JP2017111098A - 情報処理装置、測位システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

情報処理装置、測位システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】歩行者自律航法(PDR)の入力値として使用される基準位置と該基準位置からの移動方向との精度の向上を図ること。【解決手段】一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力部と、該主成分分析入力部から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析部と、該主成分分析処理の結果に基づいて該物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、情報処理装置、測位システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
ユーザー端末、タブレット端末などの情報処理装置には衛星測位システム(Global Positioning System: GPS)などが搭載されていることが多い。情報処理装置は、該GPSを使用して位置情報を取得する。
位置情報を取得する技術に関して、測位方法選択装置から測位データを取得する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、1つ又はそれ以上のアプリケーションは、測位方法選択装置に測位データを要求する。測位方法選択装置は、アプリケーション及び/又はユーザーによって規定される設定に従い、1つ又はそれ以上の測位方法を使用して、このアプリケーションに測位データを提供する。
測位方法選択装置は、アプリケーションから測位要求を受け取り、このアプリケーションによって要求される測位の質を表すパラメータを形成し、測位方法によって提供される測位データの質とアプリケーションによって要求される測位の質とを比較し、測位要求に応答してアプリケーションに測位データを送る。
特開2011−209298号公報
情報処理装置に搭載されている測位方法のうち、例えばGPSは精度よく測位できるが、消費電力が高い。さらに、GPSは、GPSの電波が届かない屋内では使用できない。また、例えば、歩行者自律航法(Pedestrian Dead Reckoning: PDR)は、精度はあまり高くないが、消費電力が低い。さらに、PDRは、屋内でも使用できる。
一方、ユーザーに関する情報を情報処理装置から取得し、該ユーザーに関する情報を利用してサービスを提供する技術が知られている。例えば、情報処理装置は、ウェブサーバ(Web server)へ位置情報を送信し、ウェブサーバは該位置情報に関連した情報を送信する。
情報処理装置は、屋外では、GPSの電波に基づいて測位を行うことで精度よく位置情報を取得できるためウェブサーバから正しい情報の提供を受けることができるが、消費電力が高くなる。ここでは、GPSの例を挙げたが、GPS、準天頂衛星(quasi-zenith satellites: QZS)などの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s): GNSS)についても同様である。
つまり、情報処理装置は、GNSSの電波に基づいて測位を行うことで精度よく位置情報を取得できるためウェブサーバから正しい情報の提供を受けることができるが、消費電力が高くなる。一方、屋内では、PDRに基づいて測位を行うため位置情報の精度が低くなるため、誤った情報の提供を受けるおそれがあるが、消費電力が低くなる。
情報処理装置がGNSSからPDRに測位方法を切り替える際には、PDRの入力値として基準位置と該基準位置からの移動方向とを決定する。このPDRの入力値の精度を向上させることによって、PDRによる測位結果の精度を向上させることができる。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、歩行者自律航法(PDR)の入力値として使用される基準位置と該基準位置からの移動方向との精度の向上を図ることを目的とする。
(1)本発明の一態様は、一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力部と、前記主成分分析入力部から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析部と、前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断部と、を備える情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)の情報処理装置において、前記主成分分析入力部は、測位値の不確からしさに応じた前記主成分分析処理の入力値の追加処理を実行する情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、上記(2)の情報処理装置において、前記追加処理は、測位値の不確からしさに応じた大きさの該測位値を含む範囲に、前記主成分分析処理の入力値を追加する情報処理装置である。
(4)本発明の一態様は、上記(3)の情報処理装置において、前記追加処理は、前記範囲に均等に前記主成分分析処理の入力値を追加する情報処理装置である。
(5)本発明の一態様は、上記(3)又は(4)のいずれかの情報処理装置において、前記範囲は、測位値の不確からしさに応じた半径の該測位値を中心にする円である情報処理装置である。
(6)本発明の一態様は、上記(5)の情報処理装置において、前記追加処理は、前記円の円周に等間隔で前記主成分分析処理の入力値を追加する情報処理装置である。
(7)本発明の一態様は、上記(1)から(6)のいずれかの情報処理装置において、前記判断部は、前記主成分分析処理の結果の主成分ベクトルの直線と、基準の測位値から該直線への垂線との交点を基準位置に決定する情報処理装置である。
(8)本発明の一態様は、上記(7)の情報処理装置において、前記判断部は、前記一つの物体の複数の測位値の中から、測位した時刻と測位についての誤差に基づいて基準の測位値を選択する情報処理装置である。
(9)本発明の一態様は、上記(1)から(8)のいずれかの情報処理装置において、前記主成分分析入力部は、前記物体の移動方向の変化の測定データに基づいて、同じ前記主成分分析処理の入力値に使用する測位値を選択する情報処理装置である。
(10)本発明の一態様は、上記(1)から(9)のいずれかの情報処理装置において、前記判断部が判断した基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する歩行者自律航法処理部をさらに備える情報処理装置である。
(11)本発明の一態様は、上記(1)から(9)のいずれかの情報処理装置と、前記情報処理装置が判断した基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する歩行者自律航法処理装置と、を備える測位システムである。
(12)本発明の一態様は、情報処理装置が、一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力ステップと、前記情報処理装置が、前記主成分分析入力ステップから入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析ステップと、前記情報処理装置が、前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断ステップと、を含む情報処理方法である。
(13)本発明の一態様は、コンピュータに、一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力機能と、前記主成分分析入力機能から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析機能と、前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断機能と、を実現させるためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、歩行者自律航法(PDR)の入力値として使用される基準位置と該基準位置からの移動方向との精度の向上を図ることができる。
一実施形態に係る測位システムの構成例を示す図である。 一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 一実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。 一実施形態に係る情報処理方法の全体の流れを示す図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。 一実施形態に係る測位システムの構成例を示す図である。 一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成例を示す図である。 一実施形態に係る情報処理を説明するための図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る測位システムの構成例を示す。情報処理装置100は、複数の航法衛星300(300a、300b、300c、300d)によって無線送信される航法信号を受信し、該航法信号に基づいて該情報処理装置100の測位を行うことによって位置情報を得る。また、情報処理装置100は、基地局200によって送信される下りリンクの無線信号を受信し、該下りリンクの信号に付帯される位置情報を取得する。
さらに、情報処理装置100は、1又は複数のセンサーを搭載し、該1又は複数のセンサーによって取得される情報に基づいて、該情報処理装置100の測位を行うことによって位置情報を得る。以下、基地局200、航法衛星300などの無線通信装置によって送信される無線信号に基づいて情報処理装置100の測位を行うことを「第1の測位」といい、1又は複数のセンサーによって取得される情報に基づいて情報処理装置100の測位を行うことを「第2の測位」という。
さらに、情報処理装置100は、第1の測位によって得られた位置に対して推定される誤差と、第2の測位によって得られた位置に対して推定される誤差とを累積することによって累積誤差を演算する。情報処理装置100は、該累積誤差に基づいて、第1の測位と、第2の測位との間で切り替える。情報処理装置100は、消費電力が高い第1の測位と、消費電力が低い第2の測位との間で切り替えることによって、消費電力を低減しつつ、測位した位置に対して推定される誤差を所定の範囲に保つことができる。
また、情報処理装置100は、第1の測位から第2の測位に切り替える際には、第2の測位の入力値として基準位置と該基準位置からの移動方向とを決定する。この第2の測位の入力値となる基準位置と該基準位置からの移動方向との精度を高くすることによって、第2の測位による測位結果の精度を高くできる。
情報処理装置100の一例は、スマートフォン、タブレット端末、可搬型PCなどである。航法衛星の一例は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s): GNSS)、などである。GNSSの一例は、衛星測位システム(Global Positioning System: GPS)、準天頂衛星(quasi-zenith satellites: QZS)などである。センサーの一例は、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどである。
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示す。図2に示される例では、情報処理装置100には、1又は複数のセンサーとして、ジャイロセンサー、及び加速度センサーが搭載される。情報処理装置100にジャイロセンサー、及び加速度センサー以外のセンサーが搭載されてもよい。
情報処理装置100は、航法信号受信部102、ジャイロセンサー104、加速度センサー106、中央演算処理装置(Central Processing Unit: CPU)108、RAM(Random Access Memory)110、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)112、無線通信部116、近距離無線通信部118、及び各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン150を備える。
航法信号受信部102は、CPU108からの測位命令に応じて、航法衛星300(300a、300b、300c、300d)によって送信された航法信号を受信し、該航法信号を復調する。そして、航法信号受信部102は、復調した航法信号に基づいて、所定の測位演算を行うことによって情報処理装置100の測位を行うことによって位置情報を得る。
航法信号受信部102は、4個の航法衛星300からの航法信号を受信することで正確な受信時刻と受信機座標(3次元空間上の点)とを所定の測位演算によって求める。また、航法信号受信部102は、4個の航法衛星からの航法信号を受信できない場合には、基地局200の位置情報を補助情報として利用することによって測位を行うようにしてもよい。航法信号受信部102は、測位を行うことによって得られた位置情報をCPU108へ入力する。
ジャイロセンサー104は、角速度を計測する。ジャイロセンサー104は、角速度を表す情報(以下、「角速度情報」という)をCPU108へ入力する。
加速度センサー106は、例えば3軸加速度センサーによって構成され、互いに直交する3軸方向の加速度の大きさをそれぞれ計測する。加速度センサー106は、3軸方向の加速度の大きさを表す情報(以下、「加速度情報」という)をCPU108へ入力する。
CPU108は、情報処理装置100の全体的な制御を行う。RAM110は、CPU108に作業用のメモリ空間を提供する。EEPROM112は、不揮発性メモリの一種であり、CPU108が実行するプログラム114や、データを格納する。
無線通信部116は、情報処理装置100と他の機器との間で、無線データ通信を行う。例えば、情報処理装置100は、携帯電話の基地局200との間でロングタームエボリューション(Long Term Evolution: LTE)などの携帯電話の通信規格にしたがって無線データ通信を行う。無線通信部116は、基地局200によって送信される下りリンクの信号に付帯される位置情報をCPU108へ入力する。
近距離無線通信部118は、情報処理装置100と他の機器との間で、無線LAN、ビーエルイー(Bluetooth(登録商標) Low Energy: BLE)などの近距離無線通信技術によって無線データ通信を行う。例えば、情報処理装置100は、無線LANの基地局との間でワイファイ(Wireless Fidelity: Wi-Fi)などの無線通信技術の規格、例えばIEEE802.11規格にしたがって無線データ通信を行い、ブルートゥース(登録商標)発信機との間でビーエルイーによって無線データ通信を行う。近距離無線通信部118は、無線LANの基地局、ブルートゥース(登録商標)発信機などのビーコン発信機によって送信される信号に付帯されるビーコン発信機の位置情報をCPU108へ入力する。
ここでは、近距離無線通信技術の例として、無線LAN、ビーエルイーを挙げたが、その他にも、アイアールディーエイ(Infrared Data Association: IrDA)、RFID(Radio Frequency Identification)、トランスファージェット(TransferJet)、WiMedia Alliance、ジグビー(ZigBee)などを適用できる。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図である。情報処理装置100は、主成分分析入力部402と、主成分分析部404と、判断部406と、歩行者自律航法(Pedestrian Dead Reckoning: PDR)処理部408と、移動方向変化測定部410とを備える。図3に示される各部の機能は、図2に示されるCPU108がEEPROM112に記憶されているプログラム114を実行することにより実現される。
主成分分析入力部402は、一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する。本実施形態では、一つの物体とは情報処理装置100である。主成分分析部404は、主成分分析入力部402から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する。判断部406は、該主成分分析処理の結果に基づいて一つの物体つまり情報処理装置100の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する。
歩行者自律航法処理部408は、判断部406が判断した基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する。歩行者自律航法処理部408は、該入力値に使用して所定の歩行者自律航法の処理を実行し、該処理の結果である歩行者自律航法処理結果を出力する。本実施形態では、第2の測位に歩行者自律航法を利用する。
移動方向変化測定部410は、一つの物体つまり情報処理装置100の移動方向の変化を測定し、該測定データを出力する。主成分分析入力部402は、移動方向変化測定部410から出力された測定データに基づいて、一つの物体つまり情報処理装置100の複数の測位値の中から、同じ主成分分析処理の入力値に使用する測位値を選択する。
次に図4を参照して情報処理装置100が行う情報処理方法の全体の流れを説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理方法の全体の流れを示す。図4に示す処理は、所定のタイミングで実行される。情報処理装置100は、例えば、所定の周期で図4に示す処理を実行してもよく、又は、ユーザーや情報処理装置100に備わるアプリケーションからの要求に応じて図4に示す処理を実行してもよい。
(ステップS1)主成分分析入力部402は、第1の測位の測位結果に基づいて主成分分析処理への入力値を決定する。第1の測位の測位結果は、例えば航法信号受信部102から出力される。
(ステップS2)主成分分析部404は、主成分分析入力部402により決定された入力値を使用して主成分分析処理を実行する。
(ステップS3)判断部406は、主成分分析部404により実行された主成分分析処理の結果に基づいて情報処理装置100の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する。
(ステップS4)歩行者自律航法処理部408は、判断部406により判断された基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用して所定の歩行者自律航法の処理を実行し、該処理の結果である歩行者自律航法処理結果を出力する。
次に図5から図10を参照して本実施形態に係る情報処理装置100が行う情報処理について詳細に説明する。
[主成分分析]
図5及び図6を参照して本実施形態の主成分分析に係る処理を説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る情報処理を説明するための図である。まず図5を参照して主成分分析に係る処理の例1を説明する。図5には、第1の測位の測位結果である測位値P101、P102及びP103が示されている。図5において、Y軸は緯度を示し、X軸は経度を示す。
本実施形態では、主成分分析部404は、第1の測位の測位結果である複数の測位値を含む入力値に対して主成分分析処理を実行する。この主成分分析処理では、主成分回帰分析が行われる。主成分分析部404は、該主成分回帰分析の結果として回帰直線を求める。主成分分析部404が求めた回帰直線の方向は、情報処理装置100が移動する方位(以下、「初期方位」という)に利用できる。主成分分析部404が求めた回帰直線の方向は、主成分ベクトルの方向である。複数の測位値を含む入力値に対し主成分分析処理を行って初期方位を求めることによって、主成分分析処理を行わずに複数の測位値をそのまま使用して測位値間の方位から初期方位を求める場合に比して、第1の測位の測定誤差による初期方位の精度の低下を防止できる。
さらに、本実施形態では、主成分分析処理の入力値の追加処理を実行する。図5において、各測位値P101、P102、P103を中心にした円Ca、Cb、Ccの円周に、等間隔で、それぞれ8個の追加の入力値が示されている。測位値P101を中心にした円Caの円周には、等間隔で、追加の入力値Pa1〜Pa8が示されている。測位値P102を中心にした円Cbの円周には、等間隔で、主成分分析処理の入力値Pb1〜Pb8が示されている。測位値P103を中心にした円Ccの円周には、等間隔で、追加の入力値Pc1〜Pc8が示されている。
主成分分析入力部402は、測位値P101、P102及びP103と共に主成分分析処理に使用される入力値として、それら24個の追加の入力値Pa1〜Pa8、Pb1〜Pb8及びPc1〜Pc8を設ける。主成分分析入力部402は、測位値P101、P102及びP103と、追加の入力値Pa1〜Pa8、Pb1〜Pb8、及びPc1〜Pc8とを、主成分分析処理の入力値として主成分分析部404へ出力する。主成分分析部404は、それら27個の主成分分析処理の入力値「測位値P101、P102及びP103、追加の入力値Pa1〜Pa8、Pb1〜Pb8、及びPc1〜Pc8」に対して、主成分分析処理を実行する。この主成分分析処理の結果として図5に示される回帰直線Lが求められる。主成分分析部404は、回帰直線Lを示す情報を主成分分析処理の結果に含めて出力する。
測位値P101を中心にした円Caの半径は、該測位値P101の不確からしさに応じた長さである。測位値P102を中心にした円Cbの半径は、該測位値P102の不確からしさに応じた長さである。測位値P103を中心にした円Ccの半径は、該測位値P103の不確からしさに応じた長さである。つまり、測位値の不確からしさが大きいほどに、該測位値を中心にした円の半径は大きくなる。したがって、ある測位値に対する追加の入力値は、該測位値の不確からしさが反映されたものになる。これにより、主成分分析部404が実行する主成分分析処理において、各測位値の不確からしさを反映させることができる。
一般に主成分分析では、分析精度の観点から、分析対象の各点の誤差が同一であることが重要である。このため、各測位値の誤差に違いがあると、主成分分析の精度が低下する恐れがある。本実施形態の主成分分析処理の入力値の追加処理によれば、主成分分析部404が実行する主成分分析処理において、各測位値の不確からしさを反映させることにより、主成分分析の精度の低下を防止できる。
主成分分析入力部402は、ある測位値の不確からしさを、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差に基づいて決定する。つまり、ある測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差が大きいほどに、該測位値の不確からしさは大きくなる。第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報は、第1の測位の測位結果に含まれている。つまり、第1の測位の測位結果は、測位値と、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報とを含む。第1の測位の測位結果は、例えば航法信号受信部102から出力される。航法信号受信部102は、航法衛星300から航法信号受信部102へ航法信号が到達する経路において電離層や対流圏での電波特性の変化によって生じる電波伝搬速度の遅延や、受信した航法信号を送信する航法衛星の数や配置によって生じる電波伝搬速度の遅延などに基づいて、第1の測位の測定誤差を示す誤差情報を生成する。
なお、図5を参照して説明した主成分分析処理の入力値の追加処理は一例であって、これに限定されない。ある測位値に対して、該測位値の不確からしさに応じた位置に、追加の入力値を設けてもよい。さらには、該測位値の不確からしさに応じた大きさの該測位値を含む範囲に、追加の入力値を設けてもよい。また、該範囲に均等に、追加の入力値を設けてもよい。また、該範囲は、該測位値の不確からしさに応じた半径の該測位値を中心にする円であってもよい。さらには、図5に例示されるように、該円の円周に等間隔で追加の入力値を設けてもよい。
次に図6を参照して主成分分析に係る処理の例2を説明する。図6(1)及び(2)には、それぞれに、第1の測位の測位結果である測位値P201〜P206が示されている。図6(1)及び(2)において、Y軸は緯度を示し、X軸は経度を示す。図6(1)及び(2)において、破線Rtは実際の情報処理装置100の移動経路を示す。
図6(1)は、主成分分析に係る処理の例2との比較のための説明図である。図6(1)では、範囲A210に存在する6個の測位値P201〜P206が、同じ主成分分析処理の入力値に使用する測位値に選択される。これにより、主成分分析処理の結果として図6(1)に示される回帰直線L1が求められる。そして、回帰直線L1の方向(図6(1)中の回帰直線L1の矢印の方向)は初期方位となる。しかし、その回帰直線L1に基づく初期方位は、破線Rtの移動方向とは大きく異なる。これは、情報処理装置100の移動方向が点Ptで大きく変化しているが、該点Ptの前後の測位値を同じ主成分分析処理の入力値に使用したためである。
これに対処するために、主成分分析入力部402は、主成分分析に係る処理の例2を実行する。主成分分析に係る処理の例2では、主成分分析入力部402は、情報処理装置100の移動方向の変化の測定データに基づいて、6個の測位値P201〜P206の中から、同じ主成分分析処理の入力値に使用する測位値を選択する。主成分分析入力部402には、移動方向変化測定部410から、情報処理装置100の移動方向の変化についての測定データが入力される。移動方向変化測定部410は、センサー検出結果に含まれる角速度情報及び加速度情報に基づいて情報処理装置100の移動方向の変化を測定し、該測定データを出力する。主成分分析入力部402は、該測定データに基づいて、情報処理装置100の移動方向の変化の大きさを判断する。主成分分析入力部402は、その判断の結果、情報処理装置100の移動方向の変化の大きさが所定値以上である場合に、それまで主成分分析処理の入力値として選択した測位値と同じ主成分分析処理の入力値に使用する測位値の選択を終了する。
図6(2)は、主成分分析に係る処理の例2を示す。図6(2)では、主成分分析入力部402は、移動方向変化測定部410から入力される測定データに基づいて、情報処理装置100の移動方向が点Ptで大きく変化していることを検出する。そして、主成分分析入力部402は、点Ptより前の測位値P201及びP202と同じ主成分分析処理の入力値に使用する測位値の選択を終了する。これにより、点Ptより後の測位値P203〜P206は、測位値P201及びP202と同じ主成分分析処理の入力値にはならない。そして、主成分分析入力部402は、範囲A220に存在する点Ptより後の4個の測位値P203〜P206を、測位値P201及びP202とは別個の主成分分析処理の入力値に使用する測位値に選択する。これにより、その主成分分析処理の結果として図6(2)に示される回帰直線L2が求められる。そして、回帰直線L2の方向(図6(2)中の回帰直線L2の矢印の方向)は初期方位となる。この回帰直線L2に基づく初期方位は、破線Rtの点Ptより後の移動方向に近似している。
[基準位置及び移動方向の決定]
図7から図9を参照して本実施形態の基準位置及び移動方向の決定に係る処理を説明する。図7から図9は、本実施形態に係る情報処理を説明するための図である。
図7には、第1の測位の測位結果である測位値P101、P102及びP103と、主成分分析部404の主成分分析処理の結果として求められた回帰直線Lとが示されている。図7において、Y軸は緯度を示し、X軸は経度を示す。判断部406には、主成分分析部404から、回帰直線Lを特定する情報を含む主成分分析処理の結果が入力される。判断部406は、回帰直線Lと、基準の測位値P103から該回帰直線Lへの垂線との交点を、情報処理装置100の移動に関する基準位置Pbに決定する。回帰直線Lは、主成分分析部404の主成分分析処理の結果の主成分ベクトルの直線である。また、判断部406は、回帰直線Lの方向(図7中の回帰直線Lの矢印の方向)を、基準位置Pbからの移動方向に決定する。判断部406は、決定した基準位置Pbと該基準位置Pbからの移動方向とを示す情報を歩行者自律航法処理部408へ出力する。
本実施形態の基準位置の決定処理によれば、測位値をそのまま基準位置にする場合に比して、基準位置に対して測位値の誤差が反映される影響を低減できる。
なお、判断部406は、基準位置の決定に使用される基準の測位値を、情報処理装置100の複数の測位値の中から、測位した時刻と測位についての誤差に基づいて選択してもよい。図8を参照して基準の測位値の選択方法の一例を説明する。図8には、第1の測位の測位結果である測位値P301及びP302と、主成分分析部404の主成分分析処理の結果として求められた回帰直線L3とが示されている。図8において、Y軸は緯度を示し、X軸は経度を示す。測位値P301の測定時刻を「t0」、測位値P302の測定時刻を「t0+Δ1」とする。位置P_Aは、回帰直線L3と、測位値P301から該回帰直線L3への垂線との交点である。位置P_Bは、回帰直線L3と、測位値P302から該回帰直線L3への垂線との交点である。
ここでは、測位値P301及びP302の中から基準の測位値を選択する場合を例に挙げて説明する。判断部406は、位置P_Aを基準位置にした場合の位置P_Bにおける推定誤差E_Bを求める。推定誤差E_Bは次式で表される。
推定誤差E_B=「測位値P302の測定誤差」+「位置P_Bの方位誤差」+「位置P_Bから位置P_Aまでの歩行者自律航法による測定誤差」
測位値P302の測定誤差を示す誤差情報は、第1の測位の測位結果に測位値P302と共に含まれている。位置P_Bから位置P_Aまでの歩行者自律航法による測定誤差は、歩行者自律航法に固有の誤差と、情報処理装置100の移動距離とに応じて算出される。歩行者自律航法に固有の誤差は、予め設定される。判断部406は、位置P_Bから位置P_Aまでの距離Dを算出する。判断部406は、位置P_Bから位置P_Aまでの距離Dと、予め設定された歩行者自律航法に固有の誤差とを使用して、位置P_Bから位置P_Aまでの歩行者自律航法による測定誤差を所定の算出式で算出する。歩行者自律航法による測定誤差の算出式は、移動距離が長いほど、歩行者自律航法による測定誤差が大きくなるように、予め定められる。
ここで、図9を参照して方位誤差の推定方法を説明する。図9は、方位誤差の推定方法の一例を示す。図9には、第1の測位の測位結果である測位値P300、P301、P302及びP303と回帰直線L3とが示されている。また、図9には、測位値P300を中心とする円C_300と、測位値P301を中心とする円C_301と、測位値P302を中心とする円C_302と、測位値P303を中心とする円C_303とが示されている。各円C_300、C_301、C_302、C_303の半径は、該円の中心の各測位値P300、P301、P302、P303の不確からしさに応じた長さである。つまり、測位値の不確からしさが大きいほどに、該測位値を中心にした円の半径は大きくなる。ある測位値の不確からしさは、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差に基づいて決定される。第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報は、第1の測位の測位結果に含まれている。つまり、第1の測位の測位結果は、測位値と、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報とを含む。
測位値P300、P301、P302及びP303は、同じ主成分分析処理の入力値に含まれる。当該主成分分析処理の結果として回帰直線L3が得られている。当該主成分分析処理の入力値に含まれる測位値のうち、時間的に最も前の測位値は測位値P300であり、時間的に最も後の測位値は測位値P303である。測位値P300の座標は座標「x,y」である。測位値P300を中心にした円C_300の半径はAcである。測位値P303の座標は座標「x,y」である。測位値P303を中心にした円C_303の半径はAcである。回帰直線L3の方向つまり初期方位を示す主成分ベクトルの成分は「P,P」である。
判断部406は、回帰直線L3が得られた主成分分析処理の入力値に含まれる測位値のうち、時間的に最も前の測位値P300と、時間的に最も後の測位値P303との間の距離D_aを計算する。
判断部406は、次の式(1)によって角度θを計算する。角度θは、回帰直線L3と直線L5とがなす角度である。直線L5は、回帰直線L3が得られた主成分分析処理の入力値に含まれる測位値のうち、時間的に最も前の測位値P300と、時間的に最も後の測位値P303とを含む直線である。
Figure 2017111098
判断部406は、次の式(2)によって方位誤差の推定値(推定方位誤差)Eを計算する。
Figure 2017111098
図9には、初期方位から推定方位誤差Eによって表される角度をなす直線L4によって、測位値P303を基準の測位値に決定することによって得られる位置情報が初期方位に対して最もずれる場合の方位が示されている。
説明を図8に戻す。
判断部406は、上述した図9の方位誤差の推定方法によって位置P_Bの方位誤差(推定方位誤差E)を求める。
また、判断部406は、位置P_Aを基準位置にした場合の位置P_Aにおける推定誤差E_Aを求める。推定誤差E_Aは、「測位値P301の測定誤差」である。測位値P301の測定誤差を示す誤差情報は、第1の測位の測位結果に測位値P301と共に含まれている。
判断部406は、推定誤差E_Aと推定誤差E_Bとを比較して、いずれの推定誤差が小さいかを判断する。判断部406は、推定誤差E_Aの方が小さいと判断した場合には、測位値P301を基準の測位値に決定する。これにより、位置P_Aが基準位置に決定される。一方、判断部406は、推定誤差E_Bの方が小さいと判断した場合には、測位値P302を基準の測位値に決定する。これにより、位置P_Bが基準位置に決定される。
なお、基準の測位値の他の決定方法として、第1の測位の測位結果の測位値のうち時間的に直近の測位値を基準の測位値に決定してもよい。
[歩行者自律航法処理]
図10を参照して本実施形態の歩行者自律航法処理を説明する。図10は、本実施形態に係る情報処理を説明するための図である。図10において、Y軸は緯度を示し、X軸は経度を示す。図10には、第1の測位の測位結果である測位値P101、P102及びP103と、主成分分析部404の主成分分析処理の結果として求められた回帰直線Lとが示されている。また、図10には、判断部406が決定した基準位置Pbと、該基準位置Pbからの移動方向とが示されている。
歩行者自律航法処理部408は、判断部406から入力された情報で示される基準位置Pbと該基準位置Pbからの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用して所定の歩行者自律航法の処理を実行し、該処理の結果である歩行者自律航法処理結果を出力する。その歩行者自律航法の処理において、歩行者自律航法処理部408は、センサー検出結果に含まれる角速度情報及び加速度情報に基づいて基準位置Pbからの相対移動量を算出する。歩行者自律航法処理部408は、該基準位置Pbと該相対移動量に基づいて、情報処理装置100が移動した先の位置を判断する。歩行者自律航法処理部408は、その判断結果の情報処理装置100の位置を歩行者自律航法処理結果に含めて出力する。図10には、歩行者自律航法処理結果の情報処理装置100の位置による軌跡(PDR軌跡)が示されている。
本実施形態に係る情報処理装置100によれば、情報処理装置100の複数の第1の測位の測位値を主成分分析処理の入力値を使用して主成分分析処理を実行し、該主成分分析処理の結果に基づいて情報処理装置100の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する。そして、情報処理装置100は、該基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する。
これにより、主成分分析処理を行わずに情報処理装置100の複数の第1の測位の測位値をそのまま使用して測位値間の方位から基準位置及び該基準位置からの移動方向を求める場合に比して、第1の測位の測定誤差に起因する基準位置及び該基準位置からの移動方向の精度の低下を防止できるので、歩行者自律航法の入力値として使用される基準位置と該基準位置からの移動方向との精度の向上を図ることができる。そして、歩行者自律航法の入力値の精度を向上させることができるので、歩行者自律航法による測位結果の精度を向上させることができるようになる。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る測位システムの構成例を示す。この図11において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。第2実施形態に係る情報処理装置700は、図2を適用できる。第2実施形態に係る情報処理装置700は、第1の実施形態において、主成分分析入力部402と主成分分析部404と判断部406と移動方向変化測定部410との処理を他の情報処理装置800に実行させるようにしたものである。第2実施形態において、情報処理装置700は、歩行者自律航法処理装置として機能する。情報処理装置700は、図2に示されるCPU108がEEPROM112に記憶されているプログラム114を実行することにより、図3に示される各部のうち歩行者自律航法処理部408の機能を実現する。情報処理装置700の一例は、スマートフォン、タブレット端末、可搬型PCなどである。
情報処理装置700と他の情報処理装置800との間は、有線又は無線によって接続される。ここでは、一例として情報処理装置700と他の情報処理装置800との間が無線によって接続される場合について説明する。情報処理装置700と他の情報処理装置800との間が有線によって接続されるようにしてもよい。
他の情報処理装置800の一例は、PC、サーバなどの端末装置(以下、端末装置800と称する)である。図12は、第2実施形態に係る端末装置800のハードウェア構成例を示す。端末装置800は、無線通信部802、CPU804、RAM806、EEPROM808、及び各構成要素を図12に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン850を備える。
無線通信部802は、情報処理装置700との間で、データ通信を行う。例えば、情報処理装置700は、携帯電話の基地局や、アクセスポイントなどの基地局を介して無線データ通信を行う。無線通信部802は、情報処理装置700によって送信される情報をCPU804へ入力する。
CPU804は、端末装置800の全体的な制御を行う。RAM806は、CPU804に作業用のメモリ空間を提供する。EEPROM808は、不揮発性メモリの一種であり、CPU804が実行するプログラム810、データなどを格納する。端末装置800は、CPU804がEEPROM808に記憶されているプログラム810を実行することにより、図3に示される各部のうち主成分分析入力部402と主成分分析部404と判断部406と移動方向変化測定部410との機能を実現する。
情報処理装置700は、第1の測位の測位結果及びセンサー検出結果を端末装置800へ送信する。端末装置800は、情報処理装置700から受信した第1の測位の測位結果及びセンサー検出結果を使用して、主成分分析入力部402と主成分分析部404と判断部406と移動方向変化測定部410との処理を実行する。端末装置800は、判断部406の処理により決定された基準位置と該基準位置からの移動方向とを示す情報を情報処理装置700へ送信する。情報処理装置700は、端末装置800から受信した情報で示される基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用して所定の歩行者自律航法の処理を実行し、該処理の結果である歩行者自律航法処理結果を出力する。
第2実施形態によれば、主成分分析入力部402と主成分分析部404と判断部406と移動方向変化測定部410との処理を情報処理装置800に実行させるようにしたことによって、歩行者自律航法処理装置として機能する情報処理装置700の負荷を低減できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、情報処理装置100又は情報処理装置700に、ジャイロセンサー及び加速度センサーの代わりに、又はジャイロセンサー及び加速度センサーとともに、地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどを搭載してもよい。
そして、情報処理装置100又は情報処理装置700に搭載したジャイロセンサー及び加速度センサーの代わりに、又はジャイロセンサー及び加速度センサーとともに搭載した地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどによって歩行者自律航法による測位を行うようにしてもよい。
ジャイロセンサー及び加速度センサーとともに、地磁気センサー、気圧センサー、近接センサー、照度センサーなどを搭載することによって、歩行者自律航法による測位精度を向上させることができる。このため、歩行者自律航法に基づく測位を長い距離行っても、累積誤差の増加を抑えられるため、さらに情報処理装置100又は情報処理装置700の消費電力を低減できる。
[方位誤差の推定方法の他の例]
図13を参照して方位誤差の推定方法の他の例を説明する。図13は、方位誤差の推定方法の一例を示す。図13には、第1の測位の測位結果である測位値P401、P402、P403及びP404と回帰直線L10とが示されている。また、図13には、測位値P401を中心とする円C_401と、測位値P402を中心とする円C_402と、測位値P403を中心とする円C_403と、測位値P404を中心とする円C_404とが示されている。各円C_401、C_402、C_403、C_404の半径は、該円の中心の測位値P401、P402、P403、P404の不確からしさに応じた長さである。つまり、測位値の不確からしさが大きいほどに、該測位値を中心にした円の半径は大きくなる。ある測位値の不確からしさは、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差に基づいて決定される。第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報は、第1の測位の測位結果に含まれている。つまり、第1の測位の測位結果は、測位値と、該測位値が得られた第1の測位の測定時点での第1の測位の測定誤差を示す誤差情報とを含む。
各円C_401、C_402、C_403、C_404の円周には、等間隔で、それぞれ8個の追加の入力値が示されている。これら各円C_401、C_402、C_403、C_404の円周に示される全ての追加の入力値と、測位値P401、P402、P403及びP404とから構成される主成分分析処理の入力値の集合をpnとする。この集合pnが入力値である主成分分析処理の結果として、初期方位を示す回帰直線L10が得られている。
判断部406は、集合pnに含まれる各入力値と回帰直線L10との垂直距離の平方和を自由度で割った値に基づいて、平均誤差Acを算出する。集合pnに含まれる各入力値と回帰直線L10との垂直距離の平方和を自由度で割った値は、回帰直線L10に対する集合pnのばらつきを表す。
直線L11及びL12は回帰直線L10に平行な直線である。各直線L11、L12と回帰直線L10との間隔は平均誤差Acである。回帰直線L10と、集合pnに含まれる各入力値から該回帰直線L10への垂線との交点の集合をpn’とする。判断部406は、集合pn’に含まれる任意の2つの交点の間の距離のうち、最長の距離D_bを算出する。判断部406は、次の式(3)によって方位誤差の推定値(推定方位誤差)Eを計算する。
Figure 2017111098
図13には、初期方位(回帰直線L10の方向)から推定方位誤差Eによって表される角度をなす直線L13によって、初期方位からの推定されるずれが示されている。
また、上述した情報処理装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
100,700,800…情報処理装置、102…航法信号受信部、104…ジャイロセンサー、106…加速度センサー、108,804…CPU、110,806…RAM、112,808…EEPROM、114,810…プログラム、116,802…無線通信部、118…近距離無線通信部、150,850…バスライン、200…基地局、300(300a、300b、300c、300d)…航法衛星、402…主成分分析入力部、404…主成分分析部、406…判断部、408…歩行者自律航法処理部、410…移動方向変化測定部

Claims (13)

  1. 一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力部と、
    前記主成分分析入力部から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析部と、
    前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記主成分分析入力部は、測位値の不確からしさに応じた前記主成分分析処理の入力値の追加処理を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記追加処理は、測位値の不確からしさに応じた大きさの該測位値を含む範囲に、前記主成分分析処理の入力値を追加する請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記追加処理は、前記範囲に均等に前記主成分分析処理の入力値を追加する請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記範囲は、測位値の不確からしさに応じた半径の該測位値を中心にする円である請求項3又は4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記追加処理は、前記円の円周に等間隔で前記主成分分析処理の入力値を追加する請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記判断部は、前記主成分分析処理の結果の主成分ベクトルの直線と、基準の測位値から該直線への垂線との交点を基準位置に決定する請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 前記判断部は、前記一つの物体の複数の測位値の中から、測位した時刻と測位についての誤差に基づいて基準の測位値を選択する請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記主成分分析入力部は、前記物体の移動方向の変化の測定データに基づいて、同じ前記主成分分析処理の入力値に使用する測位値を選択する請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記判断部が判断した基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する歩行者自律航法処理部をさらに備える請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
    前記情報処理装置が判断した基準位置と該基準位置からの移動方向とを歩行者自律航法の入力値に使用する歩行者自律航法処理装置と、
    を備える測位システム。
  12. 情報処理装置が、一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力ステップと、
    前記情報処理装置が、前記主成分分析入力ステップから入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析ステップと、
    前記情報処理装置が、前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断ステップと、
    を含む情報処理方法。
  13. コンピュータに、
    一つの物体の複数の測位値を主成分分析処理の入力値に使用する主成分分析入力機能と、
    前記主成分分析入力機能から入力される入力値を使用して主成分分析処理を実行する主成分分析機能と、
    前記主成分分析処理の結果に基づいて前記物体の移動に関する基準位置と該基準位置からの移動方向とを判断する判断機能と、
    を実現させるためのコンピュータプログラム。
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