JP2019077304A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド駆動装置の回転軸の軸数を低減し、小型・軽量化、および、コストダウンを図る。【解決手段】遊星歯車機構13のキャリア12に連結されたエンジン2と、サンギヤ10に連結された第1モータ3と、リングギヤ11に一体となって回転する出力ギヤ15と、出力ギヤ15と駆動軸6との間で回転数を減速してトルクを伝達する第1減速機構7と、第2モータ4と、第2モータ4に一体となって回転するモータ出力部材9と、モータ出力部材9と駆動軸6との間で回転数を減速してトルクを伝達する第2減速機構8とを備えたハイブリッド駆動装置1において、出力ギヤ15からトルクを受けて回転する従動ギヤ18と、モータ出力部材9からトルクを受けて回転するモータ従動部材26とを備え、従動ギヤ18とモータ従動部材26とを、駆動軸6と同一の回転軸線上に配置される従動軸21で一体に支持する。【選択図】図1
Description
この発明は、エンジンおよびモータの動力を、遊星歯車機構(動力分割機構)を介して駆動軸へ伝達するように構成されたハイブリッド駆動装置に関するものである。
特許文献1には、エンジン、ならびに、第1モータおよび第2モータを駆動力源とするハイブリッド駆動装置に関する発明が記載されている。この特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置は、遊星歯車機構を用いた動力分割機構を備えている。動力分割機構のキャリアには、ハイブリッド駆動装置の入力軸が連結されている。入力軸は、ダンパ機構を介してエンジンの出力軸と連結されている。動力分割機構のサンギヤには、第1モータのロータ軸が連結されている。動力分割機構のリングギヤは、リングギヤの外周部分に形成された外歯の出力ギヤと共に、出力部材を構成している。出力部材は、カウンタギヤ機構およびデファレンシャルギヤを介して、駆動軸に連結されている。また、第2モータのロータ軸が、カウンタギヤ機構およびデファレンシャルギヤを介して、駆動軸に連結されている。
上記のように、特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置では、エンジンおよび第1モータからのトルクが伝達される出力部材の回転数、および、第2モータのロータ軸の回転数を、それぞれ減速するためのカウンタギヤ機構が設けられている。カウンタギヤ機構は、大径の第1ギヤと小径の第2ギヤとを有しており、それらが一体となって回転するようにカウンタ軸によって支持されている。したがって、特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置は、入力軸(第1軸)、第2モータのロータ軸(第2軸)、および、駆動軸(第3軸)に加え、上記のカウンタ軸(第4軸)を有する四軸構成となっている。このように、回転軸の軸数が多くなると、ハイブリッド駆動装置の小型・軽量化、および、コストダウンを図る上で不利になってしまう。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、回転軸の軸数を低減し、小型・軽量化、および、コストダウンを図ることが可能なハイブリッド駆動装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、サンギヤ、リングギヤ、および、キャリアを有する遊星歯車機構と、前記キャリアに連結されたエンジンと、前記サンギヤに連結された第1モータと、前記リングギヤに一体となって回転する出力ギヤと、駆動軸と、前記出力ギヤと前記駆動軸との間で、前記出力ギヤの回転数を減速してトルクを伝達する第1減速機構と、第2モータと、前記第2モータのロータ軸に一体となって回転するモータ出力部材と、前記モータ出力部材と前記駆動軸との間で、前記モータ出力部材の回転数を減速してトルクを伝達する第2減速機構とを備えたハイブリッド駆動装置において、前記第1減速機構は、前記出力ギヤと対になり、前記出力ギヤからトルクを受けて回転する従動ギヤを有し、前記第2減速機構は、前記モータ出力部材と対になり、前記モータ出力部材からトルクを受けて回転するモータ従動部材を有し、前記従動ギヤと前記モータ従動部材とが、いずれも、前記駆動軸と同一の回転軸線上に配置される従動軸で支持されるとともに、互いに一体となって回転するように形成されていることを特徴とするものである。
なお、この発明における前記第2減速機構は、例えば、チェーン伝動機構で構成してもよい。すなわち、前記モータ出力部材は、前記第2モータのロータ軸に一体となって回転する出力スプロケットを含み、前記モータ従動部材は、前記出力スプロケットよりも大径の従動スプロケットを含み、前記出力スプロケットと前記従動スプロケットとの間でトルクを伝達するチェーンを備え、前記第2減速機構は、前記出力スプロケット、前記従動スプロケット、および、前記チェーンを有するチェーン伝動機構で構成することができる。
また、この発明における前記第2減速機構は、例えば、前記第1減速機構と同様に、歯車伝動機構で構成してもよい。すなわち、前記モータ出力部材は、前記第2モータのロータ軸に一体となって回転するモータ出力ギヤを含み、前記モータ従動部材は、前記モータ出力ギヤと噛み合い、前記モータ出力ギヤよりも大径のモータ従動ギヤを含み、前記第2減速機構は、前記モータ出力ギヤ、および、前記モータ従動ギヤを有する歯車伝動機構で構成することができる。
上記のように、この発明のハイブリッド駆動装置では、第1減速機構の従動ギヤおよび第2減速機構のモータ従動部材が、いずれも駆動軸と同一の回転軸線上に配置される。さらに、それら従動ギヤおよびモータ従動部材が、互いに一体となって回転するように形成される。例えば、第2減速機構をチェーン伝動機構で構成した場合、第1減速機構の従動ギヤと第2減速機構の従動スプロケットとが、一つの部材として一体に形成される。または、第1減速機構の従動ギヤと第2減速機構の従動スプロケットとが、組み合わされて一体化される。あるいは、第2減速機構を歯車伝動機構で構成した場合、第1減速機構の従動ギヤと第2減速機構のモータ従動ギヤとが、一つの部材として一体に形成される。または、第1減速機構の従動ギヤと第2減速機構のモータ従動ギヤとが、組み合わされて一体化される。このように、従動ギヤとモータ従動部材とが、互いに一体となって回転するように形成される。したがって、それら従動ギヤとモータ従動部材とは同一の回転軸、すなわち従動軸で支持される。要するに、一つの従動軸に従動ギヤおよびモータ従動部材が取り付けられる。あるいは、従動ギヤおよびモータ従動部材ならびに従動軸が一体に形成される。そして、それら従動ギヤおよびモータ従動部材に一体となって回転する従動軸は、駆動軸と同一の回転軸線上に配置される。
したがって、この発明のハイブリッド駆動装置は、駆動軸および上記のような従動ギヤとモータ従動部材とを一体に支持する従動軸、エンジンと第1モータとがそれぞれ連結される遊星歯車機構の回転軸、ならびに、第2モータおよびモータ出力部材の回転軸の三つの主要な回転軸を有する三軸構成となる。そのため、この発明のハイブリッド駆動装置によれば、ハイブリッド駆動装置の回転軸の軸数を低減し、ハイブリッド駆動装置の小型・軽量化、および、コストダウンを図ることができる。
この発明を、図を参照して具体的に説明する。この発明のハイブリッド駆動装置は、少なくともエンジンおよびモータを駆動力源とするハイブリッド車両に搭載される。したがって、この発明のハイブリッド駆動装置は、駆動力源としてエンジンおよびモータを備え、それら駆動力源が出力するトルクを駆動軸に伝達し、駆動力を発生させる。図1に、この発明で対象とすることのできるハイブリッド駆動装置の一例を示してある。図1に示すハイブリッド駆動装置1は、駆動力源として、エンジン(ENG)2、ならびに、第1モータ(MG1)3および第2モータ(MG2)4を備えている。さらに、ハイブリッド駆動装置1は、主要な構成要素として、動力分割機構5、駆動軸6、第1減速機構7、および、第2減速機構8を備えている。
エンジン2は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、出力の調整、ならびに、始動および停止などの作動状態が電気的に制御されるように構成されている。ガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量または噴射量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。ディーゼルエンジンであれば、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、あるいは、EGR[Exhaust Gas Recirculation]システムにおけるスロットルバルブの開度などが電気的に制御される。
第1モータ3は、エンジン2が出力するトルクを動力分割機構5を介して受けて駆動されることにより電気を発生する。すなわち、第1モータ3は、少なくとも、発電機としての機能を有している。それに加えて、第1モータ3は、電力が供給されることにより駆動されてトルクを出力する原動機としての機能を有していてもよい。すなわち、第1モータ3は、発電機能を有するモータ(いわゆる、モータ・ジェネレータ)であり、例えば、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されている。第1モータ3には、インバータ(図示せず)を介して、バッテリ(図示せず)が接続されている。したがって、第1モータ3を発電機として駆動し、その際に発生する電気をバッテリに蓄えることができる。また、バッテリに蓄えられている電気を第1モータ3に供給し、第1モータ3を原動機として駆動してトルクを出力することもできる。
第2モータ4は、電力が供給されることにより駆動されてトルクを出力する原動機としての機能を有している。それに加えて、第2モータ4は、外部からトルクを受けて駆動されることによって電気を発生する発電機としての機能を有していてもよい。すなわち、第2モータ4は、上記の第1モータ3と同様に、発電機能を有するモータ(いわゆる、モータ・ジェネレータ)であり、例えば、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されている。第2モータ4には、インバータ(図示せず)を介して、バッテリ(図示せず)が接続されている。したがって、バッテリに蓄えられている電気を第2モータ4に供給し、第2モータ4を原動機として駆動してトルクを出力することができる。また、後述するように、第2モータ4は、駆動軸6に対して動力伝達可能に連結されている。したがって、駆動輪16から伝達されるトルクによって第2モータ4を発電機として駆動し、その際に発生する回生電力をバッテリに蓄えることもできる。さらに、第1モータ3および第2モータ4は、インバータを介して、互いに電力の授受が可能なように接続されている。例えば、第1モータ3で発生した電気を、直接、第2モータ4に供給し、第2モータ4でトルクを出力することも可能である。
第2モータ4のロータ軸4aには、ロータ軸4aに一体となって回転するモータ出力部材9が取り付けられている。ロータ軸4aは、第2モータ4のロータ(図示せず)に一体となって回転する回転軸である。モータ出力部材9は、図1に示す例では、後述するチェーン伝動機構27の出力スプロケット28によって構成されている。
動力分割機構5は、サンギヤ10、リングギヤ11、および、キャリア12を有する遊星歯車機構13によって構成されている。図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構13が用いられている。すなわち、サンギヤ10に対して同心円上に、内歯車のリングギヤ11が配置されている。これらサンギヤ10とリングギヤ11とに噛み合っているピニオン14が、キャリア12によって自転および公転が可能なように保持されている。なお、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1の動力分割機構5は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構(図示せず)を用いて構成することも可能である。
動力分割機構5すなわち遊星歯車機構13は、エンジン2の出力軸2aと同一の回転軸線AL1上に配置されている。遊星歯車機構13のキャリア12に、エンジン2の出力軸2aが連結されている。具体的には、キャリア12には、このハイブリッド駆動装置1の入力軸1aが連結されている。その入力軸1aに、エンジン2の出力軸2aが連結されている。そして、遊星歯車機構13のサンギヤ10に、第1モータ3のロータ軸3aが連結されている。ロータ軸3aは、第1モータ3のロータ(図示せず)に一体となって回転する回転軸である。なお、図1に示す例では、上記のロータ軸3aが中空軸になっている。そして、ロータ軸3aの中空部分に、エンジン2の出力軸2aに連結した入力軸1a、または、入力軸1aに連結したエンジン2の出力軸2aが、相対回転可能なように挿入されている。
遊星歯車機構13のリングギヤ11の外周部分には、外歯車の出力ギヤ15が一体に形成されている。具体的には、図2に示すように、リングギヤ11は、円筒形状のリム部11aを有しており、リム部11aの内周部分に、内歯車のリングギヤ11が形成されている。そして、リム部11aの外周部分に、外歯車の出力ギヤ15が形成されている。図2に示す例では、リム部11aの回転軸線AL1方向(図2の左右方向)における一方(図2の右側)の端部に、リングギヤ11が形成されており、リム部11aの回転軸線AL1方向における他方(図2の左側)の端部に、出力ギヤ15が形成されている。出力ギヤ15は、後述する従動ギヤ18と共に第1減速機構7を構成している。
駆動軸6は、このハイブリッド駆動装置1の出力軸であり、駆動輪16が連結されている。駆動輪16は、駆動力源が出力するトルクが伝達されることにより、駆動力を発生する車輪である。図1に示す例では、駆動軸6および駆動輪16は、動力分割機構5(遊星歯車機構12)、ならびに、後述する、第1減速機構7、プラネタリ減速機構19、および、デファレンシャルギヤ20を介して、エンジン2および第1モータ3に連結されている。
第1減速機構7は、出力ギヤ15と駆動軸6との間で、出力ギヤ15の回転数を減速してトルクを伝達する。言い換えると、第1減速機構7は、出力ギヤ15のトルクを増幅して駆動軸6側(具体的には、後述するプラネタリ減速機構19のサンギヤ22)に伝達する。図1に示す例では、第1減速機構7は、歯車伝動機構17によって構成されている。歯車伝動機構17は、出力ギヤ15と従動ギヤ18とからなる歯車対である。具体的には、出力ギヤ15と従動ギヤ18とが噛み合っている。従動ギヤ18は、出力ギヤ15よりも大径の歯車である。したがって、従動ギヤ18は、出力ギヤ15と噛み合い、出力ギヤ15からトルクを受けて回転する。その場合、出力ギヤ15の回転数に対して従動ギヤ18の回転数が減速される。すなわち、従動ギヤ18は、出力ギヤ15と対になり、出力ギヤ15と共に第1減速機構7を構成している。そして、従動ギヤ18は、後述するように、第2減速機構8のモータ従動部材26(従動スプロケット29)と、互いに一体となって回転するように形成されている。
歯車伝動機構17すなわち第1減速機構7は、プラネタリ減速機構19、および、デファレンシャルギヤ20を介して、駆動軸6に連結されている。具体的には、第1減速機構7の従動ギヤ18は、従動ギヤ18を支持し、従動ギヤ18に一体となって回転する従動軸21を有している。従動軸21は、従動ギヤ18と一体に形成されている。あるいは、従動軸21に、従動ギヤ18が一体となるように取り付けられている。従動軸21は、駆動軸6と同一の回転軸線AL2上に配置されている。
プラネタリ減速機構19は、遊星歯車機構を用いた減速機構である。図1に示す例では、プラネタリ減速機構19は、サンギヤ22、リングギヤ23、および、キャリア24を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構25によって構成されている。プラネタリ減速機構19のサンギヤ22に、第1減速機構7の従動ギヤ18が連結されている。具体的には、従動ギヤ18と共に、サンギヤ22が従動軸21に一体となるように取り付けられている。あるいは、従動ギヤ18と共に、サンギヤ22が従動軸21と一体に形成されている。したがって、サンギヤ22と従動ギヤ18とは、互いに一体となって回転する。
プラネタリ減速機構19のキャリア24に、デファレンシャルギヤ20の入力ギヤ20aが連結されている。すなわち、キャリア24と入力ギヤ20aとが、互いに一体となって回転する。プラネタリ減速機構19のリングギヤ23は、回転不可能なように固定されている。例えば、リングギヤ23は、ハイブリッド駆動装置1のケース(図示せず)に固定されている。したがって、プラネタリ減速機構19は、サンギヤ22とキャリア24との間で、サンギヤ22の回転数を減速してトルクを伝達する。言い換えると、プラネタリ減速機構19は、サンギヤ22のトルクを増幅してキャリア24に伝達する。したがって、従動ギヤ18を介してサンギヤ22に伝達されたトルクは、プラネタリ減速機構19で増幅されて、デファレンシャルギヤ20に伝達される。
デファレンシャルギヤ20は、旋回時に左右の駆動輪16の回転差を吸収するための従来一般的な差動装置である。入力ギヤ20aは、一般的なデフリングギヤと同様に機能するデファレンシャルギヤ20の入力部材であって、デファレンシャルギヤ20のデフケース(図示せず)に一体となって回転する。したがって、プラネタリ減速機構19を介して入力ギヤ20aに伝達されたトルクは、デフケース、デフピニオン(図示せず)、および、サイドギヤ(図示せず)を介して、左右の駆動軸6に伝達される。なお、図1に示す例では、上記のように従動ギヤ18およびサンギヤ22を支持し、それら従動ギヤ18およびサンギヤ22に一体となって回転する従動軸21が中空軸になっている。そして、その従動軸21の中空部分に、デファレンシャルギヤ20から延び出る一方(図1の左側)の駆動軸6が、相対回転可能なように挿入されている。すなわち、従動軸21および駆動軸6は、互いに同一の回転軸線AL2上に配置されている。
第2減速機構8は、モータ出力部材9と駆動軸6との間で、モータ出力部材9の回転数を減速してトルクを伝達する。言い換えると、第2減速機構8は、モータ出力部材9のトルクを増幅して駆動軸6側に伝達する。具体的には、第2減速機構8は、モータ出力部材9すなわち第2モータ4のロータ軸4aのトルクを増幅して、モータ従動部材26およびプラネタリ減速機構19のサンギヤ22に伝達する。モータ出力部材9は、第2モータ4のロータ軸4aに取り付けられており、ロータ軸4aに一体となって回転する。
モータ従動部材26は、モータ出力部材9と対になり、モータ出力部材9からトルクを受けて回転する。その場合、モータ出力部材9の回転数に対してモータ従動部材26の回転数が減速されるように構成されている。したがって、モータ従動部材26は、モータ出力部材9と対になり、少なくとも、モータ出力部材9と共に第2減速機構8を構成している。そして、モータ従動部材26は、後述するように、第1減速機構7の従動ギヤ18と、互いに一体となって回転するように形成されている。
図1に示す例では、第2減速機構8は、チェーン伝動機構27によって構成されている。チェーン伝動機構27は、出力スプロケット28、従動スプロケット29、および、チェーン30を有している。出力スプロケット28は、第2モータ4のロータ軸4aに取り付けられており、ロータ軸4aに一体となって回転する。従動スプロケット29は、出力スプロケット28と対になり、出力スプロケット28からトルクを受けて回転する。チェーン30は、出力スプロケット28および従動スプロケット29に巻き掛けられ、それら出力スプロケット28と従動スプロケット29との間でトルクを伝達する。チェーン30は、例えば、ピンリンク(図示せず)およびローラリンク(図示せず)を組み合わせたローラチェーンによって構成されている。
したがって、出力スプロケット28により、モータ出力部材9が構成されている。また、従動スプロケット29により、モータ従動部材26が構成されている。従動スプロケット29は、出力スプロケット28よりも大径のスプロケットである。そのため、出力スプロケット28の回転数に対して従動スプロケット29の回転数が減速される。したがって、従動スプロケット29は、出力スプロケット28と対になり、出力スプロケット28およびチェーン30と共に第2減速機構8を構成している。
前述したように、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1では、従動ギヤ18とモータ従動部材26(従動スプロケット29)とが、同一の従動軸21で支持され、互いに一体となって回転するように形成されている。具体的には、図2に示すように、従動ギヤ18および従動スプロケット29は、共通のアーム部31を有している。アーム部31は、従動ギヤ18および従動スプロケット29の基体部分であり、径方向の中央部分にボス部(図示せず)が形成されている。アーム部31は、その中央部分のボス部で従動軸21に取り付けられている。例えば、スプライン(図示せず)あるいは平行キー(図示せず)によって、従動軸21に一体となって回転するように固定されている。
上記のようなアーム部31の外周部分に、従動ギヤ18および従動スプロケット29が形成されている。具体的には、アーム部31の外周部分で、アーム部31の回転軸線方向(図2の左右方向)における両側面から外部へ延びたフランジ部32に、従動ギヤ18および従動スプロケット29が形成されている。図2に示す例では、フランジ部32の回転軸線方向における一方(図2の右側)の外周部分に、従動ギヤ18が形成されている。従動ギヤ18は、出力ギヤ15と噛み合っており、出力ギヤ15と共に第1減速機構7を構成している。そして、フランジ部32の回転軸線方向における他方(図2の左側)の外周部分に、従動スプロケット29が形成されている。従動スプロケット29は、チェーン30を介して出力スプロケット28と連結されており、出力スプロケット28およびチェーン30と共に第2減速機構8を構成している。
このように、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1では、従動ギヤ18とモータ従動部材26(従動スプロケット29)とが、いずれも、同一の従動軸21で支持されている。従動軸21は、駆動軸6と同一の回転軸線AL2上に配置されている。そして、従動ギヤ18およびモータ従動部材26(従動スプロケット29)は、互いに一体となって回転するように形成されている。したがって、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1は、
(1)回転軸線AL1上に配置される回転軸:エンジン2の出力軸2a、第1モータ3のロータ軸3a、および、動力分割機構5(遊星歯車機構13)の回転軸(すなわち、ハイブリッド駆動装置1の入力軸1a)、
(2)回転軸線AL2上に配置される回転軸:駆動軸6、および、従動軸21、
(3)回転軸線AL3上に配置される回転軸:第2モータ4およびモータ出力部材9の回転軸(すなわち、第2モータ4のロータ軸4a)、
の三つの主要な回転軸を有する三軸構成となる。そのため、この発明のハイブリッド駆動装置1によれば、例えば前述の特許文献1に記載されているような従来の四軸構成のハイブリッド駆動装置と比較し、軸数を減らすことができる。その結果、ハイブリッド駆動装置1の回転軸の軸数を低減し、ハイブリッド駆動装置1の小型・軽量化、および、コストダウンを図ることができる。
(1)回転軸線AL1上に配置される回転軸:エンジン2の出力軸2a、第1モータ3のロータ軸3a、および、動力分割機構5(遊星歯車機構13)の回転軸(すなわち、ハイブリッド駆動装置1の入力軸1a)、
(2)回転軸線AL2上に配置される回転軸:駆動軸6、および、従動軸21、
(3)回転軸線AL3上に配置される回転軸:第2モータ4およびモータ出力部材9の回転軸(すなわち、第2モータ4のロータ軸4a)、
の三つの主要な回転軸を有する三軸構成となる。そのため、この発明のハイブリッド駆動装置1によれば、例えば前述の特許文献1に記載されているような従来の四軸構成のハイブリッド駆動装置と比較し、軸数を減らすことができる。その結果、ハイブリッド駆動装置1の回転軸の軸数を低減し、ハイブリッド駆動装置1の小型・軽量化、および、コストダウンを図ることができる。
なお、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1は、図1、図2で示したチェーン伝動機構27に替えて、例えば、図3に示すような歯車伝動機構33で、第2減速機構8を構成することも可能である。図3に示す例では、第2減速機構8は、歯車伝動機構33によって構成されている。歯車伝動機構33は、モータ出力ギヤ34とモータ従動ギヤ35とからなる歯車対である。具体的には、モータ出力ギヤ34とモータ従動ギヤ35とが噛み合っている。モータ従動ギヤ35は、モータ出力ギヤ34よりも大径の歯車である。したがって、モータ従動ギヤ35は、モータ出力ギヤ34と噛み合い、モータ出力ギヤ34からトルクを受けて回転する。その場合、モータ出力ギヤ34の回転数に対してモータ従動ギヤ35の回転数が減速される。すなわち、モータ従動ギヤ35は、モータ出力ギヤ34と対になり、モータ従動ギヤ35と共に第2減速機構8を構成している。
また、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1は、例えば、図1に示す第2減速機構8による減速で十分な設計であれば、デファレンシャルギヤ20に連結されるプラネタリ減速機構19を省いてもよい。その場合、例えば、図4に示すように、デファレンシャルギヤ20の入力ギヤ20aを、第2減速機構8の従動スプロケット29と兼用することにより、あるいは、デファレンシャルギヤ20の入力ギヤ20aと第2減速機構8の従動スプロケット29とを一体化させることにより、ハイブリッド駆動装置1を構成することができる。
あるいは、この発明の実施形態におけるハイブリッド駆動装置1では、図1で示したプラネタリ減速機構19に替えて、例えば、図5に示すように、第2モータ4と第2減速機構8との間に、モータ減速機構36を設けることもできる。モータ減速機構36は、上述のプラネタリ減速機構19と同様に、遊星歯車機構を用いた減速機構である。図5に示す例では、モータ減速機構36は、サンギヤ37、リングギヤ38、および、キャリア39を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構40によって構成されている。モータ減速機構36のサンギヤ37に、第2モータ4のロータ軸4aが連結されている。モータ減速機構36のリングギヤ38に、第2減速機構8のモータ出力部材9が連結されている。図5に示す例では、リングギヤ38にチェーン伝動機構27の出力スプロケット28が連結されている。すなわち、リングギヤ38と出力スプロケット28とが、互いに一体となって回転する。モータ減速機構36のキャリア39は、回転不可能なように固定されている。例えば、キャリア39は、ハイブリッド駆動装置1のケース(図示せず)に固定されている。そのため、モータ減速機構36は、第2モータ4と第2減速機構8(チェーン伝動機構27)との間で、ロータ軸4aの回転数を減速してトルクを伝達する。言い換えると、モータ減速機構36は、第2モータ4が出力するトルクを増幅して出力スプロケット28に伝達する。したがって、第2モータ4が出力するトルクは、モータ減速機構36および第2減速機構(チェーン伝動機構27)で増幅されて、デファレンシャルギヤ20および駆動軸6に伝達される。
上記のように、図1、図2に示す構成、図3に示す構成、図4に示す構成、および、図5に示す構成のいずれにおいても、全体で三軸構成のハイブリッド駆動装置1を構成することができる。そのため、容易に、ハイブリッド駆動装置1の小型・軽量化、および、コストダウンを図ることができる。
1…ハイブリッド駆動装置、 1a…(ハイブリッド駆動装置の)入力軸、 2…エンジン(ENG)、 2a…(エンジンの)出力軸、 3…第1モータ(MG1)、 3a…(第1モータの)ロータ軸、 4…第2モータ(MG2)、 4a…(第2モータの)ロータ軸、 5…動力分割機構、 6…駆動軸、 7…第1減速機構、 8…第2減速機構、 9…モータ出力部材、 10…(動力分割機構の)サンギヤ、 11…(動力分割機構の)リングギヤ、 11a…リム部、 12…(動力分割機構の)キャリア、 13…(動力分割機構の)遊星歯車機構、 14…(動力分割機構の)ピニオン、 15…出力ギヤ、 16…駆動輪、 17…(第1減速機構の)歯車伝動機構、 18…従動ギヤ、 19…プラネタリ減速機構、 20…デファレンシャルギヤ、 20a…(デファレンシャルギヤの)入力ギヤ、 21…従動軸、 22…(プラネタリ減速機構の)サンギヤ、 23…(プラネタリ減速機構の)リングギヤ、 24…(プラネタリ減速機構の)キャリア、 25…(プラネタリ減速機構の)遊星歯車機構、 26…モータ従動部材、 27…チェーン伝動機構、 28…出力スプロケット、 29…従動スプロケット、 30…チェーン、 31…(従動ギヤおよび従動スプロケットの)アーム部、 32…(従動ギヤおよび従動スプロケットの)フランジ部、 33…(第2減速機構の)歯車伝動機構、 34…モータ出力ギヤ、 35…モータ従動ギヤ、 36…モータ減速機構、 37…(モータ減速機構の)サンギヤ、 38…(モータ減速機構の)リングギヤ、 39…(モータ減速機構の)キャリア、 40…(モータ減速機構の)遊星歯車機構。
Claims (1)
- サンギヤ、リングギヤ、および、キャリアを有する遊星歯車機構と、前記キャリアに連結されたエンジンと、前記サンギヤに連結された第1モータと、前記リングギヤに一体となって回転する出力ギヤと、駆動軸と、前記出力ギヤと前記駆動軸との間で、前記出力ギヤの回転数を減速してトルクを伝達する第1減速機構と、第2モータと、前記第2モータのロータ軸に一体となって回転するモータ出力部材と、前記モータ出力部材と前記駆動軸との間で、前記モータ出力部材の回転数を減速してトルクを伝達する第2減速機構とを備えたハイブリッド駆動装置において、
前記第1減速機構は、前記出力ギヤと対になり、前記出力ギヤからトルクを受けて回転する従動ギヤを有し、
前記第2減速機構は、前記モータ出力部材と対になり、前記モータ出力部材からトルクを受けて回転するモータ従動部材を有し、
前記従動ギヤと前記モータ従動部材とが、いずれも、前記駆動軸と同一の回転軸線上に配置される従動軸で支持されるとともに、互いに一体となって回転するように形成されている
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017205160A JP2019077304A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ハイブリッド駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017205160A JP2019077304A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ハイブリッド駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019077304A true JP2019077304A (ja) | 2019-05-23 |
Family
ID=66627137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017205160A Pending JP2019077304A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ハイブリッド駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019077304A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112895879A (zh) * | 2021-03-04 | 2021-06-04 | 盛瑞传动股份有限公司 | 混动汽车的驱动装置及混动汽车 |
-
2017
- 2017-10-24 JP JP2017205160A patent/JP2019077304A/ja active Pending
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CN112895879A (zh) * | 2021-03-04 | 2021-06-04 | 盛瑞传动股份有限公司 | 混动汽车的驱动装置及混动汽车 |
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