JP2017106036A - 燃料油 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料油と、酸素を65体積%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関において使用される燃料油であって、NOXやTHC等の排ガスの量が少ない燃料油を提供する。【解決手段】燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関において使用される燃料油であって、燃料油全量を基準として炭化水素油を60容量%以上含み、炭化水素油全量を基準として、飽和炭化水素の含量が30容量%以上であり、オレフィン系炭化水素の含量が10容量%以下であり、芳香族炭化水素の含量が65容量%以下であり、ナフテン系炭化水素含量が45容量%以下であり、蒸留の初留点が100℃以上であることを特徴とする前記燃料油。【選択図】なし

Description

本発明は、燃料油を燃焼させることにより動力を得る内燃機関において有用な燃料油、この燃料油を用いる内燃機関および上記燃料油を用いる内燃機関を搭載した気動車に関する。
ガソリン等の燃料油を燃焼させて動力を得る内燃機関、特に自動車用エンジンでは、燃料油が空気と混合されて燃焼に付される。空気中に78.0%存在する窒素分子が、燃焼過程において1酸化1窒素、1酸化2窒素およびその二量体、2酸化3窒素などの窒素酸化物(NOX)を生成し、それらが無視できない量で排出されるという問題がある。さらに、上記空気中に含まれる窒素は、酸素による燃焼の働きを抑える作用をするため、燃焼室において未燃の炭化水素が残り、それが排ガスとして排出され得る。NOXや全炭化水素(THC)の排出量を低減するために、三元触媒やNOX吸蔵還元触媒が使用されている。
しかし、三元触媒は、その効果を発揮するために、燃料油と空気の量が理論空燃比(ストイキオメトリ)を満たすことと共に厳しい温度管理が必要であり、また、白金やロジウムなどの高価な貴金属を必要とする。
また、水素を燃料として燃焼させて動力を得るエンジンが知られている(例えば特許文献1および2)。このエンジンでは、水素が、酸素と、作動ガスとしてのアルゴンガスとともに燃焼に付され、非常に高い熱効率を有するとともに、窒素を使用しないので、NOXを排出する恐れがない。しかし、水素を使用するので、爆発の危険性が高く、取扱いには注意が必要であり、簡便に利用できるものではない。
特開平11−93681号公報 特開2009−68392号公報
本発明者らは、燃料油の燃焼において、従来の空気に代えて、酸素を65容量%以上含む気体を使用することにより、NOXやTHC等の排ガスの量が低減されることを先に見出した(特願2012−286942号)。本発明の目的は、このような燃焼により動力を得る内燃機関において有用な燃料油であって、NOXやTHC等の排ガスの量が少ない燃料油を提供することである。
本発明者らは、特定の組成および蒸留性状を有する燃料油が、酸素を65容量%以上含む気体とともに燃焼に付されると、上記目的が達成されることを見出した。
すなわち、本発明は、燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関において使用される燃料油であって、燃料油全量を基準として炭化水素油を60容量%以上含み、炭化水素油全量を基準として、飽和炭化水素の含量が30容量%以上であり、オレフィン系炭化水素の含量が10容量%以下であり、芳香族炭化水素の含量が65容量%以下であり、ナフテン系炭化水素含量が45容量%以下であり、蒸留の初留点が100℃以上であることを特徴とする前記燃料油である。
また、本発明は、燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関であって、該燃料油として上記燃料油が使用される内燃機関を提供する。
また、本発明は、燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関を搭載した気動車であって、該燃料油として上記燃料油が使用される気動車を提供する。
本発明の燃料油は、酸素を65容量%以上含む気体との燃焼に付されるとき、NOXやTHC等の排ガスの量が少なく、したがって、このような燃焼により動力を得る内燃機関において、必ずしも三元触媒やNOX吸蔵還元触媒を使用する必要がない。また、本発明の燃料油を使用する上記内燃機関は、車両、例えば気動車や自動車等、において好適に使用することができる。
実施例で使用した内燃機関システムを示す模式図である。
本発明の燃料油は、酸素を65容量%以上含む気体とともに燃料油が燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関において使用される。
図1は、上記内燃機関を含むシステムの一例を示す図である。内燃機関10は、燃焼室を有する。燃焼室では、燃料タンク1から供給された燃料油が、プリサーバ5を経由して供給される気体と一緒に燃焼に付される。上記気体は、定常状態の燃焼において、酸素を65容量%以上含む。上記気体は、NOXの生成を抑える点から、窒素を含まないのが好ましい。
このような内燃機関において使用される本発明の燃料油は、燃料油全量を基準として炭化水素油を60容量%以上、好ましくは80容量%以上、さらに好ましくは90容量%以上、さらに好ましくは93容量%〜100容量%含み、炭化水素油全量を基準として、飽和炭化水素含量が30容量%以上であり、オレフィン系炭化水素含量が10容量%以下であり、芳香族炭化水素の量が65容量%以下であり、ナフテン系炭化水素含量が45容量%以下であり、蒸留の初留点が100℃以上である。
上記飽和炭化水素含量は、燃焼の始動性を確保する点から、35容量%以上、好ましくは50容量%以上、より好ましくは60容量%以上、さらに好ましくは70容量%以上である。上限は限定的でないが、好ましくは100容量%、さらに好ましくは95容量%、より好ましくは90容量%である。
上記オレフィン系炭化水素含量は、火炎伝播特性および酸化安定性の観点から、10容量%以下であり、下限は限定的ではないが、好ましくは0容量%である。
上記芳香族炭化水素含量は、燃焼効率の点から、65容量%以下、好ましくは50容量%以下であり、また、0容量%以上が好ましく、30容量%以上がより好ましく、40容量%以上がさらに好ましい。
上記ナフテン系炭化水素含量は、排ガス中のTHCの量を低減する点から、45容量%以下、好ましくは40容量%以下、より好ましくは30容量%以下であり、下限は限定的ではないが、好ましくは0容量%である。
上記の飽和炭化水素含量、オレフィン系炭化水素含量および芳香族炭化水素含量は、JPI−5S−49−97に定めるHPLC法により測定される値である。また、ナフテン系炭化水素含量は、ASTMD2425「Standard Test Method for Hydrocarbon Types in Middle Distillates by Mass Spectrometry」 により測定される値である。
また、本発明の燃料油の蒸留性状は、蒸留の初留点(IBP)が100℃以上である点を除いて何ら制限はないが、初留点(IBP)は100℃以上190℃以下が好ましく、130℃以上190℃以下がより好ましく、145℃以上190℃以下が最も好ましい。初留点が低いと、引火性が高くなり、また蒸発ガス(THC)が発生し易くなり、取扱性に問題がある。
蒸留の初留点以外については、10容量%留出温度(T10)が120℃以上210℃以下が好ましく、140℃以上230℃以下がより好ましく、160℃以上230℃以下が最も好ましい。また、30容量%留出温度(T30)は160℃以上220℃以下が好ましく、50容量%留出温度(T50)は180℃以上240℃以下が好ましく、70容量%留出温度(T70)は200℃以上265℃以下が好ましく、90容量%留出温度(T90)は210℃以上300℃未満が好ましく、210℃以上295℃未満がより好ましく、95容量%留出温度(T95)は220℃以上315℃以下が好ましく、220℃以上305℃以下がより好ましく、220℃以上300℃以下が最も好ましい。蒸留終点(EP)は230℃以上330℃以下が好ましく、230℃以上310以下がより好ましく、230℃以上280℃以下が最も好ましい。
10容量%留出温度(T10)が低いと、引火性が高くなり、また蒸発ガス(THC)が発生し易くなり、取扱性に問題がある。95容量%留出温度(T95)及び蒸留終点(EP)の上限値は、排出ガス中のTHCの量が少ない点などから規定される。
上記蒸留の初留点(IBP)、10容量%留出温度(T10)、30容量%留出温度(T30)、50容量%留出温度(T50)、70容量%留出温度(T70)、90容量%留出温度(T90)、95容量%留出温度(T95)および終点(EP)は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
本発明の燃料油の硫黄含量は何ら制限されない。これは、本発明の燃料油は、上記特定の内燃機関において使用されるものであり、上述したように、NOXやTHC等の排ガスの量が少なく、したがって、三元触媒等の触媒を使用する必要がないからである。従来の内燃機関では、NOXやTHC等の排ガスの量を低減するために三元触媒等の触媒が使用され、燃料油中の硫黄含有量が多いと触媒が失活するが、本発明の燃料油は、そのような触媒の使用が不要であり、したがって、硫黄含量は何ら制限されない。好ましくは、内燃機関のシステムの劣化を小さくできることなどから、燃料油の全量を基準として、200質量ppm以下であり、100質量ppm以下であることがより好ましく、80質量ppm以下であることがさらにより好ましく、20質量ppm以下であることが一層好ましく、下限は限定的ではないが、好ましくは0質量ppmである。
上記硫黄含量は、1質量ppm以上の場合には、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値であり、1質量ppm未満の場合には、ASTM D4045−96「Standard Test Method for Sulfur in Petroleum Products by Hydrogenolysis and RateometricColorimetry」により測定される値である。
本発明の燃料油の煙点は、限定的ではないが、18mm以上が好ましく、21mm以上がさらに好ましい。なお、煙点は、JIS K 2203により測定される。
本発明の燃料油の製造方法については、特に制限はない。具体的には例えば、原油を蒸留して得られる灯油留分を脱硫した脱硫灯油、脱硫灯油を水素処理して低芳香族、低硫黄化した脱硫水添灯油、天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer-Tropsch )合成で得られる「GTL(Gas to Liquids)」の灯油留分(GTL灯油)、減圧留出油等を水素化脱硫・分解して得られる灯油相当留分(水素化分解灯油)、残油・減圧留出油等を接触分解して得られる灯油相当留分(接触分解灯油)、重油・残油等を直接脱硫の後に得られる灯油相当留分(重油直接脱硫灯油)等の炭化水素油の1種または2種以上を用いて製造される。したがって、GTL灯油と脱硫灯油、GTL灯油と脱硫水添灯油といったGTL灯油組成物も使用できるし、脱硫灯油と水素化分解灯油からなる組成物のように、石油系燃料のみからなる灯油組成物の使用も可能である。
また、必要に応じて、本発明の要旨を損なわない範囲で、ガソリン基材を添加することができる。ガソリン基材としては、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、原油を常圧蒸留して得られる重質ナフサ、原油を蒸留して得られるナフサ留分を脱硫処理した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、アルキレートを脱硫処理した脱硫アルキレート、脱硫されたイソブタン等の炭化水素と脱硫された低級オレフィンによる低硫黄アルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンから芳香族分をスルフォラン抽出した残分であるラフィネート(スルフォランラフィネート)、改質ガソリンの軽質留分(軽質改質ガソリン)、改質ガソリンの中重質留分(中重質改質ガソリン)、改質ガソリンの重質留分(重質改質ガソリン)、接触分解法や水素化分解法等で得られる分解ガソリン、分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、分解ガソリンを脱硫処理した脱硫分解ガソリン、分解ガソリンの軽質留分を脱硫処理した脱硫軽質分解ガソリン、分解ガソリンの重質留分を脱硫処理した脱硫重質分解ガソリンを添加することもできる。このうち、特に芳香族炭化水素を含有するガソリン基材が好ましく、たとえば、改質ガソリンの中重質留分、改質ガソリンの重質留分、分解ガソリンの重質留分、分解ガソリンを脱硫処理した脱硫分解ガソリンおよび分解ガソリンの重質留分を脱硫処理した脱硫重質分解ガソリンが好ましい。
本発明の燃料油の製造において、含酸素化合物をさらに添加してもよい。上記含酸素化合物としては、たとえば、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)およびエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)などのエーテル類、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブタノールなどのアルコール類が挙げられる。本発明の燃料油中の上記含酸素化合物の量は、限定的ではないが、40容量%以下が好ましく、より好ましくは20容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下、さらに好ましくは7容量%以下である。
本発明の燃料油には、識別のための着色剤、酸化安定度向上のための酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止のための腐食防止剤、燃料ラインの清浄性維持のための清浄剤、および潤滑性向上のための潤滑性向上剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明の燃料油が使用されるところの上記内燃機関は、その始動をより安定的に行うために、始動時(すなわち、燃焼の開始時)には、酸素とともに窒素および任意的な希ガスを含む気体が燃焼室に供給されるのが好ましい。上記酸素の量は気体の10〜50容量%、好ましくは10〜40容量%であり、窒素の量は気体の50〜90容量%、好ましくは60〜90容量%であり、希ガスの量は0〜20容量%、好ましくは0〜15容量%であるのが好ましい。なお、希ガスは、元素周期律表の18族元素を意味し、典型的にはアルゴンである。
内燃機関の始動後は、上記気体中の酸素の割合を徐々にまたは段階的に増加させることができ、運転が定常状態に達すると(典型的には、始動時から10〜30秒後)、酸素を65容量%以上含む気体を、好ましくは酸素を75〜100容量%含む気体を、さらに好ましくは酸素を85〜100容量%含む気体を、さらに好ましくは酸素を90〜100容量%含む気体を、最も好ましくは酸素のみからなる気体を燃焼に付すことにより、安定的に運転を続けることができるとともに、NOXの排出を抑えることができる。空気を使用する従来の内燃機関では、空気中に多量に含まれる窒素が酸素による燃焼の働きを抑える作用をするため、燃焼室において未燃の炭化水素が残り、排ガスとして排出されるが、本発明の内燃機関では、上記気体が65容量%以上の酸素を含むので、未燃の炭化水素量を少なくすることができ、したがって、全炭化水素(THC)の排出量を抑えることができる。また、未燃の炭化水素量が少ないので、燃焼効率が高い。
運転が定常状態に達したときの気体は、本発明の効果を損なわない範囲で、窒素および/または希ガスを含んでいてもよい。含み得る窒素の量は、気体の0〜35容量%、好ましくは0〜15容量%であり、希ガスの量は、気体の0〜10容量%、好ましくは0〜5容量%である。これらの量範囲であれば、燃焼温度低下効果があり、気体が窒素を含んでいても、NOXの排出量は少なめである。
始動時およびその後の気体の成分の割合が適宜調整できるように、かつ圧力変動を低減して気体を燃焼室に安定的に供給することができるように、上記酸素、窒素および希ガスは、好ましくは、図1に示されるように、各気体のボンベから燃焼室へ供給される。窒素の供給は、窒素ボンベの他に空気ボンベを使用して行ってもよく、あるいは、自然吸気によって行ってもよい。図1では、窒素、酸素および希ガス(アルゴン)がそれぞれ、空気ボンベ2、酸素ボンベ3およびアルゴンボンベ4からプリサーバ5を経由して燃焼室に供給される。
上記内燃機関では、燃焼に付される気体が酸素を65容量%以上の量で含むので、NOXの排出が有意に低減され、したがって、高価な三元触媒や窒素酸化物吸蔵還元触媒を使用する必要がない。これは、内燃機関の簡素化および低コスト化をもたらす。しかし、本発明における内燃機関は、触媒を一切使用しないことを意図したものではなく、必要に応じて、少量の三元触媒や慣用的に使用される他の触媒(例えば吸着剤)を使用してもよい。
本発明における内燃機関は、必要に応じて、燃料油を改質するための改質器を備えることができる。これにより、重質化した燃焼効率の良い燃料油を内燃機関に供給することができる。この場合において、燃料油の改質は、燃料油の全体について行ってもよいが、必ずしもその必要はなく、一部についてのみ行ってもよい。
さらに、上記内燃機関は、ノッキング防止のために、圧縮比を例えば8.5以下に下げる、および/または冷却水出口温度を例えば50〜80℃に下げるなどを、必要に応じて行うことができる。また、酸素吸入抵抗防止のために、膨張と収縮が可能なバッファバックを設置するのが好ましい。バックファイヤ防止のために、低回転域にしたり、吸入負圧を下げすぎないようにしたり(例えば、400mmHg以下にしない)、および/またはバルブクリアランスを調整したりするのが好ましい。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例で使用した炭化水素油の性状等を表1〜2に示す。
実施例1〜8
表3に示す量(容量%)の基材を使用して、表3に示す燃料油を製造した。得られた燃料油を、図1に示す内燃機関システムにおいて使用して、NOX排出量およびTHC排出量を測定した。結果を表3に示す。なお、内燃機関10として、4サイクル2気筒で総排気量359ccのものを使用した。燃料油は燃料タンク1から供給され、気体は、空気ボンベ2、酸素ボンベ3、アルゴンボンベ4からプリサーバ5に供給された後、内燃機関10の燃焼室に供給された。排気は、酸化触媒6で処理した後、冷却管7を通って排出された。排出された気体は、アルゴンガスおよび二酸化炭素が主体であり、その他に液体として水が排出された。
内燃機関の運転は、以下のように行った。すなわち、始動時に、酸素、アルゴンおよび窒素をそれぞれ、20.9容量%、0.9容量%および78.1容量%の量で含む気体を燃焼室に供給した。始動から30秒経過後に目視によって定常状態になったことが確認され、さらに30秒間運転を続け、その後、上記気体の組成を酸素89.3容量%および窒素10.7容量%に調整して運転を続けた。その結果、100時間継続して支障なく運転された。なお、内燃機関の回転数を3000rpm、圧縮比を7.6、冷却水温度を60℃とした。
NOX排出量の測定
燃焼が定常状態になったことを目視およびオシロスコープの回転数で確認し、その5〜10秒後にサンプリングバッグでの排ガスの採取を開始した。採取を10秒間行った後、採取した排ガスを直ちにNOX検知管に導入し、色の変化からNOX量を決定した。
THC排出量の測定
燃焼が定常状態になったことを目視およびオシロスコープの回転数で確認し、その5〜10秒後にサンプリングバッグでの排ガスの採取を開始した。採取を10秒間行った後、採取した排ガスを直ちにTHC検知管に導入し、色の変化からTHC量を決定した。
比較例1
実施例1において、内燃機関10の燃焼室に供給された気体を、始動時も定常状態時も共に空気のみにしたことを除いて、実施例1と同様にして運転を行った。NOX排出量は200ppmであり、THC排出量は400ppmであった。
比較例2
実施例1において、始動時における気体として、酸素70容量%、窒素29容量%およびアルゴン0.9容量%を含むものを使用した。バックファイヤを生じ、燃焼が不安定になったため、運転を中止した。
Figure 2017106036
Figure 2017106036
Figure 2017106036
1 燃料タンク
2 空気ボンベ
3 酸素ボンベ
4 アルゴンボンベ
5 プリサーバ
6 酸化触媒
7 冷却管
10 内燃機関
すなわち、本発明は、燃料油全量を基準として炭化水素油を80容量%以上含み、炭化水素油全量を基準として、飽和炭化水素の含量が35容量%以上100容量%以下であり、オレフィン系炭化水素の含量が10容量%以下であり、芳香族炭化水素の含量が65容量%以下であり、ナフテン系炭化水素含量が45容量%以下であり、蒸留の初留点が100℃以上190℃以下、10容量%留出温度(T 10 )が120℃以上210℃以下、50容量%留出温度(T 50 )が180℃以上240℃以下、90容量%留出温度(T 90 )が210℃以上300℃未満、95容量%留出温度(T 95 )が220℃以上315℃以下、蒸留終点(EP)が230℃以上330℃以下である燃料油を内燃機関において使用する方法であって、上記内燃機関が、始動時に、上記燃料油と、10〜50容量%の酸素を含む気体が供給され、始動後に、上記燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する、上記方法である

Claims (6)

  1. 燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関において使用される燃料油であって、燃料油全量を基準として炭化水素油を60容量%以上含み、炭化水素油全量を基準として、飽和炭化水素の含量が30容量%以上であり、オレフィン系炭化水素の含量が10容量%以下であり、芳香族炭化水素の含量が65容量%以下であり、ナフテン系炭化水素含量が45容量%以下であり、蒸留の初留点が100℃以上であることを特徴とする前記燃料油。
  2. 蒸留の初留点が100℃以上190℃以下であり、10容量%留出温度が120℃以上210℃以下であり、95容量%留出温度が220℃以上315℃以下であり、かつ終点が230℃以上330℃以下である、請求項1記載の燃料油。
  3. 硫黄分含有量が200質量ppm以下である、請求項1または2記載の燃料油。
  4. 含酸素化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料油。
  5. 燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関であって、該燃料油として請求項1〜4のいずれか1項記載の燃料油が使用される、前記内燃機関。
  6. 燃料油と、酸素を65容量%以上含む気体とが燃焼に付されるように適合されている燃焼室を有する内燃機関を搭載した気動車であって、該燃料油として請求項1〜4のいずれか1項記載の燃料油が使用される、前記気動車。
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