービン型攪拌翼とプロペラ型攪拌翼を備えた処理装置(図14参照)を用いて、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の死滅率を測定した。
予め40℃に加温したオレンジ果汁を、40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽にその容積の10%を残して充填した。次いで、この空隙部に加圧二酸化炭素(100atm)を導入し、攪拌翼を毎分600rpmで回転させることにより、加圧二酸化炭素を果汁に溶解させたところ、攪拌開始から5分後には溶解二酸化炭素の濃度は1.2Mに達した。
その後,0、5、10、20分間経過したときに、処理槽底部の液体食品排出口から少量のオレンジ果汁をサンプリングし、生残菌数計測に用いた。生残菌の計測方法は、実施例2と同様にして行った。その結果を図15に示す。
図15より、実施例2と同等の結果が得られたことがわかる。しかも本実施例で使用した反応槽は、非通気型反応槽であるためにオレンジ果汁中の香気成分の減少を抑制することができた。
本実施例において、本発明における実施の形態3の処理装置を用いて、処理果汁中の香気成分含有量を調べた。
実施例2と同様にして、オレンジ果汁中に二酸化炭素を溶解させた後、中空軸を回転維持して、処理槽のジャケットに約55℃の温水を循環しオレンジ果汁を40℃まで加温し、オレンジ果汁を40℃、100atmで15分間保持することにより殺菌を完了した後、攪拌を続けながら、圧力調整弁により処理槽内の圧力を10atmまで下げた。さらに攪拌を続けながら不活性ガスを加圧ボンベから毎分1リットル(標準状態)の流速で2分間供給することにより、溶存二酸化炭素をその味を人が感知できないレベルまで除去した。最終的にこの不活性ガスを大気圧まで減圧した後、香気成分分析用オレンジ果汁を採取した。
香気成分の定量法方法は以下のとおりである。
処理果汁100mLを分液ロートに採り、これをジエチルエーテル70mLで3回抽出し、そのエーテル抽出液を合わせてこれに定量のための内部標準(シクロヘキサノール)を一定量添加し、所定の方法でエーテルを気化させ、これを0.1mLまで濃縮した。このエーテル濃縮物1μLをガスクロマトグラフ直結質量分析計に供し、各香気成分の同定と定量を行った。その結果を表1に示す。
表1より、オレンジ果汁中に最も多量存在し、カンキツ果汁の香りに寄与しているリモネン(テルペン炭化水素)は90%以上、爽やかなカンキツの香りに重要な寄与をしているリナロール、ネロール(何れもテルペンアルコール)は95%以上、同じく爽やかな香りのネラールおよびゲラニアール(テルペンアルデヒド)は90%以上、果汁中に保持されていることが明らかとなった。なお、何れも未処理果汁を100%とする。
本実施例において、実施の形態4の処理装置(図14参照)を用いて、実施例4と同様にして、処理果汁中の香気成分含量を調べた。
予め40℃に加温したオレンジ果汁を、40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽にその容積の10%を残して充填した。次いで、この空隙部に加圧二酸化炭素(100atm)を導入し、攪拌翼を毎分600rpmで回転させる工程を実施例3と同じく15分間続け殺菌を完了した後、攪拌を続けながら圧力調整弁により処理槽内の圧力を10atmまで下げた。さらに攪拌を続けながら不活性ガスを加圧ボンベから毎分1リットル(標準状態)の流速で2分間供給することにより、溶存二酸化炭素をその味を人が感知できないレベルまで除去した。最終的にこの不活性ガスを大気圧まで減圧した後、香気成分分析用オレンジ果汁を採取した。その後、このオレンジ果汁を実施例3と同様にして、香気成分分析に供した。その結果を表1に示す。
表1より、リモネン、リナロール、ネロール、ネラールおよびゲラニアールは、実施例4とほぼ同じレベルで果汁中に保持された。
比較例4
本比較例において、比較例3で用いた通気型反応槽(図12参照)を用いて、実施例3と同様にして、処理果汁中の香気成分含有量を調べた。
予め40℃に加温したオレンジ果汁を、40℃の温水をジャケットに循環させている処理槽に充填し、処理槽底部のミクロフィルターから加圧二酸化炭素(100atm)を毎分6リットル(標準状態)の割合で供給しつつ、攪拌翼で十分に果汁を攪拌する工程を、実施例3と同じく15分間続け殺菌を完了した後、攪拌を続けながら、圧力調整弁により処理槽内の圧力を10atmまで下げた。さらに攪拌を続けながら不活性ガスを加圧ボンベから毎分1リットル(標準状態)の流速で2分間供給することにより、溶存二酸化炭素をその味を人が感知できないレベルまで除去した。最終的にこの不活性ガスを大気圧まで減圧した後、香気成分分析用オレンジ果汁を採取した。その後、このオレンジ果汁を実施例3と同様にして、香気成分分析に供した。その結果を表1に示す。
表1より、リモネンは未処理果汁に対して、約40%に減少した。リナロール、ネロールは比較的良好に保持されたが、ネラールおよびゲラニアールは約60%まで減少した。これは主として加圧二酸化炭素の通気による香気成分の抽出と処理槽外への排出によるものである。
従って、加圧二酸化炭素を溶解させる手段としては、加圧二酸化炭素を処理槽外に排出することが無い、循環方式が好ましいといえる。
Figure 2004045316
産業上の利用性
本発明によれば、液体食品中の香気成分を失うことなくその液体食品に加圧した二酸化炭素を高濃度に溶解させ、液体食品温度を目的に応じて上昇させ、二酸化炭素を溶解した液体食品を目的に応じて保持させ、効率的に殺菌処理を行うとともに、液体食品中に溶存する二酸化炭素を効率よく除去し、香気成分等の揮発性成分の濃度分極をも抑制することができる。また、装置の小型化による省スペース化を図り、コストの低減を実現できる。
循環型処理槽を用いたので、非循環型の処理槽(Dead−end方式)や通気型の処理槽に比べて、効率的に二酸化炭素を溶解することができ、二酸化炭素の使用量が少なくてすむとともに、香気成分の損失を最小限に抑えることができる。
処理槽内の液体食品を攪拌することにより、処理槽内の溶解二酸化炭素の濃度と液体食品の温度を一定に保つことができる。さらに、処理槽内の壁面への微生物の吸着を抑えることができ、高い殺菌効率を得ることが可能である。
二酸化炭素の溶解・二酸化炭素濃度および液体食品温度の保持・溶存二酸化炭素の除去を同一の処理槽内で時間をずらして行うことができるので、液体食品の送液用の高圧ポンプを設置する必要がなくなり、省スペース化を実現することができる。また、各種条件を設定する幅が広く、大きな滞留時間を設定できるとともに、二酸化炭素の使用量が少なくてすみ、二酸化炭素のリサイクルが容易である。更に、処理槽内の圧力制御のみですみ、流量制御が不要であるため、システム制御が容易で、安全性に優れるとともに、省エネシステムを実現することができる。
加圧二酸化炭素を利用して液体食品の殺菌処理を効率的に行った後、液体食品の容器への充填に先立ち、人によって容易に感知される濃度で含有されている二酸化炭素を人によって感知されないレベルにまで除去することができる。

Claims (6)

  1. 液体食品を充填した処理槽内に加圧二酸化炭素を導入し、該処理槽内で加圧二酸化炭素を液体食品中に攪拌循環させることにより、二酸化炭素を液体食品中に溶解し、且つ該液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一にする第1工程、液体食品中の溶解二酸化炭素の濃度を均一に維持しながら液体食品中に含まれる酵素を失活させ及び/又は微生物を死滅させる条件を保持する第2工程、及び加圧二酸化炭素の一部を排出した後液体食品中に不活性ガスを通気して、該処理槽内で不活性ガスを液体食品中に攪拌循環させることにより、溶存した二酸化炭素を除去する第3工程を含むことを特徴とする液体食品の処理方法。
  2. 第1工程の後に、加圧二酸化炭素を溶解した液体食品を加熱する工程を備え、及び/又は、第2工程の後に、加圧二酸化炭素を溶解した液体食品を冷却する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の液体食品の処理方法。
  3. 処理槽に、ガス導入口及びガス排出口、液体食品導入口及び液体食品排出口を有し、回転し得る中空軸を内蔵する液体食品の処理装置であって、(1)該中空軸と該処理槽との接触部は気密に形成され、(2)該中空軸は、その端部に二酸化炭素又は不活性ガス吸引口が設けられ、該中空軸の任意の位置に、該中空軸に連通して形成された二酸化炭素又は不活性ガスを分散させる複数の小孔を有するガス分散装置が設けられ、さらに、該中空軸には中空軸に連通する又は連通しない複数の攪拌翼を設けられてなることを特徴とする液体食品の処理装置。
  4. 該処理槽に液体食品を加熱または冷却する手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の液体食品の処理装置。
  5. 処理槽に、ガス導入口及びガス排出口、液体食品導入口及び液体食品排出口並びに該処理槽内壁面に固定された少なくとも1つの邪魔板を有し、回転し得る攪拌軸を内蔵する液体食品の処理装置であって、(1)該攪拌軸と該処理槽との接触部は気密に形成され、(2)該攪拌軸は、液体食品の液面近傍に設けられた1つのタービン型攪拌翼とその下方に設けられた少なくとも1つのプロペラ型攪拌翼を設けられてなることを特徴とする液体食品の処理装置。
  6. 該処理槽に液体食品を加熱または冷却する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の液体食品の処理装置。
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