以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置を開示する。この表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に適用可能である。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。図示した例では、表示装置DSPは、表示パネルPNL、駆動部DRなどを備えている。
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、信号線SL、制御線CL、単位画素PX、図示しない各種電圧を伝送するための配線や電源線などを備えている。複数の信号線SLは、第1方向Xに並んでいる。複数の制御線CLは、第1方向Xに交差する第2方向Yに並んでいる。複数の単位画素PXは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面において、マトリクス状に配列されている。
単位画素PXは、カラー画像を構成する最小単位である。後に詳述するが、単位画素PXは、複数の副画素Pによって構成されている。一例では、1つの単位画素PXは、副画素Pとして、赤色を表示する副画素、緑色を表示する副画素、及び、青色を表示する副画素を備えている。また、単位画素PXは、上記の3色の副画素の他に、白色などの他の色を表示する副画素を備えていても良い。各副画素Pは、複数のセグメント(以下、単に画素と称する場合もある)SGによって構成されている。
セグメントSGは、制御線CL及び信号線SLに接続された画素回路CR、及び、画素回路CRに接続された画素電極PEを備えている。画素電極PEは、セグメントSGとほぼ同一の形状を有している。つまり、セグメントSGの面積とは、画素を平面視した時の画素電極PEの設置面積のことを言う。セグメントSG、あるいは、画素電極PEが設置された領域は、表示に寄与する領域に相当する。
このような表示パネルPNLは、一例では、外光や補助光といった表示面側からの入射光を各セグメントSGの画素電極PEで選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型である。なお、表示パネルPNLは、別途配置したバックライトユニットからの光を各セグメントSGで選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型であっても良いし、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型であっても良い。
駆動部DRは、信号線駆動部D1及び制御線駆動部D2を備えている。駆動部DRは、表示パネルPNLの非表示領域NDAに形成されていても良いし、表示パネルPNLに実装されるICチップに内蔵されていても良いし、表示パネルPNLに接続されるフレキシブルプリント回路基板に形成されていても良い。
信号線SLのそれぞれは、信号線駆動部D1に接続されている。信号線駆動部D1は、例えば、所定の階調に対応した信号電位を、対応する信号線SLに出力する。制御線CLのそれぞれは、制御線駆動部D2に接続されている。制御線駆動部D2は、セグメントSGへの信号電位の書込動作を制御するための制御信号を、対応する制御線CLに出力する。なお、駆動部DRは、さらに、駆動タイミング発生回路や電源回路などを備えていても良い。
図2は、図1に示したセグメントSGの構成例を示す図である。本実施形態においては、セグメントSGは、画素内に画素信号等のデータを記憶可能なメモリ部を有する、所謂、MIP(Memory In Pixel)方式を採用した構成を有している。このような構成によれば、画素内のメモリ部に2値のデータ(論理“1”/論理“0”)を記憶し、この2値のデータに基づいて、セグメントSGのオン状態及びオフ状態を実現できる。また、面積が同一または異なる複数のセグメントSGによって1つの副画素Pを構成し、これら複数のセグメントSGのオン/オフの組み合わせによってオン状態の面積を変化させる。このようにオン状態の各セグメントの面積の違いによって各副画素での階調表示が実現される。かかる階調表現方式は、面積階調法とも称される。ここで、「面積階調法」とは、一例として、画素電極の面積比を20、21、22、…、2n−1、という具合に重み付けしたN個のセグメントSGで2n個の階調を表現する階調表現方式である。なお、本実施形態で述べるセグメントSGの面積とは、実質的に、各セグメントSGに設けられた画素電極PEの面積に相当する。つまり、「セグメントSGの面積」は、「画素電極PEの面積」と読み替えることができる。
メモリ表示モードの場合、メモリ部に保持されているデータを用いるため、階調を反映した信号電位の書込み動作をフレーム周期で実行する必要がない。そのため、メモリ表示モードの場合は、表示装置の消費電力を低減することができる。
また、表示領域DAに表示される表示画面のうち、一部だけを書き換えたい、というニーズがある。この場合、部分的に画素の信号電位を書き換えれば良い。すなわち、書き換える必要のある画素のみにデータを転送し、書き換え不要の画素についてはデータを転送する必要がなくなる。したがって、データ転送量を減らすことができるため、表示装置の更なる省電力化を図ることができる、という利点もある。
図示したように、1つのセグメントSGは、液晶容量CLC、及び、画素回路CRを備えている。液晶容量CLCは、画素電極PEと共通電極CEとの間で発生する液晶層LCの容量成分を意味している。画素電極PEは、セグメントSGの各々に位置し、画素回路CRと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEと対向している。この共通電極CEには、コモン電圧Vcomが印加される。
画素回路CRは、3つのスイッチSW1〜SW3、及び、ラッチ部LTを備えている。
スイッチSW1は、例えば、NchMOSトランジスタによって構成されている。スイッチSW1は、その一端が信号線SLに接続され、その他端がラッチ部LTに接続されている。スイッチSW1のオン・オフは、制御線CLから供給される制御信号によって制御される。すなわち、スイッチSW1は、図1の制御線駆動部D2から制御線CLを介して制御信号φVが与えられることによってオン(閉)状態となり、図1の信号線駆動部D1から信号線SLを介して供給されるデータ(階調に対応した信号電位)SIGを取り込む。
ラッチ部LTは、互いに逆向きに並列接続されたインバータIV1及びIV2を備えている。インバータIV1及びIV2の各々は、例えば、CMOSインバータによって構成されている。ラッチ部LTは、上記のメモリ部を構成し、スイッチSW1によって取り込まれたデータSIGに応じた電位を保持(ラッチ)する。
スイッチSW2及びSW3の各々は、例えば、NchMOSトランジスタ及びPchMOSトランジスタが並列に接続されてなるトランスファスイッチによって構成されているが、他の構成のトランジスタを用いて構成することも可能である。スイッチSW2の一端には、コモン電圧Vcomと逆相の電圧XFRPが与えられる。スイッチSW3の一端には、コモン電圧Vcomと同相の電圧FRPが与えられる。スイッチSW2及びSW3の各々の他端は、互いに接続され、且つ、画素電極PEと電気的に接続され、画素回路CRの出力ノードNoutとなる。スイッチSW2及びSW3は、ラッチ部LTの保持電位の極性に応じていずれか一方がオン状態となる。これにより、共通電極CEにコモン電圧Vcomが印加されている画素電極PEに対して、同相の電圧FRPまたは逆相の電圧XFRPが印加される。
図3は、MIP方式を適用したセグメントSGの動作を説明するためのタイミングチャートを示す図である。ここでは、液晶層LCに対して電圧が印加されない状態で黒を表示するノーマリーブラックモードを適用した場合を例に説明する。
画素回路CRにおいては、スイッチSW1に対して制御信号φVが与えられたタイミングで、信号線SLに供給されたデータSIGを取り込み、取り込んだデータSIGに応じた電位をラッチ部LTで保持する。論理“0”に相当するデータSIGを取り込んだ場合には、ラッチ部LTの保持電位は負極性となる。この場合、スイッチSW2はオフ(開)状態であって、スイッチSW3がオン(閉)状態となり、画素電極PEに対してコモン電圧Vcomと同相の電圧FRPが印加される。これにより、画素電極PEの画素電位は、共通電極のコモン電圧Vcomと同等となる。このため、液晶層LCに対して電圧が印加されず、セグメントSGは黒を表示する。
一方、画素回路CRにおいて、論理“1”に相当するデータSIGを取り込んだ場合には、ラッチ部LTの保持電位は正極性となる。この場合、スイッチSW3はオフ(開)状態であって、スイッチSW2がオン(閉)状態となり、画素電極PEに対してコモン電圧Vcomと逆相の電圧XFRPが印加される。これにより、画素電極PEの画素電位と、共通電極のコモン電圧Vcomとの間に電位差が生ずる。つまり、液晶層LCに電圧が印加される。このため、液晶層LCを透過する光が変調され、その一部が表示に寄与するため、セグメントSGは白を表示する。
一例では、セグメントSGが黒を表示する状態は、セグメントSGのオフ状態に相当し、セグメントSGが白を表示する状態は、セグメントSGのオン状態に相当する。
このように、MIP方式を適用した構成においては、ラッチ部LTの保持電位の極性に応じてスイッチSW2及びSW3のいずれか一方がオン状態となることにより、画素電極PEに対して、同相の電圧FRPまたは逆相の電圧XFRPが印加される。つまり、画素回路CRは、画素電極PEに対して2値の階調に対応した信号電位のいずれかを供給する。これにより、セグメントSGには常に一定電圧が印加されることになるため、シェーディングを抑制することができる。
なお、上述した例では、セグメントSGが内蔵するメモリとして、SRAM(Static Random Access Memory)を用いる場合を例に説明したが、この例に限らず、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの他の構成を適用しても良い。
次に、反射型の表示パネルPNLの構成例について説明する。
図4は、表示パネルPNLの断面を示す図である。ここでは、説明に必要な構成のみを図示している。
表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、液晶層LC、及び、光学素子ODを備えている。
第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、画素電極PE、第1配向膜AL1などを備えている。なお、図示しないが、第1基板SUB1は、図1に示した制御線CLや信号線SLなどの各種配線に加えて、上記の画素回路CRなどを備えている。画素電極PEは、第1絶縁基板10の第2基板SUB2と対向する側に位置している。画素電極PEは、反射電極に相当し、アルミニウムや銀などの光反射性を有する金属材料によって形成された反射層を含んでいる。第1配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、共通電極CE、第2配向膜AL2などを備えている。遮光層BMは、第2絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。図示した例では、遮光層BMは、隣り合う画素電極PEの隙間に対向している。カラーフィルタ層CFは、第2絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置し、それらの一部が遮光層BMと重なっている。カラーフィルタ層CFは、詳述しないが、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び、青色カラーフィルタを含んでいる。赤色カラーフィルタは、赤色を表示する副画素に配置される。緑色カラーフィルタは、緑色を表示する副画素に配置される。青色カラーフィルタは、青色を表示する副画素に配置される。なお、カラーフィルタ層CFは、白色などの他の色のカラーフィルタ、あるいは、透明層を含んでいても良い。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。共通電極CEは、オーバーコート層OCの第1基板SUB1と対向する側に位置している。共通電極CEは、複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。
なお、第2基板SUB2において、互いに異なる色を表示する副画素の境界においては、異なる色の複数のカラーフィルタを積層する構成も採用可能である。これにより、境界部分の透過率を低減させることができるため、遮光層BMを省略できる。モノクロ表示タイプの表示パネルPNLにおいては、カラーフィルタ層CFは省略される。
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に位置した液晶分子LMを含んでいる。
光学素子ODは、第2基板SUB2の液晶層LCに接する面とは反対側に位置している。光学素子ODは、例えば散乱層FS、位相差板RT、偏光板PLなどを備えている。散乱層FSは第2絶縁基板20に接着され、位相差板RTは散乱層FSに積層され、偏光板PLは位相差板RTに積層されている。なお、光学素子ODの構成は、図示した例に限らない。
散乱層FSは、特定方向からの入射光を散乱させる異方性散乱層である。図示した例では、散乱層FSは、図中の光源LS側からの入射光をほとんど散乱させずに透過し、特定方向、つまり、画素電極PEでの反射光を散乱させる機能を有している。なお、散乱層FSは、拡散範囲の拡大、虹色の防止などの目的のために複数枚を積層することが望ましい。位相差板RTは、1/4波長板としての機能を有している。一例では、位相差板RTは、1/4波長板と1/2波長板とを積層した積層体であり、波長依存性を低減し、カラー表示に利用される波長範囲において所望の位相差が得られるように構成されている。
このような表示パネルPNLにおいて、光源LSに近接する側が表示面側に相当する。図示した例では、光学素子ODの表面が表示面に相当するが、光学素子ODの表面にカバー部材が配置された場合には、カバー部材の表面が表示面に相当する。
上記のセグメントがオン状態の場合、光源LSから表示パネルPNLに入射した光は、画素電極PEで反射された後に液晶層LCを通り、光学素子ODを透過する。このため、オン状態では、白、または、カラーフィルタ層CFの色が表示される。一方、セグメントがオフ状態の場合、光源LSから表示パネルPNLに入射した光は、画素電極PEで反射された後に液晶層LCを通り、光学素子ODで吸収される。このため、オフ状態では、黒が表示される。
図5は、図4に示した第1基板SUB1の断面を示す図である。ここでは、図2に示したスイッチSW1、及び、出力ノードNoutとなるノード電極ENと画素電極PEの断面を示している。
すなわち、スイッチSW1は、半導体層SC、ゲート電極GE、ソース・ドレインに相当する第1電極E11及び第2電極E12を備えている。半導体層SCは、第1絶縁基板10の上に位置し、第1絶縁膜11によって覆われている。ゲート電極GEは、第1絶縁膜11の上に位置し、第2絶縁膜12によって覆われている。第1電極E11及び第2電極E12は、第2絶縁膜12の上に位置し、それぞれ半導体層SCにコンタクトし、第3絶縁膜13によって覆われている。ゲート電極GE、第1電極E11、及び、第2電極E12は、それぞれ図2に示した制御線CL、信号線SL、及び、ラッチ部LTと電気的に接続されている。
ノード電極ENは、図2に示したスイッチSW2及びSW3の各々の他端に接続された電極である。ノード電極ENは、第2絶縁膜12の上に位置し、第3絶縁膜13によって覆われている。
画素電極PEは、第3絶縁膜13の上に位置し、第1配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCHを介してノード電極ENにコンタクトしている。
第1絶縁膜11及び第2絶縁膜12は、シリコン窒化物やシリコン酸化物などの無機系材料によって形成されている。第3絶縁膜13は、樹脂などの有機系材料によって形成されている。なお、スイッチSW1やノード電極ENを含む画素回路CRは、第1絶縁基板10と第3絶縁膜13との間に位置している。本実施形態では、第3絶縁膜13は、画素回路CRと画素電極PEとの間に位置する単層の有機絶縁膜に相当する。つまり、画素電極PEは、他の層の中継電極を介することなく、ノード電極ENと直接接続されている。このため、製造プロセスを簡略化することができる。本実施形態において、画素電極PEとノード電極ENとが接続される部分を接続部CTと称する。
次に、本実施形態で適用可能な単位画素PXの構成例について説明する。
≪第1構成例≫
図6は、単位画素PXの第1構成例を示す図である。単位画素PXは、4つの副画素P1乃至P4を有している。副画素P1と副画素P2とは、第1方向Xに沿って隣り合って並んでいる。副画素P3と副画素P4とは、第1方向Xに沿って隣り合って並んでいる。また、副画素P1と副画素P3とは、第2方向Yに沿って隣り合って並んでいる。副画素P2と副画素P4とは、第2方向Yに沿って隣り合って並んでいる。副画素P1乃至P4は、それぞれ異なる色を表示する。一例では、副画素P1は緑色(G)を表示し、副画素P2は赤色(R)を表示し、副画素P3は青色(B)を表示し、副画素P4は白色(W)を表示する。このようなカラー表示は、図4を参照して説明した通り、副画素P1乃至P4の各々に対応する色のカラーフィルタを、副画素P1乃至P4における各々の画素電極PEと対向して配置することで実現される。なお、自発光型の表示装置においては、副画素P1乃至P4の各々が対応する色に発光する発光素子を具備することで実現される。
このような単位画素PXは、第1方向XにLXの長さを有し、第2方向YにLYの長さを有する。単位画素PXは、一例では、長さLXと長さLYとが等しい正方形状に構成されている。また、図示した例では、副画素P1乃至P4の各々は、第1方向XにLX/2の長さを有し、第2方向YにLY/2の長さを有する。長さLX/2は、長さLY/2と等しい。副画素P1乃至P4の各々は、正方形状に構成されている。また、副画素P1乃至P4の各々は、それぞれ等しい面積を有している。ここで、単位画素PXにおいて、第1方向Xに延出する直線を境界線B1とし、第2方向Yに延出する直線を境界線B2とする。境界線B1は、副画素P1と副画素P3との間に位置し、且つ、副画素P2と副画素P4との間に位置する。境界線B2は、副画素P1と副画素P2との間に位置し、且つ、副画素P3と副画素P4との間に位置する。単位画素PXの幾何学中心PXCは、境界線B1及びB2の交点として定義する。また、別の観点では、単位画素PXの幾何学中心PXCは、単位画素PXの外周に規定される四角形(図示した例では正方形)の2本の対角線(図中の点線)の交点として定義することもできる。
単位画素PXにおいて、副画素P1乃至P4のそれぞれは、同様の構成を有している。図示した例では、境界線B1に対して、副画素P1及びP2は、副画素P3及びP4と、線対称の構成を有している。同様に、境界線B2に対して、副画素P1及びP3は、副画素P2及びP4と、線対称の構成を有している。また、副画素P1及び副画素P4は、幾何学中心PXCについて点対称の構成を有している。同様に、副画素P2及び副画素P3は、幾何学中心PXCについて点対称の構成を有している。各副画素の構成について、以下により詳細に説明する。なお、ここでは、副画素P1を例に説明し、他の副画素についての詳細な説明を省略する。
すなわち、副画素P1は、3ビットの階調を表示するための3つのセグメントSG11乃至SG13を備えている。
セグメントSG11は、副画素P1における中央部に位置した四角形の領域に相当する。中央部とは、副画素P1の第2方向Yに沿った長さLY/2の中間点、あるいは、第2方向Yに沿って境界線B1からの距離がLY/4となる位置P1Cを含む領域である。セグメントSG11は、第1方向Xに沿った一対の辺11A及び11Bと、第2方向Yに沿った一対の辺11C及び11Dとを有している。
セグメントSG12は、セグメントSG11よりも幾何学中心PXCに近接する側に位置している。セグメントSG12は、辺11A及び11Cに沿って形成されたL字形の領域に相当する。セグメントSG12の面積は、セグメントSG11の面積よりも大きい。セグメントSG12は、辺11Cに沿ったサブエリアA12を有している。このようなセグメントSG12は、境界線B1を挟んで副画素P3と隣り合い、また、境界線B2を挟んで副画素P2と隣り合う。
セグメントSG11及びSG12を合わせた四角形の領域は、セグメントSG11の四角形の領域の相似形である。
セグメントSG13は、セグメントSG11よりも幾何学中心PXCから離れる側に位置している。セグメントSG13は、辺11B及び11Dに沿って形成されたL字形の領域に相当する。また、セグメントSG13は、辺11Bを超えて第1方向Xに延出し、セグメントSG12の一部と隣接している。さらに、セグメントSG13は、辺11Dを超えて第2方向Yに延出し、セグメントSG12の一部と隣接している。セグメントSG13の面積は、セグメントSG12の面積よりも大きい。セグメントSG13は、辺11Dに沿ったサブエリアA13を有している。このようなセグメントSG13は、セグメントSG12とでセグメントSG11を囲んでいる。
セグメントSG11、セグメントSG12、及び、セグメントSG13を合わせた四角形の領域は、セグメントSG11の四角形の領域の相似形である。
副画素P1の中央部においては、セグメントSG11を中心として、3つのセグメントSG11乃至SG13が第1方向Xに沿って並んでいる。図示した例では、サブエリアA13、セグメントSG11、及び、サブエリアA12が第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。
セグメントSG11、セグメントSG12、及び、セグメントSG13の面積比は、例えば、1:2:4(=20:21:22)である。本実施形態においてかかる面積比は、各セグメントにおいて実質的に表示に寄与する領域の面積のみに基づくものであり、表示に寄与しない接続部CTや遮光層BMと重なる領域の面積は含まれない。他方、接続部を含む各セグメントの面積比を1:2:4と設定する構成も採用可能である。なお、セグメントSG11乃至SG13の面積比の組み合わせは、上記の例に限定されるものではない。
セグメントSG11は、3ビットの面積階調における最下位のビット(例えば20)に相当する表示領域である。セグメントSG13は、3ビットの面積階調における最上位のビット(例えば22)に相当する表示領域である。セグメントSG12は、3ビットの面積階調における中間のビット(例えば21)に相当する表示領域である。これらのセグメントSG11乃至SG13の組み合わせにより、3ビットの面積階調表示が可能となる。
同様に、副画素P2はセグメントSG21乃至23を備え、副画素P3はセグメントSG31乃至33を備え、副画素P4はセグメントSG41乃至43を備えている。セグメントSG12、SG22、SG32、SG42は、最も幾何学中心PXCの近くに位置している。セグメントSG12は、境界線B2を挟んでセグメントSG22と隣り合い、境界線B1を挟んでセグメントSG32と隣り合う。セグメントSG42は、境界線B2を挟んでセグメントSG32と隣り合い、境界線B1を挟んでセグメントSG22と隣り合う。セグメントSG13、SG23、SG33、SG43は、最も幾何学中心PXCから遠くに位置している。セグメントSG13は、境界線B2を挟んでセグメントSG23と隣り合い、境界線B1を挟んでセグメントSG33と隣り合う。セグメントSG43は、境界線B2を挟んでセグメントSG33と隣り合い、境界線B1を挟んでセグメントSG23と隣り合う。セグメントSG11は、セグメントSG12及びSG22を挟んでセグメントSG21と隣り合い、セグメントSG12及びSG32を挟んでセグメントSG31と隣り合う。セグメントSG41は、セグメントSG32及びSG42を挟んでセグメントSG31と隣り合い、セグメントSG42及びSG22を挟んでセグメントSG21と隣り合う。
単位画素PXを構成する12個のセグメントの位置関係について、他の観点から述べると、以下の通りである。すなわち、第1方向Xに並ぶ副画素P1及びP2に着目すると、副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13は、境界線B2について、副画素P2の3つのセグメントSG21乃至23とそれぞれ線対称に設けられている。また、第2方向Yに並ぶ副画素P1及びP3に着目すると、副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13は、境界線B1について、副画素P3の3つのセグメントSG31乃至33とそれぞれ線対称に設けられている。また、副画素P1及びP4に着目すると、副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13は、幾何学中心PXCについて、副画素P4の3つのセグメントSG41乃至43とそれぞれ点対称に設けられている。
また、副画素P2において、セグメントSG22及びSG23は、それぞれサブエリアA22及びA23を有している。副画素P3において、セグメントSG32及びSG33は、それぞれサブエリアA32及びA33を有している。副画素P4において、セグメントSG42及びSG43は、それぞれサブエリアA42及びA43を有している。
副画素P2の中央部においては、セグメントSG21を中心として、3つのセグメントSG21乃至SG23が第1方向Xに沿って並んでいる。図示した例では、サブエリアA22、セグメントSG21、及び、サブエリアA23は、第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。また、サブエリアA22、セグメントSG21、及び、サブエリアA23は、サブエリアA13、セグメントSG11、及び、サブエリアA12と同一直線上に位置している。
副画素P3の中央部においては、セグメントSG31を中心として、3つのセグメントSG31乃至SG33が第1方向Xに沿って並んでいる。図示した例では、サブエリアA33、セグメントSG31、及び、サブエリアA32は、第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。
副画素P4の中央部においては、セグメントSG41を中心として、3つのセグメントSG41乃至SG43が第1方向Xに沿って並んでいる。図示した例では、サブエリアA42、セグメントSG41、及び、サブエリアA43は、第1方向Xに沿ってこの順に並んでいる。また、サブエリアA42、セグメントSG41、及び、サブエリアA43は、サブエリアA33、セグメントSG31、及び、サブエリアA32と同一直線上に位置している。
副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP1Xとする。また、副画素P3の3つのセグメントSG31乃至SG33が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP3Xとする。中心線P1Xと中心線P3Xとの第2方向Yに沿った間隔は、単位画素PXの長さLYの約1/2である。同様に、副画素P2の3つのセグメントSG21乃至SG23が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP2Xとする。また、副画素P4の3つのセグメントSG41乃至SG43が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP4Xとする。中心線P2Xと中心線P4Xとの第2方向Yに沿った間隔は、単位画素PXの長さLYの約1/2である。なお、中心線P1X及びP2Xは同一直線上に位置し、また、中心線P3X及びP4Xは同一直線上に位置している。
なお、後述するが、セグメントSG11乃至SG13の各々は、対応する形状の画素電極を備え、各セグメントの画素電極は互いに離間している。また、各副画素は、遮光層によって区画され、また、各セグメント間の境界にも遮光層が配置されている。つまり、図示した実線部分は、隣り合う画素電極の間の隙間に相当し、また、遮光層が配置される領域に相当する。
以上、単位画素PXの第1構成例について説明したが、各領域の面積の関係について、簡単に述べる。すなわち、副画素P1の面積は、3つのセグメントSG11乃至SG13を合わせた総面積に相当する。同様に、副画素P2の面積はセグメントSG21乃至SG23を合わせた総面積に相当し、副画素P3の面積はセグメントSG31乃至SG33を合わせた総面積に相当し、副画素P4の面積はセグメントSG41乃至SG43を合わせた総面積に相当する。単位画素PXの面積は、4つの副画素P1乃至P4を合わせた総面積に相当する。つまり、単位画素PXの面積は、12個のセグメント(セグメントSG11乃至SG13、セグメントSG21乃至SG23、セグメントSG31乃至SG33、セグメントSG41乃至SG43)を合わせた総面積と略同等である。
図7は、図6に示した各セグメントに対応する画素回路CRのレイアウトの一例を示す図である。ここでは、画素回路CRは、図中の一点鎖線で示した領域に形成されるものとし、その具体的な構成の図示は省略するが、図2に示した等価回路を実現できれば如何なる構成であっても良い。また、図示した画素回路は、いずれも同一レイアウトの構成を有している。一例では、1つの画素回路は、隣り合う2本の信号線と、隣り合う2本の制御線とで区画された領域に形成されるが、この例に限らず、電圧FRPあるいは電圧XFRPを供給するための配線などの他の配線によって区画されたものであっても良い。
図示した例では、信号線SL1乃至SL7は間隔をおいて第1方向Xに並び、制御線CL1乃至CL3は間隔をおいて第2方向Yに並んでいる。画素回路CR11乃至CR13、及び、画素回路CR21乃至CR23は、第1方向Xに並んでいる。画素回路CR31乃至CR33、及び、画素回路CR41乃至CR43は、第1方向Xに並んでいる。画素回路CR11乃至CR13、画素回路CR21乃至CR23、画素回路CR31乃至CR33、及び、画素回路CR41乃至CR43は、それぞれ第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さより短い領域に形成されている。画素回路CR11乃至CR13は、それぞれ画素回路CR31乃至CR33の第2方向Yに並んでいる。画素回路CR21乃至CR23は、それぞれ画素回路CR41乃至CR43の第2方向Yに並んでいる。
画素回路CR11乃至CR13は、制御線CL1及びCL2と、信号線SL1乃至SL4とによって区画されている。画素回路CR21乃至CR23は、制御線CL1及びCL2と、信号線SL4乃至SL7とによって区画されている。画素回路CR31乃至CR33は、制御線CL2及びCL3と、信号線SL1乃至SL4とによって区画されている。画素回路CR41乃至CR43は、制御線CL2及びCL3と、信号線SL4乃至SL7とによって区画されている。
図8は、画素電極PEと画素回路CRとの接続関係の一例を示す図である。なお、以下に述べる各接続部の構造については、図5を参照して説明した通りである。
副画素P1は、セグメントSG11乃至SG13の各々に位置する画素電極PE11乃至PE13と、画素回路CR11乃至CR13と、を備えている。画素電極PE11は、セグメントSG11の形状に対応した四角形の形状を有し、接続部CT11により画素回路CR12と電気的に接続されている。画素電極PE12は、セグメントSG12の形状に対応したL字形の形状を有し、図6に示したサブエリアA12内で接続部CT12により画素回路CR13と電気的に接続されている。画素電極PE13は、セグメントSG13の形状に対応したL字形の形状を有し、図6に示したサブエリアA13内で接続部CT13により画素回路CR11と電気的に接続されている。上記の通り、画素電極PE11はセグメントSG11と同一の面積を有し、画素電極PE12はセグメントSG12と同一の面積を有し、画素電極PE13はセグメントSG13と同一の面積を有している。このため、画素電極PE11、画素電極PE12、及び、画素電極PE13の面積比は、1:2:4(=20:21:22)である。
同様に、副画素P2において、画素電極PE21は、接続部CT21により画素回路CR22と電気的に接続されている。画素電極PE22は、接続部CT22により画素回路CR21と電気的に接続されている。画素電極PE23は、接続部CT23により画素回路CR23と電気的に接続されている。
接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置し、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。
副画素P3において、画素電極PE31は、接続部CT31により画素回路CR32と電気的に接続されている。画素電極PE32は、接続部CT32により画素回路CR33と電気的に接続されている。画素電極PE33は、接続部CT33により画素回路CR31と電気的に接続されている。
副画素P4において、画素電極PE41は、接続部CT41により画素回路CR42と電気的に接続されている。画素電極PE42は、接続部CT42により画素回路CR41と電気的に接続されている。画素電極PE43は、接続部CT43により画素回路CR43と電気的に接続されている。
接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置し、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23が第1方向Xに並ぶ位置と、接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43が第1方向Xに並ぶ位置との第2方向Yに沿ったピッチは、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの約1/2である。
また、副画素P1の面積は、3つのセグメントSG11乃至SG13を合わせた総面積と略同等であり、また、3つの画素電極PE11乃至PE13を合わせた総面積と略同等であり、また、3つの画素回路CR11乃至CR13の各々の設置面積を合わせた総面積と略同等である。同様に、副画素P2の面積は画素回路CR21乃至CR23の各々の設置面積を合わせた総面積と略同等であり、副画素P3の面積は画素回路CR31乃至CR33の各々の設置面積を合わせた総面積と略同等であり、副画素P4の面積は画素回路CR41乃至CR43の各々の設置面積を合わせた総面積と略同等である。つまり、単位画素PX1の面積は、12個の画素回路(画素回路CR11乃至CR13、画素回路CR21乃至CR23、画素回路CR31乃至CR33、画素回路CR41乃至CR43)の設置面積を合わせた総面積と略同等である。
図9は、本実施形態の第1構成例における階調表示の状態を示す図である。なお、図中において、L0乃至L7は、それぞれ階調値を示し、この順に、単位画素あたりの透過率あるいは輝度が上昇することを意味している。
階調値L0においては、単位画素PXのすべてのセグメントが黒を表示した状態となる。
階調値L1においては、セグメントSG11、SG21、SG31、SG41が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L2においては、セグメントSG12、SG22、SG32、SG42が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L3においては、セグメントSG11及びSG12、SG21及びSG22、SG31及びSG32、SG41及びSG42が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L4においては、セグメントSG13、SG23、SG33、SG43が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L5においては、セグメントSG11及びSG13、SG21及びSG23、SG31及びSG33、SG41及びSG43が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L6においては、セグメントSG12及びSG13、SG22及びSG23、SG32及びSG33、SG42及びSG43が白を表示した状態となり、他のセグメントは黒を表示した状態となる。
階調値L7においては、単位画素PXのすべてのセグメントが白を表示した状態となる。
なお、ここでの「セグメントが黒を表示した状態」とは、セグメントがオフの状態に相当し、上記の通り、画素電極で反射された光が光学素子で吸収された状態に相当する。また、「セグメントが白を表示した状態」とは、セグメントがオンの状態に相当し、上記の通り、画素電極で反射された光が光学素子を透過し、対応するカラーフィルタ層の色を表示した状態に相当する。
図示した例では、4つの副画素P1乃至P4の重心の位置は、各階調を表示した状態において同一であって、且つ、単位画素PXの幾何学中心PXCの位置に一致している。
上記の本構成例によれば、単位画素PXを構成する副画素P1乃至P4の各々は、面積の異なる3つのセグメント(例えば図8のセグメントSG11乃至SG13)を備え、2つのL字形のセグメントが1つの四角形のセグメントを囲むように配置されている。つまり、各副画素の中央部において、四角形のセグメントを中心として、第1方向Xに沿って3つのセグメントが並んでいる。これにより、副画素の各々におけるセグメントを単純かつコンパクトに配置することができる。
3つのセグメントの各々に対応する画素回路CRは、同一レイアウトの構成を有し、第1方向Xに並んでいる。一方で、3つのセグメントの各々に位置する画素電極PEは、各セグメントの形状に対応して互いに異なる形状を有しているが、上記の通り、各副画素の中央部においては、3つのセグメントに対応するそれぞれの画素電極PEが第1方向に沿って並ぶ。このため、各副画素において、画素電極PEと画素回路CRとを中継するためだけの機能を有する導体をこれら画素電極と画素回路の間の層に設ける必要はない。本構成例では、第1方向Xに並んだ接続部CTにおいて、同一レイアウトの各画素回路CRと、互いに異なる形状の各画素電極PEとを容易に接続することが可能となる。
したがって、中継用の導体等を設けるための追加の製造プロセスが不要となる。また、セグメントの形状に合わせて画素回路CRのレイアウトを変更する必要がなく、回路設計の負荷を軽減することが可能となる。また、各画素回路CRのレイアウトが画素電極PEと接続される位置の制約を受けないため、限られた面積の領域に画素回路CRを集積することができ、高精細化が可能となる。
また、第2方向Yに並ぶ2つの副画素においても、対応する画素回路CRは、同一のレイアウトを適用することができ、接続部CTの第2方向Yに沿ったピッチは、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの1/2である。一方で、各副画素において3つのセグメントが第1方向に並ぶ位置の第2方向Yに沿ったピッチも、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの1/2である。このため、第2方向Yに並ぶ各副画素においても、各画素回路CRと各画素電極PEとを容易に接続することが可能となる。
また、単位画素PXにおいて、副画素P1乃至P4の各々は、境界線B1及びB2について線対称の構成を有し、しかも、単位画素PXの幾何学中心PXCについて点対称の構成を有している。このため、4つの副画素P1乃至P4の重心の位置は、各階調を表示した状態において同一であり、且つ、単位画素PXの幾何学中心PXCの位置に一致する。したがって、表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
≪第1構成例:変形例≫
図10は、図6に示した構成の単位画素PXにおいて、画素電極PEと画素回路CRとの接続関係の他の例を示す図である。
画素回路CR11乃至CR13、及び、画素回路CR21乃至CR23は、第1方向Xに並んでいる。画素回路CR31乃至CR33、及び、画素回路CR41乃至CR43は、第1方向Xに並んでいる。各画素回路の構成については、上記の通りである。
副画素P1乃至P4の各々において、画素電極と画素回路との電気的な接続関係は、図8を参照して説明した通りである。副画素P1についてのみ簡単に説明すると、以下の通りである。画素電極PE11は、接続部CT11により画素回路CR12と電気的に接続されている。画素電極PE12は、接続部CT12により画素回路CR13と電気的に接続されている。画素電極PE13は、接続部CT13により画素回路CR11と電気的に接続されている。画素回路CR11乃至CR13は、それぞれ第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さより短い領域に形成され、かつ第1方向Xに並んでいる。接続部CT11乃至CT13は、それぞれ画素回路CR11乃至CR13の中央部から第2方向Yにずれている。接続部CT11乃至CT13は、電極群PE1の中央部を通り第1方向Xに平行な同一直線上に位置している。電極群PE1の一部は、少なくとも接続部CT11乃至CT13の並ぶ位置で、第1方向Xに並んでいる。電極群PE1の一部は、回路群CR1と重なる位置からずれており、第2方向Yに隣接する他の副画素の回路群と重なっている。他の副画素P2乃至P4における接続関係についての説明は省略する。
接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23は、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43は、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。接続部CT11乃至CT13が第1方向Xに並ぶ位置と、接続部CT31乃至CT33が第1方向Xに並ぶ位置との第2方向Yに沿ったピッチは、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの約1/2である。
このような例においても、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。
次に、本実施形態で適用可能な単位画素PXの他の構成例について説明する。
≪第2構成例≫
図11は、単位画素PXの第2構成例を示す図である。図11に示した第2構成例は、図6に示した第1構成例と比較して、副画素P3及びP4のそれぞれが副画素P1及びP2のそれぞれよりも大きな面積を有する点で相違している。
単位画素PXは、第1方向Xに沿った長さLX及び第2方向Yに沿った長さLYが等しい正方形状に構成されている。単位画素PXを構成する4つの副画素P1乃至P4は、それぞれ異なる色を表示し、一例では、副画素P1は緑色を表示し、副画素P2は赤色を表示し、副画素P3は青色を表示し、副画素P4は白色を表示する。
第1方向Xに並んだ副画素P1及びP2は、それぞれ等しい面積を有している。副画素P1及びP2のそれぞれは、第1方向XにLX/2の長さを有し、第2方向YにLYaの長さを有する四角形状に構成されている。図示した例では、副画素P1及びP2のそれぞれは、長さLX/2が長さLYaより長い横長の長方形状に構成されている。
第1方向Xに並んだ副画素P3及びP4は、それぞれ等しい面積を有している。副画素P3及びP4のそれぞれは、第1方向XにLX/2の長さを有し、第2方向YにLYbの長さを有する四角形状に構成されている。長さLYbは、長さLYaよりも長い。図示した例では、副画素P3及びP4のそれぞれは、長さLX/2が長さLYaより短い縦長の長方形状に構成されている。
すなわち、本実施形態では、第2方向Yに並ぶ副画素P1と副画素P3とは、互いに第1方向Xに同一の長さを有した状態で、副画素P1は横長の長方形状に、副画素P3は縦長の長方形状を呈するものとなる。ここで、各副画素のアスペクト比A=第2方向Yの長さ/第1方向Xの長さとすると、副画素P1のアスペクト比A1は0<A1<1となり、副画素P3のアスペクト比A3は1<A3となる。副画素P2と副画素P4との関係も、副画素P1と副画素P3との関係と同様である。
また、副画素P1の面積と、副画素P3の面積とを比較する。副画素P1及び副画素P3は、第1方向Xに沿った同一の長さLX/2を有している。副画素P1の第2方向Yに沿った長さLYaは、副画素P3の第2方向Yに沿った長さLYbよりも短い。このため、副画素P1の面積は、副画素P3の面積よりも小さい。同様に、副画素P2の面積は、副画素P4の面積よりも小さい。
単位画素PXにおいて、境界線B2に対して、副画素P1は、副画素P2と線対称の構成を有している。同様に、境界線B2に対して、副画素P3は、副画素P4と線対称の構成を有している。
なお、副画素P1を構成するセグメントSG11乃至SG13のそれぞれの面積は、副画素P3を構成するセグメントSG31乃至SG33のそれぞれの面積より小さい。このため、副画素P1の構成は、境界線B1に対して、副画素P3の構成とは非対称である。同様に、副画素P2を構成するセグメントSG21乃至SG23のそれぞれの面積は、副画素P4を構成するセグメントSG41乃至SG43のそれぞれの面積より小さい。このため、副画素P2の構成は、境界線B1に対して、副画素P4の構成とは非対称である。
副画素P1乃至P4のそれぞれの基本構成については、上記の第1構成例と同様である。すなわち、副画素P1は、セグメントSG11乃至SG13を備えている。セグメントSG11、セグメントSG12、及び、セグメントSG13の面積比は、例えば、1:2:4(=20:21:22)である。セグメントSG11は副画素P1の中央部に位置し、セグメントSG12はセグメントSG11よりも幾何学中心PXCに近接する側に位置し、セグメントSG13はセグメントSG11よりも幾何学中心PXCから離れる側に位置している。なお、図示した構成の単位画素PXにおいて、中央部とは、副画素P1の第2方向Yに沿った長さLYaの中間点、あるいは、第2方向Yに沿って境界線B1からの距離がLYa/2となる位置P1Cを含む領域である。また、幾何学中心PXCは、図中の点線で示した2本の対角線の交点として定義する。単位画素PXは、境界線B2に対して線対称の構成を有しているので、幾何学中心PXCは、境界線B2上に位置する。また、単位画素PXは、境界線B1に対して非対称の構成を有しているので、幾何学中心PXCは、境界線B1から離れている。すなわち、幾何学中心PXCの位置は、境界線B1及びB2の交点PXNの位置とは異なっている。
同様に、副画素P2はセグメントSG21乃至23を備え、副画素P3はセグメントSG31乃至33を備え、副画素P4はセグメントSG41乃至43を備えている。
それぞれの副画素P1乃至P4において、3ビットの面積階調における中間のビット(例えば21)に相当するセグメントSG12、SG22、SG32、SG42は、最も中心PXCの近くに位置し、最も交点PXNの近くに位置している。それぞれの副画素P1乃至P4において、3ビットの面積階調における最上位のビット(例えば22)に相当するセグメントSG13、SG23、SG33、SG43は、最も中心PXCから遠くに位置している。3ビットの面積階調における最下位のビット(例えば20)に相当するセグメントSG11、SG21、SG31、SG41は、それぞれの副画素P1乃至P4の中央部に位置している。
図示した単位画素PXを構成する12個のセグメントの位置関係について、他の観点から述べると、以下の通りである。すなわち、第1方向Xに並ぶ副画素P1及びP2に着目すると、副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13は、境界線B2について、副画素P2の3つのセグメントSG21乃至23とそれぞれ線対称に設けられている。第1方向Xに並ぶ副画素P3及びP4に着目すると、副画素P3の3つのセグメントSG31乃至SG33は、境界線B2について、副画素P4の3つのセグメントSG41乃至43とそれぞれ線対称に設けられている。
このような第2構成例においても、図6の第1構成例と同様に、副画素P1の中央部において3つのセグメントSG11乃至SG13が第1方向Xに並び、副画素P2の中央部において3つのセグメントSG21乃至SG23が第1方向Xに並び、副画素P3の中央部において3つのセグメントSG31乃至SG33が第1方向Xに並び、副画素P4の中央部において3つのセグメントSG41乃至SG43が第1方向Xに並んでいる。また、副画素P1の3つのセグメントSG11乃至SG13が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP1Xとし、副画素P3の3つのセグメントSG31乃至SG33が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP3Xとする。中心線P1Xと中心線P3Xとの第2方向Yに沿った間隔は、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの約1/2である。同様に、副画素P2の3つのセグメントSG21乃至SG23が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP2Xとする。また、副画素P4の3つのセグメントSG41乃至SG43が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP4Xとする。中心線P2Xと中心線P4Xとの第2方向Yに沿った間隔は、単位画素PXの長さLYの約1/2である。
図12は、全てのセグメントがオン状態である場合の単位画素PXの輝度中心を示す図である。
図示した例の単位画素PXは、図14で後述する階調値L7を表示した状態に相当し、全てのセグメントがオン状態となっている。なお、本図は、副画素P1において幾何学中心PXCから最も離れた角の位置を原点とし、第1方向Xの座標xと第2方向Yの座標yを用いて、座標(x,y)で位置を表すものとする。このとき、単位画素PXは、座標(0,0)、(LX,0)、(0,LY)、及び(LX,LY)を頂点とする四角形として表される。また、境界線B1は、座標(0,LYa)を通り第1方向Xに延在する直線であり、境界線B2は、座標(LX/2,0)を通り第2方向Yに延在する直線である。境界線B1及びB2の交点の座標は、(LX/2,LYa)と表される。
副画素P1単体の輝度中心P1Gは、座標(X1,Y1)に位置し、副画素P3単体の輝度中心P3Gは、座標(X3,Y3)に位置し、2つの副画素P1及びP3の輝度中心13Gは、座標(XG,YG)に位置するものとする。このとき、輝度中心13Gの座標は、下記の(1)式及び(2)式で定義される。
XG=(S3×X1+S1×X3)/(S1+S3) ……(1)
YG=(S3×Y1+S1×Y3)/(S1+S3) ……(2)
このとき、S1は副画素P1のうちのオン状態の領域の面積であり、S3は副画素P3のうちのオン状態の領域の面積である。輝度中心13Gは、輝度中心P1GとP3Gとを結ぶ線分上に位置し、輝度中心13GとP1Gとを結ぶ線分の長さと、輝度中心13GとP3Gとを結ぶ線分の長さとの比が、S1:S3となる点に位置する。
単位画素PXは、境界線B2に対して線対称な構造を有しているため、単位画素PXの輝度中心PXGは、境界線B2上に位置し、第2方向Yで輝度中心13Gと同じ座標に位置する。すなわち、輝度中心PXGは、座標(LX/2,YG)に位置する。
階調値L7の場合、副画素P1及びP3は、長方形状の領域がオン状態であるものとみなす。このため、面積S1は副画素P1の面積に相当し、面積S3は副画素P3の面積に相当する。輝度中心P1Gは副画素P1の外周に規定される四角形の対角線の交点に位置し、輝度中心P3Gは副画素P3の外周に規定される四角形の対角線の交点に位置するものとする。従って、S1=LYa×(LX/2)、S3=LYb×(LX/2)、Y1=LYa/2、及びY3=LYa+LYb/2となる。これらを(2)式に代入することで、YG=LYaが導出される。すなわち、輝度中心PXGの位置は、境界線B1と境界線B2との交点と同一であり、座標としては(LX/2,LYa)と表される。
単位画素PXの幾何学中心PXCは、座標として(LX/2,LY/2)と表される。すなわち、輝度中心PXG及び幾何学中心PXCは、境界線B2上に位置している。また、輝度中心PXGと幾何学中心PXCとは、第1方向Xで一致し、第2方向Yで距離(LY/2−LYa)ずれている。
図13は、図11に示した構成の単位画素PXにおいて画素電極PEと画素回路CRとの接続関係の一例を示す図である。
画素回路CR11乃至CR13、及び、画素回路CR21乃至CR23は、第1方向Xに並んでいる。画素回路CR31乃至CR33、及び、画素回路CR41乃至CR43は、第1方向Xに並んでいる。各画素回路の構成については、上記の通りである。
副画素P1乃至P4の各々において、画素電極と画素回路との電気的な接続関係は、図8を参照して説明した通りである。副画素P1についてのみ簡単に説明すると、以下の通りである。画素電極PE11は、接続部CT11により画素回路CR12と電気的に接続されている。画素電極PE12は、接続部CT12により画素回路CR13と電気的に接続されている。画素電極PE13は、接続部CT13により画素回路CR11と電気的に接続されている。他の副画素P2乃至P4における接続関係についての説明は省略する。
接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置し、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置し、第1方向Xに沿って等ピッチで並んでいる。接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP12Xとする。また、接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43が第1方向Xに並ぶ領域の中心線をP34Xとする。中心線P12Xと中心線P34Xとの第2方向Yに沿った間隔は、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの約1/2である。
このような第2構成例においても、上記の第1構成例と同様の効果が得られる。また、このような第2構成例では、単位画素PXを構成する副画素P1乃至P4の面積は、単位画素PXで要求される色合いやホワイトバランスなどに合わせて設定することが可能となる。
このような第2構成例における階調表示の状態について、以下に説明する。
図14は、本実施形態の第2構成例における階調表示の状態を示す図である。なお、図中において、L0乃至L7は、それぞれ階調値を示し、この順に、単位画素あたりの透過率あるいは輝度が上昇することを意味している。図14に示した階調表示状態の説明は、図9の説明と重複するため、詳細は省略する。
階調値L0においては、単位画素PXのすべてのセグメントがオフ状態(黒表示状態)となる。階調値L1においては、セグメントSG11、SG21、SG31、SG41がオン状態(白表示状態)となる。階調値L2においては、セグメントSG12、SG22、SG32、SG42がオン状態となる。階調値L3においては、セグメントSG11及びSG12、SG21及びSG22、SG31及びSG32、SG41及びSG42がオン状態となる。階調値L4においては、セグメントSG13、SG23、SG33、SG43がオン状態となる。階調値L5においては、セグメントSG11及びSG13、SG21及びSG23、SG31及びSG33、SG41及びSG43がオン状態となる。階調値L6においては、セグメントSG12及びSG13、SG22及びSG23、SG32及びSG33、SG42及びSG43がオン状態となる。階調値L7においては、単位画素PXのすべてのセグメントがオン状態となる。
図9に示した第1構成例では、4つの副画素P1乃至P4の重心の位置は、各階調を表示した状態において同一であって、且つ、単位画素PXの幾何学中心PXCの位置に一致している。一方で、図14に示した第2構成例では、単位画素PXの輝度中心PXGの位置は、各階調を表示した状態においてほぼ同一であって、且つ、単位画素PXの幾何学中心PXCの位置とは異なり、境界線B1及び境界線B2の交点PXNの位置とほぼ同一である。
単位画素PXが最大輝度となる階調値L7の状態にある単位画素PXの輝度中心PXGは、図12を参照して説明した通りである。次に、階調値L1乃至L6の中間階調の状態にある単位画素PXの輝度中心PXGについて、階調値L1及びL4を例に挙げて説明する。
図15は、図14に図示した階調値L1の場合の単位画素の輝度中心を示す図である。副画素P1乃至P4、及び、セグメントSG11乃至SG31、SG21乃至SG23、SG31乃至SG33、SG41乃至SG43のレイアウトは、図11に図示した単位画素PXと同じである。なお、境界線B1に接する位置のセグメントSG13及びSG33の第1方向Xの幅はLX1であり、境界線B2に接する位置のセグメントSG13の第2方向Yの幅はLY1であり、境界線B2に接する位置のセグメントSG33の第2方向Yの幅はLY3である。また、セグメントSG11及びSG31の第1方向Xの幅はLX2であり、セグメントSG11の第2方向Yの幅はLY2であり、セグメントSG31の第2方向Yの幅はLY4である。
図示した例では、図中に斜線で示したように、セグメントSG11、SG21、SG31、SG41がオン状態である。このとき、副画素P1及びP3単体のそれぞれの輝度中心P1G及びP3Gは、セグメントSG11及びSG31の輝度中心に相当する。図12で説明した様に、単位画素PXの輝度中心PXGは、座標(LX/2,YG)に位置する。以下で、YGを計算によって求める。
例えば、LX=LY=346、LYa=130、LYb=216、LX1=65、LX2=59.75、LY1=49、LY2=44.9、LY3=78、LY4=77.75とする。輝度中心P1Gは、座標として(X1,Y1)=(94.88,71.29)と表される。輝度中心P3Gは、座標として(X3,Y3)=(94.88,229.13)と表される。また、副画素P1のオン状態の領域の面積は、S1=2683と表される。副画素P3のオン状態の領域の面積は、S3=4646と表される。以上の数値を式(2)に代入することで、YG=129.1が算出される。単位画素PXの幾何学中心PXC、境界線B1及びB2の交点PXN、及び単位画素PXの輝度中心PXGは、それぞれ座標として(173,173)、(173,130)、及び(173,129.1)と表される。輝度中心PXGの幾何学中心PXCからのずれは、Y座標で173−129.1=43.9である。輝度中心PXGの交点PXNからのずれは、Y座標で130−129.1=0.9であり、交点PXNの座標を基準として0.69%である。すなわち、輝度中心PXGの位置は、幾何学中心PXCの位置とは異なり、交点PXNの位置とほぼ同一である。
図16は、図14に図示した階調値L4の場合の単位画素の輝度中心を示す図である。図示した例では、図中に斜線で示したように、セグメントSG13、SG23、SG33、SG43がオン状態である。このとき、副画素P1及びP3の単体の輝度中心P1G及びP3Gは、セグメントSG13及びSG33の輝度中心に相当する。L字形のセグメントSG13単体の輝度中心は、2つの四角形のサブセグメントS11及びS12の輝度中心として、(2)式を用いて算出することができる。サブセグメントS11は、境界線B1に隣接し、第2方向Yに延在する長方形である。サブセグメントS12は、境界線B2及びサブセグメントS11の間に位置し、第1方向Xに延在する長方形である。L字形のセグメントSG33単体の輝度中心は、2つの四角形のサブセグメントS31及びS32の輝度中心として、(2)式を用いて算出することができる。サブセグメントS31は、境界線B1に隣接し、第2方向Yに延在する長方形である。サブセグメントS32は、境界線B2及びサブセグメントS31の間に位置し、第1方向Xに延在する長方形である。
図16に図示した単位画素PXの寸法が図15と同じであるとする。輝度中心P1Gは、座標として(X1,Y1)=(85.7,40.1)と表される。輝度中心P3Gは、座標として(X3,Y3)=(86.6,281.1)と表される。また、副画素P1のオン状態の領域の面積は、S1=13742と表される。副画素P3のオン状態の領域の面積は、S3=22464と表される。以上の数値を式(2)に代入することで、YG=129.1が算出される。以上の数値を式(2)に代入することで、YG=131.4が算出される。単位画素PXの幾何学中心PXC、及び境界線B1及びB2の交点PXNの位置は、図15で説明した通りである。単位画素PXの輝度中心PXGは、座標として(173,131.4)と表される。輝度中心PXGの幾何学中心PXCからのずれは、Y座標で173−131.4=41.6である。輝度中心PXGの交点PXNからのずれは、Y座標で131.4−130=1.4であり、交点PXNの座標を基準として1.08%である。すなわち、輝度中心PXGの位置は、幾何学中心PXCの位置とは異なり、交点PXNの位置とほぼ同一である。
上記の第2構成例によれば、単位画素PXは、第1方向Xに並ぶ副画素P1及びP2と、副画素P3及びP4を有しており、副画素P1乃至P4は、それぞれ3つのセグメントを備えている。単位画素PXの輝度中心は、各階調を表示した状態においてほぼ同一であり、かつ、単位画素PXの幾何学中心PXCの位置とは異なっている。表示装置DSPは、視感度の低い青色の副画素P3を、赤色及び緑色の副画素P1及びP2より大きくすることで、単位画素PXにおける色のバランスを改善することができる。また、表示装置DSPは、輝度への影響の大きい白色の副画素P4を、赤色及び緑色の副画素P1及びP2より大きくすることで、単位画素PXの輝度を向上させることができる。さらに、表示装置DSPは、各階調L0乃至L7において、隣接する単位画素PXの輝度中心PXGの位置のピッチが変化しない為、階調特性の劣化を抑制することができる。すなわち、本構成例においては、このように単位画素PX内での各色に対応する副画素P1及びP4の大きさを変えることで単位画素PXとしての色のバランスを改善しつつ、且つ、単位画素PXの輝度中心PXGは各階調L0乃至L7によらず略同一とすることができ、これによって画質の向上が図られる。
従って、面積階調法を適用した構成において、表示品位の向上が可能な表示装置を提供することができる。
また、副画素P1は、四角形のセグメントSG11と、セグメントSG11よりも単位画素PXの幾何学中心PXCに接近する側に位置するL字形のセグメントSG12と、セグメントSG11よりも幾何学中心PXCから離れる側に位置するL字形のセグメントSG13と、を備えている。これにより、各階調L0乃至L7において、副画素P1単体の輝度中心の移動を小さくすることができる。従って、表示品位の向上が可能な表示装置を提供することができる。
≪第2構成例:第1変形例≫
図17は、画素回路CRのレイアウトの他の例を示す図である。画素回路CR11乃至CR13、画素回路CR21乃至CR23、画素回路CR31乃至CR33、及び、画素回路CR41乃至CR43のレイアウトについては、図7を参照して説明した通りである。
ここでは、画素回路CR11乃至CR13を例に、画素回路の構成について説明する。画素回路CRに対応する領域には、平面視で、図2で説明したラッチ部LT、及び、図5で説明した接続部CTが配置されている。ラッチ部LT及び接続部CTは、例えば、第2方向Yに隣り合って並んでいる。画素回路CR11乃至CR13は、平面視で、それぞれの中央部にラッチ部LT11乃至LT13を備えている。図13などを参照して既に説明したように、画素電極PE13と画素回路CR11とを接続する接続部CT13は、画素回路CR11に対応する領域に配置されている。同様に、画素電極PE11と画素回路CR12とを接続する接続部CT11は、画素回路CR12に対応する領域に配置されている。画素電極PE12と画素回路CR13とを接続する接続部CT12は、画素回路CR13に対応する領域に配置されている。接続部CT13、CT11、及びCT12は、ラッチ部LT11乃至LT13との重畳を避けるため、平面視で画素回路CR11乃至CR13の中央部から第2方向Yにずれている。図示した例では、接続部CT13は、第2方向Yに並んだラッチ部LT11とLT31との間に配置されている。接続部CT11及び接続部CT12も同様に、第2方向に並んだラッチ部の間に配置されている。
同様に、画素回路CR21乃至CR23は、それぞれの中央部にラッチ部LT21乃至LT23を備え、画素回路CR31乃至CR33は、それぞれの中央部にラッチ部LT31乃至LT33を備え、画素回路CR41乃至CR43は、それぞれの中央部にラッチ部LT41乃至LT43を備えている。
接続部CT22、CT21、CT23は、それぞれ画素回路CR21、CR22、CR23に対応する領域に配置されている。接続部CT33、CT31、CT32は、それぞれ画素回路CR31、CR32、CR33に対応する領域に配置されている。接続部CT42、CT41、CT43は、それぞれ画素回路CR41、CR42、CR43に対応する領域に配置されている。接続部CT22、CT21、CT23は、それぞれ画素回路CR21乃至CR23の中央部から第2方向Yにずれている。接続部CT33、CT31、CT32は、それぞれ画素回路CR31乃至CR33の中央部から第2方向Yにずれている。接続部CT42、CT41、CT43は、それぞれ画素回路CR41乃至CR43の中央部から第2方向Yにずれている。
第1方向Xに隣接する副画素P1及びP2に属する接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置している。同様に、ラッチ部LT11乃至LT13、及び、ラッチ部LT21乃至LT23は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置している。接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置している。ラッチ部LT31乃至LT33、及び、ラッチ部LT41乃至LT43は、第1方向Xに平行な同一直線上に位置している。
各々の画素回路CRの形状および大きさは、互いに等しい。また、各々の画素回路CRにおけるラッチ部LTおよび接続部CTの位置が同じであるため、ラッチ部LTと接続部CTとは、第2方向Yで交互に設けられている。例えば、第2方向Yに隣り合う画素回路CR11及びCR31に着目すると、ラッチ部LT11、接続部CT13、ラッチ部LT31、接続部CT33は、第2方向Yでこの順に交互に設けられている。
図18は、図11に示した構成の単位画素PXにおいて画素電極PEと図17に示した画素回路CRとの接続関係の一例を示す図である。なお、以下に述べる各接続部の構造については、図5を参照して説明した通りである。また、図6で前述したように、単位画素PXおよび副画素P1乃至P4のそれぞれの外寸は、表示に寄与する領域であり、遮光層によって区画された領域に当たるものとする。
副画素P1は、セグメントSG11乃至SG13の各々に位置する画素電極PE11乃至PE13からなる電極群PE1と、画素回路CR11乃至CR13からなる回路群CR1と、を備えている。画素電極PE11は、セグメントSG11の形状に対応した四角形の形状を有し、接続部CT11により画素回路CR12と電気的に接続されている。画素電極PE12は、セグメントSG12の形状に対応したL字形の形状を有し、図6に示したサブエリアA12内で接続部CT12により画素回路CR13と電気的に接続されている。画素電極PE13は、セグメントSG13の形状に対応したL字形の形状を有し、図6に示したサブエリアA13内で接続部CT13により画素回路CR11と電気的に接続されている。画素電極PE12は画素電極PE11よりも面積が大きく、画素電極PE13は画素電極PE12よりも面積が大きい。画素電極PE11乃至PE13の面積比は、1:2:4(=20:21:22)である。接続部CT11乃至CT13の各々は、電極群PE1の中央部を通っている。画素電極PE11乃至PE13は、少なくとも接続部CT11乃至CT13が配置された領域で、第1方向Xに並んでいる。副画素P1に備えられた回路群CR1は、接続部CT11乃至CT13の並び方向(第1方向X)に対して交差する方向(第2方向Y)に、副画素P1の表示領域からずれている。
電極群PE1の一部は、平面視で、対応する回路群CR1と重なる位置から第2方向Yにずれている。また、電極群PE1の一部は、回路群CR1と、第2方向Yに隣接する他の副画素P3の回路群CR3と、の間の領域と重なっている。さらに、電極群PE1の一部は、回路群CR3と重なっている。
画素電極PE11は、画素回路CR12と重なっている。画素電極PE12は、第2方向Yに隣り合って並んでいる画素回路CR13及びCR33と重なっている。画素電極PE13は、第2方向Yに隣り合って並んでいる画素回路CR11及びCR31と重なっている。図17に図示した制御線CL2は、第2方向Yに隣りあう回路群CR1と回路群CR3との間を延在しているので、制御線CL2は、画素電極PE12及びPE13と重なっている。また、制御線CL2は、画素電極PE11と画素電極PE12との境界と重なっている。
同様に、副画素P2において、画素電極PE21は、接続部CT21により画素回路CR22と電気的に接続されている。画素電極PE22は、接続部CT22により画素回路CR21と電気的に接続されている。画素電極PE23は、接続部CT23により画素回路CR23と電気的に接続されている。接続部CT21乃至CT23の各々は、電極群PE2の中央部を通っている。画素電極PE21乃至PE23は、少なくとも一部が第1方向Xに並んでいる。画素電極PE21乃至PE23からなる電極群PE2の一部は、対応する回路群CR2と重なる位置から第2方向Yにずれて、第2方向Yに隣接する他の副画素の回路群と重なっている。
副画素P3において、画素電極PE31は、接続部CT31により画素回路CR32と電気的に接続されている。画素電極PE32は、接続部CT32により画素回路CR33と電気的に接続されている。画素電極PE33は、接続部CT33により画素回路CR31と電気的に接続されている。接続部CT31乃至CT33の各々は、電極群PE3の中央部を通っている。画素電極PE31乃至PE33は、少なくとも一部が第1方向Xに並んでいる。画素電極PE31乃至PE33からなる電極群PE3の一部は、対応する回路群CR3と重なる位置から第2方向Yにずれて、第2方向Yに隣接する副画素P1の回路群CR1と重なっている。
副画素P4において、画素電極PE41は、接続部CT41により画素回路CR42と電気的に接続されている。画素電極PE42は、接続部CT42により画素回路CR41と電気的に接続されている。画素電極PE43は、接続部CT43により画素回路CR43と電気的に接続されている。接続部CT41乃至CT43の各々は、電極群PE4の中央部を通っている。画素電極PE41乃至PE43は、少なくとも一部が第1方向Xに並んでいる。画素電極PE41乃至PE43からなる電極群PE4の一部は、対応する回路群CR4と重なる位置から第2方向Yにずれて、第2方向Yに隣接する副画素P2の回路群CR2と重なっている。
回路群CR1乃至CR4は、単位画素PXの表示領域と重なる位置から、第2方向Yにずれている。回路群CR1乃至CR4は、それぞれ第2方向Yに沿った長さが等しく、長方形状もしくは正方形状である。また、回路群CR1乃至CR4の面積は、互いに等しい。回路群CR1の第2方向Yに沿った長さは、副画素P1の第2方向Yに沿った長さより長い。また、回路群CR3の第2方向Yに沿った長さは、副画素P3の第2方向に沿った長さより短い。回路群CR1とCR3との第2方向Yに沿った長さの和は、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYに等しい。
接続部CT11乃至CT13、及び、接続部CT21乃至CT23が第1方向Xに並ぶ位置と、接続部CT31乃至CT33、及び、接続部CT41乃至CT43が第1方向Xに並ぶ位置との第2方向Yに沿ったピッチは、単位画素PXの第2方向Yに沿った長さLYの約1/2である。
また、副画素P1において、その面積(あるいは、3つのセグメントSG11乃至SG13を合わせた総面積)は、画素回路CR11乃至CR13の各々の設置面積を合わせた総面積より小さい。同様に、副画素P2の面積は画素回路CR21乃至CR23の各々の設置面積を合わせた総面積より小さい。副画素P3の面積は画素回路CR31乃至CR33の各々の設置面積を合わせた総面積より大きく、副画素P4の面積は画素回路CR41乃至CR43の各々の設置面積を合わせた総面積より大きい。単位画素PX1の面積は、12個の画素回路(画素回路CR11乃至CR13、画素回路CR21乃至CR23、画素回路CR31乃至CR33、画素回路CR41乃至CR43)の設置面積を合わせた総面積と略同等である。
図19は、画素電極PEと図17に示した画素回路CRとの接続関係の他の例を示す図である。図19に示した例は、図18に図示した例と比較して、回路群CR1,CR2,CR3,CR4の位置が第2方向Yに沿ってずれている点で相違している。回路群CR1と回路群CR3との境界は、電極群PE1と電極群PE3との境界に対向している。回路群CR2と回路群CR4との境界は、電極群PE2と電極群PE4との境界に対向している。なお、接続部の電極群に対する位置は、図18に図示した例と同様である。
画素回路CR11は、画素電極PE13と重なっている。画素回路CR12は、画素電極PE11,PE12,PE13と重なっている。画素回路CR13は、画素電極PE12,PE13と重なっている。画素回路CR21は、画素電極PE22、PE23と重なっている。画素回路CR22は、画素電極PE21,PE22,PE23と重なっている。画素回路CR23は、画素電極PE23と重なっている。画素回路CR31は、画素電極PE33と重なっている。画素回路CR32は、画素電極PE31,PE32と重なっている。画素回路CR33は、画素電極PE32と重なっている。画素回路CR41は、画素電極PE42と重なっている。画素回路CR42は、画素電極PE41,PE42と重なっている。画素回路CR43は、画素電極PE43と重なっている。
図17に図示した制御線CL2は、電極群PE1と電極群PE3との境界、及び、電極群PE2と電極群PE4との境界と重なっている。図17に図示した制御線CL3は、電極群PE3において、画素電極PE33と重なっている。また、制御線CL3は、画素電極PE33と画素電極PE31との境界、及び、画素電極PE33と画素電極PE32との境界と重なっている。同様に、制御線CL3は、電極群PE4において、画素電極PE43と重なっている。また、制御線CL3は、画素電極PE43と画素電極PE41との境界、及び、画素電極PE43と画素電極PE42との境界と重なっている。
図5で説明した様に、画素電極PEと画素回路CRとは互いに別層に配置されており、画素電極PEと制御線CLとは互いに別層に配置されている。このため、図18及び図19で説明したように、画素電極PEの位置は、画素電極PEと画素回路CRとが接続部CTによって接続されていれば特に限定されるものではなく、画素回路CRと重なる領域からずれていてもよく、制御線CLの位置とは無関係に配置することができる。
上記の本構成例によれば、表示装置DSPは、副画素P1乃至P4を備えており、副画素P1はセグメントSG11乃至SG13を有している。セグメントSG11乃至SG13の各々に位置する電極群PE1の一部は、電極群PE1に電気的に接続される回路群CR1と重なる位置からずれている。電極群PE1の一部は、第2方向Yに隣接する他の副画素の回路群と重なっている。画素回路CR1は、第1方向Xに並び、接続部CT11乃至CT13は、画素回路CR11乃至CR13の中央部から第2方向Yにずれている。接続部CTは、第1方向X及び第2方向Yに沿って等ピッチで並んでいる。このため、表示装置DSPは、各副画素Pにおいて、画素電極PEと画素回路CRとを中継するためだけの機能を有する導体(電極)をこれら画素電極PEと画素回路CRとの間の層に設ける必要はない。本実施形態では、第1方向Xに並んだ接続部CTにおいて、同一レイアウトの各画素回路CRと、互いに異なる形状の各画素電極PEとを容易に接続することが可能となる。
したがって、中継用の導体等を設けるための追加の製造プロセスが不要となる。また、セグメントの形状に合わせて、画素回路CRのレイアウトを変更する必要がなく、回路設計の負荷を軽減することが可能となる。また、各画素回路CRのレイアウトが画素電極PEと接続される位置の制約を受けないため、限られた面積の領域に画素回路CRを集積することができ、高精細化が可能となる。
また、副画素P1は、四角形のセグメントSG11、セグメントSG11の交差する2辺11A及び11Cに沿って配置されたL字形のセグメントSG12、及びセグメントSG11の他の2辺11B及び11Dに沿って配置されたL字形のセグメントSG13を備えている。画素電極PE11乃至13は、セグメントSG11乃至13に沿って配置されている。これにより、階調の変化において、副画素P1単体の輝度中心の位置の変化を小さくすることができる。従って、表示品位の向上が可能な表示装置を提供することができる。また、各副画素P1乃至P4は、単位画素PXの幾何学中心PXCに近接する側にセグメントSG12、22、32、42を備え、単位画素PXの幾何学中心PXCから離間する側にントSG13、23、33、43を備えており、各階調L0乃至L7において、単位画素PXの輝度中心PXGの位置がほぼ同一となる。このため、表示装置DSPは、階調変化時の映像のチラつきを抑制し、表示品位を向上させることができる。
副画素P3及びP4の面積は、副画素P1及びP2の面積よりも大きい。副画素P3が青色画素であるため、表示装置DSPは、青色画素の視感度の低さを各副画素P1乃至P4の面積比によって補正し、単位画素PXの発色のバランスを改善することができる。また、表示装置DSPは、輝度への影響の大きい白色の副画素P4を、赤色及び緑色の副画素P1及びP2より大きくすることで、単位画素PXの輝度を向上させることができる。なお、単位画素PXを構成する副画素P1乃至P4の面積は、単位画素PXで要求される色合いやホワイトバランスなどに合わせて設定することが可能である。さらに、表示装置DSPは、各階調L0乃至L7において、隣接する単位画素PXの輝度中心PXGの位置のピッチが変化しない為、階調特性の劣化を抑制することができる。すなわち、本実施形態においては、このように単位画素PX内での各色に対応する副画素P1及びP4の大きさを変えることで単位画素PXとしての色のバランスを改善しつつ、且つ、単位画素PXの輝度中心PXGは各階調L0乃至L7によらず略同一とすることができ、これによって画質の向上が図られる。
≪第2構成例:遮光層≫
次に、本実施形態の単位画素PXに対応して配置される遮光層BMの一構成例について説明する。
図20は、遮光層BMの一構成例を示す図である。ここでは、単位画素PXの構成例として、図11に示した第2構成例を適用しているが、図6に示した第1構成例を適用しても良い。なお、図中において、光源は第2方向Yの負側に位置し、主視角方位は第2方向Yの正側であるものとする。ここで、主視角方位とは、ユーザが図4に示した反射型の表示パネルPNLを観察する方向を、X−Y平面に正射影した方位に相当する。この主視角方位では、光源LSから表示パネルPNLに入射した光が反射され、散乱層FSによって散乱されることで、輝度が最も明るくなる(あるいは、反射率が最も高くなる)ように設定される。主視角方位が第2方向Yの正側である場合、第1方向Xに並ぶ副画素と比較して、第2方向Yに並ぶ副画素において混色が顕著に発生しやすい。例えば、副画素P1及びP3について、副画素P1で反射された光のほとんどは、副画素P1に配置された緑色のカラーフィルタを透過する。他方、副画素P1での一部の反射光が副画素P3に配置された青色のカラーフィルタを透過することが考えられ、これによって混色が発生する場合がある。
遮光層BMは、第1方向Xに延出した遮光部BMX1乃至BMX3、及び、第2方向Yに延出した遮光部BMY1乃至BMY3を有し、副画素P1乃至P4の各々を区画している。
遮光部BMX1乃至BMX3は、それぞれ同一の幅W1を有している。遮光部BMY1乃至BMY3は、それぞれ同一の幅W2を有している。幅W1は、幅W2とは異なる。例えば、副画素P1及びP2と副画素P3及びP4との間に位置する遮光部BMX2の幅W1は、副画素P1及びP3と副画素P2及びP4との間に位置する遮光部BMY2の幅W2よりも大きい。なお、遮光層BMは、図示したように、各副画素を構成するセグメントの間にも配置されている。セグメント間に位置する遮光層は、ほぼ同一の幅を有し、例えば、遮光部BMY2と同一の幅W2を有している。
本構成例によれば、第2方向Yに並ぶ副画素において、一方の副画素での一部の反射光が他方の副画素に向かって反射されたとしても、遮光部BMX2によって遮光されるため、混色を抑制することが可能となる。したがって、表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
≪第3構成例≫
図21は、単位画素PXの第3構成例を示す図である。図14に示した第3構成例は、図11に示した第2構成例と比較して、各副画素において最小面積のセグメントが単位画素PXの幾何学中心PXCに近接する側に位置する点で相違している。
それぞれの単位画素PXにおいて、最小面積のセグメントSG11、SG21、SG31、SG41は、幾何学中心PXCに最も近接する側に位置する四角形の領域に相当する。最大面積のセグメントSG13、SG23、SG33、SG43は、幾何学中心PXCから最も離間した側に位置するL字形の領域に相当する。セグメントSG12、SG22、SG32、SG42は、最小面積のセグメントSG11乃至SG41と、最大面積のセグメントSG13乃至SG43との間に位置するL字形の領域に相当する。副画素P1及びP3は、境界線B2について副画素P2及びP4と線対称の構成を有している。副画素P1の第2方向Yの長さLYaは副画素P2の第2方向の長さLYbより短く、副画素P1の第1方向Xの長さは副画素P2の第2方向の長さと等しい。
このような第3構成例においても、上記と同様の効果を得ることができる。
≪比較例≫
図22は、単位画素PXの比較例を示す図である。図22に示した比較例は、図6に示した第1構成例と比較して、各副画素において最小面積のセグメントが単位画素PXの幾何学中心PXCに近接する側に位置する点で相違している。
副画素P1に着目すると、最小面積のセグメントSG11は幾何学中心PXCに最も近接する側に位置する四角形の領域に相当し、最大面積のセグメントSG13は幾何学中心PXCから最も離間した側に位置するL字形の領域に相当し、セグメントSG12はセグメントSG11及びSG13の間に位置するL字形の領域に相当する。副画素P2は、境界線B2について副画素P1と線対称の構成を有している。副画素P3は、境界線B1について副画素P1と線対称の構成を有している。副画素P4は、幾何学中心PXCについて副画素P1と点対称の構成を有している。副画素P1乃至P4の各々は、それぞれのセグメントに対応した形状の画素電極を有している。
ここで、図示した比較例において、図7に示した各画素回路と、各画素電極とを電気的に接続する接続部のレイアウトについて検討する。
まず、図中の丸“○”で示した接続部CTAのレイアウトについて検討する。副画素P1に位置する3つの接続部CTAは、第1方向Xに並んでいる。このため、セグメントSG11乃至SG13に対応する3つの画素回路は、同一レイアウトを適用可能である。しかしながら、第2方向Yに並んだ副画素P1及びP3に着目すると、接続部CTAは、境界線B1について線対称の位置にある。このため、第2方向Yに並んだセグメントSG11及びSG31のそれぞれの画素回路は、同一レイアウトを適用することができず、境界線B1について線対称の位置に接続部CTAをレイアウトする必要がある。つまり、図示した単位画素PXにおいて、12個の画素回路と画素電極とがそれぞれ接続されるが、境界線B1を挟んで上側半分の6個の画素回路と、下側半分の6個の画素回路とで、異なるレイアウトを適用しなければならない。
次に、図中の四角“□”で示した接続部CTBのレイアウトについて検討する。副画素P1に位置する3つの接続部CTBは、幾何学中心PXCから放射状に並んでいる。このため、セグメントSG11乃至SG13に対応する3つの画素回路は、異なるレイアウトを適用しなければならない。勿論、他の副画素についても同様に、対応する3つの画素回路はそれぞれ異なるレイアウトが適用される。
このように、比較例では、同一レイアウトの各画素回路と、互いに異なる形状の各画素電極とを容易に接続することができない。本実施形態と同様の接続を可能とするためには、画素電極と画素回路とを中継するための導体等が必要となり、製造プロセスの増加、製造コストの増加を招くことになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、面積階調法を適用した構成において、各画素におけるセグメントを単純かつコンパクトに配置した表示装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。