JP2009078936A - 金平糖状複合シリカゾルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリカ微粒子表面に複数の疣状突起を有する金平糖状シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルの製造方法を提供する。
【解決手段】 シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属酸化物(シリカを除く)の前駆体を、0.001≦m/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、mは前記金属酸化物前駆体中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、連続的または断続的に添加する。
【選択図】 なし
【解決手段】 シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属酸化物(シリカを除く)の前駆体を、0.001≦m/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、mは前記金属酸化物前駆体中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、連続的または断続的に添加する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、核となる粒子の表面に複数の疣状突起を有してなる金平糖状のシリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルの製造方法に関するものである。
シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾルのうち、シリカ微粒子が球状以外の形状からなるシリカゾルとしては、鎖状、数珠状または長球状のものが知られている。この様なシリカゾルは、例えば、各種研磨剤として使用されている。
シリカ系微粒子の表面に突起状構造を有する例として、特開平3−257010号公報(特許文献1)には、シリカ粒子表面に電子顕微鏡で観察して、0.2〜5μmのサイズの連続的な凹凸状の突起を有し、平均粒子径が5〜100μm、BET法比表面積が20m2/g以下、且つ、細孔容積が、0.1mL/g以下であるシリカ粒子に関する記載がある。また、その用途としては、充填材としての利用が示唆されている。
シリカ系微粒子の表面に突起状構造を有する例として、特開平3−257010号公報(特許文献1)には、シリカ粒子表面に電子顕微鏡で観察して、0.2〜5μmのサイズの連続的な凹凸状の突起を有し、平均粒子径が5〜100μm、BET法比表面積が20m2/g以下、且つ、細孔容積が、0.1mL/g以下であるシリカ粒子に関する記載がある。また、その用途としては、充填材としての利用が示唆されている。
特開2002−38049号公報(特許文献2)には、母体粒子全面に、実質上球状および/または半球状の突起物を有するシリカ系微粒子であって、該突起物が化学結合により母体粒子に結着していることを特徴とするシリカ系微粒子について記載がある。更に、(A)特定のアルコキシシラン化合物を加水分解、縮合させてポリオルガノシロキサン粒子を生成させる工程、(B)該ポリオルガノシロキサン粒子を、表面吸着剤により表面処理する工程、および(C)上記(B)工程で表面処理されたポリオルガノシロキサン粒子全面に、該アルコキシシラン化合物を用いて突起を形成させる工程、を含むシリカ系微粒子の製造方法について記載がある。このシリカ系微粒子については、充填材または導電性微粒子としての用途が示唆されている。
特開2002−338232号(特許文献3)には、コロイダルシリカのシリカ粒子の電子線による透過投影像より求めた幾何学的平均粒子径(X1)と、シリカ粒子の表面積より算出した相当粒子径(X2)との比Y(X1/X2)が1.3から2.5の範囲であり、かつその幾何学的平均粒子径が20〜200nmの範囲であることを特徴とする二次凝集コロイダルシリカに関する発明が開示されており、その用途については、シリコンウエハなどの研磨加工等が挙げられている。
また、特開2004−35293号公報(特許文献4)には、母体粒子全面に、実質上球状および/または半球状の突起物を有するシリカ系粒子であって、該突起物が化学結合により母体粒子に結着しており、かつ母体粒子と突起物における10%圧縮時の圧縮弾性率が、それぞれ異なることを特徴とするシリカ系粒子が開示されている。
しかしながら、特開平3−257010号公報(特許文献1)に記載の粒子は平均粒子径が5〜100μmのシリカのみからなる粒子であり、その粒子径分布についても制御されたものではなかった。特開2002−38049号公報(特許文献2)で開示されるシリカ系粒子については、その組成は実質的にシリカのみからなるものであり、その平均粒子径が実質的には0.5〜30μmのみが開示されたものである。このシリカ粒子についても粒子径分布については、制御されたものではない。特開2004−35293号公報(特許文献4)においても、特開2002−38049号公報(特許文献2)の場合と同様なシリカ粒子が開示されている。
特開2002−338232号(特許文献3)に記載の粒子については、表面が凹凸状のシリカ微粒子であって、研磨材用途などへの適用が示唆されたものであるが、粒子を構成する成分は実質的にシリカのみからなるものであった。
特開平3−257010号公報
特開2002−38049号公報
特開2002−338232号公報
特開2004−35293号公報
本発明は、シリカ微粒子表面に複数の疣状突起を有する金平糖状シリカ微粒子であって、該疣状突起がシリカ以外の金属酸化物からなる金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルの製造方法を提供することを課題としている。
本発明の金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法は、シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属酸化物(シリカを除く)の前駆体を、0.001≦m/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、mは前記金属酸化物前駆体中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、連続的または断続的に添加することを特徴とするものである。
前記金属酸化物前駆体とともに、珪酸液を0≦c/m≦1(但し、mは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数)を満たす添加量にて添加することが好ましい。
前記金属酸化物前駆体が、金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩から選ばれるものであることが好ましい。
前記金属酸化物前駆体が、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタニウムまたは酸化タングステンから選ばれる金属酸化物の前駆体であることが好ましい。
前記金属酸化物前駆体が、金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩から選ばれるものであることが好ましい。
前記金属酸化物前駆体が、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタニウムまたは酸化タングステンから選ばれる金属酸化物の前駆体であることが好ましい。
本発明の金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法、シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属過酸化物を、0.001≦n/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、nは金属過酸化物に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、一時に一括して全量添加することを特徴とするものである。
前記金属過酸化物とともに、珪酸液を0≦c/n≦1(但し、nは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数)を満たす添加量にて、添加することが好ましい。
前記金属過酸化物が、ペルオキソチタン酸、過酸化ジルコニウム、過酸化セリウムまたは過酸化タングステンから選ばれるものであることが好ましい。
前記金属過酸化物が、ペルオキソチタン酸、過酸化ジルコニウム、過酸化セリウムまたは過酸化タングステンから選ばれるものであることが好ましい。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの製造方法により、金属酸化物前駆体または金属過酸化物を使用することにより、シリカ微粒子の表面にシリカ以外の金属酸化物を含む疣状突起を有する金平糖状シリカ系微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルを調製することが可能となった。この金平糖状複合シリカゾルの製造方法によれば、例えば、シリカに比べて、原料価格の高い金属あるいはシリカより硬質な金属を有効に利用して金平糖状複合シリカゾルを調製することが可能である。
[金平糖状複合シリカゾル]
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルは、球状シリカ微粒子の表面にシリカ以外の金属酸化物を含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、BET法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなるものである。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルは、球状シリカ微粒子の表面にシリカ以外の金属酸化物を含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、BET法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなるものである。
[表面粗度]
前記金平糖状複合シリカ微粒子は、その表面に複数の疣状突起を有する球状の微粒子であり、その構造は概ね金平糖に類似したものである。この様な複数の疣状突起を有する表面については表面粗度によりその範囲が規定される。
本発明において表面粗度とは、BET法により測定される比表面積[単位質量当りの表面積]の値を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算された比表面積の値を(SA2)としたとき、表面粗度=(SA1)/(SA2)として定義される。
前記金平糖状複合シリカ微粒子は、その表面に複数の疣状突起を有する球状の微粒子であり、その構造は概ね金平糖に類似したものである。この様な複数の疣状突起を有する表面については表面粗度によりその範囲が規定される。
本発明において表面粗度とは、BET法により測定される比表面積[単位質量当りの表面積]の値を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算された比表面積の値を(SA2)としたとき、表面粗度=(SA1)/(SA2)として定義される。
ここで、BET法により測定される比表面積(SA1)は、測定対象粒子に液体窒素温度にて、窒素を平衡吸着させ、次に昇温させて吸着した窒素の量を検出するものであり、試料の実際の表面積を反映したものと言える。なお、BET法に代えて、後記するシアーズ法により測定された比表面積を(SA1)として使用しても差し支えない。
また、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算された比表面積(SA2)については、走査型電子顕微鏡により、試料シリカゾルを写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径(DL)を測定したときの平均値を平均粒子径(D2)とし、次に試料シリカゾルに分散するシリカ微粒子を理想的な球状粒子と仮定して、次式(1)より比表面積(SA2)が算定される。
SA2=6000/(D2×ρ) ・・・ (1)
ただし、式(1)において、ρは試料粒子の密度を表し、シリカでは2.2となる。
SA2=6000/(D2×ρ) ・・・ (1)
ただし、式(1)において、ρは試料粒子の密度を表し、シリカでは2.2となる。
なお、本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子はシリカとシリカ以外の金属酸化物との複合微粒子であるが、シリカとシリカ以外の金属酸化物の質量比率において、シリカが大幅に多いため、前記試料密度としてシリカの密度のみを使用しても差し支えない。また、本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子は疣状突起を有するものであり、多孔質構造をとるものではない。このため本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子の密度範囲は、シリカの密度である2.2に極めて近いものとなる。
ここで比表面積は単位質量当りの表面積を示すから、表面粗度(SA1)/(SA2)の値については、粒子が球状であって、粒子表面が多くの疣状突起を有する程、(SA1)/(SA2)の値は大きくなり、粒子表面の疣状突起が少なく、平滑であるほど、(SA1)/(SA2)の値は小さくなり、その値は1に近くなる。
本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子の表面粗度は1.7〜5.0の範囲にあるものが望ましい。表面粗度が1.7未満の場合、疣状突起の割合が少ないかあるいは、疣状突起自体が複合シリカ微粒子の粒子径に比べて極めて小さくなり、球状微粒子に近くなる。表面粗度の値が5.0を超える場合は、合成が容易ではない。表面粗度の範囲としては、さらに好適には1.8〜4.5の範囲が推奨される。
[疣状突起の平均高さ]
本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子においては、その疣状突起の平均高さが、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径の3〜30%に相当するものであることが望ましい。
疣状突起の高さの金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径に対する割合が、3%未満の場合は、微粒子表面が平滑である場合に極めて近い場合となる。この場合、例えば、研磨材として使用しても、表面が平滑なシリカ微粒子を使用した場合と比べて、効果の違いが見られなくなる。また、30%を超えるものについては、合成することが容易ではない。この範囲については、更に好適には3〜20%の範囲が推奨される。
本発明に係る金平糖状複合シリカ微粒子においては、その疣状突起の平均高さが、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径の3〜30%に相当するものであることが望ましい。
疣状突起の高さの金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径に対する割合が、3%未満の場合は、微粒子表面が平滑である場合に極めて近い場合となる。この場合、例えば、研磨材として使用しても、表面が平滑なシリカ微粒子を使用した場合と比べて、効果の違いが見られなくなる。また、30%を超えるものについては、合成することが容易ではない。この範囲については、更に好適には3〜20%の範囲が推奨される。
[真球度]
前記金平糖状複合シリカ微粒子は、全体として球状であることが必要であり、棒状、勾玉状、細長い形状、数珠状、卵状など、異形粒子を含まない。本発明の金平糖状複合シリカ微粒子は球状であり、異形の複合シリカ粒子と区別される。本発明において球状とは、真球度が0.8〜1.0の範囲にあるものを言う。ここで真球度とは、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。真球度が0.8未満の場合は、金平糖状複合シリカ微粒子が球状とは云えず、前記異形粒子に該当する場合が生じる。
前記金平糖状複合シリカ微粒子は、全体として球状であることが必要であり、棒状、勾玉状、細長い形状、数珠状、卵状など、異形粒子を含まない。本発明の金平糖状複合シリカ微粒子は球状であり、異形の複合シリカ粒子と区別される。本発明において球状とは、真球度が0.8〜1.0の範囲にあるものを言う。ここで真球度とは、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。真球度が0.8未満の場合は、金平糖状複合シリカ微粒子が球状とは云えず、前記異形粒子に該当する場合が生じる。
[平均粒子径]
本発明に係る製造方法により得られる金平糖状複合シリカ微粒子については、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)の値が7〜150nmの範囲のものが好適に得られる。
後記する本発明の金平糖状複合シリカゾルの製造方法により、金平糖状複合シリカゾルを調製する場合、平均粒子径(D2)が150nm超える場合は、原料のシードシリカ微粒子の大きさにもよるが、一般に疣状突起が形成され難く、むしろ平坦化する傾向が強まる。また、平均粒子径(D2)が7nm未満の場合は、必要な表面粗度をもった金平糖状複合シリカ微粒子を調製することが容易ではない。前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径については、好適には10〜130nmの範囲が推奨され、更に好適には、10〜80nmの範囲が推奨される。
本発明に係る製造方法により得られる金平糖状複合シリカ微粒子については、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)の値が7〜150nmの範囲のものが好適に得られる。
後記する本発明の金平糖状複合シリカゾルの製造方法により、金平糖状複合シリカゾルを調製する場合、平均粒子径(D2)が150nm超える場合は、原料のシードシリカ微粒子の大きさにもよるが、一般に疣状突起が形成され難く、むしろ平坦化する傾向が強まる。また、平均粒子径(D2)が7nm未満の場合は、必要な表面粗度をもった金平糖状複合シリカ微粒子を調製することが容易ではない。前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径については、好適には10〜130nmの範囲が推奨され、更に好適には、10〜80nmの範囲が推奨される。
[粒子径変動係数(CV値)]
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルを研磨材または研磨用組成物として適用する場合においては、特に金平糖状複合シリカゾル中の金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径分布の均一性が高いことが好ましい。具体的には、粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあるものが研磨速度に優れ、被研磨基材上での線状痕の発生を抑止するうえでも好適である。ここで粒子径変動係数(CV値)は、次式(2)で定義される。
CV値〔%〕=粒子径の標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn)×100 ・・・(2)
(但し、σ=nΣ|Di−Dn|/(n−1)×Dn であり、Diは個々の粒子の粒子径を表す。)
粒子径変動係数(CV値)の範囲として更に好適には10〜40%の範囲が推奨される。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルを研磨材または研磨用組成物として適用する場合においては、特に金平糖状複合シリカゾル中の金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径分布の均一性が高いことが好ましい。具体的には、粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあるものが研磨速度に優れ、被研磨基材上での線状痕の発生を抑止するうえでも好適である。ここで粒子径変動係数(CV値)は、次式(2)で定義される。
CV値〔%〕=粒子径の標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn)×100 ・・・(2)
(但し、σ=nΣ|Di−Dn|/(n−1)×Dn であり、Diは個々の粒子の粒子径を表す。)
粒子径変動係数(CV値)の範囲として更に好適には10〜40%の範囲が推奨される。
[金属酸化物]
疣状突起に含まれる金属酸化物については、格別に限定されるものではないが、金平糖状複合シリカゾルの用途を考慮すると、硬度において、シリカと差があるものが好適に選ばれる。この様な例としては、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化チタニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄等を挙げることができる。
疣状突起に含まれる金属酸化物については、格別に限定されるものではないが、金平糖状複合シリカゾルの用途を考慮すると、硬度において、シリカと差があるものが好適に選ばれる。この様な例としては、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化チタニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄等を挙げることができる。
疣状突起を構成するこれらの金属酸化物の種類を選択することにより、従来の球状シリカ微粒子には見られない特性を金平糖状複合シリカ微粒子に付与することができる。例えば、シリカより硬く、破壊強度も大きい金属酸化物を選択した場合は、シリカより硬い疣状突起を有した金平糖状複合シリカ微粒子となり、例えば、研磨材として有用なものとなる。
また、この例に限らず、本発明の金平糖状複合シリカゾルの場合、シリカよりも希少で高価な金属酸化物を、用途に応じて効率的に利用できるので、資源とコストの節減にも資することとなる。なお、後記するように金属過酸化物とともに珪酸液を添加して金平糖状複合シリカゾルを調製した場合は、疣状突起を構成する成分に占める前記金属酸化物の割合が低下し、シリカ成分の占める割合が増大する。このため該シリカ成分の割合を調整することにより、疣状突起の強度を調整することも可能である。
[溶媒]
前記金平糖状シリカ微粒子が分散する分散媒としての溶媒については、水、有機溶媒、またはこれらの混合溶媒のいずれであっても使用することができる。また、有機溶媒としては水溶性の有機溶媒がより好適である。具体的には以下の例を挙げることができる。
前記金平糖状シリカ微粒子が分散する分散媒としての溶媒については、水、有機溶媒、またはこれらの混合溶媒のいずれであっても使用することができる。また、有機溶媒としては水溶性の有機溶媒がより好適である。具体的には以下の例を挙げることができる。
純水、超純水、イオン交換水などの水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類
などを例示することができる。
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類
などを例示することができる。
[金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法]
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)金属酸化物(シリカを除く)の前駆体または2)該金属酸化物の前駆体および珪酸液の所定量を連続的にまたは断続的に添加することにより調製される。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)金属酸化物(シリカを除く)の前駆体または2)該金属酸化物の前駆体および珪酸液の所定量を連続的にまたは断続的に添加することにより調製される。
[シードシリカゾル]
本発明の金平糖状複合シリカゾルの製造方法において、原料の核粒子として使用されるシードシリカゾルの製造方法については、格別限定されるものではなく、市販のシリカゾルまたは公知のシリカゾルを適用することができる。
本発明の金平糖状複合シリカゾルの製造方法において、原料の核粒子として使用されるシードシリカゾルの製造方法については、格別限定されるものではなく、市販のシリカゾルまたは公知のシリカゾルを適用することができる。
この様なシリカゾルの製造方法については、例えば、
1)アルカリ金属珪酸塩、第3級アンモニウム珪酸塩、第4級アンモニウム珪酸塩またはグアニジン珪酸塩から選ばれる水溶性珪酸塩を、脱アルカリすることにより得られる珪酸液をアルカリ存在下で加熱することにより珪酸を重合する工程を含むシリカゾルの製造方法、
2)珪酸塩を酸で中和して得られるシリカヒドロゲルを洗浄して、塩類を除去し、アルカリを添加した後、加熱することによりシリカヒドロゲルを解膠する工程を含むシリカゾルの製造方法および、
3)加水分解性基を有する珪素化合物を加水分解して、得られた珪酸を重合する工程を含むシリカゾルの製造方法などを挙げることができる。
1)アルカリ金属珪酸塩、第3級アンモニウム珪酸塩、第4級アンモニウム珪酸塩またはグアニジン珪酸塩から選ばれる水溶性珪酸塩を、脱アルカリすることにより得られる珪酸液をアルカリ存在下で加熱することにより珪酸を重合する工程を含むシリカゾルの製造方法、
2)珪酸塩を酸で中和して得られるシリカヒドロゲルを洗浄して、塩類を除去し、アルカリを添加した後、加熱することによりシリカヒドロゲルを解膠する工程を含むシリカゾルの製造方法および、
3)加水分解性基を有する珪素化合物を加水分解して、得られた珪酸を重合する工程を含むシリカゾルの製造方法などを挙げることができる。
シードシリカゾル中のシリカ微粒子の構造は球状であり、シリカ微粒子の平均粒子径については、目的とする金平糖状複合シリカゾルの平均粒子径より小さいものであれば使用することが可能であるが、目的とする金平糖状複合シリカゾルの平均粒子径に対して、94%未満の粒子径が好ましい。この粒子径範囲については、例えば、画像解析法により測定した場合は、平均粒子径(D2)が3〜140nmの範囲が好適といえる。また、好適には平均粒子径(D2)が5〜100nmのものが使用される。平均粒子径(D2)が3nm未満のシリカ微粒子分散ゾルを適用した場合、金平糖状複合シリカ微粒子の生成を確認することができない。平均粒子径(D2)が140nmを越えるシリカ微粒子分散ゾルの場合は、シリカ以外の金属酸化物の被覆を生成した後の粒子成長に多大な時間を要するため実用性に問題がある。
なお、シードシリカゾル中のシリカ微粒子の平均粒子径を動的光散乱法により測定した場合においても、通常は、平均粒子径(D2)が3〜140nmの範囲にあれば、シードシリカゾルとして適用可能である。
なお、シードシリカゾル中のシリカ微粒子の平均粒子径を動的光散乱法により測定した場合においても、通常は、平均粒子径(D2)が3〜140nmの範囲にあれば、シードシリカゾルとして適用可能である。
シードシリカゾルのpHは、8〜12の範囲にあるものが好適に使用される。pHが8未満の場合は、シリカゾルの安定性に問題がある。金平糖状複合シリカゾルを調製することは容易ではない。他方、pHが12を越える場合は、溶解度が高すぎて粒子成長に適さない。pHの範囲については、好適にはpH8.5〜10.5が推奨される。
シードシリカゾルのSiO2固形分濃度については、通常は1〜50重量%の範囲のものが使用される。1重量%未満では、効率的にシリカゾルの生産を行えない。他方、50重量%を越えるとシリカゾルの安定性が低下し、凝集し易くなるので望ましくない。
シードシリカゾルとしては、水系溶媒のシリカゾルが好ましい。水系溶媒のシリカゾルはアルカリ性の酸化物であることから、シリカ以外の金属酸化物で被覆する際に好ましい。
シードシリカゾルとしては、水系溶媒のシリカゾルが好ましい。水系溶媒のシリカゾルはアルカリ性の酸化物であることから、シリカ以外の金属酸化物で被覆する際に好ましい。
本発明方法においては、この様なシードシリカゾルを必要に応じて、純水で希釈してシリカ固形分濃度を2〜50%に調整することが望ましい。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルを研磨材として使用することを目的とする場合は、シードシリカゾルとして、その粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にある金平糖状複合シリカゾルを使用することが望ましい。本発明に係る製造方法の原料として、粒子径変動係数が10〜50%のシードシリカゾルを使用することにより、最終生成物である金平糖状複合シリカゾルとして、粒子径変動係数が10〜50%のものを得ることができる。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルを研磨材として使用することを目的とする場合は、シードシリカゾルとして、その粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にある金平糖状複合シリカゾルを使用することが望ましい。本発明に係る製造方法の原料として、粒子径変動係数が10〜50%のシードシリカゾルを使用することにより、最終生成物である金平糖状複合シリカゾルとして、粒子径変動係数が10〜50%のものを得ることができる。
その様なシリカゾルの製造方法については、次の(1)〜(4)に挙げた製造方法に、必要に応じて分級工程を併用してなる製造方法が好適に用いられる。
(1)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液に、このような分散液をアルカリ性に保ちながら金属アルコキシドを添加して加水分解し、分散液中に含まれているシード上に金属アルコキシド分解生成物を付着させて粒子成長を行わせる方法(特開昭62−275005号公報)。
(1)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液に、このような分散液をアルカリ性に保ちながら金属アルコキシドを添加して加水分解し、分散液中に含まれているシード上に金属アルコキシド分解生成物を付着させて粒子成長を行わせる方法(特開昭62−275005号公報)。
(2)シード粒子が分散された水−有機溶媒系分散液にテトラエトキシシランを添加して、このテトラエトキシシランを、下記式〔I〕
(CH3 O)n ・(C2 H5 O)4-n ・Si・・・〔I〕 (式中、nは1〜4である。)
で示されるアルコキシシランの共存下で加水分解し、分散液中のシード粒子上にシリカを付着させて粒子成長を行わせる方法(特開平3−218915号)。
(3)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液に、このような分散液をアルカリ性に保ちながらテトラアルコキシシランおよびケイ酸液を添加して、テトラアルコキシランの加水分解生成物およびケイ酸重合物を分散液中に含まれているシード上に付着させて粒子成長を行わせる方法(特開平4−21515号)。
(CH3 O)n ・(C2 H5 O)4-n ・Si・・・〔I〕 (式中、nは1〜4である。)
で示されるアルコキシシランの共存下で加水分解し、分散液中のシード粒子上にシリカを付着させて粒子成長を行わせる方法(特開平3−218915号)。
(3)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液に、このような分散液をアルカリ性に保ちながらテトラアルコキシシランおよびケイ酸液を添加して、テトラアルコキシランの加水分解生成物およびケイ酸重合物を分散液中に含まれているシード上に付着させて粒子成長を行わせる方法(特開平4−21515号)。
(4)珪酸アルカリ水溶液および/またはアルカリ水溶液と、酸性珪酸液とを混合し、混合液におけるSiO2/M2O(Mはアルカリ金属)のモル比を所定範囲に調整した後、60℃以上で加熱してシード液を調製し、所定の添加速度にて酸性珪酸液を添加してなる方法(特開昭63−45114号、特開平63−45113号または特開昭63−64911号など)を挙げることができる。
粒子径変動係数が10〜50%のシードシリカゾルを使用することにより、最終生成物である金平糖状複合シリカゾルとしても、粒子径変動係数が10〜50%のものを得ることが容易になる。
粒子径変動係数が10〜50%のシードシリカゾルを使用することにより、最終生成物である金平糖状複合シリカゾルとしても、粒子径変動係数が10〜50%のものを得ることが容易になる。
[疣状突起の形成]
シードシリカゾルを温度60〜200℃、pH9〜12に調整してから金属酸化物前駆体を連続的にまたは断続的に添加する。温度が60℃未満の場合は、シードシリカゾルが凝集し、不安定であり、200℃を超える場合は、生産性が低下したり、スケールが発生し易くなる。pHが9未満の場合はシードシリカゾルが凝集する傾向が強くなり、pHが12を超える場合は、金属酸化物前駆体が凝集する傾向が強くなる。pHが9〜12の範囲に調整することにより、シリカゾルの電位が高まるため、凝集し難くなるので、後の工程で、珪酸液が添加された場合であっても、シードシリカゾルの安定性が保たれる。
シードシリカゾルを温度60〜200℃、pH9〜12に調整してから金属酸化物前駆体を連続的にまたは断続的に添加する。温度が60℃未満の場合は、シードシリカゾルが凝集し、不安定であり、200℃を超える場合は、生産性が低下したり、スケールが発生し易くなる。pHが9未満の場合はシードシリカゾルが凝集する傾向が強くなり、pHが12を超える場合は、金属酸化物前駆体が凝集する傾向が強くなる。pHが9〜12の範囲に調整することにより、シリカゾルの電位が高まるため、凝集し難くなるので、後の工程で、珪酸液が添加された場合であっても、シードシリカゾルの安定性が保たれる。
なお、前記温度範囲については、金属酸化物前駆体のみを添加する場合は、好適には70〜180℃、金属酸化物前駆体と珪酸液の混合物を添加する場合は、好適には70〜150℃の範囲が推奨される。pHの調整には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が使用できる。
[金属酸化物前駆体]
本発明における金属酸化物前駆体とは、前記シリカ微粒子の表面に形成される疣状突起の主成分となるものであり、シードシリカゾルの分散質であるシリカ微粒子表面に反応して金属酸化物を含む疣状突起を形成するものである。この様な金属酸化物前駆体としては金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩から選ばれるものが好適に使用される。
本発明における金属酸化物前駆体とは、前記シリカ微粒子の表面に形成される疣状突起の主成分となるものであり、シードシリカゾルの分散質であるシリカ微粒子表面に反応して金属酸化物を含む疣状突起を形成するものである。この様な金属酸化物前駆体としては金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩から選ばれるものが好適に使用される。
前記金属としては、ジルコニウム、セリウム、チタニウムまたはタングステンから選ばれるものが好適に使用される。具体的には、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸セリウムアンモニウムなどを挙げることができる。なお、ここで金属酸化物前駆体として、金属過酸化物は含まれない。一般に金属過酸化物とシリカ微粒子との反応速度は、前記金属酸化物前駆体の場合より、著しく遅いため、本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法には、適用が容易ではないためである。
金属酸化物前駆体の添加量については、0.001≦m/a≦0.1(ただし、aは前記シードシリカゾル中のSiO2モル数を表し、mは前記金属酸化物前駆体中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)とすることが必要である。
前記m/aの値が0.1を超える場合は、金属酸化物の量が過剰となるため均一に粒子成長する傾向が強まり、疣状突起の生成が見られない場合がある。m/aの値が0.001未満の場合は、金属酸化物の量が相対的に少ないため、疣状突起の生成が見られなくなる。金属酸化物前駆体については、水で希釈して金属酸化物前駆体の水溶液として使用してもよく、未希釈品を使用しても良い。水希釈品の場合の金属酸化物前駆体の濃度については、格別に制限されるものではないが、例えば、0.1質量%〜30質量%の範囲を挙げることができる。
前記m/aの値が0.1を超える場合は、金属酸化物の量が過剰となるため均一に粒子成長する傾向が強まり、疣状突起の生成が見られない場合がある。m/aの値が0.001未満の場合は、金属酸化物の量が相対的に少ないため、疣状突起の生成が見られなくなる。金属酸化物前駆体については、水で希釈して金属酸化物前駆体の水溶液として使用してもよく、未希釈品を使用しても良い。水希釈品の場合の金属酸化物前駆体の濃度については、格別に制限されるものではないが、例えば、0.1質量%〜30質量%の範囲を挙げることができる。
[珪酸液]
本発明の製造方法では、所望により金属酸化物前駆体とともに珪酸液を添加することも可能である。
珪酸液とは、水溶性珪酸塩を脱アルカリすることにより調製されるものであり、通常は珪酸塩の水溶液を陽イオン交換樹脂で処理するなどの方法で脱アルカリして得られる珪酸の低重合物の水溶液である。この種の珪酸液は、通常、pHは2〜4、SiO2濃度約10質量%以下、好ましくは2〜7質量%のものが、常温でのゲル化が生じ難く、比較的安定であり、実用的な原料として使用される。
本発明の製造方法では、所望により金属酸化物前駆体とともに珪酸液を添加することも可能である。
珪酸液とは、水溶性珪酸塩を脱アルカリすることにより調製されるものであり、通常は珪酸塩の水溶液を陽イオン交換樹脂で処理するなどの方法で脱アルカリして得られる珪酸の低重合物の水溶液である。この種の珪酸液は、通常、pHは2〜4、SiO2濃度約10質量%以下、好ましくは2〜7質量%のものが、常温でのゲル化が生じ難く、比較的安定であり、実用的な原料として使用される。
珪酸液は、0≦c/m≦1(mは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数である。)の範囲で使用される。c/mが1を超える場合は、疣状突起の成分に占める金属酸化物の割合が低下し、疣状突起の成分がシリカに近くなる。
珪酸液は、金属酸化物前駆体と同時に添加するか、あるいは金属酸化物前駆体と珪酸液の混合物を調製して、シードシリカゾルに添加される。なお、前記金属酸化物前駆体は概ね、アルカリ領域での加水分解が速いため一括して添加すると疣状突起を形成し難く、凝集が生じ易くなるため好ましくない。このためシードシリカゾルへの金属酸化物前駆体の添加については、連続的にまたは断続的に行われる。金属酸化物前駆体の添加速度については、製造規模、pHまたは温度にも依存するため明確に規定することは容易ではないが、実験室スケールでは、金属酸化物前駆体について、例えば、0.001g/分〜5g/分の範囲が好適である。
珪酸液は、金属酸化物前駆体と同時に添加するか、あるいは金属酸化物前駆体と珪酸液の混合物を調製して、シードシリカゾルに添加される。なお、前記金属酸化物前駆体は概ね、アルカリ領域での加水分解が速いため一括して添加すると疣状突起を形成し難く、凝集が生じ易くなるため好ましくない。このためシードシリカゾルへの金属酸化物前駆体の添加については、連続的にまたは断続的に行われる。金属酸化物前駆体の添加速度については、製造規模、pHまたは温度にも依存するため明確に規定することは容易ではないが、実験室スケールでは、金属酸化物前駆体について、例えば、0.001g/分〜5g/分の範囲が好適である。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第1の製造方法により、シリカ微粒子表面に複数の疣状突起が形成されることについては、該シリカ微粒子表面を均一に被覆できる量より少ない量の金属酸化物前駆体を使用することにより、斑状に金属酸化物が成長し、金平糖状複合シリカ微粒子が形成されるものと推察される。
[金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法]
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)金属過酸化物または2)金属過酸化物および珪酸液の所定量を一時に一括して全量添加することを特徴とする。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法は、シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHおよび温度を所定の範囲に調整し、1)金属過酸化物または2)金属過酸化物および珪酸液の所定量を一時に一括して全量添加することを特徴とする。
[シードシリカゾル]
シードシリカゾルについては、前記第1の製造方法にて使用されるシードシリカゾルと同様のシリカゾルが使用可能である。
シードシリカゾルについては、前記第1の製造方法にて使用されるシードシリカゾルと同様のシリカゾルが使用可能である。
[粒子成長]
シードシリカゾルを温度60〜200℃、pH9〜12に調整してから金属過酸化物を添加する。温度が60℃未満の場合は、シードシリカゾルが凝集する傾向があり、不安定となる。200℃を超える場合は、生産性の低下またはスケールの発生が生じ易くなる。pHが9未満の場合はシードシリカゾルが凝集する傾向が強くなる。pHが12を超える場合は、金属化合物酸化物の添加後に、金属過酸化物の凝集が発生し易くなる。pHを9〜12の範囲に調整することにより、シリカゾルの電位が高まるため、凝集が生じ難くなり、金属過酸化物とともに珪酸液が添加された場合であっても、シードシリカゾルの安定性が保たれる。
なお、前記温度範囲については、金属過酸化物のみを添加する場合は、好適には70〜180℃、金属過酸化物とともに珪酸液を添加する場合は、好適には70〜150℃の範囲が推奨される。pHの調整には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が使用できる。
シードシリカゾルを温度60〜200℃、pH9〜12に調整してから金属過酸化物を添加する。温度が60℃未満の場合は、シードシリカゾルが凝集する傾向があり、不安定となる。200℃を超える場合は、生産性の低下またはスケールの発生が生じ易くなる。pHが9未満の場合はシードシリカゾルが凝集する傾向が強くなる。pHが12を超える場合は、金属化合物酸化物の添加後に、金属過酸化物の凝集が発生し易くなる。pHを9〜12の範囲に調整することにより、シリカゾルの電位が高まるため、凝集が生じ難くなり、金属過酸化物とともに珪酸液が添加された場合であっても、シードシリカゾルの安定性が保たれる。
なお、前記温度範囲については、金属過酸化物のみを添加する場合は、好適には70〜180℃、金属過酸化物とともに珪酸液を添加する場合は、好適には70〜150℃の範囲が推奨される。pHの調整には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が使用できる。
[金属過酸化物]
金属過酸化物の例としては、ペルオキソチタン酸(TiO3)、過酸化ジルコニウム、過酸化セリウム(CeO3)、過酸化タングステン、過酸化ニッケル(NiO2)、過酸化バリウム(BaO2)などを挙げることができる。
金属過酸化物の添加については、金属過酸化物の全量を一時に一括して添加することにより行う必要がある。金属過酸化物は、一般に反応性が低いため、例えば、逐次添加を行った場合は、反応の進行が不十分となり、目的とするレベルの疣状突起を形成することができないことがある。
ここで金属過酸化物の全量を一時に一括して添加する操作については、製造スケール、pHまたは温度にも依存するが、実験室スケールでは1秒〜30秒程度で全量を添加することが好ましい。
金属過酸化物の例としては、ペルオキソチタン酸(TiO3)、過酸化ジルコニウム、過酸化セリウム(CeO3)、過酸化タングステン、過酸化ニッケル(NiO2)、過酸化バリウム(BaO2)などを挙げることができる。
金属過酸化物の添加については、金属過酸化物の全量を一時に一括して添加することにより行う必要がある。金属過酸化物は、一般に反応性が低いため、例えば、逐次添加を行った場合は、反応の進行が不十分となり、目的とするレベルの疣状突起を形成することができないことがある。
ここで金属過酸化物の全量を一時に一括して添加する操作については、製造スケール、pHまたは温度にも依存するが、実験室スケールでは1秒〜30秒程度で全量を添加することが好ましい。
金属過酸化物の添加量については、0.001≦n/a≦0.1(ただし、aは前記シードシリカゾル中のSiO2モル数を表し、nは金属過酸化物中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)とすることが必要である。
前記n/aの値が0.1を超える場合は、生成する金属酸化物の量が過剰となるため均一に粒子成長する傾向が強まり、疣状突起の生成が見られない場合がある。n/aの値が0.001未満の場合は、金属過酸化物の量が相対的に少ないため、疣状突起の生成が見られなくなる。金属過酸化物については、水で希釈して水溶液として使用してもよく、未希釈品を使用しても良い。水希釈品の場合、金属過酸化物の濃度については、格別に制限されるものではないが、例えば、0.1質量%〜30質量%の範囲を挙げることができる。
前記n/aの値が0.1を超える場合は、生成する金属酸化物の量が過剰となるため均一に粒子成長する傾向が強まり、疣状突起の生成が見られない場合がある。n/aの値が0.001未満の場合は、金属過酸化物の量が相対的に少ないため、疣状突起の生成が見られなくなる。金属過酸化物については、水で希釈して水溶液として使用してもよく、未希釈品を使用しても良い。水希釈品の場合、金属過酸化物の濃度については、格別に制限されるものではないが、例えば、0.1質量%〜30質量%の範囲を挙げることができる。
[珪酸液]
本発明の製造方法では、所望により金属過酸化物とともに珪酸液を添加することも可能である。珪酸液については、前記第1の製造方法において説明した通りである。
珪酸液は、0≦c/n≦1(bは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数である。)の範囲で使用される。c/nが1を超える場合は、疣状突起の成分に占める金属酸化物の割合が低下し、疣状突起の成分がシリカに近くなる。
本発明の製造方法では、所望により金属過酸化物とともに珪酸液を添加することも可能である。珪酸液については、前記第1の製造方法において説明した通りである。
珪酸液は、0≦c/n≦1(bは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数である。)の範囲で使用される。c/nが1を超える場合は、疣状突起の成分に占める金属酸化物の割合が低下し、疣状突起の成分がシリカに近くなる。
珪酸液は、金属過酸化物と同時に添加するか、あるいは金属過酸化物と珪酸液の混合物を調製して、シードシリカゾルに添加される。なお、金属過酸化物は、アルカリ領域での加水分解が遅いため、逐次添加を行った場合、疣状突起を含めてシリカ微粒子表面に被覆を形成し難くなる。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法により、シリカ微粒子表面に複数の疣状突起が形成されることについては、該シリカ微粒子表面を均一に被覆できる量より少ない量の金属過酸化物を使用することにより、斑状に金属酸化物が成長し、金平糖状複合シリカ微粒子が形成されるものと推察される。
本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの第2の製造方法により、シリカ微粒子表面に複数の疣状突起が形成されることについては、該シリカ微粒子表面を均一に被覆できる量より少ない量の金属過酸化物を使用することにより、斑状に金属酸化物が成長し、金平糖状複合シリカ微粒子が形成されるものと推察される。
[研磨材および研磨用組成物]
本発明の金平糖状複合シリカゾルは、それ自体で研磨材として適用可能なものであり、更には、他の成分(研磨促進剤等)と共に通常の研磨用組成物を構成することも可能である。
本発明の金平糖状複合シリカゾルは、それ自体で研磨材として適用可能なものであり、更には、他の成分(研磨促進剤等)と共に通常の研磨用組成物を構成することも可能である。
本発明の金平糖状複合シリカゾルは、研磨用組成物の成分として配合されて、優れた研磨効果を発揮するものである。本発明の金平糖状複合シリカゾルは、アルミニウムディスク(アルミニウムまたはその基材上のメッキ層)や半導体多層配線基板のアルミニウム配線、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、ガラス質材料の鏡面加工などへの研磨用途に適用する研磨用組成物の成分として使用することができる。
研磨用組成物の組成については、本発明の金平糖状複合シリカゾル(水系)を濃縮または、希釈して、更に必要に応じて他の成分を配合し、所望によりスラリー状にすることにより調製される。ここで、研磨用シリカゾルに添加される他の成分としては、研磨促進剤、界面活性剤、緩衝剤、安定剤、水系媒体などが挙げられる。また、本発明の金平糖状複合シリカゾル以外の研磨剤を併用しても良い。
本発明の研磨用組成物において、本発明の金平糖状複合シリカゾルとともに使用される他の成分の例を以下に列挙するが、これらに限定されるものではない。
シリコンウエーハ、アルミニウムディスク、ガラスディスクなどを対象とする研磨用組成物の場合、上記他の成分としては、研磨促進剤として、アルカリ系では、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ピペラジンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム水酸化物など、酸化物系では、過酸化水素、塩素化合物などが挙げられる。
シリコンウエーハ、アルミニウムディスク、ガラスディスクなどを対象とする研磨用組成物の場合、上記他の成分としては、研磨促進剤として、アルカリ系では、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの金属炭酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ピペラジンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム水酸化物など、酸化物系では、過酸化水素、塩素化合物などが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の界面活性剤を使用することができる。
緩衝剤として利用されるイオンとしては、調整するpH範囲にもよるが、陽イオンが第四級アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの少なくとも1種以上であり、陰イオンが炭酸イオン、炭酸水素イオン、ホウ酸イオン、及びフェノールの少なくとも1種以上であることが好ましい。特に好適なのは炭酸イオンと炭酸水素イオンの混合物、あるいはホウ酸イオンなどを挙げることができる。
緩衝剤として利用されるイオンとしては、調整するpH範囲にもよるが、陽イオンが第四級アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンの少なくとも1種以上であり、陰イオンが炭酸イオン、炭酸水素イオン、ホウ酸イオン、及びフェノールの少なくとも1種以上であることが好ましい。特に好適なのは炭酸イオンと炭酸水素イオンの混合物、あるいはホウ酸イオンなどを挙げることができる。
安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース類、ポリビニルアルコールのような水溶性高分子類、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンのような水溶性アルコール類、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダなどの界面活性剤、ポリアクリル酸塩のような有機系ポリアニオン系物質、塩化マグネシウム、酢酸カリウムのような無機塩等を挙げることができる。
研磨用組成物における、SiO2濃度は、通常は3〜20重量%で使用されるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
研磨用組成物における、SiO2濃度は、通常は3〜20重量%で使用されるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
[本発明に係る金平糖状複合シリカゾルの好適な態様]
本発明の好適な態様としては、以下の各態様を挙げることができる。
[1] 球状シリカ微粒子の表面に酸化ジルコニウムを含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、窒素吸着法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルであって、前記疣状突起の平均高さ(H)が、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)の3〜30%に相当するものであリ、かつ、該金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあることを特徴とする金平糖状複合シリカゾル。
本発明の好適な態様としては、以下の各態様を挙げることができる。
[1] 球状シリカ微粒子の表面に酸化ジルコニウムを含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、窒素吸着法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルであって、前記疣状突起の平均高さ(H)が、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)の3〜30%に相当するものであリ、かつ、該金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあることを特徴とする金平糖状複合シリカゾル。
[2] 球状シリカ微粒子の表面に酸化セリウムを含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、窒素吸着法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルであって、前記疣状突起の平均高さ(H)が、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)の3〜30%に相当するものであリ、かつ、該金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあることを特徴とする金平糖状複合シリカゾル。
[3] 球状シリカ微粒子の表面に酸化ジルコニウムを含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、窒素吸着法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルであって、前記疣状突起の平均高さ(H)が、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)の3〜30%に相当するものであリ、かつ、該金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にある金平糖状複合シリカゾルからなる研磨材またはそれを含有してなる研磨用組成物。
[4] 球状シリカ微粒子の表面に酸化セリウムを含む複数の疣状突起を有する複合シリカ微粒子であって、窒素吸着法により測定される比表面積を(SA1)とし、画像解析法により測定された平均粒子径(D2)から換算した比表面積を(SA2)としたときの表面粗度(SA1)/(SA2)の値が、1.7〜5.0の範囲にあり、前記画像解析法により測定された平均粒子径(D2)が7〜150nmの範囲にある金平糖状複合シリカ微粒子が溶媒に分散してなる金平糖状複合シリカゾルであって、前記疣状突起の平均高さ(H)が、前記金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)の3〜30%に相当するものであリ、かつ、該金平糖状複合シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にある金平糖状複合シリカゾルからなる研磨材またはそれを含有してなる研磨用組成物。
[実施例および比較例で用いた分析方法]
以下に本発明の好適な実施例を述べるが、実施例および比較例における各種特性の測定方法については、特に断りの無い限り、以下に記す通り実施した。また、それらの結果については表1に記した。
以下に本発明の好適な実施例を述べるが、実施例および比較例における各種特性の測定方法については、特に断りの無い限り、以下に記す通り実施した。また、それらの結果については表1に記した。
[1]BET法による比表面積(SA1)の測定
シリカゾル50mlをHNO3でpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加え、110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成し、測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、マルチソーブ12)を用いて、窒素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出した。
シリカゾル50mlをHNO3でpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加え、110℃で16時間乾燥した試料について、乳鉢で粉砕後、マッフル炉にて500℃、1時間焼成し、測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、マルチソーブ12)を用いて、窒素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出した。
具体的には、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30体積%/ヘリウム70体積%混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、シリカゾルの比表面積(SA1)を算出した。
[2]シアーズ法による比表面積(SA1)と平均粒子径(D1)の測定
1)SiO2として1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、25℃の恒温反応槽に移し、純水を加えて液量を90mlにする。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行った。
2)pH3.6になるように0.1モル/L塩酸水溶液を加える。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mlに希釈し、10分間攪拌する。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pH4.0に調整する。
1)SiO2として1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、25℃の恒温反応槽に移し、純水を加えて液量を90mlにする。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行った。
2)pH3.6になるように0.1モル/L塩酸水溶液を加える。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mlに希釈し、10分間攪拌する。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pH4.0に調整する。
5)pH4.0に調整した試料を0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、pH8.7〜9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量をX、その時のpH値をYとして、検量線を作る。
6)次の式(3)からSiO21.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(ml)を求め、下記式(4)から比表面積を算定する。
また、平均粒子径D1(nm)は、式(5)から求める。
6)次の式(3)からSiO21.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(ml)を求め、下記式(4)から比表面積を算定する。
また、平均粒子径D1(nm)は、式(5)から求める。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・ (3)
SA1=29.0V−28 ・・・ (4)
D1=6000/(ρ×SA1) ・・・ (5) (ρ:試料の密度)
但し、上記式(3)における記号の意味は次の通りである。
A:SiO21.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
f :0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の力価
C :試料のSiO2濃度(%)
W :試料採取量(g)
SA1=29.0V−28 ・・・ (4)
D1=6000/(ρ×SA1) ・・・ (5) (ρ:試料の密度)
但し、上記式(3)における記号の意味は次の通りである。
A:SiO21.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
f :0.1モル/L水酸化ナトリウム溶液の力価
C :試料のSiO2濃度(%)
W :試料採取量(g)
[3]画像解析による平均粒子径(D2)の測定方法および比表面積(SA2)の算定方法
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径(DL)を測定し、その平均値を平均粒子径(D2)とした。また、平均粒子径(D2)の値を前記式(1)に代入して、比表面積(SA2)を求めた。
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、その最大径(DL)を測定し、その平均値を平均粒子径(D2)とした。また、平均粒子径(D2)の値を前記式(1)に代入して、比表面積(SA2)を求めた。
[4]画像解析による金平糖状複合シリカ微粒子の疣状突起の平均高さ測定
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の金平糖状複合シリカ微粒子50個について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状微粒子部分との接点までの距離を3箇所ずつ測定し、その全ての平均値を算出し、疣状突起の平均高さ(H)とした。
次いで、金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)を用い、(H/D2)×100(%)を算定した。
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の金平糖状複合シリカ微粒子50個について、任意の疣状突起の頂点から疣状突起と球状微粒子部分との接点までの距離を3箇所ずつ測定し、その全ての平均値を算出し、疣状突起の平均高さ(H)とした。
次いで、金平糖状複合シリカ微粒子の平均粒子径(D2)を用い、(H/D2)×100(%)を算定した。
[5]真球度の測定方法
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)を測定し、それらの平均値を真球度とした。
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料シリカゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)を測定し、それらの平均値を真球度とした。
[6]複合シリカ微粒子分散液の固形分測定
試料(複合シリカ微粒子分散液)2gをルツボにて蒸発乾固し、得られた固形物を1000℃にて1時間焼成後、デシケーターに入れ冷却して秤量する。これらの重量差より複合シリカ微粒子の含有量を求めた。
試料(複合シリカ微粒子分散液)2gをルツボにて蒸発乾固し、得られた固形物を1000℃にて1時間焼成後、デシケーターに入れ冷却して秤量する。これらの重量差より複合シリカ微粒子の含有量を求めた。
[7]動的光散乱法による平均粒子径測定
シードシリカゾルの平均粒子径は、粒子径分布測定装置(Particle SizingSystems社製:「NICOMP MODEL 380」)を使用して動的光散乱法により測定した。
シードシリカゾルの平均粒子径は、粒子径分布測定装置(Particle SizingSystems社製:「NICOMP MODEL 380」)を使用して動的光散乱法により測定した。
[8]密度の測定方法
複合シリカ微粒子の比重については、まず、試料10gをルツボに採取し、110℃で2時間乾燥させる。次いで、デシケーターにて冷却後、25mlピクノメーターに3〜4g入れ、蒸留水を加えて懸濁し、60mmHgにて1時間真空脱気を行った後に、25℃恒温槽にて温度調整する。ピクノメーターの標線まで蒸留水を加えて容量を調整し、ピクノメーターの容量(25ml)と蒸留水の容量(ml)の差から試料の容量(ml)を算出する。加えた試料の重量(g)と算出された容量(ml)から密度を求めた。
複合シリカ微粒子の比重については、まず、試料10gをルツボに採取し、110℃で2時間乾燥させる。次いで、デシケーターにて冷却後、25mlピクノメーターに3〜4g入れ、蒸留水を加えて懸濁し、60mmHgにて1時間真空脱気を行った後に、25℃恒温槽にて温度調整する。ピクノメーターの標線まで蒸留水を加えて容量を調整し、ピクノメーターの容量(25ml)と蒸留水の容量(ml)の差から試料の容量(ml)を算出する。加えた試料の重量(g)と算出された容量(ml)から密度を求めた。
[9]アルミニウム基板に対する研磨特性の評価方法
研磨用スラリーの調製
各実施例および各比較例で得たシリカ濃度20質量%の金平糖状シリカゾルに、H2O2、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H2O20.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%の研磨用スラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーを調製した。
研磨用スラリーの調製
各実施例および各比較例で得たシリカ濃度20質量%の金平糖状シリカゾルに、H2O2、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸)および超純水を加えて、シリカ9重量%、H2O20.5重量%、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸0.5重量%の研磨用スラリーを調製し、さらに必要に応じてHNO3を加えて、pH2の研磨用スラリーを調製した。
被研磨基板
被研磨基板として、アルミニウムデイスク用基板を使用した。このアルミニウムデイスク用基板は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni88%とP12%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした基板(95mmΦ/25mmΦ−1.27mmt)を使用した。なお、この基板は一次研磨済みで、表面粗さ(Ra)は0.17nmであった。
被研磨基板として、アルミニウムデイスク用基板を使用した。このアルミニウムデイスク用基板は、アルミニウム基板にNi−Pを10μmの厚さに無電解メッキ(Ni88%とP12%の組成の硬質Ni−Pメッキ層)をした基板(95mmΦ/25mmΦ−1.27mmt)を使用した。なお、この基板は一次研磨済みで、表面粗さ(Ra)は0.17nmであった。
研磨試験
上記被研磨基板を、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッド(ロデール社製「アポロン」)を使用し、基板荷重0.05MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で5分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、研磨レートについては、比較例5のシリカゾルによる研磨速度を1としたときの金平糖状シリカゾルまたはシリカゾルによる各研磨速度の比率とした。
上記被研磨基板を、研磨装置(ナノファクター(株)製:NF300)にセットし、研磨パッド(ロデール社製「アポロン」)を使用し、基板荷重0.05MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用スラリーを20g/分の速度で5分間供給して研磨を行った。
研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。また、研磨レートについては、比較例5のシリカゾルによる研磨速度を1としたときの金平糖状シリカゾルまたはシリカゾルによる各研磨速度の比率とした。
シリカゾル(シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径11nm、比表面積250m2/g、粒子径変動係数(CV値)35%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.0であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)60gを、添加速度1g/分にて、60分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)60gを、添加速度1g/分にて、60分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-45P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.2であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)15gを、添加速度1g/分にて、15分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)15gを、添加速度1g/分にて、15分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-80P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径80nm、比表面積34m2/g、粒子径変動係数(CV値)15%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.3であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)9gを、添加速度1g/分にて、9分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)9gを、添加速度1g/分にて、9分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-50、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径25nm、比表面積109m2/g、粒子径変動係数(CV値)30%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.1であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)30gを、添加速度1g/分にて、30分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。金平糖状複合シリカゾルについて研磨試験を行いその結果を表1に記す。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)30gを、添加速度1g/分にて、30分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。金平糖状複合シリカゾルについて研磨試験を行いその結果を表1に記す。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製 カタロイドSI-45P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.1であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)50gを、添加速度1g/分にて、50分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)50gを、添加速度1g/分にて、50分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製 カタロイドSI-45P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、室温にて、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.2であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、硝酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)5gを、添加速度1g/分にて、5分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。生成した金平糖状複合シリカゾルについて研磨試験を行いその結果を表1に記す。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱し、温度80℃を保ちながら、硝酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)5gを、添加速度1g/分にて、5分かけて添加した。
その結果、シリカ微粒子表面に酸化ジルコニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。生成した金平糖状複合シリカゾルについて研磨試験を行いその結果を表1に記す。
シリカゾル(シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径11nm、比表面積250m2/g、粒子径変動係数(CV値)35%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.0であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に硝酸セリウムアンモニウム水溶液(濃度5.0質量%)60gを、添加速度1g/分にて、60分かけて添加した。その結果、シリカ微粒子表面に酸化セリウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に硝酸セリウムアンモニウム水溶液(濃度5.0質量%)60gを、添加速度1g/分にて、60分かけて添加した。その結果、シリカ微粒子表面に酸化セリウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製 カタロイドSI-45P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加し、pHを測定したところ11.1であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)20gを添加速度10g/分にて、2分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)20gを添加速度10g/分にて、2分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製 カタロイドSI-50、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径25nm、比表面積109m2/g、粒子径変動係数(CV値)30%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)50g(0.625モル)を添加し、pHを測定したところ11.1であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)1000gを添加速度100g/分にて、10分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)1000gを添加速度100g/分にて、10分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
シリカゾル(カタロイドSI-45P、シリカ濃度3質量%、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%)1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10g(0.125モル)を添加して、pHを測定したところ11.1であった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に硝酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)1000gを添加速度100g/分にて、10分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
この水酸化ナトリウム水溶液を添加したシリカゾルを温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直に硝酸ジルコニウムアンモニウム水溶液濃度(5.0質量%)1000gを添加速度100g/分にて、10分かけて添加した。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はジルコニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
シリカゾル(動的光散乱法により測定された平均粒子径11nm、BET法により測定された比表面積250m2/g、粒子径変動係数(CV値)35%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)60gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)60gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-45P、 動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、BET法により測定された比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.2とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)15gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)15gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-80P、動的光散乱法により測定された平均粒子径80nm、BET法により測定された比表面積34m2/g、粒子径変動係数(CV値)15%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.3とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)10gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)10gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-50P、動的光散乱法により測定された平均粒子径25nm、BET法により測定された比表面積109m2/g、粒子径変動係数(CV値)30%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)30gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)30gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-45P、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、BET法により測定された比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)50gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)50gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-45P、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、BET法により測定された比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)5gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)5gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
その結果、シリカ微粒子の表面に酸化チタニウムからなる疣状突起が形成されてなる金平糖状微粒子が生成した。
核粒子分散液の調製
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製:カタロイドSI-40、画像解析法により測定された平均粒子径21.2nm、SiO2 濃度40.7質量%)24.8gに水を加えて、1010g(SiO2 濃度1質量%)とし、更にシリカゾルのpHが11となるように濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。ついで、シリカゾルの温度を80℃に昇温し、30分間80℃に維持して核粒子分散液(A液)とした。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製:カタロイドSI-40、画像解析法により測定された平均粒子径21.2nm、SiO2 濃度40.7質量%)24.8gに水を加えて、1010g(SiO2 濃度1質量%)とし、更にシリカゾルのpHが11となるように濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。ついで、シリカゾルの温度を80℃に昇温し、30分間80℃に維持して核粒子分散液(A液)とした。
核粒子の成長
水硝子(洞海化学(株)製:JIS3号水硝子、SiO2 濃度24質量%)708gを水2692gで希釈して、珪酸アルカリ水溶液(B液)3400gを調製した。また、電解質としての硫酸アンモニウム(三菱化学株式会社製)120.8gに水2899gを加えて、電解質水溶液3019.8gを調製した。そして、温度を80℃に維持した前記核粒子分散液(A液)全量に対して、前記珪酸アルカリ水溶液(B液)および前記電解質水溶液を、それぞれ80℃にて5時間かけて全量添加することにより粒子成長を行った。
ここで、B液のアルカリと電解質の当量比EA /EE は1.0であった。ついで、80℃で1時間熟成を行った後、限外濾過膜によりpHが9.4になるまで洗浄を行った。ついで、濃縮してSiO2 濃度20質量%の金平糖状シリカゾルを得た。
このシリカゾルについての研磨試験結果を表1に記す。
水硝子(洞海化学(株)製:JIS3号水硝子、SiO2 濃度24質量%)708gを水2692gで希釈して、珪酸アルカリ水溶液(B液)3400gを調製した。また、電解質としての硫酸アンモニウム(三菱化学株式会社製)120.8gに水2899gを加えて、電解質水溶液3019.8gを調製した。そして、温度を80℃に維持した前記核粒子分散液(A液)全量に対して、前記珪酸アルカリ水溶液(B液)および前記電解質水溶液を、それぞれ80℃にて5時間かけて全量添加することにより粒子成長を行った。
ここで、B液のアルカリと電解質の当量比EA /EE は1.0であった。ついで、80℃で1時間熟成を行った後、限外濾過膜によりpHが9.4になるまで洗浄を行った。ついで、濃縮してSiO2 濃度20質量%の金平糖状シリカゾルを得た。
このシリカゾルについての研磨試験結果を表1に記す。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製:カタロイドSI-80、画像解析法により測定された平均粒子径110nm、SiO2 濃度40.5質量%)に純水を加えてSiO2 濃度20質量%とした。
このシリカゾルについての研磨試験結果を表1に記す。
このシリカゾルについての研磨試験結果を表1に記す。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-50P、動的光散乱法により測定された平均粒子径25nm、BET法により測定された比表面積109m2/g、粒子径変動係数(CV値)30%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)1000gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はチタニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)1000gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はチタニウム化合物で覆われたが、明確な疣状突起は形成されなかった。
シリカゾル(触媒化成工業株式会社製、カタロイドSI-45P、動的光散乱法により測定された平均粒子径45nm、BET法により測定された比表面積61m2/g、粒子径変動係数(CV値)25%、シリカ濃度20質量%、分散媒:純水)に純水を添加し、シリカ濃度3質量%に調整してなるシリカゾル1000gを攪拌機付き反応容器に注入し、そこに水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5質量%)10.0gを添加して、pHを11.1とした。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)1000gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はチタニウム化合物で覆われたが、疣状突起は形成されなかった。
次にこのシリカゾルを攪拌しながら、温度80℃にて、1時間加熱した。加熱終了後、直にペルオキソチタン酸(TiO3)水溶液(TiO3濃度5.0質量%)1000gを、一括して一時に全量添加し、攪拌を30分間行った。
得られたゾル中のシリカ微粒子の表面はチタニウム化合物で覆われたが、疣状突起は形成されなかった。
本発明方法により得られる金平糖状複合シリカゾルは、研磨材および研磨用組成物として有用であり、アルミニウムディスク(アルミニウムまたはその基材上のメッキ層)や半導体多層配線基板のアルミニウム配線、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、ガラス質材料の鏡面加工などに利用が可能である。また、樹脂成型物やコーテイング被膜の充填剤、化粧料の成分、吸着剤、凝集促進剤、滓下げ剤、増粘剤、土壌硬化剤などとしても利用可能である。
Claims (7)
- シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属酸化物(シリカを除く)の前駆体を、0.001≦m/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、mは前記金属酸化物前駆体中に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、連続的または断続的に添加することを特徴とする金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- 前記金属酸化物前駆体とともに、珪酸液を0≦c/m≦1(但し、mは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数)を満たす添加量にて、添加することを特徴とする請求項1記載の金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- 前記金属酸化物前駆体が、金属オキソ酸のアルカリ金属塩、金属オキソ酸のアルカリ土類金属塩、金属オキソ酸のアンモニウム塩または金属オキソ酸の第4級アンモニウム塩から選ばれるものであることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- 前記金属酸化物前駆体が、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタニウムまたは酸化タングステンから選ばれる金属酸化物の前駆体であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3の何れかに記載の金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- シリカ微粒子が水系溶媒に分散してなるシードシリカゾルのpHを9〜12、温度を60〜200℃の範囲に調整し、金属過酸化物を、0.001≦n/a≦0.1(ただし、aは該シードシリカゾル中のシリカ微粒子のSiO2モル数を表し、nは金属過酸化物に含まれる金属のモル数[酸化物換算]を表す。)を満たす添加量にて、一時に一括して全量添加することを特徴とする金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- 前記金属過酸化物とともに、珪酸液を0≦c/n≦1(但し、nは前記と同様に定義され、cは該珪酸液中のSiO2モル数)を満たす添加量にて、添加することを特徴とする請求項5記載の金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
- 前記金属過酸化物が、ペルオキソチタン酸、過酸化ジルコニウム、過酸化セリウムまたは過酸化タングステンから選ばれるものであることを特徴とする請求項5または請求項6の何れかに記載の金平糖状複合シリカゾルの製造方法。
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JP2007248290A JP2009078936A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 金平糖状複合シリカゾルの製造方法 |
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WO2017183452A1 (ja) * | 2016-04-22 | 2017-10-26 | 日揮触媒化成株式会社 | シリカ系複合微粒子分散液及びその製造方法 |
JP2017200999A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-11-09 | 日揮触媒化成株式会社 | シリカ系複合微粒子を含む研磨用砥粒分散液 |
WO2018088088A1 (ja) | 2016-11-14 | 2018-05-17 | 日揮触媒化成株式会社 | セリア系複合微粒子分散液、その製造方法及びセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248290A patent/JP2009078936A/ja active Pending
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WO2018088088A1 (ja) | 2016-11-14 | 2018-05-17 | 日揮触媒化成株式会社 | セリア系複合微粒子分散液、その製造方法及びセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液 |
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