JP5457938B2 - 疲労亀裂進展抑制特性および靭性に優れた鋼板 - Google Patents

疲労亀裂進展抑制特性および靭性に優れた鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、主として船舶や橋梁の構造材として用いられる鋼板に関するものであり、特に亀裂の進展速度を抑制して良好な疲労寿命を確保する共に、靭性にも優れた鋼板に関するものである。
造船や橋梁分野を始めとする各種構造材料では、繰り返し応力が加わるものが少なくないことから、構造材料の安全性を確保するためには、素材として用いられている鋼材には疲労特性が良好であることが設計上極めて重要である。
鋼材の疲労過程は、応力集中部での亀裂の発生と、一旦発生した亀裂の進展という2つの過程に大別して考えられる。そして、通常の機械部品では巨視的な亀裂の発生が、使用限界として考えられており、設計上亀裂の進展についてはそれほど考慮されていない。しかしながら、溶接構造物においては、疲労亀裂が発生しても直ちに破壊に至ることはなく、亀裂進展速度を遅くすることができれば、破壊に至るまでの寿命を短くすることができ、定期検査などで亀裂を発見することが可能であり、早期に取り替えずとも続けて使用することが可能である。
ところで、溶接構造物では、応力集中部としての溶接止端部や欠陥部が多数存在しており、疲労亀裂の発生を完全に防止することは実際問題として不可能であり、こうした設計は経済的にも得策とはいえない。即ち、溶接構造物の疲労寿命を良好にするためには、亀裂の発生そのものを防止するよりも、亀裂が既に存在している状態からの亀裂進展寿命を大幅に延長することが有効であり、そのためには鋼材の亀裂の進展速度をできるだけ遅くするような設計が重要な事項となる。
疲労寿命を改善する技術としてもこれまで様々なものが提案されており、例えば特許文献1には、フェライトを母相とし、フェライト粒径を20μm以下、フェライトの平均ビッカース硬さHvを130〜200とすることで、継手寿命を改善する技術が提案されている。しかしながら、この技術ではフェライト粒径が小さ過ぎるのと、フェライトの平均硬さのバランスが良くないため、疲労亀裂進展の速度を抑制する特性(以下、「疲労亀裂進展抑制特性」ということがある)に劣ることになる。
特許文献2には、フェライトを母相とし、フェライト粒径を5〜25μm、固溶Nを0.010%以上に確保することによって、疲労特性を改善する技術が提案されている。しかしながら、この技術ではN含有量が過剰であるため、鋼板として要求される重要な特性である靭性が却って劣化することが予想される。
一方、特許文献3には、フェライトを母相とし、フェライト粒径を25μm以下、フェライトの平均ビッカース硬さHvを135以下とすることによって、耐疲労亀裂伝播特性を改善する技術が提案されている。この技術では、基本的にフェライト粒径を25μm以下でできるだけ微細化することによって(実施例では、実質20μm以下)、耐疲労亀裂伝播特性を改善するものであるが、こうした要件を満足させるだけでは、疲労特性が却って低下することがある。また、この技術ではC含有量が比較的高いものであり(C含有量:0.05〜0.2%)、また圧延前加熱温度はいずれも1100℃以上と比較的高温であることから、フェライト分率がやや低くなっている。
特開2003−34838号公報 特開2005−15881号公報 特開2007−119857号公報
本発明は前記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、フェライトを主体とする鋼板において、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれにも優れた鋼板を提供することにある。
前記目的を達成することのできた本発明の鋼板とは、C:0.010超〜0.15%(「質量%」の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:1.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.40超〜2.5%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜0.06%、N:0.0040〜0.010%を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物であり、フェライト相が90面積%以上の組織からなると共に、フェライト相の平均硬さが150Hv以下であり、隣接する2つのフェライト結晶の方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域を結晶粒としたとき、当該結晶粒のフェライト相全体に占める面積率が80%以上であると共に、平均円相当径が20〜150μmであり、且つ下記(1)式の関係を満足する点に要旨を有するものである。
{(α/5)+[(β×50)/(2α+40)]}×(γ/3) ≧1200…(1)
但し、α:上記結晶粒の平均円相当径(μm)
β:上記結晶粒のフェライト相全体に占める面積率(面積%)
γ:フェライト相の平均硬さ(Hv)
上記「円相当径」とは、フェライト結晶粒の大きさに着目して、その面積が等しくなるように想定した円の直径を求めたものである。また隣接する2つの結晶の方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域のフェライト結晶粒を「大角粒界粒」、この結晶粒(大角粒界粒)の平均円相当径を「大角粒界径」と略称することがある。尚、前記「方位差」は、「ずれ角」若しくは「傾角」とも呼ばれているものであり、以下では「結晶方位差」と呼ぶことがある。またこうした結晶方位差を測定するには、後述する実施例で示すように、EBSP法(電子後方散乱回折像法:Electron Backscattering Pattern法)を採用すれば良い。
本発明の鋼板においては、必要によって、更に、(a)Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Cr:2%以下(0%を含まない)、Mo:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.04%以下(0%を含まない)、B:0.0040%以下(0%を含まない)、Co:2.5%以下(0%を含まない)およびW:2.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(b)Ti:0.03%以下(0%を含まない)、Zr:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、等を含有することも有効であり、含有される元素の種類に応じてその特性が更に改善される。
本発明の鋼板においては、フェライトを主体とする組織を有する鋼板において、化学成分組成と共に、所定結晶方位関係を有するフェライトの平均円相当径や面積割合、およびフェライトの平均硬さ等の要件、およびそれらの関係を適切に規定することによって、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれにも優れた鋼板が実現でき、こうした鋼板は、造船や橋梁分野を始めとする各種構造材料の素材として有用である。
本発明者らは、前記課題を解決するために、フェライトを主体とする組織を有する鋼板に着目し、その鋼板における疲労亀裂進展抑制特性と靭性を改善するための手段について様々な角度から検討した。その結果、次のような知見が得られた。
フェライトを主体とする組織を有する鋼板において、フェライト相の割合を所定以上にすると共に、フェライト相の平均硬さHv(ビッカース硬さ)を所定以下にして、良好な靭性を確保し、所定結晶方位関係を有するフェライトの平均円相当径や面積割合を適切に制御し、更にこれらフェライトの平均円相当径、面積割合およびフェライト平均硬さの関係を適切に規定すれば、疲労亀裂進展抑制特性と靭性の両特性が良好になることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明で規定する要件について説明する。
[フェライト相:90面積%以上、フェライト相の平均硬さ:150Hv以下]
本発明の鋼板では、良好な靭性を確保するために、組織中のフェライト相の割合を90面積%以上とすると共に、フェライト相の平均硬さを150Hv以下とする必要がある。フェライト相の割合が90面積%よりも少なかったり、フェライト相の平均硬さが150Hvを超えると、鋼板としての基本的な靭性が確保できなくなる。フェライト相の割合は好ましくは95面積%以上であり、フェライト相の平均硬さは好ましくは100Hv以下である。尚、これらの対象とするフェライト相は、隣接する2つのフェライト結晶の方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域のものの他、方位差が15°未満の小角粒界のものも含めた趣旨である。
[大角粒界粒のフェライト相全体に占める面積率:80%以上、大角粒界径:20〜150μm]
上記のようなフェライト組織では何通りかの方位関係を持って生成することになるのであるが、鋼板の化学成分組成、組織の生成温度、その他の条件等によって選択される各結晶格子の方位関係が変化することになり、一定の結晶方位差を有する結晶粒界では、特に疲労亀裂進展が抑制される。亀裂進展の際に粒界と亀裂が衝突する頻度を高めれば、亀裂の進展が抑制できるものと考えられた。こうした観点から、大角粒界粒のフェライト相全体に占める面積率は80%以上とする必要があり、これより少なくなると、疲労亀裂進展抑制特性が低下することになる。この面積率は、好ましくは90%以上である。尚、粒界を形成する両端の方位差が小さい(例えば、15°未満の)小角粒界(小傾角境界)では、粒界エネルギーが小さくなってその効果が小さいので、前記方位差が15°以上の大角粒界(大傾角境界)を対象とする必要がある。
大角粒界粒はできるだけ細かくすることによって、亀裂との衝突頻度が高まり、疲労亀裂進展抑制特性が高まることが予想されたのであるが、その大きさ(大角粒界径)が小さくなりすぎると、鋼板の疲労特性を却って低下させる場合があることも判明している。鋼板の疲労特性も良好にするという観点から、大角粒界径は20μm以上とする必要がある。但し、大角粒界径が大きくなりすぎると、疲労亀裂進展抑制特性が低下するので150μm以下とする必要がある。大角粒界径は好ましくは30μm以上、50μm以下である。
ところで、疲労亀裂が進展するメカニズムは、疲労亀裂が結晶粒界を進展する場合と、結晶粒内を進展する場合の2通りが考えられ、これらのバランスを図ることも重要である。疲労亀裂が結晶粒界を進展する場合には、結晶粒の平均円相当径(大角粒界径)とフェライト相の硬さに影響され、これらの値が大きいほど疲労亀裂の進展抑制特性が良好になるものと考えられた。これは、結晶粒の相互の間に余裕がある方が、結晶粒界を亀裂が進展する上で障害になるものと考えられた。
一方、疲労亀裂が結晶粒内を進展する場合には、大角粒界径はむしろ疲労亀裂の進展抑制特性を低下する方向に作用し、大角粒界粒のフェライト相全体に占める面積率(面積%)とフェライト相の硬さに影響されることが分かった。
上記の知見に基づき、これらの関係について実験によって更に検討したところ、大角粒界径α(μm)、大角粒界粒の割合β(面積%)、およびフェライト相の平均硬さγ(Hv)が、下記(1)式の関係を満足するようにすれば、疲労亀裂進展抑制特性が更に改善されることが判明したのである。尚、この(1)式における左辺の値は、1500以上であることが好ましい(より好ましくは2000以上)。
{(α/5)+[(β×50)/(2α+40)]}×(γ/3) ≧1200…(1)
但し、α:上記結晶粒の平均円相当径(μm)
β:上記結晶粒のフェライト相全体に占める面積率(面積%)
γ:フェライト相の平均硬さ(Hv)
本発明の鋼板は、化学成分組成が適正に調整されていることも特徴の1つとする。以下では、化学成分の範囲限定理由を説明する。
[C:0.010超〜0.15%]
Cは、鋼板の強度を確保するために必要な元素であり、また疲労亀裂進展抑制特性を発揮させるためにも有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.010%を超えて含有させる必要がある。しかしながら、C含有量が過剰になると、硬質相が生成して靭性が却って低下することになる。こうしたことから、C含有量の上限は0.15%とした。尚、C含有量の好ましい下限は0.012%以上(より好ましくは0.015%以上)であり、好ましい上限は0.10%(より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.04%以下)である。
[Si:1.5%以下(0%を含まない)]
Siは、鋼板の強度を確保のために有効な元素である。しかしながら、Si含有量が過剰になると、鋼板(母材)に島状マルテンサイト相(M−A相)が多量に析出して靭性を却って劣化することになる。こうしたことから、Si含有量の上限は1.5%とした。尚、Si含有量の好ましい下限は0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)であり、好ましい上限は0.4%(より好ましくは0.3%以下)である。
[Mn:0.40超〜2.5%]
Mnは、焼入れ性を向上させて鋼板強度を確保する上で有効な元素であり、また疲労亀裂進展抑制特性を発揮させるためにも有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Mnは0.40%を超えて含有させる必要がある。しかしながら、過剰に含有させるとフェライト量が減少し、鋼板の靭性が劣化するので、2.5%以下とする必要がある。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.42%以上(より好ましくは0.45%以上)であり、好ましい上限は1.5%以下(より好ましくは1.0%以下)である。
[P:0.015%以下(0%を含まない)]
Pは、不可避的に混入してくる不純物であり、鋼板の靭性に悪影響を及ぼすので、できるだけ少ない方が好ましい。こうした観点から、P含有量は0.015%以下に抑制するのが良い。好ましくは、0.01%以下とするのが良い。尚、Pは鋼に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%とすることは、工業生産上、困難である。
[S:0.01%以下(0%を含まない)]
Sは、鋼板中の合金元素と化合して種々の介在物を形成し、鋼板の延性や靭性に有害に作用する不純物であるので、できるだけ少ない方が好ましいのであるが、実用鋼の清浄度の程度を考慮して0.01%以下(好ましくは0.005%以下)に抑制するのが良い。尚、Sは鋼に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%とすることは、工業生産上、困難である。
[Al:0.005〜0.06%]
Alは脱酸剤として有効な元素であると共に、鋼板のミクロ組織の微細化による母材靭性向上効果も発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Al含有量は0.005%以上とする必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になると、鋼板(母材)に島状マルテンサイト相(M−A相)が多量に析出して靭性を却って劣化することになる。こうしたことから、Al含有量の上限は0.06%とした。尚、Al含有量の好ましい下限は0.010%以上であり、好ましい上限は0.04%以下(より好ましくは0.03%以下)である。
[N:0.0040〜0.010%]
Nは、Al,Ti,Nb,B等の元素と結合し、窒化物を形成して母材組織を微細化させる効果があると共に、溶接時のオーステナイト粒の微細化や粒内組織を微細化し、靭性を向上させ元素である。こうした効果を発揮させるためには、Nは0.0040%以上(好ましくは0.0050%以上)含有させる必要がある。しかし、固溶Nは靭性を劣化させる原因となる。全窒素量の増加により、前述の窒化物は増加するが固溶Nも過剰となり、有害となるため、0.010%以下とする必要がある。好ましくは0.008%以下に抑える。
本発明の鋼板における基本成分は前記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物(例えば、Sb,Se,Te等)からなるものであるが、その特性を阻害しない程度の微量成分(許容成分)も含み得るものであり、こうした鋼板も本発明の範囲に含まれる。また必要によって更に、(a)Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Cr:2%以下(0%を含まない)、Mo:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.04%以下(0%を含まない)、B:0.0040%以下(0%を含まない)、Co:2.5%以下(0%を含まない)およびW:2.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(b)Ti:0.03%以下(0%を含まない)、Zr:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、等を含有することも有効である。これらの成分を含有させるときの範囲限定理由は、次の通りである。
[Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Cr:2%以下(0%を含まない)、Mo:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.04%以下(0%を含まない)、B:0.0040%以下(0%を含まない)、Co:2.5%以下(0%を含まない)およびW:2.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
これらの元素は、焼入れ性を高めて鋼板の強度を向上させるため、必要に応じて1種以上が添加される。このうち、CuとNiについては、好ましい含有量は0.2%以上(より好ましくは0.4%以上)である。しかしながら、それらの含有量が2%を超えると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性が低下する傾向があるため、いずれも上限は2%(両方含有させる場合は、合計で4%以下)とすることが好ましく、より好ましくはいずれも1%以下とする。
Crについては、好ましい含有量は0.5%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性が低下するため、上限は2%とすることが好ましい(より好ましくは1%以下)。
Moも焼き入れ性を向上させ強度確保のために有効であり、焼戻し脆性を防止するために適宜含有される。好ましい含有量は0.1%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性が低下するため、その上限は0.5%とすることが好ましい(より好ましくは0.3%以下)。
Vは少量の含有によって焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を高くする効果があり、好ましい含有量は0.02%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性を劣化させるため、その上限は0.1%以下とすることが好ましい(より好ましくは0.05%以下)。
Nbも焼入れ性を向上させて母材強度を向上させるため有効であり好ましい含有量は0.01%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性が劣化するため、その上限は0.04%とすることが好ましい(より好ましくは0.030%未満、更に好ましくは0.025%未満)。
Bも焼き入れ性を向上させて母材強度を向上させる作用があり、好ましい含有量は0.0010%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性が劣化するため、含有量は0.0040%以下が好ましい(より好ましくは0.0030%以下、更に好ましくは0.0020%以下)。
CoおよびWについても、焼入れ性を向上させて母材強度を高める効果を有し、必要により含有される。好ましい含有量は0.1%以上である。しかしながら、過剰に含有すると母材靱性および疲労亀裂進展特性が劣化するため、含有量はいずれも2.5%以下とすることが好ましい。
[Ti:0.03%以下(0%を含まない)、Zr:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
TiはNと窒化物を形成してオーステナイト粒を微細化したり、固溶Nの固定作用があり、脆性改善に有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、含有量は0.01%以上であることが好ましい。しかしながら、0.03%を超えて過剰に含有させると母材靱性および疲労亀裂進展抑制特性を劣化させるため、その上限は0.03%以下とすることが好ましい(より好ましくは0.02%以下)。
また、Zr、Hfは、Tiと同様、Nと窒化物を形成し、溶接時における熱影響部(HAZ)のオーステナイト粒を微細化し、HAZ靱性改善に有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、いずれも0.01%以上含有させることが好ましい。しかしながら、過剰に含有させると母材靱性、疲労亀裂進展抑制特性およびHAZ靱性を却って低下させる。従って、Zr含有量の上限は0.1%以下であることが好ましく、Hf含有量の上限は0.05%以下とすることが好ましい。
本発明の鋼板を製造するに当たっては、上記の化学成分組成を満たすスラブを、950〜1250℃の温度に加熱し、鋼板表面温度が900〜1000℃のオーステナイト再結晶温度域にて累積圧下率が30〜40%の圧延(熱間粗圧延)を行なった後、仕上げ圧延温度を800〜900℃の温度範囲として圧延を終了し、その後400℃程度までを平均冷却速度:1〜10℃/秒で冷却するようにすれば良い。これらの製造条件について、説明する。
スラブを加熱するときの温度は、950〜1250℃とすることが好ましい。このときの加熱温度が低いとフェライト粒径(大角粒界径)が小さくなり過ぎて、20μm以上を確保しにくい。こうした観点から、スラブ加熱温度は950℃以上とすることが好ましく、より好ましくは1000℃以上である。しかしながら、この加熱温度が1250℃を超えると、非効率的であり、またフェライト粒径(他の条件にもよるが)が大きくなり過ぎることになる。従って、加熱温度は1250℃以下とすることが好ましく、より好ましくは1100℃以下である。
加熱したスラブは、鋼板表面温度が900〜1000℃のオーステナイト再結晶温度域にて累積圧下率が30〜40%の粗圧延を行なうことが好ましい。この温度範囲での累積圧下率が30%未満では、大角粒界粒の割合が低下することになる。一方、この累積圧下率が40%を超えると、その後の製造条件(仕上げ温度、冷却速度等)にもよるが、大角粒界径が小さくなる傾向があり、20μm以上の結晶粒径を確保しがたい。
尚、上記累積圧下率とは、下記(2)式から計算される値である。
累積圧下率=(t0−t1)/t0×100 …(2)
〔(2)式中、t0は圧下開始時の鋼片の厚みを表し、t1は圧下終了時の鋼片の厚みを表す。〕
仕上げ圧延温度については、その温度が低過ぎても、大角粒界径が小さくなり過ぎる傾向があり、20μm以上の結晶粒径を確保しがたい。逆に仕上げ圧延温度が高すぎると、大角粒界径が大きくなり過ぎる傾向があり、150μm以下にしがたい。またフェライト硬さも高くなる傾向がある。こうした観点から、仕上げ圧延温度は800〜900℃の温度範囲とすることが好ましい。
仕上げ圧延後の平均冷却速度は速過ぎると、フェライト分率が小さくなる傾向がある。またフェライト硬さも高くなる傾向がある。逆に、このときの平均冷却速度が遅過ぎると大角粒径が大きくなり過ぎる傾向があり、150μm以下にしにくくなる。こうした観点から、仕上げ圧延後の平均冷却速度は、1〜10℃/秒程度であることが好ましい。この冷却速度は、より好ましくは2℃/秒以上、8℃/秒以下である。尚、このような条件での冷却は、ベイナイトやマルテンサイト等の組織を生成させないために、400℃程度までとする必要がある。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、上・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含されるものである。
実施例1
下記表1、2に示す化学成分組成の各鋼種スラブ(鋼種M1〜M17、B1〜B27)を用い、下記表3、4に示す製造条件(スラブ加熱温度、再結晶温度域での累積圧下率、仕上げ圧延温度、圧延後400℃までの平均冷却速度)によって鋼板を製造した。尚、いずれの鋼板も仕上げ厚さは40mmである。
Figure 0005457938
Figure 0005457938
Figure 0005457938
Figure 0005457938
得られた各鋼板について、フェライト分率、フェライト硬さ、大角粒界径、大角粒界粒の割合、疲労亀裂進展速度および靭性(破面遷移温度:vTrs)を下記の方法によって測定した。これらの結果を、前記(1)式の左辺の値{(α/5)+[(β×50)/(2α+40)]}×(γ/3)と共に下記表5、6に示す。
[フェライト分率、フェライト硬さの測定]
代表的な特性を示す位置として鋼板表面より深さt/4(t=板厚)の部位を選び、この位置から鋼板の圧延方向に平行で且つ鋼板の表面に対して垂直な面が露出するように試験片(15mm×15mm×10mm)を切り出し、この試験片を、2%硝酸−エタノール溶液(ナイタール溶液)で腐食した。次いで、光学顕微鏡において、175μm×150μmの視野を倍率400倍で観察し、10箇所の写真撮影を行った。得られた10枚の顕微鏡写真について、透明フィルムにフェライト以外の部位を映し取った後、Media Cybernetics社製「Image-Pro Plus」での画像解析により、写真全体100%からフェライト以外の部分を差し引いた面積率をフェライト分率として算出した。また、フェライトの硬さについては、上記と同じ試験片において、荷重5〜10gのマイクロビッカース硬さを10点測定し、その平均値を求めた。
[結晶方位および大角粒界径の測定]
大角粒界径および方位差は、EBSP解析装置(電子後方散乱回折解析装置:「TexSEM」Laboratories社製)、およびFE-SEM(電解放出型操作電子顕微鏡:「XL30S-FEG」Philips社製)を用いて測定した。傾角が5°以上の境界をフェライト粒径として、その大きさ(円相当径)を測定した。このときの測定条件は、測定領域:250μm×250μm、測定ピッチ:0.4μm間隔とし、測定方位の信頼性を示すコンフィデンス・インデックス(Confidence Index)が0.1よりも小さい測定点は解析対象から除外した。また、フェライト粒径が2.0μm未満のものについては、測定ノイズと判断し、フェライト粒径の計算の対象から除外した。また上記測定で得られたフェライト粒から、隣り合うフェライト粒との境界において傾角15°以上となっている粒を特定し、その割合(大角粒界粒の割合)を求めた。
[疲労亀裂進展速度]
鋼板表面より深さt/4(t=板厚)の部位から、亀裂進展方向が圧延方向に垂直な方向(板幅方向)のとなるように、ASTM E647に記載のコンパクトテンション試験片(CT試験片)を切り出した。このCT試験片を、サーボパルサ装置(試験装置:±50kN島津製作所製電気油圧サーボ式疲労試験機)にて、室温、大気中、繰り返し速度:30Hzおよび応力比(最大応力に対する最小応力の比):0.1の条件で疲労試験を行ない、応力拡大係数の範囲(ΔK)=20MPa√mにおける疲労亀裂進展速度(mm/cycle)を測定した。測定された疲労亀裂進展速度が、9.0×10-6(mm/cycle)以下のものを疲労亀裂進展抑制特性が優れると評価した。
[母材靭性の測定]
鋼板表面より深さt/4(t=板厚)の部位から圧延方向に平行にVノッチ試験片を採取し、JIS Z2242に規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求めた。破面遷移温度vTrsが0℃以下のものを靭性に優れると評価した。
Figure 0005457938
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これらの結果から、次のように考察できる。まず実験No.1〜17のものは、本発明で規定する要件を満足する例であり、十分に疲労亀裂進展が抑制されると共に、良好な靭性が発揮されていることが分かる。これに対して、実験No.18〜44のものは、本発明で規定する要件のいずれかを欠く例であり、疲労亀裂進展速度および靭性の少なくともいずれかの特性で満足のいく結果が出ていない。
具体的には、実験No.18のものはC含有量が本発明で規定する下限に満たない鋼種(鋼種B1)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性が劣化している。実験No.19のものはC含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B2)を用いた例であり、詳細は不明であるが焼入れ性の増加によって、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、靭性が低下していると考えられる。
実験No.20のものは、Si含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B3)を用いた例であり、詳細は不明であるが焼入れ性の増加によって、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、靭性が低下していると考えられる。実験No.21のものは、Mn含有量が本発明で規定する下限に満たない鋼種(鋼種B4)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性が劣化している。実験No.22のものは、Mn含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B5)を用いた例であり、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、靭性が低下している。
実験No.23のものは、P含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B6)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれも低下している。実験No.24のものは、S含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B7)を用いた例であり[(1)式の関係、大角粒界粒の割合も満足していない]、靭性が低下している。
実験No.25のものは、Cu含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B8)を用いた例であり、靭性が低下している。実験No.26のものは、Al含有量が本発明で規定する下限に満たない鋼種(鋼種B9)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれも低下している。実験No.27のものは、Al含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B10)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれも低下している。
実験No.28のものは、Ni含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B11)を用いた例であり、フェライト分率が低下すると共に大角粒界粒の割合も低下しており、靭性が低下している。実験No.29のものは、Cr含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B12)を用いた例であり、フェライト分率の低下、フェライト硬さが高くなり、しかも大角粒界径も小さくなっており、靭性が大幅に低下している。
実験No.30のものは、Mo含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B13)を用いた例であり、詳細は不明であるが焼入れ性の増加によって、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、靭性が低下している。実験No.31のものは、V含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B14)を用いた例であり、靭性が低下している。
実験No.32のものは、Nb含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B15)を用いた例であり、詳細は不明であるが粗大な炭化物が生成することによって、靭性が低下している。実験No.33のものは、Ti含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B16)を用いた例であり、靭性が低下している。
実験No.34のものは、B含有量が本発明で規定する好ましい上限を超えている鋼種(鋼種B17)を用いた例であり、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、しかも大角粒界径も小さくなっており、靭性が低下している。実験No.35のものは、N含有量が本発明で規定する下限に満たない鋼種(鋼種B18)を用いた例であり、靭性が低下している。実験No.36のものは、N含有量が本発明で規定する上限を超えている鋼種(鋼種B19)を用いた例であり[(1)式の関係も満足していない]、大角粒界粒の割合も低下しており、疲労亀裂進展抑制特性および靭性のいずれも低下している。
実験No.37〜44のものは、化学成分組成は本発明で規定する範囲内にあるものであるが、製造条件が適切でないので、本発明で規定する要件のいずれかを欠く例であり、疲労亀裂進展速度および靭性の少なくともいずれかの特性で満足のいく結果が出ていない。このうち、実験No.37のものは、再結晶温度域での圧下率が小さく、且つ仕上げ圧延温度が高くなっているので、大角粒界粒の割合が低下しており、疲労亀裂進展抑制特性が低下している。
実験No.38のものは、再結晶温度域での累積圧下率が小さく、また圧延後の平均冷却速度が速いので、フェライト分率が低下すると共に、フェライト硬さも高くなっており、しかも大角粒界径も小さく且つ大角粒界粒の割合も低くなっており、疲労亀裂進展抑制特性および靭性が低下している。
実験No.39、40のものは、再結晶温度域での累積圧下率が小さいので大角粒界粒の割合が低下しており(実験No.39のものは冷却速度が速いことによってフェライト硬さも高くなっている)、疲労亀裂進展抑制特性および靭性が低下している。
実験No.41のものは、再結晶温度域での累積圧下率が小さく、且つ仕上げ圧延温度が高く、しかも圧延後の平均冷却速度も遅いので、大角粒界径が大きくなり、大角粒界粒の割合が低下して、疲労亀裂進展抑制特性および靭性が低下している。
実験No.42のものは、仕上げ圧延温度が高くなっているので、フェライト硬さも高く、大角粒界径が大きくなっており、疲労亀裂進展抑制特性および靭性が低下している。実験No.43のものは、圧延後の平均冷却速度が遅いので、大角粒界径が大きくなっており[(1)式の関係も満足していない]、疲労亀裂進展抑制特性および靭性が低下している。実験No.44のものは、仕上げ圧延温度が低く、大角粒界径も小さくなっており、疲労亀裂進展抑制特性が低下している。

Claims (3)

  1. C:0.010超〜0.15%(「質量%」の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:1.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.40超〜2.5%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜0.06%、N:0.0040〜0.010%を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物であり、フェライト相が90面積%以上の組織からなると共に、フェライト相の平均硬さが150Hv以下であり、隣接する2つのフェライト結晶の方位差が15°以上の大角粒界で囲まれた領域を結晶粒としたとき、当該結晶粒のフェライト相全体に占める面積率が80%以上であると共に、平均円相当径が20〜150μmであり、且つ下記(1)式の関係を満足することを特徴とする疲労亀裂進展抑制特性および靭性に優れた鋼板。
    {(α/5)+[(β×50)/(2α+40)]}×(γ/3) ≧1200…(1)
    但し、α:上記結晶粒の平均円相当径(μm)
    β:上記結晶粒のフェライト相全体に占める面積率(面積%)
    γ:フェライト相の平均硬さ(Hv)
  2. 更に、Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Cr:2%以下(0%を含まない)、Mo:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.04%以下(0%を含まない)、B:0.0040%以下(0%を含まない)、Co:2.5%以下(0%を含まない)およびW:2.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1に記載の鋼板。
  3. 更に、Ti:0.03%以下(0%を含まない)、Zr:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1または2に記載の鋼板。
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