JP4857589B2 - モータ動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、車輪をモータで駆動するとき等に用い、モータ動力を左右輪や、前後輪に分配出力するのに有用なモータ動力伝達装置に関するものである。
前後一方の左右輪をエンジンで駆動し、これら左右輪の駆動スリップ発生時や、車両の発進時に適宜、他方の左右輪をモータで駆動するようにした所謂電動4輪駆動車両や、
或る左右輪にモータ/ジェネレータを結合して必要に応じこれら左右輪をモータ駆動したり、これら左右輪の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電するようになした所謂ハイブリッド車両において、
モータから、これにより駆動されるべき複数車輪へモータ動力を分配して伝達するためのモータ動力伝達装置としては従来、特許文献1に記載のように、平行ギヤを用いてモータ回転を2段減速した後、左右輪に分配するようになしたものが一般的なものとして知られている。
しかし、かように平行ギヤを用いた2段減速式のモータ動力伝達装置は、モータが一方の軸に対して必ず径方向にオフセットすることになるため、モータを含めた車輪駆動系が径方向に大型化するという問題を避けられず、用途を限られるのが実情であった。
そこで特許文献2に記載のように、遊星歯車組を用いてモータ回転を減速すると共に、該遊星歯車組による差動機能を用いてこの減速回転を左右輪へ分配出力するようにしたものを用いることが考えられる。
特開平11−240347号公報 特開平08−042656号公報
しかし、かように1個の遊星歯車組を用いたモータ動力伝達装置は、遊星歯車組とモータとが同軸配置となって、モータを含めた車輪駆動系が径方向に大型化するという問題を回避し得るが、減速比を大きくするのに構成上の制約があり、高回転化したハイパワーモータが必要な場合に適用不能であるという別の問題を生ずる。
また遊星歯車組よりなる差動装置でモータ動力を2出力系に分配するのでは、2出力系へのトルク配分が差動装置の設計より決まってしまう固定のもので、2出力系へのトルク配分を自由に制御する必要がある場合に採用することができないため、この点でも用途が限られるという問題を生ずる。
本発明は、高回転化したハイパワーモータが必要な場合においても、当該モータからの回転を確実に、要求される回転数に減速して出力し得ると共に、2出力系へのトルク配分を自由に制御し得るようにしたモータ動力伝達装置を提案して、上記の問題をことごとく解消することを目的とする。
この目的のため、本発明によるモータ動力伝達装置は、以下のごときものとする。
先ずモータ動力伝達装置は、少なくとも3個の回転要素よりなる第1差動装置および第2差動装置を同軸に並置して具える。
そして、これら差動装置の1回転要素間を相互に結合し、第1差動装置の他の2個の回転要素にそれぞれ第1モータ/ジェネレータおよび第1出力軸を結合し、第2差動装置の他の2個の回転要素のうち一方に第2出力軸を結合し、他方の回転要素を固定し、第1出力軸および第2出力軸の一方に第2モータ/ジェネレータを結合し、第2モータ/ジェネレータは、第1出力軸および第2出力軸の一方に対し、第1差動装置および第2差動装置に同軸に配置した第3差動装置である減速機構を介して結合する。
そして、モータ動力伝達装置を表す共線図上で、相互に結合した回転要素から遠い側における第1差動装置の回転要素に第1モータ/ジェネレータを、また、これら相互に結合した回転要素および第1モータ/ジェネレータを結合した回転要素間における第1差動装置の回転要素に前記第1出力軸を結合し、共線図上で、相互に結合した回転要素から遠い側における第2差動装置の回転要素に前記第2出力軸を結合し、これら相互に結合した回転要素および第2出力軸を結合した回転要素間における第2差動装置の回転要素を固定し、第1出力軸を結合した第1差動装置の回転要素に第3差動装置の1回転要素を結合し、共線図上で1回転要素の両側における第3差動装置の2回転要素のうち一方を固定し、他方を第2モータ/ジェネレータに結合した。
かかる本発明のモータ動力伝達装置によれば、
第1差動装置および第2差動装置を同軸に並置し、これら差動装置の回転要素間を上記のような結合関係にして、第1モータ/ジェネレータ回転を減速下に第1および第2出力軸へ分配出力するようにしたから、
同軸に並置された第1差動装置および第2差動装置に対し第1モータ/ジェネレータを同軸に配置し得ることとなり、第1モータ/ジェネレータを含めたモータ動力伝達装置が径方向に大型化するのを回避することができる。
また、第1モータ/ジェネレータの回転を第1および第2差動装置により減速して第1および第2出力軸へ分配出力するため、減速比を大きく設定することができることとなり、
高回転化したハイパワーモータが必要な場合においても、当該モータからの回転を確実に、要求される回転数に減速して出力することができ、かかるハイパワーモータを用いるシステムに対しても何ら問題なく適用可能であって用途を限られない。
更に、上記のごとく第1モータ/ジェネレータの回転を第1および第2差動装置により減速して第1および第2出力軸へ分配出力している間、第1出力軸および第2出力軸の一方或いは双方に第2モータ/ジェネレータの出力を付加して、第2モータ/ジェネレータの出力を加減することにより、これら第1および第2出力軸へのトルク配分を自由に制御することができ、2出力系へのトルク配分を自由に制御する必要がある場合にも適用可能であって、用途を限られることがない。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるモータ動力伝達装置を示す骨子図、図2は、その実体構成図である。
図1および図2において、1はケースを示し、該ケース1内の軸線方向(図の左右方向)右側に2個の第1および第2遊星歯車組G1,G2を同軸に並置して収納し、ケース1内の軸線方向(図の左右方向)左側に第3遊星歯車組G3を遊星歯車組G1,G2と同軸になるよう配置して収納する。
第1および第2遊星歯車組G1,G2は、第1遊星歯車組G1が図の左側に位置するよう配置し、これら第1および第2遊星歯車組G1,G2と、第3遊星歯車組G3との間に、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2を同軸に介在させて配置する。
第1モータ/ジェネレータMG1は第1遊星歯車組G1に同軸に並置し、第2モータ/ジェネレータMG2は第3遊星歯車組G3に同軸に並置する。
第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2、および第3遊星歯車組G3はそれぞれ、本発明における第1差動装置、第2差動装置、および第3差動装置に相当するもので、これら第1遊星歯車組G1(第1差動装置)、第2遊星歯車組G2(第2差動装置)、および第3遊星歯車組G3(第3差動装置)をそれぞれシングルピニオン遊星歯車組とする。
第1差動装置であるシングルピニオン遊星歯車組G1は、第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、および第1キャリアC1の3個の回転要素を主たる構成要素とし、第1サンギヤS1および第1リングギヤR1間に複数個のピニオンP1を噛合させると共に、これらピニオンP1を共通な第1キャリアC1に回転自在に支持して構成する。
第2差動装置であるシングルピニオン遊星歯車組G2も、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、および第2キャリアC2の3個の回転要素を主たる構成要素とし、第2サンギヤS2および第2リングギヤR2間に複数個のピニオンP2を噛合させると共に、これらピニオンP2を共通な第2キャリアC2に回転自在に支持して構成する。
第3差動装置であるシングルピニオン遊星歯車組G3も、第3サンギヤS3、第3リングギヤR3、および第3キャリアC3の3個の回転要素を主たる構成要素とし、第3サンギヤS3および第3リングギヤR3間に複数個のピニオンP3を噛合させると共に、これらピニオンP3を共通な第3キャリアC3に回転自在に支持して構成する。
図1に示すように、第1モータ/ジェネレータMG1は、ケース1内に固設したステータ4sと、該ステータ4s内で回転可能なロータ4rとにより構成し、
第2モータ/ジェネレータMG2は、ケース1内に固設したステータ5sと、該ステータ5s内で回転可能なロータ5rとにより構成することができるが、
実際は図2に示すように、ステータ4s,5sを共通な1個のステータとし、その外周側に第1モータ/ジェネレータMG1のロータ4rを、また、内周に第2モータ/ジェネレータMG2のロータ5rを配置して、モータ/ジェネレータMG1,MG2を複合電流二層モータにより構成することとする。
この場合ステータ4s(5s)に、両モータ/ジェネレータMG1,MG2用の制御電流を複合した複合電流を流すことにより、モータ/ジェネレータMG1,MG2を個別にモータ駆動制御したり、これらモータ/ジェネレータMG1,MG2を個別の発電機(ジェネレータ)として機能させることができる。
いずれにしてもモータ/ジェネレータMG1,MG2は、相互にひとまとめにして同軸に配置すると共に、遊星歯車組G1,G2,G3に対しても同軸に配置する。
第1遊星歯車組G1のリングギヤR1および第2遊星歯車組G2のサンギヤS2を相互に結合し、第1遊星歯車組G1はその他に、キャリアC1を第1出力軸Out1に結合し、サンギヤS1を中空軸3により第1モータ/ジェネレータMG1(ロータ4r)に結合する。
第3遊星歯車組G3は、リングギヤR3をケース1内に固設し、サンギヤS3を中空軸6により第2モータ/ジェネレータMG2(ロータ5r)に結合する。
なお、上記の通りキャリアC1に結合した第1出力軸Out1は、中空軸3,6内を貫通するよう配置し、第3遊星歯車組G3が配置されたケース1の端部(図1,2の左端部)から回転自在に突出させて、例えば図示せざる左右前輪用のディファレンシャルギヤ装置、または、左右後輪用のディファレンシャルギヤ装置に結合する。
第1出力軸Out1には更に、シングルピニオン型第3遊星歯車組G3のキャリアC3をも結合する。
第2遊星歯車組G2は、上記した通りサンギヤS2を第1遊星歯車組G1のリングギヤR1に結合するが、その他に、キャリアC2をケース1に固設し、リングギヤR2を第2出力軸Out2に結合する。
第2出力軸Out2は、第1出力軸Out1が突出するとは反対側におけるケース1の端部(図1の右端部)から回転自在に突出させて、例えば図示せざる左右後輪用のディファレンシャルギヤ装置、または、左右前輪用のディファレンシャルギヤ装置に結合する。
図1および図2の構成になる上記したモータ動力伝達装置は、共線図により表すと図3のごとくになり、この図の縦軸は、遊星歯車組G1,G2,G3を構成する回転要素の回転速度(0を基準に、図の上方向が正回転速度、下方向が逆回転速度)を示し、横軸は、遊星歯車組G1,G2,G3を構成する回転要素間の距離の比を表す。
前記した通り第1リングギヤR1および第2サンギヤS2が相互に結合されていることから、
第1遊星歯車組G1を構成する回転要素の回転速度順(速い順番か、遅い順番かは変速状態に応じて異なる)は、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図3の左側におけるレバー(同じ符号G1により示した)で示すごとくになり、
第2遊星歯車組G2を構成する回転要素の回転速度順は、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図3の右側におけるレバー(同じ符号G2により示した)で示すごとくになる。
また、第3遊星歯車組G3を構成する回転要素の回転速度順は、第3リングギヤR3が固定され、第3キャリアC3が第1キャリアC1と共に第1出力軸Out1に結合されているため、図3のレバー(同じ符号G3により示した)で示すごとくになる。
図3の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側における第1遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1のモータ/ジェネレータMG1を、また、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1との間における第1遊星歯車組G1のキャリアC1に第1出力軸Out1を結合し、これらキャリアC1および第1出力軸Out1に第3遊星歯車組G3のキャリアC3を結合する。
また図3の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側におけ第2遊星歯車組G2のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、第2出力軸Out2を結合したリングギヤR2との間における第2遊星歯車組G2のキャリアC2をケース1に固定する。
そして第3遊星歯車組G3の残りの2回転要素であるリングギヤR3およびサンギヤS3のうち、リングギヤR3はケース1に固定し、サンギヤS3には第2モータ/ジェネレータMG2を結合する。
図1および図2に示すモータ動力伝達装置は、第3遊星歯車組G3がない場合、その共線図が図3から図4に示すごときものとなり、まず第3遊星歯車組G3がない場合の作用を図4に基づき以下に説明する。
図4の共線図上に示すように、第1モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1と、第1出力軸Out1を結合したキャリアC1との間における距離をL1とし、この第1出力軸Out1を結合したキャリアC1と、相互に結合したリングギヤR1およびサンギヤS2との間における距離をL2とし、該相互に結合したリングギヤR1およびサンギヤS2と、固定したキャリアC2との間における距離をL3とし、この固定したキャリアC2と、第2出力軸Out2を結合したリングギヤR2との間における距離をL4とすると、
第1モータ/ジェネレータMG1が正トルクTmg1を出力した場合、図4の共線図上に示すように、第1出力軸OUT1にはTmg1×(L1+L2)/L2の正トルクが発生し、相互に結合したリングギヤR1およびサンギヤS2(第1遊星歯車組G1と第2遊星歯車組G2との連結部)には−Tmg1×L1/L2の負トルクが伝達され、第2出力軸OUT2にはTmg1×(L1/L2)×(L3/L4)の正トルクが発生する。
従って、図4の共線図で表されるモータ動力伝達装置は、モータ/ジェネレータMG1からの回転を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2より出力する時、これら出力軸に同じ方向のトルクを伝達することができ、また、これら両出力軸へのトルクは、以下のように設計することで同じ値にすることができる。
第1出力軸OUT1および第2出力軸OUT2に発生する同じ方向の正トルクの値を等しくするためには、これら出力トルクを表す上記の2個の式から
(L1+L2)/L2=(L1/L2)×(L3/L4)・・・(1)
の条件が満たされればよい。
ここで、L2/L1=αと置き換え、L4/L3=βに置き換えると、上記(1)式は
(1/α)+1=1/(α×β)・・・(2)
のように表され、この式の左辺および右辺にαを掛けて
1+α=1/β・・・(3)
が得られる。よって、
1+(L2/L1)=(L3/L4)・・・(4)
の関係が成立するよう、距離L1〜L4の相関関係を決定して図1および図2のモータ動力伝達装置を構成すれば、第3遊星歯車組G3がない場合において、第1出力軸OUT1および第2出力軸OUT2に同じ方向で同じ値の正トルクを発生させることができる。
この時、図1および図2から第3遊星歯車組G3を除外したモータ動力伝達装置(図4の共線図で表されるモータ動力伝達装置)の減速比は(L1+L2)/L2+(L1/L2)×(L3/L4)となる。
なお、図4の共線図により表されるモータ動力伝達装置を、減速比が6から10.5まで0.5刻みに設定する場合における、シングルピニオン遊星歯車組(第1差動装置)G1のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)、および、ダブルピニオン遊星歯車組(第2差動装置)G2のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)を参考までに示すと、図5のごときものとなる。
ところで図1および図2に示すモータ動力伝達装置から第3遊星歯車組G3および第2モータ/ジェネレータMG2を除外したモータ動力伝達装置(図4の共線図で表されるモータ動力伝達装置)の場合、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分が設計により決まる固定のものであり、このトルク配分を制御することができない。
しかし図1および図2に示すモータ動力伝達装置においては、第2モータ/ジェネレータMG2が前記のごとく第3遊星歯車組G3を介して第1出力軸Out1に結合されているため、第2モータ/ジェネレータMG2の正負トルク±Tmg2を図3に波線ベクトルで示すように第1出力軸Out1に付加することができ、この付加するトルク値の調整により第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分を任意に制御して、前後輪駆動力配分制御に用いることができる。
ちなみに、(4)式の関係が成立するよう距離L1〜L4の相関関係を決定した場合、第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を0にしたとき、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分が1:1となる。
更に本実施例では、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1に結合するに際し、直接的に結合する代わりに減速機構を成す第3遊星歯車組G3を介して当該結合を行ったため、
第3遊星歯車組G3のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の決定次第で、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分割合に関した設定の自由度を高めることができる。
また、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1に結合するための減速機構として遊星歯車組G3を用いることから、減速機構を第1および第2遊星歯車組G1,G2と同軸に配置することができ、径方向の小型化が可能である。
ここで、図3の共線図に示すように、第3遊星歯車組G3のリングギヤR3(固定)およびキャリアC3(第1出力軸Out1)間における距離をL5とし、第3遊星歯車組G3のキャリアC3(第1出力軸Out1)およびサンギヤS3(第2モータ/ジェネレータMG2)間における距離をL6とすると、
モータ/ジェネレータMG2のトルク±Tmg2は、第1出力軸Out1に対し±Tmg2×(L5+L6)/L5のトルクを付加して、モータ/ジェネレータトルク±Tmg2の向きを含めた加減により、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間における上記したトルク配分制御(1:1の配分も含む)を行うことができる。
なお、モータ/ジェネレータMG2を上記のごとく第1出力軸Out1の代わりに第2出力軸Out2に結合しても、同様のトルク配分制御が可能であることは言うまでもない。
図6は、図1および図2に示すモータ動力伝達装置を、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2にそれぞれ半径が0.3mのタイヤ付き車輪を取り付けた状態で車両へ適用し、
L1:L2=2:1
L3:L4=2.5:1
L5:L6=1:5
となるよう遊星歯車組G1,G2,G3のギヤ比を設定した場合における駆動力(タイヤ推力F)特性を示す。
第1モータ/ジェネレータトルクがTmg1=150Nmである場合において、第2モータ/ジェネレータトルクTmg2を或る正トルクおよび負トルク間で変化させると、第2出力軸Out2からのトルクは太い実線で示す値に保たれるのに対し、第1出力軸Out1からのトルクは太い破線で示すように変化する。
また第1モータ/ジェネレータトルクがTmg1=100Nmである場合において、第2モータ/ジェネレータトルクTmg2を同じ範囲で変化させると、第2出力軸Out2からのトルクは中太の実線で示す値に保たれるのに対し、第1出力軸Out1からのトルクは中太の破線で示すように変化する。
更に第1モータ/ジェネレータトルクがTmg1=50Nmである場合において、第2モータ/ジェネレータトルクTmg2を同じ範囲で変化させると、第2出力軸Out2からのトルクは細い実線で示す値に保たれるのに対し、第1出力軸Out1からのトルクは細い破線で示すように変化する。
つまり、第1モータ/ジェネレータトルクがTmg1=50Nmが小さくなるにつれて、第1出力軸Out1からのトルクと、第2出力軸Out2からのトルクとが同じになる(トルク配分が1:1になる)ときの第2モータ/ジェネレータトルクTmg2の値が低下する。
上記した本実施例になるモータ動力伝達装置によれば、図1および図2に示すようにシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)を同軸に並置し、
遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1モータ/ジェネレータMG1、キャリアC1に第1出力軸Out1をそれぞれ結合すると共に、遊星歯車組G1のリングギヤR1および遊星歯車組G2のサンギヤS2を相互に結合し、遊星歯車組G2のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、遊星歯車組G2のキャリアC2を固定して、
第1モータ/ジェネレータMG1の回転を減速下に第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するようにしたから、
同軸に並置されたシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)に対し第1モータ/ジェネレータMG1を同軸に配置し得ることとなり、モータ/ジェネレータMG1を含めたモータ動力伝達装置が径方向に大型化するのを回避することができる。
また、モータ/ジェネレータMG1の回転をシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)により減速して第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するため、減速比を大きく設定することができることとなり、
高回転化したハイパワーなモータ/ジェネレータMG1を用いる場合においても、当該モータ/ジェネレータMG1からの回転を確実に、要求される回転数に減速して出力することができ、ハイパワーなモータ/ジェネレータを用いるシステムに対しても何ら問題なく適用可能であって用途を限られない。
更に、シングルピニオン遊星歯車組G1およびG2のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)に無理を強いることなく大きな減速比を実現することができ、これら遊星歯車組の小型化、ひいては、モータ/ジェネレータMG1を除いたモータ動力伝達装置の小型化を実現することができる。
また本実施例になるモータ動力伝達装置においては、前記したごとく第2モータ/ジェネレータMG2の出力を制御下に第1出力軸Out1へ付加することにより、第1および第2出力軸Out1,Out2から出力されるトルク配分を任意に制御可能であり、2出力系へのトルク配分を自由に制御する必要がある場合にも適用可能であって、用途を限られることがない。
そして、前記した各作用効果を達成するに際し、図1および図2に示すように第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにして同軸に配置し、
これらモータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組G1および第2シングルピニオン遊星歯車組G2をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から第2出力軸Out2を同軸に取り出し、
第3シングルピニオン遊星歯車組G3を、第1および第2モータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から第1出力軸Out1を同軸に取り出した構造を採用したから、
第1、第2遊星歯車組G1,G2および第1モータ/ジェネレータMG1に加えて第2モータ/ジェネレータMG2および第3シングルピニオン遊星歯車組G3が存在するといえども、極端な大型化を伴うことなしに上記のトルク配分制御可能な構成を構築することができる。
また、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにするに際し、これらを図2に示すような複合電流二層モータに構成することもでき、第2モータ/ジェネレータMG2の追加によっても、装置の径方向大型化を伴うことなしに上記の作用効果を達成することができる。
なお上記した実施例では、第2モータ/ジェネレータMG2の動力を第3遊星歯車組G3により第1出力軸Out1のみに付加してトルク分配制御を行うようにしたが、
図7〜図10につき後述する構成や、図11〜図14につき後述する構成や、図15〜図18につき後述する構成により、
第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の双方に対し第2モータ/ジェネレータMG2の動力を同時に、且つ、相互逆向きに付加してトルク分配制御を行うようにすることができる。
先ず図7〜図10の実施例になるモータ動力伝達装置を説明するに、図7中、図1におけると同様の部分を同一符号にて示す。
本実施例においても、図1の場合とは左右逆向きに示してあるが、図1におけると同様にケース1内に2個の第1および第2遊星歯車組G1,G2と、第3遊星歯車組G3と、第1および第2モータ/ジェネレータMG1,MG2とを相互同軸に配置して収納する。
本実施例においても、第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2、および第3遊星歯車組G3はそれぞれ、本発明における第1差動装置、第2差動装置、および第3差動装置に相当し、これら第1遊星歯車組G1(第1差動装置)、第2遊星歯車組G2(第2差動装置)、および第3遊星歯車組G3(第3差動装置)をそれぞれ、図1におけると同様なシングルピニオン遊星歯車組とする。
また、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2もそれぞれ、図1に示すと同様なものとするが、これらを図2に示すような複合電流二層モータにより構成してもよいことは勿論である。
本実施例においては図7に示すごとく、第1遊星歯車組G1のリングギヤR1および第2遊星歯車組G2のサンギヤS2を相互に結合し、第1遊星歯車組G1はその他に、キャリアC1を中空軸7により第3遊星歯車組G3のキャリアC3に結合し、サンギヤS1を中空軸3により第1モータ/ジェネレータMG1(ロータ4r)に結合する。
第2遊星歯車組G2のキャリアC2をケース1に固定し、リングギヤR2を第2出力軸Out2に結合し、第1出力軸Out1は第1および第2遊星歯車組G1,G2が配置されたケース1の端部より回転自在に取り出し、例えば図示せざる左右後輪用のディファレンシャルギヤ装置、または、左右前輪用のディファレンシャルギヤ装置に結合する。
中空軸3は、中空軸7の外周に回転自在に嵌合し、第2出力軸Out2は、中空軸7内に貫通させてケース1の反対側における端部に向けても延在させ、第3遊星歯車組G3のリングギヤR3に結合する。
そして、第3遊星歯車組G3のキャリアC3を第1出力軸Out1に結合し、この第1出力軸Out1を、第3遊星歯車組G3が配置されているケース1の端部より回転自在に突出させ、この第1出力軸Out1を、例えば図示せざる左右前輪用のディファレンシャルギヤ装置、または、左右後輪用のディファレンシャルギヤ装置に結合する。
第3遊星歯車組G3は更に、サンギヤS3を中空軸6により第2モータ/ジェネレータMG2(ロータ5r)に結合する。
図7の構成になる上記したモータ動力伝達装置は、共線図により表すと図8のごとくになり、この図の縦軸は、遊星歯車組G1,G2,G3を構成する回転要素の回転速度(0を基準に、図の上方向が正回転速度、下方向が逆回転速度)を示し、横軸は、遊星歯車組G1,G2,G3を構成する回転要素間の距離の比を表す。
前記した通り第1リングギヤR1および第2サンギヤS2が相互に結合されていることから、
第1遊星歯車組G1を構成する回転要素の回転速度順(速い順番か、遅い順番かは変速状態に応じて異なる)は、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図8の右側におけるレバー(同じ符号G1により示した)で示すごとくになり、
第2遊星歯車組G2を構成する回転要素の回転速度順は、キャリアC2が固定されているため、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図8の左側におけるレバー(同じ符号G2により示した)で示すごとくになる。
また、第3遊星歯車組G3を構成する回転要素の回転速度順は、第3リングギヤR3が第2リングギヤR2と共に第2出力軸Out2に結合され、第3キャリアC3が第1キャリアC1と共に第1出力軸Out1に結合されているため、図8のレバー(同じ符号G3により示した)で示すごとくになる。
図8の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側における第1遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1のモータ/ジェネレータMG1を、また、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1との間における第1遊星歯車組G1のキャリアC1に第1出力軸Out1を結合し、これらキャリアC1および第1出力軸Out1に第3遊星歯車組G3のキャリアC3を結合する。
また図8の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側におけ第2遊星歯車組G2のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、第2出力軸Out2を結合したリングギヤR2との間における第2遊星歯車組G2のキャリアC2をケース1に固定する。
そして第3遊星歯車組G3の残りの2回転要素であるリングギヤR3およびサンギヤS3のうち、リングギヤR3は第2出力軸Out2が結合されている第2遊星歯車組G2のリングギヤR2に結合し、サンギヤS3には第2モータ/ジェネレータMG2を結合する。
図7に示すモータ動力伝達装置は、第3遊星歯車組G3がない場合、その共線図が図8から図4に示すごときものとなり、回転要素間の距離L1〜L4に応じて、図4につき前述したと同様に作用する。
ところで図7に示すモータ動力伝達装置から第3遊星歯車組G3および第2モータ/ジェネレータMG2を除外したモータ動力伝達装置(図4の共線図で表されるモータ動力伝達装置)の場合、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分が設計により決まる固定のものであり、このトルク配分を制御することができない。
しかし図7に示すモータ動力伝達装置においては、第2モータ/ジェネレータMG2が前記のごとく第3遊星歯車組G3を介して第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合されているため、第2モータ/ジェネレータMG2の正負トルク±Tmg2を図9に波線ベクトルで示すごとく第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に付加することができ、第2モータ/ジェネレータMG2の正負トルク±Tmg2の調整により第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分を任意に制御して、前後輪駆動力配分制御に用いることができる。
更に本実施例では、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合するに際し、減速機構を成す第3遊星歯車組G3を介して当該結合を行ったため、
第3遊星歯車組G3のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の決定次第で、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分割合に関した設定の自由度を高めることができる。
また、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合するための減速機構として遊星歯車組G3を用いることから、減速機構を第1および第2遊星歯車組G1,G2と同軸に配置することができ、径方向の小型化が可能である。
ここで、図8の共線図に示すように、第3遊星歯車組G3のキャリアC3(第1出力軸Out1)およびサンギヤS3(第2モータ/ジェネレータMG2)間における距離をL5とし、第3遊星歯車組G3のキャリアC3(第1出力軸Out1)およびリングギヤR3(第2出力軸Out2)間における距離をL6とすると、
モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2は図9に示すごとく、第1出力軸Out1に対しTmg2×(L6+L5)/L6の同方向トルクを付加すると同時に、第2出力軸Out2に対しては-Tmg2×(L5/L6)の逆方向トルクを付加して、モータ/ジェネレータトルク±Tmg2の向きを含めた加減により、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間における上記したトルク配分制御を行うことができる。
なお、モータ/ジェネレータMG2が図8および図9の共線図上で、図示とは逆に第2出力軸Out2に近い側に位置するような構成の場合も、同様のトルク配分制御が可能であることは言うまでもない。
なお図9(a)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクが共に同じ正トルクになるよう(前後輪トルク配分が1:1になるよう)第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示し、
図9(b)は、車両の後退走行時において第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクが共に同じ逆トルクになるよう(前後輪トルク配分が1:1になるよう)第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示し、
図9(c)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1のトルクTout1が第2出力軸Out2のトルクTout2よりも小さくなるよう第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を0にしたときの共線図を示し、
図9(d)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1のトルクTout1が第2出力軸Out2のトルクTout2よりも大きくなるよう第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示すものである。
また図10は、L1/L2=α、L3/L4=γ、L5/L6=βとした時における、モータ/ジェネレータMG1のトルクTmg1および回転数Nmg1と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間、および、モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2および回転数Nmg2と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間の関係係数を、モータ/ジェネレータトルクTmg1,Tmg2により出力軸Out1,Out2が出力するトルクTout1,Tout2、および、その時の出力軸回転数Nout1,Nout2により決まるモータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nmg1,Nmg2と共に示す説明図である。
上記した本実施例になるモータ動力伝達装置によれば、図7に示すようにシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)を同軸に並置し、
遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1モータ/ジェネレータMG1を結合し、キャリアC1に遊星歯車組G3のキャリアC3を介して第1出力軸Out1を結合し、遊星歯車組G1のリングギヤR1および遊星歯車組G2のサンギヤS2を相互に結合し、遊星歯車組G2のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、遊星歯車組G2のキャリアC2を固定して、
第1モータ/ジェネレータMG1の回転を減速下に第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するようにしたから、
同軸に並置されたシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)に対し第1モータ/ジェネレータMG1を同軸に配置し得ることとなり、モータ/ジェネレータMG1を含めたモータ動力伝達装置が径方向に大型化するのを回避することができる。
また、モータ/ジェネレータMG1の回転をシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)により減速して第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するため、減速比を大きく設定することができることとなり、
高回転化したハイパワーなモータ/ジェネレータMG1を用いる場合においても、当該モータ/ジェネレータMG1からの回転を確実に、要求される回転数に減速して出力することができ、ハイパワーなモータ/ジェネレータを用いるシステムに対しても何ら問題なく適用可能であって用途を限られない。
更に、シングルピニオン遊星歯車組G1およびG2のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)に無理を強いることなく大きな減速比を実現することができ、これら遊星歯車組の小型化、ひいては、モータ/ジェネレータMG1を除いたモータ動力伝達装置の小型化を実現することができる。
また本実施例になるモータ動力伝達装置においては、前記したごとく第2モータ/ジェネレータMG2の出力を制御下に第1出力軸Out1および第2出力軸Out2へ相互逆向きに付加することにより、第1および第2出力軸Out1,Out2から出力されるトルク配分を任意に制御可能であるから、2出力系へのトルク配分を自由に制御する必要がある場合にも適用可能であって、用途を限られることがない。
しかも、第2モータ/ジェネレータMG2の出力を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2へ相互逆向きに付加することから、第1および第2出力軸Out1,Out2のトルク配分を、一方へのトルクが他方のトルクに対しかなり大きくなるような配分比も実現することができて大いに有用である。
そして、前記した各作用効果を達成するに際し、図7に示すように第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにして同軸に配置し、
これらモータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組G1および第2シングルピニオン遊星歯車組G2をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から第2出力軸Out2を同軸に取り出し、
第3シングルピニオン遊星歯車組G3を、第1および第2モータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から第1出力軸Out1を同軸に取り出した構造を採用したから、
第1、第2遊星歯車組G1,G2および第1モータ/ジェネレータMG1に加えて第2モータ/ジェネレータMG2および第3シングルピニオン遊星歯車組G3が存在するといえども、極端な大型化を伴うことなしに上記のトルク配分制御可能な構成を構築することができる。
また、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにするに際し、これらを図2に示すような複合電流二層モータに構成することもでき、第2モータ/ジェネレータMG2の追加によっても、装置の径方向大型化を伴うことなしに上記の作用効果を達成することができる。
また、第2モータ/ジェネレータMG2からのトルクが第3遊星歯車組G3を介して第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に相互逆向きのトルクとして同時に付与されるため、
主に第1モータ/ジェネレータMG1を駆動力制御に用い、第2モータ/ジェネレータMG2をトルク配分制御に用いて、両モータ/ジェネレータMG1,MG2の使い分けが可能となり、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御を容易にすることができる。
また同様な構成上の理由から、本実施例のモータ動力伝達装置は車両の左右輪へモータ動力を分配するのに用いた場合、モータ/ジェネレータMG1,MG2の一方が故障してトルクを発生できなくなった時も、急に左右輪間に駆動力差が発生することがなくなり、当該故障時の操縦安定性を確保し易い。
次に図11〜図14の実施例になるモータ動力伝達装置を説明するに、図11中、図7におけると同様の部分を同一符号にて示す。
本実施例においては、図7では第2差動装置を1個のシングルピニオン遊星歯車組G2により構成したが、第2差動装置を第2シングルピニオン遊星歯車組G2および第4シングルピニオン遊星歯車組G4により構成し、それ以外を図7におけると同様な構成とする。
第4遊星歯車組G4は、第1遊星歯車組G1から遠い第2遊星歯車組G2の側に同軸に隣接配置し、サンギヤS4と、リングギヤR4と、これらに噛合させたピニオンP4を回転自在に支持したキャリアC4とで構成する。
なお、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2は、図2に示すような複合電流二層モータにより構成してもよいことは勿論である。
第2差動装置の構成に当たっては、第2遊星歯車組G2のリングギヤR2を第4遊星歯車組G4のキャリアC4に結合し、このキャリアC4を更に第2出力軸Out2に結合し、サンギヤS4をケース1に固定する。
そして、第4遊星歯車組G4のリングギヤR4は中心軸8を介し第3遊星歯車組G3のリングギヤR3に結合し、中心軸8は中空軸7内に貫通させて第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4間に延在させる。
図11の構成になる上記したモータ動力伝達装置は、共線図により表すと図12のごとくになり、この図の縦軸は、遊星歯車組G1,G2,G3,G4を構成する回転要素の回転速度(0を基準に、図の上方向が正回転速度、下方向が逆回転速度)を示し、横軸は、遊星歯車組G1,G2,G3,G4を構成する回転要素間の距離の比を表す。
前記した通り第1リングギヤR1および第2サンギヤS2が相互に結合されていることから、
第1遊星歯車組G1(第1差動装置)を構成する回転要素の回転速度順(速い順番か、遅い順番かは変速状態に応じて異なる)は、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図12の右側におけるレバー(同じ符号G1により示した)で示すごとくになり、
第2遊星歯車組G2および第4遊星歯車組G4よりなる第2差動装置を構成する回転要素の回転速度順は、キャリアC2およびサンギヤS4が固定され、リングギヤR2およびキャリアC4が相互に結合されて、第2差動装置が4要素の差動装置に等価であるため、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図12の左側におけるレバー(同じ符号G2,G4により示した)で示すごとくになる。
また、第3遊星歯車組G3(第3差動装置)を構成する回転要素の回転速度順は、第3リングギヤR3が第4リングギヤR4に結合され、第3キャリアC3が第1キャリアC1と共に第1出力軸Out1に結合されているため、図12のレバー(同じ符号G3により示した)で示すごとくになる。
図12の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側における第1遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1のモータ/ジェネレータMG1を、また、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1との間における第1遊星歯車組G1のキャリアC1に第1出力軸Out1を結合し、これらキャリアC1および第1出力軸Out1に第3遊星歯車組G3のキャリアC3を結合する。
また図12の共線図上で、相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2から遠い側における第2差動装置(第2および第4遊星歯車組G2,G4)のリングギヤR4に第3リングギヤR3を結合し、これら相互に結合した第1リングギヤR1および第2サンギヤS2と、リングギヤR4との間における、第2差動装置(第2および第4遊星歯車組G2,G4)のキャリアC4(リングギヤR2)およびサンギヤS4(キャリアC2)のうち、前者のキャリアC4(リングギヤR2)に第2出力軸Out2を結合し、後者のサンギヤS4(キャリアC2)をケース1に固定する。
そして第3遊星歯車組G3の残りの回転要素であるサンギヤS3に第2モータ/ジェネレータMG2を結合する。
図11に示すモータ動力伝達装置は、第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4がない場合、その共線図が図12から図4に示すものとなり、回転要素間の距離L1〜L4に応じて、図4につき前述したと同様に作用する。
ところで図11に示すモータ動力伝達装置から第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4を(従って第2モータ/ジェネレータMG2も)除外したモータ動力伝達装置(図4の共線図で表されるモータ動力伝達装置)の場合、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分が設計により決まる固定のものであり、このトルク配分を制御することができない。
しかし図11に示すモータ動力伝達装置においては、第2モータ/ジェネレータMG2が前記のごとく第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4を介して第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合されているため、第2モータ/ジェネレータMG2の正負トルク±Tmg2を図13に波線ベクトルで示すごとく第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に付加することができ、第2モータ/ジェネレータMG2の正負トルク±Tmg2の調整により第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分を任意に制御して、前後輪駆動力配分制御に用いることができる。
更に本実施例では、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合するに際し、減速機構を成す第3遊星歯車組G3を介し、更に、第4遊星歯車組G4を介して当該結合を行ったため、
第3遊星歯車組G3のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の決定次第で、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分割合に関した設定の自由度を高めることができると共に、
第4遊星歯車組G4のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の決定次第で、第2モータ/ジェネレータMG2が結合されたサンギヤS3の回転数を0近辺の値に保つことができ、第2モータ/ジェネレータMG2として低回転・大トルク型のモータ、例えば油圧モータを用いることができ、第2モータ/ジェネレータMG2の大トルクTmg2により、図7の場合よりも第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間のトルク配分比に関する自由度が更に高まる。
また、第2モータ/ジェネレータMG2を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に結合するための減速機構として遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4を用いることから、減速機構を第1および第2遊星歯車組G1,G2と同軸に配置することができ、径方向の小型化が可能である。
ここで、図12の共線図に示すように、第4遊星歯車組G4のリングギヤR4およびキャリアC4間における距離をL5とし、第3遊星歯車組G3のキャリアC3(第1出力軸Out1)およびサンギヤS3(第2モータ/ジェネレータMG2)間における距離をL6とし、第3遊星歯車組G3のキャリアC3(第1出力軸Out1)およびリングギヤR3間における距離をL7とすると、
モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2は図13に示すごとく、第1出力軸Out1に対しTmg2×(L7+L6)/L7の同方向トルクを付加すると同時に、第2出力軸Out2に対しては-Tmg2×(L6/L7)(L4+L5)/L7の逆方向トルクを付加して、モータ/ジェネレータトルク±Tmg2の向きを含めた加減により、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間における上記したトルク配分制御を行うことができる。
なお図13(a)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクが共に同じ正トルクになるよう(前後輪トルク配分が1:1になるよう)第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示し、
図13(b)は、車両の後退走行時において第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクが共に同じ逆トルクになるよう(前後輪トルク配分が1:1になるよう)第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示し、
図13(c)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1のトルクTout1が第2出力軸Out2のトルクTout2よりも小さくなるよう第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を0にしたときの共線図を示し、
図13(d)は、車両の前進走行時において第1出力軸Out1のトルクTout1が第2出力軸Out2のトルクTout2よりも大きくなるよう第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整したときの共線図を示すものである。
また図14は、L1/L2=α、L3/L4=γ、L5/L4=ε、L6/L7=βとした時における、モータ/ジェネレータMG1のトルクTmg1および回転数Nmg1と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間、および、モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2および回転数Nmg2と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間の関係係数を、モータ/ジェネレータトルクTmg1,Tmg2により出力軸Out1,Out2が出力するトルクTout1,Tout2、および、その時の出力軸回転数Nout1,Nout2により決まるモータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nmg1,Nmg2と共に示す説明図である。
上記した本実施例になるモータ動力伝達装置によれば、図11に示すようにシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)と、シングルピニオン遊星歯車組G2,G4(第2差動装置)とを同軸に並置し、
遊星歯車組G1のサンギヤS1に第1モータ/ジェネレータMG1を結合し、キャリアC1に遊星歯車組G3のキャリアC3を介して第1出力軸Out1を結合し、遊星歯車組G1のリングギヤR1および遊星歯車組G2のサンギヤS2を相互に結合し、遊星歯車組G2のリングギヤR2に遊星歯車組G4のキャリアC4を介して第2出力軸Out2を結合し、遊星歯車組G2のキャリアC2および遊星歯車組G4のサンギヤS4をそれぞれ固定して、
第1モータ/ジェネレータMG1の回転を減速下に第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するようにしたから、
同軸に並置されたシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2,G4(第2差動装置)に対し第1モータ/ジェネレータMG1を同軸に配置し得ることとなり、モータ/ジェネレータMG1を含めたモータ動力伝達装置が径方向に大型化するのを回避することができる。
また、モータ/ジェネレータMG1の回転をシングルピニオン遊星歯車組G1(第1差動装置)およびG2(第2差動装置)により減速して第1および第2出力軸Out1,Out2へ分配出力するため、減速比を大きく設定することができることとなり、
高回転化したハイパワーなモータ/ジェネレータMG1を用いる場合においても、当該モータ/ジェネレータMG1からの回転を確実に、要求される回転数に減速して出力することができ、ハイパワーなモータ/ジェネレータを用いるシステムに対しても何ら問題なく適用可能であって用途を限られない。
更に、シングルピニオン遊星歯車組G1およびG2のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)に無理を強いることなく大きな減速比を実現することができ、これら遊星歯車組の小型化、ひいては、モータ/ジェネレータMG1を除いたモータ動力伝達装置の小型化を実現することができる。
また本実施例になるモータ動力伝達装置においては、前記したごとく第2モータ/ジェネレータMG2の出力を制御下に第1出力軸Out1および第2出力軸Out2へ相互逆向きに付加することにより、第1および第2出力軸Out1,Out2から出力されるトルク配分を任意に制御可能であるから、2出力系へのトルク配分を自由に制御する必要がある場合にも適用可能であって、用途を限られることがない。
しかも、第2モータ/ジェネレータMG2の出力を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2へ相互逆向きに付加することから、第1および第2出力軸Out1,Out2のトルク配分を、一方へのトルクが他方のトルクに対しかなり大きくなるような配分比も実現することができて大いに有用である。
更に加えて、第2モータ/ジェネレータMG2の出力を第1出力軸Out1および第2出力軸Out2へ相互逆向きに付加するに際し、遊星歯車組G3だけでなく、図11および図12につき前述したごとき配置の遊星歯車組G4を介して行う構成になるから、
第2モータ/ジェネレータMG2が結合されたサンギヤS3の回転数を0近辺の値に保つことができ、第2モータ/ジェネレータMG2として低回転・大トルク型のモータ、例えば油圧モータを用いることができ、第2モータ/ジェネレータMG2の大トルクTmg2により、図7の場合よりも第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間のトルク配分比に関する自由度を更に高めることができる。
そして、前記した各作用効果を達成するに際し、図11に示すように第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにして同軸に配置し、
これらモータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組G1、第2シングルピニオン遊星歯車組G2、および第4シングルピニオン遊星歯車組G4をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から第2出力軸Out2を同軸に取り出し、
第3シングルピニオン遊星歯車組G3を、第1および第2モータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から第1出力軸Out1を同軸に取り出した構造を採用したから、
第1、第2遊星歯車組G1,G2および第1モータ/ジェネレータMG1に加えて第2モータ/ジェネレータMG2および第3および第4シングルピニオン遊星歯車組G3,G4が存在するといえども、極端な大型化を伴うことなしに上記のトルク配分制御可能な構成を構築することができる。
また、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにするに際し、これらを図2に示すような複合電流二層モータに構成することもでき、第2モータ/ジェネレータMG2の追加によっても、装置の径方向大型化を伴うことなしに上記の作用効果を達成することができる。
また、第2モータ/ジェネレータMG2からのトルクが第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4を介して第1出力軸Out1および第2出力軸Out2に相互逆向きのトルクとして同時に付与されるため、
主に第1モータ/ジェネレータMG1を駆動力制御に用い、第2モータ/ジェネレータMG2をトルク配分制御に用いて、両モータ/ジェネレータMG1,MG2の使い分けが可能となり、モータ/ジェネレータMG1,MG2の制御を容易にすることができる。
また同様な構成上の理由から、本実施例のモータ動力伝達装置は車両の左右輪へモータ動力を分配するのに用いた場合、モータ/ジェネレータMG1,MG2の一方が故障してトルクを発生できなくなった時も、急に左右輪間に駆動力差が発生することがなくなり、当該故障時の操縦安定性を確保し易い。
次に図15〜図18の実施例になるモータ動力伝達装置を説明するに、図15中、図7および図11におけると同様の部分を同一符号にて示す。
本実施例においては、図7では第1差動装置を1個のシングルピニオン遊星歯車組G1により構成したが、第1差動装置を第1シングルピニオン遊星歯車組G1および第4シングルピニオン遊星歯車組G4により構成する。
本実施例においては、モータ/ジェネレータMG1,MG2を図7とは左右逆配置とし、モータ/ジェネレータMG1に近いケース1の端部内に第1遊星歯車組G1および第4遊星歯車組G4を収納し、モータ/ジェネレータMG2に近いケース1の端部内に第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3を収納し、遊星歯車組G1,G3をモータ/ジェネレータMG1,MG2に近い側に配置する。
なお、第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2は、図2に示すような複合電流二層モータにより構成してもよいことは勿論である。
第1差動装置の構成に当たっては、第1遊星歯車組G1のキャリアC1を第4遊星歯車組G4のサンギヤS4に結合すると共に第1出力軸Out1に結合し、第1遊星歯車組G1のリングギヤR1を第4遊星歯車組G4のキャリアC4に結合する。
そして、第4遊星歯車組G4のリングギヤR4は中心軸8を介し第2遊星歯車組G2のサンギヤS2に結合し、第4遊星歯車組G4のキャリアC4は中空軸7を介し第2遊星歯車組G2のキャリアC2に結合する。
第1遊星歯車組G1のサンギヤS1を中空軸3により第1モータ/ジェネレータMG1に結合し、第3遊星歯車組G3のサンギヤS3を中空軸6により第2モータ/ジェネレータMG2に結合する。
中空軸7は、中空のモータ/ジェネレータ軸3,6に貫通して第3遊星歯車組G3および第4遊星歯車組G4間に延在させ、中心軸8は中空軸7内に貫通させて第2遊星歯車組G2および第4遊星歯車組G4間に延在させる。
第2遊星歯車組G2のキャリアC2および第3遊星歯車組G3のリングギヤR3をそれぞれケース1に固定し、第2遊星歯車組G2のリングギヤR2を第2出力軸Out2に結合する。
図15の構成になる上記したモータ動力伝達装置は、共線図により表すと図16のごとくになり、この図の縦軸は、遊星歯車組G1,G2,G3,G4を構成する回転要素の回転速度(0を基準に、図の上方向が正回転速度、下方向が逆回転速度)を示し、横軸は、遊星歯車組G1,G2,G3,G4を構成する回転要素間の距離の比を表す。
第1遊星歯車組G1および第4遊星歯車組G4よりなる第1差動装置を構成する回転要素の回転速度順(速い順番か、遅い順番かは変速状態に応じて異なる)は、リングギヤR1およびキャリアC4が相互に結合され、且つ、キャリアC1およびサンギヤS4が相互に結合されて、4要素の差動装置に等価であるため、
前記した通り相互に結合された第4リングギヤR4および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図16の右側におけるレバー(同じ符号G1,G4により示した)で示すごとくになり、
第2遊星歯車組G2(第2差動装置)を構成する回転要素の回転速度順は、キャリアC2を固定されているため、第4リングギヤR4および第2サンギヤS2の相互結合点よりも図16の左側におけるレバー(同じ符号G2により示した)で示すごとくになる。
また、第3遊星歯車組G3(第3差動装置)を構成する回転要素の回転速度順は、第3リングギヤR3が第2キャリアC2と共に固定され、キャリアC3が第1リングギヤR1および第4キャリアC4に結合されているため、図16のレバー(同じ符号G3により示した)で示すごとくになる。
図16の共線図上で、相互に結合した第4リングギヤR4および第2サンギヤS2から遠い側における第1差動装置(第1遊星歯車組G1および第4遊星歯車組G4)のサンギヤS1に第1のモータ/ジェネレータMG1を、また、これら相互に結合した第4リングギヤR4および第2サンギヤS2と、モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1との間における第1遊星歯車組G1のキャリアC1(第4遊星歯車組G4のサンギヤS4)に第1出力軸Out1を結合し、第1リングギヤR1および第4キャリアC4に第3遊星歯車組G3のキャリアC3を結合する。
また図16の共線図上で、相互に結合した第4リングギヤR4および第2サンギヤS2から遠い側における第2遊星歯車組G2(第2差動装置)のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、これら相互に結合した第4リングギヤR4および第2サンギヤS2と、リングギヤR2との間における、第2遊星歯車組G2(第2差動装置)のキャリアC2(リングギヤR3)をケース1に固定する。
そして第3遊星歯車組G3の残りの回転要素であるサンギヤS3に第2モータ/ジェネレータMG2を結合する。
図15および図16に示すモータ動力伝達装置は、図16の共線図上に示すように、
第1モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1と、第1出力軸Out1を結合したキャリアC1(サンギヤS4)との間における距離をL1とし、
この第1出力軸Out1を結合したキャリアC1(サンギヤS4)と、第3遊星歯車組G3のキャリアC3を結合したリングギヤR1(キャリアC4)との間における距離をL2とし、
相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)と、第3遊星歯車組G3のリングギヤR3を結合すると共に固定したキャリアC2との間における距離をL3とし、
このキャリアC2と、第2出力軸Out2を結合したリングギヤR2との間における距離をL4とし、
第3遊星歯車組G3のサンギヤS3およびキャリアC3間の距離をL5、キャリアC3およびリングギヤR3間の距離をL6とし、
相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)と、キャリアC4(リングギヤR1)間における距離をL7とし、
図18に示すごとく、L1/L2=α、L3/L4=γ、L5/L6=β、L7/L2=εとした時、
モータ/ジェネレータMG1のトルクTmg1および回転数Nmg1と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間、および、モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2および回転数Nmg2と、出力軸Out1,Out2のトルクTout1,Tout2および回転数Nout1,Nout2との間の関係係数は図18に示すごとくきものとなり、
モータ/ジェネレータトルクTmg1,Tmg2により出力軸Out1,Out2が出力するトルクTout1,Tout2、および、その時の出力軸回転数Nout1,Nout2により決まるモータ/ジェネレータMG1,MG2の回転数Nmg1,Nmg2は図18に示すごときものとなる。
先ず、第2モータ/ジェネレータMG2を作用させない時の動作を説明するに、第1モータ/ジェネレータMG1が正負トルク±Tmg1を出力した場合、図17の共線図上に実線ベクトルで示すように、第1出力軸OUT1には±Tmg1(1+α+ε)/(1+ε)のモータ/ジェネレータMG1と同方向の正負トルクが発生し、第2出力軸OUT2には±Tmg1×(α・γ)/(1+ε)のモータ/ジェネレータMG1と同方向の正負トルクが発生する。
ここで第2モータ/ジェネレータMG2が正負トルク±Tmg2を出力すると、図17の共線図上に波線ベクトルで示すように、第1出力軸OUT1には±Tmg2×ε(1+β)/(1+ε)のモータ/ジェネレータMG2と同方向の正負トルクが付加され、第2出力軸OUT2には±Tmg2×γ(1+β)/(1+ε)のモータ/ジェネレータMG2と逆方向の負正トルクが付加される。
従って、モータ/ジェネレータトルク±Tmg2の向きを含めた加減により、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間におけるトルク配分制御を行うことができ、
車両の前進走行時に、図17(a)に示すごとく第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整することで、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクを共に同じ正トルクにすることができ、
車両の後退走行時に、図17(b)に示すごとく第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整することで、第1出力軸Out1および第2出力軸Out2の出力トルクを共に同じ逆トルクにすることができ、
車両の前進走行時に、図17(c) に示すごとく第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整することで、第1出力軸Out1のトルクTout1を第2出力軸Out2のトルクTout2よりも小さくすることができ、
車両の前進走行時に、図17(d) に示すごとく第2モータ/ジェネレータMG2のトルクTmg2を調整することで、第1出力軸Out1のトルクTout1を第2出力軸Out2のトルクTout2よりも大きくすることができる。
図15〜図18の実施例においても、図11〜図14の実施例と同様な作用効果が奏し得られるが、本実施例においては更に加えて、以下の作用効果を奏し得る。
つまり、第1遊星歯車組G1および第4遊星歯車組G4を前記のように相関させて第1差動装置を、図16に示すごとく4要素の差動装置となるよう構成し、
図16の共線図上で、相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)から遠い側における第1差動装置のサンギヤS1に第1モータ/ジェネレータMG1を、また、これら相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)および第1モータ/ジェネレータMG1を結合したサンギヤS1間における第1差動装置のキャリアC1(サンギヤS4)に第1出力軸Out1を結合し、
相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)から遠い側における第2差動装置(第2遊星歯車組G2)のリングギヤR2に第2出力軸Out2を結合し、これら相互に結合したリングギヤR4(サンギヤS2)および第2出力軸Out2を結合したリングギヤR2間における第2差動装置(第2遊星歯車組G2)のキャリアC2(リングギヤR3)を固定し、
第1差動装置(第1遊星歯車組G1および第4遊星歯車組G4)のリングギヤR1(キャリアC4)に第3差動装置(第3遊星歯車組G3)のキャリアC3を結合し、共線図上で該キャリアC3の両側における第3差動装置(第3遊星歯車組G3)の2回転要素のうち、リングギヤR3を第2差動装置(第2遊星歯車組G2)の固定したキャリアC2に結合し、サンギヤS3を第2モータ/ジェネレータMG2に結合したから、
図11〜図14の実施例におけると同様に、第4遊星歯車組G4のギヤ比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)の決定次第で、第2モータ/ジェネレータMG2が結合されたサンギヤS3の回転数を0近辺の値に保つことができ、第2モータ/ジェネレータMG2として低回転・大トルク型のモータ、例えば油圧モータを用いることができ、第2モータ/ジェネレータMG2の大トルクTmg2により第1出力軸Out1および第2出力軸Out2間のトルク配分比に関する自由度を高めることができるほか、
図16の共線図からも明らかなように、第3差動装置(第3遊星歯車組G3)を構成する全ての回転要素の回転数が全てほぼ0となって、第3差動装置(第3遊星歯車組G3)を構成する全ての回転要素を殆ど回転させることなく上記の作用効果が奏し得られることにより効率を高めることができる。
そして、これら作用効果を達成するに際し、図15に示すように第1モータ/ジェネレータMG1および第2モータ/ジェネレータMG2をひとまとめにして同軸に配置し、
これらモータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向一方側に、第2シングルピニオン遊星歯車組G2および第3シングルピニオン遊星歯車組G3をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から第2出力軸Out2を同軸に取り出し、
第1シングルピニオン遊星歯車組G1および第4シングルピニオン遊星歯車組G4を、第1および第2モータ/ジェネレータMG1,MG2の軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から第1出力軸Out1を同軸に取り出した構造を採用するから、
第1、第2遊星歯車組G1,G2および第1モータ/ジェネレータMG1に加えて第2モータ/ジェネレータMG2および第3および第4シングルピニオン遊星歯車組G3,G4が存在するといえども、極端な大型化を伴うことなしに上記のトルク配分制御可能な構成、および第3シングルピニオン遊星歯車組G3の全ての回転要素をほとんど回転させることなく高効率に上記の作用効果を達成可能な構成を構築することができる。
本発明の一実施例になるモータ動力伝達装置の概略を示す骨子図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の実体構成を示す縦断側面図である。 図1および図2に示すモータ動力伝達装置の共線図である。 図1および図2に示すモータ動力伝達装置から第3差動装置を除外したモータ動力伝達装置の共線図である。 図1および図2に示すモータ動力伝達装置の減速比と、第1および第2遊星歯車組のギヤ比の組み合わせとの関係を示す説明図である。 図1および図2に示すモータ動力伝達装置の第1および第2出力軸へのトルク配分制御特性を示す特性線図である。 本発明の他の実施例になるモータ動力伝達装置の概略を示す骨子図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の共線図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の動作説明用共線図で、 (a)は、前進走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (b)は、後退走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (c)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも小さくなるよう制御している場合の共線図、 (d)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも大きくなるよう制御している場合の共線図ある。 同実施例になるモータ動力伝達装置の入出力間係数を示した説明図である。 本発明の更に他の実施例になるモータ動力伝達装置の概略を示す骨子図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の共線図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の動作説明用共線図で、 (a)は、前進走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (b)は、後退走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (c)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも小さくなるよう制御している場合の共線図、 (d)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも大きくなるよう制御している場合の共線図ある。 同実施例になるモータ動力伝達装置の入出力間係数を示した説明図である。 本発明の更に別の実施例になるモータ動力伝達装置の概略を示す骨子図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の共線図である。 同実施例になるモータ動力伝達装置の動作説明用共線図で、 (a)は、前進走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (b)は、後退走行時に2出力が均等になるよう制御している場合の共線図、 (c)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも小さくなるよう制御している場合の共線図、 (d)は、前進走行時に第1出力が第2出力よりも大きくなるよう制御している場合の共線図ある。 同実施例になるモータ動力伝達装置の入出力間係数を示した説明図である。
符号の説明
1 ケース
G1 第1遊星歯車組(第1差動装置)
G2 第2遊星歯車組(第2差動装置)
G3 第3遊星歯車組(第3差動装置)
G4 第4遊星歯車組(第1差動装置または第3差動装置)
S1,S2,S3,S4 サンギヤ(回転要素)
R1,R2,R3,R4 リングギヤ(回転要素)
C1,C2,C3,C4 キャリア(回転要素)
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
3,6 中空軸
8 中心軸
Out1 第1出力軸
Out2 第2出力軸

Claims (12)

  1. 少なくとも3個の回転要素よりなる第1差動装置および第2差動装置を同軸に配置して具え、これら差動装置の1回転要素間を相互に結合し、第1差動装置の他の2個の回転要素にそれぞれ第1モータ/ジェネレータおよび第1出力軸を結合し、第2差動装置の他の2個の回転要素のうち一方に第2出力軸を結合し、他方の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸および第2出力軸の一方に第2モータ/ジェネレータを結合し、
    前記第2モータ/ジェネレータは、第1出力軸および第2出力軸の前記一方に対し減速機構を介して結合し、
    前記減速機構は、前記第1差動装置および第2差動装置に同軸に配置した第3差動装置であるモータ動力伝達装置において、
    該モータ動力伝達装置を表す共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第1差動装置の回転要素に前記第1モータ/ジェネレータを、また、これら相互に結合した回転要素および第1モータ/ジェネレータを結合した回転要素間における第1差動装置の回転要素に前記第1出力軸を結合し、
    前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第2差動装置の回転要素に前記第2出力軸を結合し、これら相互に結合した回転要素および第2出力軸を結合した回転要素間における第2差動装置の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸を結合した第1差動装置の回転要素に前記第3差動装置の1回転要素を結合し、前記共線図上で該1回転要素の両側における第3差動装置の2回転要素のうち一方を固定し、他方を前記第2モータ/ジェネレータに結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  2. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    前記第1差動装置、第2差動装置、および第3差動装置をそれぞれ、第1、第2、および第3シングルピニオン遊星歯車組で構成し、
    第1シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに前記第1モータ/ジェネレータを、また、キャリアに前記第1出力軸をそれぞれ結合し、第1シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤおよび第2シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤを相互に結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤに前記第2出力軸を結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを固定し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第1出力軸を、また、サンギヤに第2モータ/ジェネレータをそれぞれ結合し、第3シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤを固定したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  3. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    第1モータ/ジェネレータおよび第2モータ/ジェネレータをひとまとめにして同軸に配置し、
    これらモータ/ジェネレータの軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組および第2シングルピニオン遊星歯車組をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から前記第2出力軸を同軸に取り出し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組を、第1および第2モータ/ジェネレータの軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から前記第1出力軸を同軸に取り出したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  4. 少なくとも3個の回転要素よりなる第1差動装置および第2差動装置を同軸に配置して具え、これら差動装置の1回転要素間を相互に結合し、第1差動装置の他の2個の回転要素にそれぞれ第1モータ/ジェネレータおよび第1出力軸を結合し、第2差動装置の他の2個の回転要素のうち一方に第2出力軸を結合し、他方の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸および第2出力軸の双方に第2モータ/ジェネレータを結合し、
    前記第2モータ/ジェネレータは、第1出力軸および第2出力軸に対し相互逆向きのトルクを同時に付与するよう、これら第1出力軸および第2出力軸に減速機構を介して結合し、
    前記減速機構は、前記第1差動装置および第2差動装置に同軸に配置した第3差動装置であるモータ動力伝達装置において、
    該モータ動力伝達装置を表す共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第1差動装置の回転要素に前記第1モータ/ジェネレータを、また、これら相互に結合した回転要素および第1モータ/ジェネレータを結合した回転要素間における第1差動装置の回転要素に前記第1出力軸を結合し、
    前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第2差動装置の回転要素に前記第2出力軸を結合し、これら相互に結合した回転要素および第2出力軸を結合した回転要素間における第2差動装置の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸を結合した第1差動装置の回転要素に前記第3差動装置の1回転要素を結合し、前記共線図上で該1回転要素の両側における第3差動装置の2回転要素のうち一方を、第2出力軸が結合されている第2差動装置の回転要素に結合し、他方を前記第2モータ/ジェネレータに結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  5. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    前記第1差動装置、第2差動装置、および第3差動装置をそれぞれ、第1、第2、および第3シングルピニオン遊星歯車組で構成し、
    第1シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに前記第1モータ/ジェネレータを結合し、また、第1シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを結合し、第1シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤおよび第2シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤを相互に結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤに前記第2出力軸および第3シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤをそれぞれ結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを固定し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第1出力軸を、また、サンギヤに第2モータ/ジェネレータをそれぞれ結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  6. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    第1モータ/ジェネレータおよび第2モータ/ジェネレータをひとまとめにして同軸に配置し、
    これらモータ/ジェネレータの軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組および第2シングルピニオン遊星歯車組をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から前記第2出力軸を同軸に取り出し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組を、第1および第2モータ/ジェネレータの軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から前記第1出力軸を同軸に取り出したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  7. 少なくとも3個の回転要素よりなる第1差動装置および第2差動装置を同軸に配置して具え、これら差動装置の1回転要素間を相互に結合し、第1差動装置の他の2個の回転要素にそれぞれ第1モータ/ジェネレータおよび第1出力軸を結合し、第2差動装置の他の2個の回転要素のうち一方に第2出力軸を結合し、他方の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸および第2出力軸の双方に第2モータ/ジェネレータを結合し、
    前記第2モータ/ジェネレータは、第1出力軸および第2出力軸に対し相互逆向きのトルクを同時に付与するよう、これら第1出力軸および第2出力軸に減速機構を介して結合し、
    前記減速機構は、前記第1差動装置および第2差動装置に同軸に配置した第3差動装置であるモータ動力伝達装置において、
    該モータ動力伝達装置を表す共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第1差動装置の回転要素に前記第1モータ/ジェネレータを、また、これら相互に結合した回転要素および第1モータ/ジェネレータを結合した回転要素間における第1差動装置の回転要素に前記第1出力軸を結合し、
    前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第2差動装置の回転要素に前記第2出力軸を結合し、これら相互に結合した回転要素および第2出力軸を結合した回転要素間における第2差動装置の回転要素を固定し、
    第2差動装置は前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素から最も遠い側に第4の回転要素を具え、
    前記第1出力軸を結合した第1差動装置の回転要素に前記第3差動装置の1回転要素を結合し、前記共線図上で該1回転要素の両側における第3差動装置の2回転要素のうち一方を、第2差動装置における前記第4の回転要素に結合し、他方を前記第2モータ/ジェネレータに結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  8. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    前記第1差動装置および第3差動装置をそれぞれ、第1および第3シングルピニオン遊星歯車組で構成し、
    前記第2差動装置を第2および第4シングルピニオン遊星歯車組の組み合わせにより構成し、
    第1シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに前記第1モータ/ジェネレータを結合し、また、第1シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを結合し、第1シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤおよび第2シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤを相互に結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤに第4シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを固定し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第1出力軸を、また、サンギヤに第2モータ/ジェネレータをそれぞれ結合し、第3シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤを第4シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤに結合し、
    第4シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに前記第2出力軸を結合し、第4シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤを固定したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  9. 請求項に記載のモータ動力伝達装置において、
    第1モータ/ジェネレータおよび第2モータ/ジェネレータをひとまとめにして同軸に配置し、
    これらモータ/ジェネレータの軸線方向一方側に、第1シングルピニオン遊星歯車組、第2シングルピニオン遊星歯車組、および第4シングルピニオン遊星歯車組をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から前記第2出力軸を同軸に取り出し、
    第3シングルピニオン遊星歯車組を、第1および第2モータ/ジェネレータの軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から前記第1出力軸を同軸に取り出したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  10. 少なくとも3個の回転要素よりなる第1差動装置および第2差動装置を同軸に配置して具え、これら差動装置の1回転要素間を相互に結合し、第1差動装置の他の2個の回転要素にそれぞれ第1モータ/ジェネレータおよび第1出力軸を結合し、第2差動装置の他の2個の回転要素のうち一方に第2出力軸を結合し、他方の回転要素を固定し、
    前記第1出力軸および第2出力軸の双方に第2モータ/ジェネレータを結合し、
    前記第2モータ/ジェネレータは、第1出力軸および第2出力軸に対し相互逆向きのトルクを同時に付与するよう、これら第1出力軸および第2出力軸に減速機構を介して結合し、
    前記減速機構は、前記第1差動装置および第2差動装置に同軸に配置した第3差動装置であるモータ動力伝達装置において、
    該モータ動力伝達装置を表す共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第1差動装置の回転要素に前記第1モータ/ジェネレータを、また、これら相互に結合した回転要素および第1モータ/ジェネレータを結合した回転要素間における第1差動装置の回転要素に前記第1出力軸を結合し、
    前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素から遠い側における第2差動装置の回転要素に前記第2出力軸を結合し、これら相互に結合した回転要素および第2出力軸を結合した回転要素間における第2差動装置の回転要素を固定し、
    第1差動装置は前記共線図上で、前記相互に結合した回転要素と、前記第1出力軸を結合した回転要素との間に第4の回転要素を具え、
    該第4の回転要素に前記第3差動装置の1回転要素を結合し、前記共線図上で該1回転要素の両側における第3差動装置の2回転要素のうち一方を、第2差動装置の前記固定した回転要素に結合し、他方を前記第2モータ/ジェネレータに結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  11. 請求項10に記載のモータ動力伝達装置において、
    前記第2差動装置および第3差動装置をそれぞれ、第2および第3シングルピニオン遊星歯車組で構成し、
    前記第1差動装置を第1および第4シングルピニオン遊星歯車組の組み合わせにより構成し、
    第1シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに前記第1モータ/ジェネレータを結合し、また、第1シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに第1出力軸および第4シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤをそれぞれ結合し、更に、第1シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤを第4シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに結合し、
    第4シングルピニオン遊星歯車組のキャリアを第3シングルピニオン遊星歯車組のキャリアに、また、リングギヤを第2シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに結合し、
    第2シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤに第2出力軸を結合し、第2シングルピニオン遊星歯車組のキャリアおよび第3シングルピニオン遊星歯車組のリングギヤを固定し、第3シングルピニオン遊星歯車組のサンギヤに第2モータ/ジェネレータを結合したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
  12. 請求項11に記載のモータ動力伝達装置において、
    第1モータ/ジェネレータおよび第2モータ/ジェネレータをひとまとめにして同軸に配置し、
    これらモータ/ジェネレータの軸線方向一方側に、第2シングルピニオン遊星歯車組、および第3シングルピニオン遊星歯車組をそれぞれ同軸に配置すると共に、この一方側から前記第2出力軸を同軸に取り出し、
    第1シングルピニオン遊星歯車組および第4シングルピニオン遊星歯車組を、第1および第2モータ/ジェネレータの軸線方向他方側に同軸に配置すると共に、この他方側から前記第1出力軸を同軸に取り出したことを特徴とするモータ動力伝達装置。
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