JP2017113763A - 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼およびその製造方法 - Google Patents
耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017113763A JP2017113763A JP2015249183A JP2015249183A JP2017113763A JP 2017113763 A JP2017113763 A JP 2017113763A JP 2015249183 A JP2015249183 A JP 2015249183A JP 2015249183 A JP2015249183 A JP 2015249183A JP 2017113763 A JP2017113763 A JP 2017113763A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- stainless steel
- laser
- less
- welded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
Description
例えば特許文献1に見られるように、2枚の金属板を互いに垂直に突き合わせ、突き合わせ部に沿って突き合わせた金属板の両面から対向する位置に2つのレーザ光を同時に照射している。
この方法によると、突き合わせ部に対してウェブ材の両面方向からレーザ光を照射することになり、生産性向上の観点からは必ずしも効率的でない。
特許文献2では、ステンレス鋼を溶接する際に生じる変形を抑えて、矯正をほとんど必要としないことを目的にレーザ溶接を適用している。
しかし、ステンレス鋼を大気中でレーザ溶接した場合は、溶接部近傍や溶接部の裏面に相当するフランジ材表面にテンパーカラーと呼ばれる酸化皮膜が発生してしまう。
溶接部近傍のテンパーカラーは、ブラシなどで除去すると研磨目が発生するが、研磨領域と研磨なし領域とで不均一な外観となり、均一な外観とするために多数パスの研磨工程が必要であり、生産性が非常に低くなる。
また、ステンレス鋼として、成分がC:0.025質量%以下、Si:0.60質量%以下、Mn:1.00質量%以下、P:0.040質量%以下、S:0.020質量%以下、Ni:0.60質量%以下、Cr:16.00〜35.00質量%、Mo:0.30〜6.00質量%、N:0.025質量%以下を含むフェライト系ステンレス鋼であることも特徴としている。
さらに、前記のステンレス鋼に、Nb:0.10〜1.00質量%、Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.01〜0.50質量%のうち1種または2種以上を含むフェライト系ステンレス鋼を用いることもできる。
また、前記のステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の表面は、酸性溶接に一定時間浸漬する工程を1回行えば実現できるため、多パスの研磨と比較して非常に効率良く生産することができる。
図1に示した方法で板厚2.3mmのSUS304を素材としてレーザ溶接を行った際に、図2に示すように、製造したステンレス鋼製レーザ溶接形鋼11においては、溶接部14の近傍や、フランジ12の表面のうち溶接部の裏面にあたる領域15にテンパーカラーが発生する。溶接後に、ステンレス鋼製レーザ溶接形鋼を、フッ化水素酸が8質量%で硝酸が8質量%を含有する酸性溶液に浸漬する時間を変更して、ステンレス鋼製レーザ溶接形鋼のフランジ材2とウェブ材3の表面の60度光沢度と、室外で日光に晒した際に目視で確認した防眩レベルを比較した。また、テンパーカラーの除去状態も確認した。
このうち、フェライト系ステンレス鋼を用いた場合は、比較的低いコストにすることができ、成分によって耐食性も維持できる。このため、良好な品質で低コストのステンレス鋼製レーザ溶接形鋼を実現することができる。
C:0.025質量%以下
Cは、鋼の強度を得るために有用な元素であるが、多量に含むと耐食性を低下させる傾向にある。Cの含有量は、0.025質量%以下が好まし。
Si:0.60質量%以下
Siは、製鋼工程における脱酸剤及び熱源として有用な元素であるが、多量に含むと鋼を硬化させる傾向にある。Siの含有量は、0.60質量%以下が好ましい。
Mn:1.00質量%以下
Mnは、製鋼工程における脱酸剤として有用な元素であるが、多量に含むとオーステナイト相を形成する傾向にある。Mnの含有量は、1.00質量%以下が好ましい。
P:0.040質量%以下
Pは、耐食性を低下させる傾向にある。Pの含有量は、0.040質量%以下が好ましい。
S:0.020質量%以下
Sは、耐食性を低下させる傾向にある。Sの含有量は、0.020質量%以下が好ましい。
Ni:0.60質量%以下
Niは、腐食の進行を抑制する効果やフェライト系ステンレス鋼の靱性改善に有効である点で好ましいが、多すぎるとオーステナイト相の生成やコスト高の原因となる。Niの含有量は、0.60質量%以下が好ましい。
Cr:16.00〜35.00質量%
Crは、耐食性を確保するために有用な元素であるが、多量に含むと高コストだけでなく加工性が低下する傾向にある。Crの含有量は、16.00〜35.00質量%が好ましい。
Mo:0.30〜6.00質量%
Moは、Crの存在下でステンレス鋼の耐食性を向上させるために有用な元素であるが、多量に含むと高コストだけでなく加工性が低下する傾向にある。Moの含有量は、0.30〜6.00質量%が好ましい。
N:0.025質量%以下
Nは、Cと同様に多量に含むと耐食性を低下させる傾向にある。Nの含有量は、0.025質量%以下が好ましい。
Nb:0.10〜1.00質量%
Nbは、C、Nとの親和力が強くフェライト系ステンレス鋼の粒界腐食を抑制する点で好ましいが、多量のNb含有は靱性を阻害する傾向にある。Nbの含有量は、0.10〜1.00質量%が好ましい。
Ti:0.05〜0.30質量%
Tiは、C、Nとの親和力が強くフェライト系ステンレス鋼の粒界腐食を抑制する点で好ましいが、多量のTi含有は鋼の表面品質を低下させる傾向にある。Tiの含有量は、0.05〜0.30質量%がより好ましい。
Al:0.01〜0.50質量%
Alは、脱酸剤として精錬や鋳造に有効な元素であるが、過剰に添加すると表面品質を劣化させるとともに、鋼の溶接性や低温靭性を低下させる。Alの含有量は、0.01〜0.50質量%がより好ましい。
光沢度は、ポータブル光沢度計GMX−102(株式会社村上色彩技術研究所製)を用い、光沢度の測定位置は、ウェブ材についてはビードの近傍を、フランジ材については溶接部の裏面にあたる位置とし、溶接形鋼の長さ方向に離れた任意の3か所について測定した。
板厚が2.3mm、3.2mm、4.5mmのオーステナイト系ステンレス鋼板(SUS304)であって、フランジ材は幅100mm×長さ5m、ウェブ材は幅100mm×長さ5mの素材を用いて、図1に示した方法で、表1に示すレーザ溶接条件により溶接して溶接形鋼を製造した。レーザ光の照射角度θは、20°とした。溶接後にフッ化水素酸が8質量%で硝酸が8質量%を含有する酸性溶液にステンレス製レーザ溶接形鋼を、浸漬時間を変更して浸漬した。浸漬したレーザ溶接形鋼に関しては、テンパーカラーの除去状態の観察とフランジ材2とウェブ材3の表面の60度光沢度を測定した。
その結果を表2に示す。
(実施例2)
2 フランジ材
3 ウェブ材
4 レーザ光
θ レーザ光4の照射角度
11 ステンレス鋼製レーザ溶接形鋼
12 フランジ
13 ウェブ
14 溶接部
15 溶接部の裏面にあたる領域
Claims (4)
- ステンレス鋼板を用いてウェブ材とフランジ材でT字状のレーザ溶接継手部を有する形鋼であり、表面の60度光沢度が75以下であることを特徴とするステンレス鋼製レーザ溶接形鋼。
- ステンレス鋼板として、C:0.025質量%以下、Si:0.60質量%以下、Mn:1.00質量%以下、P:0.040質量%以下、S:0.020質量%以下、Ni:0.60質量%以下、Cr:16.00〜35.00質量%、Mo:0.30〜6.00質量%、N:0.025質量%以下を含むフェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼製レーザ溶接形鋼。
- さらに、Nb:0.10〜1.00質量%、Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.01〜0.50質量%のうち1種または2種以上を含む、請求項2に記載のステンレス鋼製レーザ溶接形鋼。
- ステンレス鋼板を用いてウェブ材とフランジ材でT字状の溶接継手部を形成した溶接形鋼を製造する際に、溶接法としてレーザ光を照射するレーザ溶接法を用い、溶接後の溶接形鋼を酸性溶液に浸漬することを特徴とするステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015249183A JP6300779B2 (ja) | 2015-12-22 | 2015-12-22 | 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015249183A JP6300779B2 (ja) | 2015-12-22 | 2015-12-22 | 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017113763A true JP2017113763A (ja) | 2017-06-29 |
JP6300779B2 JP6300779B2 (ja) | 2018-03-28 |
Family
ID=59233072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015249183A Active JP6300779B2 (ja) | 2015-12-22 | 2015-12-22 | 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6300779B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0985306A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-03-31 | Kawasaki Steel Corp | ダル仕上ステンレス鋼板の製造方法 |
JPH1099982A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-21 | Topy Ind Ltd | レ−ザ溶接方法 |
JP2008190035A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-08-21 | Jfe Steel Kk | 温水器用フェライト系ステンレス鋼板 |
JP2014162988A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-08 | Jfe Steel Corp | フェライト系ステンレス鋼 |
-
2015
- 2015-12-22 JP JP2015249183A patent/JP6300779B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0985306A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-03-31 | Kawasaki Steel Corp | ダル仕上ステンレス鋼板の製造方法 |
JPH1099982A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-21 | Topy Ind Ltd | レ−ザ溶接方法 |
JP2008190035A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-08-21 | Jfe Steel Kk | 温水器用フェライト系ステンレス鋼板 |
JP2014162988A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-08 | Jfe Steel Corp | フェライト系ステンレス鋼 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6300779B2 (ja) | 2018-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101339484B1 (ko) | 고강도 스테인리스 파이프 | |
US6620261B2 (en) | Flux cored wire for dual phase stainless steel | |
JP5516680B2 (ja) | 電縫溶接部の耐hic性および低温靭性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 | |
JP5010323B2 (ja) | 溶接構造温水容器用フェライト系ステンレス鋼および温水容器並びにその製造法 | |
JP4867319B2 (ja) | 熱間プレス用テーラードブランク材ならびに熱間プレス部材およびその製造方法 | |
JP2009161836A (ja) | 溶接隙間部の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板 | |
JP2011173124A (ja) | フェライト系ステンレス鋼の溶接方法 | |
JP2009185382A (ja) | 溶接隙間酸化皮膜の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板 | |
CN112334265B (zh) | 钢材的对焊接头及其制造方法 | |
KR101885436B1 (ko) | 용접 구조용 주강품 및 그 제조 방법 | |
JP5293370B2 (ja) | 溶接熱影響部のctod特性が優れた鋼およびその製造方法 | |
JP5720592B2 (ja) | 溶接継手 | |
JP6300779B2 (ja) | 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法 | |
JP6300778B2 (ja) | 耐食性と防眩性に優れたステンレス鋼製レーザ溶接形鋼の製造方法 | |
JP2005125348A (ja) | 耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手 | |
JP2011526654A (ja) | 溶接部の加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼、これを用いた溶接鋼管及びその製造方法 | |
JP6685161B2 (ja) | 耐食性に優れたステンレス鋼加工品 | |
JP5457938B2 (ja) | 疲労亀裂進展抑制特性および靭性に優れた鋼板 | |
JP2017148858A (ja) | ステンレス鋼製レーザ溶接形鋼およびその製造方法 | |
JP2009167439A (ja) | 溶接隙間構造温水容器用フェライト系ステンレス鋼 | |
JP6977409B2 (ja) | 安定オーステナイト系ステンレス溶接部材 | |
JP5919650B2 (ja) | 電縫溶接部の耐hic性と低温靭性に優れた電縫鋼管およびその製造方法 | |
JP2011068967A (ja) | ステンレス鋼製パネル溶接施工貯水槽 | |
KR20160064281A (ko) | 스테인리스강 레이저 용접 재료 및 이를 이용하여 제조된 용접이음부 | |
JP2017148857A (ja) | ステンレス鋼製レーザ溶接形鋼およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170531 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170706 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170913 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180213 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180227 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6300779 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |