JP6610415B2 - 三相同期機およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、三相同期機およびその製造方法に関する。
三相同期機に係る発明の一例として、特許文献1および特許文献2に記載の発明が挙げられる。特許文献1に記載の不整数溝電機子巻線および特許文献2に記載の三相電機子巻線は、いずれも、2以上の整数Aを用いて、毎極毎相の溝数(スロット数)qがq=A+1/2で表される。特許文献1に記載の不整数溝電機子巻線は、A個のコイルの一端を相の口出しとして、同一相のA個のコイルが直列接続されている。また、同一相の一磁極対当たり一個のコイルは、直列接続されており、コイルの終端は、Y結線の中性点とされている。A個のコイルが収容される溝(スロット)は、同一相のコイルが収容される。一方、同一相の一磁極対当たり一個のコイルは、異相のコイルと一緒に溝(スロット)に収容される。
特許文献2に記載の三相電機子巻線は、同一相のコイルがスロットに収容される第一のコイル群と、異相のコイルと一緒にスロットに収容される第二のコイル群とが交互に配置されている。特許文献2に記載の三相電機子巻線は、隣接する第一のコイル群が順次接続され、最終端に位置する第一相、第二相、第三相のそれぞれの第一のコイル群と、三つの第二のコイル群とがそれぞれ接続されている。これらにより、特許文献1および特許文献2に記載の発明は、同一スロット内に収容される異相コイル間の電位差を低減して、異相コイル間の絶縁処理を簡素化しようとしている。
特開昭59−035544号公報 特開昭59−086445号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、各相一磁極対当たりA+1個のコイルが直列接続されている。そのため、特許文献1に記載の発明は、コイルの巻数の選択自由度が狭く、用途が限定され易い。具体的には、異相のコイルと一緒にスロットに収容されるコイルの巻数を巻数Nとすると、直列接続されるA+1個のコイルの巻数(合計)は、N×(2×A+1)で表すことができる。また、毎極毎相スロット数qがq=A+1/2で表される三相同期機では、可動子磁極数を可動子磁極数Pとすると、電磁気的には、P/2の周期性をもつ。そのため、特許文献1に記載の発明のように、P/2周期分のコイルを直列接続すると、一相分のコイルの直列巻数は、(2×A+1)×P/2の整数倍である必要がある。
例えば、6極45スロット構成の三相同期機を想定する。この場合、Aは2であり、直列接続される3個のコイルの巻数は、5の整数倍である必要がある。また、3(=6/2)周期分のコイルを直列接続すると、一相分のコイルの直列巻数は、15(=5×3)の整数倍である必要がある。特許文献1に記載の発明について上述したことは、特許文献2に記載の発明についても同様に言える。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、同一スロット内に収容される異相コイル間の電位差を低減するとともに、コイルの巻数の選択範囲を広範化可能な三相同期機およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る三相同期機は、複数のスロットが形成されている固定子鉄心と、前記複数のスロットのうちの一対のスロット間で巻装されており前記一対のスロットに収容される一対のコイルサイドと前記一対のコイルサイドと一体に形成され前記一対のコイルサイドの同一側端部をそれぞれ接続する一対のコイルエンドとを有する単位コイルを複数含み、前記複数の単位コイルによってY結線された三相の相コイルが構成されている固定子コイルと、を備える固定子と、前記固定子に対して移動可能に支持されている可動子鉄心と、前記可動子鉄心に設けられている複数組の一対の可動子磁極と、を備える可動子と、を具備する三相同期機であって、前記固定子コイルに含まれる前記複数の単位コイルは、前記複数のスロットの占有状態に関して、一の前記単位コイルの前記一対のコイルサイドが前記一対のスロットに収容されたときに当該一対のコイルサイドが当該一対のスロットの全体を占有するフルコイルと、一の前記単位コイルの前記一対のコイルサイドが前記一対のスロットに収容されたときに当該一対のコイルサイドのうちの一方のコイルサイドが当該一対のスロットのうちの一方のスロットの半分を占有し当該一対のコイルサイドのうちの他方のコイルサイドが当該一対のスロットのうちの他方のスロットの半分を占有するハーフコイルと、の二種類の前記単位コイルを備え、毎極毎相スロット数を帯分数で表したときの整数部分を整数部、前記帯分数の真分数部分を既約分数で表したときの分子部分を分子部、分母部分を分母部(但し、前記整数部および前記分子部は、いずれも正の整数であり、前記分母部は、2以上の整数、かつ、3の倍数でない)とし、前記可動子の可動子磁極数を前記分母部で除した数を磁極周期数とするとき、前記三相の相コイルの各々は、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つまたは複数の前記ハーフコイルとが電気的に直列接続されている前記毎極毎相スロット数の前記分母部と同じ数の可動子磁極に対して電磁気的に作用する相単位コイルを前記磁極周期数備え、前記磁極周期数の前記相単位コイルは、電気的に並列接続されており、前記磁極周期数の前記相単位コイルの各々は、前記一つまたは複数のハーフコイルが、前記一つまたは複数のフルコイルに対して中性点側に設けられている。
本発明に係る三相同期機によれば、磁極周期数の相単位コイルの各々は、一つまたは複数のハーフコイルが、一つまたは複数のフルコイルに対して中性点側に設けられている。そのため、本発明に係る三相同期機は、同一スロット内に収容されるハーフコイル(異相コイル)間の電位差を低減することができる。また、磁極周期数の相単位コイルは、電気的に並列接続されている。そのため、本発明に係る三相同期機は、磁極周期数の相単位コイルが電気的に直列接続されて相コイルが構成される場合と比べて、コイルの巻数の選択範囲が広範化され、コイルの巻数の選択自由度が高まる。例えば、上述した6極45スロット構成の三相同期機では、直列接続される3個のコイルの巻数は、5の整数倍であれば良い。このように、本発明に係る三相同期機は、同一スロット内に収容されるハーフコイル(異相コイル)間の電位差の低減と、コイルの巻数の選択範囲の広範化との両立を図ることができる。
第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)に垂直な平面で、三相同期機100を切断した端面の一部を示す切断部端面図である。 第一実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た極対コイル32の構成例を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、U相コイル33uの構成例を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の構成例を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視たU相コイル33uの結線の一例を示す結線図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図5Aに示すU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の結線の一例を示す結線図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図6Aに示す三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)が複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、ハーフコイル23h間の電位差を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一の相コイル33が、コイル挿入機3Iによって、複数のスロット11に装着される様子を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図2に示す極対コイル32が複数(6つ)のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第一実施形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φb1,φb2を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た極対コイル32の構成例を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図12に示す極対コイル32が複数(4つ)のスロット11に装着された状態の一例を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第二実施形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35bとのなす角φa1を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35bとのなす角φb1を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た極コイル31の構成例を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視たU相コイル33uの結線の一例を示す結線図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図17Aに示すU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の結線の一例を示す結線図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図18Aに示す三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)が複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図16に示す極コイル31が複数(6つ)のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第三実施形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φb1,φb2を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た極コイル31の構成例を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図22に示す極コイル31が複数(4つ)のスロット11に装着された状態の一例を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 第四実施形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35bとのなす角φa1を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たU相コイル33uが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たW相コイル33wが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視たV相コイル33vが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各ハーフコイル23hが複数のスロット11に装着された状態を模式的に示す図である。 比較形態に係り、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35bとのなす角φb1を模式的に示す図である。 変形形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た相単位コイル36の構成例を模式的に示す図である。 他の変形形態に係り、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側から視た相単位コイル36の構成例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は、各実施形態について、共通する箇所には共通の符号が付されており、本明細書では、重複する説明が省略されている。また、一の実施形態で既述されていることは、他の実施形態についても適宜適用することができる。なお、図面は、概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
<第一実施形態>
(三相同期機100の概要)
図1に示すように、本実施形態の三相同期機100は、固定子40と可動子70とを具備している。固定子40は、複数のスロット11が形成されている固定子鉄心10と、複数の単位コイル20を含む固定子コイル30とを備えている。可動子70は、固定子40に対して移動可能に支持されている可動子鉄心50と、可動子鉄心50に設けられている複数組の一対の可動子磁極61,62とを備えている。
本実施形態では、固定子鉄心10には、60個のスロット11が形成されており、固定子コイル30は、三相の各相12個、合計36個の単位コイル20を含んでいる。また、本実施形態では、可動子鉄心50は、四組の一対の可動子磁極61,62を備えている。このように、本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成の三相同期機(可動子70の可動子磁極数が2極、固定子40のスロット数が15スロットを基本構成とする三相同期機)であり、毎極毎相スロット数は2.5である。また、本実施形態の三相同期機100は、固定子40および可動子70が同軸に配設されるラジアル空隙型の円筒状回転電機である。さらに、可動子70は、固定子40の内方(三相同期機100の軸心側)に設けられている。
ここで、固定子40に対する可動子70の移動方向を第一方向(矢印X方向)とする。また、スロット11の深さ方向を第二方向(矢印Y方向)とする。さらに、第一方向(矢印X方向)および第二方向(矢印Y方向)のいずれの方向に対しても直交する方向を第三方向(矢印Z方向)とする。円筒状回転電機では、第一方向(矢印X方向)は、三相同期機100の周方向に沿った方向に相当し、可動子70の回転方向に相当する。第二方向(矢印Y方向)は、三相同期機100の径方向に沿った方向に相当し、第三方向(矢印Z方向)は、三相同期機100の軸線方向に沿った方向に相当する。
固定子鉄心10は、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が第三方向(矢印Z方向)に、複数積層されて形成されている。固定子鉄心10は、バックヨーク部10aと、バックヨーク部10aと一体に形成される複数(本実施形態では、60個)の固定子磁極部10bとを備えている。バックヨーク部10aは、第一方向(矢印X方向)に沿って形成されており、各固定子磁極部10bは、バックヨーク部10aから第二方向(矢印Y方向)(本実施形態では、三相同期機100の軸心方向側)に突出するように形成されている。
第一方向(矢印X方向)に隣接する固定子磁極部10b,10bの間には、スロット11が形成されており、固定子鉄心10には、複数(60個)のスロット11が形成されている。複数(60個)のスロット11のうちの一対のスロット11,11には、単位コイル20が巻装されている。後述するように、複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20の各々が巻装される一対のスロット11,11の組み合わせは、それぞれ異なっている。なお、各固定子磁極部10bの先端部10cは、第一方向(矢印X方向)に幅広に形成されている。
図1に示すように、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット開口部11b側からスロット底部11a側に向かう方向を第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)とする。また、第二方向(矢印Y方向)のうちのスロット底部11a側からスロット開口部11b側に向かう方向を第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)とする。さらに、スロット11のうち、固定子コイル30が装着される部位のスロット面積を第二方向(矢印Y方向)に略二等分するように、第一方向(矢印X方向)に沿って延びる部位をスロット中央部11cとする。
可動子鉄心50は、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が第三方向(矢印Z方向)に、複数積層されて円柱状に形成されている。可動子鉄心50には、シャフト(図示略)が設けられており、シャフトは、可動子鉄心50の軸心を第三方向(矢印Z方向)に貫通している。シャフトの第三方向(矢印Z方向)両端部は、軸受部材(図示略)によって、回転可能に支持されている。これにより、可動子鉄心50は、固定子40に対して移動可能(回転可能)になっている。
可動子鉄心50には、複数組(四組)の一対の可動子磁極61,62が埋設されている。具体的には、可動子鉄心50には、第一方向(矢印X方向)に等間隔で、複数の磁石収容部(図示略)が設けられている。複数の磁石収容部には、所定磁極対分(本実施形態では四磁極対分)の永久磁石が埋設されている。本実施形態では、可動子70は、複数の永久磁石と、固定子40に発生する回転磁界とによって、固定子40に対して移動可能(回転可能)になっている。
永久磁石は、例えば、公知のフェライト系磁石や希土類系磁石を用いることができる。また、永久磁石の製法は、限定されない。永久磁石は、例えば、樹脂ボンド磁石や焼結磁石を用いることができる。樹脂ボンド磁石は、例えば、フェライト系の原料磁石粉末と樹脂などを混合して、射出成形などによって可動子鉄心50に鋳込み形成しても良い。焼結磁石は、例えば、希土類系の原料磁石粉末を磁界中で加圧成形して、高温で焼き固めて形成される。なお、一対の可動子磁極61,62は、各固定子磁極部10bの先端部10cと対向する可動子鉄心50の表面(外周表面)に永久磁石を設ける表面磁石形とすることもできる。また、本明細書では、一対の可動子磁極61,62のうち、一方の極性(例えば、N極)を備える可動子磁極を可動子磁極61で示し、他方の極性(例えば、S極)を備える可動子磁極を可動子磁極62で示している。
固定子コイル30は、複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20を含んでいる。各単位コイル20は、銅などの導体(コイル)が巻き回されて形成されており、導体表面がエナメルなどの絶縁層で被覆されている。各単位コイル20の断面形状は、限定されるものではなく、任意の断面形状とすることができる。例えば、各単位コイル20は、断面円形状の丸線、断面多角形状の角線などの種々の断面形状の導体(コイル)を用いることができる。また、各単位コイル20は、複数のより細いコイル素線を組み合わせた並列細線を用いることもできる。並列細線を用いる場合、単線の場合と比べて各単位コイル20に発生する渦電流損が低減され、三相同期機100の効率が向上する。また、コイル成形に要する力を低減することができるので、コイルの成形性が向上してコイル製作が容易になる。
図2に示すように、各単位コイル20は、一対のコイルサイド21,21と、一対のコイルエンド22,22とを有している。各単位コイル20は、複数(60個)のスロット11のうちの一対のスロット11,11間で巻装されており、一対のコイルサイド21,21と、一対のコイルエンド22,22とは、一体に形成されている。一対のコイルサイド21,21は、単位コイル20のうちの一対のスロット11,11に収容される部位をいう。また、一対のコイルエンド22,22は、単位コイル20のうちの当該一対のコイルサイド21,21の同一側端部をそれぞれ接続する部位をいう。なお、同図では、3つの単位コイル20が図示されており、一対の可動子磁極61,62が併せて図示されている。
本実施形態では、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位で、第一極コイル31fと第二極コイル31sとに振り分けられている。本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成の三相同期機であるので、15スロット単位で、複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20が第一極コイル31fと第二極コイル31sとに振り分けられている。
具体的には、第一極コイル31fは、一つの単位コイル20を備えており、当該単位コイル20を第一単位コイル20aとする。第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP1は、6スロットピッチ(6sp)に設定されている。第一単位コイル20aは、同心状に巻装されており、第一極コイル31fが形成されている。
第二極コイル31sは、複数(2つ)の単位コイル20,20を備えており、当該二つの単位コイル20,20を第二単位コイル20b、第三単位コイル20cとする。第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP2は、7スロットピッチ(7sp)に設定されており、第三単位コイル20cの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP3は、5スロットピッチ(5sp)に設定されている。このように、コイルピッチCP1〜CP3は、それぞれ異なっている。第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、同心状に巻装されて、単位コイル間接続部31cによって直列接続されており、第二極コイル31sが形成されている。第二極コイル31sは、第一極コイル31fが一対の可動子磁極61,62のうちの一方の極性(同図では、N極)の可動子磁極61に対向するときに、当該一対の可動子磁極61,62のうちの他方の極性(同図では、S極)の可動子磁極62に対向する。
第一方向(矢印X方向)に隣接する第一極コイル31fおよび第二極コイル31sは、電気的に直列接続されており、極対コイル32が構成されている。極対コイル32は、巻始め側の第一極コイル31fから巻終り側の第二極コイル31sへ引き回す極コイル間接続部32cを介して連続して巻進められていると好適である。これにより、第一極コイル31fを構成する一つの単位コイル20(第一単位コイル20a)と、第二極コイル31sを構成する複数(2つ)の単位コイル20,20(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)とを容易に直列接続することができる。本実施形態では、極対コイル32は、極コイル間接続部32cを介して連続して巻進められており、第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、この順に、直列接続されている。
また、各極対コイル32は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する一の単位コイル20(本実施形態では、第一単位コイル20a)の一のコイルサイド21から引き出され、相端子3TX(Xは、U、V、Wのうちのいずれか)と接続される。当該コイルサイド21を第一コイルサイド21aとする。第二コイル引出部32sは、第二極コイル31sを構成する一の単位コイル20(本実施形態では、第三単位コイル20c)の一のコイルサイド21から引き出され、中性点3Nと接続される。当該コイルサイド21を第二コイルサイド21bとする。
なお、極コイル間接続部32cによって接続される第一極コイル31f側のコイルサイド21を第三コイルサイド21cとする。また、極コイル間接続部32cによって接続される第二極コイル31s側のコイルサイド21を第四コイルサイド21dとする。同図では、極対コイル32の巻始め部32a(相端子3TX側)から巻終り部32b(中性点3N側)までの巻順を数字で示している。第一極コイル31fおよび第二極コイル31sは、それぞれ同心状に巻装されるので、各単位コイル20の一対のコイルサイド21,21には、同一の数字が付されている。
図3に示すように、複数(4つ)の極対コイル32は、各一対のコイル引出部32f,32sを介して電気的に並列接続されており、U相コイル33uが形成されている。具体的には、各極対コイル32の巻始め部32a同士が電気的に接続され、U相端子3TUに接続されている。また、各極対コイル32の巻終り部32b同士が電気的に接続され、中性点3Nに接続されている。V相コイル33vおよびW相コイル33wは、U相コイル33uと同様に形成することができる。
このように、固定子コイル30は、複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20によって、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)が構成されている。U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、電気角で120°ずつ位相がずれている。本明細書では、U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33wは、この順に位相が遅れているものとする。
図2に示すように、第一方向(矢印X方向)のうちの第二コイル引出部32s側から
第一コイル引出部32f側に向かう方向を第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)とする。また、第一方向(矢印X方向)のうちの第一コイル引出部32f側から第二コイル引出部32s側に向かう方向を第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)とする。三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の相順方向は、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)とする。
図4に示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、Y結線で電気的に接続されている。U相端子3TUは、U相の相端子を示し、V相端子3TVは、V相の相端子を示し、W相端子3TWは、W相の相端子を示している。中性点3Nは、中性点を示している。
(複数のスロット11の占有状態)
次に、複数の単位コイル20による複数のスロット11の占有状態について説明する。図5Aおよび図5Bは、U相コイル33uを構成する各極対コイル32が複数のスロット11に装着された状態を示しており、各極対コイル32は、電気的に並列接続されている。図5Aおよび図5Bでは、U相コイル33uの四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32,32が示されている。また、図5Aでは、第一極コイル31fおよび第二極コイル31sは、説明の便宜上、<U8>、<U1>〜<U3>の符号が付されている。
なお、図5Bでは、単位コイル間接続部31c、極コイル間接続部32cおよび一対のコイル引出部32f,32s(第一コイル引出部32fおよび第二コイル引出部32s)の記載が省略されている。また、図5Bでは、各単位コイル20の巻方向が「丸印にクロス」および「丸印にドット」で示されている。「丸印にクロス」は、コイル(コイルサイド21)が第三方向(矢印Z方向)のうちの紙面手前側から紙面奥側に向かって巻き回されていることを示している。「丸印にドット」は、コイル(コイルサイド21)が第三方向(矢印Z方向)のうちの紙面奥側から紙面手前側に向かって巻き回されていることを示している。図5Aおよび図5Bについて既述したことは、後述する図面についても同様である。
例えば、図5Aに示す<U1>の単位コイル20(第一単位コイル20a)は、第一コイル引出部32fが引き出されるスロット番号3のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、一対のスロット11,11(スロット番号3および9)間で巻き回され、極コイル間接続部32cの一端側のスロット番号9のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第一単位コイル20aの巻進行方向W1は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りになる。極コイル間接続部32cは、スロット番号9のスロット底部11a側からスロット番号17のスロット開口部11b側に引き回されている。
<U2>の単位コイル20(第二単位コイル20b)は、極コイル間接続部32cの他端側のスロット番号17のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第二単位コイル20bは、一対のスロット11,11(スロット番号10および17)間で巻き回され、単位コイル間接続部31cの一端側のスロット番号10のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第二単位コイル20bの巻進行方向W2は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、時計回りになる。単位コイル間接続部31cは、スロット番号10のスロット底部11a側からスロット番号16のスロット中央部11cに引き回されている。
<U2>の単位コイル20(第三単位コイル20c)は、単位コイル間接続部31cの他端側のスロット番号16のスロット中央部11cから巻始められる。そして、第三単位コイル20cは、一対のスロット11,11(スロット番号11および16)間で巻き回され、第二コイル引出部32sが引き出されるスロット番号11のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第三単位コイル20cの巻進行方向W3は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第三単位コイル20cの巻進行方向W3から視た第三単位コイル20cの巻方向は、時計回りになる。なお、これらの巻順は、図2の数字で示す巻順と一致している。
固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。図5Aでは、フルコイル23fは、実線の六角形で示され、ハーフコイル23hは、細破線の六角形で示されている。
フルコイル23fは、一の単位コイル20(例えば、第一単位コイル20a)の一対のコイルサイド21,21が一対のスロット11,11(例えば、スロット番号3および9)に収容されたときに、当該一対のコイルサイド21,21が当該一対のスロット11,11(スロット番号3および9)の全体を占有する単位コイル20をいう。このことは、第一単位コイル20aが一対のスロット11,11(スロット番号18および24)に収容されたときについても同様であり、図示されていない残りの四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32,32についても同様である。
また、第二単位コイル20bについても同様であり、第二単位コイル20bは、一対のスロット11,11(スロット番号10および17)の全体を占有する。このことは、第二単位コイル20bが一対のスロット11,11(スロット番号55および2)に収容されたときについても同様であり、図示されていない残りの四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32,32についても同様である。
一方、ハーフコイル23hは、一の単位コイル20(本実施形態では、第三単位コイル20c)の一対のコイルサイド21,21が一対のスロット11,11(例えば、スロット番号11および16)に収容されたときに、当該一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21が当該一対のスロット11,11(スロット番号11および16)のうちの一方のスロット11(スロット番号11)の半分を占有する。また、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21が当該一対のスロット11,11(スロット番号11および16)のうちの他方のスロット11(スロット番号16)の半分を占有する。このことは、第三単位コイル20cが一対のスロット11,11(スロット番号56および1)に収容されたときについても同様であり、図示されていない残りの四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32,32についても同様である。
なお、図5Bでは、スロット11の占有状態が長方形の大きさで示されている。大きい長方形は、フルコイル23fのコイルサイド21が当該スロット11の全体を占有していることを示している。一方、小さい長方形は、ハーフコイル23hのコイルサイド21が当該スロット11の半分を占有していることを示している。これらの図示の方法は、後述する図面についても同様である。
図6Aおよび図6Bに示すように、U相コイル33uを構成する各極対コイル32について既述したことは、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。図6Aは、図5Aと同様に図示されており、図6Bは、図5Bと同様に図示されている。このように、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。
ここで、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21であってスロット底部11a側に配設されるコイルサイド21が占有するスロット11の半分に相当する部位を第一ハーフスロット部位11dとする。また、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21であってスロット開口部11b側に配設されるコイルサイド21が占有するスロット11の半分に相当する部位を第二ハーフスロット部位11eとする。W相コイル33wのハーフコイル23hは、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eの両方を備えている。このように、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eの両方を備えるハーフコイル23hを両側占有ハーフコイル23h1とする。
一方、U相コイル33uは、第一ハーフスロット部位11dを備えているが、第二ハーフスロット部位11eを備えていない。V相コイル33vは、第二ハーフスロット部位11eを備えているが、第一ハーフスロット部位11dを備えていない。このように、第一ハーフスロット部位11dおよび第二ハーフスロット部位11eのうちの一方を備えるハーフコイル23hを片側占有ハーフコイル23h2とする。
なお、図6Aでは、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21および一対のコイルエンド22,22のうち、スロット底部11a側に配設される部位を細破線で示している。また、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21および一対のコイルエンド22,22のうち、スロット開口部11b側に配設される部位を細実線で示している。つまり、W相コイル33wのハーフコイル23hは、細実線および細破線の両方で示される六角形で表されている。また、U相コイル33uのハーフコイル23hは、すべて細破線で示される六角形で表されている。さらに、V相コイル33vのハーフコイル23hは、すべて細実線で示される六角形で表されている。
ここで、毎極毎相スロット数qを帯分数で表したときの整数部分を整数部aとし、帯分数の真分数部分を既約分数で表したときの分子部分を分子部bとし、分母部分を分母部cとする。但し、整数部aおよび分子部bは、いずれも正の整数であり、分母部cは、2以上の整数、かつ、3の倍数でないとする。また、可動子70の可動子磁極数Pを分母部cで除した数を磁極周期数とする。本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成(分数スロット構成)の三相同期機であり、毎極毎相スロット数は、2.5である。この場合、整数部aは2であり、分子部bは1であり、分母部cは2である。つまり、毎極毎相スロット数qは、下記数1で表される。また、磁極周期数は、4(=8/2)である。
Figure 0006610415
三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、磁極周期数(本実施形態では、4つ)の相単位コイル36を備えている。また、本実施形態では、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36の各々は、極対コイル32である。図2に示すように、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36の各々(各極対コイル32)は、複数(本実施形態では、2つ)のフルコイル23fである第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bと、一つのハーフコイル23hである第三単位コイル20cとが電気的に直列接続されており、毎極毎相スロット数qの分母部c(本実施形態では、2)と同じ数(2つ)の可動子磁極(同図では、一対の可動子磁極61,62)に対して電磁気的に作用する。
また、図3に示すように、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36(複数(4つ)の極対コイル32)は、電気的に並列接続されている。さらに、磁極周期数(4つ)の相単位コイルの各々(各極対コイル32)は、一つのハーフコイル23hである第三単位コイル20cが、複数(2つ)のフルコイル23fである第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bに対して、中性点3N側に設けられている。
図7に示すように、U相の相電圧をU相電圧Vuで示し、V相の相電圧をV相電圧Vvで示し、W相の相電圧をW相電圧Vwで示す。また、U相のハーフコイル23h(第三単位コイル20c)に印加される電圧をU相ハーフコイル電圧Vhuで示し、V相のハーフコイル23h(第三単位コイル20c)に印加される電圧をV相ハーフコイル電圧Vhvで示す。さらに、U相端子3TUとV相端子3TVとの間の電圧を端子間電圧Veで示す。ハーフコイル23hの巻数を巻数Nとすると、フルコイル23fの巻数は、例えば、巻数Nの二倍で表すことができる。本実施形態では、各相単位コイル36(各極対コイル32)は、2つのフルコイル23fと、1つのハーフコイル23hとを備えるので、各相単位コイル36(各極対コイル32)のコイルの巻数は、5×N(=(2×2+1)×N)で表すことができる。よって、U相ハーフコイル電圧VhuおよびV相ハーフコイル電圧Vhvは、端子間電圧Veを用いて、下記数2で表すことができる。また、U相ハーフコイル電圧VhuとV相ハーフコイル電圧Vhvとの間の電位差を電位差ΔVとすると、電位差ΔVは、端子間電圧Veを用いて、下記数3で表すことができる。
Figure 0006610415
Figure 0006610415
数3で示すように、U相ハーフコイル電圧VhuとV相ハーフコイル電圧Vhvとの間の電位差ΔVは、端子間電圧Veの20%に低減することができる。このことは、V相のハーフコイル23hとW相のハーフコイル23hとの間の電位差についても同様に言え、W相のハーフコイル23hとU相のハーフコイル23hとの間の電位差についても同様に言える。つまり、ハーフコイル23h間の電位差は、端子間電圧Veの20%に低減することができる。
これにより、スロット11内の絶縁部材(例えば、相間紙など)を削減または簡素化することができ、部品点数の低減、巻装の自動化が容易になる。また、スロット11内の絶縁部材の削減または簡素化によって占積率が向上し、固定子鉄心10の小型化等を図ることができる。なお、ハーフコイル23h間の電位差の低減割合(20%)は、特許文献2に記載の三相電機子巻線と比べて向上しており、特許文献1に記載の不整数溝電機子巻線と同等である。また、本実施形態では、いずれの相間においても、ハーフコイル23h間の電位差は、端子間電圧Veの20%である。
一般に、分母部cが2の場合、各相単位コイル36(各極対コイル32)のコイルの巻数は、整数部aを用いて、(2×a+1)×Nで表すことができる。そのため、数2および数3と同様にして、U相ハーフコイル電圧VhuとV相ハーフコイル電圧Vhvとの間の電位差ΔVを算出すると、電位差ΔVは、端子間電圧Veおよび毎極毎相スロット数qを用いて、下記数4で表すことができる。
Figure 0006610415
既述したように、ハーフコイル23hの巻数を巻数Nとすると、各相単位コイル36(各極対コイル32)のコイルの巻数は、5×Nで表すことができる。そのため、一相分の相コイル33の直列巻数は、5の整数倍である必要がある。また、本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成の三相同期機であり、可動子磁極数Pが8である。さらに、毎極毎相スロット数qの分母部cが2である。そのため、電磁気的には、4(=8/2)の周期性をもつ。このとき、特許文献1および特許文献2に記載の発明と同様にして、4(=8/2)周期分のコイルを直列接続すると、一相分のコイルの直列巻数は、20(=5×4)の整数倍である必要があり、コイルの巻数の選択自由度が狭く、用途が限定され易い。そこで、本実施形態では、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36(複数(4つ)の極対コイル32)を電気的に並列接続する。これにより、一相分のコイルの直列巻数(各相単位コイル36の巻数であり、各極対コイル32の巻数)は、上述した5の整数倍であれば良い。
本実施形態の三相同期機100によれば、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36の各々(複数(4つ)の極対コイル32の各々)は、一つのハーフコイル23hが、複数(2つ)のフルコイル23fに対して中性点3N側に設けられている。そのため、本実施形態の三相同期機100は、同一スロット11内に収容されるハーフコイル23h(異相コイル)間の電位差を低減することができる。また、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36(複数(4つ)の極対コイル32)は、電気的に並列接続されている。そのため、本実施形態の三相同期機100は、磁極周期数(4つ)の相単位コイル36が電気的に直列接続されて相コイル33が構成される場合と比べて、コイルの巻数の選択範囲が広範化され、コイルの巻数の選択自由度が高まる。このように、本実施形態の三相同期機100は、同一スロット11内に収容されるハーフコイル23h(異相コイル)間の電位差の低減と、コイルの巻数の選択範囲の広範化との両立を図ることができる。
なお、磁極周期数(本実施形態では、4つ)の相単位コイル36(複数(4つ)の極対コイル32)を電気的に並列接続して相コイル33を構成すると、相コイル33内において微小な循環電流が生じる可能性がある。そのため、循環電流が問題になる場合には、可動子鉄心50に設けられるシャフト(図示略)の芯出し精度を向上させ、使用する部材の材質の均等化などを図ると良い。また、各相単位コイル36内の渡り線(第一極コイル31fと第二極コイル31sとを接続する極コイル間接続部32c)の長さを均等化すると好適である。
一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが異なる複数のフルコイル23fを同心状に巻装すると、フルコイル23fの数が増加する程、一対のコイルエンド22,22の第三方向(矢印Z方向)における高さ(以下、コイルエンド高さという。)は、増大する。その結果、固定子コイル30のコイル長が増大して、高コスト化を招く可能性がある。また、固定子コイル30のコイル長が増大すると、固定子コイル30の巻線抵抗が増大し、高効率化の妨げになる可能性がある。
本実施形態の三相同期機100によれば、各相単位コイル36は、第一方向(矢印X方向)に隣接する第一極コイル31fおよび第二極コイル31sが電気的に直列接続されている一つの極対コイル32である。そのため、本実施形態の三相同期機100は、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20を、第一方向(矢印X方向)において分散配置化することが容易であり、コイルエンド高さの増大を抑制することができる。また、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々において、先行技術文献の欄に記載の発明で必要となる隔極接続が不要であるので、当該発明と比べて、配策を簡素化することができる。
さらに、本実施形態の三相同期機100によれば、各極対コイル32は、第一コイル引出部32fと、第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えている。また、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)の各々は、各一対のコイル引出部32f,32sを介して、磁極周期数(4つ)の極対コイル32が電気的に並列接続されている。そのため、本実施形態の三相同期機100は、極対コイル32間の接続が容易であり、配策を簡素化することができる。
(各単位コイル20の巻進行方向)
まず、本実施形態の固定子コイル30の組み付け方法について説明し、次に、本実施形態の各単位コイル20の巻進行方向について説明する。図8に示すように、固定子コイル30の組み付け(複数のスロット11への装着)は、公知のコイル挿入機3I(インサータ治具)を用いることができる。コイル挿入機3Iは、一例として、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(本実施形態では、4つ)の極対コイル32を複数(本実施形態では、24個)のスロット11に装着することができる。
まず、巻枠(図示略)を用いて、U相コイル33uを構成する複数(4つ)の極対コイル32を構成する各単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)を巻装する。巻枠の巻ピッチは、各単位コイル20のコイルピッチCP1〜CP3に相当する巻ピッチに設定する。各単位コイル20のコイルピッチCP1〜CP3は、それぞれ異なるので、巻枠は、三種類必要になる。巻ピッチが異なる複数の巻枠を同軸に配設した巻枠を用いることもできる。
図8に示すように、巻枠から取り外された第一極コイル31fは、第一コイル引出部32fが引き出される第一コイルサイド21aが紙面奥側(下側)になり、極コイル間接続部32cの一端側の第三コイルサイド21cが紙面手前側(上側)になるように配設されている。このとき、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りになっている。また、巻枠から取り外された第二極コイル31sは、極コイル間接続部32cの他端側の第四コイルサイド21dが紙面奥側(下側)になり、第二コイル引出部32sが引き出される第二コイルサイド21bが紙面手前側(上側)になるように配設されている。このとき、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、時計回りになっている。同様に、第三単位コイル20cの巻進行方向W3から視た第三単位コイル20cの巻方向は、時計回りになっている。
同図に示すように、コイル挿入機3Iは、固定子コイル30を把持するインサータブレード3Bを備えている。インサータブレード3Bは、スロット11,11間のスロットピッチが反映されたクシ歯状の複数の支持部3B1を備えている。U相コイル33uを構成する複数(4つ)の極対コイル32は、インサータブレード3Bの支持部3B1に落とし込まれて、U相コイル33uを構成する複数(4つ)の極対コイル32が把持される。そして、インサータブレード3Bが固定子鉄心10の内方に挿入されて、U相コイル33uを構成する複数(4つ)の極対コイル32は、一度に各スロット11内に挿入される。
各極対コイル32の第一単位コイル20aがスロット11,11に装着されたときに、第一単位コイル20aの巻進行方向W1は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。このとき、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りになる。また、各極対コイル32の第二単位コイル20bがスロット11,11に装着されたときに、第二単位コイル20bの巻進行方向W2は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。このとき、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、時計回りになる。同様に、第三単位コイル20cの巻進行方向W3は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。このとき、第三単位コイル20cの巻進行方向W3から視た第三単位コイル20cの巻方向は、時計回りになる。なお、各極対コイル32の巻始め部32aは、スロット開口部11b側に設けられ、各極対コイル32の巻終り部32bは、スロット底部11a側に設けられる。
以上のことは、V相コイル33vを構成する複数(4つ)の極対コイル32についても同様であり、W相コイル33wを構成する複数(4つ)の極対コイル32についても同様である。このように、本実施形態では、各極対コイル32を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各巻進行方向(巻進行方向W1、巻進行方向W2および巻進行方向W3)は、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)になる。
なお、本実施形態では、後述するように、固定子コイル30は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に、組み付けられる。そして、極対コイル32間の配策および接続が行われ、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)が形成される。この際、各相端子(U相端子3TU,V相端子3TV,W相端子3TW)および中性点3Nの接続なども行われる。また、各単位コイル20の一対のコイルエンド22,22、単位コイル間接続部31c、極コイル間接続部32cおよび一対のコイル引出部32f,32s(第一コイル引出部32fおよび第二コイル引出部32s)のレーシング結束が行われた後、ワニスの含浸、樹脂モールド等によって固定子コイル30が固定子鉄心10に固定される。
本実施形態の三相同期機100によれば、各極対コイル32を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各巻進行方向(巻進行方向W1、巻進行方向W2および巻進行方向W3)は、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。よって、本実施形態の三相同期機100は、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いて、例えば、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(4つ)の極対コイル32を複数(24個)のスロット11に装着することができる。具体的には、相コイル33を構成する複数(4つ)の極対コイル32を、インサータブレード3Bの支持部3B1に落とし込んで、当該複数(4つ)の極対コイル32を把持して、当該複数(4つ)の極対コイル32を一度に各スロット11内に挿入し、装着することができる。つまり、本実施形態の三相同期機100は、分数スロット構成の三相同期機で一般的に実施されている二層重巻(上述した相コイル33単位での装着が難しい)と比べて、三相同期機の性能を略同等に維持しつつ、固定子コイル30の組み付けに要する作業工数を短縮することができる。
(ハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sの配置)
次に、各極対コイル32におけるハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置について説明する。毎極毎相スロット数qの整数部aが2以上であり、かつ、毎極毎相スロット数qの分母部cが2のときには、各極対コイル32は、第二極コイル31sに一つのハーフコイル23hを備えると好適である。また、第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する一つまたは複数の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21から引き出されていると好適である。さらに、第二コイル引出部32sは、第二極コイル31sを構成する複数の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20であって、一つのハーフコイル23hの第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21から引き出されていると好適である。
図9は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図2に示す極対コイル32が複数(6つ)のスロット11に装着された状態を示している。図9は、図5Bおよび図6Bと同様に図示されている。ただし、図9では、単位コイル間接続部31c、極コイル間接続部32cおよび一対のコイル引出部32f,32s(第一コイル引出部32fおよび第二コイル引出部32s)が図示されている。
図2および図9に示すように、本実施形態では、各極対コイル32は、第二極コイル31sに一つのハーフコイル23hを備えている。また、第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する一つの単位コイル20(第一単位コイル20a)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出されている。さらに、第二コイル引出部32sは、第二極コイル31sを構成する複数(2つ)の単位コイル20(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20(第三単位コイル20c)であって、一つのハーフコイル23hの第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出されている。なお、図9では、第一コイル引出部32fは、最もスロット開口部11b側から引き出されており、第二コイル引出部32sは、最もスロット底部11a側から引き出されている。
図9に示すように、本実施形態では、極コイル間接続部32cおよび単位コイル間接続部31cは、いずれも一対のコイル引出部32f,32sと交差していない。従って、近接部位の干渉回避が容易である。具体的には、これらの部位は、所要距離を確保して引き回せばよい。所要距離は、例えば、これらの部位における近接部位間の印加電圧から導出することができ、近接部位間の電気的な絶縁を確保できるように設定される。以上のことは、後述する実施形態についても同様に言える。なお、極コイル間接続部32cは、第二単位コイル20bのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることができる。また、単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとの間のコイルエンド22,22間に収容することができる。
本実施形態の三相同期機100によれば、毎極毎相スロット数qの整数部aは、2であり、かつ、毎極毎相スロット数qの分母部cは、2である。また、各極対コイル32は、第二極コイル31sに一つのハーフコイル23hを備えている。さらに、第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する一つの単位コイル20(第一単位コイル20a)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出されている。また、第二コイル引出部32sは、第二極コイル31sを構成する複数(2つ)の単位コイル20(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20(第三単位コイル20c)であって、一つのハーフコイル23hの第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出されている。
これらにより、極コイル間接続部32cおよび単位コイル間接続部31cは、いずれも一対のコイル引出部32f,32sと交差していない。その結果、各極対コイル32におけるハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sのうちの少なくとも一方の配置が本実施形態と異なる形態と比べて、本実施形態の各極対コイル32は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
各極対コイル32におけるハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置については、毎極毎相スロット数が3.5以上の場合も同様の傾向が見られる。例えば、毎極毎相スロット数が3.5(8極84スロット構成の三相同期機)の場合、各極対コイル32は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と比べて、フルコイル23fの数が一つ増加する。この場合も、各極対コイル32におけるハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sの配置は、本実施形態と同様にすると良い。これにより、上述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。なお、この場合、第一極コイル31fは、複数(2つ)の単位コイル20(いずれもフルコイル23f)を備える。第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する複数(2つ)の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21から引き出されていると好適である。
(相コイル33の配置)
三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本実施形態では、三相の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられる。なお、既述のとおり、三相の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、三相の相コイル33は、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
図10Aに示すように、第一装着工程は、三相の相コイル33のうちの一の相コイル33(本実施形態では、U相コイル33u)を複数(24個)のスロット11に装着する工程である。同図は、U相コイル33uを構成する四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32を示しており、残りの四磁極分(二磁極対分)の極対コイル32の記載が省略されている。このことは、図10B〜図10Dについても同様であり、後述する図面についても同様である。
図10Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、U相コイル33uの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)とが交差していない。また、U相コイル33uは、最初に装着されるので、他の相コイル33(V相コイル33vおよびW相コイル33w)の影響を受けることなく、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット底部11a側に配設される。つまり、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第二進相装着工程は、三相の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)に対して、電気角120°分、第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。残りの一の相コイル33は、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)と比べて、電気角120°分、位相が進む相コイル33(本実施形態では、W相コイル33w)をいう。なお、電気角120°は、電気角360°を相数3で除した相間の最小位相差(相間最小位相差)に相当する。本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成の三相同期機であり、電気角120°(相間最小位相差)は、5スロットピッチ分に相当する。
図10Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
このように、W相コイル33wは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、W相コイル33wは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
第三進相装着工程は、三相の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第二進相装着工程で装着された相コイル33(W相コイル33w)に対して、電気角120°分、第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。残りの一の相コイル33は、第二進相装着工程で装着された相コイル33(W相コイル33w)と比べて、電気角120°分、位相が進む相コイル33(本実施形態では、V相コイル33v)をいう。
図10Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。V相コイル33vは、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、極コイル間接続部32cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相コイル33vは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
このように、他相の単位コイル20のコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を横断する引き出し線(一対のコイル引出部32f,32sのうちの少なくとも一方)は、一相分である。本明細書では、当該引き出し線を他相横断引き出し線という。本実施形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sが他相横断引き出し線である。
図11A〜図11Dに示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順(相順と同じ順序)に、複数(60個)のスロット11に装着することもできる(比較形態)。比較形態では、V相コイル33vは、U相コイル33uに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。W相コイル33wは、V相コイル33vに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。この方法は、第三実施形態で説明する第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法である。
図11Aに示すように、比較形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図10Aに示す本実施形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図11Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。V相コイル33vは、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、極コイル間接続部32cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図11Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、極コイル間接続部32cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、W相コイル33wの極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
比較形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。また、V相コイル33vは、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。以上のことは、W相コイル33wについても同様である。このように、比較形態では、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの二相(V相およびW相)において、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。
一方、本実施形態では、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一相(V相)において、第二コイル引出部32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。このように、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する相数が少ない。よって、本実施形態の極対コイル32は、比較形態の極対コイル32と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。また、本実施形態の極対コイル32は、比較形態の極対コイル32と比べて、交差部位における電気的な絶縁を確保するための対処箇所が減少する。
ここで、各極対コイル32を構成する複数(3つ)の単位コイル20間をそれぞれ接続する各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)の一端側の端部であってスロット底部11a側に配設される端部を第一渡り線端部34aとする。また、当該渡り線の他端側の端部であってスロット開口部11b側に配設される端部を第二渡り線端部34bとする。さらに、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトルを第一ベクトル35aとする。また、極対コイル32の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)の第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトルを第二ベクトル35bとする。
図11Eに示すように、比較形態では、第一ベクトル35aと、極コイル間接続部32cの第二ベクトル35bとのなす角φb1は、機械角90°より大きい鈍角になっている。第一ベクトル35aと、単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φb2についても同様である。つまり、比較形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φb1,φb2が、いずれも機械角90°より大きい鈍角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図11Aに示すU相コイル33uの極対コイル32の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
一方、図10Eに示すように、本実施形態では、第一ベクトル35aと、極コイル間接続部32cの第二ベクトル35bとのなす角φa1は、機械角90°より小さい鋭角になっている。第一ベクトル35aと、単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φa2についても同様である。つまり、本実施形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図10Aに示すU相コイル33uの極対コイル32の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
本実施形態の三相同期機100によれば、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角である。そのため、本実施形態の三相同期機100は、極対コイル32内の各渡り線(単位コイル間接続部31cおよび極コイル間接続部32c)と一対のコイル引出部32f,32sの間の干渉交差(接触して交差する状況)を低減することができ、他相横断引き出し線の数を低減することができる。よって、本実施形態の極対コイル32は、比較形態の極対コイル32と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、毎極毎相スロット数が異なる。また、本実施形態は、第一実施形態と比べて、ハーフコイル23hの配置が異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
(ハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sの配置)
本実施形態の三相同期機100は、8極36スロット構成の三相同期機(可動子70の可動子磁極数が2極、固定子40のスロット数が9スロットを基本構成とする三相同期機)であり、毎極毎相スロット数は1.5である。また、図12および図13に示すように、本実施形態では、各極対コイル32は、第一極コイル31fに一つのハーフコイル23hを備えている。第一極コイル31fは、一つの単位コイル20を備えており、当該単位コイル20を第一単位コイル20aとする。第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、3スロットピッチに設定されている。第一単位コイル20aは、同心状に巻装されており、第一極コイル31fが形成されている。
第二極コイル31sは、一つの単位コイル20を備えており、当該単位コイル20を第二単位コイル20bとする。第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、4スロットピッチに設定されている。第二単位コイル20bは、同心状に巻装されており、第二極コイル31sが形成されている。本実施形態では、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bは、フルコイル23fである。
また、第一単位コイル20aの巻進行方向W1および第二単位コイル20bの巻進行方向W2は、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。さらに、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りである。また、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、時計回りである。
このように、毎極毎相スロット数qの整数部aが1であり、かつ、毎極毎相スロット数qの分母部cが2のときには、各極対コイル32は、第一極コイル31fに一つのハーフコイル23hを備えると好適である。また、第一コイル引出部32fは、第一極コイル31fを構成する一つのハーフコイル23h(第一単位コイル20a)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出され、中性点3Nと接続されると好適である。さらに、第二コイル引出部32sは、第二極コイル31sを構成する一つのフルコイル23f(第二単位コイル20b)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出され、相端子3TX(Xは、U、V、Wのうちのいずれか)と接続されると好適である。
図13に示すように、本実施形態では、極コイル間接続部32cは、一対のコイル引出部32f,32sと交差していない。また、極コイル間接続部32cは、第二単位コイル20bのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることができる。なお、同図では、第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されており、第二コイル引出部32sは、最もスロット底部11a側から引き出されている。
本実施形態の三相同期機100によれば、上述した構成により、極コイル間接続部32cは、一対のコイル引出部32f,32sと交差していない。その結果、各極対コイル32におけるハーフコイル23hおよび一対のコイル引出部32f,32sのうちの少なくとも一方の配置が本実施形態と異なる形態と比べて、本実施形態の各極対コイル32は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
本実施形態の三相同期機100は、毎極毎相スロット数が1.5であるので、各極対コイル32は、一つのフルコイル23fと、一つのハーフコイル23hとを備える。そのため、各極対コイル32は、単位コイル間接続部31cが不要であり、極対コイル32内の渡り線が簡素化される。よって、一対のコイル引出部32f,32sの配置が同じ場合には、本実施形態の三相同期機100は、毎極毎相スロット数が2.5以上の場合と比べて、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c、単位コイル間接続部31c)と、一対のコイル引出部32f,32sとの間の干渉交差(接触して交差する状況)が低減される。
(相コイル33の配置)
三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一実施形態で既述の第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法によって、複数(36個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、図14A〜図14Dに示すように、三相の相コイル33は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順に組み付けられる。
図14Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、U相コイル33uの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
図14Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、W相コイル33wは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図14Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、V相コイル33vは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
以上のように、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、いずれの相においても、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されるが、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)と干渉しない。このことは、W相コイル33wの第一コイル引出部32fについても同様に言える。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、U相コイル33uの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。このように、本実施形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、V相コイル33vの第一コイル引出部32fである。
図15A〜図15Dに示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順(相順と同じ順序)に、複数(36個)のスロット11に装着することもできる(比較形態)。比較形態では、V相コイル33vは、U相コイル33uに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(16個)のスロット11に装着する。W相コイル33wは、V相コイル33vに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(16個)のスロット11に装着する。この方法は、第三実施形態で説明する第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法である。
図15Aに示すように、比較形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図14Aに示す本実施形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図15Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、V相コイル33vは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図15Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。このように、W相コイル33wは、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
以上のように、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、いずれの相においても、一対のコイル引出部32f,32sと、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)とが交差していない。なお、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット中央部11cから引き出されるが、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)と干渉しない。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、U相コイル33uの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。同様に、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。つまり、比較形態では、他相横断引き出し線は、二相分であり、V相コイル33vの第一コイル引出部32fおよびW相コイル33wの第一コイル引出部32fである。
一方、本実施形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、V相コイル33vの第一コイル引出部32fである。このように、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、他相横断引き出し線の相数が少ない。よって、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、相コイル33間の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができる。当該絶縁部位に用いる絶縁部材は、当該部位を電気的に絶縁することができれば良く、限定されないが、例えば、絶縁チューブなどを用いることができる。このことは、後述する他相横断引き出し線についても同様に言える。
また、図15Eに示すように、比較形態では、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35a)と、極コイル間接続部32cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35b)とのなす角φb1は、機械角90°より大きい鈍角になっている。
一方、図14Eに示すように、本実施形態では、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35a)と、極コイル間接続部32cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35b)とのなす角φa1は、機械角90°より小さい鋭角になっている。
本実施形態の三相同期機100によれば、上述した構成により、極対コイル32内の渡り線(極コイル間接続部32c)と一対のコイル引出部32f,32sの間の干渉交差(接触して交差する状況)を低減することができ、他相横断引き出し線の数を低減することができる。よって、本実施形態の極対コイル32は、比較形態の極対コイル32と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
<第三実施形態>
本実施形態は、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各相単位コイル36が極コイル31である点で、第一実施形態と異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
図16に示すように、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数組(本実施形態では、四組)の一対の可動子磁極61,62のうちの同一極性の可動子磁極(同図では、N極の可動子磁極61)に対向するように、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位で集約されている。本実施形態の三相同期機100は、8極60スロット構成の三相同期機であるので、15スロット単位で、複数(一相あたり3つ)の単位コイル20が集約されている。
また、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位(15スロット単位)で集約された複数(一相あたり3つ)の単位コイル20は、極コイル31を構成している。各極コイル31は、一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが異なる複数(3つ)の単位コイル20が同心状に巻装され、電気的に直列接続されている。極コイル31を構成する3つの単位コイル20を第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cとする。また、単位コイル20,20同士を電気的に接続する部位を単位コイル間接続部31cとする。本実施形態では、第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、2つの単位コイル間接続部31c,31cを介して、電気的に直列接続されている。
図16に示すように、第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP1は、9スロットピッチ(9sp)に設定されている。第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP2は、7スロットピッチ(7sp)に設定されている。第三単位コイル20cの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチCP3は、5スロットピッチ(5sp)に設定されている。このように、コイルピッチCP1〜CP3は、それぞれ異なっている。
各極コイル31は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。第一コイル引出部32fは、一の単位コイル20(本実施形態では、第一単位コイル20a)の一のコイルサイド21から引き出され、相端子3TX(Xは、U、V、Wのうちのいずれか)と接続される。当該コイルサイド21を第一コイルサイド21aとする。また、第二コイル引出部32sは、一の単位コイル20(本実施形態では、第三単位コイル20c)の一のコイルサイド21から引き出され、中性点3Nと接続される。当該コイルサイド21を第二コイルサイド21bとする。同図では、極コイル31の巻始め部32aから巻終り部32bまでの巻順を数字で示している。なお、各極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、同心状に巻装されるので、各単位コイル20の一対のコイルサイド21,21には、同一の数字が付されている。
三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、各一対のコイル引出部32f,32sを介して、磁極周期数(4つ)の極コイル31が電気的に並列接続されている。具体的には、各極コイル31の巻始め部32a同士が電気的に接続され、U相端子3TUと接続されている。また、各極コイル31の巻終り部32b同士が電気的に接続され、中性点3Nと接続されている。V相コイル33vおよびW相コイル33wは、U相コイル33uと同様に形成することができる。
(複数のスロット11の占有状態)
次に、複数の単位コイル20による複数のスロット11の占有状態について説明する。図17Aおよび図17Bは、U相コイル33uを構成する各極コイル31が複数のスロット11に装着された状態を示しており、各極コイル31は、電気的に並列接続されている。図17Aおよび図17Bでは、U相コイル33uの四磁極分(二磁極対分)の極コイル31,31が示されている。また、図17Aでは、極コイル31は、説明の便宜上、<U8>および<U2>の符号が付されている。(U1)および(U3)は、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位(15スロット単位)で、複数(3つ)の単位コイル20が集約された結果、単位コイル20が存在しない領域を示している。
例えば、図17Aに示す<U2>の第一単位コイル20aは、第一コイル引出部32fが引き出されるスロット番号9のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第一単位コイル20aは、一対のスロット11,11(スロット番号9および18)間で巻き回され、単位コイル間接続部31cの一端側のスロット番号18のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第一単位コイル20aの巻進行方向W1は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りになる。上記単位コイル間接続部31cは、スロット番号18のスロット底部11a側からスロット番号10のスロット開口部11b側に引き回されている。
<U2>の第二単位コイル20bは、上記単位コイル間接続部31cの他端側のスロット番号10のスロット開口部11b側から巻始められる。そして、第二単位コイル20bは、一対のスロット11,11(スロット番号10および17)間で巻き回され、上記単位コイル間接続部31cとは異なる単位コイル間接続部31cの一端側のスロット番号17のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第二単位コイル20bの巻進行方向W2は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、反時計回りになる。上述の単位コイル間接続部31cは、スロット番号17のスロット底部11a側からスロット番号11のスロット中央部11cに引き回されている。
<U2>の第三単位コイル20cは、上述の単位コイル間接続部31cの他端側のスロット番号11のスロット中央部11cから巻始められる。そして、第三単位コイル20cは、一対のスロット11,11(スロット番号11および16)間で巻き回され、第二コイル引出部32sが引き出されるスロット番号16のスロット底部11a側で巻終わる。このときの第三単位コイル20cの巻進行方向W3は、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であり、第三単位コイル20cの巻進行方向W3から視た第三単位コイル20cの巻方向は、反時計回りになる。なお、これらの巻順は、図16の数字で示す巻順と一致している。
固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、フルコイル23fであり、第三単位コイル20cは、ハーフコイル23hである。図17Aでは、フルコイル23fは、実線の六角形で示され、ハーフコイル23hは、細破線の六角形で示されている。
図18Aおよび図18Bに示すように、U相コイル33uを構成する各極コイル31について既述したことは、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。このように、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数のスロット11の占有状態に関して、フルコイル23fとハーフコイル23hとの二種類の単位コイル20を備えている。なお、本実施形態では、V相コイル33vのハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1であり、U相コイル33uおよびW相コイル33wは、片側占有ハーフコイル23h2である。
本実施形態の三相同期機100によれば、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相12個、合計36個)の単位コイル20は、複数組(四組)の一対の可動子磁極61,62のうちの同一極性の可動子磁極に対向するように、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位(15スロット単位)で集約されている。また、各相単位コイル36は、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位(15スロット単位)で集約された一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが異なる複数(一相あたり3つ)の単位コイル20が同心状に巻装され、電気的に直列接続されている一つの極コイル31である。そのため、本実施形態の三相同期機100は、複数の単位コイル20が分散配置化される第一実施形態の三相同期機100と比べて、固定子コイル30の組み付けが容易であり、巻装時間を低減することが容易である。
(各単位コイル20の巻進行方向)
第一実施形態と同様に、各極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20(第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20c)の各巻進行方向(巻進行方向W1、巻進行方向W2および巻進行方向W3)は、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)であると好適である。これにより、本実施形態の三相同期機100は、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いて、例えば、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、複数(4つ)の極コイル31を複数(24個)のスロット11に装着することができる。具体的には、各相コイル33を構成する複数(4つ)の極コイル31を、インサータブレード3Bの支持部3B1に落とし込んで、当該複数(4つ)の極コイル31を把持して、当該複数(4つ)の極コイル31を一度に各スロット11内に挿入し、装着することができる。つまり、本実施形態の三相同期機100は、分数スロット構成の三相同期機で一般的に実施されている二層重巻(上述した相コイル33単位での装着が難しい)と比べて、三相同期機の性能を略同等に維持しつつ、固定子コイル30の組み付けに要する作業工数を短縮することができる。
また、各極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20は、一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最大の単位コイル20(第一単位コイル20a)から一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20(第三単位コイル20c)へ連続して巻進められており、最も近接する単位コイル20,20同士(第一単位コイル20aと第二単位コイル20bおよび第二単位コイル20bと第三単位コイル20c)が電気的に接続されていると好適である。これにより、本実施形態の三相同期機100は、各極コイル31を構成する単位コイル20の各々を同心状に巻装した後に、別途、単位コイル20間を接続する場合と比べて、単位コイル20間の接続が簡素になり、固定子コイル30の巻装作業の作業性が向上する。
(一対のコイル引出部32f,32sの配置)
次に、各極コイル31における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置について説明する。毎極毎相スロット数qの分母部cが2のときには、各極コイル31は、一つのハーフコイル23hを備える。図16および図19に示すように、第一コイル引出部32fは、極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最大の単位コイル20(第一単位コイル20a)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出されていると好適である。また、第二コイル引出部32sは、極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20(第三単位コイル20c)であって、一つのハーフコイル23hの第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出されていると好適である。
図19は、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側から視た図16に示す極コイル31が複数(6つ)のスロット11に装着された状態を示している。図19は、図17Bおよび図18Bと同様に図示されている。ただし、図19では、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cおよび一対のコイル引出部32f,32s(第一コイル引出部32fおよび第二コイル引出部32s)が図示されている。なお、図19では、第一コイル引出部32fは、最もスロット開口部11b側から引き出されており、第二コイル引出部32sは、最もスロット底部11a側から引き出されている。
本実施形態の三相同期機100によれば、上述した構成により、複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31cは、いずれも一対のコイル引出部32f,32sと交差していない。従って、近接部位の干渉回避が容易である。なお、第一コイル引出部32fは、第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を渡らせることができる。また、第一単位コイル20aと第二単位コイル20bとを接続する単位コイル間接続部31cは、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bの各コイルエンド22,22間に収容することができる。第二単位コイル20bと第三単位コイル20cとを接続する単位コイル間接続部31cは、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cの各コイルエンド22,22間に収容することができる。
毎極毎相スロット数が3.5以上の場合も、各極コイル31における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と同様である。例えば、毎極毎相スロット数が3.5の場合、各極コイル31は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と比べて、フルコイル23fの数および単位コイル間接続部31cの数が一つずつ増加する。しかしながら、各極コイル31における一対のコイル引出部32f,32sの配置を本実施形態と同様の配置にすると、複数(3つ)の単位コイル間接続部31cと、一対のコイル引出部32f,32sとは、交差しない。
(相コイル33の配置)
三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法によって、複数(60個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、本実施形態では、三相の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられる。なお、第一実施形態と同様に、三相の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に位相が遅れているものとする。また、三相の相コイル33は、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)に、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの相順に配設するものとする。
図20Aに示すように、第一装着工程は、三相の相コイル33のうちの一の相コイル33(本実施形態では、U相コイル33u)を複数(24個)のスロット11に装着する工程である。同図は、U相コイル33uを構成する概ね二磁極対分の極コイル31を示しており、残りの概ね二磁極対分の極コイル31の記載が省略されている。このことは、図20B〜図20Dについても同様である。
図20Aに示すように、U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。U相コイル33uの第一コイル引出部32fは、U相コイル33uの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、U相コイル33uの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
このように、U相コイル33uは、一対のコイル引出部32f,32sと、極コイル31内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが交差していない。また、U相コイル33uは、最初に装着されるので、他の相コイル33(V相コイル33vおよびW相コイル33w)の影響を受けることなく、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット底部11a側に配設される。つまり、U相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
第二遅相装着工程は、三相の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)に対して、電気角120°分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。残りの一の相コイル33は、第一装着工程で装着された相コイル33(U相コイル33u)と比べて、電気角120°分、位相が遅れる相コイル33(本実施形態では、V相コイル33v)をいう。なお、第一実施形態と同様に、電気角120°は、相間最小位相差に相当し、5スロットピッチ分に相当する。
図20Bに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。なお、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット底部11a側から引き出されている。
このように、V相コイル33vは、一対のコイル引出部32f,32sと、極コイル31内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)とが交差していない。なお、V相コイル33vは、U相コイル33uの後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21のうちの一方のコイルサイド21がスロット底部11a側に配設され、当該一対のコイルサイド21,21のうちの他方のコイルサイド21がスロット開口部11b側に配設される。つまり、V相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
第三遅相装着工程は、三相の相コイル33のうちの残りの一の相コイル33を、第二遅相装着工程で装着された相コイル33(V相コイル33v)に対して、電気角120°分、第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する工程である。残りの一の相コイル33は、第二遅相装着工程で装着された相コイル33(V相コイル33v)と比べて、電気角120°分、位相が遅れる相コイル33(本実施形態では、W相コイル33w)をいう。
図20Cに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、W相コイル33wの極コイル31内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。このように、本実施形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sである。なお、W相コイル33wは、最後に装着されるので、ハーフコイル23hの一対のコイルサイド21,21は、いずれもスロット開口部11b側に配設される。つまり、W相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
図21A〜図21Dに示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順(相順と逆順序)に、複数(60個)のスロット11に装着することもできる(比較形態)。比較形態では、W相コイル33wは、U相コイル33uに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。V相コイル33vは、W相コイル33wに対して、電気角120°(相間最小位相差)分、第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)にずらして、複数(24個)のスロット11に装着する。この方法は、既述した第一装着工程と、第二進相装着工程と、第三進相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法である。
図21Aに示すように、比較形態のU相コイル33uを装着した後の状態は、図20Aに示す本実施形態のU相コイル33uを装着した後の状態と同じである。図21Bに示すように、W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。W相コイル33wの第一コイル引出部32fは、W相コイル33wの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。W相コイル33wは、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、W相コイル33wの極コイル31内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、W相コイル33wの第二コイル引出部32sは、U相コイル33uの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、W相のハーフコイル23hは、両側占有ハーフコイル23h1である。
図21Cに示すように、V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、スロット開口部11b側から引き出されて、第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)に引き回されている。V相コイル33vの第一コイル引出部32fは、V相コイル33vの第一単位コイル20aのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を引き回すことができる。
V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。V相コイル33vは、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。そのため、交差部位において、電気的な絶縁を確保するための対処が必要である。なお、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cは、第二コイル引出部32sと接触して交差しないので、第二コイル引出部32sに対する電気的な絶縁を確保するための対処は、不要である。
コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いた組み付けの結果、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、V相コイル33vの極コイル31内の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第三方向(矢印Z方向)の固定子鉄心10側(紙面奥側)を通過する。また、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、W相コイル33wの第三単位コイル20cのコイルエンド22の第三方向(矢印Z方向)のさらに外側(紙面手前側)を通過する。なお、V相のハーフコイル23hは、片側占有ハーフコイル23h2である。
比較形態では、V相コイル33vの第二コイル引出部32sは、スロット中央部11cから引き出されている。また、V相コイル33vは、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。以上のことは、W相コイル33wについても同様である。このように、比較形態では、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの二相(V相およびW相)において、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。
一方、本実施形態では、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)のうちの一相(W相)において、第二コイル引出部32sと、極コイル31内の渡り線(第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する。このように、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、一対のコイル引出部32f,32sと、極コイル31内の渡り線(単位コイル間接続部31c)とが接触して交差する相数が少ない。よって、本実施形態の極コイル31は、比較形態の極コイル31と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。また、本実施形態の極コイル31は、比較形態の極コイル31と比べて、交差部位における電気的な絶縁を確保するための対処箇所が減少する。
また、比較形態では、他相横断引き出し線は、二相分であり、V相コイル33vの第二コイル引出部32sおよびW相コイル33wの第二コイル引出部32sである。一方、本実施形態では、他相横断引き出し線は、一相分であり、W相コイル33wの第二コイル引出部32sである。このように、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、他相横断引き出し線の相数が少ない。よって、本実施形態の三相同期機100は、比較形態の三相同期機100と比べて、相コイル33間の電気的な絶縁が必要な絶縁部位を低減することができる。
本実施形態では、各極コイル31を構成する複数(3つ)の単位コイル20間をそれぞれ接続する各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の一端側の端部であってスロット底部11a側に配設される端部を第一渡り線端部34aとする。また、当該渡り線の他端側の端部であってスロット開口部11b側に配設される端部を第二渡り線端部34bとする。また、極コイル31の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)の第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトルを第二ベクトル35bとする。
図21Eに示すように、比較形態では、第一ベクトル35aと、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φb1は、機械角90°より大きい鈍角になっている。第一ベクトル35aと、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φb2についても同様である。つまり、比較形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φb1,φb2が、いずれも機械角90°より大きい鈍角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図21Aに示すU相コイル33uの極コイル31の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
一方、図20Eに示すように、本実施形態では、第一ベクトル35aと、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φa1は、機械角90°より小さい鋭角になっている。第一ベクトル35aと、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cを接続する単位コイル間接続部31cの第二ベクトル35bとのなす角φa2についても同様である。つまり、本実施形態では、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角になっている。なお、同図では、第三方向(矢印Z方向)に垂直な同一平面(同図の紙面上)において、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとが配設されている。また、同図は、図20Aに示すU相コイル33uの極コイル31の各渡り線(複数(2つ)の単位コイル間接続部31c,31c)について図示されているが、V相コイル33vおよびW相コイル33wについても同様に言える。
本実施形態の三相同期機100によれば、第一ベクトル35aと、第二ベクトル35b,35bとのなす角φa1,φa2が、いずれも機械角90°より小さい鋭角になっている。そのため、本実施形態の三相同期機100は、極コイル31内の渡り線(単位コイル間接続部31c)と一対のコイル引出部32f,32sの間の干渉交差(接触して交差する状況)を低減することができ、他相横断引き出し線の数を低減することができる。よって、本実施形態の極コイル31は、比較形態の極コイル31と比べて、第三方向(矢印Z方向)のうちの一対のコイル引出部32f,32s側のコイルエンド22が小型化され、その配策が簡素化される。
<第四実施形態>
本実施形態は、第三実施形態と比べて、毎極毎相スロット数が異なる。具体的には、本実施形態の三相同期機100は、8極36スロット構成の三相同期機(可動子70の可動子磁極数が2極、固定子40のスロット数が9スロットを基本構成とする三相同期機)であり、毎極毎相スロット数は1.5である。以下、第三実施形態と異なる点を中心に説明する。
(一対のコイル引出部32f,32sの配置)
図22および図23に示すように、本実施形態では、各極コイル31は、一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが異なる複数(2つ)の単位コイル20が同心状に巻装され、電気的に直列接続されている。当該2つの単位コイル20を第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bとする。第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、5スロットピッチに設定されている。第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、3スロットピッチに設定されている。
第一単位コイル20aの巻進行方向W1および第二単位コイル20bの巻進行方向W2は、いずれも第二方向スロット底部側(矢印Y1方向)である。また、第一単位コイル20aの巻進行方向W1から視た第一単位コイル20aの巻方向は、反時計回りであり、第二単位コイル20bの巻進行方向W2から視た第二単位コイル20bの巻方向は、反時計回りである。なお、第一単位コイル20aは、フルコイル23fであり、第二単位コイル20bは、ハーフコイル23hである。
各極コイル31の第一コイル引出部32fは、極コイル31を構成する複数(2つ)の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最大の単位コイル20(第一単位コイル20a)の第一方向第一コイル引出部側(矢印X1方向)のコイルサイド21(第一コイルサイド21a)から引き出されていると好適である。また、各極コイル31の第二コイル引出部32sは、極コイル31を構成する複数(2つ)の単位コイル20のうちの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチが最小の単位コイル20(第二単位コイル20b)であって、一つのハーフコイル23hの第一方向第二コイル引出部側(矢印X2方向)のコイルサイド21(第二コイルサイド21b)から引き出されていると好適である。なお、図23では、第一コイル引出部32fは、最もスロット開口部11b側から引き出されており、第二コイル引出部32sは、最もスロット底部11a側から引き出されている。このように、各極コイル31における一対のコイル引出部32f,32sの好適な配置は、毎極毎相スロット数が1.5の場合も同様の傾向が見られる。よって、本実施形態の三相同期機100は、第三実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(相コイル33の配置)
図24A〜図24Eに示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)は、第一装着工程と、第二遅相装着工程と、第三遅相装着工程とを備える三相同期機100の製造方法によって、複数(36個)のスロット11に装着されると好適である。これにより、三相の相コイル33は、U相コイル33u、V相コイル33v、W相コイル33wの順に組み付けられる。図24A〜図24Eは、図20A〜図20Eにそれぞれ対応している。
本実施形態の各極コイル31は、第三実施形態の各極コイル31と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、一対のコイル引出部32f,32sと、極コイル31内の渡り線(単位コイル間接続部31c)との間の交差の有無は、第三実施形態と同様になっている。また、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35a)と、単位コイル間接続部31cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35b)とのなす角φa1の関係は、第三実施形態と同様の関係になっている。
図25A〜図25Eに示すように、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)は、U相コイル33u、W相コイル33w、V相コイル33vの順(相順と逆順序)に、複数(36個)のスロット11に装着することもできる(比較形態)。図25A〜図25Eは、図21A〜図21Eにそれぞれ対応している。
比較形態の各極コイル31は、第三実施形態の比較形態の各極コイル31と比べて、フルコイル23fの数が一つ少なくなり、単位コイル間接続部31cの数が一つ少なくなる。しかしながら、一対のコイル引出部32f,32sと、極コイル31内の渡り線(単位コイル間接続部31c)との間の交差の有無は、第三実施形態の比較形態と同様になっている。また、両側占有ハーフコイル23h1の第一ハーフスロット部位11d内の一点を始点とし第二ハーフスロット部位11e内の一点を終点とするベクトル(第一ベクトル35a)と、単位コイル間接続部31cの第一渡り線端部34aを始点とし第二渡り線端部34bを終点とするベクトル(第二ベクトル35b)とのなす角φb1の関係は、第三実施形態の比較形態と同様の関係になっている。
このように、毎極毎相スロット数が1.5の場合も、相コイル33の好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と同様である。よって、本実施形態の三相同期機100は、第三実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。なお、毎極毎相スロット数が3.5以上の場合も、相コイル33の好適な配置は、毎極毎相スロット数が2.5の場合と同様であり、第三実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
<変形形態>
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、上述した実施形態では、8極60スロット構成または8極36スロット構成の三相同期機を例に説明したが、極数およびスロット数は、実施形態で示す極数およびスロット数に限定されるものではない。例えば、毎極毎相スロット数qの整数部aが1であり、分子部bが1であり、分母部cが2の場合の一例として、4極18スロット構成、6極27スロット構成が挙げられる。また、毎極毎相スロット数qの整数部aが2であり、分子部bが1であり、分母部cが2の場合の一例として、4極30スロット構成、6極45スロット構成が挙げられる。さらに、毎極毎相スロット数qの整数部aが3であり、分子部bが1であり、分母部cが2の場合の一例として、4極42スロット構成、6極63スロット構成、8極84スロット構成が挙げられる。また、分母部cは、2に限定されるものではない。つまり、毎極毎相スロット数qの整数部aおよび分子部bは、正の整数であれば良く、分母部cは、2以上の整数、かつ、3の倍数でない整数であれば良い。以下、毎極毎相スロット数qの分母部cが4および8の場合を例に説明するが、毎極毎相スロット数qの分母部cは、例えば、5、7などの奇数であっても良い。具体的には、毎極毎相スロット数qの整数部aが1であり、分子部bが1であり、分母部cが5の場合の一例として、10極36スロット構成が挙げられる。また、毎極毎相スロット数qの整数部aが1であり、分子部bが1であり、分母部cが7の場合の一例として、14極48スロット構成が挙げられる。
(毎極毎相スロット数qの分母部cが4の場合の変形形態)
例えば、8極30スロット構成の三相同期機100の場合、毎極毎相スロット数qは、1.25である。つまり、整数部aは1であり、分子部bは1であり、分母部cは4である。このとき、磁極周期数は、2(=8/4)であり、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、磁極周期数(2つ)の相単位コイル36を備える。磁極周期数(2つ)の相単位コイル36の各々は、毎極毎相スロット数q(=1.25)の分母部c(=4)と同じ数(4つ)の可動子磁極(二組の一対の可動子磁極61,62)に対して電磁気的に作用する。また、図26に示すように、各相単位コイル36は、複数(2つ)の極コイル31であると好適である。
各相単位コイル36の一方の極コイル31は、複数(2つ)の単位コイル20,20を備えており、当該二つの単位コイル20,20を第一単位コイル20a、第二単位コイル20bとする。第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、5スロットピッチ(5sp)に設定されており、第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、3スロットピッチ(3sp)に設定されている。第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bは、同心状に巻装されて、単位コイル間接続部31cによって直列接続されており、極コイル31が形成されている。
各相単位コイル36の他方の極コイル31は、一つの単位コイル20を備えており、当該単位コイル20を第三単位コイル20cとする。第三単位コイル20cの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、4スロットピッチ(4sp)に設定されている。第三単位コイル20cは、同心状に巻装されており、極コイル31が形成されている。なお、第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、フルコイル23fである。
各相単位コイル36の一方の極コイル31が、一対の可動子磁極61,62のうちの一方の極性の可動子磁極(同図では、N極の可動子磁極61)に対向するときに、各相単位コイル36の他方の極コイル31は、当該一対の可動子磁極61,62に隣接する一対の可動子磁極61,62のうちの同一極性の可動子磁極(同図では、N極の可動子磁極61)に対向する。このように、固定子コイル30に含まれる複数(三相の各相6個、合計18個)の単位コイル20は、複数組(本変形形態では、四組)の一対の可動子磁極61,62のうちの同一極性の可動子磁極(同図では、N極の可動子磁極61)に対向するように、一対の可動子磁極61,62に対向するスロット単位で集約されている。
複数(2つ)の極コイル31は、電気的に直列接続されており、相単位コイル36が構成されている。相単位コイル36は、巻始め側の極コイル31から巻終り側の極コイル31へ引き回す極コイル間接続部32cを介して連続して巻進められていると好適である。本変形形態では、相単位コイル36は、極コイル間接続部32cを介して連続して巻進められており、第一単位コイル20a、第二単位コイル20bおよび第三単位コイル20cは、この順に、直列接続されている。
また、各相単位コイル36は、第一コイル引出部32fと第二コイル引出部32sとからなる一対のコイル引出部32f,32sを備えていると好適である。第一コイル引出部32fは、相単位コイル36の一方の極コイル31を構成する一の単位コイル20(第一単位コイル20a)の一のコイルサイド21から引き出され、中性点3Nと接続される。当該コイルサイド21を第一コイルサイド21aとする。第二コイル引出部32sは、相単位コイル36の他方の極コイル31を構成する一の単位コイル20(第三単位コイル20c)の一のコイルサイド21から引き出され、相端子3TX(Xは、U、V、Wのうちのいずれか)と接続される。当該コイルサイド21を第二コイルサイド21bとする。なお、極コイル間接続部32cによって接続される相単位コイル36の一方の極コイル31側のコイルサイド21を第三コイルサイド21cとする。また、極コイル間接続部32cによって接続される相単位コイル36の他方の極コイル31側のコイルサイド21を第四コイルサイド21dとする。
三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、各一対のコイル引出部32f,32sを介して、磁極周期数(2つ)の極コイル31が電気的に並列接続される。また、磁極周期数(2つ)の相単位コイル36の各々は、一つのハーフコイル23hが、複数(2つ)のフルコイル23fに対して中性点3N側に設けられる。なお、各相単位コイル36は、複数(2つ)の極対コイル32であっても良い。この場合、各相単位コイル36は、一つのフルコイル23fと、複数(3つ)のハーフコイル23hとが電気的に直列接続される。複数(3つ)のハーフコイル23hは、一つのフルコイル23fに対して中性点3N側に設けられる。
(毎極毎相スロット数qの分母部cが4の場合の他の変形形態)
例えば、8極42スロット構成の三相同期機100の場合、毎極毎相スロット数qは、1.75である。つまり、整数部aは1であり、分子部bは3であり、分母部cは4である。このとき、磁極周期数は、2(=8/4)であり、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、磁極周期数(2つ)の相単位コイル36を備える。磁極周期数(2つ)の相単位コイル36の各々は、毎極毎相スロット数q(=1.75)の分母部c(=4)と同じ数(4つ)の可動子磁極(二組の一対の可動子磁極61,62)に対して電磁気的に作用する。また、図27に示すように、各相単位コイル36は、複数(2つ)の極コイル31であると好適である。
図27に示す変形形態は、図26に示す変形形態と比べて、各相単位コイル36の他方の極コイル31の単位コイル20の数が異なり、相単位コイル36を構成する単位コイル20のコイルピッチが異なる。図27に示すように、各相単位コイル36の一方の極コイル31は、図26に示す変形形態と同様に、第一単位コイル20aおよび第二単位コイル20bを備えている。但し、第一単位コイル20aの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、7スロットピッチ(7sp)に設定されており、第二単位コイル20bの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、5スロットピッチ(5sp)に設定されている。また、各相単位コイル36の他方の極コイル31は、複数(2つ)の単位コイル20,20を備えており、当該二つの単位コイル20,20を第三単位コイル20c、第四単位コイル20dとする。第三単位コイル20cの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、6スロットピッチ(6sp)に設定されており、第四単位コイル20dの一対のコイルサイド21,21間のコイルピッチは、4スロットピッチ(4sp)に設定されている。第三単位コイル20cおよび第四単位コイル20dは、同心状に巻装されて、単位コイル間接続部31cによって直列接続されており、極コイル31が形成されている。
第一単位コイル20aは、ハーフコイル23hであり、第二単位コイル20b、第三単位コイル20cおよび第四単位コイル20dは、フルコイル23fである。磁極周期数(2つ)の相単位コイル36の各々は、一つのハーフコイル23hが、複数(3つ)のフルコイル23fに対して中性点3N側に設けられる。なお、各相単位コイル36は、複数(2つ)の極対コイル32であっても良い。この場合、各相単位コイル36は、複数(2つ)のフルコイル23fと、複数(3つ)のハーフコイル23hとが電気的に直列接続される。複数(3つ)のハーフコイル23hは、複数(2つ)のフルコイル23fに対して、中性点3N側に設けられる。
(毎極毎相スロット数qの分母部cが8の場合の変形形態)
例えば、16極54スロット構成の三相同期機100の場合、毎極毎相スロット数qは、1.125である。つまり、整数部aは1であり、分子部bは1であり、分母部cは8である。このとき、磁極周期数は、2(=16/8)であり、三相の相コイル33(U相コイル33u,V相コイル33v,W相コイル33w)の各々は、磁極周期数(2つ)の相単位コイル36を備える。磁極周期数(2つ)の相単位コイル36の各々は、毎極毎相スロット数q(=1.125)の分母部c(=8)と同じ数(8つ)の可動子磁極(四組の一対の可動子磁極61,62)に対して電磁気的に作用する。この場合、各相単位コイル36は、複数(4つ)の極コイル31である。また、各相単位コイル36は、複数(2つ)のフルコイル23fと、複数(5つ)のハーフコイル23hとが電気的に直列接続されており、複数(5つ)のハーフコイル23hは、複数(2つ)のフルコイル23fに対して、中性点3N側に設けられる。
(各単位コイル20の巻進行方向)
各相単位コイル36を構成する複数の単位コイル20の各巻進行方向は、いずれも第二方向スロット開口部側(矢印Y2方向)にすることもできる。この場合、例えば、相コイル33(U相コイル33u、V相コイル33vおよびW相コイル33w)単位で、一つまたは複数の相単位コイル36を複数のスロット11に順次装着することができる。そのため、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いないで固定子コイル30の組み付け(例えば、直巻きなど)が可能であり、コイル挿入機3I(インサータ治具)を用いる場合と比べて、製造コストを低減することができる。特に、可動子70が固定子40の外方に設けられるアウター型の三相同期機に適用すると好適である。
(その他)
フルコイル23fおよびハーフコイル23hの配置は、適宜、変更することができ、一対のコイル引出部32f,32sの配置は、適宜、変更することができる。また、本発明は、固定子40および可動子70が同軸に配されるラジアル空隙型やアキシャル空隙型の円筒状回転電機に限定されるものではない。本発明は、固定子40および可動子70が直線上に配され、可動子70が固定子40に対して直線上に移動するリニア型電動機やリニア型発電機に適用することもできる。また、本発明は、種々の三相同期機に適用することができ、例えば、車両の駆動用電動機、発電機、家庭用または産業用の電動機、発電機などに用いることができる。
10:固定子鉄心、
11:スロット、
11a:スロット底部、11b:スロット開口部、
11d:第一ハーフスロット部位、11e:第二ハーフスロット部位、
20:単位コイル、
21,21:一対のコイルサイド、22,22:一対のコイルエンド、
23f:フルコイル、23h:ハーフコイル、23h1:両側占有ハーフコイル、
30:固定子コイル、
31:極コイル、31c:単位コイル間接続部、
31f:第一極コイル、31s:第二極コイル、32:極対コイル、
32c:極コイル間接続部、
32f:第一コイル引出部、32s:第二コイル引出部、
32f,32s:一対のコイル引出部、
33:相コイル、
34a:第一渡り線端部、34b:第二渡り線端部、
35a:第一ベクトル、35b:第二ベクトル、
36:相単位コイル、
40:固定子、
50:可動子鉄心、
61,62:一対の可動子磁極、
70:可動子、
100:三相同期機、
q:毎極毎相スロット数、a:整数部、b:分子部、c:分母部、
P:可動子磁極数。

Claims (12)

  1. 複数のスロットが形成されている固定子鉄心と、
    前記複数のスロットのうちの一対のスロット間で巻装されており前記一対のスロットに収容される一対のコイルサイドと前記一対のコイルサイドと一体に形成され前記一対のコイルサイドの同一側端部をそれぞれ接続する一対のコイルエンドとを有する単位コイルを複数含み、前記複数の単位コイルによってY結線された三相の相コイルが構成されている固定子コイルと、
    を備える固定子と、
    前記固定子に対して移動可能に支持されている可動子鉄心と、
    前記可動子鉄心に設けられている複数組の一対の可動子磁極と、
    を備える可動子と、
    を具備する三相同期機であって、
    前記固定子コイルに含まれる前記複数の単位コイルは、前記複数のスロットの占有状態に関して、一の前記単位コイルの前記一対のコイルサイドが前記一対のスロットに収容されたときに当該一対のコイルサイドが当該一対のスロットの全体を占有するフルコイルと、
    一の前記単位コイルの前記一対のコイルサイドが前記一対のスロットに収容されたときに当該一対のコイルサイドのうちの一方のコイルサイドが当該一対のスロットのうちの一方のスロットの半分を占有し当該一対のコイルサイドのうちの他方のコイルサイドが当該一対のスロットのうちの他方のスロットの半分を占有するハーフコイルと、
    の二種類の前記単位コイルを備え、
    毎極毎相スロット数を帯分数で表したときの整数部分を整数部、前記帯分数の真分数部分を既約分数で表したときの分子部分を分子部、分母部分を分母部(但し、前記整数部および前記分子部は、いずれも正の整数であり、前記分母部は、2以上の整数、かつ、3の倍数でない)とし、前記可動子の可動子磁極数を前記分母部で除した数を磁極周期数とするとき、
    前記三相の相コイルの各々は、一つまたは複数の前記フルコイルと、一つまたは複数の前記ハーフコイルとが電気的に直列接続されている前記毎極毎相スロット数の前記分母部と同じ数の可動子磁極に対して電磁気的に作用する相単位コイルを前記磁極周期数備え、
    前記磁極周期数の前記相単位コイルは、電気的に並列接続されており、前記磁極周期数の前記相単位コイルの各々は、前記一つまたは複数のハーフコイルが、前記一つまたは複数のフルコイルに対して中性点側に設けられている三相同期機。
  2. 前記固定子コイルに含まれる前記複数の単位コイルは、一つの前記単位コイルまたは前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが異なる複数の前記単位コイルを備え、前記一つまたは複数の単位コイルが同心状に巻装され電気的に直列接続されている第一極コイルと、
    一つの前記単位コイルまたは前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが異なる複数の前記単位コイルを備え、前記一つまたは複数の単位コイルが同心状に巻装され電気的に直列接続されており、前記第一極コイルが前記一対の可動子磁極のうちの一方の極性の可動子磁極に対向するときに当該一対の可動子磁極のうちの他方の極性の可動子磁極に対向する第二極コイルと、
    に、前記一対の可動子磁極に対向するスロット単位で振り分けられており、
    各前記相単位コイルは、前記固定子に対する前記可動子の移動方向である第一方向に隣接する前記第一極コイルおよび前記第二極コイルが電気的に直列接続されている一つまたは複数の極対コイルである請求項1に記載の三相同期機。
  3. 前記スロットの深さ方向を第二方向とし、前記第二方向のうちのスロット開口部側からスロット底部側に向かう方向を第二方向スロット底部側とするとき、
    各前記極対コイルを構成する前記複数の単位コイルの各巻進行方向は、いずれも前記第二方向スロット底部側である請求項2に記載の三相同期機。
  4. 前記毎極毎相スロット数の前記整数部は、2以上であり、かつ、前記毎極毎相スロット数の前記分母部は、2であり、
    各前記極対コイルは、前記第二極コイルに一つの前記ハーフコイルを備え、
    各前記極対コイルは、前記第一極コイルを構成する一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され相端子と接続される第一コイル引出部と、前記第二極コイルを構成する一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され中性点と接続される第二コイル引出部とからなる一対のコイル引出部を備え、
    前記三相の相コイルの各々は、各前記一対のコイル引出部を介して、前記磁極周期数の極対コイルが電気的に並列接続されており、
    前記第一方向のうちの前記第二コイル引出部側から前記第一コイル引出部側に向かう方向を第一方向第一コイル引出部側とするとき、
    前記第一コイル引出部は、前記第一極コイルを構成する前記一つまたは複数の単位コイルのうちの前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが最小の前記単位コイルの前記第一方向第一コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出され、
    前記第二コイル引出部は、前記第二極コイルを構成する前記複数の単位コイルのうちの前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが最小の前記単位コイルであって前記一つのハーフコイルの前記第一方向第一コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出されている請求項3に記載の三相同期機。
  5. 前記毎極毎相スロット数の前記整数部は、1であり、かつ、前記毎極毎相スロット数の前記分母部は、2であり、
    各前記極対コイルは、前記第一極コイルに一つの前記ハーフコイルを備え、
    各前記極対コイルは、前記第一極コイルを構成する一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され中性点と接続される第一コイル引出部と、前記第二極コイルを構成する一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され相端子と接続される第二コイル引出部とからなる一対のコイル引出部を備え、
    前記三相の相コイルの各々は、各前記一対のコイル引出部を介して、前記磁極周期数の極対コイルが電気的に並列接続されており、
    前記第一方向のうちの前記第二コイル引出部側から前記第一コイル引出部側に向かう方向を第一方向第一コイル引出部側とするとき、
    前記第一コイル引出部は、前記第一極コイルを構成する前記一つのハーフコイルの前記第一方向第一コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出され、
    前記第二コイル引出部は、前記第二極コイルを構成する一つの前記フルコイルの前記第一方向第一コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出されている請求項3に記載の三相同期機。
  6. 前記一つのハーフコイルの前記一対のコイルサイドのうちの一方のコイルサイドであって前記スロット底部側に配設される前記コイルサイドが占有するスロットの半分に相当する部位を第一ハーフスロット部位とし、当該一対のコイルサイドのうちの他方のコイルサイドであって前記スロット開口部側に配設される前記コイルサイドが占有するスロットの半分に相当する部位を第二ハーフスロット部位とし、前記第一ハーフスロット部位および前記第二ハーフスロット部位の両方を備える前記一つのハーフコイルを両側占有ハーフコイルとし、
    各前記極対コイルを構成する前記複数の単位コイル間をそれぞれ接続する各渡り線の一端側の端部であって前記スロット底部側に配設される端部を第一渡り線端部とし、当該渡り線の他端側の端部であって前記スロット開口部側に配設される端部を第二渡り線端部とするとき、
    前記両側占有ハーフコイルの前記第一ハーフスロット部位内の一点を始点とし前記第二ハーフスロット部位内の一点を終点とする第一ベクトルと、各前記渡り線の前記第一渡り線端部を始点とし前記第二渡り線端部を終点とする第二ベクトルとのなす角が、いずれも機械角90°より小さい鋭角である請求項4または請求項5に記載の三相同期機。
  7. 請求項6に記載の三相同期機の製造方法であって、
    前記第一方向のうちの前記第一コイル引出部側から前記第二コイル引出部側に向かう方向を第一方向第二コイル引出部側とし、前記三相の相コイルを前記第一方向第二コイル引出部側に順に位相が遅れるように相順に配設するときに、
    前記三相の相コイルのうちの一の前記相コイルを前記複数のスロットに装着する第一装着工程と、
    前記三相の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第一装着工程で装着された前記相コイルと比べて、電気角120°分、位相が進む前記相コイルを、前記第一装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記電気角120°分、前記第一方向第一コイル引出部側にずらして、前記複数のスロットに装着する第二進相装着工程と、
    前記三相の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第二進相装着工程で装着された前記相コイルと比べて、前記電気角120°分、位相が進む前記相コイルを、前記第二進相装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記電気角120°分、前記第一方向第一コイル引出部側にずらして、前記複数のスロットに装着する第三進相装着工程と、
    を備える三相同期機の製造方法。
  8. 前記固定子コイルに含まれる前記複数の単位コイルは、前記複数組の一対の可動子磁極のうちの同一極性の可動子磁極に対向するように、前記一対の可動子磁極に対向するスロット単位で集約されており、
    各前記相単位コイルは、前記一対の可動子磁極に対向するスロット単位で集約された前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが異なる複数の前記単位コイルが同心状に巻装され電気的に直列接続されている一つまたは複数の極コイルである請求項1に記載の三相同期機。
  9. 前記固定子に対する前記可動子の移動方向を第一方向とし、前記スロットの深さ方向を第二方向とし、前記第二方向のうちのスロット開口部側からスロット底部側に向かう方向を第二方向スロット底部側とするとき、
    各前記極コイルを構成する前記複数の単位コイルの各巻進行方向は、いずれも前記第二方向スロット底部側である請求項8に記載の三相同期機。
  10. 前記毎極毎相スロット数の前記分母部は、2であり、
    各前記極コイルは、一つの前記ハーフコイルを備え、
    各前記極コイルは、一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され相端子と接続される第一コイル引出部と、一の前記単位コイルの一の前記コイルサイドから引き出され中性点と接続される第二コイル引出部とからなる一対のコイル引出部を備え、
    前記三相の相コイルの各々は、各前記一対のコイル引出部を介して、前記磁極周期数の極コイルが電気的に並列接続されており、
    前記第一方向のうちの前記第二コイル引出部側から前記第一コイル引出部側に向かう方向を第一方向第一コイル引出部側とし、前記第一方向のうちの前記第一コイル引出部側から前記第二コイル引出部側に向かう方向を第一方向第二コイル引出部側とするとき、
    前記第一コイル引出部は、前記極コイルを構成する前記複数の単位コイルのうちの前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが最大の前記単位コイルの前記第一方向第一コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出され、
    前記第二コイル引出部は、前記極コイルを構成する前記複数の単位コイルのうちの前記一対のコイルサイド間のコイルピッチが最小の前記単位コイルであって前記一つのハーフコイルの前記第一方向第二コイル引出部側の前記コイルサイドから引き出されている請求項9に記載の三相同期機。
  11. 前記一つのハーフコイルの前記一対のコイルサイドのうちの一方のコイルサイドであって前記スロット底部側に配設される前記コイルサイドが占有するスロットの半分に相当する部位を第一ハーフスロット部位とし、当該一対のコイルサイドのうちの他方のコイルサイドであって前記スロット開口部側に配設される前記コイルサイドが占有するスロットの半分に相当する部位を第二ハーフスロット部位とし、前記第一ハーフスロット部位および前記第二ハーフスロット部位の両方を備える前記一つのハーフコイルを両側占有ハーフコイルとし、
    各前記極コイルを構成する前記複数の単位コイル間をそれぞれ接続する各渡り線の一端側の端部であって前記スロット底部側に配設される端部を第一渡り線端部とし、当該渡り線の他端側の端部であって前記スロット開口部側に配設される端部を第二渡り線端部とするとき、
    前記両側占有ハーフコイルの前記第一ハーフスロット部位内の一点を始点とし前記第二ハーフスロット部位内の一点を終点とする第一ベクトルと、各前記渡り線の前記第一渡り線端部を始点とし前記第二渡り線端部を終点とする第二ベクトルとのなす角が、いずれも機械角90°より小さい鋭角である請求項10に記載の三相同期機。
  12. 請求項11に記載の三相同期機の製造方法であって、
    前記三相の相コイルを前記第一方向第二コイル引出部側に順に位相が遅れるように相順に配設するときに、
    前記三相の相コイルのうちの一の前記相コイルを前記複数のスロットに装着する第一装着工程と、
    前記三相の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第一装着工程で装着された前記相コイルと比べて、電気角120°分、位相が遅れる前記相コイルを、前記第一装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記電気角120°分、前記第一方向第二コイル引出部側にずらして、前記複数のスロットに装着する第二遅相装着工程と、
    前記三相の相コイルのうちの残りの一の前記相コイルであって前記第二遅相装着工程で装着された前記相コイルと比べて、前記電気角120°分、位相が遅れる前記相コイルを、前記第二遅相装着工程で装着された前記相コイルに対して、前記電気角120°分、前記第一方向第二コイル引出部側にずらして、前記複数のスロットに装着する第三遅相装着工程と、
    を備える三相同期機の製造方法。
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