JP2017113757A - スパッタ付着防止具 - Google Patents

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Takeshi Nakano
剛 中野
貢治 重政
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貢治 重政
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Abstract

【課題】両端が開放したネジ孔にその両側からスパッタが侵入しないようにしてネジ孔にスパッタが付着するのを防止する。
【解決手段】スパッタ付着防止具1は、ネジ孔に挿入された状態で少なくともネジ孔の一端部から他端部まで延び、ネジ孔の内面を覆う軸状部10を有している。軸状部10の外面には、ネジ孔の内面に係合する係合突部15aが設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接作業中に周囲に飛散するスパッタが溶接箇所以外の部分に付着するのを防止するスパッタ付着防止具の技術分野に属する。
一般に、鋼材等からなる部材を溶接する際には、スパッタが溶接箇所の周囲に飛散して溶接箇所以外の部分に付着する。例えば、ネジ孔を有する被溶接部材を溶接する際には、スパッタがネジ孔の内面に付着することがある。こうなるとネジの螺合不良が起こってしまうので、溶接工程の後、ネジ孔の内面に付着したスパッタを除去するためにネジさらいを行う必要がある。
また、例えば特許文献1に開示されているように、スパッタが被溶接部材に付着するのを防止するためのスパッタ付着防止シートが知られている。このスパッタ付着防止シートは、弾性を有する樹脂からなるものであり、被溶接部材の表面に貼り付けて使用する。
また、溶接現場においては、例えば金属板からなるカバーを、被溶接部材の表面を覆うように配置してスパッタの付着を防止することも行われている。
特開2014−24114号公報
ところで、スパッタをネジ孔に付着させてしまうと上述したネジさらいを行わなければならず、特に1つの製品に複数のネジ孔が設けられる場合には、多大な作業工数が必要になるという問題がある。
そこで、例えば特許文献1の樹脂製のスパッタ付着防止シートや金属板製のカバーを用意し、溶接前に、該シートやカバーによって被溶接部材をその表面側から予め覆っておき、これにより、スパッタがネジ孔の内面に付着するのを防止することが考えられる。
しかしながら、スパッタは広範囲に飛散するものなので、例えばナットのようにネジ孔の両端が開放されている場合には、スパッタ付着防止シートや金属板製のカバーによって被溶接部材の表面側を覆っておいたとしても、スパッタ付着防止シートや金属板製のカバーによって覆われた側とは反対側からスパッタがネジ孔に侵入して該ネジ孔の内面に付着してしまい、ひいてはネジさらいが必要になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、両端が開放したネジ孔にその両側からスパッタが侵入しないようにしてネジ孔にスパッタが付着するのを防止することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ネジ孔の一端部から他端部までを覆う軸状部をスパッタ付着防止具に設け、この軸状部の外面に係合突部を設けてネジ孔の内面に係合させるようにした。
第1の発明は、
溶接時に飛散するスパッタが両端に開放したネジ孔の内面に付着するのを防止するスパッタ付着防止具において、
上記ネジ孔に挿入され、該ネジ孔に挿入された状態で少なくとも該ネジ孔の一端部から他端部まで延び、該ネジ孔の内面を覆う軸状部を有し、
上記軸状部の外面には、上記ネジ孔の内面に係合する係合突部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、軸状部をネジ孔に挿入すると軸状部の係合突部がネジ孔の内面に係合するので、溶接中に軸状部がネジ孔から抜け難くなり、軸状部によってネジ孔の内面が一端部から他端部に亘って覆われた状態が維持される。これにより、両端が開放したネジ孔にその両側からスパッタが侵入しなくなる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記ネジ孔が形成された第1部材の溶接相手側の部材である第2部材に上記ネジ孔と一致するように形成された開口部の周囲を覆うカバー部が上記軸状部に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1部材のネジ孔と一致するように第2部材に開口部が形成されている場合に、その開口部の周囲がカバー部によって覆われるので、該開口部を介してネジ孔にスパッタが達するのが阻止される。
第3の発明は、第2の発明において、
上記カバー部は、弾性を有する材料からなり、上記軸状部の軸線方向に弾性変形することを特徴とする。
この構成によれば、軸状部の係合突部をネジ孔の内面に係合させた状態で、カバー部が弾性変形して第2部材の開口部の周囲に密着する。これにより、開口部を介してネジ孔にスパッタが達するのが効果的に阻止される。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記係合突部は、上記ネジ孔の内面に形成されたネジ溝に嵌まることによって係合することを特徴とする。
すなわち、例えばネジ孔によっては該ネジ孔の長さが異なる場合や、ネジのピッチが異なる場合等があるが、ネジ溝はネジ孔の全体に連続して形成されているものなので、係合突部をネジ溝に嵌めることにより、ネジ孔の長さやネジのピッチに関わらず、係合突部をネジ孔の内面に係合させることが可能になる。
第5の発明は、第4の発明において、
上記軸状部における上記ネジ孔に挿入される部分には、径方向内方に弾性変形する弾性変形部が設けられ、
上記係合突部は、上記弾性変形部に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、軸状部をネジ孔に挿入する際、係合突部が弾性変形部によって径方向内方に変位することによってネジ山を乗り越えるので、係合突部の損傷が抑制される。そして、係合突部がネジ溝に達したときには弾性変形部の復元力によって係合突部がネジ溝に確実に嵌まる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、
上記軸状部の一端部には、該軸状部の軸線方向へ突出するとともに該軸状部の径方向に延びる掴み部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、作業者が掴み部を持った状態で軸状部をネジ孔に挿入したり、ネジ孔から抜くことができるので、作業性が良好になる。
第7の発明は、第6の発明において、
上記軸状部と上記掴み部とは別部材で構成されており、
上記軸状部には、上記ネジ孔への挿入方向とは反対側へ突出し、上記掴み部に結合する結合部が設けられ、
上記掴み部には、上記軸状部の上記結合部が挿入される挿入孔が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、軸状部と掴み部とを別々に成形することが可能になるので、各々の形状設定の自由度が高まる。また、例えば軸状部のみが破損した場合には、掴み部から軸状部を外して新しい軸状部に交換することが可能になる。さらに、ネジ孔の径が異なる場合には、外径の異なる軸状部を複数種用意しておき、ネジ孔の径に対応する外径の軸状部を掴み部に結合してスパッタ付着防止具を構成することができるので、掴み部を共通化することが可能になる。
第1の発明によれば、ネジ孔の一端部から他端部まで延び、該ネジ孔の内面を覆う軸状部を設け、この軸状部の外面に、ネジ孔の内面に係合する係合突部を設けたので、軸状部によってネジ孔の内面を一端部から他端部に亘って覆っておくことができる。これにより、両端が開放したネジ孔にその両側からスパッタが侵入しなくなるので、ネジ孔にスパッタが付着するのを防止でき、ネジさらいを不要にすることができる。
第2の発明によれば、第1部材のネジ孔と一致するように第2部材に形成された開口部の周囲を覆うカバー部をスパッタ付着防止具に設けたので、該開口部を介してネジ孔にスパッタが達するのを阻止でき、ネジ孔にスパッタが付着するのを確実に防止できる。
第3の発明によれば、カバー部が軸状部の軸線方向に弾性変形するので、カバー部を第2部材の開口部の周囲に密着させることができる。これにより、開口部を介してネジ孔にスパッタが達するのを効果的に阻止でき、ネジ孔にスパッタが付着するのを確実に防止できる。
第4の発明によれば、係合突部がネジ孔の内面に形成されたネジ溝に嵌まるようになっているので、ネジ孔の長さやネジのピッチに関わらず、係合突部をネジ孔の内面に係合させることができる。これにより、スパッタ付着防止具の汎用性を高めて多種類のネジ孔に対応することができる。
第5の発明によれば、径方向内方に弾性変形する弾性変形部を軸状部に設け、係合突部を弾性変形部に設けたので、挿入時における係合突部の損傷を抑制できるとともに、係合突部をネジ溝に確実に嵌めることができる。
第6の発明によれば、軸状部の一端部に、軸線方向へ突出するとともに径方向に延びる掴み部を設けたので、作業者による作業性を良好にすることができる。
第7の発明によれば、軸状部と掴み部とを別部材で構成し、軸状部の結合部を掴み部の挿入孔に挿入して結合することができる。これにより、軸状部と掴み部の各々の形状設定の自由度を向上させることができ、また、一方が破損した場合には破損した部分のみを交換して他の部分を再利用することができ、低コストを図ることができる。さらに、ネジ孔の径が異なる場合には、外径の異なる軸状部を複数種用意しておき、ネジ孔の径に対応する外径の軸状部を掴み部に結合してスパッタ付着防止具を構成することができるので、掴み部を共通化することができ、このことによっても低コスト化を図ることができる。
実施形態1に係るスパッタ付着防止具の使用状態を説明する図である。 実施形態1に係るスパッタ付着防止具の斜視図である。 実施形態1に係るスパッタ付着防止具の正面図である。 実施形態1に係るスパッタ付着防止具の側面図である。 実施形態1に係るスパッタ付着防止具の底面図である。 図3におけるVI−VI線断面図である。 使用状態を示す部分断面図である。 使用状態を示す断面図である。 板材の肉厚が厚い場合の使用状態を示す図7相当図である。 実施形態2に係る図2相当図である。 実施形態2に係る図3相当図である。 実施形態2に係る図4相当図である。 実施形態2に係る図5相当図である。 図11におけるXIV−XIV線断面図である。 図11におけるXV−XV線断面図である。 図11におけるXVI−XVI線断面図である。 実施形態2に係る図7相当図である。 実施形態2に係る図8相当図である。 実施形態2に係る図9相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るスパッタ付着防止具1の使用状態を示す斜視図である。スパッタ付着防止具1は、溶接時に飛散するスパッタが図7や図8に示すナット(第1部材)100のネジ孔101の内面に付着するのを防止するためのものである。
ナット100は、鋼板からなる板材(第2部材)102の裏面(図7及び図8の下面)に溶接により取り付けられている。板材102は、例えば2枚を組み合わせることによって自動車のサブフレームやサスペンションアーム等として使用されるものである。板材102の複数箇所には、ボルト(図示せず)を差し込むための開口部102aがナット100のネジ孔101と一致するように形成されている。開口部102aの径は、ネジ孔101の径よりも大きく、かつ、ナット100の外径よりも小さく設定されている。板材102の表面(図7及び図8の上面)における開口部102aの周囲には、他の部材を上記ボルト及びナット100によって締結する際に当該他の部材が接触する締結面102bが形成されている。
尚、板材102の形状等は任意に設定することができ、板材102の表面にナット100を取り付けるようにしてもよい。
スパッタ付着防止具1は、図2〜図4に示すように、板材102の開口部102aからナット100のネジ孔101に挿入される軸状部10と、当該スパッタ付着防止具1を使用する際に使用者が掴む掴み部20と、板材102の締結面102bを覆うカバー部30とを有しており、この実施形態では、軸状部10、掴み部20及びカバー部30が弾性を有する樹脂材により一体成形されている。この樹脂材としては、例えばナイロン66等を挙げることができるが、これに限られるものではなく、各種樹脂材を使用することができる。
尚、この実施形態では、図2〜4、図6〜8の上側をスパッタ付着防止具1の「上」といい、図2〜4、図6〜8の下側をスパッタ付着防止具1の「下」というものとする。
軸状部10は、ネジ孔101の上端部(一端部)から下端部(他端部)までの寸法よりも長く形成されており、ネジ孔101に挿入された状態でネジ孔101の上端部から下端部まで延び、かつ、ネジ孔101の下端部から下方へ所定長さ突出するようになっている。軸状部10の基端側である上側部分11は、ネジ孔101に挿入されて該ネジ孔101の内面を覆う部分であり、該上側部分11の外径は、ネジ孔101におけるネジ山が形成された部分の径(ネジ孔101の最小径)と略同じに設定されている。尚、軸状部10の軸線を符号Aで示す。
一方、軸状部10の先端側である下側部分12は、軸状部10をネジ孔101に挿入した状態でネジ孔101の下端部から下方へ突出する。この下側部分12は、軸状部10の径方向中心部から径方向外方へ突出する4つの片状部12a、12a、…が軸線A方向に見て互いに直角に交わることによって構成されている。従って、軸状部10の下側部分12の軸線Aに直交する方向の断面は略十字状となっている。
各片状部12aは、下端側へ行くほど径方向の突出量が減少するように形成されている。これにより、軸状部10の下側部分12は、下端に近づくほど細くなるので、軸状部10をネジ孔101へ挿入する際に挿入作業性が良好になる。
軸状部10における上側部分11と下側部分12との間の部分は、中間部13とされている。中間部13の上下方向の寸法は、上側部分11及び下側部分12の各上下方向の寸法よりも短く設定されている。中間部13は、図7に示すように板材102の厚みが薄い場合には、大部分がネジ孔101の下端部から下方へ突出した状態になる一方、図9に示すように板材102の厚みが厚い場合には、ネジ孔101に挿入された状態になる。軸状部10の中間部13の外径は、ネジ孔101の最小径と略同じに設定されている。また、中間部13の外周面はネジ孔101の内面に全周に亘って沿うように形成された湾曲面で構成されている。
図3及び図8に示すように、軸状部10の上側部分11には、上下方向に延びる2つのスリット14、14が形成されている。スリット14、14は、軸線Aから径方向に偏位して軸線Aを挟むように位置している。スリット14、14は、軸状部10の上側部分11の上端部から下端部に亘って延びている。
軸状部10におけるネジ孔101に挿入される部分である上側部分11には、径方向内方に弾性変形する弾性変形部15、15が設けられている。弾性変形部15、15は、スリット14、14を形成することによって得られた部分であり、スリット14、14の長手方向(上下方向)に沿って延びる板状をなしている。各弾性変形部15の上端部は、上側部分11の上端部に位置しており、各弾性変形部15の下端部は、上側部分11の下端部に位置している。
弾性変形部15の径方向内方にはスリット14が形成されていて中空状になっているので、弾性変形部15に対して径方向内方へ向けて押圧力が作用すると、該弾性変形部15がスリット14内へ撓むように弾性変形する。
各弾性変形部15の外面には、ネジ孔101の内面に係合する係合突部15aが設けられている。係合突部15aは、弾性変形部15の上下方向中央部よりも下寄りの部位から径方向外方へ突出しており、ネジ孔101の内面に形成されたネジ溝に嵌まることによって該ネジ孔101の内面に係合するようになっている。尚、係合突部15aは、弾性変形部15の上下方向中央部に形成してもよいし、上下方向中央部よりも上寄りの部位に形成してもよい。また、1つの弾性変形部15に複数の係合突部15aを上下方向に間隔をあけて形成してもよい。
係合突部15aは、軸状部10の周方向に延びる突状に形成されている。また、係合突部15aの上側の面は、突出方向先端側へ行くほど下に位置するように傾斜する一方、係合突部15aの下側の面は、突出方向先端側へ行くほど上に位置するように傾斜している。これにより、係合突部15aはネジ溝の断面に対応するように先鋭形状となり、係合突部15aの上側の面及び下側の面は、ネジ溝の内面に接触するようになる。
カバー部30は、軸状部10の上端部に設けられている。カバー部30は、軸状部10の外径よりも大径の略円形の板状に形成されており、径方向外側へ行くほど下に位置するように傘状に形成されている。また、図6に示すように、カバー部30の肉厚は、径方向外側へ行くほど薄くなるように設定されている。図8に示すように、カバー部30は、径方向外側が最も下に位置しているので、この径方向外側の部分が板材102の締結面102bに接触し、この状態で下方へ押圧していくと、カバー部30が軸線A方向に弾性変形して該カバー部30の外周側が締結面102bに密着する。
掴み部20は、軸状部10の上端部から該軸状部10の軸線A方向へ突出するとともに該軸状部10の径方向に延びる板状をなしている。図3に示すように、掴み部20は正面視で左右方向に長い略矩形状をなすように形成されているが、これに限らず、例えば円形や長円形であってもよい。掴み部20の長手方向は、軸状部10の係合突部15aの突出方向と一致している。また、掴み部20の上側には、上部貫通孔21が形成されている。
次に、上記のように構成されたスパッタ付着防止具1を使用する場合について説明する。使用者は、スパッタ付着防止具1の掴み部20を掴んで軸状部10をその下端側から板材102の開口部102aに差し込んでいく。この開口部102aの下にはナット100のネジ孔101が位置しているので、軸状部10がナット100のネジ孔101に挿入される。このとき、軸状部10の下側部分12が先細形状となっているので、軸状部10をネジ孔101へ挿入する際に挿入作業性は良好である。尚、ナット100は板材102に対して仮固定されている状態である。
軸状部10をネジ孔101に挿入する際、係合突部15a、15aがネジ孔101のネジ山によって径方向内方へ押される。これにより、弾性変形部15、15が径方向内方へ撓むように変形して係合突部15a、15aが径方向内方へ変位し、このことで係合突部15a、15aがネジ山を乗り越えるので、挿入力が小さくて済むとともに、係合突部15a、15aの損傷が抑制される。そして、図1、図7及び図8に示すように、カバー部30が板材102の締結面102bに接触するまで軸状部10をネジ孔101に挿入すると、軸状部10の下側部分12がナット100のネジ孔101の下端部から下方へ突出し、ネジ孔101の上端部から下端部までが軸状部10によって覆われる。この状態で、係合突部15a、15aがネジ孔101のネジ溝に嵌まることによって係合するので軸状部10のネジ孔101からの抜けが阻止される。
また、スパッタ付着防止具1の掴み部20を軸状部10の挿入方向に押圧することで、カバー部30が板材102の締結面102bに押し付けられて軸線A方向に弾性変形する。これにより、締結面102bが平面状でなくてもカバー部30の全周が締結面102bに沿うように変形して密着する。このとき、軸状部10が深く挿入されることになるが、その深く挿入された状態で係合突部15a、15aがネジ孔101のネジ溝に嵌って係合するので抜けることはなく、カバー部30の密着状態を維持できる。尚、板材102に複数のナット100がある場合には、それぞれのネジ孔101にスパッタ付着防止具1を挿入すればよい。
その後、ナット100を板材102に溶接する。このとき、スパッタが広範囲に飛散するが、この実施形態では、ナット100のネジ孔101がその上端部から下端部に亘ってスパッタ付着防止具1の軸状部10で覆われているので、スパッタがネジ孔101の内面に付着するのを防止できる。これにより、ネジさらいが不要になる。また、板材102の締結面102bがカバー部30によって覆われているので、締結面102bにスパッタが付着するのも防止できる。さらに、締結面102bをカバー部30で覆っていることにより、スパッタが締結面102b側からネジ孔101に侵入するのを防止することができる。
また、例えばナット100によっては該ネジ孔101の長さが異なる場合や、ネジのピッチが異なる場合等があるが、ネジ溝はネジ孔101の全体に連続して形成されているものなので、係合突部15a、15aをネジ溝に嵌めることにより、ネジ孔101の長さやネジのピッチに関わらず、係合突部15a、15aをネジ孔101の内面に係合させることが可能になる。これにより、スパッタ付着防止具1の汎用性を高めて多種類のネジ孔101に対応することができる。
溶接が終了したら、作業者はスパッタ付着防止具1の掴み部20を掴んで軸状部10をナット100のネジ孔101から引き抜く。このときも係合突部15a、15aが径方向内方へ変位してネジ山を乗り越えるので、引き抜き力が小さくて済むとともに、係合突部15a、15aの損傷が抑制される。従って、同じスパッタ付着防止具1を再利用することができる。
また、図9に示すように、板材102の厚みが厚い場合にも上記と同じスパッタ付着防止具1を使用することができる。板材102の厚みが厚い場合も上述したように軸状部10をナット100のネジ孔101に挿入する。すると、板材102の厚みが厚い分、図7に示す場合に比べて係合突部15a、15aがナット100のネジ孔101の上の方に係合することになる。つまり、板材102の厚みが変化しても同じスパッタ付着防止具1を使用することができるので、低コスト化を図ることができる。
(実施形態2)
図10〜図19は、本発明の実施形態2に係るスパッタ付着防止具1を示すものである。この実施形態2では、軸状部10と掴み部20とが別部材からなるものである点で実施形態1と異なっており、さらに、軸状部10の上側部分11の構造も実施形態1のものとは異なっている。他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図14及び図15に示すように、軸状部10の上側部分11は、軸線A方向に延びる板部17を有している。図16に示すように、この板部17の両面には、それぞれ上下方向に延びる突条部17aが形成されている。また、板部17における軸線Aの径方向の両端部には、軸線Aを中心として円弧状に湾曲して延びる湾曲部18が形成されている。湾曲部18は4つ形成されており、上側部分11の外面形状を構成している。湾曲部18は径方向内方へ弾性変形する弾性変形部である。各湾曲部18の外面には、2つの係合突部18a、18aが上下方向に間隔をあけて設けられている。これら係合突部18a、18aは、ナット100のネジ孔101のネジ溝に嵌まることによって係合する。
また、図14及び図15に示すように、軸状部10の上側部分11には、上方(ネジ孔101への挿入方向とは反対側)へ突出する突出板部19が設けられている。突出板部19は、軸状部10の径方向に延びており、本発明の掴み部20に結合する結合部に相当する部位である。突出板部19には厚み方向に貫通するように係合孔19aが形成されている。
一方、掴み部20には、軸状部10の突出板部19が挿入される挿入孔23が下方に開放するように形成されている。この挿入孔23は、突出板部19の外形状に対応している。また、摘み部20の上部貫通孔21の下方には、下部貫通孔22が形成されている。また、摘み部20には、下部貫通孔22内に位置するように係合爪部24が設けられている。
そして、軸状部10の突出板部19を掴み部20の挿入孔23に挿入すると、突出板部19の係合孔19aが掴み部20の下部貫通孔22内に達し、この係合孔19aに係合爪部24が嵌入する。これにより、軸状部10の突出板部19が掴み部20の挿入孔23から抜けるのが阻止される。
実施形態2に係るスパッタ付着防止具1は、実施形態1のものと同様に使用することができるので、ネジ孔101にスパッタが付着するのを防止でき、ネジさらいを不要にすることができる。
また、軸状部10と掴み部20とを別々に成形することが可能になるので、各々の形状設定の自由度が高まる。また、例えば軸状部10のみが破損した場合には、掴み部20から軸状部10を外して新しい軸状部10に交換することが可能になる。さらに、ネジ孔101の径が異なる場合には、外径の異なる軸状部10を複数種用意しておき、ネジ孔101の径に対応する外径の軸状部10を掴み部20に結合してスパッタ付着防止具1を構成することができるので、掴み部20を共通化することが可能になる。
尚、上記板材102は、ナット100が溶接される溶接相手側の部材であり、ナット100を板材102に溶接するときに発生するスパッタがナット100のネジ孔101に付着するのをスパッタ付着防止具1によって防止できるとともに、例えばナット100を予め板材102に溶接しておき、その後、別の部位を溶接するときに発生したスパッタがナット100のネジ孔101に付着するのもスパッタ付着防止具1によって防止できる。つまり、本実施形態によれば、ナット100を板材102に溶接するときに発生したスパッタだけでなく、ナット100の溶接後に別の部位で発生したスパッタがネジ孔101に付着するのも防止できる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るスパッタ付着防止具は、例えばナットを板材に溶接する際に使用することができる。
1 スパッタ付着防止具
10 軸状部
15 弾性変形部
15a 係合突部
19 突出板部(結合部)
18 湾曲部(弾性変形部)
18a 係合突部
20 掴み部
23 挿入孔
30 カバー部
100 ナット(第1部材)
101 ネジ孔
102 板材(第2部材)
102a 開口部
102b 締結面

Claims (7)

  1. 溶接時に飛散するスパッタが両端に開放したネジ孔の内面に付着するのを防止するスパッタ付着防止具において、
    上記ネジ孔に挿入され、該ネジ孔に挿入された状態で少なくとも該ネジ孔の一端部から他端部まで延び、該ネジ孔の内面を覆う軸状部を有し、
    上記軸状部の外面には、上記ネジ孔の内面に係合する係合突部が設けられていることを特徴とするスパッタ付着防止具。
  2. 請求項1に記載のスパッタ付着防止具において、
    上記ネジ孔が形成された第1部材の溶接相手側の部材である第2部材に上記ネジ孔と一致するように形成された開口部の周囲を覆うカバー部が上記軸状部に設けられていることを特徴とするスパッタ付着防止具。
  3. 請求項2に記載のスパッタ付着防止具において、
    上記カバー部は、弾性を有する材料からなり、上記軸状部の軸線方向に弾性変形することを特徴とするスパッタ付着防止具。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のスパッタ付着防止具において、
    上記係合突部は、上記ネジ孔の内面に形成されたネジ溝に嵌まることによって係合することを特徴とするスパッタ付着防止具。
  5. 請求項4に記載のスパッタ付着防止具において、
    上記軸状部における上記ネジ孔に挿入される部分には、径方向内方に弾性変形する弾性変形部が設けられ、
    上記係合突部は、上記弾性変形部に設けられていることを特徴とするスパッタ付着防止具。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のスパッタ付着防止具において、
    上記軸状部の一端部には、該軸状部の軸線方向へ突出するとともに該軸状部の径方向に延びる掴み部が設けられていることを特徴とするスパッタ付着防止具。
  7. 請求項6に記載のスパッタ付着防止具において、
    上記軸状部と上記掴み部とは別部材で構成されており、
    上記軸状部には、上記ネジ孔への挿入方向とは反対側へ突出し、上記掴み部に結合する結合部が設けられ、
    上記掴み部には、上記軸状部の上記結合部が挿入される挿入孔が形成されていることを特徴とするスパッタ付着防止具。
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