JP2017106569A - 変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速装置10は、内輪11と、外輪12と、これらの間の環状空間Kの軸方向一方側に設けられている複数の第一円すいころ13と、第一円すいころを保持する環状の第一保持器14と、環状空間Kの軸方向他方側に設けられている複数の第二円すいころ5と、第二円すいころ15を保持する環状の第二保持器16とを備えている。第一保持器14は、環状空間Kの中心線C0回りの回転が不能とされた固定部材である。外輪12が、回転トルクが入力される入力部材であり、第二保持器16が、前記入力を減速させた回転を出力する出力部材である。第一円すいころ13を含む第一回転部51の諸元と、第二円すいころ15を含む第二回転部の諸元とが異なっている。
【選択図】 図1
Description
前記第一分割輪と前記第二分割輪とは、締結部材によって軸方向の予圧が付与された状態で締結されているのが好ましい。
この構成の場合、転動体は円すいころであり、第一分割輪と第二分割輪とを軸方向の予圧を付与した状態とすることで、剛性の高い構成が得られる。
これにより、第一分割輪と第二分割輪とを軸方向の予圧付与した状態で一体化させる構成が簡単となる。
これにより、円すいころは、ニードルローラにより保持器の軸部に支持された構成となり、スムーズに自転して回転損失を低減することが可能となる。
〔第一の形態〕
図1は、変速装置の実施の一形態を示す断面図である。この変速装置10は、モータ5の回転を変速して出力回転部材6に出力させるための装置である。変速装置10は、内輪11と、外輪12と、複数の第一円すいころ(第一転動体)13と、これら第一円すいころ13を保持する環状の第一保持器14と、複数の第二円すいころ(第二転動体)15と、これら第二円すいころ15を保持する環状の第二保持器16とを備えている。
第二分割輪22は、外周側に第二円すいころ15が転動する第二内軌道33が形成されており、その軸方向他方側に鍔部34が設けられている。第二内軌道33は、テーパ形状を有している。鍔部34は、第二内軌道33よりも径方向外側に向かって突出している環状の部分であり、第二円すいころ15の大端面15aが接触する。
第二保持器16は、第二円すいころ15の軸方向両側に設けられている一対の環状部44,45と、これら一対の環状部44,45を連結している軸部46とを有している。軸部46が第二円すいころ15を貫通していることで、この第二円すいころ15は自転可能として保持器16に保持された状態にある。
そして、第一回転部51の諸元と、第二回転部52の諸元とが異なっている。本実施形態では、第一外軌道36のテーパ角度と第二外軌道37のテーパ角度とが相違している。第一円すいころ13と第二円すいころ15とを同じ諸元としていることから、第一内軌道31のテーパ角度と第二内軌道33のテーパ角度とについても相違する。
モータ5が回転することで入力回転部材7が回転し、これにより外輪12が中心線C0回りに回転する。すると、各第一円すいころ13は、外輪12との間の摩擦力により中心線C1回りに回転(自転)するが、固定部材である第一保持器14と共に中心線C0回りに回転(公転)はしない。各第一円すいころ13の中心線C1回りの回転(自転)により、第一分割輪21(内輪11)との間の摩擦力によって第一分割輪21は中心線C0回りに回転する。第一分割輪21と第二分割輪22とは一体回転可能として連結されていることから、第二分割輪22も同期して回転し、これにより内輪11が全体として回転する。
これに対して、第一回転部51の前記諸元(14°、6°)を変更せずに、第二回転部52における外軌道37のテーパ角度を18°に変更することで(第二円すいころ15のテーパ角度は6°)、減速比「17」を得ることができる。
このように、本実施形態の構成によれば、諸元を少し変更することで、減速比を大きく変えることが可能となる。
伝達トルク:T=μ×F×D ・・・(1)
ただし、μはトラクション係数であり、Dは内輪軌道(31,33)の平均径である。Fは、軌道(31,33)が受ける荷重であり、F=Fa/sinβとなる。βは内輪接触角である。Faは軸方向の予圧である。本実施形態の変速装置10の場合、μ=0.2、D=0.1〔m〕、Fa=4〔kN〕、β=15〔°〕とすると、伝達トルクは154.5〔Nm〕となり、十分な値が得られる。
図3は、他の形態を有する変速装置10の断面図である。なお、図1と図3とにおいて、同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号(参照番号)を付し、重複する説明は省略する。
図3では、内輪11が、中心線C0回りの回転トルクが入力される入力部材となっている。具体的に説明すると、第一分割輪21と第二分割輪22とを一体化させている軸部材17が、モータの出力軸と連結されている。そして、外輪12は、単一の円筒状の部材であり、自由に回転できる構成となっている。
図3に示す形態では、内輪11を入力側とし第二保持器16を出力側とした減速装置として、変速装置10を機能させる場合について説明した。図3に示す変速装置10は、構成を変更することなく、増速装置としても用いることができる。つまり、第二保持器16を入力側とし内輪11を出力側とすればよい。
図4は、他の形態を有する変速装置10の断面図である。前記各形態では、内輪11を第一分割輪21と第二分割輪22とに分割する場合について説明したが、図4に示す形態では、外輪12が軸方向に分割されている。つまり、外輪12は、軸方向に分割された第一分割輪61及び第二分割輪62を備えている。第一分割輪61は、内周側に第一外軌道36を有し、第二分割輪62は、内周側に第二外軌道37を有している。
このように、筒本体部60aと円環部60dとを有している筒部材60、及びボルト60eを締結部材とし、ボルト60eを締め付けることで、この締結部材によって第一分割輪61と第二分割輪62とを軸方向の予圧を付与した状態で締結することができる。これにより、外輪12において剛性の高い構成が得られる。外輪12は、二つの分割輪61,62に分割されているが、これらは同期して回転する構成となる。
このように構成された変速装置10の動作は、図1により説明した変速装置10と同様であり、ここでは、説明を省略する。
図1及び図3に示す変速装置10では、背面合わせの複列円すいころ軸受の如く構成されているが、これに限らず、図示しないが、正面合わせの複列円すいころ軸受の如く構成してもよい。
また、図4に示す変速装置10では、正面合わせの複列円すいころ軸受の如く構成されているが、これに限らず、図示しないが、背面合わせの複列円すいころ軸受の如く構成してもよい。
前記各形態では、保持器14,16を、図2に示す形態として説明したが、保持器14,16の形状は、図2に示すもの以外とすることができる。例えば、(円すいころ13を貫通しないで)隣り合う円すいころ13,13の間に設けられている柱部を、軸部43の代わりとした保持器であってもよい。この場合、一対の環状部41,42の間であって周方向で隣り合う柱部の間が、円すいころ13を保持するポケット(空間)となる。この場合、保持器14と円すいころ13とはすべり接触する構成となる。また、保持器14は、軸部43を有する形態(図2参照)であるが、ニードルローラ55を省略してもよい。
13:第一円すいころ(第一転動体) 13b:貫通孔
14:第一保持器 15:第二円すいころ(第二転動体)
16:第二保持器 17:軸部材(締結部材)
21:第一分割輪 22:第二分割輪 41,42:環状部
43:軸部 44,45:環状部 46:軸部
51:第一回転部 52:第二回転部 55:ニードルローラ
60:筒部材(締結部材) 61:第一分割輪 62:第二分割輪
K:環状空間 C0:中心線 C1:中心線
Claims (5)
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間の環状空間の軸方向一方側に設けられている複数の第一転動体と、前記複数の第一転動体を保持する環状の第一保持器と、前記環状空間の軸方向他方側に設けられている複数の第二転動体と、前記複数の第二転動体を保持する環状の第二保持器と、を備え、
前記第一保持器は、前記環状空間の中心線回りの回転が不能とされた固定部材であり、
前記内輪又は前記外輪が、回転トルクが入力される入力部材であり、
前記第二保持器が、前記入力を減速させた回転を出力する出力部材であり、
前記第一転動体並びに当該第一転動体が転動する前記内輪及び前記外輪の軌道を含む第一回転部の諸元と、前記第二転動体並びに当該第二転動体が転動する前記内輪及び前記外輪の軌道を含む第二回転部の諸元と、が異なっている、変速装置。 - 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間の環状空間の軸方向一方側に設けられている複数の第一転動体と、前記複数の第一転動体を保持する環状の第一保持器と、前記環状空間の軸方向他方側に設けられている複数の第二転動体と、前記複数の第二転動体を保持する環状の第二保持器と、を備え、
前記第一保持器は、前記環状空間の中心線回りの回転が不能とされた固定部材であり、
前記第二保持器が、回転トルクが付与される入力部材であり、
前記内輪又は前記外輪が、前記入力を増速させた回転を出力する出力部材であり、
前記第一転動体並びに当該第一転動体が転動する前記内輪及び前記外輪の軌道を含む第一回転部の諸元と、前記第二転動体並びに当該第二転動体が転動する前記内輪及び前記外輪の軌道を含む第二回転部の諸元と、が異なっている、変速装置。 - 前記第一転動体及び前記第二転動体は、円すいころであり、
前記内輪又は前記外輪は、軸方向に分割され前記軌道をそれぞれ有する第一分割輪及び第二分割輪を備え、
前記第一分割輪と前記第二分割輪とは、締結部材によって軸方向の予圧が付与された状態で締結されている、請求項1又は2に記載の変速装置。 - 前記締結部材は、前記第一分割輪と前記第二分割輪とに跨って設けられている軸部材又は筒部材を有している、請求項3に記載の変速装置。
- 前記第一転動体及び前記第二転動体は、円すいころであり、
前記円すいころには、ころ中心線を中心とする貫通孔が形成されていて、
前記第一保持器及び前記第二保持器それぞれは、前記円すいころの軸方向両側に設けられている一対の環状部と、前記一対の環状部を連結していると共に前記貫通孔を貫通している軸部と、を有し、
前記貫通孔と前記軸部との間にニードルローラが介在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変速装置。
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