JP2017110150A - 着色組成物、着色硬化膜及び表示素子 - Google Patents

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光 杉田
朗人 成子
Akito Naruko
朗人 成子
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Yuka Miyashita
由佳 宮下
茂 井川
Shigeru Ikawa
茂 井川
拓弘 谷口
Takuhiro Taniguchi
拓弘 谷口
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Reishi Kura
怜史 倉
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泰典 川部
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富士子 阿部
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Abstract

【課題】耐熱性と耐溶剤性とを両立する着色硬化膜の形成に好適な着色組成物を提供すること。【解決手段】(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する化学構造を有するものである、着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、着色硬化膜及び表示素子に関わり、より詳しくは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示素子、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等に用いられる着色硬化膜の形成に用いられる着色組成物、当該着色組成物を用いて形成された着色硬化膜、並びに当該着色硬化膜を具備する表示素子に関する。
着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを製造するに当たっては、基板上に、顔料分散型の着色感放射線性組成物を塗布して乾燥したのち、乾燥塗膜を所望のパターン形状に放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像することにより、各色の画素を得る方法(例えば、特許文献1〜2参照。)が知られている。また、カーボンブラックを分散させた光重合性組成物を利用してブラックマトリックスを形成する方法(例えば、特許文献3参照。)も知られている。さらに、顔料分散型の着色樹脂組成物を用いてインクジェット方式により各色の画素を得る方法(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
近年では、液晶表示素子の高コントラスト化や固体撮像素子の高精細化が強く求められており、これらを実現するために、着色剤として染料の適用が検討されている。しかしながら、一般的に言えば、着色剤として顔料を適用した場合と比べて、染料を適用した場合には耐熱性や耐溶剤性などに問題が生じる場合が多い。
このような背景の下、耐熱性に優れる画素を形成可能な染料含有着色組成物として、例えば、特許文献5において、アルキルスルホニルイミドアニオンを有するトリアリールメタン系染料の使用が提案されている。
特開平2−144502号公報 特開平3−53201号公報 特開平6−35188号公報 特開2000−310706号公報 特開2012−83652号公報
しかしながら、特許文献5に提案されている染料においては、画素の耐熱性と耐溶剤性のバランスが悪いことが判明した。
したがって、本発明の課題は、耐熱性と耐溶剤性を両立する着色硬化膜の形成に好適な着色組成物を提供することにある。更に、本発明の課題は、当該着色組成物を用いて形成された着色硬化膜、及びそれを具備する表示素子を提供することにある。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、着色剤、樹脂及び重合性化合物を含有する着色組成物において、着色剤、樹脂及び重合性化合物のうちのいずれか1以上において、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する化学構造を導入することにより、保存安定性が高められ、しかも耐熱性と耐溶剤性を両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成可能な着色組成物が得られることを見出した。ここで、本明細書において「移染性」とは、着色パターンの画素中の着色剤が溶出し、隣接する他色の画素や硬化膜に色移りすることをいう。
即ち、本発明は、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する化学構造を有するものである、着色組成物を提供するものである。
本発明の着色組成物の好適な態様として、下記の(1)〜(3)に示す着色組成物を挙げることができる。
(1)(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
(B)樹脂が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するものである、着色組成物。
(2)(A)着色剤及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
(A)着色剤が、色素構造と、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造とを有するものである、着色組成物。
(3)(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
(C)重合性化合物が、エチレン性不飽和基と、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造とを有するものである、着色組成物。
本発明はまた、前記着色組成物を用いて形成された着色硬化膜、及び該着色硬化膜を具備する表示素子を提供するものである。ここで、本明細書において「着色硬化膜」とは、表示素子や固体撮像素子に用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等を意味する。
本発明の着色組成物は、保存安定性に優れるものである。また、本発明の着色組成物を用いれば、耐熱性と耐溶剤性を両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。したがって、本発明の着色組成物は、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等の表示素子、CMOSイメージセンサ等の固体撮像素子の作製に極めて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明の着色組成物の好適な実施形態を詳細に説明する。
着色組成物
<第1実施形態>
本実施形態の着色組成物は、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含み、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造(以下、「特定構造α」とも称する)を有するものである。
特定構造αとしては、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成するものであれば特に限定されないが、熱により炭素−炭素結合が開裂して2個のエチレン性不飽和結合を生成するものが好ましく、例えば、下記式に示すように、シクロブテン環が熱により炭素−炭素結合を開裂して形成されるo−キノジメタン構造を挙げることができる。
Figure 2017110150
より好適な態様として、例えば、下記式(1)で表される構造を挙げることができる。かかるアリールシクロブテン構造は、例えば、150〜350℃の熱によりo−キノジメタン構造を形成し、Diels−Alder反応における共役ジエンとして機能することができる。このような構造を、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上に導入することにより、例えば、着色硬化膜を形成する際のポストベーク工程において、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上からo−キノジメタンが生成し、(A)着色剤、(B)樹脂又は(C)重合性化合物の相互の分子間又は分子内で架橋構造を形成することで架橋密度が高められ、着色硬化膜の耐熱性及び耐溶剤性を向上させることができる。
Figure 2017110150
〔式(1)において、
環Zは、芳香環を示し、
は、環Zの置換基を示し、
は、脂環式4員環の置換基を示し、
mは、0〜3の整数を示し、
nは、0〜2の整数を示し、
*は、結合手を示す。〕
環Z1における芳香環としては、炭素数6〜10の芳香環が好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環等を挙げることができる。中でも、ベンゼン環が好ましい。
及びRにおける置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基等を挙げることができるが、中でも電子吸引性基に分類される置換基が好ましい。なお、置換基の位置及び数は任意であり、また置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、また飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜15のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が更に好ましい。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。また、アルケニル基としては、炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基が更に好ましい。アルケニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−エチル-2−ブチニル基、2−オクチニル基、(4−エチニル)−5−ヘキシニル基、2−デシニル基等を挙げることができる。また、アルキニル基としては、炭素数2〜20のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜15のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基が更に好ましい。アルキニル基の具体例としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−エチル-2−ブチニル基、2−オクチニル基、(4−エチニル)−5−ヘキシニル基、2−デシニル基等を挙げることができる。
脂環式炭化水素基には、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、スピロ炭化水素基、環状テルペン炭化水素基等が包含される。脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基がより好ましく、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基が更に好ましい。脂環式炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデカニル基、デカヒドロ−2−ナフチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、ペンタシクロペンタデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロペンタニル基、トリシクロペンテニル基等を挙げることができる。
芳香族炭化水素基は、環構造のみからなる基だけでなく、当該環構造に更に2価の脂肪族炭化水素基が置換した基をも包含する概念であり、その構造中に少なくとも芳香族炭化水素を含んでいればよい。芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基が更に好ましい。ここで、本明細書において「アリール基」とは、単環〜3環式芳香族炭化水素基をいい、例えば、フェニル基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アズレニル基、9−フルオレニル基等を挙げることができる。
また、炭化水素基は、炭素−炭素結合間又はその末端に、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む1以上の連結基を有していてもよい。かかる連結基としては、例えば、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONRa−(Raは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す)、−NRa−(Raは、前記と同義である)が挙げられ、1種又は2種以上有することができる。また、炭化水素基と連結基とが結合して環構造を形成してもよい。例えば、連結基を有するアルキル基として、アルキルオキシアルキル基等が挙げられ、また連結基を有するアルケニル基として、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。なお、前述の炭化水素基の炭素数は、連結基を構成する炭素原子を除いた部分の総炭素数を意味する。
アルコキシル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよい。アルコキシル基としては、炭素数1〜20のアルコキシル基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基が更に好ましい。アルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基等を挙げることができる。
アリールオキシ基としては、炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。
中でも、Rにおける置換基としては、炭化水素基が好ましく、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む1以上の連結基を有していてもよいアルケニル基がより好ましく、ビニル基、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基が更に好ましい。
としては、ヒドロキシル基、アミノ基、炭化水素基、アルコキシ基が好ましく、炭化水素基及びアルコキシ基は炭素原子及び水素原子以外の原子を含む1以上の連結基を有していてもよい。
mは、0〜3の整数であるが、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましく、1が更に好ましい。
nは、0〜2の整数であるが、0又は1が好ましく、0が更に好ましい。
本実施形態に係る(A)着色剤、(B)樹脂又は(C)重合性化合物は、特定構造αを有すれば適宜の構造を採り得るが、その具体的態様は後述する第2〜4実施形態において詳細に説明する。
また、本実施形態の着色組成物は、公知の着色剤、分散剤、分散助剤、バインダー樹脂、光重合開始剤、溶媒、添加剤等を1種又は2種以上含有することができる。その具体的態様は後述する第2〜4実施形態において詳細に説明する。
<第2実施形態>
本実施形態の着色組成物は、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含み、(B)樹脂は、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するものである。このような態様とすることで、着色組成物の保存安定性が高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
以下、本実施形態に係る着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
(A)着色剤としては着色性を有すれば特に限定されるものではなく、着色組成物の用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。着色剤としては、例えば、顔料、染料が挙げられる。また、これら着色剤とともに、これら着色剤に代えて、後述の第3実施形態において詳述する色素構造と特定構造αを有する着色剤を含有することもできる。(A)着色剤は、1種又は2種以上を含有することができる。中でも、輝度、コントラスト及び着色力の高い画素を得るという点から、顔料としては、有機顔料が好ましく、また染料としては、有機染料が好ましい。
有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物、即ち下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264等の赤色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80等の青色顔料;
C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー179、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー211、C.I.ピグメントイエロー215等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ38等の橙色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料。
また、無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、チタンブラック等を挙げることができる。その他、特開2001−081348号公報、特開2010−026334号公報、特開2010−237384号公報、特開2010−237569号公報、特開2011−006602号公報、特開2011−145346号公報等に記載のレーキ顔料を挙げることができる。
本実施形態においては、顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用することもできる。また、これらの顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。カーボンブラック表面の樹脂被覆方法としては、例えば、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に記載の方法を採用することができる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用してもよい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平8−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
染料としては特に限定されるものではなく、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてダイ(Dye)に分類されている化合物の他、公知の染料を用いることができる。
このような染料としては、発色団の構造面からは、例えば、キサンテン染料、トリアリールメタン染料、シアニン染料、アントラキノン染料、アゾ染料、ジピロメテン染料、キノフタロン染料、クマリン染料、ピラゾロン染料、キノリン染料、ニトロ染料、キノンイミン染料、フタロシアニン染料、スクアリリウム染料等を挙げることができる。中でも、中でも、耐熱性の観点から、キサンテン染料、トリアリールメタン染料、シアニン染料、アントラキノン染料、ジピロメテン染料、フタロシアニン染料が好ましい。
また、酸性染料、塩基性染料及び非イオン性染料のいずれも好適に用いることができる。ここで、本明細書において「酸性染料」とは、アニオン部が発色団となるイオン性染料を意味し、該アニオン部と塩を形成しているイオン性染料も酸性染料とする。また、本明細書において「塩基性染料」とは、カチオン部が発色団となるイオン性染料を意味し、該カチオン部と塩を形成しているイオン性染料も塩基性染料とする。「非イオン性染料」とは、酸性染料及び塩基性染料以外の染料を意味する。
また、本実施形態においては、公知の分散剤(但し、(B)樹脂を除く)及び分散助剤を含有してもよい。公知の分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤等が挙げられ、また分散助剤としては顔料誘導体等を挙げることができる。
このような分散剤は商業的に入手することが可能であり、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116(以上、ビックケミー(BYK)社製)等、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等、ポリエステル系分散剤として、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(以上、味の素ファインテクノ(株)社製)等を、それぞれ挙げることができる。その他、BYK−LPN21324(ビックケミー(BYK)社製)を使用することもできる。
(A)着色剤の含有割合は、輝度、耐熱性及び耐溶剤性に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックス及びブラックスペーサーを形成する点から、着色組成物の固形分中に、好ましくは5質量%を超えて70質量%以下、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%である。ここで、本明細書において「固形分」とは、後述する溶媒以外の成分を意味する。
−(B)樹脂−
(B)樹脂は、特定構造αを分子の末端及び側鎖のいずれに有してもよく、分子内に1又は2以上有していても構わない。このように(B)樹脂は、特定構造αを有すれば適宜の構造を採り得るが、製造効率の観点から、特定構造αを含むエチレン性不飽和単量体を繰り返し単位として有するものが好ましい。かかるエチレン性不飽和単量体としては特定構造αを有すれば特に限定されないが、例えば、下記式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体を挙げることができる。なお、下記式(2)中、R、R、m及びnは、前記式(1)中のR、R、m及びnと同義である。
Figure 2017110150
上記式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば、下記の化合物群αに列挙した化合物が挙げられる。
Figure 2017110150
(B)樹脂は、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体のみで構成されていても構わないが、耐熱性及び耐溶剤性の観点から、該単量体以外の他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含む共重合体であることが好ましい。かかる共重合体は、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを含むブロック共重合体でも、ランダム共重合体でもよい。なお、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体とは、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを構造単位として有する共重合体を意味し、以下の説明においても同様に解釈するものとする。
他のエチレン性不飽和単量体として、例えば、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アルケニル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、N−置換マレイミド、芳香族ビニル化合物、ビニルエーテル、含酸素飽和複素環基を有するエチレン性不飽和単量体、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等(以下、「不飽和単量体(a)」とも称する)を挙げることができる。なお、不飽和単量体(a)は、1種又は2種以上を使用することができる。
(B)樹脂は、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体の重合体、あるいは特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体と不飽和単量体(a)とを含む共重合体とすることにより、(A)着色剤の分散剤として機能を有することができる。分散剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
また、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体と、必要により不飽和単量体(a)とともに、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b)」とも称する)とを含む共重合体とすることにより、バインダー樹脂としての機能を付与することができる。かかるバインダー樹脂は、ブロック共重合体でも、ランダム共重合体でもよい。また、かかるバインダー樹脂は、1種又は2種以上を含有することが可能であり、不飽和単量体(b)も、1種又は2種以上を使用してもよい。
なお、かかる分散剤及びバインダー樹脂は単独で用いても、併用しても構わない。また、前述の公知の分散剤(但し、(B)樹脂を除く)や、後述の第3実施形態において詳述するバインダー樹脂を含有していても構わない。
不飽和単量体(a)の具体例は、以下のとおりである。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルケニル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アリール(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブトキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、アセナフチレン等が挙げられる。
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−置換マレイミドとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル等が挙げられる。
含酸素飽和複素環基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のオキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体;
3−(ビニルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、2−(ビニルオキシエチル)−2−メチルオキセタンの如き(ビニルオキシアルキル)アルキルオキセタン;
3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、2−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕オキセタンの如き(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキセタン;
3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−メチルオキセタン、2−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−2−エチルオキセタン、2−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−フェニルオキセタンの如き〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕フェニルオキセタン、4−[3−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)プロポキシ]スチレン、4−[7−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘプチルオキシ]スチレン等のオキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のテトラヒドロフラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
等を挙げることができる。
マクロモノマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーを挙げることができる。
また、不飽和単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等が挙げられる。
(B)樹脂を分散剤として使用する場合には、不飽和単量体(a)として、アルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、アルキル(メタ)アクリレート及びアミノアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましく、アルキル(メタ)アクリレート及びアミノアルキル(メタ)アクリレートを含有することが更に好ましい。
(B)樹脂を分散剤として使用する場合、(B)樹脂中の特定構造αを有する単量体の共重合割合は、10〜60質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。また、(B)樹脂中のアミノアルキル(メタ)アクリレートの共重合割合は、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。この場合において、特定構造αを有する単量体を含むAブロックと、アミノアルキル(メタ)アクリレートとを含むBブロックとを含むブロック共重合体であることが、耐熱性及び耐溶剤性の観点から好ましい。
(B)樹脂を分散剤として使用する場合、(B)樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す。)で測定した重量平均分子量(Mw)が、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。また、(B)樹脂のMwと、数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。なお、本明細書において「Mw」は、GPC(溶出溶媒:DMF)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量であり、また「Mn」は、GPC(溶出溶媒:DMF)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
このような態様とすることにより、着色組成物の保存安定性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
また、(B)樹脂をバインダー樹脂として使用する場合には、不飽和単量体(b)とともに、不飽和単量体(a)として、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種を単量体として含有することが好ましく、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート及び芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種を単量体として含有することが好ましく、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート及びヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートを単量体として含有することが更に好ましい。
(B)樹脂をバインダー樹脂として使用する場合、(B)樹脂中の特定構造αを有する単量体の共重合割合は、10〜60質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、25〜55質量%が更に好ましい。また、(B)樹脂中の不飽和単量体(b)の共重合割合は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。
(B)樹脂をバインダー樹脂として使用する場合、(B)樹脂は、GPC(溶出溶媒:DMF)で測定したポリスチレン換算のMwが、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。また、(B)樹脂のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
このような態様とすることにより、アルカリ現像性や基板への結着性が高められるとともに、耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
(B)樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
(B)樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。このような態様とすることで、着色組成物の保存安定性、あるいはアルカリ現像性や基板への結着性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
−(C)重合性化合物−
本実施形態に用いる(C)重合性化合物としては、2個以上の重合可能な基を有する化合物が好ましい。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。中でも、(C)重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。(C)重合性化合物は、1種又は2種以上含有することが可能であり、後述の第4実施形態において詳述する重合性化合物を含有しても構わない。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの反応物である多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物であるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
また、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。ここで、本明細書において「メラミン構造、ベンゾグアナミン構造」とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
その他、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の如き脂肪族共役ジエン化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼンの如き非共役ジビニル化合物等を使用することもできる。
これらの重合性化合物のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸との反応物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸との反応物が、耐熱性及び耐溶剤性がより一層高められる点で好ましい。
(C)重合性化合物の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、20〜800質量部がより好ましく、100〜500質量部が更に好ましい。このような態様とすることで、架橋密度がより一層高められ、耐熱性と耐溶剤性をより高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
−光重合開始剤−
本実施形態の着色組成物は、光重合開始剤を含有することができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本実施形態に用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、(C)重合性化合物の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。光重合開始剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。中でも、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
好適な光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
また、アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
また、ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、1種又は2種以上を含有することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
また、トリアジン系化合物の具体例としては、例えば、特公昭57−6096号公報、特開2003−238898号公報の段落〔0063〕〜〔0065〕に記載の化合物を挙げることができる。
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。O−アシルオキシム系化合物の市販品としては、NCI−831、NCI−930(以上、株式会社ADEKA社製)等を使用することもできる。
本実施形態において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
本実施形態において、光重合開始剤の含有量は、(C)重合性化合物100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、1〜100質量部が更に好ましい。このような態様とすることで、架橋密度がより一層高められ、耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
−溶媒−
本実施形態の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、並びに任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、有機溶媒を配合して液状組成物として調製される。
溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。溶媒は、1種又は2種以上を含有することができる。
このような有機溶媒のうち、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム等を挙げることができる。
中でも、溶媒としては、溶解性、分散性、塗布性等の観点から、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ケトンが好ましい。
溶媒の含有量は特に限定されるものではないが、着色組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、10〜40質量%となる量がより好ましい。このような態様とすることにより、分散性、保存安定性の良好な着色剤分散液、並びに塗布性、保存安定性の良好な着色組成物とすることができる。
−添加剤−
本実施形態の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
本実施形態の着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、その調製方法としては、例えば、(A)〜(C)成分を、溶媒や任意的に加えられる他の成分と共に、混合することにより調製することができる。中でも、(A)着色剤を溶媒中、分散剤の存在下で、場合により(B)樹脂の一部と共に、例えばビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液とし、次いで、この顔料分散液に、(C)重合性化合物と、必要に応じて(B)樹脂、更に追加の溶媒や他の成分を添加し、混合することにより調製する方法が好ましい。
<第3実施形態>
本実施形態の着色組成物は、(A)着色剤及び(C)重合性化合物を含み、(A)着色剤が、色素構造と特定構造αを有するものである。このような態様とすることで、着色組成物の保存安定性が高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
以下、本実施形態に係る着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本実施形態に係る(A)着色剤は、色素構造と特定構造αを有するものである。
色素構造としては特に限定されず、公知の色素構造を含む種々のものを使用することができる。例えば、アゾ色素、アゾメチン色素(インドアニリン色素、インドフェノール色素等)、ジピロメテン色素、キノン系色素(ベンゾキノン色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、アントラピリドン色素等)、カルボニウム色素(ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、アクリジン色素等)、キノンイミン色素(オキサジン色素、チアジン色素等)、アジン色素、ポリメチン色素(オキソノール色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、スチリル色素、シアニン色素、シアニン色素の中でもスクアリリウム色素、クロコニウム色素等)、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、ペリノン色素、インジゴ色素、チオインジゴ色素、キノリン色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、及びそれらの金属錯体色素等を挙げることができる。中でも、アゾ色素、アゾメチン色素、ジピロメテン色素、キノン系色素(中でもアントラキノン色素)、カルボニウム色素(中でもキサンテン色素)、ポリメチン色素(中でもシアニン色素、オキソノール色素)が好ましい。具体的な化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colorists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)等を参照することができる。
なお、特定構造αは、第1実施形態において説述したとおりである。
本実施形態に係る(A)着色剤は色素構造と特定構造αを有すれば適宜の構造を採り得るが、色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体であることが好ましい。エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。
特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、前記式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体を挙げることができる。
また、本実施形態に係る(A)着色剤が、色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体である場合、これら以外の他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含有してもよい。このようなエチレン性不飽和単量体として、前述の不飽和単量体(a)を挙げることができる。なお、不飽和単量体(a)は、1種又は2種以上を含有することができる。更に、(A)着色剤が、色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体である場合、後述のバインダー樹脂と同様に、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有していても構わない。側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を導入する方法としては、例えば、後述のバインダー樹脂と同様の方法を挙げることができる。
(A)着色剤が色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体である場合、該共重合体中の色素構造を有するエチレン性不飽和単量体の共重合割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%が更に好ましい。また、共重合体中の特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体の共重合割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。かかる共重合体は、ブロック共重合体でも、ランダム共重合体でもよい。このような態様とすることにより、着色組成物の保存安定性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
(A)着色剤が色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、特定構造αを有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体である場合、GPCで測定したMwが、通常1,000〜100,000、好ましくは2,000〜30,000である。また、共重合体のMwと、Mnとの比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることにより、着色組成物の保存安定性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
本実施形態の着色組成物は、色素構造と特定構造αを有する着色剤以外の他の着色剤を含有していてもよい。このような他の着色剤としては、第2実施形態において詳述した染料、顔料を挙げることができる。他の着色剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
(A)着色剤の含有割合は、輝度、耐熱性及び耐溶剤性に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックス及びブラックスペーサーを形成する点から、着色組成物の固形分中に、好ましくは5質量%を超えて70質量%以下、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%である。
−(C)重合性化合物−
(C)重合性化合物としては、第2実施形態において詳述した重合性化合物を用いることが可能であり、その具体的構成は第2実施形態において説述したとおりである。(C)重合性化合物は、1種又は2種以上含有してもよく、また後述の第4実施形態において詳述する重合性化合物を含有することもできる。(C)重合性化合物を含有することで、架橋密度がより一層高められ、耐熱性と耐溶剤性をより高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
(C)重合性化合物の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、20〜800質量部がより好ましく、100〜500質量部が更に好ましい。このような態様とすることで、架橋密度がより一層高められ、耐熱性と耐溶剤性をより高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
−バインダー樹脂−
バインダー樹脂としては特に限定されず、第2実施形態において詳述した(B)樹脂を含有しても構わないが、不飽和単量体(a)と不飽和単量体(b)との共重合体を含有することができる。
不飽和単量体(a)と不飽和単量体(b)との共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b)を共重合させることにより、アルカリ現像性や基板への結着性が高められるとともに、耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。なお、不飽和単量体(a)及び不飽和単量体(b)の具体的態様は第2実施形態において説述したとおりであり、不飽和単量体(a)及び不飽和単量体(b)は、それぞれ1種又は2種以上含有することができる。
また、本実施形態においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平9−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体の具体例としては、例えば、
1)不飽和カルボン酸を含有してなる単量体の共重合体に、オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を反応させて得られる共重合体、
2)不飽和カルボン酸及びオキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和カルボン酸を反応させて得られる重合体、
3)不飽和カルボン酸及び水酸基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和イソシアネート化合物を反応させて得られる重合体
等を挙げることができる。
バインダー樹脂は、GPCで測定したMwが、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000であり、またMwとMnとの比(Mw/Mn)が、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることで、アルカリ現像性や基板への結着性がより一層高められるとともに、耐熱性と耐溶剤性をより高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
バインダー樹脂は、公知の方法により製造することが可能であり、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
本実施形態において、バインダー樹脂は1種又は2種以上含有することが可能であり、第2実施形態において詳述した(B)樹脂と併用しても構わない。
バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。このような態様とすることで、アルカリ現像性や基板への結着性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
本実施形態の着色組成物は、第2実施形態において詳述した光重合開始剤、溶媒、添加剤を含有することができる。なお、光重合開始剤、溶媒及び添加剤の具体的態様は、第2実施形態において説述したとおりである。
<第4実施形態>
本実施形態の着色組成物は、(A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含み、(C)重合性化合物がエチレン性不飽和基と、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造とを有するものである。
以下、本実施形態に係る着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
(A)着色剤としては、第2実施形態において詳述した公知の着色剤、第3実施形態において詳述した特定構造αを有する着色剤を1種又は2種以上含有することができる。その具体的態様は第2、第3実施形態において説述したとおりである。
(A)着色剤の含有割合は、輝度、耐熱性及び耐溶剤性に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックス及びブラックスペーサーを形成する点から、着色組成物の固形分中に、好ましくは5質量%を超えて70質量%以下、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%である。
−(B)樹脂−
(B)樹脂としては、第2実施形態において詳述した特定構造αを有する樹脂、第3実施形態において詳述したバインダー樹脂を1種又は2種以上含有することができる。その具体的態様は第2、第3実施形態において説述したとおりである。
(B)樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。このような態様とすることで、着色組成物の保存安定性、あるいはアルカリ現像性や基板への結着性がより一層高められ、また耐熱性と耐溶剤性を高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
−(C)重合性化合物−
本実施形態に係る(C)重合性化合物は、特性構造αを有すれば適宜の構造を採り得るが、特性構造αを2個以上有するものが好ましく、特性構造αを3個以上有するものがより好ましい。このような化合物としては、例えば、下記の化合物群βに列挙した化合物が挙げられる。
Figure 2017110150
本実施形態に係る(C)重合性化合物は、特性構造αとエチレン性不飽和基とを有するものであることも好ましい。
エチレン性不飽和基としては、例えば、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。
なお、特定構造αは、第1実施形態において説述したとおりである。
特性構造αとエチレン性不飽和基とを有する(C)重合性化合物は、例えば、特性構造α及び−COCl基を有する化合物並びにエチレン性不飽和基及び−COCl基を有する化合物の混合物と、脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物であることができる。特性構造α及び−COCl基を有する化合物は、例えば、金属マグネシウムと特性構造α及びハロ基を有する化合物との反応物である、特性構造α及び−MgBr基を有する化合物(グリニャール試薬)を炭酸ガスで処理し、精製した後に塩化チオニルで処理することにより合成することができる。ここで、前記特性構造α及びハロ基を有する化合物としては3−ブロモベンゾシクロブテン、4−ブロモベンゾシクロブテン等を挙げることができる。また、前記エチレン性不飽和基及び−COCl基を有する化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸クロリド等を挙げることができる。脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、前述と同様のものを挙げることができる。
本実施形態においては、(C)重合性化合物を1種又は2種以上含有することが可能であり、第2実施形態において詳述した重合性化合物を1種又は2種以上含有することもできる。
(C)重合性化合物の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、20〜800質量部がより好ましく、100〜500質量部が更に好ましい。このような態様とすることで、架橋密度がより一層高められ、耐熱性と耐溶剤性をより高水準で両立できるだけでなく、耐移染性にも優れる着色硬化膜を形成することができる。
本実施形態の着色組成物は、第2実施形態において詳述した光重合開始剤、溶媒、添加剤を含有することができる。なお、光重合開始剤、溶媒及び添加剤の具体的態様は、第2実施形態において説述したとおりである。
着色硬化膜及びその形成方法
本発明の着色硬化膜は、本発明の着色組成物を用いて形成されたものであり、具体的には、表示素子や固体撮像素子に用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー、赤外線カットフィルタ等を意味する。
以下、表示素子や固体撮像素子を構成するカラーフィルタに用いられる着色硬化膜及びその形成方法について説明する。
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、青色の本発明の感放射線性着色組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、青色の画素パターン(着色硬化膜)が所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
次いで、緑色又は赤色の各感放射線性着色組成物を用い、上記と同様にして、各感放射線性着色組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び赤色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、青色、緑色及び赤色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
ブラックマトリックスは、スパッタや蒸着により成膜したクロム等の金属薄膜を、フォトリソグラフィー法を利用して所望のパターンとすることにより形成することができるが、黒色の着色剤が分散された感放射線性着色組成物を用いて、上記画素の形成の場合と同様にして形成することもできる。
基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
着色組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法(スリット塗布法)、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
プレベークは、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8μm、好ましくは1.2〜5μmである。
画素及びブラックマトリックスから選ばれる少なくとも1種を形成する際に使用される放射線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができる。露光光源として、紫外線LEDを使用することもできる。波長は、190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
また、アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
ポストベークの条件は、通常180〜280℃で10〜60分程度である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5μm、好ましくは1.0〜3μmである。
また、カラーフィルタを製造する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法を採用することができる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、形成された隔壁内に、例えば、青色の熱硬化性着色組成物の液状組成物を、インクジェット装置により吐出したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。次いで、この塗膜を必要に応じて露光したのち、ポストベークすることにより硬化させ、青色の画素パターンを形成する。
次いで、緑色又は赤色の各熱硬化性着色組成物を用い、上記と同様にして、緑色の画素パターン及び赤色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、青色、緑色及び赤色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
なお、隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の熱硬化性着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。スペーサーは、通常、感放射線性組成物を用いて形成されるが、遮光性を有するスペーサー(ブラックスペーサー)とすることもできる。この場合、黒色の着色剤が分散された感放射線性着色組成物が用いられるが、本発明の硬化性組成物は、かかるブラックスペーサーの形成にも好適に使用することができる。
本発明の着色組成物は、上記カラーフィルタに用いられる各色画素、ブラックマトリックス、ブラックスペーサー等のいずれの着色硬化膜の形成においても、好適に用いることができる。
このようにして形成された本発明の着色硬化膜を有するカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。なお、後述する表示素子は、本発明の硬化性組成物を用いて形成された着色硬化膜を少なくとも1以上具備するものであればよい。
表示素子
本発明の表示素子は、本発明の着色硬化膜を具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子は、透過型でも反射型でもよく、適宜の構造を採ることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることができる。また、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極あるいはIZO(酸価インジュウムと酸化亜鉛との混合物)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造を採ることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。なお、後者の構造を採用する場合、ブラックマトリックスやブラックスペーサーは、カラーフィルタを形成した基板側、並びにITO電極あるいはIZO電極を形成した基板側のどちらに形成されていても良い。
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子は、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LEDを光源とするバックライトユニットを具備することができる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと橙色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
本発明の着色硬化膜を具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
また、本発明の着色硬化膜を具備する有機EL表示素子は、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
また、本発明の着色硬化膜を具備する電子ペーパーは、適宜の構造をとることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
固体撮像素子
本発明の固体撮像素子は、本発明の着色硬化膜を具備するものである。また、本発明の固体撮像素子は適宜の構造を採ることができる。例えば、1つの実施の形態として、本発明の着色組成物を用いて、CMOS基板などの半導体基板上に、前述と同様の操作により着色画素(着色硬化膜)を形成することにより、特に色分離性に優れた固体撮像素子を作製することができる。また、別の実施の形態として、本発明の着色組成物を用いて、CMOS基板などの半導体基板上に、前述と同様の操作により赤外線カットフィルタを形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
以下の「(B)樹脂の合成」に使用する原料の略称は、次のとおりである。
・THF :テトラヒドロフラン
・PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・AIBN :2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
・vBCB :4−ビニルベンゾシクロブテン
・MA :メタクリル酸
・ST :スチレン
・MMA :メチルメタクリレート
・HEMA :ヒドロキシエチルメタクリレート
・BzMA :ベンジルメタクリレート
・nBMA :ノルマルブチルメタクリレート
・DAMA :ジメチルアミノエチルメタクリレート
・CHMA :シクロヘキシルメタクリレート
・OXMA :3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン
・THFMA:テトラヒドロフルフリルメタクリレート
・GMA :グリシジルメタクリレート
・EHMA :2−エチルヘキシルメタクリレート
・PME−200:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名PME−200、n≒4)
<Mw及びMw/Mnの測定>
以下の各合成例で得た(B)共重合体について、下記仕様のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)によりポリスチレン換算のMw及びMnを測定した。
・装置 :GPC−104(昭和電工株式会社製)
・カラム:KD−G、KF−603、KF−602、KF−601を結合して用いた。
・移動相:DMF
<(B)樹脂の合成>
(1)分散剤の合成
合成例1
300mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下、vBCB25g、MMA25g、AIBN100mg、2−シアノプロパン−2−イルN−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート500mg、及びアセトニトリル20mLを仕込んだ。これを「シュレンク管A」と呼ぶ。シュレンク管Aの内容物を室温で10分間撹拌後、3回凍結脱気した。溶液を室温に戻して10分間撹拌し、その後80℃で反応を行った。25時間後、反応溶液をTHF(50mL)に溶解させたのち、メタノール(2L)で再沈殿を行った。得られた生成物を乾燥させ、白色粉体38gを得た。
次いで、25mlのシュレンク管に、窒素雰囲気下、前記白色粉体5gとDAMA5gを仕込んだ。これを「シュレンク管B」と呼ぶ。シュレンク管Bの内容物を室温で10分間撹拌後、3回凍結脱気した。溶液を室温に戻して10分間撹拌し、その後80℃で反応を行った。25時間後、反応溶液をTHF(10mL)に溶解させたのち、メタノール(2L)で再沈殿を行った。得られた生成物を乾燥させ、白色固体8.4gを得た。この白色固体を40質量%濃度のPGMEA溶液に調製した。このようにして、vBCB及びMMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、DAMA由来の繰り返し単位を有するBブロックとからなるブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を「共重合体(B−1)」とする。
合成例2〜9
合成例1において、単量体の種類及び量を表1のように変更した以外は合成例1と同様にして、ブロック共重合体を得た。合成例2〜6で得られたブロック共重合体を、それぞれ「共重合体(B−3)」〜「共重合体(B−6)」とし、合成例7〜9で得られたブロック共重合体を、それぞれ「共重合体(b−1)」〜「共重合体(b−3)」とする。但し、表1の数値は、シュレンク管Aに仕込んだ各単量体及びシュレンク管Bに仕込んだDAMAの合計質量を100質量%とした場合の、各単量体の含有割合(質量%)である。
Figure 2017110150
(2)バインダー樹脂の合成
合成例10
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、BzMA30g、nBMA20g、HEMA15g、vBCB20g及びMA15gをPGMEA200gに溶解し、さらにAIBN3.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、バインダー樹脂(B−7)を33質量%含む溶液を得た。
合成例11〜15
合成例10において、単量体の種類及び量を表2のように変更した以外は合成例10と同様にして、バインダー樹脂を合成した。合成例11〜15で得られたバインダー樹脂を、それぞれ「バインダー樹脂(B−8)」〜「バインダー樹脂(B−12)」とする。
合成例16
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、BzMA30g、nBMA20g、HEMA15g、ST20g、MA15g及びPGMEA200gを加え、さらにAIBN3.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合することにより、バインダー樹脂(b−4)を33質量%含む溶液を得た。このバインダー樹脂(b−4)は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000、重量平均分子量と数平均分子量との比が2.5であった。
合成例17〜19
合成例16において、単量体の種類及び量を表2のように変更した以外は合成例16と同様にして、バインダー樹脂を合成した。合成例17〜19で得られたバインダー樹脂を、それぞれ「バインダー樹脂(b−5)」〜「バインダー樹脂(b−7)」とする。
合成例20
合成例19で得られたバインダー樹脂(b−7)に対して、GMA122.3g(0.9モル、メタクリル酸の66.7質量%)、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びハイドロキノン0.145gを混合した溶液を投入し、120℃で6時間反応を行った。得られた樹脂をバインダー樹脂(b−8)とする。
バインダー樹脂(b−8)の繰り返し単位は、BzMA由来の繰り返し単位が70質量%、MA由来の繰り返し単位が10質量%、MAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位が20質量%である。表2中「MA/GMA」は、MAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位を意味する。
合成例21
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、BzMA40g、MA60g及びPGMEA200gを加え、さらにAIBN3.0g及びα−メチルスチレンダイマー5.0gを投入し、その後15分間窒素パージした。窒素パージの後、反応液を攪拌及び窒素バブリングしながら80℃に加熱し、5時間重合した。フラスコ内を空気雰囲気に変更した後、GMA122.3g(0.9モル、メタクリル酸の83.3質量%)、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びハイドロキノン0.145gを混合した溶液を投入し、120℃で6時間反応を行った。得られた樹脂をバインダー樹脂(b−9)とする。
バインダー樹脂(b−9)の繰り返し単位は、BzMA由来の繰り返し単位が40質量%、MA由来の繰り返し単位が10質量%、MAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位が50質量%である。
Figure 2017110150
<染料の合成>
合成例22
特開2012−73291号公報の比較例1に記載の方法に従って、下記式で表される化合物を得た。得られた化合物15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「BLUEDYE−1溶液」とする。)を得た。
Figure 2017110150
合成例23
特開2015−145440号公報の〔化113〕に記載の色素化合物(a−2)を用いて、次の方法で色素多量体P−1を合成した。
Figure 2017110150
色素化合物(a−2)2.0g、MA2.0g、vBCB1.0g、EHMA5.0g、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート0.5gをシクロヘキサノン20.0gに溶解させ、窒素気流下80℃に加熱した。ここに2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)0.1gを添加し2時間加熱撹拌した。さらに0.1gの2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)を添加し2時間加熱後、90℃で2時間加熱した後、冷却することにより、色素多量体P−1を含む溶液(P1)を得た。
上記色素多量体P−1を含む溶液(P1)を、メタノール/水=1/1(体積比)の混合液に滴下して、固体を析出させた。これをろ過、乾燥することで色素多量体P−1を単離した。色素多量体P−1は、色素化合物(a−2)、MA、vBCB及びEHMAの各繰り返し単位を有する共重合体である。
得られた色素多量体P−1 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「BLUEDYE−2溶液」とする。)を得た。
合成例24
まず合成例23と同様にして、色素多量体P−1を含む溶液(P1)を得た。次にこの溶液(P1)を90℃に加熱し、GMA1.0g及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.010gを添加し、100℃に昇温して10時間加熱した。メタノール/水=1/1(体積比)の混合液に反応液を滴下して固体を析出させた。これをろ過、乾燥することで色素多量体P−2を得た。色素多量体P−2は、色素化合物(a−2)、MA、vBCB、及びEHMAの各繰り返し単位、並びにMAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位を有する共重合体である。
得られた色素多量体P−2 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「BLUEDYE−3溶液」とする。)を得た。
合成例25
色素化合物(a−2)2.0g、MA2.0g、vBCB2.0g、EHMA4.0g、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート0.5gをシクロヘキサノン20.0gに溶解させ、窒素気流下80℃に加熱した。ここに2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)0.1gを添加し2時間加熱撹拌した。この反応液に0.1gの2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)を添加し2時間加熱し、更に90℃で2時間加熱した後、冷却することにより、色素多量体を含む溶液(P2)を得た。
次に、GMA1.0g及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.010gを溶液(P2)に添加し、100℃に昇温して10時間加熱した。
導入するガスを窒素から窒素/酸素混合ガス(酸素7%)に切り替えた後、無水コハク酸を4.0g添加し、100℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、メタノール/水=1/1(体積比)の混合液に反応液を滴下して固体を析出させた。これをろ過、乾燥することで色素多量体P−3を得た。色素多量体P−3は、色素化合物(a−2)、MA、vBCB及びEHMAの各繰り返し単位、並びにMAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位を有している共重合体である。
得られた色素多量体P−3 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「BLUEDYE−4溶液」とする。)を得た。
合成例26
特快2012−194521号公報の段落〔0143〕に記載の方法に従って、C.I.アシッド レッド289とジC14−18アルキルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:アーカード2HT−75,ライオンアクゾ社製,カチオン部分の分子量が438〜550)とからなるキサンテン系染料(REDDYE−1)を作製した。
得られた染料(REDDYE−1)15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「REDDYE−1溶液」とする。)を得た。
合成例27
特開2015−145442号公報の段落〔0288〕〜〔0293〕に記載の方法に従って、下記式で表される色素化合物A−1を合成した。
Figure 2017110150
三口フラスコにシクロヘキサノン24gを添加し、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。この溶液に色素化合物A−1 3.5g、MA1.5g、vBCB1.0g、EHMA4.0g、ドデシルメルカプタン1.9g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル)4.3g、シクロヘキサノン70gの混合溶液を1時間かけて滴下した。その後90℃で3時間攪拌した。その後、室温まで冷却して、色素多量体P−4を含む溶液(P4)を得た。
上記色素多量体P−4を含む溶液(P4)を、酢酸エチル/アセトニトリル=9/1(体積比)の混合溶媒に滴下して再沈した。析出した固体をろ過し、40℃で送風乾燥を1日行うことにより、色素多量体P−4を単離した。色素多量体P−4は、色素化合物A−1、MA、vBCB及びEHMAの各繰り返し単位を有する共重合体である。
得られた色素多量体P−4 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「REDDYE−2溶液」とする。)を得た。
合成例28
合成例27で得られた色素多量体P−4(12.5g)、GMA(1.5g)、テトラエチルアンモニウムブロミド(0.5g)、p−メトキシフェノール(0.015g)、シクロヘキサノン(83.3g)を添加し、空気下105℃で4時間攪拌した。その後、室温まで放冷し、酢酸エチル/アセトニトリル=19/1(体積比)の混合溶媒に滴下して再沈した。析出した固体をろ過し、40℃で送風乾燥を1日行うことにより、色素多量体P−5を得た。色素多量体P−5は、色素化合物A−1、MA、vBCB及びEHMA各繰り返し単位、並びにMAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位を有する共重合体である。
得られた色素多量体P−5 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「REDDYE−3溶液」とする。)を得た。
合成例29
三口フラスコにシクロヘキサノン24gを添加し、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。この溶液に色素化合物A−1 3.5g、MA1.5g、vBCB2.0g、EHMA3.0g、ドデシルメルカプタン1.9g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル)4.3g、シクロヘキサノン70gの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃で3時間攪拌し、室温まで冷却した後、酢酸エチル/アセトニトリル=9/1(体積比)の混合溶媒に滴下して再沈した。析出した固体をろ過し、40℃で送風乾燥を1日行った。
得られた固体(12.5g)、GMA(1.5g)、テトラエチルアンモニウムブロミド(0.5g)、p−メトキシフェノール(0.015g)、シクロヘキサノン(83.3g)を混合し、空気下105℃で4時間攪拌した。導入するガスを空気から窒素/酸素混合ガス(酸素7%)に切り替えた後、無水コハク酸を4.0g添加し、100℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル/アセトニトリル=9/1(体積比)の混合液に反応液を滴下して固体を析出させた。これをろ過、乾燥することで色素多量体P−6を得た。色素多量体P−6は、色素化合物A−1、MA、vBCB及びEHMAの各繰り返し単位、並びにMAのカルボキシル基にGMAのグリシジル基が付加した繰り返し単位を有している共重合体である。
得られた色素多量体P−6 15質量部と、シクロヘキサノン85質量部とを混合し、染料溶液(「REDDYE−4溶液」とする。)を得た。
<青色着色組成物用顔料分散液の調製>
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6を15質量部、分散剤として(B)樹脂である共重合体(B−1)溶液を12.5質量部(固形分濃度40質量%)、溶媒としてPGMEA72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
調製例2〜31
調製例1において、分散剤として表3に示す共重合体溶液を用いたこと以外は調製例1と同様にして、顔料分散液(A−2)〜(A−16)及び顔料分散液(a−1)〜(a−15)を調製した。
Figure 2017110150
<青色着色組成物の調製>
実施例1
着色剤として顔料分散液(A−1)13.5質量部及び染料溶液(BLUEDYE−1溶液)7.2質量部、(B)樹脂としてバインダー樹脂(B−9)溶液9.9質量部、(C)重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPHA)を15.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を1.8質量部及びNCI−930(株式会社ADEKA社製)0.1質量部、フッ素系界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)0.2質量部、及び溶媒としてPGMEAを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(BLUE−1)を調製した。
耐溶剤性の評価
青色着色組成物(BLUE−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上にドットパターンを形成した。その後、上記基板を、80℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに40分浸漬した。
浸漬前後で色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)をそれぞれ測定し、浸漬前後での色変化、即ちΔE*abを評価した。その結果、ΔE*abの値が2.0未満の場合を「1」、2.0以上3.0未満の場合を「2」、3.0以上4.0未満の場合を「3」、4.0以上5.0未満の場合を「4」、5.0以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表4に示す。なお、ΔE*ab値が小さい程、耐溶剤性が良好であると言える。
耐熱性の評価
青色着色組成物(BLUE−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に200℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上にドットパターンを形成した。
得られたドットパターンについて、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。
次いで、上記基板を230℃で90分間追加ベークをした後に、色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定し、追加ベーク前後での色変化、即ちΔE*abを評価した。その結果、ΔE*abの値が2.0未満の場合を「1」、2.0以上3.0未満の場合を「2」、3.0以上4.0未満の場合を「3」、4.0以上5.0未満の場合を「4」、5.0以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表4に示す。なお、ΔE*ab値が小さい程、耐熱性が良好であると言える。
移染性の評価
上述の方法により調製した青色着色組成物(Blue−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.4μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/mの露光量で全面露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上に青色硬化膜(BLUE−1)を形成した。
後掲の方法により調製した透明保護膜用組成物(OC−1)を、青色硬化膜(BLUE−1)上にスピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。青色硬化膜(Blue−1)上に透明保護膜用組成物(OC−1)を塗布してから、90℃のホットプレートで2分間プレベークするまでの工程を(工程−1)とする。
(工程−1)前後で青色硬化膜(BLUE−1)の刺激値(Y)をそれぞれ測定し、(工程−1)前後の刺激値変化、即ちΔYを評価した。その結果、ΔYの値が0.2未満の場合を「1」、0.2以上0.3未満の場合を「2」、0.3以上0.4未満の場合を「3」、0.4以上0.5未満の場合を「4」、0.5以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表4に示す。なお、ΔY値が小さい程、移染性が抑制されていると言える。
移染性の評価に用いた透明保護膜用組成物(OC−1)の調製方法は次の通りである。
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル1質量部、合成直後のビス(n−オクチルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィド4質量部及びPGMEA200質量部を仕込んだ。引き続きGMA70質量部及びSt30質量部を仕込み、窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を95℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.8質量%であった。この共重合体は、Mw=11,000、Mw/Mn=1.4であった。
得られた共重合体を含む溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)に、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 商品名:エピコート828)20質量部、硬化剤として無水ヘキサヒドロフタル酸30質量部、感熱性酸発生剤としてベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート1重量部を加え固形分濃度が20質量%になるようにPGMEAを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して樹脂組成物を調製した。
保存安定性の評価
青色着色組成物(BLUE−1)の調製直後の粘度を、E型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。次に、青色着色組成物(BLUE−1)を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で23℃にて14日間静置した後、E型粘度計(東京計器製)を用いて再度粘度を測定した。そして、調製直後の粘度に対する14日間保存後の粘度の増加率を算出し、増加率が1%未満の場合を「1」、3%以上5%未満の場合を「3」、5%以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表4に示す。
実施例2〜19及び比較例1〜8
実施例1において、表4に示す顔料分散液及びバインダー樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、青色着色組成物を調製し、次いで実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
実施例2〜22
実施例1において、表4に示す染料溶液、顔料分散液及びバインダー樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして青色着色組成物(BLUE−2)〜(BLUE−22)を調製し、次いで実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
実施例23
着色剤として顔料分散液(a−15)13.5質量部及び染料溶液(BLUEDYE−1溶液)7.2質量部、バインダー樹脂(b−4)溶液9.9質量部、(C)重合性化合物として特開2003−287882号公報に記載されている、下記式(I−31)で表される化合物を6質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPHA)を12質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を2.0質量部及びNCI−930(株式会社ADEKA社製)0.3質量部、フッ素系界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)0.2質量部、及び溶媒としてPGMEAを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(BLUE−23)を調製した。次いで実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2017110150
Figure 2017110150
<赤色着色組成物用顔料分散液の調製>
調製例32
着色剤としてC.I.ピグメントレッド254を12.0質量部、分散剤として共重合体(B−1)溶液10質量部(固形分濃度40質量%)、溶媒としてPGMEA48.0質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(R−1)を調製した。
調製例33〜62
調製例32において、分散剤として表5に示す共重合体溶液を用いたこと以外は調製例32と同様にして、顔料分散液(R−2)〜(R−16)及び顔料分散液(r−1)〜(r−15)を調製した。
Figure 2017110150
<赤色着色組成物の調製>
実施例24
着色剤として顔料分散液(R−1)42.3質量部、及び染料溶液(REDDYE−1)10.0質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B−9)溶液11.0質量部、(C)重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPHA)を15.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を1.8質量部及びNCI−930(株式会社ADEKA社製)0.1質量部、フッ素系界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)0.2質量部、及び溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(RED−1)を調製した。
赤色着色組成物の耐溶剤性の評価
赤色着色組成物(RED−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上にドットパターンを形成した。その後、上記基板を、80℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに40分浸漬した。
浸漬前後で色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)をそれぞれ測定し、浸漬前後での色変化、即ちΔE*abを評価した。その結果、ΔE*abの値が2.0未満の場合を「1」、2.0以上3.0未満の場合を「2」、3.0以上4.0未満の場合を「3」、4.0以上5.0未満の場合を「4」、5.0以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表6に示す。なお、ΔE*ab値が小さい程、耐溶剤性が良好であると言える。
赤色着色組成物の耐熱性の評価
赤色着色組成物(RED−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に200℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上にドットパターンを形成した。
得られたドットパターンについて、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。
次いで、上記基板を230℃で90分間追加ベークをした後に、色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定し、追加ベーク前後での色変化、即ちΔE*abを評価した。その結果、ΔE*abの値が2.0未満の場合を「1」、2.0以上3.0未満の場合を「2」、3.0以上4.0未満の場合を「3」、4.0以上5.0未満の場合を「4」、5.0以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表6に示す。なお、ΔE*ab値が小さい程、耐熱性が良好であると言える。
赤色着色組成物の移染性の評価
上述の方法により調製した赤色着色組成物(RED−1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.4μmの塗膜を形成した。
次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/mの露光量で全面露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色硬化膜(RED−1)を形成した。
後掲の方法により調製した緑色着色組成物(GREEN−1)を、赤色硬化膜(RED−1)上にスピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した。赤色硬化膜(RED−1)上に緑色着色組成物(GREEN−1)を塗布してから、風乾するまでの工程を(工程−2)とする。
(工程−2)前後で赤色硬化膜(RED−1)の刺激値(Y)をそれぞれ測定し、(工程−2)前後の刺激値変化、即ちΔYを評価した。その結果、ΔYの値が0.2未満の場合を「1」、0.2以上0.3未満の場合を「2」、0.3以上0.4未満の場合を「3」、0.4以上0.7未満の場合を「4」、0.7以上の場合を「5」として評価した。評価結果を表6に示す。なお、ΔY値が小さい程、移染性が抑制されていると言える。
移染性の評価に用いた緑色着色組成物(GREEN−1)の調製方法は次の通りである。C.I.ピグメントグリーン36を11部含む顔料分散液45.0部、C.I.ピグメントイエロー150を11部含む顔料分散液15.0部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(b−4)溶液(固形分濃度33質量%)11.0質量部、重合性化合物として
トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)を4.2部、光重合開始剤としてチバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」を1.2部、増感剤として保土ヶ谷化学社製「EAB−F」を0.4部、フッ素系界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)0.05質量部、及び溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを23.2質量部混合して、緑色着色組成物(GREEN−1)を調製した。
実施例25〜45及び比較例9〜16
実施例24において、表6に示す顔料分散液及びバインダー樹脂を用いたこと以外は実施例24と同様にして、赤色着色組成物を調製(RED−2)〜(RED−22)を調製した。次いで、実施例24と同様にして評価を行った。結果を表6に示す。
実施例46
着色剤として顔料分散液(r−15)42.3質量部、及び染料溶液(REDDYE−1)10.0質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B−9)溶液11.0質量部、(C)重合性化合物として前記式(I−31)で表される化合物を6質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、商品名KAYARAD DPHA)を12質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を1.8質量部及びNCI−930(株式会社ADEKA社製)0.1質量部、フッ素系界面活性剤としてメガファックF−554(DIC株式会社製)0.2質量部、及び溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(RED−23)を調製した。次いで実施例24と同様にして評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2017110150

Claims (13)

  1. (A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
    (A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物のうちのいずれか1以上が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するものである、着色組成物。
  2. (A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
    (B)樹脂が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するものである、着色組成物。
  3. (B)樹脂が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するエチレン性不飽和単量体を繰り返し単位として有するものである、請求項2に記載の着色組成物。
  4. (A)着色剤及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
    (A)着色剤が、色素構造と、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造とを有するものである、着色組成物。
  5. (A)着色剤が、色素構造を有するエチレン性不飽和単量体と、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するエチレン性不飽和単量体とを含む共重合体である、請求項4に記載の着色組成物。
  6. (A)着色剤、(B)樹脂及び(C)重合性化合物を含有する着色組成物であって、
    (C)重合性化合物が、熱により炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造を有するものである、着色組成物。
  7. (A)着色剤の含有割合が、着色組成物の固形分中に5質量%を超えて70質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
  8. 炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造がo−キノジメタン構造である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物。
  9. 炭素−炭素結合が開裂してエチレン性不飽和結合を生成する構造が下記式(1)で表される構造である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物。
    Figure 2017110150

    〔式(1)において、
    環Zは、芳香環を示し、
    は、環Zの置換基を示し、
    は、脂環式4員環の置換基を示し、
    mは、0〜3の整数を示し、
    nは、0〜2の整数を示し、
    *は、結合手を示す。〕
  10. (A)着色剤として染料を含有する、請求項1〜3及び6〜9のいずれか1項に記載の着色組成物。
  11. カラーフィルタ用である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の着色組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成された着色硬化膜。
  13. 請求項12に記載の着色硬化膜を具備する表示素子。
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