JP2017117506A - 磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存記録情報の消去又は劣化を抑制し、信頼性の向上した磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、磁気記録ヘッドは、空気支持面と、空気支持面に露出する先端部を有し、記録磁界を発生する主磁極60と、ライトギャップを挟んで前記主磁極の先端部に対向するライトシールド62と、主磁極のトラック幅方向の両側に配置された一対のサイドシールド74と、サイドシールドと主磁極が対向する面の間で、一対のサイドシールドのトラック幅全体に亘って設けられ、空気支持面の面方向に沿った電流が流れる配線80と、を備えている。【選択図】図4

Description

ここで述べる実施形態は、ディスク装置に用いる磁気記録ヘッド、およびこの磁気記録ヘッドを備えたディスク装置に関する。
ディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報のリード/ライトを行う磁気ヘッドと、を備えている。磁気ヘッドは、ライト用の記録ヘッドとリード用のリードヘッドとを含んでいる。
近年、磁気ディスク装置の高記録密度化、大容量化あるいは小型化を図るため、垂直磁気記録用の磁気ヘッドが提案されている。このような磁気ヘッドにおいて、記録ヘッドは、磁気ディスクの記録面に対して垂直方向の磁界を発生する主磁極と、主磁極にライトギャップを挟んで対向配置されたライトシールド磁極と、を有している。更に、主磁極からの戻り磁界による記録データの劣化を低減するため、主磁極の幅方向の両側にサイドシールドを設けた記録ヘッドが提案されている。
特開2009−48719号公報 米国特許第8432639号明細書
このようなサイドシールドを有する記録ヘッドは、主磁極からトラック幅方向への磁界漏れを抑制し、イレーズ幅の増大防止が期待される。しかし、主磁極と、磁気ディスクの記録層と、サイドシールドと、に流れる磁束により、サイドシールド内の一部の磁化が記録層に対して垂直方向に向くことがある。そのため、同一トラック上に記録動作を繰り返し行う際に、数十トラックに渡る幅をもつサイドシールド直下から発生する磁界により、この数十トラックに渡る広い領域において既記録情報が消去または劣化する場合がある。
この発明が解決しようとする課題は、既存記録情報の消去又は劣化を抑制し、信頼性をより向上した磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、磁気記録ヘッドは、空気支持面と、前記空気支持面に露出する先端部を有し、記録磁界を発生する主磁極と、ライトギャップを挟んで前記主磁極の先端部に対向するライトシールドと、前記主磁極のトラック幅方向の両側に配置された一対のサイドシールドと、前記サイドシールドと主磁極が対向する面の間で、前記一対のサイドシールドのトラック幅全体に亘って設けられ、前記空気支持面の面方向に沿った電流が流れる配線と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(以下、HDD)を示す斜視図。 図2は、前記HDDにおける磁気ヘッドおよびサスペンションを示す側面図。 図3は、前記磁気ヘッドのヘッド部および磁気ディスクを拡大して示す断面図。 図4は、前記磁気ヘッドの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図5は、前記記録ヘッドの空気支持面(ABS)側端部をスライダのリーディング端側から見た側面図。 図6は、前記記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。 図7は、比較例に係る記録ヘッド(代表的なサイドシールド付きの記録ヘッド)および本実施形態に係る記録ヘッドについて、トラック幅方向の磁界強度分布を比較して示す図。 図8は、比較例に係る記録ヘッドと本実施形態に係る記録ヘッドとを用いたイレーズ試験結果を比較して示す図。 図9は、第2の実施形態に係るHDDの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図10は、第2の実施形態に係る記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。
以下図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、第1の実施形態に係るHDDのトップカバーを取り外した内部構造を示し、図2は、浮上状態の磁気ヘッド33を示している。図1に示すように、HDDは筐体10を備えている。この筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース10aと、ベース10aの上面に対応した図示しない矩形板状のトップカバーとを備えている。筐体10内部は気密に保持され、例えば呼吸フィルター26を通してのみ、外部と通気可能となっている。
ベース10a上には、記録媒体としての磁気ディスク12および機構部が設けられている。機構部は、磁気ディスク12を支持および回転させるスピンドルモータ13、磁気ディスク12に対して情報の記録、再生を行なう複数、例えば、2つの磁気ヘッド33、これらの磁気ヘッド33を磁気ディスク12の表面に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリ14、このキャリッジアッセンブリ14を回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)16を備えている。また、ベース10a上には、磁気ヘッド33が磁気ディスク12の最外周に移動した際、磁気ヘッド33を磁気ディスク12から離間した位置に保持するランプロード機構18、HDDに衝撃等が作用した際、キャリッジアッセンブリ14を退避位置に保持するラッチ機構20、および変換コネクタ37等の電子部品が実装された基板ユニット17が設けられている。
ベース10aの外面には、制御回路基板25がねじ止めされ、ベース10aの底壁と対向して位置している。制御回路基板25は、スピンドルモータ13の動作を制御するとともに、基板ユニット17を介してVCM16、および磁気ヘッド33の動作を制御する。
図1に示すように、磁気ディスク12は、スピンドルモータ13のハブに互いに同軸的に嵌合されているとともにハブの上端にねじ止めされたクランプばね15によりクランプされ、ハブに固定されている。磁気ディスク12は、駆動モータとしてのスピンドルモータ13により所定の速度で矢印B方向に回転される。
キャリッジアッセンブリ14は、ベース10aの底壁上に固定された軸受部21と、軸受部21から延出した複数のアーム27と、アーム27から延出する板状の複数のサスペンション30と、を備えている。各サスペンション30の延出端に磁気ヘッド33が支持されている。アーム27およびサスペンション30によりサスペンションアッセンブリを構成し、このサスペンションアッセンブリと磁気ヘッド33とによりヘッドサスペンションアッセンブリが構成される。
図2に示すように、各磁気ヘッド33は、ほぼ直方体形状のスライダ42と、このスライダ42の流出端(トレーリング端)に設けられたリード/ライト用のヘッド部44と、を有している。磁気ヘッド33は、サスペンション30の先端部に設けられたジンバルばね41に固定されている。磁気ヘッド33は、サスペンション30およびアーム27上に固定された配線部材35を介して、基板ユニット17から延出する中継FPC38に電気的に接続されている。
磁気ディスク12が回転した状態でVCM16のボイスコイルに通電することにより、キャリッジアッセンブリ14が回動し、磁気ヘッド33は磁気ディスク12の所望のトラック上に移動および位置決めされる。この際、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の径方向に沿って、磁気ディスク12の内周縁部と外周縁部との間を移動される。
次に、磁気ディスク12および磁気ヘッド33の構成について詳細に説明する。図3は、磁気ヘッド33のヘッド部44および磁気ディスク12を拡大して示す断面図である。
図1ないし図3に示すように、磁気ディスク12は、例えば、直径65mm(2.5インチ)の円盤状に形成された非磁性体からなる基板101を有している。基板101の両表面には、下地層として軟磁気特性を示す材料からなる軟磁性層102と、その上層部に、磁気ディスク12の表面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層103と、その上層部に保護膜層104が順に積層されている。
図2および図3に示すように、磁気ヘッド33は浮上型のヘッドとして構成され、ほぼ直方体状に形成されたスライダ42と、スライダ42の流出端側の端部(トレーリング端)42bに形成されたヘッド部44とを有している。スライダ42は、例えば、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(アルチック)で形成され、ヘッド部44は薄膜を積層することにより形成されている。
スライダ42は、磁気ディスク12の表面に対向する矩形状の空気支持面(ABS)43を有している。スライダ42は、磁気ディスク12の回転によって磁気ディスク12の表面とABS43との間に生じる空気流Cにより浮上する。空気流Cの方向は、磁気ディスク12の回転方向Bと一致している。スライダ42は、磁気ディスク12の表面に対し、ABS43の長手方向が空気流Cの方向とほぼ一致するように配置されている。
スライダ42は、空気流Cの流入側に位置するリーディング端42aおよび空気流Cの流出側に位置するトレーリング端42bを有している。スライダ42のABS43には、図示しないリーディングステップ、トレーリングステップ、サイドステップ、負圧キャビティ等が形成されている。
図3に示すように、ヘッド部44は、スライダ42のトレーリング端42bに薄膜プロセスで形成されたリードヘッド54および記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58を有し、分離型のヘッドとして形成されている。リードヘッド54および記録ヘッド58は、スライダ42のABS43に露出する部分を除いて、非磁性の保護絶縁膜81により覆われている。保護絶縁膜81は、ヘッド部44の外形を構成している。
リードヘッド54は、磁気抵抗効果を示す磁性膜55と、この磁性膜のトレーリング側およびリーディング側に磁性膜55を挟むように配置されたシールド膜56、57と、で構成されている。これら磁性膜55、シールド膜56、57の下端は、スライダ42のABS43に露出している。
記録ヘッド58は、リードヘッド54に対して、スライダ42のトレーリング端42b側に設けられている。図4は、記録ヘッドおよび磁気ディスクを模式的に示す斜視図、図5は、記録ヘッドのABS側端部をスライダのリーディング端側から見た側面図、図6は、記録ヘッド部分をABS側から見た平面図である。
図3および図4に示すように、記録ヘッド58は、磁気ディスク12の表面に対して(記録層103に対して)垂直方向の記録磁界を発生させる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側(ヘッド走行方向Dと反対側)にABS43上でライトギャップWG(第1ギャップ)を置いて配置されたライトシールド磁極(トレーリングシールド)62と、主磁極60の上部をライトシールド磁極62に物理的に接合する接合部67と、主磁極60およびライトシールド磁極62を含む磁気コアに巻きつくように配置された記録コイル70と、を有している。主磁極60は、高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材料から形成され、その先端はABS43に露出している。ライトシールド磁極62は、軟磁性材料で形成され、主磁極60直下の磁気ディスク12の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられている。
記録コイル70は、例えば、主磁極60とライトシールド磁極62との間で、接合部67の回りに巻付けられている。図示しないライトアンプから記録コイル70に供給する電流は、HDDの制御回路基板(制御部)25によって制御される。磁気ディスク12に信号を書き込む際、ライトアンプから記録コイル70に所定の電流が供給され、主磁極60に磁束を流し磁界を発生させる。
図3ないし図6に示すように、主磁極60は、ABS43に対してほぼ垂直に延びている。主磁極60のABS43側の先端部60aは、ABS43および磁気ディスク12の表面に向かって先細に絞り込まれ、他の部分に対して幅の狭い柱状に形成されている。主磁極60の先端面は、スライダ42のABS43に露出している。主磁極60の先端部60aの幅(トラック幅方向TWに沿った幅)W1は、磁気ディスク12におけるトラックの幅にほぼ対応している。
ライトシールド磁極62は、ほぼL字形状に形成され、その先端部62aは、細長い矩形状に形成されている。ライトシールド磁極62の先端面は、スライダ42のABS43に露出している。ライトシールド磁極62の先端部62aは、主磁極60の先端部60aに対向するリーディング側端面(磁極端面)62bを有している。このリーディング側端面62bは、主磁極60の先端部60aの幅W1、および、磁気ディスク12のトラック幅、よりも充分に長く、磁気ディスク12のトラックの幅方向TWに沿って延びている。リーディング側端面62bは、ABS43に対してほぼ垂直に延びている。ABS43において、リーディング側端面62bの下端縁は、主磁極60のトレーリング側端面とライトギャップWGを置いて平行に対向している。
図3ないし図6に示すように、記録ヘッド58は、更に、主磁極60のトラック幅方向両側に主磁極60とABS43上では磁気的に分断されて配置された軟磁性材料からなる一対のサイドシールド74と、サイドシールド74と主磁極60とが対向する面の間で、かつサイドシールド74のトラック幅全体に亘って設けられ電流磁界を発生させる配線80と、を有している。
一対のサイドシールド74は、高透磁率材料により、ライトシールド磁極62の先端部62aと一体に形成され、先端部62aのリーディング側端面62bからスライダ42のリーディング端側に向かって突出している。各サイドシールド74は、ライトシールド磁極62のリーディング側端面62bから、主磁極60のリーディング側端面60cを越える幅あるいは厚さに形成されている。
各サイドシールド74は、ABS43に露出するほぼ矩形状の底面(第1面)76aと、ABS43から高さ方向奥側(ABSから離れる方向)に離間し底面76aとほぼ平行に対向する上面(第2面)76bと、を有している。底面76aの主磁極側の端は、主磁極60とギャップを置いて対向している。
図3ないし図6に示すように、配線80は、サイドシールド74と主磁極60との間で、サイドシールド74の上面76bに対向して設けられ、更に、サイドシールド74のトラック幅全体に延在している。すなわち、配線80は、配線80とABS43との間にサイドシールド74が介在するように配置されている。配線80は、サイドシールド74の上面76bおよびABS43とほぼ平行に配置され、かつ、サイドシールド74の上面76bから高さ方向(ABS43に垂直な方向)に距離L(例えば、100nm)だけ離間している。
本実施形態において、配線80の中央部は、ライトシールド磁極62側に折れ曲がり、主磁極60の先端部60aを跨いで延びている。配線80の長手方向の両端部は、配線83および前述した配線部材35を介して、HDDの電流供給部(電源部)82に電気的に接続されている。配線80は、例えば、銅、アルミニウム等の導電材料で形成され、また、配線80の太さ、距離L、通電電流量は、配線80から発生する電流磁界の大きさ、および、サイドシールド74に作用する電流磁界の大きさ、に応じて適宜設定されている。
図3および図4に示すように、電流供給部84から配線80にDC電流あるいはAC電流を通電すると、配線80を通ってABS43とほぼ平行に電流が流れ、配線80から配線80を中心とする電流磁界が発生する。この電流磁界は、サイドシールド74に対して、ABS43の面方向に作用する。これにより、各サイドシールド74の磁化の向きは、ABS43と平行な面内方向となり、すなわち、磁気ディスク12の記録層とほぼ平行な面内方向となり、サイドシールド74からABS43に垂直な方向の漏れ磁界の発生を抑制することができる。
なお、配線80への通電は、常時、連続的に通電しても良く、あるいは、情報記録動作時に、記録コイル70への通電に同期して配線80に通電するようにしても良い。また、配線80は、ABS43と完全に平行な場合に限らず、ABS43に対して僅かに傾斜していてもよい。
図7は、比較例に係る記録ヘッド(代表的なサイドシールド付きの記録ヘッド)および本実施形態に係る配線を有する記録ヘッドについて、トラック幅方向の磁界強度分布を比較して示す図である。すなわち、図7は、比較例に係る記録ヘッドを用いた場合の記録磁界分布のオフトラック方向プロファイルと、本実施形態に係る記録ヘッドを用い、配線80の距離Lを100nmとした場合の記録磁界分布のオフトラック方向プロファイルとを比較した図である。
図7において、トラック幅方向位置=0の位置は、記録ヘッドの主磁極60のトラック幅方向中心位置(トラックセンター)である。破線で示される特性線は、比較例に係る記録ヘッドの直下から発生するヘッド磁界分布であり、トラックセンターから片側オフトラック方向の各点での最大磁界をプロットしたものである。実線で示される特性線は、本実施形態に係る記録ヘッドの直下から発生するヘッド磁界分布であり、トラックセンターから片側オフトラック方向の各点での最大磁界をプロットしたものである。
実線の特性線で示すように、本実施形態に係る記録ヘッドは、比較例に係る記録ヘッドに比べて、主磁極60直下のトラックセンターでの磁界強度を維持しつつ、オフトラック方向に2μmの位置まで、もれ磁界が抑制されていることがわかる。オフトラック方向のもれ磁界が、記録媒体の記録層の核生成磁界(Hn)よりも大きい値の場合、記録層の磁化は劣化する。例えば、Hn=0.3Tの記録媒体を用いた場合、比較例の記録ヘッドでは、トラック幅方向に2μmの範囲で磁界強度がHn=0.3Tよりも高いため、この2μmの範囲で既記録信号が劣化することが解る。これに対して、本実施形態に係る記録ヘッドでは、トラック幅方向の0.5〜2μmの範囲でもれ磁界がHn以下であるため、既記録信号の劣化は起こらない。これにより、例えば、トラック幅50(nm)で記録するHDDを用いた場合には、40トラック分の信号劣化を抑制させることができることが分かる。
図8は、比較例に係る記録ヘッドと本実施形態に係る記録ヘッドとを用いたイレーズ試験結果を比較して示す図である。なお、磁気ディスクの記録層の磁気特性である核生成磁界Hnは、0.3Tである。
図8では、トラック幅方向位置=0(μm)の位置を記録ヘッドの主磁極60のトラック幅方向中心位置(トラックセンター)としている。トラック幅方向位置=0(μm)において、ある周波数で記録パターン1を書き込んだ後に再生を行った場合の信号出力a1と、トラック幅方向位置=+2(μm)の位置において、記録パターン1と異なる周波数で10000回書き込んだ後、再び記録パターン1の再生を行った際の、信号出力a2を測定した結果を、比較例に係る記録ヘッドと、本実施形態に係る記録ヘッドとについてそれぞれ示している。ここで、記録パターン1を書き込んだ直後の再生信号出力を1として規格化している。
図8に示すように、比較例に係る記録ヘッドでは、サイドシールド直下の磁界により、記録パターン1の信号出力は劣化していることが解る。これに対して、本実施形態に係る記録ヘッドでは、サイドシールド74直下の磁界が記録層の核生成磁界Hnよりも十分に抑制されているため、記録パターン1の信号品質が劣化していないことが解る。
以上のように構成された本実施形態に係る磁気記録ヘッドおよび磁気ディスク装置によれば、主磁極とサイドシールドが対向する面の間に配線を備えることで、配線から発生する電流磁界によりサイドシールドの磁化の向きは記録媒体の記録層(ヘッドのABS)に対して面内方向に確立される。そのため、サイドシールドから記録層に漏れる漏れ磁界を低減し、既記録情報を消去または劣化させる磁界の発生を抑制することが可能となる。これにより、磁気ディスクのオントラック信号品質を維持したまま、磁気ディスク上の数十トラックに渡る広い隣接トラック領域における既記録情報を消去または劣化を抑えることができ、長期データ保存が可能で信頼性の向上した磁気記録ヘッドおよび磁気ディスク装置を提供することができる。
次に、他の実施形態に係るHDDの記録ヘッドについて説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係るHDDの記録ヘッドを模式的に示す斜視図、図10は、第2の実施形態に係る記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図である。
第2の実施形態によれば、配線80は、一方のサイドシールド74上に配置された第1配線80aと、他方のサイドシールド74上に配置された第2配線80bと、の独立した2本の配線で構成されている。
配線80aは、一方のサイドシールド74と主磁極60との間で、サイドシールド74の上面に対向して設けられ、更に、サイドシールド74のトラック幅全体に延在している。すなわち、配線80aは、この配線80aとABS43との間に一方のサイドシールド74が介在するように配置されている。配線80aは、一方のサイドシールド74の上面およびABS43とほぼ平行に配置され、かつ、サイドシールド74の上面から高さ方向(ABS43に垂直な方向)に距離L(例えば、100nm)だけ離間している。第1配線80aの長手方向両端は、配線83aおよび前述した配線部材を介して、電流供給部84に電気的に接続されている。
配線80bは、他方のサイドシールド74と主磁極60との間で、サイドシールド74の上面に対向して設けられ、更に、他方のサイドシールド74のトラック幅全体に延在している。すなわち、配線80bは、配線80bとABS43との間に他方のサイドシールド74が介在するように配置されている。配線80bは、他方のサイドシールド74の上面およびABS43とほぼ平行に配置され、かつ、サイドシールド74の上面から高さ方向(ABS43に垂直な方向)に距離L(例えば、100nm)だけ離間している。第2配線80bの長手方向両端は、配線83bおよび前述した配線部材を介して、電流供給部84に電気的に接続されている。
電流供給部84から配線80a、80bにDC電流あるいはAC電流を通電すると、配線80a、80bを通ってABS43とほぼ平行に電流が流れ、配線80a、80bからこれらの配線を中心とする電流磁界が発生する。この電流磁界は、サイドシールド74に対して、ABS43の面方向に作用する。これにより、各サイドシールド74の磁化の向きは、ABS43と平行な面内方向となり、すなわち、磁気ディスク12の記録層とほぼ平行な面内方向となり、サイドシールド74からABS43に垂直な方向の漏れ磁界の発生を抑制することができる。
なお、配線80a、80bへの通電は、常時、連続的に通電しても良く、あるいは、情報記録動作時に、記録コイル70への通電に同期して配線80a、80bに通電するようにしても良い。また、配線80a、80bは、ABS43と完全に平行な場合に限らず、ABS43に対して僅かに傾斜していてもよい。
以上のように構成された第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、第2の実施形態によれば、磁気ディスクのオントラック信号品質を維持したまま、磁気ディスク上の数十トラックに渡る広い隣接トラック領域における既記録情報を消去または劣化を抑えることができ、長期データ保存が可能で信頼性の向上した磁気記録ヘッドおよび磁気ディスク装置を提供することができる。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、ヘッド部を構成する要素の材料、形状、大きさ等は、必要に応じて変更可能である。また、磁気ディスク装置において、磁気ディスクおよび磁気記録ヘッドの数は、必要に応じて増加可能であり、磁気ディスクのサイズも種々選択可能である。
10…筺体、10a…ベース、12…磁気ディスク、13…スピンドルモータ、
14…キャリッジアッセンブリ、25…制御回路基板、42…スライダ、
43…空気支持面(ABS)、44…ヘッド部、54…リードヘッド、
58…記録ヘッド、60…主磁極、62…ライトシールド磁極、70…記録コイル、
74…サイドシールド、76a…底面、76b…上面、80…配線、
80a…第1配線、80b…第2配線、84…電流供給部

Claims (8)

  1. 空気支持面と、
    前記空気支持面に露出する先端部を有し、記録磁界を発生する主磁極と、
    ライトギャップを挟んで前記主磁極の先端部に対向するライトシールドと、
    前記主磁極のトラック幅方向の両側に配置された一対のサイドシールドと、
    前記サイドシールドと主磁極が対向する面の間で、前記一対のサイドシールドのトラック幅全体に亘って設けられ、前記空気支持面の面方向に沿った電流が流れる配線と、
    を備える磁気記録ヘッド。
  2. 前記サイドシールドの各々は、前記空気支持面に露出する底面と、前記空気支持面からから高さ方向に離間し前記底面と対向する上面と、を有し、前記配線は、所定距離を置いて、前記サイドシールドの上面に対向して配置されている請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  3. 前記配線は、一方のサイドシールドの上面に隙間を置いて対向配置され、前記一方のサイドシールドのトラック幅方向の全長に亘って延びた第1配線と、他方のサイドシールドの上面に隙間を置いて対向配置され、前記他方のサイドシールドのトラック幅方向の全長に亘って延びた第2配線と、の独立した2本の配線で構成されている請求項1又は2に記載の磁気記録ヘッド。
  4. 前記主磁極に磁束を流すために前記主磁極およびライトシールドを有する磁気コアに巻き付くように配置され、前記主磁極に磁束を流すための記録コイルを更に備えている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  5. 前記配線の太さ、前記サイドシールドと前記配線と間の距離、および前記配線に流す電流量は、通電により前記配線から発生し前記サイドシールドに面方向に作用する電流磁界の大きさに応じて設定されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  6. 媒体面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を有するディスク状の記録媒体と、
    前記記録媒体に対して情報のライトを行う請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッドと、
    前記磁気記録ヘッドの前記配線に直流電流あるいは交流電流を流す電流供給部と、
    を備えるディスク装置。
  7. 前記電流供給部は、前記磁気記録ヘッドの記録コイルとは独立して前記配線に電流を供給するように構成されている請求項6に記載のディスク装置。
  8. 前記電流供給部は、前記磁気記録ヘッドの記録コイルへの通電と同期して前記配線に電流を供給するように構成されている請求項6に記載のディスク装置。
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