JP2021152368A - トルクベクタリング装置 - Google Patents

トルクベクタリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021152368A
JP2021152368A JP2020052147A JP2020052147A JP2021152368A JP 2021152368 A JP2021152368 A JP 2021152368A JP 2020052147 A JP2020052147 A JP 2020052147A JP 2020052147 A JP2020052147 A JP 2020052147A JP 2021152368 A JP2021152368 A JP 2021152368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
torque
pinion
drive shaft
pinion gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020052147A
Other languages
English (en)
Inventor
宏 磯野
Hiroshi Isono
宏 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020052147A priority Critical patent/JP2021152368A/ja
Publication of JP2021152368A publication Critical patent/JP2021152368A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】車両への搭載が容易なトルクベクタリング装置を提供することを目的とする。【解決手段】第1リングギヤ13と、第1リングギヤ13に噛み合う第1ピニオンギヤ14と、第1ピニオンギヤ14に一体化された第2ピニオンギヤ15および第3ピニオンギヤ16と、それらのピニオンギヤ14,15,16を保持するキャリヤ19と、第2ピニオンギヤ15に噛み合いかつ第1駆動軸17にトルクを伝達する第2リングギヤ20と、第3ピニオンギヤ16に噛み合いかつ第2駆動軸18にトルクを伝達する第3リングギヤ21とにより構成された差動機構10を備え、第1ピニオンギヤ14に噛み合いかつアクチュエータ24からトルクが伝達されるサンギヤ22を更に備え、第2ピニオンギヤ15と第2リングギヤ20とのギヤ比と、第3ピニオンギヤ16と第3リングギヤ21とのギヤ比とが、互いに異なっている。【選択図】図1

Description

この発明は、左右の駆動軸に伝達するトルクの配分(分配率)を積極的に制御するトルクベクタリング装置に関するものである。
特許文献1には、車両に搭載される駆動歯車装置の一例が記載されている。この特許文献1に記載された駆動歯車装置は、いわゆるトルクベクタリング装置であり、駆動力源の出力トルクを左右の駆動輪に分配して伝達する差動機構、および差動機構から左右の駆動輪へ伝達するトルクの分配率を制御する制御用(差動用)モータを備えている。差動機構は、二組のシングルピニオン型の遊星歯車機構から構成されている。この特許文献1の「図1」に示されている例では、二組の遊星歯車機構における各サンギヤが入力要素となり、各キャリアが出力要素となり、各リングギヤが反力要素となっている。具体的には、二組の遊星歯車機構における各サンギヤが、結合軸によって互いに連結されている。結合軸の中央部分には入力ギヤが設けられており、駆動力源からトルクが伝達される。各キャリアには、それぞれ、駆動軸(出力軸)を介して左右の駆動輪が連結されている。そして、左右のリングギヤが、反転機構(逆回転部材)を介して互いに連結されている。また、一方のリングギヤには、制御用モータがトルク伝達可能に連結されている。反転機構は、第1歯車部材と第2歯車部材とから構成されている。第1歯車部材は、一方のリングギヤの外周部に形成された外歯ギヤと噛み合う第1ピニオン、軸部材、および第2ピニオンを有している。軸部材の両端に、それぞれ、第1ピニオンおよび第2ピニオンが取り付けられている。同様に、第2歯車部材は、他方のリングギヤの外周部に形成された外歯ギヤと噛み合う第1ピニオン、軸部材、および第2ピニオンを有している。軸部材の両端に、それぞれ、第1ピニオンおよび第2ピニオンが取り付けられている。そして、第1歯車部材の第2ピニオンと第2歯車部材の第2ピニオンとが噛み合っている。したがって、反転機構は、左右のリングギヤの間で、一方のリングギヤに入力される制御用モータのトルクを、その回転方向を反転させて他方のリングギヤへ伝達する。
なお、上記の特許文献1の「図19」に示されている例では、二組の遊星歯車機構における各リングギヤが入力要素となり、各キャリアが出力要素となり、各サンギヤが反力要素となっている。具体的には、二組の遊星歯車機構における各リングギヤが、結合部材によってトルク伝達可能に連結されている。結合部材は、一方のリングギヤの外周部に形成された外歯ギヤと噛み合う第1ピニオン、他方のリングギヤの外周部に形成された外歯ギヤと噛み合う第2ピニオン、および軸部材を有している。軸部材の両端に、それぞれ、第1ピニオンおよび第2ピニオンが取り付けられている。また、一方のリングギヤの外歯ギヤには、駆動力源からのトルクが伝達される駆動ギヤが噛み合っている。各キャリアには、それぞれ、駆動軸(出力軸)を介して左右の駆動輪が連結されている。そして、各サンギヤが、上記のような結合軸の代わりに、逆回転モータユニットを介して互いに連結されている。逆回転モータユニットは、モータと歯車機構とから構成されている。モータのロータ軸の一方の端部が、逆回転モータユニットにおける第1出力軸を形成している。ロータ軸の他方の端部にはピニオンが取り付けられており、歯車機構の第1カウンタギヤと噛み合っている。第1カウンタギヤは、カウンタギヤ軸の一方の端部に取り付けられている。カウンタギヤ軸の他方の端部には、第2カウンタギヤが取り付けられている。第2カウンタギヤは、逆回転モータユニットにおける第2出力軸が形成された回転部材の内歯ギヤと噛み合っている。第1出力軸および第2出力軸は同軸上に配置されている。第1出力軸は、一方のサンギヤに連結されている。第2出力軸は、他方のサンギヤに連結されている。したがって、逆回転モータユニットは、左右のサンギヤの間で、一方のサンギヤに入力されるモータのトルクを、その回転方向を反転させて他方のサンギヤへ伝達する。すなわち、逆回転モータユニットは、上記のような制御用モータおよび反転機構として機能する。
特許第6122119号
上記の特許文献1に記載された駆動歯車装置は、トルクベクタリング装置として車両に搭載することを想定している。車両への搭載を容易にするためには、装置の体格をできる限り小型化することが望ましい。特許文献1の「図1」に示されている例では、反転機構が左右の遊星歯車機構における各リングギヤの外周側に配置されている。また、制御用(差動用)モータも各リングギヤの外周側に配置されている。そのため、装置の径方向に体格が増大してしまう。それに対して、例えば、制御用モータとリングギヤとの間により減速比が大きい減速機構を設ければ、制御用モータを小型化できる。あるいは、制御用または差動用のより大きなトルクを得ることができる。しかしながら、新たに減速機構を設けることによって、結局、装置の体格が増大してしまうおそれがある。
一方、特許文献1の「図19」に示されている例では、反転機構と制御モータとを兼ねる逆回転モータユニットが、左右の遊星歯車機構における各サンギヤの間に配置されている。そのため、上記の特許文献1の「図1」に示されている例と比較して、装置の径方向への大型化を抑制できる可能性がある。しかしながら、径方向への大型化を抑制しつつ、逆回転モータユニットを各サンギヤの間に配置することは容易ではない。逆回転モータユニットは、第1出力軸および第2出力軸とカウンタギヤ軸とが平行に配置された二軸構造であり、構造が複雑になっている。また、モータを小型化するため、あるいは、より大きなトルクを得るために、減速機構を設けると、更に構造が複雑になってしまう。その結果、例えば遊星歯車機構の外径の範囲内に逆回転モータユニットを収めることが困難になり、結局、装置の体格が増大してしまうおそれがある。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、装置の体格を小型化して、車両への搭載が容易なトルクベクタリング装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、動力源から動力トルクが入力される入力部材と、同軸上で左右に対向して配置され、互いに相対回転可能な第1駆動軸および第2駆動軸と、前記入力部材と前記第1駆動軸および前記第2駆動軸との間で、前記入力部材に入力された前記動力トルクを前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とに分配して伝達するとともに、前記第1駆動軸と前記第2駆動軸との差動回転が可能な差動機構と、前記差動機構に制御トルクを付与して前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とのうちの一方のトルクを増加させ、他方のトルクを減少させるアクチュエータとを備えたトルクベクタリング装置において、前記差動機構は、前記入力部材から前記動力トルクが伝達される内歯歯車の第1リングギヤと、前記第1リングギヤに噛み合う第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤに一体化された第2ピニオンギヤおよび第3ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤ、前記第2ピニオンギヤ、および前記第3ピニオンギヤを自転および公転可能に保持するキャリヤと、前記第2ピニオンギヤに噛み合いかつ前記第1駆動軸にトルクを伝達する第2リングギヤと、前記第3ピニオンギヤに噛み合いかつ前記第2駆動軸にトルクを伝達する第3リングギヤとにより構成され、前記第1ピニオンギヤに噛み合いかつ前記アクチュエータからトルクが伝達されるサンギヤを更に備え、前記第2ピニオンギヤおよび前記第2リングギヤを含む第1歯車列のギヤ比と、前記第3ピニオンギヤおよび前記第3リングギヤを含む第2歯車列のギヤ比とが、互いに異なっていることを特徴とするものである。
この発明のトルクベクタリング装置は、差動機構を備え、その差動機構は、一体化された第1ピニオンギヤ、第2ピニオンギヤ、および第3ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤに噛み合う第1リングギヤと、第2ピニオンギヤに噛み合う第2リングギヤと、第3ピニオンギヤに噛み合う第3リングギヤと、上記の各ピニオンギヤを自転および公転可能に保持するキャリヤとによって構成されている。したがって、差動機構を構成する各回転部材を同一の回転軸線上に配置することができる。さらに、上記の第1ピニオンギヤにサンギヤが噛み合い、そのサンギヤにアクチュエータからトルクを伝達するように構成され、そのようにサンギヤにアクチュエータからトルクを伝達することにより、第1駆動軸と第2駆動軸とのトルクを異ならせるトルクベクタリングとしての機能を奏するように構成されている。すなわち、トルクベクタリングとしての機能を奏するための構成部材も、上記差動機構と同一の回転軸線上に配置することができる。
また、差動機構は、第2ピニオンギヤおよび第2リングギヤを含む第1歯車列のギヤ比と、第3ピニオンギヤおよび第3リングギヤを含む第2歯車列のギヤ比とを異ならせることにより、入力部材から第1駆動軸と第2駆動軸とにトルクを伝達できるように構成されているため、差動回転を許容しつつ、各駆動軸にトルクを分配する差動機構の構成を簡素化することができる。
さらに、入力部材からトルクが伝達される第1リングギヤに第1ピニオンギヤを噛み合わせ、その第1ピニオンギヤにサンギヤを噛み合わせることにより、第1リングギヤ、キャリヤ、およびサンギヤによる遊星歯車機構が構成される。そのため、そのサンギヤに伝達されるトルクは、増幅されてキャリヤに伝達される。すなわち、トルク増幅機として機能する。したがって、第1駆動軸と第2駆動軸とのトルクを異ならせるためにアクチュエータに要求されるトルクを低減することができる。その結果、アクチュエータを小型化することができ、ひいてはトルクベクタリング装置を小型化することができる。
この発明のトルクベクタリング装置の一例を説明するための図である。 この発明のトルクベクタリング装置の他の例を説明するための図である。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
この発明の実施形態におけるトルクベクタリング装置を備えた駆動装置の一例を図1に示してある。図1に示す駆動装置1は、車両の駆動装置として設けられている。この駆動装置1は、駆動力源としてのモータ2を備えている。このモータ2は、従来知られている電気自動車やハイブリッド車両の駆動力源として設けられたモータと同様に構成することができ、例えば、永久磁石式の同期モータなどを採用することができる。また、駆動力源としてのモータ2は、図示しない駆動輪の回転数を増加させるための駆動トルクに加えて、駆動輪の回転数を低下させるための制動トルクを発生させることにより、駆動輪の運動エネルギーを電力に変換する発電機としての機能を備えていてもよい。なお、駆動力源は、上記のモータ2に限らず、エンジンなどの他の駆動力源であってもよい。
上記のモータ2が、駆動装置1を収容するハウジング3に取り付けられていて、そのモータ2の出力軸4は、ハウジング3の内部を貫通して設けられ、その出力軸4がハウジング3に嵌合する部分で、出力軸4が回転可能に支持されている。すなわち、出力軸4は、両端支持されている。その出力軸4の先端には、出力軸4に制動トルクを作用させるための制動装置5が設けられている。この制動装置5は、要は、駆動輪に制動トルクを作用させるためのものであって、摩擦式のブレーキ機構などにより構成することができる。なお、上記のモータ2や制動装置5が、この発明の実施形態における「動力源」に相当し、モータ2から出力されるトルクや、制動装置5によって発生させられる制動トルクが、この発明の実施形態における「動力トルク」に相当する。
モータ2の出力軸4の中央部分には、ピニオンギヤ6が一体回転するように取り付けられており、そのピニオンギヤ6には、カウンタドリブンギヤ7が噛み合っている。このカウンタドリブンギヤ7は、上記出力軸4と平行に配置されたカウンタシャフト8の一方側に一体回転可能に連結されている。また、カウンタドリブンギヤ7は、ピニオンギヤ6よりも大径に形成されている。すなわち、ピニオンギヤ6とカウンタドリブンギヤ7とにより減速ギヤ対が形成されている。そのため、出力軸4のトルクが増幅されてカウンタシャフト8に伝達される。なお、カウンタシャフト8の両端は、ハウジング3に回転可能に支持されている。
カウンタシャフト8の他方側には、カウンタドライブギヤ9が一体回転可能に連結され、そのカウンタドライブギヤ9に差動機構10が連結されている。具体的には、差動機構10を構成する各ギヤを収容するケース11に、外歯歯車であるリングギヤ12が一体に形成されていて、そのリングギヤ12がカウンタドライブギヤ9に噛み合っている。このリングギヤ12は、カウンタドライブギヤ9よりも大径に形成されている。すなわち、カウンタドライブギヤ9とリングギヤ12とにより減速ギヤ対が形成されている。そのため、カウンタシャフト8のトルクが増幅されてリングギヤ12に伝達される。言い換えると、モータ2のトルクや、制動装置5のトルクが二段階に増幅されてリングギヤ12に伝達される。なお、リングギヤ12が、この発明の実施形態における「入力部材」に相当する。
差動機構10は、ケース11の内面に形成された内歯歯車(以下、第1リングギヤと記す)13と、その第1リングギヤ13に噛み合う第1ピニオンギヤ14と、第1ピニオンギヤ14と一体に形成された第2ピニオンギヤ15および第3ピニオンギヤ16と、それらのピニオンギヤ14,15,16を自転可能に保持するとともに、後述するドライブシャフト17,18の回転軸線を中心として公転可能に保持するキャリヤ19と、第2ピニオンギヤ15に噛み合う第2リングギヤ20と、第3ピニオンギヤ16に噛み合う第3リングギヤ21とにより構成されている。すなわち、差動機構10を構成する各回転部材は、ドライブシャフト17,18の回転軸線を中心に自転し、または公転するように構成されている。つまり、一軸構造によって構成されている。なお、第1ピニオンギヤ14、第2ピニオンギヤ15、および第3ピニオンギヤ16のセットが、キャリヤ19の円周方向に所定の間隔を空けて複数配置されている。
また、ケース11の底部(図1における右側の壁面)側から順に第1ピニオンギヤ14、第2ピニオンギヤ15、および第3ピニオンギヤ16が形成されていて、第2ピニオンギヤ15の歯数は、第1ピニオンギヤ14の歯数よりも多く形成され、かつ第3ピニオンギヤ16の歯数は、第1ピニオンギヤ14の歯数よりも少なく形成されている。すなわち、第1ピニオンギヤ14の歯数を基準として、第2ピニオンギヤ15と第3ピニオンギヤ16との歯数を大小に設定してある。図1に示す例では、第1ピニオンギヤ14の歯数を「18」、第2ピニオンギヤ15の歯数を「19」、および第3ピニオンギヤ16の歯数を「17」に設定してある。
さらに、各リングギヤ13,20,21の歯数は、それぞれ同一に設定されるとともに、第1ピニオンギヤ14ないし第3ピニオンギヤ16の歯数よりも多く形成されている。図1に示す例では、それぞれのリングギヤ13,20,21の歯数を「72」に設定してある。すなわち、第1リングギヤ13および第1ピニオンギヤ14を含む歯車列のギヤ比と、第2リングギヤ20および第2ピニオンギヤ15を含む歯車列のギヤ比と、第3リングギヤ21および第3ピニオンギヤ16を含む歯車列のギヤ比とがそれぞれ異なっている。なお、第2リングギヤ20および第2ピニオンギヤ15を含む歯車列が、この発明の実施形態における「第1歯車列」に相当し、第3リングギヤ21および第3ピニオンギヤ16を含む歯車列が、この発明の実施形態における「第2歯車列」に相当する。
上記の第2リングギヤ20には、ケース11の開口部側(図1における左側)に向けて延出した円筒軸20aと、その円筒軸20aの開口端を閉じるように設けられた円板部20bとが一体化されている。すなわち、第2リングギヤ20と円筒軸20aと円板部20bとが一体に回転する。その円板部20bの回転中心に、一方のドライブシャフト(以下、左ドライブシャフトと記す)17を介して図示しない一方の駆動輪(以下、左駆動輪と記す)が連結されている。この左ドライブシャフト17は、ハウジング3に回転自在に支持されている。なお、左ドライブシャフト17が、この発明の実施形態における「第1駆動軸」に相当する。
同様に、第3リングギヤ21には、ケース11の開口部側(図1における左側)に向けて延出した円筒軸21aと、その円筒軸21aの開口端を閉じるように設けられた円板部21bとが一体化されている。すなわち、第3リングギヤ21と円筒軸21aと円板部21bとが一体に回転する。その円板部21bの回転中心に、他方のドライブシャフト(以下、右ドライブシャフトと記す)18を介して図示しない他方の駆動輪(以下、右駆動輪と記す)が連結されている。この右ドライブシャフト18は、ハウジング3に回転自在に支持され、また、キャリヤ19を構成する一方のキャリヤプレートが、右ドライブシャフト18に回転自在に支持されている。この右ドライブシャフト18は、回転中心軸線が、左ドライブシャフト17の回転中心軸線と同軸となるように配置されており、また、左ドライブシャフト17とは反対方向に延出して設けられており、この右ドライブシャフト18が、この発明の実施形態における「第2駆動軸」に相当する。
上記の第1ピニオンギヤ14の内側(公転中心側)には、サンギヤ22が噛み合っている。このサンギヤ22には、ケース11の底面およびハウジング3を貫通するように回転軸23が一体に形成されている。この回転軸23は、サンギヤ22にトルクを作用させる制御モータ24のロータ軸であって、その先端に、制御モータ24のロータが一体回転するように連結されている。すなわち、制御モータ24も、上記差動機構10を構成する回転部材と同一の軸線を中心として回転するように構成されている。つまり、差動機構10および制御モータ24が一軸構造によって構成されている。なお、制御モータ24は、サンギヤ22に作用させるトルクを制御することができればよく、上記の駆動力源としてのモータ2と同様に永久磁石式の同期モータなどの交流モータによって構成してもよく、直流モータによって構成してもよい。この制御モータ24が、この発明の実施形態における「アクチュエータ」に相当する。
図1に示す例では、右ドライブシャフト18は、制御モータ24のケース24aを貫通して設けられており、そのケース24aに嵌合する部分で、回転自在に保持されている。また、回転軸23は、右ドライブシャフト18、ハウジング3、および制御モータ24のケース24aに回転自在に保持され、その回転軸23にケース11および他方のキャリヤプレートが回転自在に保持されている。
上述した駆動装置1は、車両が直進走行していることにより左右の駆動輪が同一の回転数で回転している場合には、第1ピニオンギヤ14に対して第2ピニオンギヤ15の歯数が多いことにより、ピニオンシャフトを介してキャリヤ19を一方向に回転させるようにトルクが作用する。それに対して、第1ピニオンギヤ14に対して第3ピニオンギヤ16の歯数が少ないことにより、ピニオンシャフトを介してキャリヤ19を他方向に回転させるようにトルクが作用する。言い換えると、第2ピニオンギヤ15および第2リングギヤ20のギヤ比と、第3ピニオンギヤ16および第3リングギヤ21のギヤ比とが異なっていることにより、キャリヤ19が、第1リングギヤ13から入力されたトルクを第2リングギヤ20および第3リングギヤ21に伝達するための反力要素として機能する。その結果、キャリヤ19は回転することなく、モータ2や制動装置5のトルクが、第2リングギヤ20および第3リングギヤ21に伝達される。その際に第2リングギヤ20に伝達されるトルクと、第3リングギヤ21に伝達されるトルクとは同一である。
それに対して、車両が旋回し始めるなどにより左右の駆動輪の回転数が異なり始めると、第2リングギヤ20と第3リングギヤ21との回転数の差を吸収するようにキャリヤ19が回転し始める。そして、左右の駆動輪の回転数の差が変化しなくなった時点でのキャリヤ19の回転数を維持する。そのように左右の駆動輪の回転数に差が生じた場合であっても、キャリヤ19が回転することにより、上記直進走行している場合と同様に、第2ピニオンギヤ15からキャリヤ19に作用するトルクと、第3ピニオンギヤ16からキャリヤ19に作用するトルクとは対抗し、かつ同一であることにより、差動機構10の入力要素となる第1リングギヤ13から、第2リングギヤ20と第3リングギヤ21とのそれぞれに同一の大きさのトルクが伝達される。
また、図1に示す駆動装置1は、左右の駆動輪に伝達するトルクを異ならせるトルクベクタリングとしての機能を備えている。このトルクベクタリングとしての機能は、キャリヤ19、各リングギヤ13,20,21、各ピニオンギヤ14,15,16、サンギヤ22、および制御モータ24により達成される。すなわち、キャリヤ19、各リングギヤ13,20,21、および各ピニオンギヤ14,15,16は、差動機構10の構成部材であるとともに、トルクベクタリング装置TVの構成部材となっている。つまり、上記差動機構10がトルクベクタリング装置TVを兼備している。
上述したように第2ピニオンギヤ15からキャリヤ19に作用するトルクと、第3ピニオンギヤ16からキャリヤ19に作用するトルクとは対抗し、かつ同一である場合に、キャリヤ19の回転数が維持されて、第2リングギヤ20と第3リングギヤ21とに同一のトルクが伝達される。言い換えると、キャリヤ19にトルクを入力することにより、第2リングギヤ20に一方向のトルクを作用させ、第3リングギヤ21に他方向のトルクを作用させることができる。
そのキャリヤ19と第2リングギヤ20との回転数比(減速比)は、以下の式(1)によって求めることができ、キャリヤ19と第3リングギヤ21との回転数比(減速比)は、以下の式(2)によって求めることができる。
R2=(1/(1−(zR1/zP1)×(zP2/zR2))) …(1)
R3=(1/(1−(zR1/zP1)×(zP3/zR3))) …(2)
なお、上式におけるzR1は、第1リングギヤ13の歯数を示し、zP1は、第1ピニオンギヤ14の歯数を示し、zR2は、第2リングギヤ20の歯数を示し、zP2は、第2ピニオンギヤ15の歯数を示し、zR3は、第3リングギヤ21の歯数を示し、zP3は、第3ピニオンギヤ16の歯数を示している。
したがって、図1に示す各ギヤの歯数を代入して求めると、キャリヤ19に対する第2リングギヤ20の減速比は、「18」となり、キャリヤ19に対する第3リングギヤ21の減速比は、「−18」となる。つまり、第2リングギヤ20と第3リングギヤ21とには、反対方向のトルクが伝達されることになる。すなわち、キャリヤ19から第2リングギヤ20に伝達されるトルクの向きと、差動機構10の入力要素である第1リングギヤ13から第2リングギヤ20に伝達されるトルクの向きとが同一となるように、キャリヤ19にトルクを入力することにより、左駆動輪のトルクを増加させ、右駆動輪のトルクを減少させることができ、それとは反対方向のトルクをキャリヤ19に入力することにより、左駆動輪のトルクを減少させ、右駆動輪のトルクを増加させることができる。つまり、トルクベクタリングとしての機能を奏することができる。
そのため、図1に示す例では、キャリヤ19にトルクを伝達し、またそのトルクの大きさや方向を制御するために、サンギヤ22を介して第1ピニオンギヤ14に制御モータ24が連結されている。すなわち、第1リングギヤ13、サンギヤ22、およびキャリヤ19によってシングルピニオン型の遊星歯車機構を構成している。このようにサンギヤ22を設けることにより、サンギヤ22が入力要素となり、第1リングギヤ13が反力要素となり、キャリヤ19が出力要素となる。
したがって、サンギヤ22に制御モータ24からトルクを伝達すると、キャリヤ19には、サンギヤ22のトルク、および第1リングギヤ13に対するサンギヤ22の歯数比(z/zR1)に応じたトルクが伝達される。具体的には、サンギヤ22のトルクをTsとすると、キャリヤ19には、(z/zR1+1)Tsで求められるトルクが入力される。図1に示す例では、サンギヤ22の歯数zは「36」であり、第1リングギヤ13の歯数zR1は「72」であるから、サンギヤ22のトルクの3倍のトルクがキャリヤ19に伝達される。すなわち、第1リングギヤ13、サンギヤ22、およびキャリヤ19によってトルク増幅機を構成しているため、制御モータ24から比較的小さなトルクを出力すれば、左右輪に要求されるトルク差を発生させることができる。
上述したように構成することにより、制御モータ24からキャリヤ19にトルクが増幅されて伝達され、また、キャリヤ19の回転数が減速されて第2リングギヤ20や第3リングギヤ21に伝達される。したがって、各ドライブシャフト17,18に伝達するトルクを異ならせるために要求される制御モータ24の出力トルクを小さくできる。すなわち、制御モータ24を小型化することができる。そのため、トルクベクタリング装置TVを小型化できる。
また、駆動力源としてのモータ2から各駆動輪にトルクを伝達するとともに、各駆動輪が差動回転できるように構成された差動機構の構成部材を、トルクベクタリングとして機能させるための構成部材として兼用することにより、より一層トルクベクタリング装置TVを小型化することができる。さらに、それらの構成部材は、ドライブシャフト17,18の回転軸線を中心として回転するように設けられている。すなわち、一軸構造となっている。そのため、トルクベクタリング装置を小型化できる。
図1に示す駆動装置は、駆動力源の回転軸線が車幅方向となるいわゆる横置きタイプの駆動装置であり、駆動力源と差動機構とを一体のユニットによって構成している。一方、この発明の実施形態におけるトルクベクタリング装置は、例えば、車両の前方に設けられた駆動力源からトルクが伝達され、左右の後輪の差動回転を許容しつつ、駆動力源のトルクを左右の後輪に伝達するように構成されていてもよい。図2は、その構成を説明するための図であり、 図2に示すトルクベクタリング装置TVは、入力部材25を備えている。入力部材25は、所定の駆動力源が出力するトルクが入力される。入力部材25は、後述する入力ギヤ26が設けられた回転軸であり、各ドライブシャフト17,18の回転軸線と直交する回転軸線方向で、駆動装置1のハウジング3に回転可能に支持されている。
入力部材25の一方(図2の下側)の端部には、入力ギヤ26が取り付けられている。図2に示す例では、入力ギヤ26は、後述するデファレンシャルリングギヤ27と噛み合う小径のかさ歯車である。入力ギヤ26には、入力部材25を介して駆動力源からトルクが伝達される。入力ギヤ26は、デファレンシャルリングギヤ27と噛み合っている。デファレンシャルリングギヤ27は、差動機構10のケース11の外周部分に設けられた大径のかさ歯車である。デファレンシャルリングギヤ27とケース11とは一体に回転する。入力ギヤ26およびデファレンシャルリングギヤ27は、例えば、ハイポイドギヤを用いて構成してもよい。なお、ケース11から、差動機構10を介して、左ドライブシャフト17および右ドライブシャフト18に至る構成は、図1で示した構成と同一である。
このように、図2に示すトルクベクタリング装置TVによれば、駆動力源と別体の、トルクベクタリング機能を有する差動装置を構成できる。したがって、例えば、既製の車両における従来の差動装置と入れ替えて、トルクベクタリング機能付きの差動装置として、トルクベクタリング装置TVを容易に車両に搭載することができる。
1 駆動装置
2 モータ
3 ハウジング
4 出力軸
5 制動装置
6 ピニオンギヤ
7 カウンタドリブンギヤ
8 カウンタシャフト
9 カウンタドライブギヤ
10 差動機構
11 ケース
12,13,20,21 リングギヤ
14,15,16 ピニオンギヤ
17 左ドライブシャフト
18 右ドライブシャフト
19 キャリヤ
22 サンギヤ
23 回転軸
24 制御モータ
25 入力部材
26 入力ギヤ
27 デファレンシャルリングギヤ
TV トルクベクタリング装置

Claims (1)

  1. 動力源から動力トルクが入力される入力部材と、同軸上で左右に対向して配置され、互いに相対回転可能な第1駆動軸および第2駆動軸と、前記入力部材と前記第1駆動軸および前記第2駆動軸との間で、前記入力部材に入力された前記動力トルクを前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とに分配して伝達するとともに、前記第1駆動軸と前記第2駆動軸との差動回転が可能な差動機構と、前記差動機構に制御トルクを付与して前記第1駆動軸と前記第2駆動軸とのうちの一方のトルクを増加させ、他方のトルクを減少させるアクチュエータとを備えたトルクベクタリング装置において、
    前記差動機構は、
    前記入力部材から前記動力トルクが伝達される内歯歯車の第1リングギヤと、前記第1リングギヤに噛み合う第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤに一体化された第2ピニオンギヤおよび第3ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤ、前記第2ピニオンギヤ、および前記第3ピニオンギヤを自転および公転可能に保持するキャリヤと、前記第2ピニオンギヤに噛み合いかつ前記第1駆動軸にトルクを伝達する第2リングギヤと、前記第3ピニオンギヤに噛み合いかつ前記第2駆動軸にトルクを伝達する第3リングギヤとにより構成され、
    前記第1ピニオンギヤに噛み合いかつ前記アクチュエータからトルクが伝達されるサンギヤを更に備え、
    前記第2ピニオンギヤおよび前記第2リングギヤを含む第1歯車列のギヤ比と、前記第3ピニオンギヤおよび前記第3リングギヤを含む第2歯車列のギヤ比とが、互いに異なっている
    ことを特徴とするトルクベクタリング装置。
JP2020052147A 2020-03-24 2020-03-24 トルクベクタリング装置 Pending JP2021152368A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052147A JP2021152368A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 トルクベクタリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052147A JP2021152368A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 トルクベクタリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021152368A true JP2021152368A (ja) 2021-09-30

Family

ID=77887312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020052147A Pending JP2021152368A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 トルクベクタリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021152368A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5664663B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2009291053A (ja) 駆動装置
JP2007139011A (ja) 車軸間トルク発生装置
US9353847B2 (en) Torque vectoring device
JP6571157B2 (ja) 動力配分装置
JP6445091B2 (ja) 動力装置
JP2015515581A (ja) 電気的に駆動される車両の駆動軸装置
JP5951410B2 (ja) 駆動力伝達装置
CN114198476B (zh) 差动装置
US20210062903A1 (en) Torque vectoring device
JP2021152368A (ja) トルクベクタリング装置
CN113446375B (zh) 扭矩矢量控制装置
JP2003291670A5 (ja)
US11460097B2 (en) Complex planetary gear unit
JP7435495B2 (ja) 車両用差動装置
JP5093601B2 (ja) ハイブリッド駆動装置
US11248693B2 (en) Vehicle gear
JP2012233511A (ja) 車両用駆動装置
JP2021156378A (ja) トルクベクタリング装置
JP2008190541A (ja) カップリング及びこれを用いた差動装置
JP2010188810A (ja) 車両用動力伝達装置
JP4857589B2 (ja) モータ動力伝達装置
JP2018179212A (ja) 歯車伝動装置
JP2019077304A (ja) ハイブリッド駆動装置
JP6888432B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置