JP2017116065A - 動力伝達用歯車及びその製造方法 - Google Patents

動力伝達用歯車及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】動力伝達用歯車の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる動力伝達用歯車を提供する。
【解決手段】ハウジング内に潤滑油と共に収納され、外周部22に歯底円から外周側に突出する歯部21が設けられた動力伝達用歯車20は、内部に歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部51が周方向に等間隔で配置されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、動力伝達用歯車及びその製造方法に関する。
自動車等の車両では、騒音や振動などのNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)性能を向上させることが求められており、各種パネルやフレーム等の車体構成部材について騒音を低減することに加えて、駆動源から駆動輪に至る動力伝達経路を構成する変速機やディファレンシャル装置に設けられた動力伝達用歯車についても噛み合いによる騒音を低減することが求められている。
また、エンジンを駆動源とする車両ではエンジンの燃費性能を向上させるために、モータを駆動源とする車両ではモータの電力消費量を低減するために、車体構成部材を軽量化することに加えて、駆動源から駆動輪に至る動力伝達経路を構成する変速機やディファレンシャル装置に設けられた動力伝達用歯車についても軽量化することが求められている。
動力伝達用歯車の騒音低減及び軽量化を図るものとして、例えば特許文献1には、回転軸に嵌合されるハブ部と、ハブ部から半径方向外側に向かって延びるディスク部と、ディスク部の外周端に設けられて外周面に歯部が形成されたリム部とを有する動力伝達用歯車において、ディスク部が、回転軸の周方向に延びると共に軸方向に貫通する複数の貫通孔と、該複数の貫通孔間に位置する連結部とを有するものが開示されている。
前記動力伝達用歯車は、ディスク部に周方向に延びる複数の貫通孔を設けることで、ディスク部の軸心周りの剛性を低下させて歯車の噛み合い時に複数の貫通孔間に位置する連結部を弾性変形させることにより噛み合いによる騒音を低減することができると共に軽量化を図ることができるとされている。
特開2005−69401号公報
しかしながら、ハウジング内に貯留した潤滑油を掻き揚げて歯車の噛み合い部などの要潤滑部に供給するディファレンシャル装置のデフリングギヤなど、ハウジング内に潤滑油と共に収納される動力伝達用歯車において、前記特許文献1に記載される動力伝達用歯車のように軸方向に貫通する貫通孔が設けられる場合、動力伝達用歯車が回転するときに動力伝達用歯車の回転抵抗が増加するおそれがあり、このことは燃費性能の悪化を引き起こし得る。
そこで、本発明は、動力伝達用歯車の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる動力伝達用歯車及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、ハウジング内に潤滑油と共に収納され、外周部に歯底円から外周側に突出する歯部が設けられた動力伝達用歯車であって、内部に前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記動力伝達用歯車は、前記外周部と、ディファレンシャル機構を収納するデフケースのシェル部と連絡された内周部とを有し、前記複数の空洞部は、前記外周部の内部における前記歯底円の内周側に設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記動力伝達用歯車は、デフケースと結合されたデフリングギヤであり、前記外周部と、ディファレンシャル機構を収納する前記デフケースのシェル部と連絡された内周部と、前記外周部と前記内周部とを軸方向の両側でそれぞれ連結する両側の側面部とを有し、前記デフリングギヤの内部に、周方向に所定幅を有して前記外周部と前記内周部とを連結すると共に前記両側の側面部を連結する連結部が周方向に複数設けられ、前記外周部の内部における前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有して周方向に等間隔で配置される複数の第1空洞部が設けられ、前記外周部より径方向内側で前記デフリングギヤの内部に、前記外周部、前記内周部、前記側面部及び前記連結部によって区画される第2空洞部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記デフリングギヤの前記側面部に、前記デフケースに設けられた複数の補強リブが結合され、前記連結部は、前記デフリングギヤの前記側面部における前記補強リブが結合された部分に対応して前記側面部に連結されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記第2空洞部は、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部として用いられ、前記デフリングギヤに、前記第2空洞部に連通して前記第2空洞部に貯留された潤滑油を前記デフリングギヤの外周面から放出する潤滑油放出孔部が設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項6に記載の発明は、ハウジング内に潤滑油と共に収納され、外周部に歯底円から外周側に突出する歯部が設けられた動力伝達用歯車の製造方法であって、内部に前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されるように、前記動力伝達用歯車を三次元積層造形法によって形成することを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、ハウジング内に潤滑油と共に収納される動力伝達用歯車は、内部に歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されている。これにより、動力伝達用歯車の周方向に空洞部が設けられた低剛性部と空洞部が設けられていない高剛性部とを形成して空洞部が形成されていない動力伝達用歯車のコンプライアンスの所定周波数におけるピークを低剛性部による低周波数側のピークと高剛性部による高周波数側のピークとに分散させて裾野を広くさせ、相手歯車のコンプライアンスとの関係で噛み合いによる騒音を低減することができる。なお、コンプライアンスとは、相互に噛み合う各歯車の歯当たり方向の変位量をいう。
動力伝達用歯車の周方向に配置される空洞部の大きさを適宜設定することによって、動力伝達用歯車のコンプライアンスのピークを低周波数側のピークと高周波数側のピークとに適宜調整して分散させて裾野を広くさせることができ、噛み合いによる騒音を有効に低減することができる。
また、動力伝達用歯車の内部に複数の空洞部が設けられることにより、空洞部によって軽量化を図ることができると共に、動力伝達用歯車がハウジング内に潤滑油と共に収納される場合に動力伝達用歯車の回転抵抗を増加させることがない。したがって、動力伝達用歯車の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、動力伝達用歯車は、歯部が設けられた外周部と、ディファレンシャル機構を収納するデフケースのシェル部と連絡された内周部とを有し、複数の空洞部は、外周部の内部における歯底円の内周側に設けられることにより、動力伝達用歯車の噛み合いによる騒音を有効に低減することができ、前記効果を有効に奏することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、動力伝達用歯車は、デフリングギヤであり、外周部と、デフケースのシェル部と連絡された内周部と、外周部と内周部とを軸方向の両側でそれぞれ連結する両側の側面部とを有し、デフリングギヤの内部に、外周部と内周部とを連結すると共に両側の側面部を連結する連結部が周方向に複数設けられる。
そして、外周部の内部における歯底円の内周側に周方向に同一長さを有して周方向に等間隔で配置される複数の第1空洞部が設けられ、外周部の径方向内側でデフリングギヤの内部に、外周部、内周部、側面部及び連結部によって区画される第2空洞部が設けられる。
デフリングギヤの外周部の内部に複数の第1空洞部が設けられることにより、デフリングギヤがハウジング内に潤滑油と共に収納される場合にデフリングギヤの回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる。
また、デフリングギヤの内部に設けられた連結部によってデフリングギヤの強度及び剛性を確保しつつ、デフリングギヤの内部に設けられた外周部、内周部、側面部及び連結部によって区画される第2空洞部によって軽量化を図ることができる。デフリングギヤの内部に第2空洞部が設けられることにより、デフリングギヤがハウジング内に潤滑油と共に収納される場合にデフリングギヤの回転抵抗を増加させることなくデフリングギヤの強度及び剛性を確保しつつ軽量化を更に図ることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、デフリングギヤの側面部に、デフケースに設けられた複数の補強リブが結合され、連結部は、デフリングギヤの側面部における補強リブが結合された部分に対応して側面部に連結されることにより、デフリングギヤの強度及び剛性を高めることができ、前記効果を有効に奏することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、第2空洞部は、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部として用いられ、デフリングギヤに、第2空洞部に連通して第2空洞部に貯留された潤滑油をデフリングギヤの外周面から放出する潤滑油放出孔部が設けられることにより、デフリングギヤの内部に設けられる第2空洞部を、デフリングギヤと該デフリングギヤに噛み合う歯車との噛み合い部などの要潤滑部に潤滑油を供給する潤滑油の貯留部として有効に利用することができる。
さらに、請求項6に記載の発明によれば、内部に歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されるように、動力伝達用歯車を三次元積層造形法によって形成することにより、三次元積層造形法を用い、回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる動力伝達用歯車を製造することができる。
本発明の実施形態に係る動力伝達用歯車を備えたディファレンシャル装置を示す断面図である。 ディファレンシャル装置のデフリングギヤ及びデフケースの斜視図である。 デフリングギヤ及びデフケースの側面図である。 図3におけるY4方向から見たデフリングギヤ及びデフケースを示す図である。 図4におけるY5−Y5線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図である。 図3におけるY6−Y6線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図である。 図3におけるY7−Y7線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図である。 図7におけるA部を拡大して示すデフリングギヤ及びデフケースの断面図である。 図7におけるA部の一部を拡大して示すデフリングギヤの外周部の断面斜視図である。 図8におけるY10a−Y10a線に沿ったデフリングギヤの外周部の展開断面図である。 デフリングギヤと出力ギヤの周波数に対するコンプライアンスを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達用歯車を備えたディファレンシャル装置を示す断面図である。本発明の実施形態に係る動力伝達用歯車を備えたディファレンシャル装置は、フロントエンジン・フロントドライブ車両に搭載されるものであり、車体前部に配置されて車体前部に横置きされた駆動源としてのエンジンから変速機を介して動力が伝達されるようになっている。
図1に示すように、ディファレンシャル装置10は、変速機のハウジング1に軸受2を介して回転可能に支持され、ハウジング1内に収納されている。ディファレンシャル装置10は、変速機の出力部である出力ギヤ3に噛み合う動力伝達用歯車としてのデフリングギヤ20と、デフリングギヤ20に結合されたデフケース30とを備え、デフリングギヤ20とデフケース30とは一体に形成されている。
ディファレンシャル装置10はまた、デフケース30内に収納されたディファレンシャル機構40を備え、ディファレンシャル機構40は、デフケース30に固定されて車幅方向と直交する方向に延びるピニオンシャフト41と、ピニオンシャフト41に回転自在に支持されて互いに対向する一対のピニオンギヤ42と、一対のピニオンギヤ42に噛み合う左右一対のサイドギヤ43とを有している。
サイドギヤ43には、デフリングギヤ20及びデフケース30にそれぞれ嵌合された左右の車軸4がスプライン嵌合され、車軸4は、駆動輪としての前輪が取り付けられてサイドギヤ43と共にデフリングギヤ20及びデフケース30に対して相対回転できるようになっている。
前記ディファレンシャル装置10は、エンジンから前輪に至る動力伝達経路に設けられ、エンジンから変速機を介して伝達された動力を、走行状況に応じた回転差となるように左右の車軸4に伝達して左右の前輪に伝達するようになっている。
ハウジング1内には、ハウジング1の底部に潤滑油が貯留されており、潤滑油の貯留レベルOLは、デフリングギヤ20の下部に位置する歯部21が潤滑油に浸漬するように設定されている。これにより、デフリングギヤ20が回転するとき、デフリングギヤ20の歯部21によって潤滑油が掻き揚げられてデフリングギヤ20と出力ギヤ3との噛み合い部5などの要潤滑部に潤滑油が供給されるようになっている。
図2は、ディファレンシャル装置のデフリングギヤ及びデフケースの斜視図であり、図3は、デフリングギヤ及びデフケースの側面図、図4は、図3におけるY4方向から見たデフリングギヤ及びデフケースを示す図、図5は、図4におけるY5−Y5線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図である。
図2から図5に示すように、デフケース30は、略球面状に形成されて内部にディファレンシャル機構40を収納するシェル部31を備えている。シェル部31には、ディファレンシャル機構40を構成するピニオンギヤ42及びサイドギヤ43などを収納するための窓穴32が180度対称位置に設けられると共に、サイドギヤ43に対応して左右両側に略円筒状に形成された車軸挿通部33が設けられている。車軸挿通部33には車軸4が挿通される。
デフケース30にはまた、デフケース30とデフリングギヤ20とを結合する補強リブ34が設けられている。本実施形態では、デフケース30のシェル部31に設けられた2つの窓穴32の両側にシェル部31に沿って軸方向に延びる4つの補強リブ34が設けられている。
デフケース30に結合されるデフリングギヤ20は、図4に示すように、歯底円L1から外周側に突出する歯部21を備え、歯部21は、デフリングギヤ20の軸方向に延びるように設けられている。デフリングギヤ20は、歯部21の歯筋がデフリングギヤ20の軸方向に対して所定の捩れ角を有するヘリカルギヤとされ、デフリングギヤ20に噛み合う出力ギヤ3もまた、歯筋が出力ギヤの軸方向に対して所定の捩れ角を有する歯部を備えたヘリカルギヤとされている。
図5に示すように、デフリングギヤ20は、歯部21が設けられた外周部22と、外周部22の径方向内側に設けられてデフケース30のシェル部31と連絡された内周部24と、外周部22と内周部24との間の空間を塞ぐように外周部22と内周部24とをデフリングギヤ20の軸方向の両側でそれぞれ連結する両側の側面部26とを有している。
本実施形態では、デフケース30のシェル部31の一部がデフリングギヤ20の内周部24を兼ねて、デフリングギヤ20の内周部24とデフケース30のシェル部31とが連絡されている。また、デフリングギヤ20の一方の側面部26には、デフケース30に設けられた補強リブ34が結合された部分である結合部35が設けられている。
図6は、図3におけるY6−Y6線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図であり、図7は、図3におけるY7−Y7線に沿ったデフリングギヤ及びデフケースの断面図、図8は、図7におけるA部を拡大して示すデフリングギヤ及びデフケースの断面図、図9は、図7におけるA部の一部を拡大して示すデフリングギヤの外周部の断面斜視図である。
図6に示すように、デフリングギヤ20の外周部22の内部には、歯底円L1の内周側で周方向に延在する複数の、本実施形態では3つの周方向延在空洞部51が設けられている。3つの周方向延在空洞部51は、デフリングギヤ20の周方向に同一長さを有し、デフリングギヤ20の周方向に等間隔で配置されている。3つの周方向延在空洞部51は、デフリングギヤ20の径方向及び軸方向にも同一長さを有して同一形状に形成されている。
デフリングギヤ20では、3つの周方向延在空洞部51が周方向に同一長さを有して周方向に等間隔で配置されることにより、外周部22に、デフリングギヤ20の周方向に周方向延在空洞部51が設けられた部分である低剛性部23aと周方向延在空洞部51が設けられていない部分である高剛性部23bとが形成されている。
デフリングギヤ20はまた、図6に示すように、外周部22より径方向内側でデフリングギヤ20の内部に、外周部22と内周部24とを連結すると共に両側の側面部26を連結する複数の連結部28、本実施形態では4つの連結部28が設けられている。
4つの連結部28は、外周部24と内周部24との間で径方向に延びると共に両側の側面部26の間で軸方向に延びるように設けられ、周方向に所定幅を有して周方向に離間して設けられている。4つの連結部28は、デフリングギヤ20の側面部26における補強リブ34の結合部35に対応して、デフリングギヤ20の側面部26に補強リブ34が結合された部分35に反補強リブ側から連結されている。
前記連結部28は、デフリングギヤ20の外周部22、内周部24及び両側の側面部26によって閉塞される空間を周方向に区画し、デフリングギヤ20には、外周部22より径方向内側でデフリングギヤ20の内部に外周部22、内周部24、側面部26及び連結部28によって区画される連結部間空洞部52が設けられている。
デフリングギヤ20の外周部22の内部には、図6から図9に示すように、歯底円L1より外周側でデフリングギヤ20の軸方向に延びる歯底円外側空洞部53と、歯底円L1より内周側でデフリングギヤ20の軸方向に延びる歯底円内側空洞部54とが設けられている。歯底円外側空洞部53及び歯底円内側空洞部54は、外周部20の内部において周方向延在空洞部51よりも外周側に設けられている。
図9に示すように、歯底円外側空洞部53は、歯部21の内部に設けられ、デフリングギヤ20を介して動力を伝達する際に応力が集中するデフリングギヤ20の危険断面である歯底隅肉部21aの肉厚を確保するように形成されている。
歯底円外側空洞部53は、歯底円L1から所定厚さ以上外周側に設けられると共に歯部21の歯面、歯先及び両端面からそれぞれ所定厚さ以上内側に設けられ、デフリングギヤ20の軸方向に直交する断面において歯部21の歯面に沿って歯部21の歯先側に向かうにつれて先細り状に三角形状に形成されている。なお、歯底円外側空洞部53は、歯部21の歯面に沿って歯部21の歯先側に向かうにつれて先細り状に台形形状に形成するようにしてもよい。
図9に示すように、歯底円内側空洞部54についても、デフリングギヤ20を介して動力を伝達する際に応力が集中するデフリングギヤ20の危険断面である歯底隅肉部21aの肉厚を確保するように形成されている。
歯底円内側空洞部54は、外周部22の内部に設けられ、歯底円L1から所定厚さ以上内周側に設けられると共に周方向延在空洞部51から所定厚さ以上外周側に設けられ、且つ外周部22の両端面からそれぞれ所定厚さ以上内側に設けられている。
歯底円内側空洞部54は具体的には、デフリングギヤ20の軸方向に直交する断面において、デフリングギヤ20の内周側に向かうにつれて先細り状に三角形状に形成される第1歯底円内側空洞部54aと、デフリングギヤ20の外周側に向かうにつれて先細り状に三角形状に形成される第2歯底円内側空洞部54bとを備えている。第1歯底円内側空洞部54aと第2歯底円内側空洞部54bとは、歯底円L1の内周側でデフリングギヤ20の周方向に所定の間隔をあけて交互に配置されている。
なお、第1歯底円内側空洞部54aを、デフリングギヤ20の内周側に向かうにつれて先細り状に台形形状に形成し、第2歯底円内側空洞部54bを、デフリングギヤ20の外周側に向かうにつれて先細り状に台形形状に形成するようにしてもよい。
図10は、図8におけるY10a−Y10a線に沿ったデフリングギヤの外周部の展開断面図である。図10ではまた、図8におけるY10b−Y10b線に沿ったデフリングギヤ20の外周部22の内部に設けられた歯底円内側空洞部54も破線で示している。
図10に示すように、歯底円外側空洞部53は、歯部21の歯筋方向に延びるように設けられ、歯底円内側空洞部54、具体的には第1歯底円内側空洞部54a及び歯底円内側空洞部54bは、歯部21の歯筋方向と交差する方向に延びるように設けられている。
本実施形態では、歯底円外側空洞部53は、歯部21の歯筋と同様に、デフリングギヤ20の軸方向に対して所定の捩れ角を有し、歯底円内側空洞部54は、デフリングギヤ20の軸方向に対して歯底円外側空洞部53とは反対側に所定の捩れ角を有している。
このように、デフリングギヤ20の内部には、径方向内側から径方向外側に向けて順に、連結部間空洞部52と、周方向延在空洞部51と、歯底円内側空洞部54と、歯底円外側空洞部53とが配置されている。
デフリングギヤ20ではまた、連結部間空洞部52、周方向延在空洞部51、歯底円内側空洞部54、具体的には第1歯底円内側空洞部54a及び第2歯底円内側空洞部54b及び歯底円外側空洞部53はそれぞれ、デフリングギヤ20の外部に連通するようになっている。
図5に示すように、デフリングギヤ20の一方の側面部26には、連結部間空洞部52とデフリングギヤ20の外部とを連通する第1連通孔部61が形成されている。第1連通孔部61は、連結部間空洞部52に対応して設けられ、図4に示すように、略同一半径を有する円周上に複数配置されている。
また、デフリングギヤ20の外周部22には、図8に示すように、内部に、径方向に延びて連結部間空洞部52と周方向延在空洞部51とを連通する第2連通孔部62と、径方向に延びて周方向延在空洞部51と歯底円内側空洞部54の第2歯底円内側空洞部54bとを連通する第3連通孔部63と、周方向に延びて隣り合う歯底円内側空洞部54の第1歯底円内側空洞部54aと第2歯底円内側空洞部54bとを連通する第4連通孔部64と、径方向に延びて歯底円内側空洞部54の第1歯底円内側空洞部54aと歯底円外側空洞部53とを連通する第5連通孔部65とが形成されている。
デフリングギヤ20の外周部22にはまた、歯部21に、径方向に延びて歯底円外側空洞部53とデフリングギヤ20の外周面の一部である歯先とを連通する第6連通孔部66が形成されている。
これにより、デフリングギヤ20の内部に設けられる連結部間空洞部52、周方向延在空洞部51、歯底円内側空洞部54及び歯底円外側空洞部53は、第1連通孔部61、第2連通孔部62、第3連通孔部63、第4連通孔部64、第5連通孔部65及び第6連通孔部66を介してデフリングギヤ20の外部に連通するようになっている。
図9に示すように、デフリングギヤ20の歯部21に形成される第6連通孔部66は、これに限定されるものではないが、デフリングギヤ20の軸方向一方側に配置される第6連通孔部66と、デフリングギヤ20の軸方向中央側に配置される第6連通孔部66と、デフリングギヤ60の軸方向他方側に配置される第6連通孔部66とを備えている。
図10に示すように、歯底円外側空洞部53と第1歯底円内側空洞部54aとを連通する第5連通孔部65についても、これに限定されるものではないが、デフリングギヤ20の軸方向一方側に配置される第5連通孔部65と、デフリングギヤ20の軸方向中央側に配置される第5連通孔部65と、デフリングギヤ60の軸方向他方側に配置される第5連通孔部65とを備えている。
第1歯底円内側空洞部54aと第2歯底円内側空洞部54bとを連通する第4連通孔部64、及び周方向延在空洞部51と歯底円内側空洞部54とを連通する第3連通孔部63についてもそれぞれ、デフリングギヤ20の軸方向一方側、軸方向中央側及び軸方向他方側に配置される連通孔部64、63を備えている。
本実施形態では、連結部間空洞部52が、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部として用いられ、第6連通孔部66が、連結部間空洞部52に連通して連結部間空洞部52に貯留された潤滑油をデフリングギヤ20の外周面から放出する潤滑油放出孔部として用いられ、第1連通孔部61が、デフリングギヤ20の外周部22より径方向内側で連結部間空洞部52に連通して連結部間空洞部52に潤滑油を導入する潤滑油導入孔部として用いられる。
第6連通孔部66は、歯底円外側空洞部53、第5連通孔部65、第1歯底円内側空洞部54a、第4連通孔部64、第2歯底円内側空洞部54b、第3連通孔部63、周方向延在空洞部51及び第2連通孔部62を介して連結部間空洞部52に連通するようになっている。
ディファレンシャル装置10が搭載された車両では、図1に示すように、潤滑油の貯留レベルOLは、デフリングギヤ20の外周部22に設けられた下部に位置する歯部21が液面下に位置すると共に、デフリングギヤ20の側面部26に設けられた第1連通孔部61が液面下に位置するように設定されている。
これにより、デフリングギヤ20の連結部間空洞部52に潤滑油が第1連通孔部61を通じて導入されて連結部間空洞部52に潤滑油が貯留され、デフリングギヤ20が回転される際に、連結部間空洞部52に貯留された潤滑油が、第6連通孔部66によってデフリングギヤ20の外周面から放出され、デフリングギヤ20と出力ギヤ3との噛み合い部5などの要潤滑部に潤滑油を供給するようになっている。
ここで、ディファレンシャル装置10のデフリングギヤ20による騒音低減効果について説明する。
図11は、デフリングギヤと出力ギヤの周波数に対するコンプライアンスを示すグラフである。図11では、周波数を横軸にとり、相互に噛み合うデフリングギヤ20及び出力ギヤ3の歯当たり方向の変位量であるコンプライアンスを縦軸にとり、デフリングギヤ20と出力ギヤ3のコンプライアンス特性を示している。なお、歯当たり方向とは、デフリングギヤの歯部の歯面と出力ギヤの歯部の歯面との接触点における各歯面の法線方向をいう。
図11では、デフリングギヤ20の周波数に対するコンプライアンスを破線D1で示し、出力ギヤ3の周波数に対するコンプライアンスを一点鎖線D2で示している。また、図11では、デフリングギヤ20において周方向延在空洞部51を設けることなく第2連通孔部62及び第3連通孔部63に代えて連結部間空洞部51と第2歯底円内側空洞部54bとを連通する連通孔部を設けたデフリングギヤについて、周波数に対するコンプライアンスを実線D3で示している。
図11に示すように、出力ギヤ3の周波数に対するコンプライアンスD2は、所定の周波数f1でピークを有すると共に周波数f1よりも高い所定の周波数f2でピークを有し、周波数f1から低周波数側に離れるにつれてコンプライアンスが小さくなり、周波数f2から高周波数側に離れるにつれてコンプライアンスが大きくなり、周波数f1と周波数f2との間では所定の周波数を境に減少傾向から増加傾向になっている。
一方、周方向延在空洞部51を設けることなく連結部間空洞部51と第2歯底円内側空洞部54bとを連通する連通孔部を設けたデフリングギヤの周波数に対するコンプライアンスD3は、周波数f1と周波数f2との間の所定の周波数f3でピークを有し、低周波数側及び高周波数側にそれぞれ周波数f3から離れるにつれてコンプライアンスが小さくなっている。
これに対し、周方向延在空洞部51が設けられたデフリングギヤ20の周波数に対するコンプライアンスD1は、周波数f3よりも低周波数側の周波数f4でピークを有すると共に周波数f3よりも高周波数側の周波数f5でピークを有し、周波数f4と周波数f5との間では所定の周波数を境に減少傾向から増加傾向になっている。
このように、デフリングギヤ20では、周方向延在空洞部51を設けることで、周方向に周方向延在空洞部51が設けられた低剛性部23aと周方向延在空洞部51が設けられていない高剛性部23bとを形成して周方向延在空洞部51が形成されていないデフリングギヤのコンプライアンスの所定周波数f3におけるピークを低剛性部23aによる低周波数側の周波数f4におけるピークと高剛性部23bによる高周波数側の周波数f5におけるピークとに分散させて裾野を広くさせている。
これにより、デフリングギヤの周波数に対するコンプライアンスと出力ギヤの周波数に対するコンプライアンスとは、周方向延在空洞部51が設けられていないデフリングギヤでは周波数f3よりも低周波数側の交点X1と周波数f3よりも高周波数側の交点X2とを有するのに対し、周方向延在空洞部51が設けられたデフリングギヤ20では周波数f4よりも低周波数側の交点X1´と周波数f5よりも高周波数側の交点X2´とを有し、デフリングギヤ20では、デフリングギヤ20のコンプライアンスと出力ギヤ3のコンプライアンスとの交点をコンプライアンスが高い交点に変化させている。
歯車の噛み合いによる騒音は、相互に噛み合う各歯車のコンプライアンスと相関を有し、相互に噛み合う各歯車のコンプライアンスの和が大きいほど小さくなることから、デフリングギヤ20のコンプライアンスと出力ギヤ3のコンプライアンスとの交点をコンプライアンスが高い交点に変化させることで、コンプライアンスの和を大きくすることができ、噛み合いによる騒音を低減させることができる。
本実施形態では、デフリングギヤ20の外周部22の内部に3つの周方向延在空洞部51が形成されているが、3つの周方向延在空洞部51に限定されるものでなく、複数の周方向延在空洞部を形成することが可能である。デフリングギヤ20の外周部22の内部に形成される周方向延在空洞部51は、奇数の周方向延在空洞部51とすることが好ましい。
奇数の周波数延在空洞部51が形成される場合は、周方向延在空洞部51間に位置する部分の180度対称位置に周方向延在空洞部51が設けられ、周方向延在空洞部51間に位置する部分の180度対称位置もまた周方向延在空洞部51間に位置する部分である偶数の周方向延在空洞部51が形成される場合に比して、デフリングギヤ20のコンプライアンス特性を精度良く調整することができる。
このようにして構成されるディファレンシャル装置10では、デフリングギヤとデフケース20とは、3Dプリンタを用いて、三次元積層造形法によって一体的に形成され、デフリングギヤ20は、内部に歯底円L1の内周側に周方向に同一長さを有する複数の周方向延在空洞部51が周方向に等間隔で配置されるように三次元積層造形法によって一体的に形成される。
また、デフリングギヤ20は、歯部21が設けられた外周部22と、デフケース30のシェル部31と連絡された内周部24と、外周部22と内周部24とを軸方向の両側でそれぞれ連結する両側の側面部26とを有し、デフリングギヤ20の内部に、外周部22と内周部24とを連結すると共に両側の側面部26を連結する連結部28が周方向に複数設けられると共に外周部22、内周部24、側面部26及び連結部28によって区画される連結部間空洞部52が設けられるように三次元積層造形法によって一体的に形成される。
また、デフリングギヤ20は、歯部21の内部に歯底円L1より外周側でデフリングギヤ20の軸方向に延びる歯底円外側空洞部53が設けられると共に、外周部22の内部に歯底円L1より内周側でデフリングギヤ20の軸方向に延びる歯底円内側空洞部54が設けられるように三次元積層造形法によって一体的に形成される。
また、デフリングギヤ20は、デフリングギヤ20の内部に形成される連結部間空洞部52、周方向延在空洞部51、歯底円内側空洞部54及び歯底円外側空洞部53が、第1連通孔部61、第2連通孔部62、第3連通孔部63、第4連通孔部64、第5連通孔部65及び第6連通孔部66を介してデフリングギヤ20の外部に連通するように三次元積層造形法によって一体的に形成される。
三次元積層造形法における具体的なプリント方式は特に限定されないが、デフリングギヤ20及びデフケース30の材料として鉄等の金属を用いる場合は、例えば、敷き詰められた金属粉末の層の任意の位置に電子ビーム又はレーザを照射することで、照射部分を焼結させて造形した後、次の層を敷き詰めるという動作を繰り返す粉末焼結積層造形法が採用され得る。三次元積層造形法によってデフリングギヤ20及びデフケース30が形成された後に、歯面の仕上げ加工等が施され得る。
デフリングギヤ20及びデフケース30を三次元積層造形法によって形成する場合、デフリングギヤ20の内部に形成される連結部間空洞部52、周方向延在空洞部51、歯底円内側空洞部54及び歯底円外側空洞部53には、空洞部52、51、54、53に対応する部分に設けられた金属粉末を除去するためにデフリングギヤ20の外部に連通する連通孔部が形成される。本実施形態では、空洞部52、51、54、53に対応する部分に設けられた金属粉末は、第1連通孔部61、第2連通孔部62、第3連通孔部63、第4連通孔部64、第5連通孔部65、第6連通孔部66を通じてデフリングギヤ20の外部に除去される。
本実施形態では、デフリングギヤ20の側面部26に、連結部間空洞部52に潤滑油を導入する第1連通孔部61が設けられているが、第1連通孔部61に代えて、あるいは第1連通孔部61に加えて、デフリングギヤ20の外周部22より径方向内側で連結部間空洞部52に連通して連結部間空洞部52に潤滑油を導入する潤滑油導入孔部として、デフケース30のシェル部31におけるデフリングギヤ20の内周部24を兼ねる(図5において符号61´で示す)部分にシェル部31の内部と連結部間空洞部52とを連通する連通孔部を設けるようにすることも可能である。
かかる場合、デフリングギヤ20が回転される際に、デフリングギヤ20の歯部21によって掻き揚げられた潤滑油の一部がデフケース30のシェル部31の内部に導入され、シェル部31の内部に導入された潤滑油がシェル部31の内部と連結部間空洞部52とを連通する連通孔部を通じて連結部間空洞部52に導入される。
本実施形態ではまた、デフリングギヤ20の外周部22の内部に歯底円外側空洞部53と歯底円内側空洞部54とが設けられているが、デフリングギヤ20において、歯底円外側空洞部53と歯底円内側空洞部54の一方のみを設けるようにしたり、歯底円外側空洞部53と歯底円内側空洞部54とを共に設けないようにしたりすることも可能である。
歯底円外側空洞部53と歯底円内側空洞部54の一方のみを設ける場合や、歯底円外側空洞部53と歯底円内側空洞部54とを共に設けない場合においても、デフリングギヤ20には、連結部間空洞部52に連通して連結部間空洞部52に貯留された潤滑油をデフリングギヤ20の外周面から放出する潤滑油放出孔部と、デフリングギヤ20の外周部22より径方向内側で連結部間空洞部52に連通して連結部間空洞部52に潤滑油を導入する潤滑油導入孔部とが設けられる。
また、本実施形態では、デフリングギヤ20に設けられる潤滑油放出孔部としての第6連通孔部66は、デフリングギヤ20の外周面の一部である歯先と連通するように形成されているが、デフリングギヤ20の外周面の一部である歯底と連通するように設けることも可能である。
また、本実施形態では、連結部間空洞部52を潤滑油貯留部として用い、第1連通孔部61が潤滑油の貯留レベルOLより下になるように設定されているが、第1連通孔部61を潤滑油の貯留レベルOLより上になるようにさらに径方向内側に設定して、連結部間空洞部52を潤滑油貯留部として用いないようにすることも可能である。
このように、本実施形態に係る動力伝達用歯車20は、内部に歯底円L1の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部51が周方向に等間隔で配置されている。これにより、動力伝達用歯車20の周方向に空洞部51が設けられた低剛性部23aと空洞部51が設けられていない高剛性部23bとを形成して空洞部51が形成されていない動力伝達用歯車20のコンプライアンスの所定周波数におけるピークを低剛性部23aによる低周波数側のピークP1aと高剛性部23bによる高周波数側のピークP1bとに分散させて裾野を広くさせ、相手歯車3のコンプライアンスとの関係で噛み合いによる騒音を低減することができる。
動力伝達用歯車20の周方向に配置される空洞部51の大きさを適宜設定することによって、動力伝達用歯車20のコンプライアンスのピークを低周波数側のピークと高周波数側のピークとに適宜調整して分散させて裾野を広くさせることができ、噛み合いによる騒音を有効に低減することができる。
また、動力伝達用歯車20の内部に複数の空洞部51が設けられることにより、空洞部51によって軽量化を図ることができると共に、動力伝達用歯20がハウジング1内に潤滑油と共に収納される場合に動力伝達用歯車20の回転抵抗を増加させることがない。したがって、動力伝達用歯車20の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる。
また、動力伝達用歯車20は、歯部21が設けられた外周部22と、ディファレンシャル機構40を収納するデフケース30のシェル部31と連絡された内周部24とを有し、複数の空洞部51は、外周部20の内部における歯底円L1の内周側に設けられることにより、動力伝達用歯車20の噛み合いによる騒音を有効に低減することができる。
また、動力伝達用歯車20は、デフリングギヤであり、外周部22と、デフケース30のシェル部31と連絡された内周部24と、両側の側面部26とを有し、デフリングギヤ20の内部に、外周部22と内周部24とを連結すると共に両側の側面部26を連結する連結部28が周方向に複数設けられる。
そして、外周部22の内部における歯底円L1の内周側に周方向に同一長さを有して周方向に等間隔で配置される複数の第1空洞部51が設けられ、外周部22の径方向内側でデフリングギヤ20の内部に、外周部22、内周部24、側面部26及び連結部28によって区画される第2空洞部52が設けられる。
デフリングギヤ20の外周部22の内部に複数の第1空洞部51が設けられることにより、デフリングギヤ20がハウジング1内に潤滑油と共に収納される場合にデフリングギヤ20の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる。
また、デフリングギヤ20の内部に設けられた連結部28によってデフリングギヤ20の強度及び剛性を確保しつつ、デフリングギヤ20の内部に設けられた第2空洞部52によって軽量化を図ることができる。デフリングギヤ20の内部に第2空洞部52が設けられることにより、デフリングギヤ20がハウジング1内に潤滑油と共に収納される場合にデフリングギヤ20の回転抵抗を増加させることなくデフリングギヤ20の強度及び剛性を確保しつつ軽量化を更に図ることができる。
また、デフリングギヤ20の側面部26に、デフケース30に設けられた複数の補強リブ34が結合され、連結部28は、デフリングギヤ20の側面部26における補強リブ34が結合された部分35に対応して側面部26に連結されることにより、デフリングギヤ20の強度及び剛性を高めることができる。
また、第2空洞部52は、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部として用いられ、デフリングギヤ20に、第2空洞部52に連通して第2空洞部52に貯留された潤滑油をデフリングギヤ20の外周面から放出する潤滑油放出孔部66が設けられる。これにより、デフリングギヤ20の内部に設けられる第2空洞部52を、デフリングギヤ20と該デフリングギヤ20に噛み合う歯車3との噛み合い部5などの要潤滑部に潤滑油を供給する潤滑油の貯留部として有効に利用することができる。
さらに、内部に歯底円L1の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部51が周方向に等間隔で配置されるように、動力伝達用歯車20を三次元積層造形法によって形成することにより、三次元積層造形法を用い、回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることができる動力伝達用歯車20を製造することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、動力伝達用歯車の回転抵抗を増加させることなく騒音の低減及び軽量化を図ることが可能となるから、車両に搭載されるディファレンシャル装置のデフリングギヤなどの動力伝達用歯車を製造する場合など、車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 ハウジング
3 出力ギヤ
5 噛み合い部
10 ディファレンシャル装置
20 デフリングギヤ
21 歯部
22 外周部
24 内周部
26 側面部
28 連結部
30 デフケース
31 シェル部
34 補強リブ
40 ディファレンシャル機構
51 周方向延在空洞部(第1空洞部)
52 連結部間空洞部(第2空洞部)
53 歯底円外側空洞部
54 歯底円内側空洞部
61、62、63、64、65、66 連通孔部
L1 歯底円

Claims (6)

  1. ハウジング内に潤滑油と共に収納され、外周部に歯底円から外周側に突出する歯部が設けられた動力伝達用歯車であって、
    内部に前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されている、
    ことを特徴とする動力伝達用歯車。
  2. 前記動力伝達用歯車は、前記外周部と、ディファレンシャル機構を収納するデフケースのシェル部と連絡された内周部とを有し、
    前記複数の空洞部は、前記外周部の内部における前記歯底円の内周側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達用歯車。
  3. 前記動力伝達用歯車は、デフケースと結合されたデフリングギヤであり、前記外周部と、ディファレンシャル機構を収納する前記デフケースのシェル部と連絡された内周部と、前記外周部と前記内周部とを軸方向の両側でそれぞれ連結する両側の側面部とを有し、
    前記デフリングギヤの内部に、周方向に所定幅を有して前記外周部と前記内周部とを連結すると共に前記両側の側面部を連結する連結部が周方向に複数設けられ、
    前記外周部の内部における前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有して周方向に等間隔で配置される複数の第1空洞部が設けられ、
    前記外周部より径方向内側で前記デフリングギヤの内部に、前記外周部、前記内周部、前記側面部及び前記連結部によって区画される第2空洞部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達用歯車。
  4. 前記デフリングギヤの前記側面部に、前記デフケースに設けられた複数の補強リブが結合され、
    前記連結部は、前記デフリングギヤの前記側面部における前記補強リブが結合された部分に対応して前記側面部に連結されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達用歯車。
  5. 前記第2空洞部は、潤滑油を貯留する潤滑油貯留部として用いられ、
    前記デフリングギヤに、前記第2空洞部に連通して前記第2空洞部に貯留された潤滑油を前記デフリングギヤの外周面から放出する潤滑油放出孔部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の動力伝達用歯車。
  6. ハウジング内に潤滑油と共に収納され、外周部に歯底円から外周側に突出する歯部が設けられた動力伝達用歯車の製造方法であって、
    内部に前記歯底円の内周側に周方向に同一長さを有する複数の空洞部が周方向に等間隔で配置されるように、前記動力伝達用歯車を三次元積層造形法によって形成する、
    ことを特徴とする動力伝達用歯車の製造方法。
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