JP2017118801A - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 相コイル単位で組み付け可能な波巻構成の固定子コイルを備える回転電機およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の回転電機は、固定子コイルが、全節巻単位コイル(20F)および短節巻長節巻単位コイル(20SL)のうちの少なくとも短節巻長節巻単位コイル(20SL)であって、コイルピッチ(CP11〜CP32)の構成が異なる複数種類の単位コイル(20)を備えている。また、固定子コイルは、複数種類の単位コイル(20)の各々を少なくとも一つずつ含む複数の単位コイル(20)が電気的に直列接続されている相コイル(33)を複数備えている。さらに、各相コイル(33)を構成する複数の単位コイル(20)は、複数のスロット(11)の占有状態に関して、フルコイル(23f)とハーフコイル(23h)との二種類の単位コイル(20)を備えている。
【選択図】 図5A
【解決手段】 本発明の回転電機は、固定子コイルが、全節巻単位コイル(20F)および短節巻長節巻単位コイル(20SL)のうちの少なくとも短節巻長節巻単位コイル(20SL)であって、コイルピッチ(CP11〜CP32)の構成が異なる複数種類の単位コイル(20)を備えている。また、固定子コイルは、複数種類の単位コイル(20)の各々を少なくとも一つずつ含む複数の単位コイル(20)が電気的に直列接続されている相コイル(33)を複数備えている。さらに、各相コイル(33)を構成する複数の単位コイル(20)は、複数のスロット(11)の占有状態に関して、フルコイル(23f)とハーフコイル(23h)との二種類の単位コイル(20)を備えている。
【選択図】 図5A
Description
本発明は、波巻構成の固定子コイルを備える回転電機およびその製造方法に関する。
二層重巻で巻装された固定子コイルの一例として、非特許文献1に記載の三相電機子巻線が挙げられる。非特許文献1の第3・2図には、毎極毎相スロット数が3の三相電機子巻線の結線図が示されている。また、非特許文献1の第3・3図には、毎極毎相スロット数が2.5の三相電機子巻線の結線図が示されている。これらの三相電機子巻線は、コイルの巻数および巻ピッチが同一であり、二層重巻で巻装されている。
竹内寿太郎 原著、「大学課程 電機設計学(改訂2版)」株式会社オーム社、平成5年2月25日(改訂2版第1刷)発行、43頁〜44頁
しかしながら、二層重巻で巻装された固定子コイルは、固定子鉄心に組み付ける際に、スロットに挿通されるコイルサイドの組み付け順序を調整する必要があり、固定子コイルの組み付け作業が煩雑になる。このように、二層重巻で巻装された固定子コイルは、相コイル単位で組み付けることが困難であり、固定子コイルの組み付け作業の作業効率が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、相コイル単位で組み付け可能な波巻構成の固定子コイルを備える回転電機およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る回転電機は、複数のスロットが形成されている固定子鉄心と前記複数のスロットに巻装されている固定子コイルとを備える固定子と、前記固定子に対して移動可能に支持されている可動子鉄心と前記可動子鉄心に設けられている少なくとも一対の可動子磁極とを備える可動子とを具備する回転電機であって、前記固定子に対する前記可動子の移動方向を第一方向とし、前記複数のスロットの深さ方向を第二方向とし、前記第一方向および前記第二方向のいずれの方向に対しても直交する方向を第三方向とするとき、前記固定子コイルは、前記複数のスロットに収容されている複数のコイルサイドと、前記複数のコイルサイドの前記第三方向の一端側の前記コイルサイド同士および前記第三方向の他端側の前記コイルサイド同士を波巻構成になるように交互に接続している複数のコイルエンドとを有する単位コイルを複数備え、前記複数のコイルエンドが接続している前記コイルサイド間のコイルピッチが前記複数のスロットの数であるスロット数を前記可動子の磁極数で除した単一値に設定されている全節巻部を備える前記単位コイルを全節巻単位コイルとし、前記コイルピッチが前記全節巻部と比べて短く設定されている短節巻部と前記コイルピッチが前記全節巻部と比べて長く設定されている長節巻部とが前記第一方向において交互に繰り返され、かつ、前記短節巻部の前記コイルピッチと前記長節巻部の前記コイルピッチとを加算した隣接コイルピッチの加算値が前記スロット数を前記可動子の極対数で除した値に設定されている前記単位コイルを短節巻長節巻単位コイルとするとき、前記固定子コイルは、前記全節巻単位コイルおよび前記短節巻長節巻単位コイルのうちの少なくとも前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、前記複数種類の単位コイルの各々を少なくとも一つずつ含む複数の前記単位コイルが電気的に直列接続されている相コイルを複数備えており、各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記複数のスロットの占有状態に関して、一の前記単位コイルの前記複数のコイルサイドが前記複数のスロットに収容されたときに当該複数のコイルサイドが当該複数のスロットの全体を占有するフルコイルと、一の前記単位コイルの前記複数のコイルサイドが前記複数のスロットに収容されたときに当該複数のコイルサイドが当該複数のスロットの各々の半分を占有するハーフコイルと、の二種類の前記単位コイルを備えている。
本発明に係る回転電機によれば、固定子コイルは、全節巻単位コイルおよび短節巻長節巻単位コイルのうちの少なくとも短節巻長節巻単位コイルであって、コイルピッチの構成が異なる複数種類の単位コイルを備えている。また、固定子コイルは、複数種類の単位コイルの各々を少なくとも一つずつ含む複数の単位コイルが電気的に直列接続されている相コイルを複数備えている。さらに、各相コイルを構成する複数の単位コイルは、複数のスロットの占有状態に関して、フルコイルとハーフコイルとの二種類の単位コイルを備えている。これらにより、本発明に係る回転電機は、相コイル毎に第一方向の一方向に巻装する単層波巻構成で固定子コイルを形成することが可能であり、固定子コイルを相コイル単位で組み付けることが可能である。そのため、本発明に係る回転電機は、二層重巻で巻装された固定子コイルを備える回転電機と比べて、固定子コイルの組み付け作業の作業効率が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は、各実施形態および各変形形態について、共通する箇所には共通の符号が付されており、本明細書では、重複する説明が省略されている。また、一の実施形態で既述されていることは、他の実施形態および各変形形態についても適宜適用することができる。なお、図面は、概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
<第一実施形態>
(回転電機100の概要)
図1に示すように、本実施形態の回転電機100は、固定子40と可動子70とを具備している。固定子40は、複数のスロット11が形成されている固定子鉄心10と、複数のスロット11に巻装されている固定子コイル30とを備えている。固定子コイル30は、波巻構成の複数の単位コイル20を備えている。また、可動子70は、固定子40に対して移動可能に支持されている可動子鉄心50と、可動子鉄心50に設けられている少なくとも一対の可動子磁極61,62とを備えている。
(回転電機100の概要)
図1に示すように、本実施形態の回転電機100は、固定子40と可動子70とを具備している。固定子40は、複数のスロット11が形成されている固定子鉄心10と、複数のスロット11に巻装されている固定子コイル30とを備えている。固定子コイル30は、波巻構成の複数の単位コイル20を備えている。また、可動子70は、固定子40に対して移動可能に支持されている可動子鉄心50と、可動子鉄心50に設けられている少なくとも一対の可動子磁極61,62とを備えている。
本実施形態では、固定子鉄心10には、60個のスロット11が形成されており、固定子コイル30は、三相の各相3つ、合計9つの単位コイル20を備えている。また、本実施形態では、可動子鉄心50は、四組の一対の可動子磁極61,62を備えている。このように、本実施形態の回転電機100は、8極60スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が15スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は2.5である。つまり、本実施形態の回転電機100は、毎極毎相スロット数が整数でない分数スロット構成(毎極毎相スロット数の小数点以下が0.5の分数スロット構成)の回転電機100である。また、本実施形態の回転電機100は、固定子40および可動子70が同軸に配設されるラジアル空隙型の円筒状回転電機である。さらに、可動子70は、固定子40の内方(回転電機100の軸心側)に設けられている。
ここで、固定子40に対する可動子70の移動方向を第一方向(矢印X方向)とする。また、複数(60個)のスロット11の深さ方向を第二方向(矢印Y方向)とする。さらに、第一方向(矢印X方向)および第二方向(矢印Y方向)のいずれの方向に対しても直交する方向を第三方向(矢印Z方向)とする。円筒状回転電機では、第一方向(矢印X方向)は、回転電機100の周方向に沿った方向に相当し、可動子70の回転方向に相当する。第二方向(矢印Y方向)は、回転電機100の径方向に沿った方向に相当し、第三方向(矢印Z方向)は、回転電機100の軸線方向に沿った方向に相当する。
固定子鉄心10は、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が第三方向(矢印Z方向)に、複数積層されて形成されている。固定子鉄心10は、バックヨーク部10aと、バックヨーク部10aと一体に形成される複数(本実施形態では、60個)の固定子磁極部10bとを備えている。バックヨーク部10aは、第一方向(矢印X方向)に沿って形成されており、各固定子磁極部10bは、バックヨーク部10aから第二方向(矢印Y方向)(回転電機100の軸心方向)に突出するように形成されている。
第一方向(矢印X方向)に隣接する固定子磁極部10b,10bの間には、スロット11が形成されており、固定子鉄心10には、複数(60個)のスロット11が形成されている。複数(60個)のスロット11には、固定子コイル30が巻装されている。なお、各固定子磁極部10bの先端部10cは、第一方向(矢印X方向)に幅広に形成されている。
図1に示すように、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側からスロット底部11a側に向かう方向を第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)とする。また、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット底部11a側からスロット開口部11b側に向かう方向を第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)とする。さらに、スロット11のうち、固定子コイル30が装着される部位のスロット面積を第二方向(矢印Y方向)に略二等分するように、第一方向(矢印X方向)に沿って延びる部位をスロット中央部11cとする。
可動子70は、可動子鉄心50を備えている。可動子鉄心50は、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が第三方向(矢印Z方向)に、複数積層されて円柱状に形成されている。可動子鉄心50には、シャフト(図示略)が設けられており、シャフトは、可動子鉄心50の軸心を第三方向(矢印Z方向)に貫通している。シャフトの第三方向(矢印Z方向)両端部は、軸受部材(図示略)によって、回転可能に支持されている。これにより、可動子鉄心50は、固定子40に対して移動可能(回転可能)になっている。
可動子鉄心50には、四組の一対の可動子磁極61,62が埋設されている。具体的には、可動子鉄心50には、第一方向(矢印X方向)に等間隔で、複数の磁石収容部(図示略)が設けられている。複数の磁石収容部には、所定磁極対分(本実施形態では四磁極対分)の永久磁石が埋設されている。可動子70は、永久磁石と、固定子40に発生する回転磁界とによって、固定子40に対して移動可能(回転可能)になっている。
永久磁石は、例えば、公知のフェライト系磁石や希土類系磁石を用いることができる。また、永久磁石の製法は、限定されない。永久磁石は、例えば、樹脂ボンド磁石や焼結磁石を用いることができる。樹脂ボンド磁石は、例えば、フェライト系の原料磁石粉末と樹脂などを混合して、射出成形などによって可動子鉄心50に鋳込めて形成される。焼結磁石は、例えば、希土類系の原料磁石粉末を磁界中で加圧成形して、高温で焼き固めて形成される。なお、一対の可動子磁極61,62は、各固定子磁極部10bの先端部10cと対向する可動子鉄心50の表面(外周表面)に永久磁石を設ける表面磁石形とすることもできる。また、図2では、一対の可動子磁極61,62のうち、一方の極性(例えば、N極)を備える可動子磁極を可動子磁極61で示し、他方の極性(例えば、S極)を備える可動子磁極を可動子磁極62で示している。
固定子コイル30は、複数(三相の各相3つ、合計9つ)の単位コイル20を備えている。各単位コイル20は、銅などの導体(コイル)が巻き回されて形成されており、導体表面がエナメルなどの絶縁層で被覆されている。各単位コイル20の断面形状は、限定されるものではなく、任意の断面形状とすることができる。例えば、各単位コイル20は、断面円形状の丸線、断面多角形状の角線などの種々の断面形状の導体(コイル)を用いることができる。また、各単位コイル20は、複数のより細いコイル素線を組み合わせた並列細線を用いることもできる。並列細線を用いる場合、単線の場合と比べて各単位コイル20に発生する渦電流損が低減され、回転電機100の効率が向上する。また、コイル成形に要する力を低減することができるので、コイルの成形性が向上してコイル製作が容易になる。
図2に示すように、各単位コイル20は、複数のコイルサイド21と複数のコイルエンド22とを有しており、複数のコイルサイド21と複数のコイルエンド22とは、一体に形成されている。複数のコイルサイド21は、複数のスロット11に収容されている部位をいう。複数のコイルエンド22は、複数のコイルサイド21の第三方向(矢印Z方向)の一端側(同図の紙面上側)のコイルサイド21,21同士および第三方向(矢印Z方向)の他端側(同図の紙面下側)のコイルサイド21,21同士を波巻構成になるように交互に接続している部位をいう。なお、同図では、後述する各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)が図示されており、一対の可動子磁極61,62が併せて図示されている。また、同図では、可動子磁極の三磁極分に対向する12個のコイルサイド21と9個のコイルエンド22とが図示されている。
ここで、複数のコイルエンド22が接続しているコイルサイド21,21間のコイルピッチが、複数のスロット11の数であるスロット数を可動子70の磁極数で除した単一値に設定されている部位を全節巻部2FWとし、全節巻部2FWを備える単位コイル20を全節巻単位コイル20Fとする。本実施形態の回転電機100は、8極60スロット構成の三相回転電機なので、スロット数を可動子70の磁極数で除した値は、7.5となり、整数にはならない。そのため、固定子コイル30の各単位コイル20を全節巻単位コイル20Fで構成することは困難である。
本実施形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLを備えている。短節巻長節巻単位コイル20SLでは、短節巻部2SWと長節巻部2LWとが第一方向(矢印X方向)において交互に繰り返されている。短節巻部2SWは、複数のコイルエンド22が接続しているコイルサイド21,21間のコイルピッチが全節巻部2FWと比べて短く設定されている部位をいう。長節巻部2LWは、複数のコイルエンド22が接続しているコイルサイド21,21間のコイルピッチが全節巻部2FWと比べて長く設定されている部位をいう。なお、短節巻部2SWのコイルピッチと長節巻部2LWのコイルピッチとを加算した隣接コイルピッチの加算値は、スロット数を可動子70の極対数(本実施形態では、4)で除した値に設定される。
図2に示すように、第一単位コイル20aでは、短節巻部2SWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP11は、6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP12は、9スロットピッチ(9sp)に設定されている。このように、短節巻部2SWのコイルピッチCP11は、スロット数を可動子70の磁極数で除した値(7.5)と比べて短く設定されている。また、長節巻部2LWのコイルピッチCP12は、スロット数を可動子70の磁極数で除した値(7.5)と比べて長く設定されている。さらに、短節巻部2SWのコイルピッチCP11と長節巻部2LWのコイルピッチCP12とを加算した隣接コイルピッチの加算値は、スロット数を可動子70の極対数で除した値(15)に設定されている。
第二単位コイル20bでは、短節巻部2SWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP21は、7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP22は、8スロットピッチ(8sp)に設定されている。また、第三単位コイル20cでは、短節巻部2SWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP31は、5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルサイド21,21間のコイルピッチCP32は、10スロットピッチ(10sp)に設定されている。よって、第一単位コイル20aについて上述したことは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cについても同様に言える。
本実施形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。また、複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各々を一つずつ含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されており、相コイル33が形成されている。
具体的には、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されており、相コイル33が構成されている。単位コイル間接続部31cは、単位コイル20,20同士を電気的に接続する部位をいう。また、相コイル33は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。
さらに、相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の巻始めのコイルサイド21から引き出される。当該コイルサイド21を第一コイルサイド21aとする。第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の巻終りのコイルサイド21から引き出される。当該コイルサイド21を第二コイルサイド21bとする。
図2は、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成された相コイル33を示している。本実施形態では、各単位コイル20は、同図の紙面右側に向かって巻装される。本実施形態の回転電機100は、円筒状回転電機なので、各単位コイル20は、第一方向(矢印X方向)である回転電機100の周方向に沿って一周すると、同図の紙面左側のコイルサイド21に到達する。同図では、相コイル33の巻始め部32aから巻終り部32bまでの巻順が数字*で示されている。なお、後述するように、各単位コイル20は、第一方向(矢印X方向)である回転電機100の周方向に沿って複数周回、巻き回される。
固定子コイル30は、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)を備えている。図3に示すように、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、直列接続されており、U相コイル33uが形成されている。第一相端子3T1は、既述の巻始め部32aであり、第二相端子3T2は、既述の巻終り部32bである。V相コイル33vおよびW相コイル33wは、U相コイル33uと同様に形成することができる。
本実施形態の回転電機100は、三相回転電機であり、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、電気角で120°ずつ位相がずれている。本明細書では、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。ここで、第一方向(矢印X方向)のうちの一の方向であって、各単位コイル20において波巻構成になるように複数のコイルエンド22が複数のコイルサイド21を接続するときの巻方向を波巻方向とする。また、第一方向(矢印X方向)のうちの一の方向であって、波巻方向に順行する方向を第一方向波巻順行側(矢印X2方向)とする。さらに、第一方向(矢印X方向)のうちの他の方向であって、波巻方向に逆行する方向を第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)とする。本実施形態では、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、図2の紙面左側から紙面右側に向かう方向に相当し、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)は、同図の紙面右側から紙面左側に向かう方向に相当する。
本実施形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、図2の紙面左側から紙面右側に向かう方向に巻装され、波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、この順に位相が遅れるように配設され、相順方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、本実施形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と一致している。
また、図4に示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、Y結線で電気的に接続することができる。同図では、U相の相端子は、U相端子3TUで示され、V相の相端子は、V相端子3TVで示され、W相の相端子は、W相端子3TWで示されている。相端子(U相端子3TU、V相端子3TVおよびW相端子3TW)は、第一相端子3T1および第二相端子3T2のうちの一方に相当し、中性点3Nは、第一相端子3T1および第二相端子3T2のうちの他方に相当する。本明細書の実施形態および変形形態では、後述するハーフコイル23hが相端子(U相端子3TU、V相端子3TVおよびW相端子3TW)側に配設されるように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)が、電気的に接続されている。なお、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、Δ結線で電気的に接続することもできる。
さらに、本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されている。そのため、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する単位コイル20の各々を巻装した後に、別途、単位コイル20間を接続する場合と比べて、単位コイル20間の接続が簡素になり、固定子コイル30の巻装作業の作業性が向上する。また、本実施形態の回転電機100は、二層重巻や同心巻と比べて、単位コイル20間を接続する接続部位を低減することができる。
図2に示すように、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の可動子磁極61に対向する短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP11,CP22,CP32のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWのコイルピッチCP11が最小(6スロットピッチ(6sp))となり、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWのコイルピッチCP32が最大(10スロットピッチ(10sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ順にコイルピッチが大きくなっている。
また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの他方の可動子磁極62に対向する短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP12,CP21,CP31のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWのコイルピッチCP12が最大(9スロットピッチ(9sp))となり、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWのコイルピッチCP31が最小(5スロットピッチ(5sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ順にコイルピッチが小さくなっている。
本実施形態の回転電機100によれば、上記構成により、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側。以下、同じ。)におけるコイルエンド22同士の交差の低減が容易であるとともに、第三方向(矢印Z方向)の他端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側と異なる側。以下、同じ。)におけるコイルエンド22同士の交差の低減が容易である。
(単位コイル20の種類)
次に、複数のスロット11の占有状態に関する単位コイル20の種類について説明する。図5Aおよび図5Bは、U相コイル33uを構成する各単位コイル20が複数のスロット11に装着された状態を示しており、各単位コイル20は、電気的に直列接続されている。図6は、図2に示す相コイル33が複数(9つ)のスロット11に装着された状態を示しており、当該複数(9つ)のスロット11は、図5Aおよび図5Bに示す複数のスロット11のスロット番号に対応している。また、図5Aおよび図5Bでは、概ね可動子磁極の四磁極分(二磁極対分)に対向するU相コイル33uが示されている。さらに、図5Aでは、U相コイル33uは、説明の便宜上、可動子70の一磁極分に対向する領域が<U7>、<U8>、<U1>および<U2>の符号で示されている。
次に、複数のスロット11の占有状態に関する単位コイル20の種類について説明する。図5Aおよび図5Bは、U相コイル33uを構成する各単位コイル20が複数のスロット11に装着された状態を示しており、各単位コイル20は、電気的に直列接続されている。図6は、図2に示す相コイル33が複数(9つ)のスロット11に装着された状態を示しており、当該複数(9つ)のスロット11は、図5Aおよび図5Bに示す複数のスロット11のスロット番号に対応している。また、図5Aおよび図5Bでは、概ね可動子磁極の四磁極分(二磁極対分)に対向するU相コイル33uが示されている。さらに、図5Aでは、U相コイル33uは、説明の便宜上、可動子70の一磁極分に対向する領域が<U7>、<U8>、<U1>および<U2>の符号で示されている。
なお、図5Bでは、各単位コイル20の巻方向が「丸印にクロス」および「丸印にドット」で示されている。「丸印にクロス」は、コイル(コイルサイド21)が第三方向(矢印Z方向)のうちの紙面手前側から紙面奥側に向かって巻き回されていることを示している。「丸印にドット」は、コイル(コイルサイド21)が第三方向(矢印Z方向)のうちの紙面奥側から紙面手前側に向かって巻き回されていることを示している。また、コイルエンド22は、後述する各単位コイル20の第二方向(矢印Y方向)の各巻進行方向W1,W2,W3を考慮して図示されており、後述する各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の組み付け順序を考慮して図示されている。図5Aおよび図5Bについて既述したことは、後述する図7Aおよび図7Bについても同様である。また、各単位コイル20の巻方向の図示の方法は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た相コイル33が複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図において同様である。
図5Aおよび図5Bに示すように、第一単位コイル20aは、第一コイル引出部32fが引き出されるスロット番号16のスロット11のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側)からスロット番号16のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側と異なる側)を経由して、スロット番号22のスロット11に渡っている(図5Aの<U1>で示される領域)。さらに、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号22のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号31のスロット11に渡っている(図5Aの<U2>で示される領域)。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
第一単位コイル20aは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(2以上の自然数nを用いて、n回とする。)、巻き回される。図6に示す直線L11は、第一単位コイル20aが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L1n−1は、第一単位コイル20aがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第一単位コイル20aは、n回巻き回された後、単位コイル間接続部31cを介して、第二単位コイル20bに渡る。
具体的には、図5Aに示すように、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号1のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号7のスロット11に渡っている(図5Aの<U7>で示される領域)。そして、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号7のスロット11を挿通している。n−1回目までは、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号16のスロット11に渡っている。一方、n回目には、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号15のスロット11に渡っている(図5Aの<U8>で示される領域)。単位コイル間接続部31cは、スロット番号7のスロット11のスロット底部11a側からスロット番号15のスロット11のスロット開口部11b側に引き回されている。
第二単位コイル20bは、スロット番号15のスロット11のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号15のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号23のスロット11に渡っている(図5Aの<U1>で示される領域)。さらに、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号23のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号30のスロット11に渡っている(図5Aの<U2>で示される領域)。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
また、第二単位コイル20bは、第一単位コイル20aと同様に、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回される。図6に示す直線L21は、第二単位コイル20bが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L2n−1は、第二単位コイル20bがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第二単位コイル20bは、n回巻き回された後、単位コイル間接続部31cを介して、第三単位コイル20cに渡る。
具体的には、図5Aに示すように、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号60のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号8のスロット11に渡っている(図5Aの<U7>で示される領域)。そして、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号8のスロット11を挿通している。n−1回目までは、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号15のスロット11に渡っている。一方、n回目には、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号14のスロット11に渡っている(図5Aの<U8>で示される領域)。単位コイル間接続部31cは、スロット番号8のスロット11のスロット底部11a側からスロット番号14のスロット11のスロット中央部11cに引き回されている。このように、第二単位コイル20bは、第一単位コイル20aと同様に巻き回されている。
第三単位コイル20cは、スロット番号14のスロット11のスロット中央部11cから巻始められる。そして、第三単位コイル20cは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号14のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号24のスロット11に渡っている(図5Aの<U1>で示される領域)。さらに、第三単位コイル20cは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号24のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号29のスロット11に渡っている(図5Aの<U2>で示される領域)。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
第三単位コイル20cは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n/2回)、巻き回される。図6に示す直線L31は、第三単位コイル20cが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L3n−1は、第三単位コイル20cが(n/2−1)回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第三単位コイル20cは、第二コイル引出部32sが引き出されるスロット番号9のスロット11のスロット底部11a側で巻終わる。このように、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20の巻順は、図2の数字*で示す巻順と一致している。
U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、複数(24個)のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。本実施形態では、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。図2および図5Aでは、フルコイル23fは、実線で示され、ハーフコイル23hは、破線で示されている。このことは、他の実施形態および変形形態についても同様である。
フルコイル23fは、一の単位コイル20の複数(8つ)のコイルサイド21が複数(8つ)のスロット11に収容されたときに、当該複数(8つ)のコイルサイド21が当該複数(8つ)のスロット11の全体を占有する単位コイル20をいう。第一単位コイル20aでは、複数(8つ)のコイルサイド21は、スロット番号16、スロット番号22、スロット番号31、スロット番号37、スロット番号46、スロット番号52、スロット番号1およびスロット番号7の複数(8つ)のスロット11に収容されている。このとき、例えば、スロット番号16のスロット11に収容されるコイルサイド21は、スロット番号16のスロット11の全体を占有している。このことは、他のコイルサイド21についても同様である。
また、上述したことは、第二単位コイル20bについても同様である。第二単位コイル20bでは、複数(8つ)のコイルサイド21は、スロット番号15、スロット番号23、スロット番号30、スロット番号38、スロット番号45、スロット番号53、スロット番号60およびスロット番号8の複数(8つ)のスロット11に収容されている。このとき、例えば、スロット番号15のスロット11に収容されるコイルサイド21は、スロット番号15のスロット11の全体を占有している。このことは、他のコイルサイド21についても同様である。
一方、ハーフコイル23hは、一の単位コイル20の複数(8つ)のコイルサイド21が複数(8つ)のスロット11に収容されたときに、当該複数(8つ)のコイルサイド21が当該複数(8つ)のスロット11の各々の半分を占有する単位コイル20をいう。第三単位コイル20cでは、複数(8つ)のコイルサイド21は、スロット番号14、スロット番号24、スロット番号29、スロット番号39、スロット番号44、スロット番号54、スロット番号59およびスロット番号9の複数(8つ)のスロット11に収容されている。このとき、例えば、スロット番号14のスロット11に収容されるコイルサイド21は、スロット番号14のスロット11の半分を占有している。このことは、他のコイルサイド21についても同様である。
なお、図5Bおよび図6では、スロット11の占有状態が長方形の大きさで示されている。大きい長方形は、フルコイル23fのコイルサイド21が当該スロット11の全体を占有していることを示している。一方、小さい長方形は、ハーフコイル23hのコイルサイド21が当該スロット11の半分を占有していることを示している。これらの図示の方法は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た相コイル33が複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図において同様である。
第一単位コイル20aが第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回されるときの第一単位コイル20aの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、図6の直線L11に示すように、第一単位コイル20aが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット開口部11b側に配設されている。一方、同図の直線L1n−1に示すように、第一単位コイル20aがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット底部11a側に配設されている。
このように、第一単位コイル20aは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回されることにより、第二方向(矢印Y方向)においては、スロット開口部11b側からスロット底部11a側に巻き回されて、フルコイル23fが形成されている。このときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向を巻進行方向W1とする。第一単位コイル20aのフルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
以上のことは、第二単位コイル20bについても同様に言える。つまり、第二単位コイル20bの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第二単位コイル20bのフルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向を巻進行方向W2とする。第二単位コイル20bのフルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
第三単位コイル20cが第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n/2回)、巻き回されるときの第三単位コイル20cの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、図6の直線L31に示すように、第三単位コイル20cが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット中央部11cに配設されている。一方、同図の直線L3n−1に示すように、第三単位コイル20cが(n/2−1)回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット底部11a側に配設されている。
このように、第三単位コイル20cは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n/2回)、巻き回されることにより、第二方向(矢印Y方向)においては、スロット中央部11cからスロット底部11a側に巻き回されて、ハーフコイル23hが形成されている。このときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向を巻進行方向W3とする。第三単位コイル20cのハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
図7Aは、図5Aと同様に図示されており、図7Bは、図5Bと同様に図示されている。図7Aおよび図7Bに示すように、U相コイル33uを構成する各単位コイル20について既述したことは、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。例えば、V相コイル33vを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)である。また、複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各々を一つずつ含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されており、V相コイル33vが構成されている。
さらに、V相コイル33vを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、複数(24個)のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。また、V相コイル33vを構成する各単位コイル20の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。さらに、V相コイル33vを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
ここで、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21であってスロット底部11a側に配設されるコイルサイド21が占有するスロット11の半分に相当する部位を第一ハーフスロット部位11dとする。また、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21であってスロット開口部11b側に配設されるコイルサイド21が占有するスロット11の半分に相当する部位を第二ハーフスロット部位11eとする。W相コイル33wのハーフコイル23hは、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eの両方を備えている。このように、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eの両方を備えるハーフコイル23hを両側占有ハーフコイル23h1とする。
一方、U相コイル33uは、第一ハーフスロット部位11dを備えているが、第二ハーフスロット部位11eを備えていない。V相コイル33vは、第二ハーフスロット部位11eを備えているが、第一ハーフスロット部位11dを備えていない。このように、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eのうちの一方を備えるハーフコイル23hを片側占有ハーフコイル23h2とする。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、複数(2つ)のフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備えている。具体的には、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。また、各単位コイル20のコイルピッチの構成は、すべて異なっている。そのため、分数スロット構成の回転電機において、上述した固定子コイル30を具備することができる。
また、本実施形態では、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとが、単位コイル間接続部31cによって電気的に接続されている。また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとが、単位コイル間接続部31cによって電気的に接続されている。例えば、図5Aに示すように、第一単位コイル20aのスロット番号16のスロット11に収容されるコイルサイド21は、第三単位コイル20cのスロット番号14のスロット11に収容されるコイルサイド21と比べて、第二単位コイル20bのスロット番号15のスロット11に収容されるコイルサイド21に近接している。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する単位コイル20,20同士が電気的に接続されている。そのため、コイルサイド21が最も近接する単位コイル20を飛び越して(跨いで)、二つの単位コイル20,20を接続する場合と比べて、単位コイル間接続部31cの引き回し経路が簡素化される。
(各単位コイル20の巻進行方向)
まず、本実施形態の固定子コイル30の組み付け方法について説明し、次に、本実施形態の各単位コイル20の巻進行方向について説明する。図8A〜図8Cに示すように、固定子コイル30の組み付け(スロット11への装着)は、公知のコイル挿入機(インサータ治具)を用いることができる。コイル挿入機3Iは、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(本実施形態では、3つ)の単位コイル20を複数(本実施形態では、24個)のスロット11に装着することができる。
まず、本実施形態の固定子コイル30の組み付け方法について説明し、次に、本実施形態の各単位コイル20の巻進行方向について説明する。図8A〜図8Cに示すように、固定子コイル30の組み付け(スロット11への装着)は、公知のコイル挿入機(インサータ治具)を用いることができる。コイル挿入機3Iは、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(本実施形態では、3つ)の単位コイル20を複数(本実施形態では、24個)のスロット11に装着することができる。
既述したように、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。また、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する単位コイル20,20同士が電気的に接続されていると好適である。
例えば、巻枠および凹凸変形治具(いずれも図示略)を用いて、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を形成する。また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20cの順に巻装する。
具体的には、円筒状の巻枠を用いて、コイルを円環状に巻き回して円環状コイルを形成する。巻枠の軸心方向のうちの巻始め部32a側から視たコイルの巻方向が、時計回りになるように、コイルを巻き回す。また、第一単位コイル20aに相当するコイルの巻数は、n回とし、第二単位コイル20bに相当するコイルの巻数は、n回とし、第三単位コイル20cに相当するコイルの巻数は、n/2回とする。つまり、コイルは、(n×2+n/2)回、巻き回される。そして、単位コイル20毎に凹凸変形治具を用いて、図8Aに示すように、円環状コイルを矢印Faで示す方向から変形させる。これにより、各単位コイル20の複数のコイルサイド21に相当する部位と、複数のコイルエンド22に相当する部位とが、一体に形成され、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWに相当する部位がそれぞれ形成される。なお、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチの組み合わせがすべて異なっている。そのため、凹凸変形治具は、三種類必要になる。
図8Aに示すように、凹凸変形された後の複数(3つ)の単位コイル20は、第一コイル引出部32fが引き出される第一コイルサイド21aが紙面奥側(下側)になり、第二コイル引出部32sが引き出される第二コイルサイド21bが紙面手前側(上側)になる。このとき、相コイル33の各単位コイル20の巻進行方向W1,W2,W3は、いずれも紙面奥側(下側)から紙面手前側(上側)に向かう方向である。
図8Bに示すように、コイル挿入機3Iは、相コイル33の各単位コイル20を把持するインサータブレード3Bを備えている。インサータブレード3Bは、スロット11,11間のスロットピッチが反映されたクシ歯状の複数の支持部3B1を備えている。まず、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、インサータブレード3Bの支持部3B1に落とし込まれて、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20が把持される。そして、図8Bおよび図8Cに示すように、インサータブレード3Bが固定子鉄心10の内方に挿入されて、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一度に各スロット11内に挿入される。
第一単位コイル20aが複数(8つ)のスロット11に収容されると、第一単位コイル20aの巻進行方向W1は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になり、フルコイル23fが形成される。これらのことは、第二単位コイル20bの巻進行方向W2についても同様に言える。また、第三単位コイル20cが複数(8つ)のスロット11に収容されると、第三単位コイル20cの巻進行方向W3は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になり、ハーフコイル23hが形成される。このように、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20が複数(24個)のスロット11に収容されると、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の各巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。
また、図8Aおよび図8Bに示すように、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側(これらの図では、紙面下側)から視たU相コイル33uを構成する各単位コイル20の波巻方向は、時計回りになっている。円筒状回転電機における図5Aに示すU相コイル33uを構成する各単位コイル20の上記方向視の波巻方向は、時計回りになり、図8Aおよび図8Bに示す波巻方向と一致している。つまり、U相コイル33uを構成する各単位コイル20の波巻方向は、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)になっている。なお、図8Cに示すように、相コイル33の巻始め部32aは、スロット開口部11b側に設けられ、相コイル33の巻終り部32bは、スロット底部11a側に設けられる。
以上のことは、V相コイル33vを構成する複数(3つ)の単位コイル20についても同様であり、W相コイル33wを構成する複数(3つ)の単位コイル20についても同様である。このように、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。
本実施形態では、後述するように、固定子コイル30は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に、組み付けられる。そして、各相端子(3TU,3TV,3TW)および中性点3Nの接続などが行われる。また、各相コイル33を構成する複数の単位コイル20の複数のコイルエンド22、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cおよび一対のコイル引出部32f,32s(第一コイル引出部32fおよび第二コイル引出部32s)のレーシング結束が行われた後、ワニスの含浸、樹脂モールド等によって固定子コイル30が固定子鉄心10に固定される。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の各巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。よって、本実施形態の回転電機100は、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いて、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(3つ)の単位コイル20を複数(24個)のスロット11に装着することができる。具体的には、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20を、インサータブレード3Bの支持部3B1に落とし込んで、当該複数(3つ)の単位コイル20を把持して、当該複数(3つ)の単位コイル20を一度に各スロット11内に挿入し、装着することができる。つまり、本実施形態の回転電機100は、上記装着方法が難しい二層重巻と比べて、固定子コイル30の組み付けに要する作業工数を短縮することができる。
なお、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)を構成する複数(9つ)の単位コイル20は、二相分の複数(6つ)の単位コイル20を連続して巻進めて、二相分の相コイル33,33を形成することもできる。この場合、二相分の相コイル33,33を一度に装着することができ、本実施形態と比べて、固定子コイル30の組み付けに要する作業工数をさらに短縮することができる。また、この場合、本実施形態と比べて、中性点3Nの接続箇所を低減することができる。
(一対のコイル引出部32f,32sの配置)
次に、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置について説明する。図2および図6に示すように、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されていると好適である。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fであると好適である。なお、図6では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
次に、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置について説明する。図2および図6に示すように、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されていると好適である。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fであると好適である。なお、図6では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されていると好適である。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hであると好適である。なお、図6では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図6に示すように、本実施形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、若干、干渉交差する。具体的には、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cが、第二コイル引出部32sに近接している。そのため、第二単位コイル20bのコイルエンド22および第三単位コイル20cのコイルエンド22を、若干、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に迂回させると良い。これにより、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cを、若干、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に迂回させることができる。よって、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差を回避することができる。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第一コイル引出部32fは、第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることもできる。
図9および図10に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第一変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、本実施形態の第三単位コイル20cのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、本実施形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第三単位コイル20cのコイルピッチ構成は、本実施形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第三単位コイル20cは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図10では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図10では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図10に示すように、本変形形態では、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側において、コイルピッチが最小の第一単位コイル20a(コイルピッチCP11であり、5スロットピッチ(5sp))から巻始められる。そして、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側において、コイルピッチが最大の第三単位コイル20c(コイルピッチCP32であり、9スロットピッチ(9sp))で巻終わる。このように、第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cが、この順に連続して巻進められて、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いて固定子鉄心10の複数のスロット11に組み付けられると、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側に引き出される。つまり、第一コイル引出部32fの配策は、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cや他の単位コイル20(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を迂回する必要があり、第一コイル引出部32fは、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に、はみ出している。
その結果、本変形形態では、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cと、第一コイル引出部32fとが接触して交差する。そのため、本変形形態の各相コイル33は、本実施形態と比べて、第三方向(矢印Z方向)に大型化する。なお、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に向かって引き回すこともできる。
図11および図12に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第二変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が10スロットピッチ(10sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が8スロットピッチ(8sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が9スロットピッチ(9sp)に設定されている。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第三単位コイル20cは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図12では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図12では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図12に示すように、本変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、若干、干渉交差する。具体的には、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cが、第二コイル引出部32sに近接している。そのため、本実施形態と同様にして、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差を回避すると良い。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回すこともできる。
本変形形態では、当該単位コイル間接続部31cの引き回し方向と、第一方向(矢印X方向)とのなす角(図12に示す傾斜角θ2)が、本実施形態における上記なす角(図6に示す傾斜角θ1)と比べて、大きくなっている。そのため、本変形形態では、本実施形態と比べて、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差が軽減されている。
図13および図14に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第三変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第二変形形態の第三単位コイル20cのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第二変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第三単位コイル20cのコイルピッチ構成は、第二変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図14では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図14では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図14に示すように、本変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第一コイル引出部32fとが、若干、干渉交差する。具体的には、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cが、第一コイル引出部32fに近接している。そのため、本実施形態と同様にして、当該単位コイル間接続部31cと第一コイル引出部32fとの間の干渉交差を回避すると良い。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11bから第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回すこともできる。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の巻始めのコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出される第一コイル引出部32fと、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の巻終りのコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出される第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えている。さらに、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。
これらにより、一対のコイル引出部32f,32sの第二方向(矢印Y方向)の迂回量を低減することができ、一対のコイル引出部32f,32sの引き出し経路の簡素化を図ることができる。つまり、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cおよび各単位コイル20のコイルエンド22と、一対のコイル引出部32f,32sとの間の干渉交差が軽減される。その結果、各相コイル33は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。なお、上記構成は、第二変形形態の回転電機100も同様に備えている。
ここで、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側)または他端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側と異なる側)におけるコイルエンド長さ比を考える。コイルエンド長さ比は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の一磁極分の可動子磁極(可動子磁極61または可動子磁極62)に対向するコイルエンド22の長さの合計をいう。なお、コイルエンド長さ比は、単位コイル20の単位巻数あたりのスロットピッチ単位のコイルエンド22の長さの合計であり、フルコイル23fおよびハーフコイル23hのコイルの巻数を考慮して算出される。フルコイル23fのコイルの巻数を1とすると、ハーフコイル23hのコイルの巻数は、1/2(巻数比1/2)である。
図2に示すように、本実施形態では、可動子磁極61に対向する第一単位コイル20aの短節巻部2SWのコイルピッチCP11は、6スロットピッチ(6sp)であり、第二単位コイル20bの長節巻部2LWのコイルピッチCP22は、8スロットピッチ(8sp)であり、第三単位コイル20cの長節巻部2LWのコイルピッチCP32は、10スロットピッチ(8sp)である。よって、第三方向(矢印Z方向)の他端側のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、19(=6+8+10×1/2)になる。一方、可動子磁極62に対向する第一単位コイル20aの長節巻部2LWのコイルピッチCP12は、9スロットピッチ(9sp)であり、第二単位コイル20bの短節巻部2SWのコイルピッチCP21は、7スロットピッチ(7sp)であり、第三単位コイル20cの短節巻部2SWのコイルピッチCP31は、5スロットピッチ(5sp)である。よって、第三方向(矢印Z方向)の一端側のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、18.5(=9+7+5×1/2)になる。このように、第三方向(矢印Z方向)の両端部におけるコイルエンド長さ比は、概ね同じである。
また、図11に示すように、第二変形形態では、第一単位コイル20aの短節巻部2SWのコイルピッチCP11は、5スロットピッチ(5sp)であり、第二単位コイル20bの短節巻部2SWのコイルピッチCP21は、7スロットピッチ(7sp)であり、第三単位コイル20cの長節巻部2LWのコイルピッチCP32は、9スロットピッチ(9sp)である。よって、第三方向(矢印Z方向)の他端側のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、18.5(=5×1/2+7+9)になる。一方、第一単位コイル20aの長節巻部2LWのコイルピッチCP12は、10スロットピッチ(10sp)であり、第二単位コイル20bの長節巻部2LWのコイルピッチCP22は、8スロットピッチ(8sp)であり、第三単位コイル20cの短節巻部2SWのコイルピッチCP31は、6スロットピッチ(6sp)である。よって、第三方向(矢印Z方向)の一端側のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、19(=10×1/2+8+6)になる。このように、第三方向(矢印Z方向)の両端部におけるコイルエンド長さ比は、概ね同じである。
本実施形態および第二変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cと、一対のコイル引出部32f,32sとの間の干渉交差の状態は概ね同様であり、第三方向(矢印Z方向)の両端部におけるコイルエンド長さ比も、概ね同様である。しかしながら、フルコイル23fおよびハーフコイル23hの収容調整のし易さを考慮すると、本実施形態の固定子コイル30は、第二変形形態の固定子コイル30と比べて好適である。
具体的には、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21の各断面積は、フルコイル23fの一対のコイルサイド21,21の各断面積の約半分であり、ハーフコイル23hは、フルコイル23fと比べて、所要収容スペースが半分で済む。さらに、ハーフコイル23hの最小屈曲半径(曲げ半径)および曲げ変形操作力は、フルコイル23fと比べて小さいので、ハーフコイル23hは、フルコイル23fと比べて、収容調整がし易い。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fが巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)であり、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hが巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)である。
これらにより、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32s側が引き出される側)において、ハーフコイル23hのコイルエンド22をフルコイル23fのコイルエンド22の内側に収容することができ、フルコイル23fの内側の空きスペース等を活用して、第三方向(矢印Z方向)の一端側のコイルエンド22を小型化することができる。なお、本明細書では、このような観点から、本実施形態の固定子コイル30を中心に説明しているが、第二変形形態の固定子コイル30等の他の変形形態の固定子コイル30を適宜、適用しても良い。例えば、一対のコイル引出部32f,32sに要するスペースを考慮して、第三方向(矢印Z方向)の両端部のうち、上述したコイルエンド長さ比が小さい側に一対のコイル引出部32f,32sを設けることもできる。この場合、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、一対のコイル引出部32f,32sの配策を含めてコイルエンド22の高さをより均等化することができ、体積効率上、好適となる場合がある。
各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が1.5の場合も概ね同様の傾向が見られる。第四変形形態の回転電機100は、8極36スロット構成の三相回転電機であり、毎極毎相スロット数は1.5である。図15および図16に示すように、本変形形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP22の構成が異なる複数種類(二種類)の単位コイル20を備えている。また、固定子コイル30は、複数種類(二種類)の単位コイル20の各々を一つずつ含む複数(2つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。さらに、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(2つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)へ連続して巻進められて形成されている。
本変形形態では、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が5スロットピッチ(5sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が3スロットピッチ(3sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が6スロットピッチ(6sp)に設定されている。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、フルコイル23fであり、第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
図15および図16に示すように、本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図16では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図16では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
第四変形形態の各相コイル33は、本実施形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図6および図16に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、本実施形態と同様になっている。
図17および図18に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第五変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第四変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第四変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図18では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図18では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
第五変形形態の各相コイル33は、第一変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図10および図18に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、同様になっている。
図19および図20に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第六変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が5スロットピッチ(5sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が3スロットピッチ(3sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が6スロットピッチ(6sp)に設定されている。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図20では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図20では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
第六変形形態の各相コイル33は、第二変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図12および図20に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、同様になっている。
なお、本変形形態では、単位コイル間接続部31cの引き回し方向と、第一方向(矢印X方向)とのなす角(図20に示す傾斜角θ4)が、第四変形形態における上記なす角(図16に示す傾斜角θ3)と比べて、大きくなっている。そのため、本変形形態では、第四変形形態と比べて、単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差が軽減されている。
図21および図22に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第七変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第六変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第六変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、フルコイル23fであり、第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図22では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図22では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図14および図22に示すように、第七変形形態の各相コイル33は、第三変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。その結果、図22に示すように、第七変形形態では、第一コイル引出部32fと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差が解消されている。
このように、毎極毎相スロット数が1.5の場合も、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と概ね同様である。また、毎極毎相スロット数が3.5の場合、各相コイル33は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と比べて、フルコイル23fの数および単位コイル間接続部31cの数が一つずつ増加する。しかしながら、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの配置を既述の形態と同様の配置にすると、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、概ね同様になる。つまり、毎極毎相スロット数が3.5以上の場合も、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と同様である。
(相コイル33の配置)
複数(本実施形態では、3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられる。なお、既述のとおり、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
複数(本実施形態では、3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられる。なお、既述のとおり、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
図23Aに示すように、第一装着工程は、複数(3つ)の相コイル33のうちの一の相コイル33(本実施形態では、U相コイル33u)を複数(24個)のスロット11に装着する工程である。同図は、U相コイル33uを構成する概ね二磁極対分の複数(3つ)の単位コイル20の装着状態を示しており、残りの概ね二磁極対分の複数(3つ)の単位コイル20の記載が省略されている。このことは、図23B〜図23Dについても同様である。また、このことは、後述する第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た相コイル33が複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図についても同様である。
図23Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、U相コイル33u内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、U相コイル33uは、最初に装着されるので、他の相コイル33(V相コイル33vおよびW相コイル33w)の影響を受けることなく、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット底部11a側に配設される。つまり、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第二進相装着工程は、複数(3つ)の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)に対して、相間最小位相差分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。ここで、相間最小位相差とは、電気角360°を相数(本実施形態では、3)で除した相間の最小位相差(電気角120°)をいう。また、残りの一の相コイル33は、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)と比べて、相間最小位相差(電気角120°)分、位相が進む相コイル33(本実施形態では、W相コイル33w)をいう。なお、本実施形態の回転電機100は、8極60スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、5スロットピッチ分に相当する。
図23Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、W相コイル33wは、一対のコイル引出部32f,32sと、W相コイル33w内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、W相コイル33wは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
第三進相装着工程は、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)がすべて複数(60個)のスロット11に装着されるまで、直近で装着した相コイル33と比べて相間最小位相差(電気角120°)分、位相が進む相コイル33を、直近で装着した相コイル33に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。本実施形態では、第二進相装着工程の終了時に、V相コイル33vが装着されていない。そのため、第三進相装着工程では、V相コイル33vを直近で装着した相コイル33(W相コイル33w)に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。これにより、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)がすべて複数(60個)のスロット11に装着されるので、第三進相装着工程は、終了する。
図23Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33v内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相コイル33vは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
このように、他相の単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を横断する引き出し線(一対のコイル引出部32f,32sのうちの少なくとも一方)は、一相分である。本明細書では、当該引き出し線を他相横断引き出し線という。本実施形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sが他相横断引き出し線である。
図24A〜図24Dに示すように、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順(相順と同じ順序)に、複数(60個)のスロット11に装着することもできる(第八変形形態)。第八変形形態では、V相コイル33vは、U相コイル33uに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。W相コイル33wは、V相コイル33vに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。
図24Aに示すように、第八変形形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図23Aに示す本実施形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図24Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。
V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33v内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相コイル33vは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図24Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、W相コイル33wの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。つまり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの第二コイル引出部32sと同様に接触して交差し、V相コイル33vの第二コイル引出部32sと同様に配策されている。なお、W相コイル33wは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第八変形形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの二相(V相およびW相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。一方、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一相(V相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。このように、本実施形態の固定子コイル30は、第八変形形態の固定子コイル30と比べて、一対のコイル引出部32f,32s(第二コイル引出部32s)と、相コイル33内の渡り線(一つの単位コイル間接続部31c)とが、接触して交差する相数が少ない。よって、本実施形態の固定子コイル30は、第八変形形態の固定子コイル30と比べて、相コイル33内の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができ、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
また、第八変形形態では、他相横断引き出し線は、二相分であり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sおよびW相コイル33wの第二コイル引出部32sである。一方、本実施形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sである。このように、本実施形態の固定子コイル30は、第八変形形態の固定子コイル30と比べて、他相横断引き出し線の相数が少ない。よって、本実施形態の固定子コイル30は、第八変形形態の固定子コイル30と比べて、相コイル33間の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができる。相コイル33内の絶縁部位および相コイル33間の絶縁部位に用いる絶縁部材は、当該部位を電気的に絶縁することができれば良く、限定されないが、例えば、絶縁チューブなどを用いることができる。絶縁部材は、後述する他の絶縁部材についても同様である。
さらに、第八変形形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cからスロット底部11a側まで、スロット11をスロット11の深さ方向(第二方向(矢印Y方向))に横断する。このときのスロット11の横断長をハーフ横断長とする。このことは、W相コイル33wの第二コイル引出部32sについても同様である。また、スロット開口部11b側からスロット底部11a側まで、スロット11の深さ方向(第二方向(矢印Y方向))に横断するときのスロット11の横断長をフル横断長とする。フル横断長の長さ比を1とすると、ハーフ横断長の長さ比は、0.5となる。
U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。また、各相コイル33の第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が二つ分であり、長さ比が1になる。
一方、本実施形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。また、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。このことは、W相コイル33wの第二コイル引出部32sについても同様である。
各相コイル33の第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が一つ分であり、長さ比が0.5になる。このように、本実施形態の固定子コイル30は、第八変形形態の固定子コイル30と比べて、スロット11の横断長が短縮化されている。
ここで、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20間をそれぞれ接続する各渡り線(2つの単位コイル間接続部31c,31c)の一端側の端部であってスロット底部11a側に配設される端部を第一渡り線端部34aとする。また、当該渡り線の他端側の端部であってスロット開口部11b側に配設される端部を第二渡り線端部34bとする。さらに、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトルを第一ベクトル35aとする。また、相コイル33の各渡り線(2つの単位コイル間接続部31c,31c)の第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトルを第二ベクトル35bとする。
図24Eに示すように、第八変形形態では、第一ベクトル35aと、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φb1は、機械角90°より大きい鈍角になっている。第一ベクトル35aと、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φb2についても同様である。つまり、第八変形形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φb1,φb2が、いずれも機械角90°より大きい鈍角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図24Aに示すU相コイル33uの各渡り線(2つの単位コイル間接続部31c,31c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
一方、図23Eに示すように、本実施形態では、第一ベクトル35aと、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φa1は、機械角90°より小さい鋭角になっている。第一ベクトル35aと、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φa2についても同様である。つまり、本実施形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図23Aに示すU相コイル33uの各渡り線(2つの単位コイル間接続部31c,31c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
本実施形態の回転電機100によれば、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角になっている。そのため、本実施形態の回転電機100は、両側占有ハーフコイル23h1のコイルエンド22、相コイル33内の渡り線(2つの単位コイル間接続部31c,31c)および一対のコイル引出部32f,32sの間の干渉交差を低減することができ、他相横断引き出し線の数を低減することができる。よって、本実施形態の相コイル33は、第八変形形態の相コイル33と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
図25は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た本実施形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図7Aおよび図7Bに示す複数のスロット11のうちの概ね二磁極分(一磁極対分)のスロット11の相配置を示している。図25では、図2および図5Aと同様に、U相コイル33u内の接続状態が併せて図示されている。また、図25では、U相コイル33uの複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)のコイルピッチCP11〜CP32が図示されている。
さらに、図25では、U相の領域が実線で囲まれて図示されている。また、「相*」は、「相」で示すコイルサイド21の通電方向に対して、コイルサイド21の通電方向が逆方向であることを示している。U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する2.5スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する2.5スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。
図25に示すように、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設されている。既述したように、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、本実施形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と一致している。
複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)を組み付ける際の好適な順序は、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と、複数(3つ)の相コイル33の相順方向との関係性で規定することができる。具体的には、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と、複数(3つ)の相コイル33の相順方向とが一致する本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられると好適である。つまり、複数(3つ)の相コイル33は、第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。
図26に示すように、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向は、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と異なる方向に設定することもできる(第九変形形態)。図26は、図7Aに対応しており、図7Aと同様に図示されている。
第九変形形態では、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、本実施形態と同様に、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。具体的には、図26に示すように、U相コイル33uは、図5Aおよび図7Aに示す本実施形態のU相コイル33uと同様に巻き回される。よって、U相コイル33uを構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。
V相コイル33vの第一単位コイル20aは、スロット番号26のスロット11から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側)からスロット番号26のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側と異なる側)を経由して、スロット番号32のスロット11(図示略)に渡っている。このように、V相コイル33vを構成する第一単位コイル20aの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。波巻方向は、V相コイル33vを構成する第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cについても同様である。
W相コイル33wの第一単位コイル20aは、スロット番号21のスロット11から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号21のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号27のスロット11に渡っている。このように、W相コイル33wを構成する第一単位コイル20aの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。波巻方向は、W相コイル33wを構成する第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cについても同様である。
一方、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向は、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)になっている。例えば、V相の第一相端子3T1に接続される第一コイル引出部32fは、スロット番号26のスロット11から引き出されている。W相の第一相端子3T1に接続される第一コイル引出部32fは、スロット番号26から相間最小位相差(電気角120°相当の5スロットピッチ)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずれたスロット番号21のスロット11から引き出されている。U相の第一相端子3T1に接続される第一コイル引出部32fは、スロット番号21から相間最小位相差(電気角120°相当の5スロットピッチ)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずれたスロット番号16のスロット11から引き出されている。このように、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向は、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)である。
第九変形形態では、複数(本変形形態では、3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本変形形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられる。なお、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
図27Aに示すように、第一装着工程は、既述の第一装着工程と同様であり、複数(3つ)の相コイル33のうちの一の相コイル33(本変形形態では、U相コイル33u)を複数(24個)のスロット11に装着する工程である。
図27Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、U相コイル33u内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、U相コイル33uは、最初に装着されるので、他の相コイル33(V相コイル33vおよびW相コイル33w)の影響を受けることなく、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット底部11a側に配設される。つまり、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第二遅相装着工程は、複数(3つ)の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)に対して、相間最小位相差分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。相間最小位相差は、既述の相間最小位相差(電気角120°)と同様である。また、残りの一の相コイル33は、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)と比べて、相間最小位相差(電気角120°)分、位相が遅れる相コイル33(本変形形態では、V相コイル33v)をいう。
図27Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、V相コイル33vは、一対のコイル引出部32f,32sと、V相コイル33v内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、V相コイル33vは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
第三遅相装着工程は、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)がすべて複数(60個)のスロット11に装着されるまで、直近で装着した相コイル33と比べて相間最小位相差(電気角120°)分、位相が遅れる相コイル33を、直近で装着した相コイル33に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。本変形形態では、第二遅相装着工程の終了時に、W相コイル33wが装着されていない。そのため、第三遅相装着工程では、W相コイル33wを直近で装着した相コイル33(V相コイル33v)に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。これにより、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)がすべて複数(60個)のスロット11に装着されるので、第三遅相装着工程は、終了する。
図27Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、W相コイル33wの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、W相コイル33wの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、W相コイル33w内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、W相コイル33wは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。また、本変形形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sである。
図27A〜図27Dに示すように、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順(相順と異なる順序)に、複数(60個)のスロット11に装着することもできる(第十変形形態)。第十変形形態では、W相コイル33wは、U相コイル33uに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。V相コイル33vは、W相コイル33wに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。
図28Aに示すように、第十変形形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図27Aに示す第九変形形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図28Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、W相コイル33wの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、W相コイル33wの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、W相コイル33w内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、W相コイル33wは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図28Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、W相コイル33wの第二コイル引出部32sと同様に接触して交差し、W相コイル33wの第二コイル引出部32sと同様に配策されている。なお、V相コイル33vは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第十変形形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの二相(V相およびW相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。一方、第九変形形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一相(W相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。このように、第九変形形態の固定子コイル30は、第十変形形態の固定子コイル30と比べて、一対のコイル引出部32f,32s(第二コイル引出部32s)と、相コイル33内の渡り線(一つの単位コイル間接続部31c)とが、接触して交差する相数が少ない。よって、第九変形形態の固定子コイル30は、第十変形形態の固定子コイル30と比べて、相コイル33内の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができ、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
また、第十変形形態では、他相横断引き出し線は、二相分であり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sおよびW相コイル33wの第二コイル引出部32sである。一方、第九変形形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sである。このように、第九変形形態の固定子コイル30は、第十変形形態の固定子コイル30と比べて、他相横断引き出し線の相数が少ない。よって、第九変形形態の固定子コイル30は、第十変形形態の固定子コイル30と比べて、相コイル33間の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができる。
さらに、第十変形形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。このことは、W相コイル33wの第二コイル引出部32sについても同様である。
U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。また、各相コイル33の第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が二つ分であり、長さ比が1になる。
一方、第九変形形態では、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。また、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。このことは、V相コイル33vの第二コイル引出部32sについても同様である。
各相コイル33の第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が一つ分であり、長さ比が0.5になる。このように、第九変形形態の固定子コイル30は、第十変形形態の固定子コイル30と比べて、スロット11の横断長が短縮化されている。
図28A〜図28Dに示すように、第十変形形態では、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35aに相当)と、単位コイル間接続部31cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35bに相当)とのなす角の関係は、第八変形形態と同様の関係になっている。
一方、図27A〜図27Dに示すように、第九変形形態では、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35aに相当)と、単位コイル間接続部31cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35bに相当)とのなす角の関係は、本実施形態と同様の関係になっている。
これにより、第九変形形態の回転電機100は、両側占有ハーフコイル23h1のコイルエンド22、相コイル33内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)および一対のコイル引出部32f,32sの間の干渉交差を低減することができ、他相横断引き出し線の数を低減することができる。よって、第九変形形態の相コイル33は、第十変形形態の相コイル33と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
図29は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た第九変形形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図25に対応しており、図25と同様に図示されている。図29に示すように、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設されている。つまり、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向は、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)である。一方、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、第九変形形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と異なっている。
複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)を組み付ける際の好適な順序は、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と、複数(3つ)の相コイル33の相順方向との関係性で規定することができる。具体的には、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と、複数(3つ)の相コイル33の相順方向とが異なる本変形形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられると好適である。つまり、複数(3つ)の相コイル33は、第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。
(波巻と二層重巻の関係)
次に、波巻の固定子コイル30と二層重巻の固定子コイルとの関係について説明する。ここで、第一参考形態として、二層重巻の固定子コイルについて考える。図30および図31に示すように、第一参考形態では、本実施形態で既述した部材に対応する部材は、符号番号の先頭に「8」を付して図示されている。これにより、重複する説明を省略する。例えば、本参考形態のコイルサイドは、本実施形態のコイルサイド21に対応し、本参考形態では、コイルサイド821と表記する。なお、これらの「対応」は、電磁気的な等価対応を意味するものではなく、構成上の対応を意味している。
次に、波巻の固定子コイル30と二層重巻の固定子コイルとの関係について説明する。ここで、第一参考形態として、二層重巻の固定子コイルについて考える。図30および図31に示すように、第一参考形態では、本実施形態で既述した部材に対応する部材は、符号番号の先頭に「8」を付して図示されている。これにより、重複する説明を省略する。例えば、本参考形態のコイルサイドは、本実施形態のコイルサイド21に対応し、本参考形態では、コイルサイド821と表記する。なお、これらの「対応」は、電磁気的な等価対応を意味するものではなく、構成上の対応を意味している。
図30に示すように、二層重巻の極対コイル832は、コイルの巻方向およびコイルピッチが同一の複数(本参考形態では、5つ)の単位コイル820によって構成されている。各単位コイル820は、スロット底部811a側の半分のスロット811と、スロット開口部811b側の半分のスロット811との間で巻き回される。また、第一方向(矢印X方向)に隣接する複数(本参考形態では、3つ)の単位コイル820が単位コイル間接続部831cによって直列接続されており、第一極コイル831fが構成されている。
さらに、第一方向(矢印X方向)に隣接する複数(本参考形態では、2つ)の単位コイル820が単位コイル間接続部831cによって直列接続されており、第二極コイル831sが構成されている。第二極コイル831sは、第一極コイル831fが一対の可動子磁極のうちの一方の極性の可動子磁極に対向するときに当該一対の可動子磁極のうちの他方の極性の可動子磁極に対向する。第一極コイル831fおよび第二極コイル831sは、極コイル間接続部832cによって直列接続されており、極対コイル832が構成されている。
各極対コイル832は、巻始め側の第一極コイル831fから巻終り側の第二極コイル831sへ引き回す極コイル間接続部832cを介して連続して巻進められている。これにより、第一極コイル831fを構成する複数(3つ)の単位コイル820および第二極コイル831sを構成する複数(2つ)の単位コイル820が直列接続されている。なお、極対コイル832の巻始めを巻始め部832aとし、巻終りを巻終り部832bとする。
また、各極対コイル832は、一対のコイル引出部832f,832sを備えている。一対のコイル引出部832f,832sは、第一コイル引出部832fと第二コイル引出部832sとからなる。第一コイル引出部832fは、第一極コイル831fを構成する一の単位コイル820であって巻始めの単位コイル820の一のコイルサイド821から引き出されている。第二コイル引出部832sは、第二極コイル831sを構成する一の単位コイル820であって巻終りの単位コイル820の一のコイルサイド821から引き出されている。
固定子コイルは、複数(本参考形態では、4つ)の極対コイル832が電気的に並列接続された相コイルを複数(本参考形態では、3つ)備えている。各相コイルは、各一対のコイル引出部832f,832sを介して、当該相コイルを構成する複数(本参考形態では、4つ)の極対コイル832が電気的に接続されている。本参考形態の回転電機は、本実施形態の回転電機100と同様に、8極60スロット構成の三相回転電機である。
図31は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部832f,832s側から視た相配置を示している。図31は、図25と同様に図示されている。図31に示すように、二層重巻の固定子コイルにおいても、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する2.5スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する2.5スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。このことは、V相およびW相についても同様である。
このように、本実施形態および第一参考形態のいずれにおいても、U相は、通電方向が順方向の連続する2.5スロット分の領域と、通電方向が逆方向の連続する2.5スロット分の領域とが交互に繰り返されている。このことは、V相およびW相についても同様である。よって、本実施形態の固定子コイル30の電流分布は、二層重巻の固定子コイルの電流分布と概ね等価になっている。
また、第一参考形態の二層重巻の相コイルでは、各極対コイル832を構成する単位コイル820の数は、5つである。これらの単位コイル820は、コイルピッチがすべて同じ(図31に示すように、7スロットピッチ(7sp))である。つまり、コイルピッチの種類は、一種類であり、単位コイル820の種類は、一種類である。さらに、各単位コイル820は、スロット底部11a側の半分のスロット811と、スロット開口部11b側の半分のスロット811との間で巻き回される。そのため、本実施形態のフルコイル23fのコイルの巻数を1とすると、第一参考形態の各単位コイル820のコイルの巻数は、1/2(巻数比1/2)になっている。第一参考形態のコイルの巻数の種類は、一種類である。
一方、本実施形態の波巻構成の相コイル33では、各相コイル33を構成する単位コイル20の数は、3つ(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)である。これらの単位コイル20は、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なり、コイルピッチの種類は、三種類である。つまり、単位コイル20の種類は、三種類である。また、フルコイル23fである第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルの巻数を1とすると、ハーフコイル23hである第三単位コイル20cのコイルの巻数は、1/2(巻数比1/2)になっている。つまり、本実施形態のコイルの巻数の種類は、二種類である。
本実施形態の回転電機100によれば、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。また、固定子コイル30は、複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各々を一つずつ含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。さらに、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。これらにより、本実施形態の回転電機100は、分数スロット構成の回転電機において、相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)毎に第一方向(矢印X方向)の一方向に巻装する単層波巻構成で固定子コイル30を形成することが可能であり、固定子コイル30を相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)単位で組み付けることが可能である。そのため、本実施形態の回転電機100は、二層重巻で巻装された固定子コイルを備える回転電機と比べて、固定子コイル30の組み付け作業の作業効率が向上する。
(コイルエンド22の配置)
次に、固定子コイル30の複数の単位コイル20の複数のコイルエンド22の好適な形態について説明する。本実施形態では、固定子コイル30は、三相の各相3つ、合計9つの単位コイル20を備えており、複数(9つ)の単位コイル20は、一つの単位コイル20あたり8つ、三相の各相24個、合計72個のコイルエンド22を備えている。固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、第二方向(矢印Y方向)または第三方向(矢印Z方向)に、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)毎にそれぞれ配設されて、多層に形成されていると好適である。
次に、固定子コイル30の複数の単位コイル20の複数のコイルエンド22の好適な形態について説明する。本実施形態では、固定子コイル30は、三相の各相3つ、合計9つの単位コイル20を備えており、複数(9つ)の単位コイル20は、一つの単位コイル20あたり8つ、三相の各相24個、合計72個のコイルエンド22を備えている。固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、第二方向(矢印Y方向)または第三方向(矢印Z方向)に、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)毎にそれぞれ配設されて、多層に形成されていると好適である。
図32Aに示すように、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、第二方向(矢印Y方向)に、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)毎にそれぞれ配設されて、多層に形成されている。具体的には、最初に取り付けられるU相コイル33uの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、最もスロット底部11a側に配設されている。次に取り付けられるW相コイル33wの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、U相コイル33uの複数(24個)のコイルエンド22と比べて、スロット開口部11b側に配設されている。最後に取り付けられるV相コイル33vの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、最もスロット開口部11b側に配設されている。
これにより、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第二方向(矢印Y方向)において、多層(本実施形態では、三層)に形成されている。また、本実施形態の回転電機100は、円筒状回転電機なので、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)視において、略同心状に形成されている。
また、図32Bに示すように、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、第三方向(矢印Z方向)に、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)毎にそれぞれ配設されて、多層に形成することもできる。具体的には、最初に取り付けられるU相コイル33uの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、最も固定子鉄心10側に配設されている。次に取り付けられるW相コイル33wの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、U相コイル33uの複数(24個)のコイルエンド22と比べて、第三方向(矢印Z方向)の外側に配設されている。最後に取り付けられるV相コイル33vの複数(3つ)の単位コイル20の複数(24個)のコイルエンド22は、最も第三方向(矢印Z方向)の外側に配設されている。
これにより、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)において、多層(本実施形態では、三層)に形成されている。また、本実施形態の回転電機100は、円筒状回転電機なので、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)視において、略同心状に形成されている。
本実施形態の回転電機100によれば、固定子コイル30の複数(9つ)の単位コイル20の複数(72個)のコイルエンド22は、第三方向(矢印Z方向)の両端部において、第二方向(矢印Y方向)または第三方向(矢印Z方向)に、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)毎にそれぞれ配設されて、多層に形成されている。そのため、本実施形態の回転電機100は、固定子コイル30の複数(72個)のコイルエンド22を簡素化および小型化することができる。また、本実施形態の回転電機100は、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)間の電気的な絶縁を確保する絶縁部材の配設が容易である。絶縁部材は、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)間を電気的に絶縁することができれば良く、限定されないが、例えば、シート状の相間絶縁紙などを用いることができる。
<第二実施形態>
本実施形態の回転電機100は、整数スロット構成(8極48スロット構成)の三相回転電機である点で、分数スロット構成(8極60スロット構成)の第一実施形態の回転電機100と異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の回転電機100は、整数スロット構成(8極48スロット構成)の三相回転電機である点で、分数スロット構成(8極60スロット構成)の第一実施形態の回転電機100と異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の回転電機100は、8極48スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が12スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は2である。つまり、本実施形態の回転電機100は、毎極毎相スロット数が整数である整数スロット構成の回転電機100である。
図33Aおよび図33Bに示すように、本実施形態においても、U相コイル33uは、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。図33Aは、図5Aに対応しており、図5Aと同様に図示されている。図33Bは、図5Bに対応しており、図5Bと同様に図示されている。また、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。さらに、U相コイル33uは、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。
本実施形態では、固定子コイル30は、全節巻単位コイル20Fおよび短節巻長節巻単位コイル20SLの両方の単位コイル20を備えている。既述したように、全節巻単位コイル20Fは、全節巻部2FWを備えている。本実施形態の回転電機100は、8極48スロット構成の三相回転電機なので、スロット数を可動子70の磁極数で除した値は、6スロットピッチ(6sp)になる。本実施形態では、第二単位コイル20bは、全節巻単位コイル20Fであり、全節巻部2FWのコイルピッチCP2が6スロットピッチ(6sp)に設定されている。第二単位コイル20bのコイルピッチの構成を第一コイルピッチ構成とする。
第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が8スロットピッチ(8sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が8スロットピッチ(8sp)に設定されている。つまり、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成は、同じである。第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成を第二コイルピッチ構成とする。
このように、U相コイル33uは、コイルピッチの構成が異なる複数種類(第一コイルピッチ構成および第二コイルピッチ構成の二種類)の単位コイル20を備えている。また、U相コイル33uは、第一コイルピッチ構成の単位コイル20を一つ(第二単位コイル20b)含み、第二コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20c)含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている。具体的には、U相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されている。
図34Aおよび図34Bに示すように、U相コイル33uを構成する各単位コイル20について既述したことは、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。図34Aは、図7Aに対応しており、図7Aと同様に図示されている。図34Bは、図7Bに対応しており、図7Bと同様に図示されている。なお、本実施形態においても、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。また、本実施形態の回転電機100は、8極48スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、4スロットピッチ分に相当する。
本実施形態の回転電機100によれば、固定子コイル30は、全節巻単位コイル20Fおよび短節巻長節巻単位コイル20SLの両方の単位コイル20であって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(第一コイルピッチ構成および第二コイルピッチ構成の二種類)の単位コイル20を備えている。また、固定子コイル30は、第一コイルピッチ構成の単位コイル20を一つ(第二単位コイル20b)含み、第二コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20c)含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。さらに、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
これらにより、本実施形態の回転電機100は、整数スロット構成の回転電機において、相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)毎に第一方向(矢印X方向)の一方向に巻装する単層波巻構成で固定子コイル30を形成することが可能であり、固定子コイル30を相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)単位で組み付けることが可能である。そのため、本実施形態の回転電機100は、二層重巻で巻装された固定子コイルを備える回転電機と比べて、固定子コイル30の組み付け作業の作業効率が向上する。
また、本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、一つのフルコイル23fと、二つの偶数個のハーフコイル23hとを備えている。具体的には、第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。また、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成は、同じであり、ハーフコイル23hのコイルピッチの種類は、一種類(ハーフコイル23hの数の半分)である。そのため、整数スロット構成の回転電機において、上述した固定子コイル30を具備することができる。
さらに、各相コイル33は、相コイル33uを構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されている。また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の可動子磁極61(図示略)に対向する全節巻部2FW、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP2,CP11,CP32のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWのコイルピッチCP11が最小(4スロットピッチ(4sp))となり、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWのコイルピッチCP32が最大(8スロットピッチ(8sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ順にコイルピッチが大きくなっている。
各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの他方の可動子磁極62(図示略)に対向する全節巻部2FW、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP2,CP31,CP12のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWのコイルピッチCP12が最大(8スロットピッチ(8sp))となり、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWのコイルピッチCP31が最小(4スロットピッチ(4sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ順にコイルピッチが小さくなっている。これらにより、本実施形態の回転電機100は、第一実施形態で既述の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとが、単位コイル間接続部31cによって電気的に接続されている。各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとが、単位コイル間接続部31cによって電気的に接続されている。例えば、図33Aに示すように、第一単位コイル20aのスロット番号13のスロット11に収容されるコイルサイド21は、第三単位コイル20cのスロット番号11のスロット11に収容されるコイルサイド21と比べて、第二単位コイル20bのスロット番号12のスロット11に収容されるコイルサイド21に近接している。
本実施形態の回転電機100によれば、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、コイルサイド21が最も近接する単位コイル20,20同士が電気的に接続されている。よって、本実施形態の回転電機100は、第一実施形態で既述の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。よって、本実施形態の回転電機100は、第一実施形態で既述の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。
図33Aおよび図33Bに示すように、本実施形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されていると好適である。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、U相コイル33uを構成する一組のハーフコイル23h,23hの一方のハーフコイル23hであると好適である。なお、図33Bでは、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されていると好適である。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該U相コイル33uを構成する一組のハーフコイル23h,23hの他方のハーフコイル23hであると好適である。なお、図33Bでは、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。以上のことは、V相コイル33vについても同様であり、W相コイル33wについても同様である。
図33Bに示すように、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、若干、干渉交差する。具体的には、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cが、第二コイル引出部32sに近接している。よって、第一実施形態と同様にして、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差を回避すると良い。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第一コイル引出部32fは、第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることもできる。以上のことは、V相コイル33vについても同様であり、W相コイル33wについても同様である。
図33Aおよび図33Bに示すように、本実施形態の各相コイル33は、第一単位コイル20aがハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bがフルコイル23fであり、第三単位コイル20cがハーフコイル23hである。一方、図5Aおよび図5Bに示すように、第一実施形態の各相コイル33は、第一単位コイル20aがフルコイル23fであり、第二単位コイル20bがフルコイル23fであり、第三単位コイル20cがハーフコイル23hである。このように、本実施形態の各相コイル33は、第一単位コイル20aがハーフコイル23hであるのに対して、第一実施形態の各相コイル33は、第一単位コイル20aがフルコイル23fである点で異なっている。また、既述したように、コイルピッチCP11〜CP32の構成も異なっている。
しかしながら、図5Bと図33Bとを比較すると、一対のコイル引出部32f,32sと、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cとの間の干渉交差の状態は、概ね同様になっている。そのため、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、第一実施形態と概ね同様である。
例えば、図35に示すように、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第十一変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、本実施形態の第三単位コイル20cのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、本実施形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第三単位コイル20cのコイルピッチ構成は、本実施形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一組のハーフコイル23h,23hの一方のハーフコイル23hから引き出されている。なお、図36では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一組のハーフコイル23h,23hの他方のハーフコイル23hから引き出されている。なお、図36では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
図36に示すように、本変形形態では、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cと、第一コイル引出部32fとが接触して交差する。そのため、本変形形態の各相コイル33は、本実施形態と比べて、第三方向(矢印Z方向)に大型化する。この結果は、第一変形形態で既述した第一実施形態に対する比較結果と同様である。なお、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第二実施形態に関して後述する変形形態においても、第十一変形形態と同様の配置にすることができる。しかしながら、上述した観点から、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sは、第二実施形態の配置と同様の配置にすると好適である。
なお、図33Aに示すように、本実施形態では、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の可動子磁極61(図示略)に対向する第一単位コイル20aの短節巻部2SWのコイルピッチCP11は、4スロットピッチ(4sp)であり、第二単位コイル20bの全節巻部2FWのコイルピッチCP2は、6スロットピッチ(6sp)であり、第三単位コイル20cの長節巻部2LWのコイルピッチCP32は、8スロットピッチ(8sp)である。また、第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。よって、第三方向(矢印Z方向)の他端側(一対のコイル引出部32f,32sが設けられる側と異なる側)のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、12(=6+4×1/2+8×1/2)になる。
一対の可動子磁極61,62のうちの他方の可動子磁極62(図示略)に対向する第一単位コイル20aの長節巻部2LWのコイルピッチCP12は、8スロットピッチ(8sp)であり、第二単位コイル20bの全節巻部2FWのコイルピッチCP2は、6スロットピッチ(6sp)であり、第三単位コイル20cの短節巻部2SWのコイルピッチCP31は、4スロットピッチ(4sp)である。よって、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが設けられる側)のコイルエンド長さ比(スロットピッチ単位)は、12(=6+4×1/2+8×1/2)になる。このように、整数スロット構成の回転電機100では、第三方向(矢印Z方向)の両端部におけるコイルエンド長さ比は、一致する。
図37A〜図37Dに示すように、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一実施形態で既述した第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(48個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられる。なお、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
図37Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されており、スロット開口部11b側に引き回されている。一方、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、U相コイル33u内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
図37Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されており、スロット開口部11b側に引き回されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、W相コイル33wは、一対のコイル引出部32f,32sと、W相コイル33w内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが、干渉交差していない。なお、既述したように、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとの間の干渉交差は、回避されている。また、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図37Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されており、スロット底部11a側に引き回されている。V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33v内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。なお、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。また、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。さらに、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。このように、本実施形態では、他相横断引き出し線は、三相分であり、V相コイル33vの第二コイル引出部32s、U相コイル33uの第一コイル引出部32fおよびW相コイル33wの第一コイル引出部32fである。
図38A〜図38Dに示すように、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順(相順と同じ順序)に、複数(48個)のスロット11に装着することもできる(第十二変形形態)。第十二変形形態では、V相コイル33vは、U相コイル33uに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。W相コイル33wは、V相コイル33vに対して、相間最小位相差(電気角120°)分、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。
図38Aに示すように、第十二変形形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図37Aに示す本実施形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図38Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されており、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。なお、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されているので、第二コイル引出部32sとは接触して交差しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33v内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの各単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図38Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。一方、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されており、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wは、W相コイル33wの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、接触して交差する。つまり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの第二コイル引出部32sと同様に接触して交差し、V相コイル33vの第二コイル引出部32sと同様に配策されている。なお、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第十二変形形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの二相(V相およびW相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。一方、本実施形態では、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一相(V相)において、第二コイル引出部32sと、相コイル33内の一つの単位コイル間接続部31cとが、接触して交差する。このように、本実施形態の固定子コイル30は、第十二変形形態の固定子コイル30と比べて、一対のコイル引出部32f,32s(第二コイル引出部32s)と、相コイル33内の渡り線(一つの単位コイル間接続部31c)とが、接触して交差する相数が少ない。よって、本実施形態の固定子コイル30は、第十二変形形態の固定子コイル30と比べて、相コイル33内の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができ、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
また、第十二変形形態では、他相横断引き出し線は、三相分であり、U相コイル33uの第一コイル引出部32f、V相コイル33vの第二コイル引出部32sおよびW相コイル33wの第二コイル引出部32sである。一方、本実施形態では、他相横断引き出し線は、三相分であり、U相コイル33uの第一コイル引出部32f、V相コイル33vの第二コイル引出部32sおよびW相コイル33wの第一コイル引出部32fである。このように、本実施形態および第十二変形形態の他相横断引き出し線の相数は、同じである。
さらに、第十二変形形態では、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に引き回されている。つまり、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一コイル引出部32fと同様である。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。このことは、W相コイル33wの第二コイル引出部32sについても同様である。なお、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が三つ分であり、長さ比が1.5になる。
本実施形態では、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に引き回されている。つまり、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。このことは、W相コイル33wの第一コイル引出部32fについても同様である。なお、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されており、スロット11を横断しない。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。つまり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット11の横断長がハーフ横断長(長さ比は0.5)である。なお、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されており、スロット11を横断しない。W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの第二コイル引出部32sと同様である。以上から、三相分の一対のコイル引出部32f,32sのスロット11の横断長は、ハーフ横断長が三つ分であり、長さ比が1.5になる。このように、本実施形態および第十二変形形態のスロット11の横断長は、同じである。
図38Dに示すように、第十二変形形態では、V相の二つの両側占有ハーフコイル23h1のコイルエンド22は、互いに干渉交差している。また、図38A〜図38Cに示すように、各相コイル33を構成する複数(本変形形態では、3つ)の単位コイル20間を接続する複数(本変形形態では、2つ)の単位コイル間接続部31c,31cは、スロット底部11a側からスロット開口部11b側に向かって引き回されている。その結果、V相コイル33vは、V相コイル33vの第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、両側占有ハーフコイル23h1(V相の第三単位コイル20c)のコイルエンド22とが、接触して交差する。なお、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cと、両側占有ハーフコイル23h1(V相の第一単位コイル20a)のコイルエンド22とは、引き回し方向が同じであり、V相コイル33vの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルエンド22間に収容されるので、これらは接触して交差しない。
図37Dに示すように、本実施形態では、二つの両側占有ハーフコイル23h1は、W相のハーフコイル23hである点で、第十二変形形態と異なる。しかしながら、第十二変形形態と同様に、二つの両側占有ハーフコイル23h1(W相のハーフコイル23h)は、互いに干渉交差している。また、W相コイル33wは、W相コイル33wの第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cと、両側占有ハーフコイル23h1(W相の第一単位コイル20a)のコイルエンド22とが、接触して交差する。
以上のように、本実施形態の固定子コイル30は、第十二変形形態の固定子コイル30と比べて、一対のコイル引出部32f,32s(第二コイル引出部32s)と、相コイル33内の渡り線(一つの単位コイル間接続部31c)とが、接触して交差する相数が少ない。しかしながら、本実施形態および第十二変形形態の他相横断引き出し線の相数は、同じである。また、本実施形態および第十二変形形態のスロット11の横断長は、同じである。さらに、本実施形態および第十二変形形態の両側占有ハーフコイル23h1に関する干渉交差の状態は、概ね同じである。したがって、相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の配置は、本実施形態および第十二変形形態のうちのいずれの形態であっても良い。以上のことは、本実施形態に関して後述する変形形態についても同様である。
図39は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た本実施形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図34Aおよび図34Bに示す複数のスロット11のうちの概ね二磁極分(一磁極対分)のスロット11の相配置を示している。図39は、図25に対応しており、同様に図示されている。図39に示すように、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する2スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する2スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。
図39に示すように、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設されている。既述したように、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、本実施形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と一致している。
なお、第九変形形態と同様にして、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向は、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向と異なる方向に設定することもできる。この場合、例えば、複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一実施形態で既述した第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える回転電機100の製造方法によって、複数(48個)のスロット11に装着することができる。これにより、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられる。以上のことは、本実施形態に関して後述する変形形態についても同様である。
図40は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た第二参考形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図25および図39に対応しており、同様に図示されている。第二参考形態の回転電機100は、本実施形態の回転電機100と同様に、8極48スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が12スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は2である。
本参考形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチの構成が一種類の単位コイル20を備えている。また、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(2つ)の単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)は、複数のスロット11の占有状態に関して、一種類の単位コイル20(フルコイル23f)を備えている。つまり、本参考形態では、各相コイル33を構成する複数(2つ)の単位コイル20は、ハーフコイル23hを具備していない。
具体的には、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が7スロットピッチ(7sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が7スロットピッチ(7sp)に設定されている。つまり、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bのコイルピッチの構成は、同じである。また、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、いずれもフルコイル23fである。
本参考形態においても、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。また、本参考形態の回転電機100は、8極48スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、4スロットピッチ分に相当する。図40に示すように、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する2スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する2スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。なお、同図は、8極48スロット構成の三相回転電機の固定子コイル30を二層重巻で形成した場合の複数のスロット11の相配置と一致している。
図41は、図40に示す複数のスロット11の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させた状態を示す図である。同図において、破線で示す各領域fp11〜fp14内の相配置をそれぞれ入れ替える。例えば、領域fp11では、W相とU*相とを入れ替える。他の領域fp12〜fp14についても同様である。これにより、図41は、図39に示す本実施形態の回転電機100の相配置と一致する。
このように、図40に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させて上述した入れ替えを行うことにより、本実施形態の相配置と等価になる。なお、図40に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させても良い。また、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を移動させる代わりに、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)の一層分を移動させても良い。
第二実施形態の回転電機100は、毎極毎相スロット数が2である。そのため、上記移動量は、毎極毎相スロット数2から1を減じた1スロットピッチ(1sp)分に設定されている。これより、起磁力分布の正弦波化と、必要以上に移動させることによって生じるトルク目減りの抑制との両立を図ることができる。
本発明は、毎極毎相スロット数が3以上の回転電機100に適用することもできる。第十三変形形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が18スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は3である。
図42に示すように、本変形形態では、各相コイル33は、複数(4つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20cおよび第四単位コイル20d)を備えている。また、各相コイル33を構成する複数(4つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第四単位コイル20d)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。さらに、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。
本変形形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチの構成が異なる複数種類(二種類)の単位コイル20を備えている。また、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(4つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a〜第四単位コイル20d)は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
具体的には、第一単位コイル20a〜第四単位コイル20dは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が12スロットピッチ(12sp)に設定されている。第四単位コイル20dは、短節巻部2SWのコイルピッチCP41が6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP42が12スロットピッチ(12sp)に設定されている。つまり、第一単位コイル20aおよび第四単位コイル20dのコイルピッチの構成は、同じである。第一単位コイル20aおよび第四単位コイル20dのコイルピッチの構成を第三コイルピッチ構成とする。
第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が8スロットピッチ(8sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が10スロットピッチ(10sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が8スロットピッチ(8sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が10スロットピッチ(10sp)に設定されている。つまり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成は、同じである。第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成を第四コイルピッチ構成とする。
このように、固定子コイル30は、コイルピッチの構成が異なる複数種類(第三コイルピッチ構成および第四コイルピッチ構成の二種類)の単位コイル20を備えている。また、固定子コイル30は、第三コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第一単位コイル20aおよび第四単位コイル20d)含み、第四コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)含む複数(4つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。具体的には、各相コイル33を構成する複数(4つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a〜第四単位コイル20d)は、複数(3つ)の単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されている。
本変形形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、複数(2つ)のフルコイル23fと、2つの偶数個のハーフコイル23hとを備えている。具体的には、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fであり、第一単位コイル20aおよび第四単位コイル20dは、ハーフコイル23hである。また、フルコイル23f(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)のコイルピッチの構成は、同じであり、フルコイル23fのコイルピッチの種類は、一種類である。さらに、ハーフコイル23h(第一単位コイル20aおよび第四単位コイル20d)のコイルピッチの構成は、同じであり、ハーフコイル23hのコイルピッチの種類は、一種類(ハーフコイル23hの数の半分)である。
また、各相コイル33を構成する複数(4つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の可動子磁極61(図示略)に対向する短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP11,CP21,CP32,CP42のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWのコイルピッチCP11が最小(6スロットピッチ(6sp))となり、巻終りの単位コイル20(第四単位コイル20d)の長節巻部2LWのコイルピッチCP42が最大(12スロットピッチ(12sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第四単位コイル20d)へ順にコイルピッチが大きくなっている。
各相コイル33を構成する複数(4つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの他方の可動子磁極62(図示略)に対向する短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP31,CP41,CP12,CP22のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWのコイルピッチCP12が最大(12スロットピッチ(12sp))となり、巻終りの単位コイル20(第四単位コイル20d)の短節巻部2SWのコイルピッチCP41が最小(6スロットピッチ(6sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第四単位コイル20d)へ順にコイルピッチが小さくなっている。
さらに、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一組のハーフコイル23h,23hの一方のハーフコイル23hである。なお、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出すことができる。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一組のハーフコイル23h,23hの他方のハーフコイル23hである。なお、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出すことができる。
図43は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た本変形形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図25および図39に対応しており、同様に図示されている。図43に示すように、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する3スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する3スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。
図43に示すように、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設されている。なお、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。また、本変形形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、6スロットピッチ分に相当する。さらに、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、本変形形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と一致している。
図44は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た第三参考形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図40に対応しており、図40と同様に図示されている。第三参考形態の回転電機100は、本実施形態の回転電機100と同様に、8極72スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が18スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は3である。
本参考形態では、各相コイル33は、複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。また、固定子コイル30は、全節巻単位コイル20Fおよび短節巻長節巻単位コイル20SLの両方の単位コイル20を備えている。本参考形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機なので、全節巻部2FWのコイルピッチは、9スロットピッチ(9sp)になる。本参考形態では、第二単位コイル20bは、全節巻単位コイル20Fであり、全節巻部2FWのコイルピッチCP2が9スロットピッチ(9sp)に設定されている。第二単位コイル20bのコイルピッチの構成を第五コイルピッチ構成とする。
第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が11スロットピッチ(11sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が11スロットピッチ(11sp)に設定されている。つまり、第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成は、同じである。第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20cのコイルピッチの構成を第六コイルピッチ構成とする。
このように、固定子コイル30は、コイルピッチの構成が異なる複数種類(第五コイルピッチ構成および第六コイルピッチ構成の二種類)の単位コイル20を備えている。また、固定子コイル30は、第五コイルピッチ構成の単位コイル20を一つ(第二単位コイル20b)含み、第六コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第一単位コイル20aおよび第三単位コイル20c)含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。具体的には、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されている。
しかしながら、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、複数のスロット11の占有状態に関して、一種類の単位コイル20(フルコイル23f)を備えている。つまり、本参考形態では、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、ハーフコイル23hを具備していない。
本参考形態においても、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。また、本参考形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、6スロットピッチ分に相当する。図44に示すように、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する3スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する3スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。なお、同図は、8極72スロット構成の三相回転電機の固定子コイル30を二層重巻で形成した場合の複数のスロット11の相配置と一致している。
図45は、図44に示す複数のスロット11の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させた状態を示す図である。同図において、破線で示す各領域fp21〜fp25内の相配置をそれぞれ入れ替える。例えば、領域fp21では、W相とU*相とを入れ替える。他の領域fp22〜fp25についても同様である。これにより、図45は、図43に示す第十三変形形態の回転電機100の相配置と一致する。
このように、図44に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させて上述した入れ替えを行うことにより、本変形形態の相配置と等価になる。なお、図44に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)に1スロットピッチ(1sp)分、移動させても良い。また、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を移動させる代わりに、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)の一層分を移動させても良い。
第十三変形形態の回転電機100は、毎極毎相スロット数が3である。そのため、上記移動量は、毎極毎相スロット数3から2を減じた1スロットピッチ(1sp)分に設定されている。これより、起磁力分布の正弦波化と、必要以上に移動させることによって生じるトルク目減りの抑制との両立を図ることができる。
毎極毎相スロット数が3の回転電機100では、固定子コイル30は、第十四変形形態の構成にすることもできる。第十四変形形態においても、回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機(可動子70の磁極数が2極、固定子40のスロット数が18スロットを基本構成とする三相回転電機)であり、毎極毎相スロット数は3である。
図46に示すように、本変形形態では、各相コイル33は、複数(5つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c、第四単位コイル20dおよび第五単位コイル20e)を備えている。また、各相コイル33を構成する複数(5つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第五単位コイル20e)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。さらに、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。
本変形形態では、固定子コイル30は、全節巻単位コイル20Fおよび短節巻長節巻単位コイル20SLの両方の単位コイル20を備えている。本変形形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機なので、全節巻部2FWのコイルピッチは、9スロットピッチ(9sp)になる。本変形形態では、第三単位コイル20cは、全節巻単位コイル20Fであり、全節巻部2FWのコイルピッチCP3が9スロットピッチ(9sp)に設定されている。第三単位コイル20cのコイルピッチの構成を第七コイルピッチ構成とする。
第一単位コイル20aおよび第五単位コイル20eは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が13スロットピッチ(13sp)に設定されている。第五単位コイル20eは、短節巻部2SWのコイルピッチCP51が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP52が13スロットピッチ(13sp)に設定されている。つまり、第一単位コイル20aおよび第五単位コイル20eのコイルピッチの構成は、同じである。第一単位コイル20aおよび第五単位コイル20eのコイルピッチの構成を第八コイルピッチ構成とする。
第二単位コイル20bおよび第四単位コイル20dは、いずれも短節巻長節巻単位コイル20SLである。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が11スロットピッチ(11sp)に設定されている。第四単位コイル20dは、短節巻部2SWのコイルピッチCP41が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP42が11スロットピッチ(11sp)に設定されている。つまり、第二単位コイル20bおよび第四単位コイル20dのコイルピッチの構成は、同じである。第二単位コイル20bおよび第四単位コイル20dのコイルピッチの構成を第九コイルピッチ構成とする。
このように、固定子コイル30は、コイルピッチの構成が異なる複数種類(第七コイルピッチ構成〜第九コイルピッチ構成の三種類)の単位コイル20を備えている。また、固定子コイル30は、第七コイルピッチ構成の単位コイル20を一つ(第三単位コイル20c)含み、第八コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第一単位コイル20aおよび第五単位コイル20e)含み、第九コイルピッチ構成の単位コイル20を二つ(第二単位コイル20bおよび第四単位コイル20d)含む複数(5つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。具体的には、各相コイル33を構成する複数(5つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a〜第五単位コイル20e)は、複数(4つ)の単位コイル間接続部31cを介して、電気的に直列接続されている。
また、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(5つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a〜第五単位コイル20e)は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
本変形形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、一つのフルコイル23fと、二つ以上(4つ)の偶数個のハーフコイル23hとを備えている。具体的には、第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第四単位コイル20dおよび第五単位コイル20eは、ハーフコイル23hである。また、第一単位コイル20aおよび第五単位コイル20eのハーフコイル23hのコイルピッチの構成は、同じであり、第二単位コイル20bおよび第四単位コイル20dのハーフコイル23hのコイルピッチの構成は、同じである。つまり、ハーフコイル23hのコイルピッチの種類は、二種類(ハーフコイル23hの数の半分)である。
また、各相コイル33を構成する複数(5つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の可動子磁極61(図示略)に対向する全節巻部2FW、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP3,CP11,CP21,CP42,CP52のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWのコイルピッチCP11が最小(5スロットピッチ(5sp))となり、巻終りの単位コイル20(第五単位コイル20e)の長節巻部2LWのコイルピッチCP52が最大(13スロットピッチ(13sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第五単位コイル20e)へ順にコイルピッチが大きくなっている。
各相コイル33を構成する複数(5つ)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62のうちの他方の可動子磁極62(図示略)に対向する全節巻部2FW、短節巻部2SWおよび長節巻部2LWのコイルピッチCP3,CP41,CP51,CP12,CP22のうち、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWのコイルピッチCP12が最大(13スロットピッチ(13sp))となり、巻終りの単位コイル20(第五単位コイル20e)の短節巻部2SWのコイルピッチCP51が最小(5スロットピッチ(5sp))となるように、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第五単位コイル20e)へ順にコイルピッチが小さくなっている。
さらに、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する二つ以上の偶数個(本変形形態では、4つ)のハーフコイル23hのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大の一組のハーフコイル23h,23hの一方のハーフコイル23hである。なお、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出すことができる。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する二つ以上の偶数個(4つ)のハーフコイル23hのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大の一組のハーフコイル23h,23hの他方のハーフコイル23hである。なお、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出すことができる。
図47は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た本変形形態の回転電機100の相配置を示している。同図は、図25、図39および図43に対応しており、同様に図示されている。図47に示すように、U相は、「U」で示される通電方向が順方向の領域(連続する3スロット分の領域)と、「U*」で示される通電方向が逆方向の領域(連続する3スロット分の領域)とが交互に繰り返されている。これらのことは、V相およびW相についても同様である。
図47に示すように、複数(3つ)の相コイル33は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設されている。なお、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。また、本変形形態の回転電機100は、8極72スロット構成の三相回転電機であり、相間最小位相差(電気角120°)は、6スロットピッチ分に相当する。さらに、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。このように、本変形形態では、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、各波巻方向が、いずれも複数(3つ)の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の相順方向と一致している。
図48は、図44に示す複数のスロット11の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に2スロットピッチ(2sp)分、移動させた状態を示す図である。同図において、破線で示す各領域fp31〜fp39内の相配置をそれぞれ入れ替える。例えば、領域fp31では、W相とU*相とを入れ替える。他の領域fp32〜fp39についても同様である。これにより、図48は、図47に示す第十四変形形態の回転電機100の相配置と一致する。
このように、図44に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)に2スロットピッチ(2sp)分、移動させて上述した入れ替えを行うことにより、本変形形態の相配置と等価になる。なお、図44に示す二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)に2スロットピッチ(2sp)分、移動させても良い。また、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)の一層分を移動させる代わりに、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)の一層分を移動させても良い。
第十四変形形態の回転電機100は、毎極毎相スロット数が3である。そのため、上記移動量は、毎極毎相スロット数3から1を減じた2スロットピッチ(2sp)分に設定されている。これより、起磁力分布の正弦波化と、必要以上に移動させることによって生じるトルク目減りの抑制との両立を図ることができる。以上のことは、毎極毎相スロット数が4以上の回転電機100についても同様に言える。つまり、毎極毎相スロット数がq(qは2以上の自然数)のときには、二層重巻構成の固定子コイルと電磁気的に等価な波巻構成の固定子コイル30の相配置において、第二方向(矢印Y方向)の一層分を、第一方向(矢印X方向)に、最大q−1スロットピッチ分、移動させた相配置にすると好適である。つまり、上記移動量は、1スロットピッチ分〜q−1スロットピッチ分のうちのいずれかであると好適である。
ここで、毎極毎相スロット数q(qは2以上の自然数)と上記移動量(絶対値)とを加算し、2で除した値を第一規定量nI1とする。また、第一規定量nI1以上の最小の自然数を第二規定量nI2とする。整数スロット構成の回転電機100では、固定子コイル30は、コイルピッチの構成に関して、第二規定量nI2で示される複数種類の単位コイル20を備えている。例えば、第二実施形態では、毎極毎相スロット数が2であり、上記移動量(絶対値)は、1スロットピッチ分である。よって、第一規定量nI1は、1.5(=(2+1)/2)になり、第二規定量nI2は、2になる。既述したように、固定子コイル30は、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(第一コイルピッチ構成および第二コイルピッチ構成の二種類)の単位コイル20を備えており、上記種類数は、第二規定量nI2と一致している。
また、第一規定量nI1から上記移動量(絶対値)を減じて、2倍した値を第三規定量nI3とする。さらに、上記移動量(絶対値)を2倍した値を第四規定量nI4とする。整数スロット構成の回転電機100では、各相コイル33は、複数のスロット11の占有状態に関して、第三規定量nI3で示される数のフルコイル23fと、第四規定量nI4で示される数のハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
例えば、第二実施形態では、第三規定量nI3は、1(=(1.5−1)×2)になり、第四規定量nI4は、2(=1×2)になる。既述したように、各相コイル33は、一つのフルコイル23fと、二つの偶数個のハーフコイル23hとを備えている。フルコイル23fの数は、第三規定量nI3と一致しており、ハーフコイル23hの数は、第四規定量nI4と一致している。以上のことは、第二実施形態で既述の各変形形態についても同様に言える。また、毎極毎相スロット数が4以上の回転電機100についても同様に言える。
一方、分数スロット構成の回転電機100では、以下に示すように規定することができる。ここで、毎極毎相スロット数q(qは2以上の自然数)以上の最小の自然数を第五規定量nFとする。分数スロット構成の回転電機100では、固定子コイル30は、コイルピッチの構成に関して、第五規定量nFで示される複数種類の単位コイル20を備えている。例えば、第一実施形態では、毎極毎相スロット数が2.5である。よって、第五規定量nFは、3になる。既述したように、固定子コイル30は、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20を備えており、上記種類数は、第五規定量nFと一致している。
また、分数スロット構成の回転電機100では、各相コイル33は、複数のスロット11の占有状態に関して、第五規定量nFから1を減じた数のフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。例えば、第一実施形態では、第五規定量nFから1を減じた数は、2である。既述したように、各相コイル33は、二つのフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備えている。フルコイル23fの数は、第五規定量nFから1を減じた数と一致しており、ハーフコイル23hの数は、いずれも一つであり、一致している。以上のことは、第一実施形態で既述の各変形形態についても同様に言える。また、毎極毎相スロット数が3.5以上の回転電機100についても同様に言える。
なお、整数スロット構成および分数スロット構成のいずれの回転電機100においても、各相コイル33は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。フルコイル23fのコイルの巻数を1とすると、ハーフコイル23hのコイルの巻数は、1/2(巻数比1/2)になっている。つまり、コイルの巻数の種類は、二種類である。
<各単位コイル20の巻進行方向>
第一実施形態および第二実施形態のいずれの形態においても、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。しかしながら、上述の巻進行方向W1,W2,W3は、いずれも第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に設定することができる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
第一実施形態および第二実施形態のいずれの形態においても、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。しかしながら、上述の巻進行方向W1,W2,W3は、いずれも第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に設定することができる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図49に示すように、第十五変形形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。また、固定子コイル30は、複数種類(三種類)の単位コイル20の各々を一つずつ含む複数(3つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。さらに、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
具体的には、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が10スロットピッチ(10sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が8スロットピッチ(8sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が9スロットピッチ(9sp)に設定されている。なお、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。つまり、各相コイル33は、複数(2つ)のフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備えている。
また、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。さらに、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。
図50に示すように、第一単位コイル20aは、第一コイル引出部32fが引き出されるスロット番号SN1のスロット11のスロット底部11a側から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側。)からスロット番号SN1のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側(一対のコイル引出部32f,32sが引き出される側と異なる側。)を経由して、スロット番号SN2のスロット11に渡っている。さらに、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号SN2のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側に渡っている。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
第一単位コイル20aは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(2以上の自然数nを用いて、n/2回とする。)、巻き回される。第一実施形態と同様に、図50に示す直線L11は、第一単位コイル20aが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L1n−1は、第一単位コイル20aが(n/2−1)回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第一単位コイル20aは、n/2回巻き回された後、単位コイル間接続部31cを介して、第二単位コイル20bに渡る。
具体的には、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号SN3のスロット11を挿通している。(n/2−1)回目までは、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号SN1のスロット11に渡っている。一方、n/2回目には、第一単位コイル20aは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号SN4のスロット11に渡っている。単位コイル間接続部31cは、スロット番号SN3のスロット11のスロット中央部11cからスロット番号SN4のスロット11のスロット底部11a側に引き回されている。
第二単位コイル20bは、スロット番号SN4のスロット11のスロット底部11a側から巻始められる。そして、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号SN4のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号SN5のスロット11に渡っている。さらに、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号SN5のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側に渡っている。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
第二単位コイル20bは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回される。第一実施形態と同様に、図50に示す直線L21は、第二単位コイル20bが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L2n−1は、第二単位コイル20bがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第二単位コイル20bは、n回巻き回された後、単位コイル間接続部31cを介して、第三単位コイル20cに渡る。
具体的には、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号SN6のスロット11を挿通している。n−1回目までは、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号SN4のスロット11に渡っている。一方、n回目には、第二単位コイル20bは、第三方向(矢印Z方向)の一端側を経由して、スロット番号SN7のスロット11に渡っている。単位コイル間接続部31cは、スロット番号SN6のスロット11のスロット開口部11b側からスロット番号SN7のスロット11のスロット底部11a側に引き回されている。
第三単位コイル20cは、スロット番号SN7のスロット11のスロット底部11a側から巻始められる。そして、第三単位コイル20cは、第三方向(矢印Z方向)の一端側からスロット番号SN7のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の他端側を経由して、スロット番号SN8のスロット11に渡っている。さらに、第三単位コイル20cは、第三方向(矢印Z方向)の他端側からスロット番号SN8のスロット11を挿通しており、第三方向(矢印Z方向)の一端側に渡っている。上述したことが、可動子磁極の八磁極分(四磁極対分)繰り返される。
第三単位コイル20cは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回される。第一実施形態と同様に、図50に示す直線L31は、第三単位コイル20cが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。また、同図に示す直線L3n−1は、第三単位コイル20cがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22の渡り状態を示している。第三単位コイル20cは、第二コイル引出部32sが引き出されるスロット番号SN9のスロット11のスロット開口部11b側で巻終わる。
第一単位コイル20aが第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n/2回)、巻き回されるときの第一単位コイル20aの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、直線L11に示すように、第一単位コイル20aが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット底部11a側に配設されている。一方、直線L1n−1に示すように、第一単位コイル20aが(n/2−1)回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット中央部11cに配設されている。
このように、第一単位コイル20aは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n/2回)、巻き回されることにより、第二方向(矢印Y方向)においては、スロット底部11a側からスロット中央部11cに巻き回されて、ハーフコイル23hが形成されている。つまり、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
第二単位コイル20bが第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回されるときの第二単位コイル20bの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、直線L21に示すように、第二単位コイル20bが1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット底部11a側に配設されている。一方、直線L2n−1に示すように、第二単位コイル20bがn−1回目に巻き回されるときの最後のコイルエンド22は、スロット開口部11b側に配設されている。
このように、第二単位コイル20bは、第一方向(矢印X方向)に沿って複数回(n回)、巻き回されることにより、第二方向(矢印Y方向)においては、スロット底部11a側からスロット開口部11b側に巻き回されて、フルコイル23fが形成されている。つまり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
以上のことは、第三単位コイル20cについても同様に言える。つまり、第三単位コイル20cの波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第三単位コイル20cは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
第十五変形形態の回転電機100によれば、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。よって、本変形形態の回転電機100は、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(3つ)の相コイル33を複数(24個)のスロット11に順次装着することができる。本変形形態の回転電機100は、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いないで固定子コイル30の組み付け(例えば、直巻きなど)が可能であり、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いる場合と比べて、製造コストを低減することができる。本変形形態の回転電機100は、後述する可動子70が固定子40の外方に設けられる回転電機に適用すると好適である。なお、上述したことは、第一実施形態で既述の各変形形態についても同様に適用することができ、第二実施形態および第二実施形態で既述の各変形形態についても同様に適用することができる。
次に、各相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)における一対のコイル引出部32f,32sの配置について説明する。図49および図50に示すように、第十五変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図50では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図50では、第二コイル引出部32sは、スロット開口部11b側から引き出されている。
図50に示すように、本変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第一コイル引出部32fとが、若干、干渉交差する。具体的には、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cが、第一コイル引出部32fに近接している。そのため、第一単位コイル20aのコイルエンド22および第二単位コイル20bのコイルエンド22を、若干、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に迂回させると良い。これにより、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cを、若干、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に迂回させることができる。よって、当該単位コイル間接続部31cと第一コイル引出部32fとの間の干渉交差を回避することができる。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第二コイル引出部32sは、第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることもできる。
図51および図52に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第十六変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第十五変形形態の第三単位コイル20cのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第十五変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第三単位コイル20cのコイルピッチ構成は、第十五変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図52では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図52では、第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。
図52に示すように、本変形形態では、第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cが、この順に連続して巻進められて、固定子鉄心10の複数のスロット11に組み付けられると、第二コイル引出部32sは、スロット開口部11b側に引き出される。つまり、第二コイル引出部32sの配策は、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cや他の単位コイル20を迂回する必要があり、第二コイル引出部32sは、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)に引き出されている。その結果、本変形形態では、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが接触して交差する。そのため、本変形形態の各相コイル33は、第十五変形形態と比べて、第三方向(矢印Z方向)に大型化する。
図53および図54に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第十七変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が6スロットピッチ(6sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が9スロットピッチ(9sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が7スロットピッチ(7sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が8スロットピッチ(8sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、短節巻部2SWのコイルピッチCP31が5スロットピッチ(5sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP32が10スロットピッチ(10sp)に設定されている。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図54では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図54では、第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。
図54に示すように、本変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第一コイル引出部32fとが、若干、干渉交差する。具体的には、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cが、第一コイル引出部32fに近接している。そのため、第十五変形形態と同様にして、当該単位コイル間接続部31cと第一コイル引出部32fとの間の干渉交差を回避すると良い。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第二コイル引出部32sは、第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることもできる。
第十七変形形態では、当該単位コイル間接続部31cの引き回し方向と、第一方向(矢印X方向)とのなす角(図54に示す傾斜角θ6)が、第十五変形形態における上記なす角(図50に示す傾斜角θ5)と比べて、大きくなっている。そのため、第十七変形形態では、第十五変形形態と比べて、当該単位コイル間接続部31cと第一コイル引出部32fとの間の干渉交差が軽減されている。
図55および図56に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第十八変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第十七変形形態の第三単位コイル20cのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第十七変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第三単位コイル20cのコイルピッチ構成は、第十七変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b、第三単位コイル20c)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第三単位コイル20cは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W3が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図56では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図56では、第二コイル引出部32sは、スロット開口部11b側から引き出されている。
図56に示すように、本変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cのうちの一つの単位コイル間接続部31cと、第二コイル引出部32sとが、若干、干渉交差する。具体的には、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cが、第二コイル引出部32sに近接している。そのため、第十五変形形態と同様にして、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差を回避すると良い。
なお、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。また、第二コイル引出部32sは、第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることもできる。
第十八変形形態では、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cの引き回し方向と、第一方向(矢印X方向)とのなす角(図56に示す傾斜角θ6)が、第十五変形形態における上記なす角(図50に示す傾斜角θ5)と比べて、大きくなっている。そのため、第十八変形形態では、第十五変形形態と比べて、当該単位コイル間接続部31cと第二コイル引出部32sとの間の干渉交差が軽減されている。
このように、第十五変形形態、第十七変形形態および第十八変形形態では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cと、一対のコイル引出部32f,32sとの間の干渉交差の状態は概ね同様である。しかしながら、第一実施形態で既述したフルコイル23fおよびハーフコイル23hの収容調整のし易さを考慮すると、第十五変形形態の固定子コイル30が好適である。
第十五変形形態の回転電機100によれば、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP32の構成が異なる複数種類(三種類)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を備えている。また、各相コイル33は、複数(2つ)のフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備えている。さらに、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されている。また、各相コイル33は、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の巻始めのコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出される第一コイル引出部32fと、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の巻終りのコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出される第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えている。
さらに、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)である相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hの長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)である当該相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fの長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。
これらにより、第三方向(矢印Z方向)の一端側(一対のコイル引出部32f,32s側が引き出される側)において、ハーフコイル23hのコイルエンド22をフルコイル23fのコイルエンド22の内側に収容することができ、フルコイル23fの内側の空きスペース等を活用して、第三方向(矢印Z方向)の一端側のコイルエンド22を小型化することができる。
各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が1.5の場合も概ね同様の傾向が見られる。第十九変形形態の回転電機100は、8極36スロット構成の三相回転電機であり、毎極毎相スロット数は1.5である。図57および図58に示すように、本変形形態では、固定子コイル30は、短節巻長節巻単位コイル20SLであって、コイルピッチCP11〜CP22の構成が異なる複数種類(二種類)の単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)を備えている。また、固定子コイル30は、複数種類(二種類)の単位コイル20の各々を一つずつ含む複数(2つ)の単位コイル20が電気的に直列接続されている相コイル33を複数(3つ)備えている。さらに、各相コイル33を構成する複数(2つ)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
具体的には、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が3スロットピッチ(3sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が6スロットピッチ(6sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が5スロットピッチ(5sp)に設定されている。なお、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。つまり、各相コイル33は、一つのフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備えている。
また、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(2つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)へ連続して巻進められて形成されていると好適である。さらに、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
図57および図58に示すように、本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図58では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図58では、第二コイル引出部32sは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第十九変形形態の各相コイル33は、第十五変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図50および図58に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、第十五変形形態と同様になっている。
図59および図60に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第二十変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第十九変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第十九変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、フルコイル23fであり、第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図60では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図60では、第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二十変形形態の各相コイル33は、第十六変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図52および図60に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、同様になっている。
図61および図62に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第二十一変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aは、短節巻部2SWのコイルピッチCP11が3スロットピッチ(3sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP12が6スロットピッチ(6sp)に設定されている。第二単位コイル20bは、短節巻部2SWのコイルピッチCP21が4スロットピッチ(4sp)に設定されており、長節巻部2LWのコイルピッチCP22が5スロットピッチ(5sp)に設定されている。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、フルコイル23fであり、第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hである。さらに、第一単位コイル20aは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図62では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の長節巻部2LWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該長節巻部2LWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図62では、第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。
第二十一変形形態の各相コイル33は、第十七変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、図54および図62に示すように、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、同様になっている。
なお、本変形形態では、単位コイル間接続部31cの引き回し方向と、第一方向(矢印X方向)とのなす角(図62に示す傾斜角θ8)が、第十九変形形態における上記なす角(図58に示す傾斜角θ7)と比べて、大きくなっている。そのため、本変形形態では、第十九変形形態と比べて、単位コイル間接続部31cと第一コイル引出部32fとの間の干渉交差が軽減されている。
図63および図64に示すように、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第二十二変形形態の配置にすることもできる。本変形形態では、第一単位コイル20aのコイルピッチ構成は、第二十一変形形態の第二単位コイル20bのコイルピッチ構成に相当する。第二単位コイル20bのコイルピッチ構成は、第二十一変形形態の第一単位コイル20aのコイルピッチ構成に相当する。
なお、各相コイル33を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20b)の波巻方向は、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。さらに、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。第二単位コイル20bは、フルコイル23fが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W2が、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)である。
本変形形態では、第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図64では、第一コイル引出部32fは、スロット底部11a側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。巻終りの単位コイル20(第二単位コイル20b)は、当該相コイル33を構成する一つのフルコイル23fである。なお、図64では、第二コイル引出部32sは、スロット開口部11b側から引き出されている。
図56および図64に示すように、第二十二変形形態の各相コイル33は、第十八変形形態の各相コイル33と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。その結果、図64に示すように、第二十二変形形態では、第二コイル引出部32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差が解消されている。
このように、毎極毎相スロット数が1.5の場合も、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と概ね同様である。また、毎極毎相スロット数が3.5の場合、各相コイル33は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と比べて、フルコイル23fの数および単位コイル間接続部31cの数が一つずつ増加する。しかしながら、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの配置を既述の形態と同様の配置にすると、一対のコイル引出部32f,32sと単位コイル間接続部31cとの間の干渉交差の状態は、概ね同様になる。つまり、毎極毎相スロット数が3.5以上の場合も、各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と同様である。
<空隙面50gを境界面にした鏡面対称関係にある固定子コイル30>
上述の実施形態や変形形態では、可動子70が固定子40の内方に設けられる回転電機100を例に説明されている。しかしながら、本発明に係る回転電機は、可動子70が固定子40の外方に設けられる回転電機についても同様に適用することができる。第二十三変形形態は、第一実施形態と比べて、可動子70が固定子40の外方に設けられている点で異なる。以下、図65および図66に基づいて、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
上述の実施形態や変形形態では、可動子70が固定子40の内方に設けられる回転電機100を例に説明されている。しかしながら、本発明に係る回転電機は、可動子70が固定子40の外方に設けられる回転電機についても同様に適用することができる。第二十三変形形態は、第一実施形態と比べて、可動子70が固定子40の外方に設けられている点で異なる。以下、図65および図66に基づいて、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
ここで、図1に示す固定子40と可動子70との間の空隙に形成される仮想の面であって、第一方向(矢印X方向)に沿って形成される面を空隙面50gとする。図66に示す相コイル33は、空隙面50gを境界面にして、図6に示す相コイル33を折り返した状態(鏡像)を示している。図66では、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)は、紙面下方向になり、第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)は、紙面上方向になる。
図65は、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット底部11a側から視た相コイル33の構成例を模式的に示す図である。第二十三変形形態の相コイル33と第一実施形態の相コイル33とは、上述した鏡像関係にあるので、図65に示す第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット底部11a側から視た相コイル33は、図2に示す第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た相コイル33に対応する。
図65および図66に示すように、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット底部11a側から視たときに、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、図65および図66において紙面右方向になっている。一方、第一実施形態では、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視たときに、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、図2および図6において紙面右方向になっている。このように、これらの図面は、図示される方向が異なっている。そのため、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、いずれも図面では紙面右方向になっているが、各相コイル33を構成する各単位コイル20の電流方向は、本変形形態と第一実施形態とでは、互いに逆方向になる。
本変形形態において、各単位コイル20に流れる電流方向が第一実施形態と同じ場合、空隙面50gに発生する磁極配置(磁極の極性)が反転し、空隙面50gに発生する磁極配置の鏡面関係が維持できなくなる。そこで、本変形形態では、各相コイル33を構成する各単位コイル20の電流方向は、第一実施形態の電流方向に対して反転させる必要がある。上述したことは、第二実施形態についても同様に言え、第一実施形態および第二実施形態で既述した各変形形態についても同様に言える。
なお、本変形形態においても、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されている。具体的には、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されている。また、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えている。
第一コイル引出部32fは、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と異なる側から引き出されている。また、巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)は、相コイル33を構成する複数(2つ)のフルコイル23fのうちの長節巻部2LWのコイルピッチと短節巻部2SWのコイルピッチとの差が最大のフルコイル23fである。なお、図66では、第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されている。
第二コイル引出部32sは、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)の短節巻部2SWを形成する一のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)であって、第三方向(矢印Z方向)の一端側および他端側のうちの当該短節巻部2SWを形成するコイルエンド22が設けられる側と同じ側から引き出されている。また、巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)は、当該相コイル33を構成する一つのハーフコイル23hである。なお、図66では、第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、本変形形態の各相コイル33における一対のコイル引出部32f,32sの配置は、第一実施形態と同様に規定することができる。
<スロット中央面40cを境界面にした鏡面対称関係にある固定子コイル30>
本発明は、スロット中央面40cを境界面にした鏡面対称関係にある固定子コイル30についても同様に適用することができる。第二十四変形形態は、第一実施形態と比べて、固定子コイル30がスロット中央面40cを境界面にした鏡面対称関係になっている点で異なる。以下、図67および図68に基づいて、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
本発明は、スロット中央面40cを境界面にした鏡面対称関係にある固定子コイル30についても同様に適用することができる。第二十四変形形態は、第一実施形態と比べて、固定子コイル30がスロット中央面40cを境界面にした鏡面対称関係になっている点で異なる。以下、図67および図68に基づいて、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
ここで、図1に示すように、第二方向(矢印Y方向)および第三方向(矢印Z方向)によって形成される仮想の平面であって、スロット11を二等分する平面をスロット中央面40cとする。図67に示す相コイル33は、スロット中央面40cを境界面にして、図2に示す相コイル33を折り返した状態(鏡像)を示している。図67では、第一方向波巻逆行側(矢印X1方向)は、紙面右方向になり、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、紙面左方向になる。このことは、図68についても同様である。
図67および図68に示すように、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)は、各波巻方向が、いずれも第一方向波巻順行側(矢印X2方向)である。また、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、フルコイル23fまたはハーフコイル23hが形成されるときの第二方向(矢印Y方向)の巻進行方向W1,W2,W3が、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。
本変形形態では、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、図67において紙面左方向になっている。一方、第一実施形態では、第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、図2において紙面右方向になっている。なお、これらの図面は、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た図面であり、図示される方向は、一致している。このように、本変形形態の第一方向波巻順行側(矢印X2方向)は、第一実施形態と異なっており、各相コイル33を構成する各単位コイル20の電流方向は、本変形形態と第一実施形態とでは、互いに逆方向になる。そこで、第二十三変形形態と同様に、本変形形態では、各相コイル33を構成する各単位コイル20の電流方向は、第一実施形態の電流方向に対して反転させる必要がある。上述したことは、第二実施形態についても同様に言え、第一実施形態および第二実施形態で既述した各変形形態についても同様に言える。
なお、本変形形態においても、各相コイル33は、相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20が巻始めの単位コイル20(第一単位コイル20a)から巻終りの単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められて形成されている。また、各相コイル33は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えている。これらの構成および配置は、第一実施形態と同様に規定することができる。
<円筒状回転電機>
円筒状回転電機では、以下に示す関係がある。なお、相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の組み付けにおいて、直近で装着した相コイル33に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、ずらすときのずらし方向を相コイル組み付け方向とする。
円筒状回転電機では、以下に示す関係がある。なお、相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の組み付けにおいて、直近で装着した相コイル33に対して、相間最小位相差(電気角120°)分、ずらすときのずらし方向を相コイル組み付け方向とする。
第一実施形態では、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向は、時計回りである。また、複数(3つ)の相コイル33の相順方向は、時計回りであり、波巻方向と一致している。一方、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられるので、相コイル組み付け方向は、反時計回りになる。
第九変形形態では、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向は、時計回りである。一方、複数(3つ)の相コイル33の相順方向は、反時計回りであり、波巻方向と異なっている。また、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられるので、相コイル組み付け方向は、反時計回りになる。
なお、各相コイル33を構成する複数(3つ)の単位コイル20の各波巻方向は、反時計回りに設定することもできる。この場合において、複数(3つ)の相コイル33の相順方向を反時計回りに設定するときは、第一実施形態と同様に、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられると好適である。つまり、相コイル組み付け方向は、時計回りになる。一方、この場合において、複数(3つ)の相コイル33の相順方向を時計回りに設定するときは、第九変形形態と同様に、複数(3つ)の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられると好適である。つまり、相コイル組み付け方向は、時計回りになる。
<その他>
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、上記実施形態では、8極の回転電機を例に説明したが、極数およびスロット数は、実施形態で示す極数およびスロット数に限定されるものではない。また、本発明は、ラジアル空隙型の回転電機に限定されるものではなく、アキシャル空隙型の回転電機に適用することもできる。さらに、本発明は、三相回転電機に限定されるものではなく、複数の相コイル33を備える多相回転電機に適用することができる。また、本発明の回転電機は、種々の回転電機に用いることができ、例えば、車両の駆動用電動機、発電機、産業用の電動機、発電機などに用いることができる。
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、上記実施形態では、8極の回転電機を例に説明したが、極数およびスロット数は、実施形態で示す極数およびスロット数に限定されるものではない。また、本発明は、ラジアル空隙型の回転電機に限定されるものではなく、アキシャル空隙型の回転電機に適用することもできる。さらに、本発明は、三相回転電機に限定されるものではなく、複数の相コイル33を備える多相回転電機に適用することができる。また、本発明の回転電機は、種々の回転電機に用いることができ、例えば、車両の駆動用電動機、発電機、産業用の電動機、発電機などに用いることができる。
10:固定子鉄心、
11:スロット、11a:スロット底部、11b:スロット開口部、
20:単位コイル、
20F:全節巻単位コイル、20SL:短節巻長節巻単位コイル、
2FW:全節巻部、2SW:短節巻部、2LW:長節巻部、
21:コイルサイド、22:コイルエンド、
23f:フルコイル、23h:ハーフコイル、
30:固定子コイル、
32f:第一コイル引出部、32s:第二コイル引出部、
33:相コイル、
40:固定子、
50:可動子鉄心、
61,62:一対の可動子磁極、
70:可動子、
100:回転電機、
X:第一方向、X1:第一方向波巻逆行側、X2:第一方向波巻順行側、
Y:第二方向、Y1:第二方向スロット底部側、Y2:第二方向スロット開口部側、
Z:第三方向、W:巻進行方向。
11:スロット、11a:スロット底部、11b:スロット開口部、
20:単位コイル、
20F:全節巻単位コイル、20SL:短節巻長節巻単位コイル、
2FW:全節巻部、2SW:短節巻部、2LW:長節巻部、
21:コイルサイド、22:コイルエンド、
23f:フルコイル、23h:ハーフコイル、
30:固定子コイル、
32f:第一コイル引出部、32s:第二コイル引出部、
33:相コイル、
40:固定子、
50:可動子鉄心、
61,62:一対の可動子磁極、
70:可動子、
100:回転電機、
X:第一方向、X1:第一方向波巻逆行側、X2:第一方向波巻順行側、
Y:第二方向、Y1:第二方向スロット底部側、Y2:第二方向スロット開口部側、
Z:第三方向、W:巻進行方向。
Claims (13)
- 複数のスロットが形成されている固定子鉄心と前記複数のスロットに巻装されている固定子コイルとを備える固定子と、前記固定子に対して移動可能に支持されている可動子鉄心と前記可動子鉄心に設けられている少なくとも一対の可動子磁極とを備える可動子とを具備する回転電機であって、
前記固定子に対する前記可動子の移動方向を第一方向とし、前記複数のスロットの深さ方向を第二方向とし、前記第一方向および前記第二方向のいずれの方向に対しても直交する方向を第三方向とするとき、
前記固定子コイルは、前記複数のスロットに収容されている複数のコイルサイドと、前記複数のコイルサイドの前記第三方向の一端側の前記コイルサイド同士および前記第三方向の他端側の前記コイルサイド同士を波巻構成になるように交互に接続している複数のコイルエンドとを有する単位コイルを複数備え、
前記複数のコイルエンドが接続している前記コイルサイド間のコイルピッチが前記複数のスロットの数であるスロット数を前記可動子の磁極数で除した単一値に設定されている全節巻部を備える前記単位コイルを全節巻単位コイルとし、前記コイルピッチが前記全節巻部と比べて短く設定されている短節巻部と前記コイルピッチが前記全節巻部と比べて長く設定されている長節巻部とが前記第一方向において交互に繰り返され、かつ、前記短節巻部の前記コイルピッチと前記長節巻部の前記コイルピッチとを加算した隣接コイルピッチの加算値が前記スロット数を前記可動子の極対数で除した値に設定されている前記単位コイルを短節巻長節巻単位コイルとするとき、
前記固定子コイルは、前記全節巻単位コイルおよび前記短節巻長節巻単位コイルのうちの少なくとも前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、前記複数種類の単位コイルの各々を少なくとも一つずつ含む複数の前記単位コイルが電気的に直列接続されている相コイルを複数備えており、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記複数のスロットの占有状態に関して、一の前記単位コイルの前記複数のコイルサイドが前記複数のスロットに収容されたときに当該複数のコイルサイドが当該複数のスロットの全体を占有するフルコイルと、
一の前記単位コイルの前記複数のコイルサイドが前記複数のスロットに収容されたときに当該複数のコイルサイドが当該複数のスロットの各々の半分を占有するハーフコイルと、
の二種類の前記単位コイルを備えている回転電機。 - 各前記相コイルは、前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルが巻始めの前記単位コイルから巻終りの前記単位コイルへ連続して巻進められて形成されており、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記一対の可動子磁極のうちの一方の可動子磁極に対向する前記全節巻部、前記短節巻部および前記長節巻部のうちの少なくとも前記短節巻部および前記長節巻部の前記コイルピッチのうち、前記巻始めの単位コイルの前記短節巻部の前記コイルピッチが最小となり前記巻終りの単位コイルの前記長節巻部の前記コイルピッチが最大となるように、前記巻始めの単位コイルから前記巻終りの単位コイルへ順に前記コイルピッチが大きくなっており、
当該一対の可動子磁極のうちの他方の可動子磁極に対向する前記全節巻部、前記短節巻部および前記長節巻部のうちの少なくとも前記短節巻部および前記長節巻部の前記コイルピッチのうち、前記巻始めの単位コイルの前記長節巻部の前記コイルピッチが最大となり前記巻終りの単位コイルの前記短節巻部の前記コイルピッチが最小となるように、前記巻始めの単位コイルから前記巻終りの単位コイルへ順に前記コイルピッチが小さくなっている請求項1に記載の回転電機。 - 各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記コイルサイドが最も近接する前記単位コイル同士が電気的に接続されている請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 前記固定子コイルの前記複数の単位コイルの前記複数のコイルエンドは、前記第三方向の両端部において、前記第二方向または前記第三方向に前記相コイル毎にそれぞれ配設されており、多層に形成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記第二方向のうちのスロット開口部側からスロット底部側に向かう方向を第二方向スロット底部側とするとき、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記フルコイルまたは前記ハーフコイルが形成されるときの前記第二方向の各巻進行方向が、いずれも前記第二方向スロット底部側である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の回転電機。 - 各前記相コイルは、前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルが巻始めの前記単位コイルから巻終りの前記単位コイルへ連続して巻進められて形成されており、前記巻始めの単位コイルの巻始めの前記コイルサイドから引き出される第一コイル引出部と、前記巻終りの単位コイルの巻終りの前記コイルサイドから引き出される第二コイル引出部とからなる一対のコイル引出部を備え、
前記第一コイル引出部は、前記巻始めの単位コイルの前記短節巻部を形成する一の前記コイルサイドであって、前記第三方向の前記一端側および前記他端側のうちの当該短節巻部を形成する前記コイルエンドが設けられる側と異なる側から引き出され、
前記第二コイル引出部は、前記巻終りの単位コイルの前記短節巻部を形成する一の前記コイルサイドであって、前記第三方向の前記一端側および前記他端側のうちの当該短節巻部を形成する前記コイルエンドが設けられる側と同じ側から引き出されている請求項5に記載の回転電機。 - 前記固定子コイルは、前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、
各前記相コイルは、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つの前記ハーフコイルとを備え、前記一つまたは複数のフルコイルのうちの前記長節巻部の前記コイルピッチと前記短節巻部の前記コイルピッチとの差が最大の前記フルコイルが前記巻始めの単位コイルであり、前記一つのハーフコイルが前記巻終りの単位コイルである請求項6に記載の回転電機。 - 前記第二方向のうちのスロット底部側からスロット開口部側に向かう方向を第二方向スロット開口部側とするとき、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、前記フルコイルまたは前記ハーフコイルが形成されるときの前記第二方向の各巻進行方向が、いずれも前記第二方向スロット開口部側である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記固定子コイルは、前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、
各前記相コイルは、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つの前記ハーフコイルとを備え、前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルが巻始めの前記単位コイルから巻終りの前記単位コイルへ連続して巻進められて形成されており、前記巻始めの単位コイルの巻始めの前記コイルサイドから引き出される第一コイル引出部と、前記巻終りの単位コイルの巻終りの前記コイルサイドから引き出される第二コイル引出部とからなる一対のコイル引出部を備え、
前記第一コイル引出部は、前記巻始めの単位コイルである前記相コイルを構成する前記一つのハーフコイルの前記長節巻部を形成する一の前記コイルサイドであって、前記第三方向の前記一端側および前記他端側のうちの当該長節巻部を形成する前記コイルエンドが設けられる側と異なる側から引き出され、
前記第二コイル引出部は、前記巻終りの単位コイルである当該相コイルを構成する前記一つまたは複数のフルコイルのうちの前記長節巻部の前記コイルピッチと前記短節巻部の前記コイルピッチとの差が最大の前記フルコイルの前記長節巻部を形成する一の前記コイルサイドであって、前記第三方向の前記一端側および前記他端側のうちの当該長節巻部を形成する前記コイルエンドが設けられる側と同じ側から引き出されている請求項8に記載の回転電機。 - 前記固定子コイルは、前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、
各前記相コイルは、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つの前記ハーフコイルとを備え、
前記第一方向のうちの一の方向であって、各前記単位コイルにおいて前記波巻構成になるように前記複数のコイルエンドが前記複数のコイルサイドを接続するときの巻方向を波巻方向とするとき、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、各前記波巻方向が、いずれも前記複数の相コイルの相順方向と一致している請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記第一方向のうちの一の方向であって前記波巻方向に順行する方向を第一方向波巻順行側とし、前記第一方向のうちの他の方向であって前記波巻方向に逆行する方向を第一方向波巻逆行側とし、
前記複数の相コイルを前記第一方向波巻順行側に順に位相が遅れるように相順に配設するときに、
前記複数の相コイルのうちの一の前記相コイルを前記複数のスロットに装着する第一装着工程と、
前記複数の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第一装着工程で装着された前記相コイルと比べて、電気角360°を相数で除した相間最小位相差分、位相が進む前記相コイルを、前記第一装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記相間最小位相差分、前記第一方向波巻逆行側にずらして、前記複数のスロットに装着する第二進相装着工程と、
前記複数の相コイルがすべて前記複数のスロットに装着されるまで、直近で装着した前記相コイルと比べて前記相間最小位相差分、位相が進む前記相コイルを、前記直近で装着した前記相コイルに対して、前記相間最小位相差分、前記第一方向波巻逆行側にずらして、前記複数のスロットに装着する第三進相装着工程と、
を備える請求項10に記載の回転電機の製造方法。 - 前記固定子コイルは、前記短節巻長節巻単位コイルであって、前記コイルピッチの構成が異なる複数種類の前記単位コイルを備え、
各前記相コイルは、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つの前記ハーフコイルとを備え、
前記第一方向のうちの一の方向であって、各前記単位コイルにおいて前記波巻構成になるように前記複数のコイルエンドが前記複数のコイルサイドを接続するときの巻方向を波巻方向とするとき、
各前記相コイルを構成する前記複数の単位コイルは、各前記波巻方向が、いずれも前記複数の相コイルの相順方向と異なっている請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記第一方向のうちの一の方向であって前記波巻方向に順行する方向を第一方向波巻順行側とし、前記第一方向のうちの他の方向であって前記波巻方向に逆行する方向を第一方向波巻逆行側とし、
前記複数の相コイルを前記第一方向波巻逆行側に順に位相が遅れるように相順に配設するときに、
前記複数の相コイルのうちの一の前記相コイルを前記複数のスロットに装着する第一装着工程と、
前記複数の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第一装着工程で装着された前記相コイルと比べて、電気角360°を相数で除した相間最小位相差分、位相が遅れる前記相コイルを、前記第一装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記相間最小位相差分、前記第一方向波巻逆行側にずらして、前記複数のスロットに装着する第二遅相装着工程と、
前記複数の相コイルがすべて前記複数のスロットに装着されるまで、直近で装着した前記相コイルと比べて前記相間最小位相差分、位相が遅れる前記相コイルを、前記直近で装着した前記相コイルに対して、前記相間最小位相差分、前記第一方向波巻逆行側にずらして、前記複数のスロットに装着する第三遅相装着工程と、
を備える請求項12に記載の回転電機の製造方法。
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