JP2017105775A - 経口組成物用添加剤 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下、口腔または経口組成物を「口腔・経口組成物」と称する。
(I)口腔・経口組成物用添加剤
(I−1)酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−4)ゾル状の口腔・経口組成物を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−5)ゲル状の口腔・経口組成物を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(I−6)穀物加工飲食品を調製するための添加剤であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有する(I−1)又は(I−2)に記載する口腔・経口組成物用添加剤。
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
(a)口腔・経口組成物に唾液分泌促進作用を付与する唾液分泌促進剤:
当該唾液分泌促進剤は、唾液分泌機能が低下した者(唾液分泌機能低下者)のための口腔・経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。 (b)経口組成物に嚥下容易性を付与する嚥下補助剤:
当該嚥下補助剤は、嚥下機能が低下した者(嚥下機能低下者)のための経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。
(c)経口組成物に咀嚼容易性を付与する咀嚼補助剤
当該咀嚼補助剤は、咀嚼機能が低下した者(咀嚼機能低下者)のための経口組成物(飲食品、医薬品)を調製するために好適に使用することができる。
(II−1)(I−1)乃至(I−11)のいずれかに記載する口腔・経口組成物用添加剤を含有する口腔・経口組成物。
(II−4)上記口腔・経口組成物が、口腔内が乾いた状態の健常者が摂取する飲食品である、(II−1)〜(II−3)に記載する口腔・経口組成物。
なお、口腔内が乾いた状態としては、運動時、入浴時、寝起き時等の口腔内が乾いた状態を例示することができる。
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
(III−1)酵素処理イソクエルシトリンに増粘多糖類を併用することを特徴とする、酵素処理イソクエルシトリンが有する唾液分泌促進作用を増強する方法。
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
(III−1−4)ゾルの形態に調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で用いる(III−1−3)に記載する増強方法。
(III−1−5)ゲルの形態に調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で用いる(III−1−3)に記載する増強方法。
(III−1−6)穀物加工飲食品を調製する工程を有する増強方法であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有する(III−1)、(III−1―1)及び(III−1−2)のいずれかに記載する増強方法。
(III−2−3)上記口腔・経口組成物がゾルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有するものである(III−2−2)に記載する唾液分泌促進方法。
(III−2−4)上記口腔・経口組成物がゲルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有するものである(III−2−3)に記載する唾液分泌促進方法。
(III−2−5)上記口腔・経口組成物が穀物加工飲食品であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有するものである(III−2)又は(III−2−1)に記載する唾液分泌促進方法。
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
(III−3−3)上記口腔・経口組成物がゾルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜400質量部、好ましくは0.3〜350質量部、より好ましくは0.4〜300質量部の割合で含有するものである(III−3−2)に記載する口腔・経口組成物。
(III−3−4)上記口腔・経口組成物がゲルの形態を有するものであって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を1〜500質量部、好ましくは2〜450質量部、より好ましくは2.5〜350質量部の割合で含有するものである(III−3−2)に記載する口腔・経口組成物。
(III−3−5)上記口腔・経口組成物が穀物加工飲食品であって、酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.01〜3000質量部、好ましくは0.05〜2000質量部、より好ましくは0.1〜1200質量部の割合で含有するものである(III−3)又は(III−3−1)に記載する唾液分泌促進方法。
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度:0.006〜0.6Pa・s。
本発明の口腔・経口組成物用添加剤(以下、単に「本発明の添加剤」ともいう)は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有することを特徴とする。
酵素処理イソクエルシトリンは、下記化学式で示されるα−グルコシルイソクエルシトリンを主成分とするものであり、糖転移イソクエルシトリンとも称される。
(i)対象とする酵素処理イソクエルシトリン(対象試料)を乾燥し、その約0.05gを精密に量り、水に溶かして正確に100mlとする。必要があればろ過する。この液4mlを正確に量り、リン酸溶液(1gのリン酸を水に溶解して全量を1000mlにした水溶液。以下同じ)を加えて正確に100mlとし、検液とする。
(ii)別に定量用ルチンを135℃で2時間乾燥し、その約0.05gを精密に量り、メタノールに溶かして正確に100mlとする。この液4mlを正確に量り、リン酸溶液を加えて正確に100mlとし、標準液とする。
(iii)検液及び標準液につき、紫外可視吸光度測定法により、リン酸溶液を対照として、波長351nmにおける吸光度At及びAsを測定し、次式によりルチンとしてα−グルコシルイソクエルシトリンの含量を求める。
本発明が対象とする増粘多糖類は、飲食品または口腔用若しくは経口用医薬品への使用が許可されている可食性の増粘多糖類である。かかる増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン(例えば、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガムなど)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン(例えば、カッパ型、イオタ型、ラムダ型など)、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチンなど)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウムなど)、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラヤガム、ファーセレラン、キチン、ウェランガム、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、発酵セルロース、結晶セルロースなど)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン類(例えば、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化デンプン、リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、酢酸デンプンなど)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリンなど)及び大豆多糖類などを挙げることができる。
本発明の添加剤は、上記成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の可食性成分を含有することができる。
本発明の添加剤は、少なくとも前述する酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有していれば、その形態は問わない。例えば、固体状、ペースト状、及び液体状等を挙げることができる。好ましくは粉末状、顆粒状、錠剤状等の固体状又は液体状であり、より好ましくは、水への溶解性に優れる点から顆粒状である。
なお、対象口腔・経口組成物が穀類を加工して調製される飲食品(穀類加工飲食品)である場合は、特に、本発明の添加剤を配合した後の経口組成物中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.003〜0.5質量%となるような割合で添加することが望ましい。好ましくは穀類加工飲食品中に含まれる酵素処理イソクエルシトリン含量が0.005〜0.45質量%、より好ましくは0.0065〜0.4質量%となるような割合である。
本発明の添加剤が添加の対象とする口腔組成物は、口から摂取または服用(投与)され、口腔内で滞留される飲食品及び口腔用医薬品であり、例えばガム、グミ、フィルム、タブレット(例えばトローチ)等の飲食品;洗口液、歯磨き剤、フィルム、タブレット(例えばトローチ)等の口腔用医薬品を例示することができる。また本発明の添加剤が添加の対象とする経口組成物は、口から摂取または服用(投与)される飲食品及び経口医薬品である。なお、口腔組成物と経口組成物とは、口腔組成物が口腔内で一定時間滞留した状態で使用される組成物(嚥下されるもの及び嚥下されないものの両方を含む)であるのに対して、経口組成物は、通常、必要な咀嚼以外、口腔内で滞留されることなく嚥下される組成物である点で相違するものの、厳格に区分けする必要はなく、一部共通するものであってもよい。なお、後述する本発明の経口組成物と区別するために、本発明の添加剤が添加の対象とする口腔・経口組成物を「対象口腔・経口組成物」と、また飲食品及び口腔用若しくは経口用の医薬品を、それぞれ「対象飲食品」及び「対象口腔・経口医薬品」ともいう。
本発明は、酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有することを特徴とする口腔・経口組成物である。当該口腔・経口組成物には前述する本発明の添加剤を含有する口腔・経口組成物が含まれる。本発明の口腔組成物は、口から摂取または服用(投与)され、口腔内で滞留される飲食品及び口腔用医薬品であり、例えばガム、フィルム、タブレット等の飲食品;洗口液、歯磨き剤、フィルム、タブレット等の口腔用医薬品を例示することができる。また本発明の経口組成物は、経口的に摂取または服用されるものであればよく、例えば飲食品及び経口用医薬品が含まれる。なお、本発明が対象とする飲食品には、機能性表示食品、特定保健用食品、及び栄養機能食品などの健康食品が含まれる。
[破断歪みの測定方法]
(a)被験試料として、直径20mm、高さ10mmの円柱状の口腔・経口組成物(被験試料)(品温20℃)を用意する。
(b)テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製])を用いて、上記被験試料を圧縮する。圧縮は、直径100mmの治具を用いて、10mm/sの速度で行う。
(c)圧縮により得られる「応力−歪み曲線」から破断点を決定し、下記式から破断歪みを求める。
被験試料を直径40mm、高さ20mmの容器に充填し、テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製])を使用して、直径20mm、高さ8mmの樹脂製のプランジャーを用いて、圧縮速度10mm/s、クリアランス5mmで2回圧縮測定する。1回目の圧縮時の最大応力を「かたさ」(N/m2)とする。
実験例1 ゾル形態を有する口腔・経口組成物の唾液分泌促進作用(その1)
(1)被験試料の調製
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表1に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゾル形態を有する口腔・経口組成物(被験試料1−1〜1−5)を調製し、品温20℃、標準大気圧の条件で粘度(ずり速度100s−1)を測定した。また、対照実験用に酵素処理イソクエルシトリンを水(20℃)に表1に記載する割合で溶解して口腔・経口組成物(対照試料1)を調製し、品温20℃、標準大気圧の条件で粘度(ずり速度100s−1)を測定した。なお、ここで増粘多糖類としてキサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を使用し、酵素処理イソクエルシトリンとして三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の酵素処理イソクエルシトリン製剤「サンエミック(登録商標)NO.1」を使用した。当該酵素処理イソクエルシトリン製剤には、酵素処理イソクエルシトリンがα−グルコシルイソクエルシトリン(ルチン[C27H30O16]として)換算で10質量%の割合で含まれており、その他の成分はデキストリンである。
対照試料及び被験試料の粘度は、フルイドレオメーターARES−LS1(治具:直径50mm、コーンプレート型の樹脂製、ギャップ0.05mm)(TA instruments社製)を用いて、試料温度20℃、標準大気圧条件にて、ずり速度100s−1における粘度値を測定した。
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料1、被験試料1−1〜1−5)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、比較試料1または被験試料1−1〜1−5)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表3に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゾル形態を有する口腔・経口組成物(被験試料2−1〜2−5)を調製した。なお、増粘多糖類としてキサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を使用し、酵素処理イソクエルシトリンとして、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の酵素処理イソクエルシトリン製剤「サンエミック(登録商標)NO.1」を使用した。
実験例1と同様に、唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(被験試料2−1〜2−5)、及び水(ブランク)の各々について(いずれも温度20℃)、その唾液分泌促進作用を評価した。
各種の被験試料(酵素処理イソクエルシトリン、αGルチン、またはケルセチンの水溶液)に、増粘多糖類としてキサンタンガムを配合してとろみを付けて、実験例1と同様にして、それぞれの唾液分泌促進効果を評価し、増粘多糖類配合の有無(とろみあり/なし)による唾液分泌促進効果の違いを調べた。
被験物質として、酵素処理イソクエルシトリン製剤(サンエミック(登録商標) NO.1:三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)、ケルセチン(LKT Laboratories, Inc製)、及びα−グルコシルルチン(αGルチン)(東洋精糖(株)製)を用いて、これらをそれぞれ飲用水に溶解して、各化合物中の構造に含まれるルチンの量(モル濃度)に換算して各々25μM、75μM、150μM、750μM及び3750μMの水溶液(被験試料)を調製した。表5に、各被験試料について、ルチン換算量(モル濃度:μM)と水溶液中の被験物質の含有量(質量%)を示す。
測定条件
測定温度:20℃
ジオメトリー:直径50mmのコーンプレート、ギャップ 0.05mm
ずり速度:100s−1。
実験例1と同様にして(パネルも同じ)、上記で調製した各被験試料について、唾液分泌促進効果を評価した。結果を表6及び図3に示す。なお、とろみあり試料の粘度はすべて20mPa・s、とろみなし試料の粘度はすべて1mPa・sであった。
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表7に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製し、唾液分泌促進作用を評価した。
(1)対照試料及び被験試料の調製
下記の手順に従ってゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製した。
1.表7に記載する成分のうち(1)〜(4)を粉体混合する。
2.上記粉体混合物をイオン交換水(6)に添加し、90℃に加熱して、1300rpmで10分間撹拌しながら溶解する。
3.(1)〜(4)の水溶液に(5)を添加し、必要に応じてイオン交換水(6)で重量補正する。4.上記で調製した(1)〜(6)の水溶液を酸素バリア層を含む多層構造の樹脂容器(ラミコンカップ:東洋製罐(株)製)に充填し、シールする。
5.殺菌する(85℃、30分間)。
6.8℃に冷却してゲル化させてゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製する。
7.5℃の冷蔵庫にて保存する。
(2−1)破断歪みの測定
ガラス製の筒状物(内直径20mm、高さ10mm、厚み1.5mm)の中に、表7に記載する各対照試料及び被験試料の(1)〜(6)の溶解水溶液を注ぎ込み、8℃の水槽で2時間冷却して固化させた後、5℃で15時間静置して、円柱形態(直径20mm、高さ10mm)のゲル状口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)を調製した。
上記で調製した円柱形態の各ゲル状口腔・経口組成物(直径20mm、高さ10mm)(以下、「対照試料」または「被験試料」という)の破断歪みを、下記手順に従って、テクスチャーアナライザー(テクスチャーアナライザーTA−XT−2i[Stable Micro Systems社製]、プローブ:P/50(φ50mm))を用いて測定した。なお、測定に際して対照試料または被験試料は、品温が20℃になるように調温した。
(a)直径100mmの治具を用いて、対照試料または被験試料を10mm/sの速度で圧縮する(開始位置:20mm、クリアランス:1mm)。
(b)圧縮により得られる「荷重−歪み曲線」の降伏点(応力の上昇が緩和する点:ピークもしくは変曲点)を破断点とし、下式から対照試料及び被験試料の破断歪みを求める。
ステンレス製の円柱状容器(内直径40mm、高さ15mm)の中に、表7に記載する各対照試料及び被験試料の(1)〜(6)の溶解水溶液を注ぎ込み、8℃の水槽で2時間冷却して固化させた後、5℃で15時間静置して、直径40mm、高さ15mmの容器に充填されたゲル状口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4〜5、被験試料4−1〜4−5)を調製した。
結果を表9に記載する。
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5、品温20℃)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。
(a)試料(対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)10gを口に含み、20秒間自由に咀嚼した後、一回で嚥下する。水は10gを口に含み、20秒間口腔中で保持した後、一回で嚥下する。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cm×4mmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、対照試料4−1〜4−5、被験試料4−1〜4−5)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。
酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を表11に記載する割合で含有する口腔・経口組成物用添加剤を水(20℃)に溶解して、ゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製し、実験例4に記載する方法に従って唾液分泌促進作用を評価した。
下記の手順に従ってゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製した。
1.表11に記載する成分のうち(1)〜(3)を粉体混合する。
2.上記粉体混合物をイオン交換水(5)に添加し、90℃に加熱して、1300rpmで10分間撹拌しながら溶解する。
3.上記の水溶液に(4)を添加し、必要に応じてイオン交換水(5)で重量補正する。4.上記で調製した(1)〜(5)の水溶液を酸素バリア層を含む多層構造の樹脂容器(ラミコンカップ:東洋製罐(株)製)に充填し、シールする。
5.殺菌する(85℃、30分間)。
6.8℃に冷却してゲル化させてゲル形態を有する口腔・経口組成物を調製する。
7.5℃の冷蔵庫にて保存する。
調製した口腔・経口組成物は破断歪みが0.511〜0.526、かたさが41,528〜54,170N/m2であった。
唾液分泌に異常のない健常者3名(A〜C:平均年齢31.3歳)をパネルとして、上記で調製した口腔・経口組成物(対照試料5、被験試料5−1〜5−6、品温20℃)、及び温度20℃の水(ブランク)の各々について、下記の方法により、その唾液分泌促進作用を評価した。
(a)試料(対照試料5、被験試料5−1〜5−5)10gを口に含み、20秒間自由に咀嚼した後、一回で嚥下する。水は10gを口に含み、20秒間口腔中で保持した後、一回で嚥下する。
(b)嚥下後、5秒間経過後に、舌の下に3.75cm×3.75cm×4mmの大きさの脱脂綿を入れて2分間保持する。なお、脱脂綿は予め重さを測定しておく。
(c)2分後、脱脂綿を回収して重さを測定する。
(d)舌の下に入れる前後の脱脂綿の重量変化から、各試料(ブランク[水]、対照試料5、被験試料5−1〜5−6)を摂取した場合の唾液分泌量を算出する。
Claims (10)
- 酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類を含有する、口腔または経口組成物用添加剤。
- 増粘多糖類が、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、寒天、サイリウムシードガム及びカラギナンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載する口腔または経口組成物用添加剤。
- 酵素処理イソクエルシトリン1質量部に対して増粘多糖類を0.2〜500質量部の割合で含有する請求項1又は2に記載する口腔または経口組成物用添加剤。
- 口腔または経口組成物が飲食品または医薬品である、請求項1乃至3のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤。
- 口腔または経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、請求項1乃至4のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤。
- 下記(1)及び(2)の少なくとも1方の物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する口腔組成物または経口組成物を調製するための添加剤である、請求項1乃至5のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度(ずり速度100[S-1]):0.006〜0.6Pa・s。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤を含有する口腔または経口組成物。
- 上記口腔または経口組成物が、唾液分泌機能が低下している人、嚥下機能が低下している人、及び咀嚼機能が低下している人よりなる群から選択される少なくとも1種の人が摂取または服用する飲食品または医薬品である、請求項7に記載する口腔または経口組成物。
- 上記口腔または経口組成物が、下記(1)及び(2)の少なくとも1方の物性を有するゲル、または下記(3)に記載する物性を有するゾルの形態を有する飲食品または医薬品である、請求項7または8に記載する口腔または経口組成物:
(1)破断歪み:0.3〜0.8
(2)かたさ:500〜500,000N/m2
(3)粘度(ずり速度100[S-1]):0.006〜0.6Pa・s。 - 酵素処理イソクエルシトリン及び増粘多糖類、または請求項1乃至6のいずれかに記載する口腔または経口組成物用添加剤を、水分含量60質量%以上の飲食品または医薬品に配合する工程を有する、請求項7乃至9のいずれかに記載する口腔または経口組成物の調製方法。
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