JP6843578B2 - チャンバー殺菌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チャンバー殺菌装置に関する。より詳しくは、活性酸素を照射して殺菌処理を行うチャンバー殺菌装置及び該装置を用いた殺菌方法に関する。
一般に、食品や医薬品等の殺菌に用いられる装置は、耐腐食性、耐久性の観点から、ステンレスやアルミ等の金属で構成されているものが多い。
例えば、特許文献1に記載の食品殺菌装置は、ノズルから噴出された高温高圧蒸気を予め開けた穴に入り込ませて殺菌を行っているが、蒸気噴出に関するノズルはステンレスで構成されている。
特許文献2では、カップ容器や袋状容器等の容器内に食品が充填・密封された包装食品をマイクロ波により加熱殺菌する際に、パイプから130〜150℃で約3000hPaの加熱加圧空気をステンレス製の外箱内に吹き込んで、内部の包装食品のマイクロ波照射を行っている。
また、特許文献3には、流体中に放電を用いてプラズマ噴流を発生させ、対象物の表面に該プラズマ噴流を接触させることで、プラズマ噴流から表面へのエネルギー伝達によって殺菌(消毒)を行う方法が開示されている。このプラズマ噴流を照射するノズルも金属性である。
特開2014−97004号公報 特開2010−189034号公報 特表2009−519799号公報
一般に、スーパーオキシドラジカル(・O )、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル(HO・)等の活性酸素種(Reactive Oxygen Species、ROS)は、空気中においては主に酸素分子や水分から生成されており、例えば、ヒドロキシラジカルは、水分子にプラズマ電子が反応することにより得られることが知られている。また、これらの活性酸素は、その強い酸化作用により優れた殺菌作用を奏するが、そのメカニズムとしては、表面に存在する細菌を電子反応性に基づいて反応することにより殺菌効果が奏されると考えられている。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、活性酸素による殺菌効果が細菌の存在する表面素材によって変化することが初めて分かった
本発明の課題は、殺菌効果に優れるチャンバー殺菌装置及び該装置を用いた殺菌方法を提供することにある。
本発明は、下記〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 チャンバーと、該チャンバー内に、活性酸素を照射する活性酸素照射ユニット及び殺菌対象物を載置する照射台を含んでなるチャンバー殺菌装置であって、前記照射台が樹脂及び/又は非金属製であることを特徴とする、チャンバー殺菌装置。
〔2〕 活性酸素を照射して殺菌する方法であって、下記工程(A)及び工程(B)を含む殺菌方法。
工程(A):チャンバー内に活性酸素を照射して、環境殺菌を行う工程
工程(B):工程(A)の殺菌を行ったチャンバー内にある樹脂及び/又は非金属製の照射台に載置した殺菌対象物に活性酸素を照射して、本殺菌を行う工程
本発明のチャンバー殺菌装置は殺菌効果に優れるという優れた効果を奏する。また、流体による殺菌のため、従来の殺菌に用いられた薬剤等の残留がないことから、工程の簡略化につながり、生産性を格段に向上することができる。
図1は、本発明のチャンバー殺菌装置の一態様を示す概略図である。 図2は、実施例で用いた樹脂キャップ内面の状態を示す図である。 図3は、実施例で用いた樹脂キャップへの菌付け箇所を示す図である。
一般に、ステンレスやアルミなどの金属は耐腐食性や耐久性が高いため殺菌装置の構成部材に汎用されている。一方で、活性酸素による殺菌効果はその酸化力に基づくことから、その殺菌効果を最大限に発揮させるために本発明者らが鋭意検討した結果、活性酸素の酸化力を周囲の環境によって損失しないようにすることで殺菌効果の低減が抑制されることを見出した。即ち、本発明のチャンバー殺菌装置においては、少なくとも殺菌対象物を載置する照射台を樹脂及び/又は非金属製とすることにより、照射台そのものの酸化反応を抑制することができることから、照射された活性酸素が酸化力を保持したままより多く反応するためであると推定される。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本発明において、「殺菌」とは、微生物の生体を破壊又は殺菌対象表面から除去することを意味し、例えば、消毒、滅菌、又は除菌することを含むものである。
本発明における活性酸素としては特に限定はなく、例えば、交流電流を用いてプラズマを発生させ、得られたプラズマを用いて発生させるものが用いられる。
以下に、本発明のチャンバー殺菌装置を図1に基づいて詳細に説明する。なお、図1に記載のチャンバー殺菌装置は、本発明の一態様に過ぎず本発明を限定するものではない。
図1に示すように、本発明のチャンバー殺菌装置は、交流電流の供給ユニット1、昇圧ユニット2、ガス供給ユニット3、ノズル4、ノズルの冷却ユニット5、ノズルへの水蒸気供給ユニット6、水蒸気供給ユニットへの水供給ユニット7、殺菌対象物を載置する照射台8の各ユニットとチャンバー9を備えて構成される。
交流電流の供給ユニット1は、プラズマ放電の荷電発生源である。供給される交流電流としては、特に制限はなく、例えば、周波数が10〜15kHz、電圧が200〜500V程度のものが例示され、公知技術に従って適宜設定することができる。また、交流電流のアンペア数も特に制限はなく、供給装置の仕様によって適宜調整することができ、例えば、11Aの交流電流が用いられる。本発明においては、交流電流の代わりに直流電流を用いることも可能であるが、電圧を調節する観点から、交流電流の方が好ましい。
昇圧ユニット2は、交流電流の供給ユニット1と接続しており、ユニット1から供給された交流電流の電圧を昇圧する装置である。昇圧可能な装置であれば特に問題なく使用できる。また、ユニット1と一体化したものであってもよい。昇圧後の電圧としては、特に制限はなく、例えば、10〜30kV程度である。
ガス供給ユニット3は、ノズル4及び水蒸気供給ユニット6のそれぞれへ各種ガスを供給する装置であり、公知のガス供給装置を用いることができる。
具体的には、ノズル4へは、プラズマ発生のためのキャリアガスを供給する。キャリアガスとしては、空気、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、及びこれらの混合物を用いることができ、なかでも、空気と酸素の2種類を用いることが好ましい。キャリアガスの供給量は、ノズル4の大きさ、形状等によって一概には設定されない。例えば、空気を6L/minで、酸素を3L/minで供給する態様が例示される。
また、水蒸気供給ユニット6へは、プラズマから活性酸素を生成する際に必要な水蒸気と混合するための空気を供給する。水蒸気に空気を混合して含水気体として用いることで、プラズマと水蒸気との混合が促進され、効率よく水蒸気からヒドロキシラジカルを生成することができる。水蒸気供給ユニット6への空気供給量はノズル4への含水気体供給量と同じであり、例えば、3L/minで供給する態様が例示される。なお、ここでの空気とは、相対湿度が20℃において0〜10体積%程度のもののことを言う。
ノズル4は、プラズマを発生して活性酸素を照射する装置であり、活性酸素照射ユニットともいう。装置には、内部電極及び外部電極が設けられており、両電極間に昇圧ユニット2からの昇圧された電圧をかけることで電界を発生させることが可能になる。また、内部電極にはコイルが接続されていてもよく、より大きな電界を形成することが可能となる。コイルの形状や大きさ等は当業者の技術常識に従って調整することができる。
また、装置には、ガス供給口及び活性酸素照射口が設けられており、ガス供給口は活性酸素照射口が存在する端部とは反対側の端部に存在する。そして、ガス供給口にはガス供給ユニット3からの配管が接続されており、前記のようにして発生させた電界内をキャリアガスが通り抜けることで、プラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマは、流体でもあることからプラズマ噴流と記載することもある。一方、活性酸素照射口は、管状構造又は出口に向かって先細になる円錐構造を有するものであって、出口に至るまでの何れかの部分に水蒸気供給ユニット6から含水気体を供給するための配管が接続されており、前記生成されたプラズマと反応して活性酸素が生成され、活性酸素照射口の出口から照射されることになる。
ノズル4は、前記パーツを有するのであればその形状や大きさは特に限定されず、例えば、筒状構造の上端部にガス供給口が配置され、下端部に当該装置の径より小さい径を有する管状構造の活性酸素照射口が配置された構造が例示される。当該筒状構造は層状構造を形成していてもよく、例えば、キャリアガスが通り抜ける管の周囲に、コイルが形成され、必要により、該コイルの周囲に絶縁材料の層が更に形成される構造が例示される。管は通電素材であれば特に限定はなく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。また、絶縁材料も特に限定はなく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
ノズルの冷却ユニット5は、ノズル4に冷却水を供給する装置であり、公知の冷却水供給装置を用いることができる。ノズル4は高電圧がかかることによって発熱するため、冷却することが好ましい。冷却水は、温度が例えば5℃程度のものを用いることが好ましく、ノズル4と冷却ユニット5の間を循環させてもよい。冷却水の流量は、ノズル4の表面温度が25℃以下となるように適宜調整することができる。なお、ノズル4の表面温度は接触式温度計を用いて測定することができる。
ノズルへの水蒸気供給ユニット6は、ノズル4に含水気体を供給する装置であり、前記したようにノズル4の活性酸素照射口に接続されている。含水気体を供給するにあたっては、先ず、水供給ユニット7から供給された水を内蔵された電熱線により加熱して水蒸気を生成し、その後、ガス供給ユニット3から供給された空気と混合したものを、含水気体としてノズル4に供給している。ここで、水供給ユニット7は水蒸気供給ユニット6と一体化したものであってもよい。電熱線の加熱温度は供給される水の量によって適宜調整することができ、例えば、300℃が例示される。また、水供給ユニット7から供給される水の量は、活性酸素の生成に必要な水蒸気量に応じて調節することが可能であるが、本発明においては、活性酸素含有気体に飽和水蒸気量以上の水分を含有させる観点から、0.5mL/min以上が好ましく、1.0mL/min以上がより好ましい。また、上限は特に設定されないが、6mL/min以下が好ましく、5mL/min以下がより好ましい。かくして得られた水蒸気をガス供給ユニット3から供給された空気と体積比(水蒸気/空気)で0.2〜2.5程度で混合して、ノズル4の活性酸素照射口に供給する。水蒸気と空気の混合体積比は、例えば、上記した水の供給量を変動させることで変更することが可能であり、水供給量を増加すると含水気体に含ませる水蒸気量を増加させることが可能となる。ノズル4において生成されるプラズマ噴流と水蒸気供給ユニット6から供給される含水気体の混合体積比〔プラズマ噴流/含水気体〕としては、0.8〜2.6が例示される。
本発明では、殺菌対象物を載置する照射台8が樹脂及び/又は非金属製であることに特徴を有する。ここで、照射台が樹脂及び/又は非金属製であるとは、照射台全体が樹脂又は非金属、あるいは樹脂と非金属で構成されているだけでなく、照射台の一部が樹脂又は非金属、あるいは樹脂と非金属で構成されている場合や照射台の表面が樹脂又は非金属、あるいは樹脂と非金属で被覆されているような場合も含むものとする。樹脂としては、公知の樹脂であれば特に限定はないが、例えば、オゾン耐性を有する樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンをモノマー成分とする共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);セルロース系樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などを用いることができる。また、非金属としては、セラミックス等が挙げられる。本発明においては、前記樹脂及び非金属が他のユニットにおいて使用されていてもよく、なかでも、ノズル4が樹脂及び/又は非金属製の部品を有することが好ましい。
照射台の温度は、殺菌対象物を載置できれば特に限定はないが、ヒドロキシラジカルを高温により分解しない観点から、当該対象物を常温(40℃)以下に載置できることが好ましい。
チャンバー9は、前記ユニットのうち少なくともノズル4と照射台8を内部に含む態様であればよく、その大きさ及び構造は殺菌対象物によって適宜設定することができる。また、チャンバーの構成部材は、照射台と同様に全部又は一部が樹脂及び/又は非金属製であることが、ヒドロキシラジカルとの反応による酸化力損失の観点から好ましい。チャンバー内の温度は特に設定されず、例えば、2〜40℃である。
なお、本発明のチャンバー殺菌装置は前記ユニット以外に、他のユニットを更に有するものであってもよい。他のユニットとしては、活性酸素の拡散を防止する遮蔽壁等が例示される。
かくして、本発明のチャンバー殺菌装置から、活性酸素が樹脂及び/又は非金属製の照射台に向けて照射される。活性酸素は、樹脂及び/又は非金属製の照射台に向けて照射されるため、酸化力の損失が少なくなり、優れた殺菌活性を有するものである。また、活性酸素が流体であることから、三次元的な構造のものでも殺菌することが可能であり、エッジや角に残渣が残らないという優れた効果を奏するものである。
照射される活性酸素は、ノズル4内での放電や水蒸気供給ユニット6からの含水気体によって温かいものであり、温度は50〜80℃程度である。これにより、照射された対象物の熱負荷は小さいものと考えられる。なお、活性酸素の温度とは、活性酸素照射口の出口における活性酸素の温度を熱電対温度計を用いて測定した温度のことである。
また、活性酸素と殺菌対象物表面との温度差は、ラジカルの反応性を高める観点から、例えば、10℃以上が好ましく、25〜40℃がより好ましい。ここで、殺菌対象物表面の温度とは、殺菌対象物を接触式温度計にて測定した温度のことである。
照射スピードは、ガスの供給量及び活性酸素照射口の形状によって調節することが可能であり、例えば、50000mm/secが例示される。照射時間は、対象物によって一概には設定されず、例えば、0.05〜1秒が例示される。
また、活性酸素照射口と殺菌対象物表面との距離は、例えば、5〜50mmが好ましい。
本発明のチャンバー殺菌装置は、殺菌を要する対象物に活性酸素を照射するために使用される。対象物としては、例えば、飲食品の容器、容器の口部を封鎖するキャップ、医療器具、野菜や肉などの飲食品等が例示される。
本発明はまた、活性酸素を照射して殺菌を行う殺菌方法を提供する。ここで、活性酸素としては特に限定はなく、例えば、交流電流を用いてプラズマを発生させ、得られたプラズマを用いて発生させるものが用いられる。具体的な殺菌方法としては、下記工程(A)及び工程(B)を含む殺菌方法が挙げられる。
工程(A):チャンバー内に活性酸素を照射して、環境殺菌を行う工程
工程(B):工程(A)の殺菌を行ったチャンバー内にある樹脂及び/又は非金属製の照射台に載置した殺菌対象物に活性酸素を照射して、本殺菌を行う工程
工程(A)では、チャンバー内に活性酸素を照射して、目的とする対象物の殺菌前に、チャンバー内の環境殺菌を行う。環境殺菌とは環境の洗浄のことであり、本発明では活性酸素を用いることから、リンスオフの必要がなく、工程の簡略化につながり、生産性を向上することができる。
工程(B)では、工程(A)の環境殺菌を行ったチャンバー内に、殺菌対象物を照射台に載置して殺菌を行う。殺菌装置の仕様や使用方法などは、本発明のチャンバー殺菌装置の項に記載の通りである。
また、本発明では、工程(A)の前に、環境殺菌の効果をより高める観点から、更に工程(A’)を含む態様も好ましい。
工程(A’):チャンバー内をアルカリで洗浄する工程
工程(A’)では、チャンバー内をアルカリで洗浄することにより有機物が除去される。アルカリとしてはNaOHを好適に用いることができる。工程(A’)と工程(A)を行うことにより、環境殺菌がより効果的になる。
本発明の殺菌方法を実施するに際しては、本発明のチャンバー殺菌装置を用いる態様が好ましい。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1
本発明のチャンバー殺菌装置における照射台の素材の影響を検討した。具体的には、樹脂キャップ(素材ポリエチレン)の内面に菌付けした場合を照射台が樹脂製とし、キャンプ内面にアルミ箔を被覆した上に菌付けした場合を照射台が金属製として比較検討を行った。
<菌液の調製及び菌付けキャップ作製>
芽胞菌Bacillus atrophaeusの菌液を用いて、各種濃度(2×10〜2×10CFU/mL濃度範囲において3水準)の菌液を調製した。得られた菌液を図3に示すように1個あたり1μL×9spotで菌付けを行った(各濃度n=5)。なお、菌付けした樹脂キャップは24時間滅菌シャーレ内に静置して乾燥したものを用いた。
<活性酸素の照射>
図1に示す本発明の殺菌装置を用いて、樹脂キャップの上方30mmの距離から活性酸素を1個あたり0.2秒間照射し、照射後のキャップは滅菌シャーレに回収した。なお、本発明の殺菌装置の使用条件は次の通りである。キャップの表面温度(照射台表面温度)は25℃、チャンバー9内温度は28℃であった。
(殺菌装置の使用条件)
交流電流の供給ユニット1:周波数14kHz、電圧300V、電流11A
昇圧ユニット2:昇圧後の電圧20kV
ガス供給ユニット3:空気供給量6L/min、酸素供給量3L/min(以上、ノズル4へ)、空気供給量3L/min(水蒸気供給ユニット6へ)
ノズル4:活性酸素照射温度51℃、照射スピード50000mm/sec
冷却ユニット5:冷却水5℃
水蒸気供給ユニット6:電熱線300℃、含水気体供給量4.5L/min(プラズマ噴流/含水気体供給量(体積比)=9/4.5)
水供給ユニット7:水供給量1.2mL/min
<殺菌活性値の測定>
活性酸素照射を行った樹脂キャップを滅菌シャーレから取出し、5mLのTSA液体培地(BD Falcon社製)を注入し、微生物の増殖に好適な35℃で3日間培養した。培養後、微生物増殖により培地が濁ったキャップ個数を陽性としてカウントし、最確数法(MPN法)により殺菌活性値LRV(Log Reduction Value)を算出した。結果を表1に示す。なお、殺菌活性を示す「D」値とは、キャップ1個当たりの菌数を常用対数で表し(LOG値)、処理前の菌数(LOG値)から処理後の菌数(LOG値)を減算した値のことであり、数が大きい程殺菌活性が高いことを示す。
表1より、キャップ内面の素材が樹脂製の場合に殺菌作用が向上することが分かる。これより、照射台が樹脂又は非金属製であれば殺菌作用が向上することが示唆される。
本発明のチャンバー殺菌装置は、優れた殺菌活性を示すものであり、例えば、飲食品の容器、容器の口部を封鎖するキャップ、医療器具、野菜や肉などの飲食品等の殺菌に好適に用いられる。
1 交流電流の供給ユニット
2 昇圧ユニット
3 ガス供給ユニット
4 ノズル
5 冷却ユニット
6 水蒸気供給ユニット
7 水供給ユニット
8 照射台
9 チャンバー

Claims (7)

  1. チャンバーと、活性酸素照射口の出口から該チャンバー内に活性酸素を照射する活性酸素照射ユニット及び殺菌対象物を載置する照射台を含んでなるチャンバー殺菌装置であって、前記照射台が樹脂及び/又は非金属製であり、樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種以上であり、非金属がセラミックスである、チャンバー殺菌装置。
  2. チャンバーの構成部材の全部又は一部が樹脂及び/又は非金属製である、請求項1記載のチャンバー殺菌装置。
  3. 活性酸素が、交流電流を用いてプラズマを発生させ、得られたプラズマを用いて発生させたものである、請求項1又は2記載のチャンバー殺菌装置。
  4. 活性酸素を照射して殺菌する方法であって、下記工程(A)及び工程(B)を含む殺菌方法であって、工程(B)における樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種以上であり、非金属がセラミックスである、殺菌方法
    工程(A):活性酸素照射口の出口からチャンバー内に活性酸素を照射して、環境殺菌を行う工程
    工程(B):工程(A)の殺菌を行ったチャンバー内にある樹脂及び/又は非金属製の照射台に載置した殺菌対象物に活性酸素照射口の出口から活性酸素を照射して、本殺菌を行う工程
  5. 工程(A)の前に、更に工程(A’)を含む、請求項4記載の殺菌方法。
    工程(A’):チャンバー内をアルカリで洗浄する工程
  6. 活性酸素が、交流電流を用いてプラズマを発生させ、得られたプラズマを用いて発生させたものである、請求項4又は5記載の殺菌方法。
  7. 請求項1〜3いずれかに記載のチャンバー殺菌装置を用いて行う、請求項4〜6いずれか記載の殺菌方法。
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