JP2017110144A - 二酸化バナジウム含有粒子の製造方法 - Google Patents

二酸化バナジウム含有粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法は、バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、を有し、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化バナジウム含有粒子の製造方法に関し、より詳しくは、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法に関する。
二酸化バナジウム(VO)粒子は、温度変化によって光透過率や光反射率等の光学特性が可逆的に変化するサーモクロミック現象を示す材料として注目されている。
二酸化バナジウム粒子の結晶構造には、A相、B相、C相及びR相(いわゆる「ルチル型の結晶相」のことをいう。)など、いくつかの結晶相の多形が存在する。この中でも、前述のようなサーモクロミック現象を示す結晶構造は、R相に限られる。このR相は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M相とも呼ばれている。
このような二酸化バナジウム粒子において、実質的に優良なサーモクロミック性を発現させるためには、粒径がナノメートルオーダーであり、凝集がなく、狭い粒径分布であることが望ましい。
このような粒子を作製する技術として、水熱合成法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1には、水熱反応前の反応液のpHを9.0〜9.5の範囲内(バナジン酸アンモニウム(NHVO)濃度は、2.0質量%程度)とする条件下で水熱反応させて形成した二酸化バナジウム粒子について、当該粒子の平均粒径が50nmで、アスペクト比が1.6であることが記されている。
しかしながら、近年要求されているフィルムのヘイズ値を達成するためには、これに適用する粒子の平均粒径として50nmでは大きすぎるため、更なる小粒径化が必要である。
特開2011−178825号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、を有し、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を特定範囲内とすることにより、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.サーモクロミック性を有する二酸化バナジウム含有粒子の製造方法であって、
バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、
前記反応液を水熱反応させることにより、前記二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、
を有し、
前記反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
2.前記反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、10.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする第1項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
3.前記反応液中のバナジウム化合物の濃度が、5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
4.水熱反応後の前記二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径が、50nm未満であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
5.前記還元剤が、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、又はそれらの水和物であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
本発明の上記手段により、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法は、水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする。水熱反応後のpHを当該範囲内とすることにより、生成される二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を図ることができるというものである。
これは、水熱反応後のpH(25℃換算)が9.0〜11.0の範囲内であるとき、二酸化バナジウム含有粒子の核の発生が促進され、その反面、核の成長が抑制されるため、1次粒径を小さくすることができたと考えられる。
また、本発明の製造方法によれば、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化を可能とすることから、当該粒子をフィルムに適用した際には、ヘイズ値を低減させることができると同時に、サーモクロミック性の向上効果も得ることができる。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法は、バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、を有し、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、10.0〜11.0の範囲内とすることが好ましい。
また、反応液中のバナジウム化合物の濃度が5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、核の発生量を増加させ、小粒径化することができる。また、反応液中のバナジウム化合物の濃度が上記範囲内であれば、反応液を濃縮するための限外濾過や遠心分離などの工程が必要でなく、生産性を向上させることができる。
上記製造方法により作製された二酸化バナジウム含有粒子は、その平均粒径が50nm未満であり、これにより、当該二酸化バナジウム含有粒子を適用したフィルムのヘイズ値を低減することができる。
また、還元性の観点から、還元剤が、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、又はそれらの水和物であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《二酸化バナジウム含有粒子の製造方法》
本発明のサーモクロミック性を有する二酸化バナジウム含有粒子の製造方法は、バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、を有し、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする。
以下、本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法の各工程について説明する。
〈反応液準備工程〉
反応液準備工程では、原料となるバナジウム化合物、並びに還元剤及び水を含む反応液を準備する。
反応液中のバナジウム化合物の濃度は、5〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。反応液中のバナジウム化合物の濃度が5質量%以上であれば、反応液を濃縮するための限外濾過や遠心分離などの工程が必要でなく、生産性を向上させることができ、20質量%以下であれば、粒子が凝集するのを抑制し、また、核の発生量を増加させ、小粒径化することができる。ここで、「反応液中のバナジウム化合物の濃度」とは、後述するpH調整のために添加する塩基性溶液等も含めた、水熱反応直前の反応液全体に対するバナジウム化合物の濃度のことをいう。
〈水熱反応〉
上記準備した反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を合成する。バナジウム化合物を水熱反応下で還元することで、ルチル型の結晶構造(R相(M層))を有する二酸化バナジウム含有粒子を作製することができる。
本発明において、水熱反応とは、温度と圧力が水の臨界点(374℃、22MPa)よりも低く、100℃以上の熱水(亜臨界水)中において進行する化学反応を意味する。水熱反応は、例えば、オートクレーブ装置等の密閉容器内で実施される。このとき、過酸化水素を混合していてもよい。
水熱反応処理の条件(反応物の量、処理温度、処理圧力、処理時間)は、適宜設定されるが、水熱反応時の液温としては、例えば、200〜350℃の範囲内であることが好ましく、200〜300℃の範囲内であることがより好ましく、230〜300℃の範囲内であることが特に好ましい。液温が200℃以上であれば十分な反応速度が得られる。
また、水熱反応時間は、例えば、1時間〜7日である。時間を長くすることにより、得られる二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径等を制御することができ、7日以内であると、エネルギー消費量が多くなりすぎることを抑制できる。
また、水熱反応は、撹拌されながら行われることが、二酸化バナジウム含有粒子の粒径をより均一化できるため、好ましい。
水熱反応は、バッチ式又は連続式のいずれの方法で実施してもよい。
反応終了後、速やかに150℃以下まで冷却することが好ましい。より好ましくは、30分以内に150℃以下まで冷却する。
二酸化バナジウム含有粒子は、所定の溶媒(分散媒)中に分散させて、分散液としてもよい。分散媒としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
(限外濾過)
また、限外濾過を用いて溶媒の置換を行い、洗浄を行ってもよい。
限外濾過としては、例えば、Sartorius stedim社製、ビバフロー50(有効濾過面積50cm、分画分子量5000)を用いて、流速300mL/min、液圧1bar(0.1MPa)、常温(20〜30℃)で濾過を行うことができる。
〈水熱反応後のpH〉
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法は、上記のようにして水熱反応させた反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする。これにより、二酸化バナジウム含有粒子の小粒径化(平均粒径が50nm未満)を達成し、すなわち、サーモクロミック性に優れ、ヘイズ値を低減した光学フィルムを提供可能とするものである。水熱反応後のpHが9.0未満であると、二酸化バナジウム含有粒子を十分に小粒径化することができず、pHが11.0より大きいと溶解性が悪く、粒子が凝集してしまう。より好ましくは、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を10.0〜11.0の範囲内とする。
なお、本発明において、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定する。具体的には、粒子を1質量%の濃度となるように水と混合し、超音波で15分間分散してサンプルを作製し、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。
水熱反応後の反応液のpHを上記範囲内に調整する方法としては、例えば、水熱反応前の反応液に対し、アンモニア、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基性溶液を添加する方法や、緩衝液を添加する方法等が挙げられ、好ましくはハロゲンを含まないことが望ましい。
また、バナジウム化合物を含有する原料の一部として、塩基性を示すバナジウム塩を使用してもpH調整が可能であり、具体的には、アンモニウム塩等を用いることができ、好ましくはハロゲンを含まないことが望ましい。
本発明において、pH測定は、一般的なpHメーターによって測定できる。例えば、pH電極LE438(METTLER TOLEDO)を使用することができる。
具体的には、反応液のpHは、フタル酸塩pH標準液(pH:4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH:6.86)とをpH標準液として用い、pHメーターを2点校正した後、pHメーターの電極を反応液に入れて、反応液の水面が元々の2/3になるようにマグネチックスターラーを用いて撹拌した状態で、1分以上経過して安定した後の値を読み取ることで得られる。このとき、反応液とpH標準液との液温は25℃に調整する。
pH測定は、水熱反応後の反応液については、水熱反応後の粗熱がとれて室温(25℃)に戻ったときに行う。水熱反応後の反応液を分散液として保存する場合には、水熱反応後のpHが分散液のpHとなる。
《二酸化バナジウム含有粒子》
本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子は、少なくとも二酸化バナジウムを含んで構成され、これにより、サーモクロミック性を発現することができる。
二酸化バナジウム含有粒子が有するサーモクロミック性としては、温度変化によって光透過率や光反射率等の光学特性が可逆的に変化すれば特に限定されるものではない。例えば、25℃/50%RH及び85℃/50%RHにおける光透過率(二酸化バナジウム含有粒子を添加したフィルムの光透過率)の差(=25℃/50%RHにおける光透過率−85℃/50%RHにおける光透過率)が30%以上であることが好ましい。
二酸化バナジウム含有粒子を添加したフィルムの光透過率は、例えば、分光光度計V−670(日本分光株式会社製)を用いて、波長2000nmにおける光透過率として測定することができる。
二酸化バナジウム含有粒子を添加したフィルムの光透過率は、高いほど好ましいが、70%以上であることが好ましい。
本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径は、50nm未満である。
ここで、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定する。具体的には、粒子を1質量%の濃度となるように水と混合し、超音波で15分間分散してサンプルを作製し、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。
《バナジウム化合物》
本発明に係るバナジウム化合物としては、特に限定されないが、五酸化二バナジウム(V2O5)、バナジン酸アンモニウム又は三塩化酸化バナジウムであることが好ましい。
《還元剤》
本発明に係る還元剤としては、特に限定されないが、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、又はそれらの水和物であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《二酸化バナジウム含有粒子の作製》
〈サンプル101の作製〉
特許文献1の実施例3を参考にして、サンプル101を作製した。
具体的には、純水18mLにバナジン酸アンモニウム(V)(NHVO、和光純薬製、特級)を0.4g混合し、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を1.25mLゆっくり滴下し、pH(25℃換算)を9.2とした。このとき、NHVOの濃度は、2質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、100℃で8時間、続いて270℃で24時間の水熱反応を行い、二酸化バナジウム粒子の水分散液であるサンプル101を作製した。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、8.7であった。
〈サンプル102の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)2mLと純水22mLとを混合した水溶液に、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)0.55gを加え、30℃で4時間撹拌後、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を2.4mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を4質量%に希釈したものを0.40g加えて、pH(25℃換算)を5.5に調整した。このとき、Vの濃度は、2質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、9.0であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル102を作製した。
〈サンプル103の作製〉
サンプル102の作製において、アンモニア水の添加量を0.50gに変更した以外は同様にして、サンプル103を作製した。
〈サンプル104の作製〉
サンプル102の作製において、アンモニア水の添加量を0.55gに変更した以外は同様にして、サンプル104を作製した。
〈サンプル105の作製〉
サンプル102の作製において、アンモニア水の添加量を0.62gに変更した以外は同様にして、サンプル105を作製した。
〈サンプル106の作製〉
サンプル102の作製において、アンモニア水の添加量を0.70gに変更した以外は同様にして、サンプル106を作製した。
〈サンプル107の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)5mLと純水14mLとを混合した水溶液に、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)1.37gを加え、30℃で4時間撹拌後、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を6mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を4質量%に希釈したものを1.37g加えて、pH(25℃換算)を6.0に調整した。このとき、Vの濃度は、5質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.2であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル107を作製した。
〈サンプル108の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)18mLに、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)5.5gを加え、30℃で4時間撹拌後、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の7.5mol/L水溶液を4mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を0.73g加えて、pH(25℃換算)を6.1に調整した。このとき、Vの濃度は、20質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.2であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル108を作製した。
〈サンプル109の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)16mLに、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)6.05gを加え、30℃で4時間撹拌後、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の7.5mol/L水溶液を4.4mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を0.8g加えて、pH(25℃換算)を6.1に調整した。このとき、Vの濃度は、22質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.2であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル109を作製した。
〈サンプル110の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)2mLと純水5mLとを混合した水溶液に、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)0.55gを加え、30℃で4時間撹拌後、ギ酸(HCOOH、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を3.0mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を4質量%に希釈したものを0.55g加えて、pH(25℃換算)を6.1に調整した。このとき、Vの濃度は、5質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.2であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル110を作製した。
〈サンプル111の作製〉
35質量%の過酸化水素水(和光純薬社製)2mLと純水5mLとを混合した水溶液に、五酸化二バナジウム(V)(V、特級、和光純薬)0.55gを加え、30℃で4時間撹拌後、シュウ酸二水和物(H・2HO、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を3.0mLゆっくり滴下し、1時間撹拌を行った。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を4質量%に希釈したものを0.55g加えて、pH(25℃換算)を6.0に調整した。このとき、Vの濃度は、5質量%である。
調製した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、270℃・48時間の水熱反応を行った。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.2であった。
反応後、得られた生成物について限外濾過を用いて洗浄を行い、二酸化バナジウム含有粒子の水分散液であるサンプル111を作製した。
〈サンプル112の作製〉
純水16mLにバナジン酸アンモニウム(V)(NHVO、和光純薬製、特級)を1.0g混合し、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬社製、特級)の1.25mol/L水溶液を3.12mLゆっくり滴下し、pH(25℃換算)を9.2とした。
この後、アンモニア水(和光純薬、30質量%水溶液)を4質量%に希釈したものを0.2g加えて、pH(25℃換算)を10.5に調整した。このとき、NHVOの濃度は、5質量%である。
調整した反応液を、高圧用反応分解容器 静置型HU 50mlセット(耐圧ステンレス製外筒、PTFE製試料容器 HUTc−50:三愛科学社製)に入れて、100℃で8時間、続いて270℃で24時間の水熱反応を行い、二酸化バナジウム粒子の水分散液であるサンプル112を作製した。反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)は、10.3であった。
《評価》
上記のようにして作製した各サンプルについて、以下の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
〈粒径分布(平均粒径)の測定〉
作製した各サンプルについて、レーザー回折式粒度分布計を用いて、二酸化バナジウム含有粒子の粒径分布(平均粒径)を測定した。
具体的には、二酸化バナジウム含有粒子を1質量%の濃度となるように純粋を加え、超音波で15分間分散してサンプルを作製し、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。
〈サーモクロミック性の評価〉
作製した各サンプルについて、二酸化バナジウム含有粒子の濃度が5質量%となるように純粋を加え、分散液を調製した。分散液20gを90gの10質量%ポリビニルアルコールと混合し、塗布液を調製した。
この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm)上に、乾燥後膜厚が5μmとなるようにワイヤーバーで塗布し、60℃で24時間乾燥して測定用フィルムとした。なお、上記塗布液を塗布・乾燥して形成される層中の二酸化バナジウム含有粒子の含有量は、当該層の固形分に対して10質量%となるように調整した。
作製した各測定用フィルムを用いて、25℃・50%RH及び85℃・50%RHの各条件における波長2000nmでのそれぞれの光透過率(%)を測定した後、光透過率差ΔT(%)(=25℃・50%RHにおける光透過率−85℃・50%RHにおける光透過率)を算出し、下記評価基準に従って評価した。光透過率の測定は、分光光度計V−670(日本分光(株)製)に温調ユニット(日本分光(株)製)を取り付けて行った。
◎:35.0%以上
○:20.0%以上35.0%未満
×:20.0%未満
〈ヘイズ値の測定〉
上記と同様にして作製した各測定用フィルムを用いて、日本電色工業株式会社製 ヘーズメーター NDH7000を用いてヘイズ値(%)の測定を行い、下記評価基準に従って評価した。ヘイズ値は、小さいほど透明フィルムとして良好であることを示す。
◎:3%未満
○:3%以上5%未満
×:5%以上
Figure 2017110144
〈まとめ〉
表1から明らかなように、本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法により製造されたサンプルは、比較例のサンプルと比較して、平均粒径、サーモクロミック性及びヘイズ値の点において優れていることがわかる。なお、水熱反応後のpH(25℃換算)が11.0より大きいサンプル106では、粒子が凝集し、平均粒径等を測定することはできなかった。
以上から、バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、反応液を水熱反応させることにより、二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、を有し、反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を9.0〜11.0の範囲内とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法が、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径を小粒径化することに有用であることが確認できた。

Claims (5)

  1. サーモクロミック性を有する二酸化バナジウム含有粒子の製造方法であって、
    バナジウム化合物、還元剤及び水を含む反応液を準備する工程と、
    前記反応液を水熱反応させることにより、前記二酸化バナジウム含有粒子を形成する工程と、
    を有し、
    前記反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、9.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
  2. 前記反応液の水熱反応後のpH(25℃換算)を、10.0〜11.0の範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
  3. 前記反応液中のバナジウム化合物の濃度が、5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
  4. 水熱反応後の前記二酸化バナジウム含有粒子の平均粒径が、50nm未満であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
  5. 前記還元剤が、シュウ酸、ギ酸、ヒドラジン、又はそれらの水和物であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
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