JP2017107021A - トナー外添剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、分散性に優れるとともに、トナーに付加した場合にトナーへの付着性が良好であり、且つトナー表面の滑り性(流動性)が良好となるトナー外添剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のトナー外添剤は、1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を有する架橋性モノマー単位を10質量%以上、50質量%以下の割合で含む重合体で構成され、体積平均粒子径が5nm以上、100nm以下であり、粒子径の変動係数が30%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー外添剤に関する。
電子写真機、複写機、プリンター等に用いられる現像剤に使用されるトナーには、トナー粒子の流動性、帯電性、感光ドラムのクリーニング性等を向上させるために、外添剤が添加されている。
このような外添剤としては無機材料を使用した無機粒子と、有機材料を使用した有機粒子とが知られている。無機粒子としては、シリカ、チタニア又はアルミナ等の無機材料からなるものが使用されている。しかしながら、無機粒子はそれ自体が硬すぎることから、トナー粒子同士の接触や衝突によって、トナー粒子表面に存在する無機粒子がトナー粒子に埋没し易く、外添剤としての効果が発現し難いといった問題があった。
これに対して、樹脂等からなる有機粒子は硬度や強度の制御が可能であるため無機粒子の場合のような問題が起こり難く、外添剤としての効果を発現させ易いといった利点がある。このような有機粒子からなるトナー外添剤として、特許文献1〜3には、(メタ)アクリル系重合体からなる有機粒子が記載されている。
特開2011−173965号公報 国際公開第2014/157464号 特開2012−201862号公報
しかし、特許文献1〜3に記載の有機粒子は、分散性が十分でない場合があった。またトナーに付加すると、トナー表面への付着性が十分でなく、或いはトナー表面の滑り性(流動性)が十分に向上しない場合があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、分散性に優れるとともに、トナーに付加した場合にトナーへの付着性が良好であり、且つトナー表面の滑り性(流動性)が良好となるトナー外添剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討する中で、トナー外添剤を特定のモノマーに由来する構造単位を有する重合体で構成した上で、その粒子径を特定範囲とし、さらに粒子径分布を狭めると、分散性が良好になるとともに、トナーに付加した場合にトナーへの付着性が良好であり、かつ滑り性(流動性)が良好となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るトナー外添剤は、1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を有する架橋性モノマー単位を10質量%以上、50質量%以下の割合で含む重合体で構成され、体積平均粒子径が5nm以上、100nm以下であり、粒子径の変動係数が30%以下であることを特徴とする。
前記架橋性モノマーは、芳香族架橋性モノマーであることが好ましい。
前記トナー外添剤は、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー単位を有することが好ましい。
前記トナー外添剤1質量部と、体積平均粒子径5μmの球形試験粒子100質量部とを、室温下20,000rpmの回転速度で2分間混合して、トナー外添剤を前記球形試験粒子に付着させる試験を行った時、下記式に基づいて算出される付着分散性指数が5%以上であることが好ましい。
付着分散性指数(%)=独立微粒子密度(個/μm2)/最大理論粒子存在個数(個/μm2)×100
ただし、前記独立微粒子密度とは、前記付着試験後の球形試験粒子表面を走査型電子顕微鏡により拡大倍率15,000〜20,000倍で観察した時に、球形試験粒子表面に付着しているトナー外添剤の個数密度を表し、2つ以上のトナー外添剤同士がくっついている場合には、くっついたトナー外添剤は1個としてカウントする。
また前記最大理論粒子存在個数(個/μm2)は、下記式によって求まる値である。
最大理論粒子存在個数(個/μm2)=0.9/{(π/4)×トナー外添剤の体積平均粒子径(μm)の二乗}
トナー粒子と、前記トナー外添剤を含むトナー組成物も、本発明の技術的範囲に包含される。
以下、モノマーに由来する構造単位を単に「モノマー単位」という場合がある。
本発明に係るトナー外添剤は、特定のモノマーに由来する構造単位を所定の割合で有し、粒子径が特定範囲であり、且つ粒子径の変動係数が低く抑制されているため、粒子の凝集が抑制され、また凝集している場合でも個々の粒子にほぐす事が容易であり、分散性が良好である。そして、トナーに付加した場合には、トナーへの付着性が良好となり、トナー表面を均一に被覆することができる。その結果、トナーの滑り性(流動性)が良好となる。
図1は、実験例1で得られた複合粒子の走査型電子顕微鏡画像である。
1.トナー外添剤
本発明のトナー外添剤は、1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を有する架橋性モノマー単位を10質量%以上、50質量%以下の割合で含む重合体で構成される。そのため、トナー外添剤の分散性が向上しやすくなる。そして、その体積平均粒子径が5nm以上、100nm以下であって、さらに粒子径の変動係数が30%以下である。そのため、分散性が良好であるとともに、トナーへの付着性、ひいては、トナー外添剤を表面に付与したトナー(集合体)の流動性が良好となる。
1分子中にエチレン性二重結合を2個以上有するモノマー(以下、「架橋性モノマー」という場合がある)に由来する構造単位を含むことで、トナー外添剤の分散性を向上しやすくなる。
前記架橋性モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,7−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール系ジ(メタ)アクリレート(アルキレングリコール単位の繰り返し数は、例えば2〜150);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋性モノマー;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルトルエン、4,4’−ジビニルビフェニル及びこれらの誘導体等の芳香族架橋性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3つ以上の(メタ)アクリル酸がエステル結合した化合物;等が挙げられる。
中でもエチレン性二重結合を2〜4個含むモノマーが好ましく、エチレン性二重結合を2〜3個含むモノマーがより好ましく、エチレン性二重結合を2個含むモノマーがさらに好ましい。
架橋性モノマー単位の割合は、トナー外添剤を構成する重合体中5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。架橋性モノマー単位の割合が大きいほど、トナー外添剤をトナー表面に付加した場合の滑り性(流動性)が良好となる。
なお本明細書において、重合体中の各モノマー単位の割合は、原料モノマー全量における各モノマーの割合に近似することができ、本明細書において、原料モノマー全量における各モノマーの割合について記載した数値は、いずれも重合体における各モノマー単位の割合に適用できる。
また、架橋性モノマーは、1分子中に芳香族環と2つ以上のエチレン性二重結合とを有する芳香族架橋性モノマーを含むことが好ましい。このため、本発明のトナー外添剤を構成する重合体において、芳香族架橋性モノマー単位の割合は、架橋性モノマー単位中、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上であり、特に好ましくは100質量%である。芳香族架橋性モノマー単位の割合が多いと、得られるトナー外添剤の分散性がよりいっそう良好である。
前記トナー外添剤は、さらに、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー単位を有することが好ましい。アルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしては、アルキル基の炭素数が1以上4以下(好ましくは1以上3以下)であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。アルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系モノマー単位は、トナー外添剤を構成する重合体中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上であり、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは90質量%以下である。
また、本発明のトナー外添剤は、架橋性モノマー、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー以外の他のモノマーに由来する構造単位を含んでいてもよい。
前記他のモノマーとしては、エチレン性二重結合を1つ含むモノマーが挙げられ、(メタ)アクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ヒドロキシスチレン等の芳香族ビニルモノマー;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有単官能(メタ)アクリル系モノマー;等が挙げられる。
前記他のモノマーに由来する構造単位の割合は、トナー外添剤を構成する重合体中、60質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、よりいっそう好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、10質量%以下であることが特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位の割合は、トナー外添剤を構成する重合体中、1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%未満、さらに好ましくは0.07質量%以下である。
上記各モノマーに由来する構造単位を有する重合体の割合は、トナー外添剤中、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明のトナー外添剤における塩基性物質の含有量は、0.3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。
前記塩基性物質としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;アルカリ金属水酸化物;アルカリ金属アルコキシド;等が挙げられる。
本発明のトナー外添剤は、上記重合体で構成され、体積平均粒子径が5nm以上、100nm以下であって、且つ粒子径の変動係数(CV値)が30%以下である。そのため、分散性が良好である。さらには、トナーに付加した場合には、トナーに対する付着性、さらにはトナーの滑り性(流動性)が良好となる。
トナー外添剤の体積平均粒子径は、5nm以上であり、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、200nm以下であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下である。
さらに、粒子径の変動係数(CV値)は、30%以下であり、25%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは17%以下であり、0%であることが最も好ましいが、例えば3%以上、さらには5%以上であってもよい。
なおトナー外添剤の粒子径の変動係数(CV値)は、トナー外添剤の体積平均粒子径と、トナー外添剤の粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて得られる値である。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
前記体積平均粒子径は、光散乱粒度分布測定機(たとえば、Particle Sizing Systems社製の「Nicomp MODEL 380」など)を用いた測定により求めることができる。
本発明のトナー外添剤は、上記モノマーに由来する構造単位を有し、その粒子径が所定範囲にあり、かつ粒子径分布が狭いため(変動係数が抑制されているため)、分散性、及び流動性が良好である。トナー外添剤の分散性は、例えば、付着分散性指数(%)により評価することができる。付着分散性指数(%)は、前記トナー外添剤1質量部と、体積平均粒子径5μmの球形試験粒子100質量部とを、室温(例えば20〜30℃)下20,000rpmの回転速度で2分間混合して、トナー外添剤を前記球形試験粒子に付着させる試験を行った時、下記式に基づいて算出される値を意味する。
付着分散性指数(%)=独立微粒子密度(個/μm2)/最大理論粒子存在個数(個/μm2)×100
ただし、前記独立微粒子密度とは、前記付着試験後の球形試験粒子表面を走査型電子顕微鏡により拡大倍率10,000〜20,000倍で観察した時に、球形試験粒子表面に付着しているトナー外添剤の個数密度を表し、2つ以上のトナー外添剤同士がくっついている場合には、くっついたトナー外添剤は1個としてカウントする。
また前記最大理論粒子存在個数(個/μm2)は、全てのトナー外添剤が平均粒子径と同じ粒子径を有し、隙間なく1層にかつ互いにくっつかないで存在していると仮定した時の最大存在個数密度を表し、下記式によって求まる値である。
最大理論粒子存在個数(個/μm2)=0.9/{(π/4)×トナー外添剤の体積平均粒子径(μm)の二乗}
前記付着分散性指数(%)は、5%以上であることが好ましく、より好ましくは6%以上であり、例えば50%以下、さらには20%以下、特に10%以下であってもよい。
なお球形試験粒子は、金属(特に、ケイ素鉄)、樹脂等のいずれで構成されていてもよい。
また、本発明のトナー外添剤は、乾燥粉体であり、トナー外添剤に含まれる水分含有率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下であり、例えば0.1%以上であり、0.5%以上であってもよい。トナー外添剤を乾燥粉体とするためには、例えば、出口温度75℃以上(好ましくは80℃以上)のスプレードライヤーで噴霧乾燥すればよい。
トナー外添剤の形状は、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状のいずれでもよく、球状が好ましい。また、粒子表面の形状は、平滑状、襞状、多孔状のいずれでもよく、平滑状が好ましい。
本発明のトナー外添剤は、上記架橋性モノマー及び必要に応じて用いるアルキル(メタ)アクリレート系モノマーその他各種モノマー(以下、これらをまとめて「単量体成分」という場合がある。)を重合することにより得られる。重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、分散重合等が挙げられる。中でも、乳化剤の存在下、上記単量体成分を反応溶媒に分散させて(ラジカル)重合反応を行う乳化重合が好ましい。
前記乳化剤としては、分散安定性の観点から、アニオン性乳化剤が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、1種又は2種以上を使用でき、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリウム等の脂肪酸油;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩等のポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられ、中でもアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
乳化剤は、単量体成分の合計100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上であり、2質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
前記反応溶媒としては、水;アルコール類、ケトン類などの有機溶媒(特に親水性有機溶媒)が挙げられ、水、又は水と有機溶媒との混合溶媒が好ましい。反応溶媒は、単量体組成物100質量部に対して、通常100質量部以上の範囲で実施され、好ましくは500質量部以上、より好ましくは700質量部以上、さらに好ましくは800質量部以上であり、1900質量部以下であることが好ましい。
反応系内への単量体成分の添加態様については特に限定されず、重合開始剤の添加前に全量を一度に反応容器へと仕込む態様;単量体組成物の一部を重合させた後、残部を一度に、あるいは、分割して反応系内へと添加する態様;単量体組成物を一定の割合で連続的に反応系内へと添加する態様;等、様々な態様を採用することができる。粗大な重合体が生成するのを防止する観点から、単量体組成物の一部を重合させた後、残部を反応系内へと(一度または連続的に)添加する態様が好ましい。この場合、単量体組成物の一部の重合を開始した後、重合が完結する前に、重合温度に保ったまま残部を添加することが好ましい。これにより、トナー外添剤の粒子径分布を狭くしやすくなり、同時にトナー外添剤は、単一層構造を有するものとなる。トナー外添剤の層構造は、走査型電子顕微鏡により断面を観察することにより確認することができる。
単量体成分を重合する際には、例えば、重合開始剤、紫外線や放射線の照射、熱の印加等の手段が用いられ、重合開始剤を使用することが好ましく、単量体成分の分散性の観点から、酸化剤及び還元剤の組合せであるレドックス系重合開始剤を使用することが好ましい。
前記酸化剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;等の無機過酸化物、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルヒドロパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルケトンパーオキサイドなどケトンパーオキサイド類;等の有機過酸化物が挙げられる。
還元剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、アスコルビン酸およびアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム等のアスコルビン酸塩類;エリソルビン酸およびエリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム等のエリソルビン酸塩類;酒石酸および酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムなどの酒石酸塩類;亜燐酸および亜燐酸ナトリウム、亜燐酸カリウム等の亜燐酸塩類;亜燐酸水素ナトリウム、亜燐酸水素カリウム等の亜燐酸水素塩類;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩類;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩類;チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩類;チオ亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸カリウム等のチオ亜硫酸塩類;ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどのピロ亜硫酸塩類;ピロ亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸水素カリウム等のピロ亜硫酸水素塩類;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムなどのピロリン酸塩類;ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム)等が挙げられる。また、必要に応じてレドックス系重合開始剤の活性化剤として、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、あるいはセリウム等の重金属の硫酸塩または塩化物塩を併用することもできる。
上記酸化剤及び還元剤としては、その化合物中に含まれるイオン(金属イオン等)成分量が少ないもの、あるいは、イオン成分を含まないものを用いることが推奨される。好ましい組合せとしては、過酸化水素やt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類等の過酸化物から選択される1種以上の酸化剤と、アスコルビン酸、酒石酸およびエリソルビン酸から選択される1種以上の還元剤との組合せが好ましい。特に、過酸化水素を酸化剤として、アスコルビン酸、酒石酸、エリソルビン酸から選択される1種以上の化合物を還元剤とする組合せが好ましい。
レドックス系重合開始剤(還元剤及び酸化剤の合計)は、単量体成分の合計100質量部に対して、0.1質量部以上とすることが好ましく、より好ましく0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
また、重合開始剤は、最初(反応開始前)に(好ましくは単量体成分と共に乳化分散させ)全量仕込んでおいてもよく、最初に一部を仕込んでおき、残りを連続フィード添加してもよく、断続的にパルス添加してもよく、これらを組み合わせた方法で添加してもよい。
なお、反応液中、塩基性物質は、単量体成分の合計100質量部に対して、0.3質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以下である。
重合反応を行う際の反応温度は、例えば、30℃以上とするのが好ましく、より好ましくは60℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは95℃以下である。反応温度がこの範囲にあれば、重合反応の制御が容易である。反応時間は、通常、10分〜1200分が好ましく、より好ましくは30分〜360分である。
また、生成するトナー外添剤の粒子径をコントロールするため、重合反応前、あるいは重合反応中に、単量体成分を含む液滴径を制御することが好ましい。重合反応を行う際の撹拌所要動力は、例えば、0.01kW/m3以上とするのが好ましく、より好ましくは、0.05kW/m3以上、0.1kW/m3以上、2.0kW/m3以下が好ましく、1.0kW/m3以下、0.5kW/m3以下である。
得られたトナー外添剤は、必要に応じて濃縮又は固液分離し、乾燥しておくことが好ましい。乾燥の際には、出口温度75℃以上(好ましくは80℃以上)で噴霧乾燥することが好ましい。本発明のトナー外添剤は分散性が良好であるため、凝集しにくく、また凝集した場合であっても、容易にほぐすことができる。このため、解砕は不要であるが、必要に応じて解砕等してもよい。
本発明のトナー外添剤は、特定のモノマー単位を含む重合体で構成され、かつ粒子径の変動係数が小さく粒子径分布が狭いため、分散性が良好である。また、トナー外添剤をトナーに付加した場合、トナーへの付着性が良好であり、かつトナーに滑り性(流動性)を付与することができる。このため本発明のトナー外添剤は、電子写真機、複写機プリンター等に使用される現像剤(トナー、特に静電荷像現像用トナー)の凝集等を抑制し、これらの流動性を向上させる外添剤として好適に用いられる。
2.分散体
上記トナー外添剤を含む分散体も本発明の範囲に包含される。前記分散体は、トナー外添剤、溶媒、及び必要に応じて界面活性剤を含む。本発明のトナー外添剤は、分散性が良好であり、分散体としての貯蔵安定性も良好である。
トナー外添剤の割合は、分散体100質量部中、1質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であり、30質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
前記溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;等が挙げられ、これらを混合してもよい。前記溶媒としては、水、又は水とアルコール、ケトン等の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。
溶剤は、分散体100質量部中、1質量部以上、94質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以上、80質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上、70質量部以下である。
また、溶媒が水を含む場合、水は、溶剤100質量部中、50質量部以上が好ましく、より好ましくは80質量部以上であり、100質量部以下であることが好ましい。
前記界面活性剤としては、粒子径制御の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも特に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。なお、界面活性剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
界面活性剤を用いる場合、その含有量は、分散体100質量部中、0.001質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。界面活性剤が多いほど、分散体におけるトナー外添剤の分散性を高めやすくなり、界面活性剤の含有量を適度に抑制することで、トナー外添剤を乾燥させたときの吸湿性を抑制でき、また分散体の発泡を抑制できる。
本発明の分散体のpHは、2〜8が好ましい。
トナー外添剤、溶媒、及び必要に応じて用いられる界面活性剤の合計は、分散体100質量部中、90質量部以上であることが好ましく、より好ましくは95質量部以上、さらに好ましくは98質量部以上である。
なお分散体は、トナー外添剤の分散性を損なわない範囲で、各種添加剤を含んでいてもよい。分散体は、上記トナー外添剤(乾燥粒子)と溶媒、及び界面活性剤を混合してもよいし、トナー外添剤を製造する際の反応液をそのまま分散体としてもよい。
3.トナー組成物
本発明のトナー組成物は、トナー粒子とトナー外添剤とを含む。本発明のトナー外添剤は、分散性が良好であるため、凝集しにくく、また凝集している場合であっても、容易にほぐすことができる。このため、得られたトナー外添剤を解砕することなく、トナーに付加した場合でも、トナー表面に付着して重なりあうことなく均一に被覆することができる。その結果、トナー組成物の流動性が良好となる。
また、トナー組成物において、トナー外添剤の含有量は、トナー粒子同士のブロッキングによる凝集を抑制する観点から、トナー粒子100質量部に対して5質量部以下であるのが好ましく、より好ましくは3質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以下である。また、定着性や転写性等の特性を維持し、トナーの調製を容易にする観点から、トナー外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上とするのが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上であり、さらに好ましくは0.5質量部以上である。
前記トナー粒子としては、例えば、バインダー樹脂に着色剤や荷電制御剤を含有させたものが使用できる。バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、着色剤としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、アゾ染料、ニグロシン染料、体質顔料等が挙げられる。これらの着色剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜40質量部である。また、荷電制御剤としては、ニグロシン染料、アジン染料、金属錯塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは0〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部である。なお粒子には、上記着色剤や荷電制御剤以外にも、離型剤等の添加剤が含まれていてもよい。
トナー粒子の平均粒子径は、1μm以上、25μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、20μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
トナー粒子とトナー外添剤の平均粒子径の比率(トナー粒子/トナー外添剤)は、例えば、好ましくは10以上、より好ましくは50以上であり、20000以下であることが好ましく、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下、特に好ましくは200以下である。
上記トナー組成物は、トナー粒子、トナー外添剤以外に環境安定性、帯電量安定化、転写効率の改善及び耐久性の向上を目的とする他の成分を含んでいてもよい。
前記トナー組成物は、トナー外添剤とトナー粒子とを混合することにより製造することができる。上記分散体を用いる場合、トナー外添剤を含む分散体とトナー粒子とを混合する前に溶媒を除去しておいてもよいし、トナー外添剤を含む分散体とトナー粒子とを混合してから溶媒を除去しておいてもよい。
この際、撹拌翼の周速は、例えば、48〜98m/sであることが好ましく、より好ましくは58〜82m/sである。
また、撹拌時間は、30秒〜10分が好ましく、より好ましくは1分〜5分である。
本発明のトナー組成物の流動性は、パウダテスタ(PT−E型 ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、目開き150μm、100μm、45μmの篩(平織金網、規格JIS Z 8801−1)を強度4.5の条件で振動させながら、トナー組成物3〜10gをこれらの篩で10秒間篩い分けした後、目開き150μmの篩上トナー組成物残量をA、目開き100μmの篩上のトナー組成物残量をB、目開き45μmの篩上のトナー組成物残量をCとしたとき、下記式で表される流動性指数(%)に基づいて評価することができる。
流動性指数(%)=〔(A+0.6×B+0.2×C)/測定試料重量〕×100
前記流動性指数(%)は、80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
また、上記トナー組成物において、トナー粒子表面にトナー外添剤が重なり合わずに被覆された複合粒子が形成されていることが好ましい。トナー外添剤の変動係数が小さく粒子径分布が狭いため、こうした複合粒子(トナー粒子表面にトナー外添剤が被覆された粒子)のブロッキングが効果的に抑制され、流動性が良好となる。
上記複合粒子におけるトナー外添剤の付着性は、上記付着分散性指数により評価することができ、付着分散性指数は、5%以上であることが好ましく、より好ましくは6%以上であり、例えば50%以下、さらには20%以下、特に10%以下であってもよい。
また、本発明の複合粒子は、トナー粒子への付着性が良好なトナー外添剤で覆われているため、トナー粒子表面において、トナー外添剤に被覆されずに露出している面積(露出面積)の割合が抑制されている。露出面積の割合は、例えば、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましい。また、通常10%以上であり、例えば55%以上、さらには82%以上であってもよい。露出面積の割合が小さいほど、複合粒子の流動性が良好になる。
また、上記トナー組成物の流動性の評価方法を複合粒子にも適用することができ、複合粒子(集合体)の流動性指数(%)は、80%以下である事が好ましく、50%以下であることがより好ましい。
特に、上記トナー組成物及び複合粒子は、トナー(例えば静電荷現像用トナー)用途に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
(1)トナー外添剤の平均粒子径および粒度分布(CV値)の測定
下記製造例で得られたトナー外添剤の分散液をイオン交換水で希釈して光散乱粒度分布測定機(Particle Sizing Systems社製、「Nicomp MODEL 380」)にて測定して、トナー外添剤の体積平均粒子径(nm)を求めた。
また、上記装置により得られた体積平均粒子径、及び粒子径の標準偏差から、変動係数(CV値:%)を下式より求めた。
変動係数(CV値:%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
(2)流動性評価
パウダテスタ(PT−E型 ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、目開き150μm、100μm、45μmの篩(平織金網、規格JIS Z 8801−1)を強度4.5の条件で10秒間振動させ、上記複合粒子を篩い分けた後、それぞれの篩上の複合粒子残量を測定し、以下に示す式を用いて算出した。
流動性指数(%)=〔(A+0.6×B+0.2×C)/測定試料重量〕×100
A:目開き150μmの篩上の複合粒子残量(g)、B:目開き100μmの篩上の複合粒子残量(g)、C:目開き45μmの篩上の複合粒子残量(g)
流動性の値が小さい方が良好であり、下記の基準で評価した。
○:50%以下
△:50%を超え、80%以下
×:80%を超える
合成例1
攪拌機、温度計および冷却機を備えた容量3Lのステンレス鋼製の反応釜に、反応溶媒としての脱イオン水825部、及び乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.6部(有効成分60%、以下「DBSNa」と称する)を加え、内温を75℃まで昇温し、同温度に保った。
上記反応釜とは異なる反応容器1で、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしてのメチルメタクリレート(以下「MMA」と称する)140部と、架橋性ビニルモノマーとしてのジビニルベンゼン(有効成分81%、以下「DVB」と称する)60部とを混合して、単量体混合物1を調製した。
次いで、反応釜内を窒素ガスで置換した後、別途調製した単量体混合物1を20部(単量体混合物全量の10%)、0.4%L−アスコルビン酸水溶液50部及び0.27%過酸化水素水50部を、上記反応釜内に添加して初期重合反応を行い、さらに、0.4%L−アスコルビン酸水溶液450部及び0.27%過酸化水素水450部、上記単量体混合物1の残部180部を各々異なる投入口より反応釜へ4時間にわたって均一に滴下した。滴下終了後、液温を85℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、反応溶液を冷却して、トナー外添剤分散液を得た(固形分濃度:10.0%)。トナー外添剤1の平均粒子径、CV値を表1に示す。
得られたトナー外添剤分散液を、四流体ノズルを兼ね備えたスプレードライヤー(機内出口温度80℃)にて噴霧乾燥して乾燥粉体(トナー外添剤1)を得た。この乾燥粉体(トナー外添剤1)は、凝集しにくく、また凝集した場合であっても、容易にほぐすことができた。
合成例2〜4
メチルメタクリレート140部と、ジビニルベンゼン60部、乳化剤1.6部を用いる代わりに、表1に示す割合でアルキル(メタ)アクリレート系モノマー、架橋性ビニルモノマー、及び乳化剤を用いたこと以外は、合成例1と同様にして、トナー外添剤2〜4を得た。トナー外添剤2〜4の平均粒子径、CV値を表1に示す。トナー外添剤2は、凝集しにくく、また凝集した場合であっても、容易にほぐすことができた一方、トナー外添剤3、4は、ほぐすことが困難であった。
合成例5
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、超純水700部、メタノール300部および25%アンモニア水3.29部を混合した溶液を入れ、撹拌した。撹拌を継続しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;「KBM−503」)110部を滴下口から添加して、ポリオルガノシロキサン粒子を合成した。撹拌を継続しながら、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを173部追加し、さらに反応を続けて粒子を成長させ、反応開始から2時間後に、ポリオルガノシロキサン粒子の分散液を得た。
メチルメタクリレート225部、エチレングリコールジメタクリレート75部を混合し、この混合物に、2,2’−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.6部を溶解した。この混合物と、イオン交換水240部、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩1.5部を混合した後、ホモミキサー(プライミクス社製;「T.K.ホモミクサーMARKII」)を用いて8000回転で5分間撹拌し、プレエマルションを調製した。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、上記プレエマルションを全量投入して撹拌した。このフラスコへ、96%硫酸0.08部をイオン交換水430部で希釈した希硫酸を投入し、続いて、上記ポリオルガノシロキサン粒子分散液を55部投入した。投入後、90分間撹拌を継続し、シード粒子にプレエマルションを吸収させた。吸収時の温度は23℃であった。
プレエマルション吸収終了後にイオン交換水を520部追加して、60℃まで昇温し、窒素ガス雰囲気下、重合反応を行った。重合開始による発熱ピーク確認後、75℃で2時間熟成し、質量平均粒子径5μmの有機無機複合微粒子を得た。濾紙にて固液分離後、80℃の熱風乾燥機で2時間乾燥した後、ラボ・ジェットミル(日本ニューマチック工業社製)で解砕して、球形試験粒子としての有機無機複合微粒子を得た。
実施例1〜3、比較例1、2
表1に示す球状試験粒子5部と、上記合成例で得られたトナー外添剤0.05部を室温下において混合器(岩谷産業株式会社製、「Labo Milser LM−PLUS」)により周速65m/s(回転速度20,000rpm)で2分間均一に混合して、付着試験を行い、複合粒子を得た。
なお表1中、有機無機複合微粒子は合成例5に記載の粒子を表し、金属粒子はケイ素鉄(平均粒子径6μm、比表面積0.13m2/g)を表す。
本発明のトナー外添剤は、特定のモノマーに由来する構造単位を含む重合体で構成され、かつ粒子径の変動係数が小さく粒子径分布が狭いため、分散性が良好であり、トナー外添剤として用いた場合に、トナーへの付着性が良好であり、かつトナー表面に滑り性(流動性)を付与することができる。このため本発明のトナー外添剤は、電子写真機、複写機、プリンター等に使用される現像剤(トナー、特に静電荷像現像用トナー)の凝集等を抑制し、これらの流動性を向上させる外添剤として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を有する架橋性モノマー単位を10質量%以上、50質量%以下の割合で含む重合体で構成され、
    体積平均粒子径が5nm以上、100nm以下であり、
    粒子径の変動係数が30%以下であるトナー外添剤。
  2. 前記架橋性モノマーが芳香族架橋性モノマーである請求項1に記載のトナー外添剤。
  3. アルキル(メタ)アクリレート系モノマー単位を有する請求項1又は2に記載のトナー外添剤。
  4. 前記トナー外添剤1質量部と、体積平均粒子径5μmの球形試験粒子100質量部とを、室温下20,000rpmの回転速度で2分間混合して、トナー外添剤を前記球形試験粒子に付着させる試験を行った時、下記式に基づいて算出される付着分散性指数が5%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のトナー外添剤。
    付着分散性指数(%)=独立微粒子密度(個/μm2)/最大理論粒子存在個数(個/μm2)×100
    ただし、前記独立微粒子密度とは、前記付着試験後の球形試験粒子表面を走査型電子顕微鏡により拡大倍率15,000〜20,000倍で観察した時に、球形試験粒子表面に付着しているトナー外添剤の個数密度を表し、2つ以上のトナー外添剤同士がくっついている場合には、くっついたトナー外添剤は1個としてカウントする。
    また前記最大理論粒子存在個数(個/μm2)は、下記式によって求まる値である。
    最大理論粒子存在個数(個/μm2)=0.9/{(π/4)×トナー外添剤の体積平均粒子径(μm)の二乗}
  5. トナー粒子と、請求項1〜4のいずれかに記載のトナー外添剤を含むトナー組成物。
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