JP2017106096A - 耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】深海原油輸送用アーマーケーブル(ARMOR CABLE)などの海上で原油を輸送するフレキシブル(Flexible)パイプにかかる荷重を支える補強材として、高強度の他にも水素誘起割れ抵抗性、耐食性などが必要な耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含むことを特徴とする。
前記線材の微細組織は、95面積%以上の針状マルテンサイトを含み、前記線材は、(Fe,Mn)23セメンタイトを含み、その大きさは、長さ方向に230nm以下であり、幅方向に10nm以下であり、セメンタイト間間隔は、205nm以下であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法に係り、より詳しくは、
深海原油輸送用アーマーケーブル(ARMOR CABLE)などの海上で原油を輸送するフレキシブル(Flexible)パイプにかかる荷重を支える補強材として、高強度の他にも水素誘起割れ抵抗性、耐食性などが必要な耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法に関する。
深海原油輸送用アーマーケーブル(ARMOR CABLE)は、海上で原油を輸送するフレキシブル(Flexible)パイプにかかる荷重を支える補強材として、高強度の他にも水素誘起割れ抵抗性、耐食性などが必要な製品として知られている。
従来、アーマーケーブルに適用される鋼種は、炭素含量が0.3〜0.8%である一般的な硬鋼用製品であり、その他の残りの成分系は、Siが0.2〜0.3%、Mnが0.3〜0.6%であり、P及びSは、通常の水準である0.015及び0.012%以下である。
アーマーケーブルなどを生産する工程は、一般的に10〜25mmなどの多様なサイズで生産された線材を利用し、顧客側で鉛浴熱処理を通じて恒温変態させて、微細な初析フェライトとパーライト、または微細なパーライトを確保した後、伸線加工を行いそのサイズを減らした後、用途に合わせて圧延を実施して最終製品を生産する。上記鉛浴熱処理及び伸線工程が省略できれば生産性を向上させることができ、大きな経済的な効果が期待できる。
また、大陸棚エネルギーの枯渇により、油井採取環境が深海に移動しているため、アーマーケーブルに適用される鋼種の炭素含量が亜共析鋼(hypo−eutectoid steel)から共晶鋼(eutectoid steel)に変化している。
即ち、共晶鋼で構成された線材を使用すると、引張強度は1400MPa水準で、亜共析鋼に比べて400MPa高い。また、強度が高く、最終製品の厚さ減少により長さが増加するため、さらに深い深海でも油井採取が可能である。しかし、油井内にはHSが存在するため、水素に対する抵抗性も大きくなければならないが、炭素含量が増加するにつれてパーライト分率が増加する。これは、水素抵抗性の良くない組織として知られているため、炭素含量が多く含まれた鋼の使用が制限される。また、耐食性も重要な因子であるが、炭素含量が増加するとともに腐食敏感度が増加するため、炭素の含量が増加すれば耐食性も低下するという問題点がある。
従って、深海原油輸送用アーマーケーブル(ARMOR CABLE)などに適用することができ、顧客側での鉛浴熱処理及び伸線工程が省略可能であるとともに耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法の開発が要求されている。
特開平08−170149号公報
本発明の目的とするところは、深海原油輸送用アーマーケーブル(ARMOR CABLE)などの海上で原油を輸送するフレキシブル(Flexible)パイプにかかる荷重を支える補強材として、高強度の他にも水素誘起割れ抵抗性、耐食性などが必要な耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法を提供することである。
本発明は、重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含むことを特徴とする。
また、本発明は、重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含むビレットをAe+150℃〜Ae+250℃で120分以上維持する段階と、上記ビレットをAe+100℃以上で圧延し、最終圧延(RSM)入側温度をAe+100℃〜Ae+150℃として最終圧延して線材を得る段階と、上記線材をAe+50℃で巻き取る段階と、上記巻き取られた線材を10℃/s以上の冷却速度で650〜750℃の冷却終了温度まで冷却した後、1℃/s以下の冷却速度で150〜250℃の冷却終了温度まで冷却する段階とを含むことを特徴とする。
本発明によると、顧客側で鉛浴熱処理及び伸線工程を省略し、板圧延のみを実施する場合も、優れた引張強度を確保しながら耐食性に優れた高強度線材及びその製造方法を提供することができる効果がある。
Mn含量が6重量%である場合、温度別に形成されるFCC、BCC及び炭化物の相分率を示すグラフである。 発明例1の微細組織を撮影した写真である。 比較例6の微細組織を撮影した写真である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明の耐食性に優れた高強度線材は、重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含む。以下、各合金元素の単位は、重量%である。
C(炭素):0.04〜0.25%
Cは、素材強度を確保するために添加する元素であり、オーステナイト相でクエンチングする際に形成されるマルテンサイトのC軸方向に侵入して、格子歪を誘発して高い強度を持たせる役割をする。
炭素含量が低くて、軟性または靱性が十分な針状形マルテンサイトを確保するためには、C含量は、0.25%以下であることが好ましい。C含量が0.25%超の場合、硬質の針状形マルテンサイト、または針状形マルテンサイトと板形マルテンサイトの混合した組織が発生するため、線材を圧延すると、破断が発生したり、デラミネーションを誘発し得る。一方、C含量が0.04%未満の場合、高強度を確保し難いという問題点がある。
従って、C含量は、0.04〜0.25%であることが好ましい。
Si(シリコン):0.07〜0.6%
Siは、フェライト内に固溶しやすく、炭化物の形成を抑制させる役割をし、Siを添加すれば、強度が増加する効果が発生する。一般的に、0.1%のSiを添加すれば、14〜16MPaの強度が向上すると知られている。
Si含量が0.07%未満の場合、上述した効果が不十分であり、Si含量が0.6%超の場合、強度の増加効果が鈍化する傾向がある。従って、Si含量は、0.07〜0.6%であることが好ましい。
Mn(マンガン):5.0〜9.0%
Mnは、微細組織内に置換型固溶体として固溶して使用され、強度を増加させる役割をする。また、Mnは、焼入れ性を確保するために添加される。本発明で制御した範囲でMnを添加する場合、十分な焼入れ性を確保することができ、ステルモア冷却帯で空冷するだけでも針状形マルテンサイトを形成させることができる。
Mn含量が5.0%未満の場合、高強度を確保し難いという問題点があり、Mn含量が9.0%超の場合、Mn偏析が発生し過ぎて、圧延中に長さ方向に割れるデラミネーションが発生するという問題点がある。従って、Mn含量は、5.0〜9.0%であることが好ましい。
P及びS:それぞれ0.030%以下
P及びSは、不純物であり、特に含有量は規定しないが、従来の鋼線と同様に、軟性を確保する観点で、それぞれ0.030%以下にすることが好ましい。
本発明の残りの成分は、鉄(Fe)である。但し、通常の製造過程では、原料または周りの環境から、意図しない不純物が不可避に混入されることがあるため、これを排除することはできない。。
また、本発明による線材の微細組織は、針状マルテンサイトを95面積%以上を含むことが好ましい。
これは針状マルテンサイトは強度が高く、靱性に優れるため、変形を与えても割れ発生敏感度が少ないからである。また、針状マルテンサイトは、炭素含量の低い合金系で形成することができ、炭素含量が低ければ耐食性の側面で優れるため、針状マルテンサイトを95面積%以上含むことが好ましい。さらに好ましくは、98面積%以上である。
この場合、上記線材は、(Fe,Mn)23セメンタイトを含み、その大きさは、長さ方向に230nm以下であり、幅方向に10nm以下であり、セメンタイト間の間隔は、205nm以下であってよい。(Fe,Mn)23セメンタイトは、冷却中に形成される因子であり、セメンタイト間の間隔が微細であるほど強度を向上させることができる。
本発明による線材の引張強度は、1400MPa以上である。また、40〜60%の総減免量で板圧延する場合、1600MPa以上の優れた引張強度を確保することができ、延伸率を10%以上に確保することができる。
また、5%のHSO溶液で10時間浸漬した場合、形成された腐食ピット(pit)の最大深さが24μm以下であり、耐食性に優れる。
耐食性に優れた高強度線材の製造方法
以下、本発明の耐食性に優れた高強度線材の製造方法について詳しく説明する。
本発明の耐食性に優れた高強度線材の製造方法は、上述した合金組成を有するビレットをAe+150℃〜Ae+250℃で120分以上維持する段階と、上記ビレットをAe+100℃以上で圧延し、最終圧延(RSM)入側温度をAe+100℃〜Ae+150℃として最終圧延して線材を得る段階と、上記線材をAe+50℃で巻き取る段階と、上記巻き取られた線材を10℃/s以上の冷却速度で650〜750℃の冷却終了温度まで冷却した後、1℃/s以下の冷却速度で150〜250℃の冷却終了温度まで冷却する段階とを含む。
ビレット加熱段階
上述した合金組成を有するビレットを線材加熱炉でAe+150℃〜Ae+250℃の温度範囲で120分以上維持して、粒界に形成されていた(Fe,Mn)23セメンタイトを溶融させる。
上記温度範囲は、オーステナイト単相を維持しながらオーステナイト結晶粒が粗大化しない範囲であり、残存する炭化物の除去に効果的な温度範囲である。Ae+250℃を超える場合は、オーステナイト結晶粒が非常に粗大となり、冷却後に形成される最終微細組織が粗大化する傾向が大きくなるので、それ以下に制御することが好ましく、Ae+150℃未満の場合は、オーステナイト単相を維持し難いので、Ae+150℃〜Ae+250℃で加熱することが好ましい。加熱時間が120分未満の場合、残存する炭化物が充分に溶解しないこともあるので、それ以上に維持することが好ましい。加熱時間の上限は、特に限定する必要はないが、長期間維持すれば生産性が顕著に減少するため、維持時間を180分以下に制限することができる。
ビレット圧延及び巻取段階
加熱炉で抽出されたビレットをAe+100℃以上で圧延(粗圧延、中間圧延及び仕上圧延)し、最終圧延(RSM)入側温度をAe+100℃〜Ae+150℃として最終圧延して線材を得た後、Ae+50℃で巻き取る。
圧延温度がAe+100℃未満の場合は、圧延中に変形による微細組織が発生し得て、炭化物が粒界に析出される可能性があるため、それ以上に制御することが好ましい。最終圧延(RSM)入側温度をAe+100℃〜Ae+150℃に制御するのは、以後、水冷台で冷却して巻取温度Ae+50℃に制御する時に材質の偏差を最小化するためである。
冷却段階
上記巻き取られた線材を10℃/s以上の冷却速度で650〜750℃の冷却終了温度まで冷却した後、1℃/s以下の冷却速度で150〜250℃の冷却終了温度まで冷却する。上記冷却は、ステルモア冷却帯で行うことができる。
図1は、Mn含量が6%の場合、各温度区間で形成されるFCC、BCC及び(Fe,Mn)23セメンタイトを示す。700℃まではFCC単相で維持され、その後の冷却時にBCC組織への変態が行われ、500℃からセメンタイトが形成されて、最終マルテンサイトで構成されることを確認することができる。従って、ステルモア冷却帯で巻取った後、11mmの線材基準として10℃/s以上の冷却速度で650〜750℃の冷却終了温度まで急冷し、1℃/s以下の冷却速度で150〜250℃の冷却終了温度まで徐冷して、本発明で所望の針状形マルテンサイトを形成させる。
上記徐冷時における冷却速度の下限は、特に限定する必要はないが、冷却速度が遅過ぎれば実際の操業が困難なほど生産性が低下することがあり、徐冷による粒界炭化物の形成で軟性が急激に低下することもあるので、0.5℃/sの冷却速度を下限としてよい。
この時、上述したような製造方法によって製造された線材は、厚さが8〜10mmであることが好ましい。
本発明による線材は、顧客側でLP(Lead patenting)熱処理及び伸線工程を省略し、圧延のみを実施することができるため、3〜6mmの厚さを有する最終製品であるアーマーケーブルなどに好ましく適用するためには、厚さを8〜10mmに制御することが好ましい。
線材板圧延の段階
一方、上述した製造方法によって製造された線材を、顧客側で最終製品を確保するために、40〜60%の総圧下量で圧延(板圧延)する段階をさらに行うことができる。これは最終製品の厚さ及び強度を確保するためである。
本発明において、目標とする強度を確保するためには、40〜60%の総圧下量を印加させることが好ましい。この時、確保される厚さは、3〜6mm程度であってよい。総減免量が60%を超える場合、マルテンサイト内に欠陥が形成され、圧延中に破断が発生する可能性がある。上記総圧下量は、下記(数1)によって計算することができる。
[数1]
総減免量(%)=100×(1−最終製品の断面積/線材の断面積)
本発明による線材は、熱処理及び伸線工程を省略し、圧延のみを実施しても最終製品を製造することができる。
一般的に、顧客において、熱処理工程は、微細なパーライト組織を確保するために行い、伸線工程は、大きさの減少及び強度を向上するために行うが、本発明による線材の場合、Mnが多量添加されており、微細組織が硬質マルテンサイトであるため、熱処理及び伸線工程を省略することができる。従って、線材で針状マルテンサイトを形成させた後、板圧延のみを印加して製品を成形し、この時、引張強度は1600MPa以上、総延伸率は10%以上を確保することができる。
一方、圧延速度は、100〜300m/分とする。これは圧延速度が100m/分未満の場合、生産性が低くなり得て、300m/分を超える場合、熱間クラックが発生する可能性があるからである。
以下、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。
[実施例]
下記の表1に表した成分組成を有するビレットを加熱炉温度1150℃で125分間維持し、圧延温度は1050℃、最終圧延入側温度は1000℃、巻取温度は910℃にして線材を製造した。線材の引張強度(TS)及び微細組織を観察して、下記の表2に表した。
比較例6を除いた残りの比較例及び発明例は、線材の厚さが11mmとなるように製造し、巻取後、700℃までを10℃/sの冷却速度で冷却した後、200℃までを0.8℃/sの冷却速度で空冷した。以後、熱処理及び伸線加工をせずに50%の総減免量で板圧延のみを実施して板圧延材を得た。板圧延材の引張強度、延伸率及び最大腐食ピットの深さを測定して、下記の表2に表した。
比較例6は、現在、常用販売中の線材で厚さが16mmとなるように製造し、巻取後、5℃/sの冷却速度で冷却した。以後、熱処理、伸線加工及び板圧延して最終板圧延材を得た。熱処理及び伸線後の引張強度、板圧延材の引張強度、延伸率及び最大腐食ピットの深さを測定して、下記の表2に表した。
耐食性の評価は、5%のHSO溶液で10時間浸漬した後、形成された腐食ピットの最大深さを測定して比較分析した。
Figure 2017106096
上記表1において、C、Si及びMnの単位は重量%であり、P及びSの単位は重量ppmである。
Figure 2017106096
上記表2において、引張強度(TS)の単位はMPaであり、(Fe,Mn)23の長さ、幅及び間隔の単位はnmである。
発明例1〜5は、最終板圧延材の引張強度が1600MPa以上であり、延伸率が10%以上であり、最大腐食ピット深さが24μm以下で、耐食性に優れることが分かる。また、発明例1の微細組織を撮影した写真である図2をみると、針状マルテンサイトが形成されたことを確認することができる。
比較例6の場合、現在、常用販売中の線材で、上記表2に示すように、16mmの線材における引張強度は、980MPa水準であり、LP熱処理時に1070MPa、伸線加工時に1510MPaであった。最終板圧延した後の引張強度は1610MPa、延伸率は11%であった。比較例6は、炭素の含量が高く、微細組織はパーライトであるため、LP熱処理及び伸線工程を必須的に行う必要があることが分かり、最大腐食ピット深さが37μmで、発明例に比べて耐食性に劣ることを確認することができる。また、比較例6の微細組織を撮影した写真である図3をみると、パーライトが形成されたことを確認することができる。
比較例1、2及び発明例1、2は、Mn含量による変化を示す。
比較例1は、Mnが4%添加された場合で、針状マルテンサイトが形成されたが、Mn含量が低いため、板圧延材の引張強度が1400MPaと劣っていた。
発明例1、2は、Mn含量がそれぞれ6、8%の場合で、線材強度も高く最終板圧延時に確保された強度がそれぞれ1605、1720MPaで、既存の鋼材と類似するかそれ以上の強度を示し、延伸率も10%以上で優れている。
比較例2は、Mn含量が10%の場合で、線材強度は高いが、圧延中に破断が発生した。
比較例3、5及び発明例4、5は、C含量による変化を示す。
比較例3は、C含量が0.02%の場合で、針状マルテンサイト組織が形成されるが、最終製品で強度が低かった。
発明例4及び5は、C含量がそれぞれ0.1%、0.2%の場合で、最終板圧延時に確保された強度がそれぞれ1640MPa、1700MPaで、優れた引張強度を確保することができた。
比較例5は、C含量が0.3%の場合で、針状マルテンサイト及び板状マルテンサイトの混合組織が形成されて圧延中に破断が発生した。
また、(Fe,Mn)23セメンタイトの大きさは、C含量が増加するにつれて増加するが、セメンタイトの結晶粒間間隔は減少する傾向を示すことを確認することができる。
以上、本発明に関する好適な実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲でのすべての変更が含まれる。

Claims (9)

  1. 重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含むことを特徴とする耐食性に優れた高強度線材。
  2. 前記線材の微細組織は、95面積%以上の針状マルテンサイトを含むことを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた高強度線材。
  3. 前記線材は、(Fe,Mn)23セメンタイトを含み、その大きさは、長さ方向に230nm以下であり、幅方向に10nm以下であり、セメンタイト間間隔は、205nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた高強度線材。
  4. 前記線材の引張強度は、1400MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた高強度線材。
  5. 前記線材をHSOが5%の溶液に10時間浸漬した場合、形成された腐食ピット(pit)の最大深さが24μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた高強度線材。
  6. 重量%で、C:0.04〜0.25%、Si:0.07〜0.6%、Mn:5.0〜9.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、残部Fe及び不可避な不純物を含むビレットをAe+150℃〜Ae+250℃で120分以上維持する段階と、
    前記ビレットをAe+100℃以上で圧延し、最終圧延(RSM)入側温度をAe+100℃〜Ae+150℃として最終圧延して線材を得る段階と、
    前記線材をAe+50℃で巻き取る段階と、
    前記巻き取られた線材を10℃/s以上の冷却速度で650〜750℃の冷却終了温度まで冷却した後、1℃/s以下の冷却速度で150〜250℃の冷却終了温度まで冷却する段階とを含むことを特徴とする耐食性に優れた高強度線材の製造方法。
  7. 前記線材は、厚さが8〜10mmであることを特徴とする請求項6に記載の耐食性に優れた高強度線材の製造方法。
  8. 前記冷却した線材を40〜60%の総減免量で板圧延する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の耐食性に優れた高強度線材の製造方法。
  9. 前記板圧延する段階において、圧延速度は100〜300m/分であることを特徴とする請求項8に記載の耐食性に優れた高強度線材の製造方法。
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