JP2017114426A - 電動倍力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒステリシス特性を有する電動倍力装置を提供する。【解決手段】入力ロッド7の進退移動時の摺動抵抗(抵抗力)にヒステリシスを付与するヒステリシス付与機構をハウジング2内に設けて電動倍力装置1を構成した。ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7と一体的に移動する摺動部材57を有し、摺動部材57は、入力ロッド7の進退移動に伴い、ハウジング2に固定されたストッパ部材51と摺動する。これにより、電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、ブレーキペダルから入力部材に付与される推力と、電動モータからピストンに付与される推力とにより、マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置に関する。
例えば、特許文献1には、ボールねじ機構(回転直動変換機構)を利用した電動倍力装置が開示されている。ところで、電動倍力装置は、気圧式倍力装置のようなヒステリシス特性、すなわち、入力ロッド(入力部材)に作用する抵抗力が、ブレーキペダルの踏み込み時と戻し時とで変化する特性を持たないため、ヒステリシス特性を付与するための機構を、例えば、ブレーキペダルに設ける必要がある。しかしながら、当該機構は、電動倍力装置を車両に搭載する上で、設計(レイアウト)の自由度を損なうことになる。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ブレーキペダルの操作に対してヒステリシス特性を有する電動倍力装置を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の電動倍力装置は、基端側がブレーキペダルに連結され、該ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、前記ブレーキペダルの操作量に基づいて駆動される電動モータと、該電動モータの回転力をマスタシリンダのピストンの推進力に変換する回転直動変換機構と、該回転直動変換機構を内包するとともに、前記入力部材の先端側が内部に配置されるハウジングと、を有し、前記回転直動変換機構から前記ピストンに付与される推進力により前記マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置であって、前記回転直動変換機構は、前記電動モータにより回転駆動される回転部材と、前記回転部材の内部に配置され前記回転部材の回転に応じて進退移動するとともに、内部に前記入力部材の先端側が挿通される筒状の直動部材と、を備え、前記直動部材は、内周面に該直動部材の中心軸に向かって突出する少なくとも1つの突起部が設けられ、前記直動部材の移動方向に沿って延びて前記直動部材の突起部の側面に当接する回り止め軸部材が前記ハウジングに固定され、前記回り止め軸部材には、前記入力部材と共に進退移動する摺動部材が摺動可能に当接することを特徴とする。
本発明によれば、ブレーキペダルの操作に対してヒステリシス特性を有する電動倍力装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
なお、便宜的に、図1における左方向及び右方向を、電動倍力装置1における前方向及び後方向と定める。同様に、図1における上方向及び下方向を電動倍力装置1における上方向及び下方向と定める。
なお、便宜的に、図1における左方向及び右方向を、電動倍力装置1における前方向及び後方向と定める。同様に、図1における上方向及び下方向を電動倍力装置1における上方向及び下方向と定める。
図1は、本実施形態の電動倍力装置1の軸線を含む鉛直面による断面図である。図1に示されるように、電動倍力装置1は、ハウジング2と、ブレーキペダルPの操作により進退移動(前後方向へ移動)する入力プランジャ3と、略円筒形に形成され、入力プランジャ3に対して相対移動可能に設けられるプライマリピストン4(ピストン)と、電動モータ5の回転力をプライマリピストン4の推進力に変換するボールねじ機構6(回転直動変換機構)と、を備える。ここで、入力プランジャ3は、入力ロッド7を介してブレーキペダルPに連結されており、入力ロッド7と共に本実施形態における、基端側がブレーキペダルに連結され、該ブレーキペダルPの操作により進退移動する入力部材を構成する。ハウジング2は、前側のハウジング2Aと後側のハウジング2Bとに前後に分割されている。ハウジング2は、少なくとも後述するボールねじ機構6(回転直動変換機構)を内包しており、入力プランジャ3及び入力ロッド7の先端側(入力部材の先端側)が内部に配置される。
ハウジング2Aには、タンデム型のマスタシリンダ8が連結される。マスタシリンダ8の上部には、マスタシリンダ8へブレーキ液を補給するリザーバ9が取り付けられている。ハウジング2Bの後部には、マスタシリンダ8に対して同一軸線上に位置する円筒部10が形成される。また、ハウジング2Bには、円筒部10を囲うように設けられた取付プレート11が固定される。取付プレート11には、当該電動倍力装置1をダッシュパネル(図示省略)に取り付けるための複数個のスタッドボルト12が立設されている。
マスタシリンダ8内には、有底のシリンダボア13が形成される。シリンダボア13の開口部側(図1における右側)には、プライマリピストン4のカップ形状の前端部が挿入される。一方、シリンダボア13の底部側(図1における左側)には、略カップ形状のセカンダリピストン14が挿入される。プライマリピストン4の後端部は、ハウジング2Bの円筒部10内まで延びる。シリンダボア13内における、プライマリピストン4とセカンダリピストン14との間には、プライマリ室15が形成される。さらに、シリンダボア13の底部とセカンダリピストン14との間には、セカンダリ室16が形成される。
なお、プライマリ室15とセカンダリ室16とは、各々、マスタシリンダ8の液圧ポートから2系統の液圧回路を介して液圧制御ユニット(図示省略)に連通される。当該液圧制御ユニットは、車両の各車輪のホイールシリンダに連通され、マスタシリンダ8が発生するブレーキ液の液圧を各車輪のホイールシリンダに伝達し、各車輪のディスクロータの回転に対して制動力を発生させる。
マスタシリンダ8は、プライマリ室15とセカンダリ室16とを、各々、リザーバ9に接続するリザーバポート17、18を有する。シリンダボア13には、リザーバポート17の前後をシールする一対のピストンシール19、20が設けられる。また、シリンダボア13には、リザーバポート18の前後をシールする一対のピストンシール21、22が設けられる。ここで、プライマリピストン4が非制動位置に位置するとき(図1参照)、プライマリ室15は、プライマリピストン4の側壁に形成されたピストンポート23を介してリザーバポート17に連通する。
そして、ボールねじ機構6から付与される推進力でプライマリピストン4が前進することにより、ピストンポート23がピストンシール20に到達すると、プライマリ室15とリザーバポート17との間が遮断され、マスタシリンダ8が液圧を発生する。一方、セカンダリピストン14が非制動位置に位置するとき(図1参照)、セカンダリ室16は、セカンダリピストン14の側壁に形成されたピストンポート24を介してリザーバポート18に連通する。そして、セカンダリピストン14の前進により、ピストンポート24がピストンシール22に到達すると、セカンダリ室16とリザーバポート18との間が遮断され、マスタシリンダ8が液圧を発生する。なお、プライマリピストン4とセカンダリピストン14との間には、圧縮コイルばね25が介装され、セカンダリピストン14とシリンダボア13の底部との間には、圧縮コイルばね26が介装される。このように、マスタシリンダ8内には、ボールねじ機構6(回転直動変換機構)からプライマリピストン4に付与される推進力により、ブレーキ液圧が発生するようになっている。
プライマリピストン4は、前後方向の略中央に形成された中間壁27を貫通する案内ボア28を有する。案内ボア28には、入力ピストン29の前側に形成された小径部が摺動可能、且つ液密に嵌合される。また、入力ピストン29の後側に形成された大径部の後端には、外フランジ形のばね受部30が形成される。プライマリピストン4の中間壁27と、入力ピストン29のばね受部30との間には、圧縮コイルばね31が介装される。また、入力プランジャ3の後端のばね受部32と、プライマリピストン4の後端に固定されたばね受部材33との間には、圧縮コイルばね34が介装される。そして、入力プランジャ3及び入力ピストン29は、圧縮コイルばね31、34のばね力により中立位置(図1参照)に弾性支持される。換言すると、入力プランジャ3及び入力ピストン29は、中立位置から圧縮コイルばね31、34のばね力に抗してプライマリピストン4に対して前後方向へ相対移動可能である。
入力ロッド7は、プライマリピストン4内に位置する軸部7Aの前端が、入力プランジャ3の後端に連結される。また、入力ロッド7は、ハウジング2Bの円筒部10よりも後方へ延びて、クレビス37を介してブレーキペダルPに連結される。さらに、入力ロッド7の前後方向中間位置には、フランジ部38が形成される。そして、入力ロッド7は、フランジ部38の後側端面が、後述するストッパ部材51のベース部52に形成されたストッパ39に当接されることにより、ハウジング2に対して後退端位置(図1参照)に位置決めされる。なお、フランジ部38の前側には、後述する摺動部材57が当接する略円錐台形状の支持部38Aが形成される。
(ボールねじ機構)
ハウジング2内には、前述の電動モータ5及びボールねじ機構6が収容される。ボールねじ機構6は、ベアリング44を介してハウジング2に回転可能に支持されるナット部材40(回転部材)と、ナット部材40の回転に応じて進退移動するねじ軸41(直動部材)とを含む。ねじ軸41は円筒状に形成されており、その内部にはプライマリピストン4(ピストン)の後側部分と、入力プランジャ3及び入力ロッド7の先端側(入力部材の先端側)とが挿通される。また、ナット部材40の内周面には、一条の螺旋溝45が形成される。さらに、ねじ軸41の外周面には、螺旋溝45に相対する螺旋溝46が形成される。そして、螺旋溝45、46間には、複数個のボール47が装填される。
ハウジング2内には、前述の電動モータ5及びボールねじ機構6が収容される。ボールねじ機構6は、ベアリング44を介してハウジング2に回転可能に支持されるナット部材40(回転部材)と、ナット部材40の回転に応じて進退移動するねじ軸41(直動部材)とを含む。ねじ軸41は円筒状に形成されており、その内部にはプライマリピストン4(ピストン)の後側部分と、入力プランジャ3及び入力ロッド7の先端側(入力部材の先端側)とが挿通される。また、ナット部材40の内周面には、一条の螺旋溝45が形成される。さらに、ねじ軸41の外周面には、螺旋溝45に相対する螺旋溝46が形成される。そして、螺旋溝45、46間には、複数個のボール47が装填される。
ナット部材40の外周には、プーリ42が固定される。また、電動モータ5の回転軸5Aには、プーリ43が固定される。そして、プーリ42とプーリ43とにプーリベルト49が巻回されることにより、電動モータ5の回転力がナット部材40に伝達される。そして、ねじ軸41は、後述する案内機構により、ハウジング2に対する中心線(軸線)を中心とする相対回転が阻止され、且つハウジング2に対する前後方向(中心線に沿う方向)への直線的な相対移動が許容される。これにより、電動モータ5によりナット部材40が回転駆動されると、ねじ軸41は、ナット部材40の回転に応じて進退移動(直動)、すなわち、前後方向へ移動する。このように、本実施形態においては、ボールねじ機構6により、電動モータ5の回転力をマスタシリンダ8のプライマリピストン4の推進力に変換する回転直動変換機構が構成される。
ねじ軸41の内周には、スリーブ35が嵌合される。スリーブ35は、前端にばね受部36が形成され、後端がばね受部材33の前側端面に当接される。ねじ軸41は、ハウジング2Aの底部とスリーブ35のばね受部36との間に介装された戻しばね48のばね力により後退方向(図1における右方向)へ付勢される。また、ねじ軸41は、後端が後述するストッパ部材51のベース部52の前側端面に当接されることにより、ハウジング2に対する後退端位置が定められる。
一方、ねじ軸41の内周には、内周面からねじ軸41の中心軸に向かって突出する一対の突起部50(図1では一方のみ図示)が形成される。一対の突起部50は、後述する案内機構の一部を構成する。一対の突起部50の前側端面には、ばね受部材33のフランジ部33Aの後側端面が当接される。また、プライマリピストン4は、後端が、ばね受部材33のフランジ33Aの前側端面に当接することにより、ねじ軸41に対する後退端位置(図1参照)が定められる。さらに、プライマリピストン4は、ねじ軸41の前進によりスリーブ35と一体的に前進する一方で、ねじ軸41の一対の突起部50から離間して単独で前進することが可能である。
なお、本実施形態においては、回転直動変換機構として、ボールねじ機構6を用いているが、これに限ることなく、直動部材が筒状で内部に回り止め部材が配置されるものであれば、台形ねじ機構やローラねじ、または、ラックアンドピニオン機構を用いるようにしてもよい。
電動倍力装置1は、電動モータ5の回転位置を検出する回転位置センサ及びホールセンサユニット、ハウジング2に対する入力プランジャ3(入力ロッド7)のストローク量(移動位置)を検出するストロークセンサ、並びにマスタシリンダ8のプライマリ室15及びセカンダリ室16の液圧を検出する液圧センサ等の出力信号(出力電圧)に基づき、電動モータ5の作動を制御するコントローラ(制御系については図示省略)を備える。そして、コントローラは、回生協調制御、ブレーキアシスト制御、及び自動ブレーキ制御等の種々のブレーキ制御を実行するための車載コントローラに接続可能である。
(案内機構)
前述したように、電動倍力装置1は、ボールねじ機構6のねじ軸41の、ハウジング2に対する中心線を中心とする相対回転を阻止し、且つハウジング2に対する前後方向への直線的な直線移動を許容する案内機構を有する。当該案内機構は、ねじ軸41(直動部材)に設けられる前述した一対の突起部50と、ハウジング2Bの円筒部10の後端部、換言すると、ハウジング2のブレーキペダルP側端部に固定される前述したストッパ部材51と、を含む。
前述したように、電動倍力装置1は、ボールねじ機構6のねじ軸41の、ハウジング2に対する中心線を中心とする相対回転を阻止し、且つハウジング2に対する前後方向への直線的な直線移動を許容する案内機構を有する。当該案内機構は、ねじ軸41(直動部材)に設けられる前述した一対の突起部50と、ハウジング2Bの円筒部10の後端部、換言すると、ハウジング2のブレーキペダルP側端部に固定される前述したストッパ部材51と、を含む。
図1又は図2に示されるように、ストッパ部材51は、前述したベース部52と、ベース部52から前方向へ延びる一対のアーム部53、54と、を有する。一対のアーム部53、54は、ねじ軸41(直動部材)の移動方向に沿って延びてねじ軸41の突起部50の側面に当接する回り止め軸部材となっている。一対のアーム部53、54は、ハウジング2Bの円筒部10内を、ねじ軸41の中心線に沿ってマスタシリンダ8側(図1における左方向)へ延びる。また、ストッパ部材51は、ベース部52の外周面52Aが、円筒部10に形成されたストッパ保持部55にて保持され、これにより、円筒部10の後端部に回転不能に固定される。前述したように、ストッパ部材51は、ベース部52の後側端面が、円筒部10の後端の内フランジ部56に当接され、これにより、ハウジング2に対して前後方向に位置決めされる。
さらに、ストッパ部材51の一対のアーム部53、54は、ねじ軸41の中心線を対称軸として対称に形成される。また、一対のアーム部53、54は、ねじ軸41に対して同心の円筒に含まれており、ねじ軸41の中心線に直交する平面による断面が、円弧状に形成される。そして、対向する一対の突起部50間の一方の隙間には、ストッパ部材51の一方のアーム部53が挿入され、他方の隙間には、ストッパ部材51の他方のアーム部54が挿入される。これにより、ハウジング2内に、案内機構が構成される。
(ヒステリシス付与機構)
本実施形態において、電動倍力装置1は、当該電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与するヒステリシス付与機構を備える。ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)の前進時と後退時とで、入力ロッド7とストッパ部材51との間の摺動に伴う抵抗力を変化させる、換言すると、入力ロッド7に作用する抵抗力の向きを変化させることにより、当該電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与する。
本実施形態において、電動倍力装置1は、当該電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与するヒステリシス付与機構を備える。ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)の前進時と後退時とで、入力ロッド7とストッパ部材51との間の摺動に伴う抵抗力を変化させる、換言すると、入力ロッド7に作用する抵抗力の向きを変化させることにより、当該電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与する。
図1又は図2に示されるように、ヒステリシス付与機構は、前述した摺動部材57と、当該摺動部材57とばね受部材33との間に介装される圧縮コイルばね60と、を含む。摺動部材57は、軸孔58を有する円板状に形成され、当該軸孔58には、入力ロッド7の軸部7A、すなわち、フランジ部38よりも前側(入力プランジャ3側)部分が挿通される。圧縮コイルばね60は、前端が、ばね受部材33のばね受部61により支持され、後端が、摺動部材57のばね受部62により支持される。これにより、摺動部材57は、圧縮コイルばね60のばね力にて、入力ロッド7のフランジ部38に押し付けられる。これにより、摺動部材57は、入力ロッド7の進退移動に伴い、当該入力ロッド7と一体的に移動する。なお、摺動部材57は、軸孔58の後側の開口の周縁部が、フランジ部38の傾斜した支持部38Aに当接(支持)される。
また、ヒステリシス付与機構は、摺動部材57の外周縁を形成する摺動部59が、ストッパ部材51の各アーム部53、54の内側面(対向面)に摺動可能に当接される。換言すると、摺動部59は、ストッパ部材51の一対のアーム部53、54により、摺動可能に挟み込まれる。これにより、入力ロッド7の進退移動に伴い、摺動部材57が当該入力ロッド7と共にねじ軸41の中心線方向へ移動すると、摺動部材57とストッパ部材51の一対のアーム部53、54との間に、一定の摺動抵抗(抵抗力)が生じる。
そして、摺動部材57に作用する摺動抵抗(抵抗力)の向きは、入力ロッド7の前進時と後退時とで正反対であるから、入力ロッド7の前進時と後退時との摺動抵抗、延いてはブレーキペダルPの踏み込み時と戻し時との抵抗力には、ヒステリシスが生じる。ここで、入力ロッド7の前進時に、摺動部材57(入力ロッド7)に作用する摺動抵抗(抵抗力)の力の方向を(+)方向とすると、当該ヒステリシス付与機構によりもたらされるヒステリシス幅は、図3におけるHとなる。
なお、本実施形態における摺動部材57は、例えば、ゴム材、ばね材等の弾性材料を適用することができる。そして、ヒステリシス付与機構は、摺動部材57に作用させる垂直抗力を変化させて、摺動部材57とストッパ部材51(一対のアーム部53、54)との間の摺動抵抗(抵抗力)を調節することにより、電動倍力装置1に付与するヒステリシス(ヒステリシス幅)を適宜設定することができる。
(動作)
次に、電動倍力装置1の動作を説明する。
ブレーキペダルPの操作により入力ロッド7が前進すると、コントローラ53は、ブレーキペダルPの操作量、すなわち、入力プランジャ3(入力部材)のストローク量に基づき電動モータ5の作動を制御する。言い換えれば、電動モータ5は、ブレーキペダルPの操作量に基づいて駆動される。電動モータ5の回転力は、プーリ43、プーリベルト49、及びプーリ42を介して、ボールねじ機構6(回転直動変換機構)のナット部材40に伝達される。これにより、ナット部材40は、マスタシリンダ8に液圧を発生させる方向へ回転し、ナット部材40の回転力は、複数個のボール47を介してねじ軸41に伝達される。
次に、電動倍力装置1の動作を説明する。
ブレーキペダルPの操作により入力ロッド7が前進すると、コントローラ53は、ブレーキペダルPの操作量、すなわち、入力プランジャ3(入力部材)のストローク量に基づき電動モータ5の作動を制御する。言い換えれば、電動モータ5は、ブレーキペダルPの操作量に基づいて駆動される。電動モータ5の回転力は、プーリ43、プーリベルト49、及びプーリ42を介して、ボールねじ機構6(回転直動変換機構)のナット部材40に伝達される。これにより、ナット部材40は、マスタシリンダ8に液圧を発生させる方向へ回転し、ナット部材40の回転力は、複数個のボール47を介してねじ軸41に伝達される。
ここで、ねじ軸41は、前述した案内機構により、中心線を中心とするハウジング2との相対回転が阻止され、且つハウジング2に対する前後方向(中心線に沿う方向)への直線的な相対移動が許容される。すなわち、ねじ軸41は、一対の突起部50(図1においては一方のみ図示)の側面が、ハウジング2に固定されたストッパ部材51の対応するアーム部53、54に案内されることにより、ナット部材40の回転に応じて前進(直動)する。これにより、ばね受部材33は、ねじ軸41の一対の突起部50により前方向へ押圧され、同時に、プライマリピストン4は、入力プランジャ3に追従して前進する。その結果、プライマリ室15に液圧が発生し、延いてはセカンダリ室16に液圧が発生する。そして、マスタシリンダ8の各液室15、16に発生したブレーキ液圧は、車両の各車輪のホイールシリンダへ供給され、これにより、摩擦制動による制動力が発生する。
そして、ブレーキペダルPの操作が解除されると、コントローラ(図示省略)は、入力プランジャ3(入力部材)のストローク量に基づき電動モータ5を逆回転させる。これにより、ナット部材40は、マスタシリンダ8の液圧をリザーバ9へ逃がす方向へ回転し、ねじ軸41は、案内機構により案内されつつ、ナット部材40の回転に応じて後退(直動)する。その結果、プライマリピストン4及びセカンダリピストン14が後退し、マスタシリンダ8の各液室15、16の液圧が減圧されることにより、制動力が解除される。
そして、液圧発生時には、プライマリ室15の液圧を入力ピストン29の前側の小径部で受圧し、その反力が、入力プランジャ3及び入力ロッド7を介してブレーキペダルPに伝達(フィードバック)される。これにより、既定の倍力比(ブレーキペダルPの操作力に対する液圧出力の比)による制動力を発生させることができる。さらに、コントローラは、電動モータ5の作動を制御し、入力ピストン29と、当該入力ピストン29に追従するプライマリピストン4との相対位置を調整することができる。
すなわち、入力ピストン29のストローク位置に対し、プライマリピストン4の位置を前方向(マスタシリンダ8側)へ調整することにより、ブレーキペダルPの操作に対する液圧出力を大きくすることができる。他方、入力ピストン29のストローク位置に対し、プライマリピストン4の位置を後方向(ブレーキペダルP側)へ調整することにより、ブレーキペダルPの操作に対する液圧出力を小さくすることができる。その結果、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調制御等のブレーキ制御を実行することができる。
(効果)
本実施形態によれば、電動倍力装置1のハウジング2内には、ヒステリシス付与機構が構成される。当該ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)の進退移動時の摺動抵抗(抵抗力)にヒステリシスを付与する。また、ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)と一体的に移動する摺動部材57を有し、当該摺動部材57は、入力ロッド7(入力部材)の進退移動に伴い、ハウジング2に固定されたストッパ部材51の一対のアーム部53、54と摺動する。その結果、摺動部材57には、一定の摺動抵抗(抵抗力)が作用する。
そして、ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7の前進時と後退時とで、摺動部材57に作用させる摺動抵抗(抵抗力)の向きを変えることにより、電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与することができ、延いてはブレーキペダルPの踏み込み時と戻し時との抵抗力に、ヒステリシスを生じさせることができる。
つまり、本実施形態において、ヒステリシス付与機構は、本来、ヒステリシス特性を持たない電動倍力装置に、ブレーキペダルPに対するヒステリシス特性を付与することができる。これにより、本実施形態では、従来のように、ヒステリシス特性を付与する機構をブレーキペダルP等に別途設ける必要がないので、電動倍力装置1を車両に搭載する上での制約がなくなり、設計(レイアウト)の自由を向上させることができる。
本実施形態によれば、電動倍力装置1のハウジング2内には、ヒステリシス付与機構が構成される。当該ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)の進退移動時の摺動抵抗(抵抗力)にヒステリシスを付与する。また、ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7(入力部材)と一体的に移動する摺動部材57を有し、当該摺動部材57は、入力ロッド7(入力部材)の進退移動に伴い、ハウジング2に固定されたストッパ部材51の一対のアーム部53、54と摺動する。その結果、摺動部材57には、一定の摺動抵抗(抵抗力)が作用する。
そして、ヒステリシス付与機構は、入力ロッド7の前進時と後退時とで、摺動部材57に作用させる摺動抵抗(抵抗力)の向きを変えることにより、電動倍力装置1にヒステリシス特性を付与することができ、延いてはブレーキペダルPの踏み込み時と戻し時との抵抗力に、ヒステリシスを生じさせることができる。
つまり、本実施形態において、ヒステリシス付与機構は、本来、ヒステリシス特性を持たない電動倍力装置に、ブレーキペダルPに対するヒステリシス特性を付与することができる。これにより、本実施形態では、従来のように、ヒステリシス特性を付与する機構をブレーキペダルP等に別途設ける必要がないので、電動倍力装置1を車両に搭載する上での制約がなくなり、設計(レイアウト)の自由を向上させることができる。
また、本実施形態に係る電動倍力装置1は、ヒステリシス付与機構を電動倍力装置1に内蔵したことにより、他の車両の気圧式倍力装置と容易に置き換えることが可能であり、気圧式倍力装置を搭載した車両に、電動倍力装置1を短期間且つ低コストにて適用することができる。
1 電動倍力装置、2 ハウジング、3 入力プランジャ(入力部材)、4 プライマリピストン(ピストン)、5 電動モータ、6 ボールねじ機構(回転直動変換機構)、7 入力ロッド(入力部材)、8 マスタシリンダ、40 ナット部材(回転部材)、41 ねじ軸(直動部材)、50 突起部、51 ストッパ部材、53,54 回り止め軸部材、57 摺動部材
Claims (1)
- 基端側がブレーキペダルに連結され、該ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、
前記ブレーキペダルの操作量に基づいて駆動される電動モータと、
該電動モータの回転力をマスタシリンダのピストンの推進力に変換する回転直動変換機構と、
該回転直動変換機構を内包するとともに、前記入力部材の先端側が内部に配置されるハウジングと、を有し、
前記回転直動変換機構から前記ピストンに付与される推進力により前記マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置であって、
前記回転直動変換機構は、前記電動モータにより回転駆動される回転部材と、前記回転部材の内部に配置され前記回転部材の回転に応じて進退移動するとともに、内部に前記入力部材の先端側が挿通される筒状の直動部材と、を備え、
前記直動部材は、内周面に該直動部材の中心軸に向かって突出する少なくとも1つの突起部が設けられ、
前記直動部材の移動方向に沿って延びて前記直動部材の突起部の側面に当接する回り止め軸部材が前記ハウジングに固定され、
前記回り止め軸部材には、前記入力部材と共に進退移動する摺動部材が摺動可能に当接することを特徴とする電動倍力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015254467A JP2017114426A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電動倍力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015254467A JP2017114426A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電動倍力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017114426A true JP2017114426A (ja) | 2017-06-29 |
Family
ID=59233499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015254467A Pending JP2017114426A (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 電動倍力装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017114426A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021039917A1 (ja) * | 2019-08-28 | 2021-03-04 | 株式会社アドヴィックス | 車両の電動倍力装置 |
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2015
- 2015-12-25 JP JP2015254467A patent/JP2017114426A/ja active Pending
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WO2021039917A1 (ja) * | 2019-08-28 | 2021-03-04 | 株式会社アドヴィックス | 車両の電動倍力装置 |
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