JP2011247348A - 車両の噛合歯車 - Google Patents

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智之 春日
Seiji Hiroshima
誠司 弘嶋
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智章 古川
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Abstract

【課題】車両に備えられる車両の噛合歯車において、歯車噛合時に発生するギヤノイズを効果的に抑制することができる車両の噛合歯車を提供する。
【解決手段】外周部77の貫通孔82が形成されない部分(柱部87)の剛性が最も強くなり、それに隣接する貫通孔82の穴部84に対応する部分の剛性が急激に低下する。また、外周部77の貫通孔82のスリット部86に対応する部分では、貫通孔82の端部に比べるとその剛性が高くなる。このように、外周部77の剛性が、周方向に変化するに従って、外周部77の剛性が周方向の変化に応じて複雑に変化し、その剛性変化に従ってカウンタドリブンギヤ60の振動特性が複雑に変化する。上記より、カウンタドリブンギヤ60の振動特性が、外周部77の剛性変化に応じて複雑に変化するため、歯車を収容するケース30表面等で生じる振動増幅が抑制されるなどしてギヤノイズが効果的に抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に備えられる車両の噛合歯車に係り、特に、噛合歯車回転時に発生するギヤノイズを抑制する技術に関するものである。
車両に備えられる車両用動力伝達装置は、複数個の歯車を含んで構成されており、それらの歯車を介して動力が伝達される。ところで、上記歯車の噛合部において発生するギヤノイズ(振動)が問題となっており、上記ギヤノイズを抑制するための技術が複数提案されている。例えば、特許文献1に記載のはすば歯車では、はすば歯車のディスク部に、周方向に伸びる貫通孔を形成することで、はすば歯車の噛合点の剛性を周方向に変化させることによって、ギヤノイズを抑制する技術が開示されている。また、特許文献2に記載の歯車では、歯車の側部に環状部材を設けることで、歯車の噛合点における剛性を周方向に変化させることでギヤノイズを抑制する技術が開示されている。上記特許文献1および特許文献2のように歯車(はすば歯車)の噛合点の剛性が周方向に変化すると、歯車の噛合点の変化に応じて動剛性が変化して振動特性が変化するため、ギヤノイズが抑制される。
特開2005−069401号公報 特開2000−220726号公報
しかしながら、引用文献1および引用文献2に記載の発明では、歯車の噛合点の剛性が高剛性部位と低剛性部位の2段階しか存在せず、歯車の噛合部から発生するギヤノイズを抑制するに際して大きな効果を得ることができなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両に備えられる車両の噛合歯車において、噛合歯車回転時に発生するギヤノイズを効果的に抑制することができる車両の噛合歯車を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)周方向に貫通孔が複数個形成されているディスク部と、そのディスク部の外周側において外周歯が形成されている外周部とを、備える車両の噛合歯車であって、(b)前記外周部の前記貫通孔の周方向の端部に対応する部分の強度が、その貫通孔の周方向の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、その貫通孔の形状および径方向の形成位置の少なくとも一方が、その貫通孔の端部と中央部とで異なっていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両の噛合歯車において、前記貫通孔の周方向において端部の径方向の隙間は、その貫通孔の周方向において中央部の径方向の隙間よりも大きく形成されていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両の噛合歯車において、前記貫通孔の周方向において端部の孔は、その貫通孔の周方向において中央部の孔よりも外周側に形成されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための請求項4にかかる発明の要旨とするところは、(a)周方向にスリット孔が複数個形成されているディスク部と、そのディスク部の外周側において外周歯が形成されている外周部とを、備える車両の噛合歯車であって、(b)前記外周部の前記スリット孔の端部に対応する部分の強度が、そのスリット孔の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、そのスリット孔の周方向端部の溝の深さが、そのスリット孔の周方向中央部の溝の深さよりも深く形成されていることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1の車両の噛合歯車において、前記貫通孔またはスリット孔は、奇数個形成されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両の噛合歯車によれば、前記外周部の前記貫通孔の周方向の端部に対応する部分の強度が、その貫通孔の周方向の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、その貫通孔の形状および径方向の形成位置の少なくとも一方が、その貫通孔の端部と中央部とで異なっている。このようにすれば、外周部の貫通孔が形成されない部分の強度が最も強くなり、それに隣接する貫通孔の端部に対応する部分の強度が急激に低下する。また、外周部の貫通孔の中央部に対応する部分では、貫通孔の端部に比べるとその強度が高くなる。このように、噛合歯車の外周部の強度が、周方向に変化するに従って、高い部分から急激に低くなり、再び強度が所定の値まで上昇し、さらに急激に低くなるなど、外周部の強度が周方向の変化に応じて複雑に変化し、その強度変化に従って噛合歯車の振動特性が複雑に変化する。上記より、噛合歯車の振動特性が、外周部の強度変化に応じて複雑に変化するため、歯車を収容するケース表面等で生じる振動増幅が抑制されるなどしてギヤノイズが効果的に抑制される。
また、請求項2にかかる発明の車両の噛合歯車によれば、前記貫通孔の周方向において端部の径方向の隙間は、その貫通孔の周方向において中央部の径方向の隙間よりも大きく形成されている。このように貫通孔が形成されると、ディスク部の周方向において貫通孔が形成されない部分の外周部の強度が最も高くなり(強度高)、次いで貫通孔の周方向において中央部に対応する外周部の強度が高くなり(強度中)、貫通孔の周方向において端部に対応する外周部の強度が最も低くなる(強度低)。したがって、噛合歯車の外周部の強度が、周方向に変化するに従って、強度高、強度低、強度中、強度低、強度高・・と複雑に変化するため、噛合歯車の振動特性が複雑に変化し、ギヤノイズが効果的に抑制される。
また、請求項3にかかる発明の車両の噛合歯車によれば、前記貫通孔の周方向において端部の孔は、その貫通孔の周方向において中央部の孔よりも外周側に形成されている。このように貫通孔が形成されると、ディスク部の周方向において貫通孔が形成されない部分の外周部の強度が最も高く(強度高)、次いで貫通孔の周方向において中央部に対応する外周部の強度が高く(強度中)、貫通孔の周方向において端部に対応する外周部の強度が最も低くなる(強度低)。したがって、噛合歯車の外周部の強度が、周方向に変化するに従って、強度高、強度低、強度中、強度低、強度高・・と複雑に変化するため、噛合歯車の振動特性が複雑に変化し、ギヤノイズが効果的に抑制される。
また、請求項4にかかる発明の車両の歯車装置によれば、前記外周部の前記スリット孔の端部に対応する部分の強度が、そのスリット孔の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、そのスリット孔の周方向端部の溝の深さが、そのスリット孔の周方向中央部の溝の深さよりも深く形成されている。このようにすれば、外周部の貫通孔が形成されない部分の強度が最も強くなり、それに隣接するスリット孔の端部に対応する部分の強度が急激に低下する。また、外周部のスリット孔の中央部に対応する部分では、スリット孔の端部に比べるとその強度が高くなる。このように、噛合歯車の外周部の強度が、周方向に変化するに従って、高い部分から急激に低下し、再び強度が所定の値まで上昇し、さら急激に低下するなど、外周部の強度が周方向の変化に応じて複雑に変化し、その強度変化に従って噛合歯車の振動特性が複雑に変化する。上記より、噛合歯車の振動特性が、外周部の強度変化に応じて複雑に変化するため、歯車を収容するケース表面等で生じる振動増幅が抑制されるなどしてギヤノイズが効果的に抑制される。
また、請求項5にかかる発明の車両の噛合歯車によれば、前記貫通孔は、奇数個形成されているため、ディスク部の軸方向への弾性変形が低減されるに従い、固有振動モードが励起されにくくなるので、ギヤノイズが抑制される。
本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置の概要を説明するための骨子図である。 図1のカウンタドリブンギヤの形状を示す図である。 図2のカウンタドリブンギヤの回転角に応じて変化する噛合点の剛性を示す図である。 図2のカウンタドリブンギヤが使用される場合において発生するギヤノイズを検出した実験結果を示す図である。 本発明の他の実施例であるカウンタドリブンギヤの形状を示す図である。 本発明のさらに他の実施例であるカウンタドリブンギヤの形状を示す図である。 図6のカウンタドリブンギヤに形成されるスリット孔の溝深さを示す図である。
ここで、好適には、本発明の外周部の強度とは、静的な変位・変形との関係で表される剛性に対応し、且つ、動的な変位・変形との関係で表される動剛性を含むものとする。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置10(以下、動力伝達装置10と記載する)の概要を説明するための骨子図である。図1に示すように、動力伝達装置10は、エンジン12と、第1電動機MG1と、エンジン12および第1電動機MG1に動力伝達可能に連結されてエンジン12および第1電動機MG1の駆動力を適宜分配或いは合成する動力分配機構としての第1遊星歯車装置14と、第2電動機MG2と、第2電動機MG2の回転を減速させるリダクションギヤとして機能する第2遊星歯車装置18とを、同軸心C上に備えている。また、エンジン12に対して軸方向の反対側の端部には、エンジン12の出力軸16の回転によって作動させられる機械式のオイルポンプ19が接続されている。上記のように、エンジン12、第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、第2遊星歯車装置18、第2電動機MG2が軸心C上に配置されることで、動力伝達装置10が径方向に小型化される。
なお、第1電動機MG1および第2電動機MG2は発電機能をも有する所謂モータジェネレータであるが、動力分配機構としての差動状態を制御するための差動用電動機として機能する第1電動機MG1は、反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備える。また、駆動輪28に動力伝達可能に連結されている第2電動機MG2は、走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能するためモータ(電動機)機能を少なくとも備える。なお、第2電動機MG2は、主として走行用の駆動力源として機能するため、実際には、第1電動機MG1よりも大きなものとなる。
第1電動機MG1は、軸心C上において、軸方向の両端が軸受32および軸受34によって回転可能に支持されている円筒状の回転部材35と、内周端が回転部材35に一体的に接続されている回転子として機能するロータ36と、ロータ36の外周側に配置され非回転部材であるケース30に接続されることにより回転不能に固定されている固定子として機能するステータ38とを、含んで構成されている。なお、回転部材35のオイルポンプ19側の端部が、第1遊星歯車装置14の後述するサンギヤS1に連結されている。
第2電動機MG2は、軸心C上において、軸方向の両端が軸受50および軸受52によって回転可能に支持されている円筒状の回転部材48と、内周端が回転部材48に一体的に接続されている回転子として機能するロータ40と、ロータ40の外周側に配置され非回転部材であるケース30に接続されることにより回転不能に固定されている固定子として機能するステータ42とを、含んで構成されている。なお、回転部材48の軸方向のエンジン12側の端部が、第2遊星歯車装置18の後述するサンギヤS2に連結されている。
第1遊星歯車装置14は、シングルピニオン型の遊星歯車装置で構成され、サンギヤS1と、サンギヤS1と同軸心上に配置されてピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1と、ピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持するキャリヤCA1とを備えている。そして、第1遊星歯車装置18のサンギヤS1が回転部材35を介して第1電動機MG1のロータ36に連結され、キャリヤCA1が出力軸16およびダンパ装置20を介してエンジン12に連結され、リングギヤR1が出力歯車22、減速機構24、デファレンシャル装置26、および左右の車軸27を介して左右の駆動輪28に作動的に連結されている。
第2遊星歯車装置18は、第1遊星歯車装置14と共通の軸心Cを中心に軸方向に並んで配置されており、第2電動機MG2の回転を減速して出力する減速装置として機能する。第2遊星歯車装置18は、シングルピニオン型の遊星歯車装置で構成され、サンギヤS2と、サンギヤS2と同軸心上に配置されてピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2と、ピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持するキャリヤCA2とを備えている。そして、第2遊星歯車装置20のサンギヤS2が第2電動機MG2のロータ40に回転部材48を介して連結され、キャリヤCA2が非回転部材であるケース30に連結され、リングギヤR2がリングギヤR1と同様に、出力歯車22、減速機構24、デファレンシャル装置26、および車軸27を介して左右の駆動輪28に作動的に連結されている。上記構成より、サンギヤS2から入力される第2電動機MG2の回転が、減速されてリングギヤR2から出力される。
また、本実施例では、内周側に第1遊星歯車装置18のリングギヤR1の内歯および第2リングギヤR2の内歯が軸方向に並んで形成されると共に、外周側に出力歯車22の外歯が形成されている所謂複合式の複合歯車46が使用されており、軸受47および軸受49によって回転可能に支持されている。上記のように、複合歯車46において複数の歯車機能が一体化されることにより、動力伝達装置10がコンパクトとなる。
減速機構24は、カウンタギヤ対54とファイナルギヤ対56とから主に構成されている。カウンタギヤ対54は、カウンタドライブギヤとして機能する出力歯車22と、カウンタ軸58に固設された状態で出力歯車22と噛み合うカウンタドリブンギヤ60とから主に構成されている。ファイナルギヤ対56は、カウンタ軸58に固設されているファイナルドライブギヤ62と、ファイナルドライブギヤ62よりも大径に形成されてファイナルドライブギヤ62と噛み合うファイナルドリブンギヤ64とから主に構成されている。なお、カウンタ軸58は、軸方向の両端が軸受66および軸受68によって回転可能に支持されており、カウンタ軸58の回転に従って、カウンタドリブンギヤ60およびファイナルドライブギヤ62が同回転速度で回転させられる。上記のように構成される減速機構24では、出力歯車22の回転が減速されてファイナルドリブンギヤ64に伝達される。
デファレンシャル装置26は、公知である傘歯車式のものであり、ファイナルドリブンギヤ64に接続されているデフケース70と、両端部がデフケース70に支持されているピニオンシャフトシャフト72と、ピニオンシャフト72に挿し通されてピニオンシャフト72の軸心まわりに相対回転可能なピニオンギヤ74と、ピニオンギヤ74と噛み合う一対のサイドギヤ76とを、備えている。なお、一対のサイドギヤ76は、それぞれ左右の車軸27にスプライン嵌合されることにより一体的に回転させられる。上記のようにディファレンシャル装置26が構成されると、直進走行時では、デフケース70がピニオンシャフト72を介してピニオンギヤ74を公転させ、その回転が一対のサイドギヤ76および車軸27を介して左右の駆動輪28に伝達される。一方、旋回走行時では、ピニオンギヤ74が公転すると共に自転させられることによって、一対のサイドギヤ76に回転差が生じるに従い、左右の駆動輪28に走行状態に応じた回転差が与えられる。
ところで、例えばカウンタギヤ対54を構成する出力歯車22(カウンタドライブギヤ)とカウンタドリブンギヤ60との噛合部などにおいて、互いの歯車の噛合を加振源とするギヤノイズが発生することが知られている。
下式(1)は、例えばカウンタドライブギヤとして機能する出力歯車22およびカウンタドリブンギヤ60などの噛合部で発生するギヤノイズ(振動、音圧)の関係を示す公知の式である。ここで、Nはギヤノイズ(振動、音圧)の大きさを示し、TEは出力歯車22が一定速度で回転した場合のカウンタドリブンギヤ60の微小な回転変位量に相当する噛合伝達誤差を示し、φ1は出力歯車22側からみたカウンタドリブンギヤ60のコンプライアンスを示し、φ2はカウンタドリブンギヤ60側からみた出力歯車22のコンプライアンスを示し、TFは伝達関数(伝達感度)を示している。
N=TE×{1/(φ1+φ2)}×TF・・・・(1)
上記噛合伝達誤差TEは、出力歯車22およびカウンタドリブンギヤ60の歯面に形成される微小な形状誤差に起因して生じる回転変位量であり、噛合伝達誤差TEが大きくなるに従ってギヤノイズが大きくなる。また、コンプライアンスφ1とコンプライアンスφ2との和の逆数{=1/(φ1+φ2)}が動剛性に対応し、噛合伝達誤差TEとその動剛性{=1/(φ1+φ2)}との積でギヤノイズの強制力が求められ、この強制力と伝達関数TFとの積でギヤノイズNが求められる。
本実施例では、式(1)に示す動剛性{=1/(φ1+φ2)}を、歯車の外周部77(図2参照)の剛性(強度)を変化させることによって変化させ、それに伴って歯車の振動特性を複雑に変化させることによってギヤノイズNを低減する。例えば同じ動剛性が繰り返されると、歯車の噛合点が変化しても振動特性が変化しないため、例えばケース30表面などの共振周波数が一致した場合、常に振動増幅が繰り返されることとなりギヤノイズが大きくなる。これに対して、動剛性が複雑に変化すると、歯車の噛み合う位置に応じて振動特性が複雑に変化するため、振動増幅が抑制されてギヤノイズNが低減される。本実施例では、一例として、カウンタドリブンギヤ60(本発明の噛合歯車に対応)を、図2に示す形状とすることによって、カウンタドリブンギヤ60の噛合点の剛性(強度)を変化させ、結果として、出力歯車22との噛合点に対する動剛性を変化させる(すなわち振動特性を変化させる)ことで、ギヤノイズNを低減する。なお、動剛性とは、動的な変位・変形との関係で表される剛性であり、静的な変位・変形との関係で表される剛性(静剛性)とは、厳密には相違する。しかしながら、剛性と動剛性とは一対一の関係にもあるため、本実施例では、剛性は動剛性の概念を含むものとする。また、本発明の強度とは、剛性および動剛性を含む概念に対応している。
図2に示すカウンタドリブンギヤ60において、その外周部77には、出力軸22の斜歯である外周歯と噛み合う斜歯の外周歯78が形成されている。また、外周歯78が斜歯で形成されていることから、外周歯78が出力歯車22の外周歯と噛み合うと、径方向、接線方向、および軸方向の3方向に力がかかり、微小な撓み(変位)が生じる。
また、カウンタドリブンギヤ60の円板状のディスク部80には、貫通孔82が周方向に等角度間隔で3個形成されている。貫通孔82は、それぞれ周方向の両端に形成されている円形の穴部84と、周方向において中央部に位置され両端の穴部84を連結するように形成されているスリット状のスリット部86とで形成されている。ここで、貫通孔82の周方向の端部である穴部84に対応する外周部77の剛性(強度)が、貫通孔82の周方向の中央部であるスリット部86に対応する外周部77の剛性(強度)に比べて弱くなるように、貫通孔82の形状が貫通孔82の端部と中央部とで異なっている。具体的には、穴部84の直径w2は、スリット部86の径方向の幅寸法w1(スリット幅)よりも大きく形成されている。上記のように貫通孔82が形成されることで、貫通孔82の周方向の端部である穴部84に対応する外周部77の剛性が、貫通孔82の周方向の中央部であるスリット部86に対応する外周部77の剛性に比べて弱くなる。なお、ディスク部80の周方向において貫通孔82が形成されていない部位である図2に示す柱部87の外周側に形成されている外周部77の剛性は、貫通孔82が形成されている部分に対応する外周部77の剛性よりも高くなる。なお、穴部84が、本発明の貫通孔の周方向の端部に対応し、スリット部86が本発明の貫通孔の周方向の中央部に対応し、穴部84の直径w2が、本発明の貫通孔の周方向において端部の径方向の隙間に対応し、スリット部86の径方向の幅寸法w1が、本発明の貫通孔の周方向において中央部の径方向の隙間に対応している。
なお、貫通孔82の穴部84は、例えばカウンタドリブンギヤ60の焼入れ加工前にドリルによって形成され、スリット部86は、カウンタドリブンギヤ60の焼入れ加工後にレーザー加工や放電加工によって形成される。また、貫通孔82は周方向に3個形成されているが、貫通孔82の数は奇数個形成されるのが好ましい。貫通孔82が奇数個形成されると、カウンタドリブンギヤ60の軸方向における弾性変形が低減され、カウンタドリブンギヤ60の固有振動モードの励起が抑制されることとなる。
図3は、カウンタドリブンギヤ60の外周部77の剛性と回転角(周方向位置)との関係を示している。なお、図3の回転角0°の位置は、図2に示す0°の位置に対応しており、その0°の位置から時計方向に変化した位置での外周部77の剛性を示している。例えば0°の位置(柱部87)では、貫通孔82が形成されてないため、外周部77の剛性が最も高くなる(剛性高)。そして、0°の位置より所定角度だけ変化した位置(貫通孔82の端部)では、穴部84が形成されていることに起因して、穴部84の外周側に形成されている外周部77の剛性が最も低くなる(剛性低)。さらに所定角度だけ変化した位置(貫通孔82中央部)では、スリット部86が形成されていることに起因して、その外周側に形成されている外周部77の剛性が、穴部84の外周側に形成されている外周部77の剛性よりも高くなる(剛性中)。すなわち、穴部84の径方向の隙間に対応する直径w2が、スリット部86の径方向の隙間に対応する幅寸法w1よりも大きいことから、穴部84の外周側に形成されている外周部77の剛性が、スリット部86の外周側に形成されている外周部77の剛性よりも低くなる。このように、カウンタドリブンギヤ60では、貫通孔82の形状が周方向(回転方向)に変化するため、カウンタドリブンギヤ60の外周部77の剛性が、図3に示すように複雑(剛性高、剛性低、剛性中、剛性低、剛性高・・・)に変化する。
上記のように、カウンタドリブンギヤ60の外周部77の剛性が複雑に変化すると、式(1)に基づいて、カウンタドリブンギヤ60の動力を伝達する噛合点が変化するに従って、カウンタドリブンギヤ60の振動特性が複雑に変化することとなる。
図4は、上記のようにカウンタドリブンギヤ60が構成される場合に検出されるギヤノイズを実験的に検出した結果を示している。図4において、横軸は噛合一次の周波数を示しており、縦軸は噛合部近傍の所定の位置に設置されたマイクロフォンによって検出されるギヤノイズに対応する放射音(dB)を示している。また、細実線が貫通孔82が形成されている場合(本実施例)の放射音を示しており、太一点鎖線が比較対象として貫通孔82が形成されていない場合(貫通孔無し)の放射音を示している。図4に示すように、本実施例の貫通孔82が形成されている場合、ほぼ全ての周波数領域において、放射音が低減されている。すなわち、貫通孔82が形成されることによって、ギヤノイズの低減効果が得られることが確認された。
これは、カウンタドリブンギヤ60の回転に伴って、出力歯車22の外周歯と噛み合う外周歯78が変化するに従い、カウンタドリブンギヤ60の振動特性が複雑に変化するため、例えばケース30表面等の共振による振動増幅が抑制されるなどの効果が得られるためである。なお、振動特性が変化しない場合には、共振による振動増幅が繰り返し発生しやすくなるため、ギヤノイズが大きくなる。上記より、カウンタドリブンギヤ60に貫通孔82が形成されることで、外周部77の剛性が複雑に変化するに従い、振動特性も同様に複雑に変化するため、カウンタドリブンギヤ60の噛合点で発生するギヤノイズが効果的に抑制されることとなる。
上述のように、本実施例によれば、外周部77の貫通孔82の周方向の端部(穴部84)に対応する部分の剛性(強度)が、その貫通孔82の周方向の中央部(スリット部86)に対応する部分の剛性に比べて弱くなるように、その貫通孔82の形状が、その貫通孔82の端部(穴部84)と中央部(スリット部86)とで異なっている。このようにすれば、外周部77の貫通孔82が形成されない部分(柱部87)の剛性が最も強くなり、それに隣接する貫通孔82の穴部84に対応する部分の剛性が急激に低下する。また、外周部77の貫通孔82のスリット部86に対応する部分では、貫通孔82の端部に比べるとその剛性が高くなる。このように、外周部77の剛性が、周方向に変化するに従って、高い部分から急激に低くなり、再び剛性が所定の値まで上昇し、さらに急激に低くなるなど、外周部77の剛性が周方向の変化に応じて複雑に変化し、その剛性変化に従ってカウンタドリブンギヤ60の振動特性が複雑に変化する。上記より、カウンタドリブンギヤ60の振動特性が、外周部77の剛性変化に応じて複雑に変化するため、歯車を収容するケース30表面等で生じる振動増幅が抑制されるなどしてギヤノイズが効果的に抑制される。
また、本実施例によれば、貫通孔82の周方向において端部(穴部84)の径方向の隙間(直径w2)は、その貫通孔82の周方向において中央部(スリット部86)の径方向の隙間(幅寸法w1)よりも大きく形成されている。このように貫通孔84が形成されると、ディスク部80の周方向において貫通孔82が形成されない柱部87の外周側に形成されている外周部77の剛性が最も高くなり(剛性高)、次いで貫通孔82のスリット部86の外周側に形成されている外周部77の剛性が高くなり(剛性中)、貫通孔82の穴部84の外周側に形成されている外周部77の剛性が最も低くなる(剛性低)。したがって、カウンタドリブンギヤ60の外周部77の剛性が、周方向に変化するに従って、剛性高、剛性低、剛性中、剛性低、剛性高・・と複雑に変化するため、カウンタドリブンギヤ60の噛合時の振動特性が複雑に変化し、ギヤノイズが効果的に抑制される。
また、本実施例によれば、貫通孔82は、奇数個形成されているため、ディスク部80の軸方向への弾性変形が低減されるに従い、固有振動モードが励起されにくくなり、ギヤノイズが抑制される。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施例である、本発明の噛合歯車に対応するカウンタドリブンギヤ100(噛合歯車)の形状を示している。カウンタドリブンギヤ100のディスク部102には、周方向に等角度間隔に貫通孔104が3個(奇数個)形成されている。また、カウンタドリブンギヤ100の外周部105には、出力歯車22と噛み合う斜歯の外周歯110が形成されている。
貫通孔104は、その周方向の中央部に形成されている内周側スリット孔106と、その内周側スリット孔106の周方向の両端部に形成されている外周側スリット孔108とで形成されている。図5に示すように、貫通孔104の両端に形成されている外周側スリット孔108は、貫通孔104の周方向の中央部に形成されている内周側スリット孔106よりも、径方向において外周側(すなわち、外周部105に近い側)に形成されており、貫通孔104の形成位置が貫通孔の端部と中央部とで異なっている。なお、内周側スリット孔106が、本発明の貫通孔の周方向において中央部の孔に対応しており、外周側スリット孔108が、本発明の貫通孔の周方向において端部の孔に対応している。
上記のようにカウンタドリブンギヤ100が構成されると、カウンタドリブンギヤ100の周方向において貫通孔104が形成されない部位である図5に示す柱部111の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も高くなる。また、カウンタドリブンギヤ100の外周部105の剛性(動剛性を含む)は、その外周部105に近い位置(すなわち外周側)にスリット孔が形成されるに従って低下することが知られている。すなわち、外周側スリット孔108の外周側に形成されている外周部105の剛性(動剛性)は、内周側スリット孔106の外周側に形成されている外周部105の剛性(動剛性)に比べて低くなる。したがって、カウンタドリブンギヤ100において、柱部111の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も高く(剛性高)、次いで内周側スリット孔106の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も高く(剛性中)、外周側スリット孔108の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も低くなる(剛性低)。これより、カウンタドリブンギヤ100の外周部105の剛性が、周方向に変化するに従って、剛性高、剛性低、剛性中、剛性低、剛性高・・と複雑に変化し、それ応じて動剛性が周方向に複雑に変化するように構成されている。
上記より、カウンタドリブンギヤ100が回転すると、カウンタドリブンギヤ100の動力を伝達する噛合点(外周部105)が変化するに従って剛性(動剛性)が複雑に変化するため、振動特性が複雑に変化する。したがって、カウンタドリブンギヤ100の噛合時の振動特性が複雑に変化するため、例えばケース30等で生じる振動増幅が抑制されるなどして、ギヤノイズが抑制される。
上述のように、本実施例によれば、貫通孔104の周方向において端部の孔(外周側スリット孔108)は、その貫通孔104の周方向において中央部の孔(内周側スリット孔106)よりも外周側に形成されている。このように貫通孔104が形成されると、ディスク部の周方向において貫通孔104が形成されない柱部111の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も高くなり(剛性高)、次いで貫通孔82の内周側スリット孔106の外周側に形成されている外周部105の剛性が高くなり(剛性中)、貫通孔104の外周側スリット部108の外周側に形成されている外周部105の剛性が最も低くなる。したがって、カウンタドリブンギヤ100の外周部105の剛性が、周方向に変化するに従って、剛性高、剛性低、剛性中、剛性低、剛性高・・・と複雑に変化するため、カウンタドリブンギヤ100の噛合時の振動特性が複雑に変化し、ギヤノイズが効果的に抑制される。
図6は、本発明の他の実施例であるカウンタドリブンギヤ130(噛合歯車)の形状を示している。カウンタドリブンギヤ130のディスク部132には、周方向に等角度間隔にスリット孔134が3個(奇数個)形成されている。本実施例のスリット孔134は、スリット孔134においてその溝の深さhが周方向に変化するように形成されている。また、カウンタドリブンギヤ130の外周部135には、斜歯である外周歯136が形成されている。
図6のカウンタドリブンギヤ130のスリット孔134を矢印A側からみた断面を図7に示す。図7に示すように、スリット孔134は、周方向にその溝深さhが変化するように形成されている。具体的には、スリット孔134の周方向において中央部の溝深さh1が浅く、周方向において端部側の溝深さh2は、中央部の溝深さh1よりも深くなるように形成されている。
上記のようにカウンタドリブンギヤ130が構成されると、スリット孔134の溝深さhが深くなるに従って、そのスリット孔134の外周側に形成されている外周部135の剛性が低くなる。具体的には、スリット孔134の端部では、溝深さh(=h2)が最も深いことから、その端部の外周側に形成されている外周部135の剛性が最も低くなる。また、スリット孔134の中央部側では、溝深さh1が端部部の溝深さh2よりも浅いため、スリット孔134の中央部の外周側に形成されている外周部135の剛性は、スリット孔134の端部部の外周側に形成されている外周部135の剛性よりも高くなる。したがって、カウンタドリブンギヤ130において、スリット孔134が形成されない部位である図6に示す柱部138の外周側に形成されている外周部135の剛性が最も高く(剛性高)、次いでスリット孔134の周方向において中央部の外周側に形成されている外周部135の剛性が高く(剛性中)、スリット孔134の周方向において端部部の外周側に形成されている外周部135の剛性が最も低くなる(剛性低)。これより、カウンタドリブンギヤ130の外周部135の剛性が、周方向に変化するに従って、剛性高、剛性低、剛性中、剛性低、剛性高・・と複雑に変化するように構成されている。
上記より、カウンタドリブンギヤ130が回転すると、カウンタドリブンギヤ130の動力を伝達する噛合点(外周部135)が回転に応じて変化するに従って、剛性が複雑に変化するため、噛合時の振動特性が複雑に変化する。したがって、カウンタドリブンギヤ130の噛合時の振動特性が複雑に変化するため、例えばケース30等で生じる振動増幅が抑制されるなどして、ギヤノイズが抑制される。
上述のように、本実施例によれば、外周部105のスリット孔134の端部に対応する部分の剛性が、スリット孔134の中央部に対応する部分の剛性に比べて弱くなるように、スリット孔134の周方向端部の溝の深さh2が、スリット孔134の周方向中央部の溝の深さh1よりも深く形成される。このようにすれば、外周部135のスリット孔134が形成されない部分の剛性が最も高くなり、それに隣接するスリット孔134の端部に対応する部分の剛性が急激に低下する。また、外周部135のスリット孔134の中央部に対応する部分では、スリット孔134の端部に比べるとその剛性が高くなる。このように、カウンタドリブンギヤ130の外周部135の剛性が、周方向に変化するに従って、高い部分から急激低下し、再び剛性が上昇してさらに急激に低下するなど、外周部135の剛性が複雑に変化し、その剛性変化に応じてカウンタドリブンギヤ130の振動特性が複雑に変化する。上記より、カウンタドリブンギヤ130の振動特性が、外周部135の剛性変化に応じて複雑に変化するため、カウンタドリブンギヤ130等を収容するケース30表面等で生じる振動増幅が抑制されるなどしてギヤノイズが効果的に抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、出力歯車22(カウンタドライブギヤ)と噛み合うカウンタドリブンギヤ60、100、130に本発明が適用されているが、本発明は、カウンタドリブンギヤに限定されるものではなく、例えばファイナルドライブギヤなどの他の歯車との噛合部に適用されても構わない。
また、前述の実施例では、例えばカウンタドリブンギヤ60、100に貫通孔82、104が等角度間隔に3個形成されているが、必ずしも3個に限定されず、例えば5個形成されるなど自由に変更することができる。また、必ずしも等角度間隔に限定されない。さらに、貫通孔82、104は、奇数個形成されることが好ましいが、偶数個形成されても構わない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ130にスリット孔134が等角度間隔に3個形成されているが、必ずしも3個に限定されず、例えば5個形成されるなど、自由に変更することができる。また、必ずしも等角度間隔に限定されない。さらに、スリット孔134は、奇数個形成されることが好ましいが、偶数個形成されても構わない。
また、前述の実施例では、ハイブリッド車両の動力伝達装置10が一例とされているが、必ずしもハイブリッド車両に限定されるものではなく、例えば自動変速機など、本発明は、歯車による動力伝達が為される動力伝達装置であれば、自由に適用することができる。
また、前述の実施例では、例えばカウンタドリブンギヤ60、100、130では、剛性の変化が三段階(剛性高、剛性中、剛性低)に変化するものであったが、剛性が例えば4段階などさらに多段階に変化するものであっても構わない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ60、100において、貫通孔82、104の形状がそれぞれ同じ形状に形成されているが、貫通孔82、104は必ずしもそれぞれ同じ形状に形成する必要はなく、貫通孔毎に異なる形状に形成されても構わない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ60において、貫通孔82の周方向の両端の隙間を中央部の隙間よりも大きく形成するため、貫通孔82の周方向の両端には、スリット部86のスリット幅w1よりも大径である円形の穴部84が形成されているが、穴部84はその隙間がスリット部86のスリット幅w1よりも大径であれば足り、その形状は必ずしも円形に限定されない。例えば楕円形状、長方形形状、三角形状など他の形状であってもスリット幅w1よりも大径の隙間を有するものであれば、特に限定されない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ60において、両端の穴部84はそれぞれ円形で同じ形状となっているが、必ずしも両端の穴部84を左右同じ形状にする必要はなく、異なる形状や大きさとしても構わない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ60において、スリット部86のスリット幅w1は周方向に一定に形成されているが、前記スリット幅w1は必ずしも周方向に一定に形成される必要はなく、スリット幅w1が周方向に変化するものであっても構わない。例えば、貫通孔82において周方向の両端に向かうに従って、スリット幅w1が拡大される形状であっても構わない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ100において、貫通孔104は、内周側スリット孔106の両端に外周側スリット部108が連結された形に形成されているが、前記貫通孔104の形状は一例であって、適宜変更しても構わない。例えば、貫通孔104がジグザグ状に形成されるなど、貫通孔104と噛合点との径方向の距離が、貫通孔104の周方向の変化に応じて変化する形状であれば、特に限定されない。
また、前述の実施例では、カウンタドリブンギヤ130において、スリット孔134は、いずれの部位においても貫通していないが、例えばスリット孔134の周方向の端部部が貫通しているなど、一部貫通した形状であっても構わない。また、スリット孔134の溝深さhは、二段階に設定されているが、それ以上に変化するものであっても構わない。
また、前述の各実施例を矛盾のない範囲において適宜組合せて使用しても構わない。例えば、カウンタドリブンギヤ60の貫通孔82を全て貫通させずに、一部を貫通させないことで、剛性を変化させても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
60、100、130:カウンタドリブンギヤ(噛合歯車)
77、105、135:外周部
78、110、136:外周歯
80、102、132:ディスク部
82、104:貫通孔
134:スリット孔

Claims (5)

  1. 周方向に貫通孔が複数個形成されているディスク部と、該ディスク部の外周側において外周歯が形成されている外周部とを、備える車両の噛合歯車であって、
    前記外周部の前記貫通孔の周方向の端部に対応する部分の強度が、該貫通孔の周方向の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、該貫通孔の形状および径方向の形成位置の少なくとも一方が、該貫通孔の端部と中央部とで異なっていることを特徴とする車両の噛合歯車。
  2. 前記貫通孔の周方向において端部の径方向の隙間は、該貫通孔の周方向において中央部の径方向の隙間よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1の車両の噛合歯車。
  3. 前記貫通孔の周方向において端部の孔は、該貫通孔の周方向において中央部の孔よりも外周側に形成されていることを特徴とする請求項1の車両の噛合歯車。
  4. 周方向にスリット孔が複数個形成されているディスク部と、該ディスク部の外周側において外周歯が形成されている外周部とを、備える車両の噛合歯車であって、
    前記外周部の前記スリット孔の端部に対応する部分の強度が、該スリット孔の中央部に対応する部分の強度に比べて弱くなるように、該スリット孔の周方向端部の溝の深さが、該スリット孔の周方向中央部の溝の深さよりも深く形成されていることを特徴とする車両の噛合歯車。
  5. 前記貫通孔またはスリット孔は、奇数個形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の車両の噛合歯車。
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