JP2012053408A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナー母粒子に樹脂微粒子および無機微粒子が外添された静電荷像現像用トナーであって、前記トナー母粒子が少なくとも結着樹脂および着色剤を含み、前記樹脂微粒子は、前記トナー母粒子表面に単分散されて固定されており、固定された前記樹脂微粒子の前記トナー母粒子表面との接触面の円の直径の平均をa(nm)、接触面からの高さの平均をb(nm)、b/2の高さにおける樹脂微粒子の直径をc(nm)とするとき、a=70〜160nm、b/a=0.2〜0.5かつc/a=0.6〜0.8である、静電荷像現像用トナー。
【選択図】図1
Description
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、トナー母粒子に樹脂微粒子と無機微粒子とが外添された構成である。そして、トナー母粒子は少なくとも結着樹脂および着色剤を含んでいる。また、前記樹脂微粒子は、前記トナー母粒子表面に単分散されて固定されており、固定された前記樹脂微粒子の前記トナー母粒子表面との接触面の円の直径の平均をa(nm)、接触面からの高さの平均をb(nm)、b/2の高さにおける樹脂微粒子の直径をc(nm)とするとき、a=70〜160nm、b/a=0.2〜0.5かつc/a=0.6〜0.8であることを特徴とする。
トナー母粒子は、結着樹脂に着色剤や離型剤あるいは電荷制御剤等が配合されたものである。トナー母粒子は、例えば、これらの原料をミキサー等で混合し、押出機等で溶融混練し、冷却し、得られた固形物を粉砕し、分級すること等により製造される。トナー母粒子の体積平均粒子径は、2〜12μm、より好ましくは4〜10μm、さらに好ましくは6〜8μmである。
本発明において、結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものを特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で用いても又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、着色剤としては、従来からモノクロトナー用又はカラートナー用の着色剤として用いられるものを特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料や、ピグメントイエロー180等の黄色顔料や、モリブデンオレンジ等の橙色顔料や、C.I.ピグメントレッド238等の赤色顔料や、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料や、フタロシアニンブルー等の青色顔料や、ピグメントグリーンB等の緑色顔料や、種々の染料等が挙げられる。
本発明において、離型剤は、トナーの定着性の向上やオフセット性の低下防止等のために配合される。本発明において、離型剤としては、従来からトナー母粒子の離型剤として用いられるものを特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、カルバナワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、電荷制御剤は、トナーの帯電量の維持や帯電立ち上がり特性(短時間で所定の電荷量まで帯電する特性)の向上等のために配合される。そして、トナーを正帯電させて現像に供する場合は、正帯電性の電荷制御剤が用いられ、トナーを負帯電させて現像に供する場合は、負帯電性の電荷制御剤が用いられる。
(樹脂微粒子)
外添剤は本発明の特徴の中心であり、まず、本実施形態に係るトナーには樹脂微粒子が外添されている。
トナー母粒子に樹脂微粒子を固定する方法については、樹脂微粒子がトナー母粒子表面に単分散されて固定されており、その固定された樹脂微粒子のトナー母粒子表面との接触面の円の直径の平均をa(nm)、接触面からの高さの平均をb(nm)、b/2の高さにおける樹脂微粒子の直径をc(nm)とするとき、a=70〜160nm、b/a=0.2〜0.5かつc/a=0.6〜0.8となるように固定できる方法であれば、特に限定されることはない。
本実施形態に係るトナーは、外添剤としてさらに無機微粒子を含んでいる。無機微粒子を外添剤として含むことにより、現像剤の流動性を適切に調節することができる。
本発明に係る静電荷像現像用トナーは、上述したように、1成分現像剤として単独で用いることも、2成分現像剤としてキャリアと混合して用いることもできる。すなわち、1成分現像剤は、前記構成の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤であり、2成分現像剤は、前記構成の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像用現像剤である。以下、2成分現像剤を中心に説明するが、1成分現像剤も以下の説明に準じる。
本発明において、キャリアとしては、従来から2成分現像剤のキャリアとして用いられるものを特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、キャリアコア材の表面を樹脂で被覆したものを用いることができる。
本発明に係る画像形成装置は、前記構成の静電荷像現像用トナーを単独で1成分現像剤として用いる構成、又は前記構成の静電荷像現像用トナーをキャリアと混合して2成分現像剤として用いる構成である。画像形成装置は、一般に、周面上に静電荷像(静電潜像)が形成される感光体ドラム(像担持体)と、この感光体ドラムの前記静電荷像をトナーを用いて現像する現像装置とを備える。そして、本発明において、前記トナーは、前記構成の静電荷像現像用トナーである。
(シリカAの作製)
ジメチルポリシロキサン100g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン100g(以上信越化学工業株式会社製)をトルエン200gに溶解させ、10倍に希釈した。ついでヒュームドシリカ(品名:アエロジル#90(日本アエロジル株式会社社製))200gを攪拌しながら、得られた希釈溶液を徐々に滴下して30分間超音波照射・攪拌して混合物とした。この混合物を150℃の高温槽で加熱した後、トルエンをロータリーエヴァポレーターを用いて溜去し、得られた固形物を減圧乾燥機にて設定温度50℃で減量しなくなるまで乾燥した。さらに電気炉にて窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理を行った。得られた粉体はジェットミルにより解砕してバグフィルターで捕集し、1次粒子径0.02μmのシリカAを得た。
温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、攪拌器を装着したガラス製反応器に脱イオン水200重量部およびラウリル硫酸ナトリウム4重量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に加温し、攪拌下に過硫酸アンモニウム1部を添加し、さらにメチルメタクリレート45部、スチレン50部、ジビニルベンゼン5部からなるモノマー混合物を1時間を要して滴下し、ついで1時間攪拌を続けた。このようにして得られたエマルジョンを乾燥し、平均粒径65nmの樹脂微粒子Aを得た。
ラウリル硫酸ナトリウム4重量部を2重量部に変更する以外は樹脂微粒子Aと同様にして、平均粒径93nmの樹脂微粒子Bを得た。
ラウリル硫酸ナトリウム4重量部を6重量部に変更する以外は樹脂微粒子Aと同様にして、平均粒径52nmの樹脂微粒子Cを得た。
ラウリル硫酸ナトリウム4重量部を1重量部に変更する以外は樹脂微粒子Aと同様にして、平均粒径123nmの樹脂微粒子Dを得た。
メチルメタクリレートを50部に変更し、ジビニルベンゼンを添加しない以外は、樹脂微粒子Aと同様にして、平均粒径80nmの樹脂微粒子Eを得た。
メチルメタクリレートを40部に変更し、ジビニルベンゼンを10部に変更した以外は、樹脂微粒子Aと同様にして、平均粒径88nmの樹脂微粒子Fを得た。
結着樹脂として、スチレン−アクリル系樹脂を100重量部、パラフィンワックス(離型剤)4重量部、着色剤としてNipex60(デグサ社製)を12重量部、電荷制御剤としてFCA-1001−NS(藤倉化成(株)社製)を1重量部をそれぞれヘンシェルミキサーに投入・混合した後、二軸押し出し機で溶融混練してドラムフレーカーで冷却した。次にハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して、体積平均粒径が6.81μm、平均円形度0.951のトナー粒子Aを作製した。
ポリアミドイミド樹脂30gを水2Lで希釈した後、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)120gを分散させ、さらに酸化ケイ素3gを分散させた被覆層形成液を得た。この被覆層形成液とノンコートフェライトEF−35B(パウダーテック(株)社製 35μm)10kgを流動床被覆装置に投入して被覆を行った。その後、250℃で1時間、焼付けを行い、キャリアAを得た。
トナー母粒子A2kgに対して、シリカAを40gと樹脂微粒子Aを20g添加し、ヘンシェルミキサーで40m/s(回転羽根先端の速度)で15分間混合してトナーAを得た。続いてトナーA 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Aを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Bを20g添加し、ヘンシェルミキサーで40m/sで5分間混合してトナーBを得た。続いてトナーB 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Bを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Cを20g添加した以外はトナーAと同様にしてトナーCを得た。続いてトナーC 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Cを作製した。
ヘンシェルミキサーで5分間混合する以外はトナーAと同様にしてトナーDを得た。続いてトナーD 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Dを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Bを20g添加した以外はトナーAと同様にしてトナーEを得た。続いてトナーE 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Eを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Dを20g添加し、ヘンシェルミキサーで40m/sで5分間混合してトナーFを得た。続いてトナーF 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Fを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Dを20g添加し、ヘンシェルミキサーで30m/sで10分間混合してトナーGを得た。続いてトナーG 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Gを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Cを20g添加し、ヘンシェルミキサーで30m/sで10分間混合してトナーHを得た。続いてトナーH 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Hを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Bを20g添加し、ヘンシェルミキサーで30m/sで5分間混合してトナーIを得た。続いてトナーI 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Iを作製した。
ヘンシェルミキサーで40m/sで20分間混合する以外は樹脂微粒子Aと同様にしてトナーJを得た。続いてトナーJ 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Jを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Eを20g添加し、ヘンシェルミキサーで40m/sで5分間混合してトナーJを得た。続いてトナーK 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Kを作製した。
樹脂微粒子Aを20gを添加する代わりに樹脂微粒子Fを20g添加し、ヘンシェルミキサーで40m/sで5分間混合してトナーLを得た。続いてトナーL 30gとキャリアA 300gをボールミルで30分間混合して現像剤Lを作製した。
(樹脂微粒子の粒子径など)
日本電子(株)製フィールドエミション走査電子顕微鏡JSM−7401Fを用いて側面からトナー10粒子の表面写真を電子線の加速電圧を0.5Kvに設定して100000倍の倍率で撮影した。そして、a、b及びcを測定して平均値を算出した。
グレタグマクベス社製スペクトロアイ反射濃度計を用いて、印字率0.2%原稿3000枚連続印字後の印字率20%原稿印字時の最大のかぶり値を測定した。なお、0.008以下であることを合格とする。
印字率5%原稿300000枚連続印字後の現像剤からトナーを635メッシュ篩いを介して掃除機で吸引除去し、分離されたキャリアの炭素量を堀場製作所株式会社製カーボンアナライザEMIA−110にて測定した。なお、1%未満を合格とする。
印字率5%原稿300000枚連続印字後の現像スリーブ中央部の表面抵抗を、高抵抗率測定器ハイレスタMCP−HT450(三菱化学株式会社製)で10V印加して測定した。表面抵抗が、1×105Ω/□〜5×107Ω/□の範囲にあれば合格とする。
Claims (7)
- トナー母粒子に樹脂微粒子および無機微粒子が外添された静電荷像現像用トナーであって、
前記トナー母粒子が少なくとも結着樹脂および着色剤を含み、
前記樹脂微粒子は、前記トナー母粒子表面に単分散されて固定されており、
固定された前記樹脂微粒子の前記トナー母粒子表面との接触面の円の直径の平均をa(nm)、接触面からの高さの平均をb(nm)、b/2の高さにおける樹脂微粒子の直径をc(nm)とするとき、
a=70〜160nm、
b/a=0.2〜0.5、かつ
c/a=0.6〜0.8である、
静電荷像現像用トナー。 - 前記樹脂微粒子の添加量が前記トナー母粒子100重量部に対して、0.05〜2重量部であり、かつ前記無機微粒子の添加量が前記トナー母粒子100重量部に対して、0.4〜10重量部である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記樹脂微粒子がスチレン−アクリル系樹脂微粒子、ポリアクリルアミド樹脂微粒子、ポリ塩化ビニル樹脂微粒子及びウレタン樹脂微粒子からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記樹脂微粒子の平均一次粒子径が40〜140nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記無機微粒子がシリカ微粒子である、請求項1〜4記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む、静電荷像現像用現像剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー又は請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤を用いる、画像形成装置。
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