JP2001128652A - 液状物質の連続処理装置及びそれにより処理された液状物質 - Google Patents
液状物質の連続処理装置及びそれにより処理された液状物質Info
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Abstract
用いた液状原料の連続処理装置において、小型の処理槽
でも高い殺菌効率や酵素失活効率が得られるようにす
る。 【解決手段】 超臨界状態の液体二酸化炭素を液状原料
に接触させるための臨界処理部を、それぞれ独立して動
作可能な複数の処理ユニット81A〜81Cで構成す
る。処理ユニット81A〜81Cを接続する流路の構成
は、例えば、処理速度を優先する場合は全てのユニット
を並列接続する一方、殺菌、酵素失活等の効果を高める
ことを優先する場合は全てのユニットを直列接続すると
いうように、処理に応じて変更できる。溶解部も同様に
複数のユニットで構成することができる。
Description
流体を用いた液状食品・液状薬品等の酵素、胞子の失活
処理、殺菌処理、或いは液状食品等の脱臭処理などを連
続的に行う連続処理装置と、その装置により処理されて
成る液状物質(例えば、液状飲食物、液状薬品)に関す
る。
があるが、例えば清酒やビール、果汁がその代表的なも
のである。清酒の製造工程を見ると、発酵終了後に圧搾
・濾過して新酒を得る第1工程、新酒を加熱殺菌して貯
蔵する第2工程、得られた原酒を調合して酒質を決定す
るとともにアルコール分を規格に適合するように調整す
る第3工程、調整した酒を再び加熱殺菌して瓶や紙パッ
クなどに充填する第4工程、を有している。このよう
に、清酒では2回の加熱処理を受けることにより酵素の
失活と殺菌とがなされており、これによって流通中の清
酒の質の悪変を防止するようにしている。しかしなが
ら、このような加熱処理は新酒の新鮮な香味を著しく減
少する要因ともなっている。そのため、新鮮な味や香り
を楽しむために加熱処理を行っていない生酒も好まれて
おり、生酒は品質を維持するために低温で流通されてい
る。しかし、このような加熱処理を行っていない生酒は
α−アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素の作用により品
質が劣化し易い上に、冷温流通のためのコストの増大な
どの問題がある。
定性を保つためにはペクチンエステラーゼ(PE)の不
活性化が必要であるが、PEは熱に安定な酵素であるた
め、加熱による失活を行うには高温条件下の熱処理(8
8〜99℃又は120℃)が必要になる。しかしなが
ら、このような高温条件下での熱処理を行うと果汁の風
味を損なうという問題がある。
酵素含有液状食品に超臨界状態の二酸化炭素を接触させ
ることにより酵素を失活させるという、新規の技術を既
に提案している(特開平7−170965号公報参
照)。この技術では、処理槽内に酵素含有液状食品を貯
留し、密閉した状態で処理槽内を所定の温度、圧力条件
に保つとともに、処理槽内に二酸化炭素の超臨界流体を
フィルタを介して微小なサイズ(平均直径が数100μ
m以下)にして供給することにより、液状食品中に超臨
界流体を溶け込み易くしている。この方法によれば、効
率よく酵素の失活ができるだけでなく、食品に接触する
のは二酸化炭素だけであるので、安全性が高いという利
点がある。また、この方法によれば細菌、酵母、カビな
どの微生物の殺菌処理も同時に行うことができる。
理・殺菌処理をより効率的に且つ品質の劣化なく行うた
めの連続処理装置を提案している(特開平9−2060
44号公報、米国特許第5,704,276号公報参
照)。この連続処理装置では、所定圧力、所定温度に維
持した処理槽底部に液状食品を連続的に送給するととも
に処理槽底部に配設したメッシュ状フィルタを通して超
臨界状態の二酸化炭素を連続的に供給し、処理槽内上部
の液面下近傍に液体取出口を設けて製品を回収してい
る。処理槽内で液状食品と微小泡状の超臨界流体とは上
昇方向に並流しつつ接触し、これにより酵素を効率よく
失活させることができる。また、処理槽上部には超臨界
流体排出口を設け、超臨界流体を取り出して二酸化炭素
供給源へ戻すことにより再利用するようにしている。こ
の装置によれば、液状食品を連続的に処理することがで
きるので、大量に処理を行う必要がある飲料・食品工場
などへの導入に有益である。
れば、酵素の失活、殺菌などの処理を高い効率で連続的
に行うことができる。しかしながら、この連続処理装置
を実用化しようとする場合、特にコストの面において課
題がある。すなわち、上記連続処理装置では、二酸化炭
素の超臨界状態を維持するために処理槽を31.1℃以
上に保つ必要があるが、液状食品中への二酸化炭素の溶
解度は温度が高いほど低くなり、溶解という点から見る
と効率が悪い。このため、充分な失活・殺菌効果を得る
には、液状食品と超臨界流体とが並流した状態を所定時
間(数分〜数十分程度)維持しなければならず、処理槽
を大容量化することにより時間を稼ぐ必要がある。ま
た、処理槽を上記温度に維持するために、加温器を付設
する必要がある。更に、処理槽に供給される液状食品の
温度が低いと処理槽内部での反応が遅くなるため、処理
槽に供給するまでの間に液状食品を適度に加熱するため
の加温器も必要である。このように、上記連続処理装置
では大掛かりな設備が必要となり、コストが高くなると
ともに設備の占有面積も大きくなる。
活処理などに比較すればかなり低いものの常温よりは高
く、そのような温度条件下に上記所定時間、液状食品を
放置しておくことは品質の劣化を伴う恐れがある。具体
的には、例えば搾汁直後の柑橘類果汁は活性の高い酵素
を含有しており、酵素が失活する以前に処理槽内におい
て酵素が作用して果汁の品質を損なう可能性があった。
成されたものであり、その主たる目的は、処理槽を小型
化することができるとともに加温器の設置も最小限で済
ませることができる液状物質の連続処理装置及びそれら
により処理された液状物質を提供することである。
処理装置は、液状食品中へ二酸化炭素を溶解するプロセ
スと、二酸化炭素を超臨界状態にしてそれを維持するプ
ロセスとを、処理槽内で同時に行うものであった。これ
に対し、上記課題を解決するために成された本発明に係
る連続処理装置は、上記2つのプロセスを時間的及び空
間的に分離して行うようにしたことを特徴としている。
液状食品などの液状原料を超臨界又は亜臨界流体を用い
て連続的に処理する連続処理装置において、 a)液状原料を連続的に供給する原料供給流路と、 b)液化した二酸化炭素を連続的に供給する二酸化炭素供
給流路と、 c)前記原料供給流路を通じて供給される液状原料中に前
記二酸化炭素供給流路を通じて供給される液体二酸化炭
素を溶解させる溶解部と、 d)前記溶解部により液体二酸化炭素を溶解させた液状原
料を前記溶解部から取り出し、所定温度、所定圧力条件
下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又は亜臨界
状態にする臨界処理部と、 e)前記臨界処理部を通過した液状原料を急速に減圧して
二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧部
と、を備え、前記溶解部及び前記臨界処理部の少なくと
も一方が、 それぞれ独立して動作可能な複数のユニット、及び、前
記複数のユニットから稼動ユニットとして選択された一
部又は全てのユニットに液状原料が供給されるような流
路を構成するための流路構成機構を備えることを特徴と
している。
処理装置によって処理され回収された液状物質であるこ
とを特徴としている。
液状食品や液状薬品などの液状原料を原料供給流路を通
して溶解部に連続的に供給する一方、冷却・液化された
二酸化炭素(液体二酸化炭素)を二酸化炭素供給流路を
通して溶解部に連続的に供給する。二酸化炭素供給流路
の出口には例えば微小孔径のメッシュ状フィルタが設け
られており、このフィルタを通過する際に液体二酸化炭
素は微小泡になって液状原料中に溶け込む。勿論、高速
ミキサー、超音波発生装置などの他の方法によって、二
酸化炭素と液状原料との接触効率を高めるようにしても
構わない。周知の如く液体二酸化炭素の液体中への溶解
度は周囲温度が低いほど高い。したがって、溶解部は望
ましくは冷却しておく方が好ましいが、常温であっても
短時間で充分な量の液体二酸化炭素を液状原料中に溶け
込ませることができる。特に冬期間には、周囲温度が低
いので溶解効率も高い。
し、該溶解槽底部に原料供給流路からの液状原料の入口
と二酸化炭素供給流路からの液体二酸化炭素の入口とを
設け、液体取出口は溶解槽上部の液面近傍に設ける構成
とすることができる。これによれば、溶解槽底部から導
入された液状原料は溶解槽内を上昇するように流れ、泡
状の液体二酸化炭素も同方向に流れる。したがって、接
触面積が極めて広く、液体二酸化炭素は液状原料中に効
率的に溶け込む。
用いられる原料配送管内を流れる液状原料中に液体二酸
化炭素を送り込むことにより液状原料に二酸化炭素を溶
解させるように構成してもよい。このように原料配送管
内で液状原料に二酸化炭素を溶解させるようにすれば、
二酸化炭素の溶解のための特別な槽を原料配送管の途上
に配設する必要がなくなるため、装置全体を小型化する
ことができる。
化炭素を効率よく溶解させるための方法としては、例え
ば、原料配送管内にメッシュ状フィルタを配設し、この
フィルタに液体二酸化炭素を通すことにより液体二酸化
炭素の微小泡を液状原料中に放出するという方法や、原
料配送管の途上に液体を混合するためのミキサーを配設
し、このミキサーよりも上流において液状原料中に液体
二酸化炭素を送り込むという方法が挙げられる。なお、
先に述べたように、液体二酸化炭素の液体中への溶解度
は周囲温度が低いほど高いので、上記のようにフィルタ
やミキサーを配設した箇所においては原料配送管を冷却
しておく方が好ましい。ただし、このとき原料配送管を
特別に低い温度にまで冷却する必要は必ずしもなく、例
えば常温程度であっても短時間で充分な量の液体二酸化
炭素を液状原料中に溶け込ませることができる。特に冬
期間には、周囲温度が低いので溶解効率も高い。従っ
て、例えば原料配送管の上記箇所を保温する手段を設け
るだけでも効果がある。
液状原料は次段の臨界処理部に送られる。臨界処理部は
二酸化炭素を超臨界又は亜臨界状態にするために必要な
温度及び圧力条件に維持される。かかる条件としては、
温度が30〜80℃、好ましくは30〜50℃、圧力が
40〜400atm、好ましくは100〜300atm
とするとよい。このような条件下において、液状原料に
溶解している液体二酸化炭素は急速に超臨界又は亜臨界
状態に変化する。液状原料の加温槽内での滞留時間はせ
いぜい1分程度で充分である。このため、温度が常温よ
り高い状態であるにも拘わらず、液状原料の品質の劣化
は最低限に抑えられる。
理部の少なくとも一方が、それぞれ独立して動作可能な
複数のユニットで構成されており、流路構成機構を用い
て流路構成を変更することにより、ある処理では一部の
ユニットにのみ液状原料を配送する一方、別の処理では
全てのユニットに液状原料を配送するというように、必
要に応じて液状原料の配送先となるユニット(稼動ユニ
ット)を選択することができる。より好ましくは、流路
構成機構は、選択された稼動ユニットの原料供給流路に
対する接続状態を直列接続と並列接続との間で切り換え
ることができるように構成される。このように流路構成
機構を構成した場合、例えば、処理速度を優先するとき
には全てのユニットを並列接続する一方、殺菌、酵素失
活、脱臭等の効果をできるだけ高めることを優先すると
きには全てのユニットを直列接続するというように、ユ
ニットを接続する流路の構成を処理の目的に応じて最適
化することができる。
おいては、臨界処理部により上記処理を行った液状原料
の圧力を急激に降下させる。すると、酵素の活性物質で
ある蛋白質中に浸透していた二酸化炭素が急激に膨張
し、蛋白質が破壊されて酵素は失活する。また、各種微
生物の殺菌も行われる。液状原料中に溶け込んでいた二
酸化炭素は気化して液状原料中から揮散するので、液状
原料を処理後の製品として回収することができる。この
ような減圧工程では減圧の速度が重要である。例えば、
オリフィスを有する圧力調節弁を用いて減圧を行う場
合、液状原料がそのオリフィス内を20ミリ秒以下、好
ましくは10ミリ秒以下で通過するように減圧速度を設
定するとよい。
は生酒、ビール、ワイン、醤油などの発酵・醸造液状食
品、各種果汁類、清涼飲料水などが代表的である。果汁
類は、通常リンゴ、ブドウ、各種柑橘類などを原料とし
て得られるが、トマトやその他の野菜を原料として得ら
れる搾汁液であってもよい。また、液状原料は食品でな
くともよく、各種輸液、血液製剤、栄養補給液剤などの
液状薬品でもよい。
物質の連続処理装置によれば、液状原料への液体二酸化
炭素の溶解工程と、二酸化炭素を超臨界又は亜臨界状態
へ移行させる臨界処理工程とを分離しているので、各工
程を極めて効率的に実行することができ、従来の連続処
理装置と比較して総合的な処理時間を大幅に短縮するこ
とができる。それに伴い、大型の処理槽が不要になると
ともに液状原料の加温器なども不要になるため、装置の
小型化が達成できる。また、臨界処理工程における温度
設定を最適化できるので、従来よりも一層高い酵素の失
活、殺菌などの効果を得ることができる。更には、液状
原料が加温された状態に維持される時間が短いので、製
品の風味を損なう恐れも一層少ない。
図面を参照して説明する。
ある。この装置において、液状原料は原料槽1に貯蔵さ
れており、原料槽1底部と溶解槽11底部とは原料供給
流路3で接続されている。この流路3の途中には加圧し
つつ送液を行うためにポンプ2が配設されており、ポン
プ2の運転条件を適当に設定することにより、液状原料
を所望の流速にて溶解槽11へ連続的に送給することが
できる。
1底部との間には、バルブ5、ラインフィルタ7、冷却
器8、ポンプ9を備えた二酸化炭素供給流路10が接続
されている。冷却器8は、配管途中で二酸化炭素が気化
した場合、或いは後記リサイクル流路30を介して供給
される気体二酸化炭素を冷却液化するためのものであっ
て、二酸化炭素は液体状に維持されたままポンプ9によ
り加圧されて溶解槽11に供給されるようになってい
る。
その底部の原料供給流路3の出口には導入口12が設け
られ、二酸化炭素供給流路10の出口には微小孔を有す
るメッシュ状のフィルタ13が設置されている。液状原
料中へ液体二酸化炭素を効率よく溶解させるには、該液
体二酸化炭素をできる限り微細な粒子として放出するこ
とが好ましい。そこで、このフィルタ13のメッシュは
100μm以下、更に望ましくは20μm以下にしてお
くとよい。溶解槽11の底部にはバルブにより開閉自在
の排液用のドレイン14も接続されており、一方、溶解
槽11内の上部の液面近傍には液体取出口18が設けら
れている。すなわち、導入口12から導入された液状原
料は溶解槽11内を上昇するように流れ、液面近傍に到
達したときに液体取出口18から外部へ取り出される。
れており、液位センサ16の出力信号をポンプ2にフィ
ードバックしてその動作を制御することにより、溶解槽
11内の液位レベルが略一定に維持されるようにしてい
る。なお、液位センサ16を用いる代わりに、例えば上
記液体取出口18から取り出す液量と導入口12から供
給する液量とを等しくするような制御手段を設けるなど
の他の方法によって溶解槽11内の液位レベルを一定に
維持するようにしてもよい。このように液位レベルを一
定に維持することにより、液状原料が溶解槽11内を通
過する時間を一定に維持することができるので、後述の
ような二酸化炭素の溶解が安定して均等に行われる。
酸化炭素排出口17が設けられている。後述のように溶
解槽11内では液状原料への液体二酸化炭素の溶解が行
われるが、条件によっては一部の液体二酸化炭素が亜臨
界又は超臨界状態に変化することがある。その場合、亜
臨界又は超臨界流体の密度は液体密度よりも小さいの
で、液面よりも高い位置にある二酸化炭素排出口17か
らこの亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素を取り出すこ
とができる。
が接続されている。この加温配管20は加温器19を備
えた保温槽(又は保温用金属ブロックなど)内に保持さ
れており、加温配管20の温度は温度センサ21でモニ
タできるようになっている。この温度センサ21により
モニタした温度を加温器19にフィードバックすること
により、加温配管20の温度をほぼ一定に維持すること
ができる。
5によりモニタされる。溶解槽11及び加温配管20
は、ポンプ2、9と圧力調節弁22、28とに挟まれて
いるから、ポンプ2、9による液状原料及び液体二酸化
炭素の送給速度と圧力調節弁22、28の開度とによっ
て所定の圧力値に調整できるようになっている。
させるための圧力調節弁22を途中に備えた製品回収流
路23が接続されており、その末端は減圧タンク24に
接続されている。減圧タンク24では製品(処理済みの
液状原料)中に溶け込んでいる二酸化炭素を気化させて
取り出し、その気体二酸化炭素をバルブ25を介してリ
サイクル流路30に戻すことができるようにしている。
減圧タンク24内に溜まった製品は製品タンク26に移
される。なお、減圧タンク24内で二酸化炭素が気化す
る際に気化熱が奪われるため、加温配管20内で温めら
れた液状原料は減圧タンク24内で冷却され、常温若し
くは低温の製品が得られる。
8を介してリサイクルタンク29に接続される二酸化炭
素回収流路27が接続されている。この二酸化炭素回収
流路27へ送られた超臨界又は亜臨界流体は圧力調節弁
28で減圧されて気体二酸化炭素になり、リサイクルタ
ンク29に回収される。リサイクルタンク29には逆止
弁31、バルブ6を介して二酸化炭素供給流路10へ接
続されるリサイクル流路30が連結されており、液体二
酸化炭素ボンベ4に代わる二酸化炭素供給源として機能
するようになっている。すなわち、リサイクル流路30
を介して再利用される二酸化炭素量に不足する分だけを
液体二酸化炭素ボンベ4から供給すればよく、該ボンベ
4から供給する液体二酸化炭素量を節約することができ
る。
説明する。溶解槽11には導入口12を介して液状原料
が連続的に導入される。二酸化炭素供給流路10を通し
て送られてきた液体二酸化炭素がフィルタ13を通過す
ると、そのフィルタ13の孔径に応じた微小泡となって
液状原料中に放出される。すなわち、フィルタ13を介
して導入される微小泡の液体と導入直後の液状原料とは
すぐに接触し、液状原料中に液体二酸化炭素が効率よく
溶け込む。このような溶解は温度が低いほど促進される
から溶解槽11を冷却することが好ましいが、溶解槽1
1の周囲を常温としておくだけでも充分に高い溶解度が
得られる。
溶解槽11内を上昇して液体取出口18に到達する。充
分な酵素失活効果及び殺菌効果を得るには、液状原料に
対する二酸化炭素の溶解度をできるだけ高くすることが
好ましい。また、例えば生命力の強い細菌の殺傷を処理
の目的とする場合は、液体二酸化炭素を液状原料中の細
菌に作用させる時間を十分長く取ることが重要である。
液体二酸化炭素の作用時間を長くするための構成につい
ては後述する。
は加温配管20へ導入される。このとき、液状原料中に
溶解しきれない(つまり混合された状態の)液体二酸化
炭素もともに加温配管20へ導入されることになるが何
ら問題はない。加温配管20は加温器19によって30
〜40℃程度の温度に維持されている。また、加温配管
20(溶解槽11も同じ)内の圧力は100〜300a
tmに維持されている。このような温度、圧力条件下で
は液体二酸化炭素は短時間の間に超臨界流体に変化す
る。液状原料は螺旋状の加温配管20内を約1分程度か
かって通過する。液状原料に溶け込んでいる液体二酸化
炭素が超臨界流体に変化することによって、液状原料に
含まれる酵素の活性物質である蛋白質の一部を崩壊さ
せ、微生物の一部を死滅させる。しかしながら、この時
点ではその効果は一部に留まる。
介して減圧タンク24に到達すると、圧力が急激に下降
するため超臨界状態が解除され、二酸化炭素は一気に気
化して体積が急激に膨張する。その際に、上記酵素の蛋
白質を崩壊させ、微生物を死滅させる。これにより、酵
素の失活、胞子の失活及び微生物の殺菌が行われ、処理
済みの製品が製品タンク26に回収される。その結果、
製品タンク26に貯留された製品は、活性酵素の割合が
極めて低くなり、不所望の微生物もゼロとなる。また、
前述のように回収された時点で製品の温度は低くなって
いる。また、減圧タンク24で二酸化炭素が気化する際
にも熱を加えていないので、液状原料に含まれる香気成
分自体は殆ど揮発せず、風味が損なわれることもない。
た実験により得られた酵素失活効果について説明する。
図2は、図1の装置で処理された液状原料中に残存する
活性酵素の割合を検査した結果であって、比較対象とし
て、従来の亜臨界・超臨界流体を用いた連続処理装置
(前述の特開平9−206044号公報に記載の装置)
による処理結果(比較例1)と、現在一般に使用されて
いる加熱処理法による処理結果(比較例2)とを示して
いる。ここで、液状原料の供給量は20kg/h、二酸
化炭素の供給量は1.6kg/hとし、本例では、温度
50℃、圧力250atmの臨界処理工程を1分間行う
ようにしている。一方、比較例1では、温度40℃、圧
力250atmの臨界処理工程を15分間行っており、
比較例2では、85℃の加熱工程を1分間行っている。
流体を利用した二つの方法つまり本例及び比較例1は共
に、比較例2なる加熱処理法よりも高い失活効果を有し
ている。また、前者の二つの方法の間には失活効果の有
為差は見られない。すなわち、本例の処理方法は、臨界
処理工程が1分という短い時間でもって、15分という
長い臨界処理工程を要する比較例1の処理方法と同等の
酵素失活効果を得ることができる。
残存胞子数も調べたところ、枯草菌(学名:Bacillus s
ubtilis)を始めとする8種類のバチルス属の細菌の残存
胞子数はいずれもゼロであることが確認できた。すなわ
ち、本例の処理方法により、微生物の殺菌も完全に行う
ことができる。
が望まれる液状原料(例えば、果汁)を処理することを
目的として装置を構成する場合は、二酸化炭素排出口1
7から取り出された超臨界状態の二酸化炭素の少なくと
も一部を減圧タンク24へ戻すための流路を別途設けて
もよい。この流路を通じて減圧タンク24に流入した超
臨界状態の二酸化炭素は、減圧タンク24内で気化する
際に、処理槽11内で内部に取り込んでいた香気成分を
放出する。この香気成分は、減圧タンク24に回収され
た製品に再度溶け込む。こうして、回収された製品はよ
り多くの香気成分を含むようになる。
図、図4は図3において矩形Rで囲まれた部分の拡大図
である。
は液体出口51aを有する原料槽51に貯留されてい
る。原料槽51の液体出口51aは、途上にポンプ52
が配設された原料配送管53により処理ユニット54の
液体入口54aに接続されている。一方、処理に用いら
れる液体二酸化炭素はボンベ55に貯蔵されている。ボ
ンベ55のガス出口55aには、バルブ56、ラインフ
ィルタ57、冷却器58及びポンプ59が途上に配設さ
れた二酸化炭素送給管60の一端(入口端)が接続され
ている。二酸化炭素送給管60の他端(出口端)は、原
料配送管53の途上の側壁を貫通して該原料配送管53
内に挿入されている。二酸化炭素送給管60の出口端の
近傍には微小孔を有するメッシュ状のフィルタ61が配
設されている。また、原料配送管53には内部の圧力を
検出するための圧力センサ53aが処理ユニット54の
液体入口54aの近傍に備えられている。
センサ54cを備える保温槽であり、その内部には螺旋
状の加温配管62が備えられている。処理ユニット54
内において、加温配管62の一端は上記液体入口54a
に連通しており、同他端は処理ユニット54の液体出口
54dに連通している。処理ユニット54の液体出口5
4dは、圧力調節弁63を備える製品回収流路64の一
端が接続されている。製品回収流路64の他端は、圧力
センサ65aを備える減圧タンク65の側壁に設けられ
た液体入口65b内に接続されている。減圧タンク65
の底部には製品取出口65cが設けられており、その直
下には製品タンク66が配置されている。減圧タンク6
5の上部には二酸化炭素排出口65dが設けられてお
り、ここに、圧力調節弁67が途上に配設された二酸化
炭素回収流路68の一端が接続されている。二酸化炭素
回収流路68の他端はリサイクルタンク69の上部に設
けられたガス入口69aに接続されている。リサイクル
タンク69の底部にはガス出口69bが設けられてお
り、ここにリサイクル管70の一端が接続されている。
リサイクル管70の途上には逆止弁71及びバルブ72
が配設されている。リサイクル管70の他端はバルブ5
6及びラインフィルタ57の間で二酸化炭素送給管60
に接続されている。
圧力センサや温度センサの出力信号に基づいて装置の各
部を駆動するための制御装置が備えられている。例え
ば、この制御装置は、温度センサ54cの出力信号に基
づいて加温器54bをフィードバック制御することによ
り処理ユニット54内の温度を所定値に維持する温度制
御装置として機能する。また、同制御装置は、圧力セン
サ53a、65aの出力信号に基づいてポンプ52、5
9や圧力調節弁63、67をフィードバック制御するこ
とにより加温配管62内の圧力や減圧タンク65内の圧
力をそれぞれ所定値に維持する圧力制御装置としても機
能する。圧力制御について更に付言すると、制御装置
は、圧力センサ53aにより検出される原料配送管53
内の圧力(これは、加温配管62内の圧力でもある)を
100〜300atm程度に維持するとともに、圧力セ
ンサ65aにより検出される減圧タンク65内の圧力を
それよりもはるかに低い値(2〜40atm程度)に維
持するように上記各部を制御する。
ず、装置の起動時には、二酸化炭素送給管3上に配設さ
れたバルブ56を開き、2つのポンプ52及び59を起
動する。ポンプ52を起動すると、原料槽51に貯留さ
れた液状原料が原料配送管53へ連続的に供給されるよ
うになる。また、ポンプ59を起動すると、ボンベ55
に貯蔵された液体二酸化炭素が二酸化炭素送給管60を
通じて原料配送管53内へ送り込まれるようになる。こ
こで、例えばボンベ55から流出した液体二酸化炭素が
二酸化炭素送給管60内で気化してガスになっても、そ
の二酸化炭素ガスは冷却器58により再度液化されるた
め、原料配送管53には液体二酸化炭素が安定して供給
される。
化炭素は、二酸化炭素送給管60の出口端から流出する
際にフィルタ61を通過し、微小泡化されて液状原料中
に放出される(図4)。このようにすると、フィルタ6
1を通じて導入される微小泡の液体と導入直後の液状原
料とがすぐに接触するため、液状原料中に液体二酸化炭
素が効率よく溶け込む。なお、液状原料中へ液体二酸化
炭素を効率よく溶解させるには、該液体二酸化炭素をで
きる限り微細な粒子として放出することが好ましい。そ
こで、このフィルタ61のメッシュは100μm以下、
更に望ましくは20μm以下にしておくとよい。また、
一般に気体は温度が低いほど液体によく溶解するから、
原料配送管53のうち、少なくともフィルタ61が内部
に配設された部分を冷却することが好ましい。もっと
も、特に冷却するのではなく、例えば、前記部分の周囲
を常温としておくだけでも、充分に高い溶解度が得られ
る。
ルタ61が一つだけ配設されているものとしたが、フィ
ルタ61を複数配設するようにしてもよい。このような
例を図5に示す。すなわち、図5(a)の例では、原料
配送管53内に2つのフィルタ61を対向配置してい
る。また、図5(b)の例では、液状原料の流れ方向に
沿って4つのフィルタ61を互い違いに配置している。
このようにすれば、液体二酸化炭素の溶解効率がより高
められる。なお、各フィルタ61へ二酸化炭素を送る管
は、例えば、二酸化炭素送給管60をポンプ59よりも
下流で分岐させることにより構成すればよい。
液状原料は、処理ユニット54の液体入口54aを通っ
て加温配管62へ導入される。このとき、液状原料中に
溶解しきれない(つまり混合された状態の)液体二酸化
炭素もともに加温配管62へ導入されることになるが何
ら問題はない。加温配管62の温度は加温器54bによ
って30〜40℃に維持されている。また、加温配管6
2内の圧力は100〜300atmに維持されている。
このような温度、圧力条件下では液体二酸化炭素は短時
間の間に超臨界流体に変化する。液状原料は螺旋状の加
温配管62内を約1分〜数分程度で通過する。液状原料
に溶け込んでいる液体二酸化炭素が超臨界流体に変化す
ることによって、液状原料に含まれる酵素の活性物質で
ある蛋白質の一部を崩壊させ、微生物の一部を死滅させ
る。しかしながら、この時点ではその効果は一部に留ま
る。
出した液状原料は製品回収流路64内を流れ、圧力調節
弁63を通って減圧タンク65に流入する。このとき、
圧力が急激に下降するため超臨界状態が解除され、二酸
化炭素は一気に気化して体積が急激に膨張する。その際
に、上記酵素の蛋白質を崩壊させ、微生物を死滅させ
る。これにより、酵素の失活、胞子の失活及び微生物の
殺菌が行われる。また、減圧に伴い、液状原料の温度は
常温若しくはそれより低い温度にまで急激に低下する。
こうして得られた処理済みの製品は製品取出口65cか
ら取り出され、製品タンク66に回収される。こうして
製品タンク66に貯留された製品は、活性酵素の割合が
極めて低く、不所望の微生物もゼロとなる。また、減圧
タンク65で二酸化炭素が気化する際にも熱を加えてい
ないので、液状原料に含まれる香気成分自体は殆ど揮発
せず、風味が損なわれることもない。
た二酸化炭素は減圧によりほとんど気化して液状原料と
分離するため、製品取出口65cから取り出される製品
には極めて微量の二酸化炭素しか含まれていない。しか
し、製品の種類によっては更に徹底して二酸化炭素を除
去する必要があるものもある。このような製品を製造す
るには、製品取出口65cから取り出された製品に脱気
処理を施すためのユニットを減圧タンク65の後段に設
けるようにすればよい。このような脱気ユニットは従来
より知られている液体の脱気方法、例えば、減圧による
方法(液体を封入した密閉槽を真空引きすることにより
該液体から気体を抽出する)や、遠心分離法を利用して
構成することができる。
た二酸化炭素は、二酸化炭素排出口65dを通って二酸
化炭素回収流路68に流れ込み、圧力調節弁67を経て
リサイクルタンク69へ至る。リサイクルタンク69に
十分な量の二酸化炭素が回収された後で、リサイクル管
70上に配設されたバルブ72を開くと、ポンプ52の
作用により、リサイクルタンク69に貯蔵された二酸化
炭素がリサイクル管70及び二酸化炭素送給管60を通
じて再び原料配送管53へ送り込まれる。このとき、リ
サイクル管70内で二酸化炭素が気体状であっても、そ
の二酸化炭素は冷却器58を通過する際に液化された上
で原料配送管53へ送られる。このように、リサイクル
タンク69は、第二の液体二酸化炭素供給源として利用
することができる。従って、例えば、十分な量の二酸化
炭素がリサイクルタンク69に貯蔵された後はリサイク
ルタンク69に貯蔵された二酸化炭素を主として用いる
ようにし、それで不足する分量だけをボンベ55から取
り出すようにすれば、液体二酸化炭素の消費量を抑える
ことができるため、好ましい。
れたフィルタ61により液体二酸化炭素を微小泡化する
ことにより該液体二酸化炭素の液状原料への溶解を促進
するようにしたが、この他にも、液体二酸化炭素の溶解
を促進する方法には様々なものが考えられる。図6は、
静止型ミキサーを用いて構成された溶解促進機構の一例
を示す図である。この機構は、原料配送管53と二酸化
炭素送給管60との接続箇所よりも下流において原料配
送管53の途上に静止型ミキサー75を配設して成るも
のである。なお、このように静止型ミキサーを用いる場
合において、液体二酸化炭素の溶解効率をより高めるた
めには、例えば、二酸化炭素送給管60をポンプ59よ
りも下流で分岐させて成る複数の分岐管を原料配送管5
3に接続することにより、複数箇所で液体二酸化炭素を
液状原料中に送り込むようにすればよい。
菌処理装置の一例を示す構成図である。図7の装置は、
図3の装置に用いられている処理ユニット54と同様に
構成された3つの処理ユニット81A〜81Cを備えて
いる。原料配送管53はフィルタ61より下流において
3本の分岐管82A〜82Cに分かれている。これら3
本の分岐管82A〜82Cの先端は上記3つの処理ユニ
ット81A〜81Cの液体入口にそれぞれ接続されてい
る。また、これら3本の分岐管82A〜82Cにはそれ
ぞれバルブ83A〜83Cが配設されている。一方、3
つの処理ユニット81A〜81Cの液体出口にはそれぞ
れ製品回収用の分岐管84A〜84Cが接続されてい
る。これら3本の分岐管84A〜84Cは下流で合流し
て1本の製品回収流路84となっている。2本の分岐管
84B及び84Cには三方弁85B及び35Cが配設さ
れている。第一の三方弁85Bの一の接続口はバイパス
管86Bにより分岐管82Aに接続されている。同様
に、第二の三方弁85Cの一の接続口はバイパス管86
Cにより分岐管82Bに接続されている。三方弁85B
及び85Cはいずれも矢印A1及びA2で示した2方向
の間で流路を切り換えることができる。上記バルブ83
A〜83C及び三方弁85B、85Cの動作、及び、各
処理ユニット81A〜81Cの動作(例えば、各処理ユ
ニットに備えられた加温器の加温動作)は、図示せぬ制
御装置により制御される。制御装置には、処理に関する
情報、例えば、処理対象となる液状原料の種類や量、処
理の種類(殺菌、失活、脱臭等)、殺菌処理であれば殺
傷しようとする微生物の種類等の情報を使用者が入力す
るための入力装置が備えられている。
て制御装置に入力した処理に関する情報に基づき、稼動
させる処理ユニットの数や流路構成を適宜変更すること
ができる。例えば、処理すべき液状原料の量が多いとき
には、3つのバルブ83A〜83Cを全て開くととも
に、三方弁85B及び85Cの方向をA1に設定する。
このように流路を構成すると、3つの処理ユニット81
A〜81Cが並列接続された状態になるため、同時に大
量の液状原料を処理することができる。また、例えば、
殺傷しようとする微生物が非常に生命力の強いものであ
る場合は、第一及び第二のバルブ83A及び33Bを閉
じる一方で第三のバルブ83Cを開き、三方弁85B及
び85Cの方向をA2に設定する。このようにすると、
3つの処理ユニット81A〜81Cが直列接続された状
態になるため、処理時間が長くなり、生命力の強い微生
物でも確実に殺傷される。
処理ユニット54を通過するのにかかる時間(処理時
間)が1分〜数分程度であると述べたが、図7のように
複数の処理ユニットを設ける場合、それらの処理ユニッ
ト全体で十分な処理時間が確保されればよいのであるか
ら、個々の処理ユニットにおける処理時間は上記時間よ
りも短くすることができる。従って、複数の処理ユニッ
トを用いて装置を構成する場合は、螺旋状の加温配管を
有する処理ユニットの代わりに小型の処理槽を有する処
理ユニットを用いてもよい。
理部を構成すれば、処理ユニット毎に異なる温度を設定
することができる。これを利用して、例えば、ある処理
ユニットから次の処理ユニットへ移る際に温度を急激に
変化させるようにすれば、急激な温度変化に弱い細菌に
ショックを与え、これを失活させることができる。ま
た、処理ユニット毎に異なる圧力を設定するようにして
もよい。
処理ユニットを複数用いて臨界処理部を構成したもので
あるが、図1の装置についても同様に臨界処理部を複数
のユニットで構成することができる。また、溶解部もそ
れぞれ独立に動作可能な複数のユニット(溶解ユニッ
ト)で構成することができる。
動作可能な複数のユニットで構成した他の例を図8及び
図9に示す。なお、図8及び図9では、本発明に係る装
置の溶解部、臨界処理部及び減圧部を含む主要部のみ描
いている。
1及び処理ユニット92を含む2セットの溶解・処理ユ
ニット93A、93Bが原料配送管及び製品回収管に対
して並列に接続されている。この装置では、処理の目的
に応じてバルブ94を適宜開閉することにより、いずれ
か一方または両方の溶解・処理ユニットを稼動ユニット
として選択することができる。
部97の両方を複数のユニットで構成している。溶解部
96は、2つの溶解ユニット96A及び96B、バイパ
ス管96C、2つのバルブ96D、96E、及び、三方
弁96F等で構成されている。この溶解部96では、処
理の目的に応じてバルブ96D及び96Eを適宜開閉し
たり三方弁96Fの向きを適宜変更することにより、い
ずれか一方の溶解ユニットのみを稼動ユニットとして選
択したり、2つの溶解ユニットを直列または並列に接続
することができる。臨界処理部97も溶解部96と同様
に2つの処理ユニット等で構成されており、溶解部96
と同様に流路構成を変更することができる。
様々なユニット構成が考えられることは言うまでもな
い。
菌等)に対する液体二酸化炭素の作用時間を長くするた
めの構成について説明する。例えば、図1の装置におい
て液体二酸化炭素の作用時間を長くするには、溶解槽1
1内に邪魔板を配置したり、溶解槽11と加温配管20
との間に液体二酸化炭素を溶解させた液状原料を一定時
間保持するための別の槽(保持槽)を配置すればよい。
このように液体二酸化炭素の作用時間を長くすると、臨
界処理の効率が高まるため、臨界処理部の構成も簡素化
することができる。従って、上記各実施例の装置で用い
た螺旋状の加温配管の代わりに、例えば槽を用いて、よ
り低コストで臨界処理部を構成することができる。
る連続処理装置の一例を示す図である。図10の装置に
おいて、溶解槽101は図1の溶解槽11とほぼ同様に
構成された槽である。保持槽102は、上部に導入口1
02a及び二酸化炭素排出口102bを、また、下部に
液体取出口102cをそれぞれ備える槽である。保持槽
102の導入口102aは管103により溶解槽101
の液体取出口101aと接続されている。溶解槽101
及び保持槽102の底部には、図示せぬ二酸化炭素供給
管からの分岐管104の出口がそれぞれ配置されてお
り、その出口にはメッシュ状のフィルタ(図1または図
3の装置で用いたフィルタと同じものでよい)105が
配設されている。処理槽106は、底部に導入口106
aを、また、上部に液体取出口106bをそれぞれ備え
る槽である。処理槽106には槽の内部を加温するため
の加温器107が取り付けられている。処理槽106の
液体取出口106bは製品回収管108により減圧タン
ク(図1または図3の装置で用いた減圧タンクと同じも
のでよい)109と接続されている。液状原料を溶解槽
101へ送り込む機構、液体二酸化炭素を溶解槽101
及び処理槽106へ送り込む機構、各槽から排出される
二酸化炭素を回収してリサイクルする機構は図示してい
ないが、これらの機構は、例えば図1のように構成すれ
ばよい。
通じて溶解槽101に連続的に液状原料を供給しつつ、
溶解槽101内で液体二酸化炭素の微小泡と液状原料と
を並流接触させることにより液状原料に液体二酸化炭素
を溶解させる。液状原料(の構成分子)が溶解槽101
を通過する時間の理論値は溶解槽101の容積や液状原
料の供給流量等から求められる。しかし、実際には、液
体二酸化炭素の微小泡が浮力により液状原料内を上昇す
る際に、一部の液状原料が微小泡に付随して他の液状原
料よりも早く溶解槽101を通過するというように、液
体二酸化炭素の供給に起因して液状原料の通過時間にば
らつきが生じる。そして、液状原料及び液体二酸化炭素
の供給流量の設定によっては、上記のような液状原料の
通過時間のばらつきが、殺菌効果や酵素失活効果のばら
つき、低下等を招き、製品の品質に影響する恐れがあ
る。
から取り出した液状原料を保持槽102内で一定時間保
持することにより、液体二酸化炭素を液状原料中の酵素
や細菌等に十分に作用させる(酵素や細菌を構成する蛋
白質に十分に浸透させる)。このようにすれば、たとえ
液状原料が理論値よりも短時間で溶解槽101を通過し
ても、溶解槽101における液体二酸化炭素の溶解不足
が保持槽102で十分に補われるため、臨界処理工程や
減圧工程による殺菌効果及び酵素失活効果等の効果が十
分に得られる。更に、図10の装置では、保持槽102
内で液状原料を液体二酸化炭素の微小泡と向流接触させ
ている。このようにすると、液体二酸化炭素(の微小
泡)の流れにより液状原料が適度に撹拌され、液状原料
全体に均一に液体二酸化炭素が溶け込む。なお、このよ
うに保持槽102内で液状原料を液体二酸化炭素の微小
泡と向流接触させることは必須ではなく、単に液状原料
を一定時間保持槽102で保持するだけでも良好な効果
が得られる。
が、実施例は上記のものに限られないことは言うまでも
ない。例えば、図6の溶解促進機構では静止型ミキサー
を用いるようにしたが、撹拌子を備えるミキサーを用い
て溶解促進機構を構成することも可能である。また、フ
ィルタではなく、例えば超音波発生装置を用いて液体二
酸化炭素を微小泡化するようにしてもよい。また、上記
例では加温配管(20、62)の形状を螺旋状とした
が、加温配管の形状はこれに限られず、他の形状とする
こともできる。
る活性酵素の割合を検査した結果の表。
3の矩形Rで囲まれた部分)の拡大図。
タを配設した例を示す図。
機構の一例を示す図。
置の一例を示す図。
処理装置の別の例を示す図。
処理装置の更に別の例を示す図。
理装置の一例を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 液状原料を超臨界又は亜臨界流体を用い
て連続的に処理する連続処理装置において、 a)液状原料を連続的に供給する原料供給流路と、 b)液化した二酸化炭素を連続的に供給する二酸化炭素供
給流路と、 c)前記原料供給流路を通じて供給される液状原料中に前
記二酸化炭素供給流路を通じて供給される液体二酸化炭
素を溶解させる溶解部と、 d)前記溶解部により液体二酸化炭素を溶解させた液状原
料を前記溶解部から取り出し、所定温度、所定圧力条件
下に維持することにより二酸化炭素を超臨界又は亜臨界
状態にする臨界処理部と、 e)前記臨界処理部を通過した液状原料を急速に減圧して
二酸化炭素を除去するとともに製品を回収する減圧部
と、を備え、前記溶解部及び前記臨界処理部の少なくと
も一方が、 それぞれ独立して動作可能な複数のユニット、及び、前
記複数のユニットから稼動ユニットとして選択された一
部又は全てのユニットに液状原料が供給されるような流
路を構成するための流路構成機構を備えることを特徴と
する液状原料の連続処理装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の連続処理装置により処
理され回収された液状物質。
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JP2000130952A JP2001128652A (ja) | 1999-08-25 | 2000-04-28 | 液状物質の連続処理装置及びそれにより処理された液状物質 |
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JP23819299 | 1999-08-25 | ||
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