JP2009185228A - ゲル化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、セロオリゴ糖と寒天を含有し、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤と、それを含有するゲル状組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、難消化性糖質であるセロオリゴ糖と、寒天を組み合わせることで、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤と、それを含有するゲル状組成物を提供することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セロオリゴ糖と寒天を含有し、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤、およびそれを含有するゲル状組成物に関する。
寒天は良く知られているゲル化剤の1つであり、近年では健康食品素材としても注目されている。寒天は、砂糖との併用でゲル強度が向上することが知られている。しかしながら、昨今の消費者の健康志向と、生活習慣病罹患者の増加により、食品組成物や医薬品組成物などのゲル状組成物の低カロリー化、つまり砂糖の添加量低減が求められている。
上記問題を解決する手段として、高甘味度甘味料の利用が提案されているが、その味質が不自然であることや、糖類の配合効果による保形性等の物性維持が困難であることから、単純に低カロリーであるという理由で置き換えることはできない。
それに対し、セロオリゴ糖は、腸内細菌叢改善などの様々な生理活性効果を有し、且つ、難消化性で低カロリーであることから、砂糖代替物質として好ましい食品素材である。
特許文献1には、セロオリゴ糖を含有する食品組成物の記載があるが、寒天やゲル化剤に関する記載は無く、またその効果は味質改善であり、本発明とは何ら関連性が無い。
特許文献2には、β−グルコオリゴ糖の記載はあるが、その実態はゲンチオオリゴ糖であり、セロオリゴ糖とは化学構造が異なる。また寒天やゲル化剤に関する記載は無く、その効果は味質改善である。
特許文献3には、オリゴ糖を含有する寒天易溶化剤の記載があるが、セロオリゴ糖については何ら言及されておらず、本発明とは内容を異にする。
特許文献4には、ある特定の水不溶性天然セルロース系物質を、セルラーゼの存在下で酵素分解して得られた、セロオリゴ糖を含むことを特徴とする食品組成物や医薬品組成物の記載があるが、寒天やゲル化剤に関する記載は無い。
特許文献5には、セロオリゴ糖と寒天を配合したゼリーに関する記載があるが、ゲル強度に関しては一切言及されておらず、その実態については不明である。
特開2002−223721号公報 特開2002−335903号公報 特開2007−37531号公報 WO/2006/011479 WO/2007/037249
本発明は、セロオリゴ糖と寒天を含有し、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤と、およびそれを含有するゲル状組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、難消化性糖質であるセロオリゴ糖と、寒天とを組み合わせることで、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤、およびそれを含有するゲル状組成物を提供することが可能であることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1) セロオリゴ糖と寒天とを1:99〜(99.9):(0.1)の質量比で含有することを特徴とするゲル化剤。
(2) セロオリゴ糖におけるセロビオース含有量が90質量%以上である、(1)に記載のゲル化剤。
(3) 寒天のゼリー強度が100〜1000g/cm2である、(1)または(2)に記載のゲル化剤。
(4) さらに0.0001〜10質量%の高甘味度甘味料を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のゲル化剤。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載のゲル化剤と、食品素材、食品添加物、医薬品、医薬部外品、化粧品および医薬品添加物から選ばれるいずれかの物質を含有する、ゲル状組成物。
本発明は、セロオリゴ糖と寒天を含有し、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤、およびそれを含有するゲル状組成物を提供することを可能とする。
本発明者は、セロオリゴ糖と寒天を組み合わせることで、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤と、それを含有するゲル状組成物を提供することが可能であることを見出した。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のセロオリゴ糖とは、グルコピラノース単位が2〜6個程度、β−1,4結合した構造を持つオリゴ糖であり、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオースおよびセロヘキサオースからなる群より選択される主成分を、50質量%以上含有する。この主成分とその含有量としては、セロビオースを70質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上であれば、さらに好ましい。これは上述のセロオリゴ糖主成分の中で、水に対する溶解度はセロビオースが最も高いことから、本発明のゲル化剤に最も適しているからである。
また上述のセロオリゴ糖は、副成分としてグルコースを含有しても構わないが、吸湿性やカロリーの問題から、含有量は10質量%以下であることが好ましい。
本発明のセロオリゴ糖の製造方法としては、特に規定するものではないが、安全性の点からは、セルロース系物質をセルラーゼで酵素分解して得られるものを使用するのが好ましい。
本発明におけるセロオリゴ糖の、主たる成分であるセロビオースのエネルギー換算係数は、2kcal/gであり、難消化性糖質である。昨今の消費者の健康志向からみて、品質改良を目的に、高カロリーの消化性糖質を使用することは問題がある。
ここで言う消化性糖質とは、健康増進法に基づく、健康表示基準対応のエネルギー換算係数が、4kcal/gの糖質であり、トレハロースなどがこれに含まれる。
ここで言うセルラーゼとは、セルラーゼを分解する酵素の総称であり、セルロースの分解活性を有する酵素が全て含まれる。セルラーゼ酵素源は、特に限定されるものではないが、例えばセルラーゼ産生菌体、菌体の産生する酵素を精製したもの、精製酵素を添加剤等とともに製剤化したものなどがあげられる。またその剤形も、特に限定されるものではないが、例えば液体、粉末、顆粒などがある。
セルラーゼの起源についても、特に限定されるものではなく、公知のセルラーゼ産生微生物としては、Tricoderma属、Acremonium属、Aspergillus属、Bacillus属、Pseudomonas属、Penicillium属、Aeromonus属、Irpex属、Sporotrichum属、Humicola属、Cellovibrio属などがあるが、セルロースを分解する酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明でいうセルラーゼに含まれる。
本発明の寒天とは、β−D−ガラクトースとα−L−ガラクトースのβ−1,4結合と、α−1,3結合が交互に繰り返し構造を持つアガロースと、アガロース以外のイオン性多糖類であるアガロペクチンからなる多糖類である。その形態は特に限定されるものではないが、例えば、棒寒天(角寒天)、糸寒天、粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天などが知られているが、この中でも使い易さや安定性に優れる、粉末寒天を使用することが望ましい。
ここで言う寒天のゼリー強度は、後述の日寒水式法により測定される。その値は特に限定されるものではないが、通常は30〜2000g/cm2程度であり、好ましくは100〜1000g/cm2である。処方によっては、100g/cm2未満であるとゲル化しにくくなったり、1000g/cm2を超えるとゲルが脆くなったりする場合があるからである。
本発明のゲル化剤とは、具体的には、後述するゲル状組成物の調製を目的に、使用される製剤のことをさす。
本発明のゲル化剤における、セロオリゴ糖と寒天の比率は、質量比で、セロオリゴ糖:寒天=1:99〜(99.9):(0.1)であれば特に規定するものではないが、ゲル状組成物の処方によっては、効果がわかりにくい場合があるので、30:70〜99:1であることが好ましく、50:50〜98:2であればさらに好ましい。
また本発明のゲル化剤には、必要に応じて0.0001〜10質量%の高甘味度甘味料を含有させることができる。本発明の高甘味度甘味料とは、砂糖と比較して、数倍〜数万倍程度の甘味度を持ち、例えば、サッカリン、サッカリンNa、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、甘草抽出物、ステビア、ソーマチン、グリチルリチン、ネオテームなどがあげられる。
本発明のゲル化剤は、本発明の効果を妨げない限りにおいて、上記の成分以外に、後述の食品素材、食品添加物、医薬品、医薬部外品、化粧品、医薬品添加物から選ばれる物質などを適宜配合した組成物とすることができる。
ここで言う食品素材とは、一般に食品の原材料として使用される素材のことであり、薬事法で規定される医薬品および医薬部外品と、食品衛生法で規定される食品添加物を除き、飲食に供される全てのものが含まれる。
ここで言う食品添加物とは、食品の加工もしくは保存の目的で添加される物質のことである。
食品添加物の例としては、厚生労働省の「指定添加物リスト」、「既存添加物名簿収載品目リスト」、「天然香料基原物質リスト」、「一般に食品として飲食に供させている物であって添加物として使用される品目リスト」などに収載される食品添加物や、JECFAなどの国際機関で安全性が確認されたもの、米国・欧州などの諸外国で使用が認可されている食品添加物などがあげられ、保存料・日持向上剤、酸化防止剤、甘味料、着色料・色素、乳化剤、増粘ゲル化剤、品質改良剤、調味料、酸味料、強化剤、香料、酵素などに分類される。
食品素材や食品添加物の例としては、以下のようなものがあげられる。
ここで言う食品素材としては、例えば、果実・野菜およびそのエキス類、果実・野菜加工品(フルーツプレパレーション、フルーツソース、ジャム等)、乾燥果実(干しぶどう、干しパイナップル等)、ナッツ・種子類(くるみ、ピーナッツ、アーモンド、マカデミアナッツ、ピーカンナッツ、大豆、ゴマ、芥子等)、牛乳、加工乳、豆乳、果汁、野菜汁、卵類(液卵、卵黄粉末等)、ココア末、糖や糖アルコール類、肉や魚のエキス類、タンパク質、ペプチド、アミノ酸類、食物繊維、天然由来高分子(コラーゲン、ヒアルロン酸、天然繊維等)、ビタミン類、生理活性物質(コエンザイムQ10、α−リポ酸、β−グルカン、セラミド等)、澱粉類、デキストリン、油脂類(サラダ油、ゴマ油、ラード、菜種油、ショートニング等)、アルコール類、塩類(食塩、Caなどのミネラル類等)、調味料(醤油、味噌、酢、みりん、砂糖、マヨネーズ、ドレッシング、タレ、豆板醤、ソース類等)、香辛料(シナモン、コショウ、唐辛子等)などがあげられる。
保存料・日持向上剤としては、例えば、例えば、過酸化水素、ソルビン酸およびソルビン酸K、デヒドロ酢酸Na、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸および安息香酸Na、プロピオン酸およびその塩類、次亜塩素酸Na、酢酸、酢酸ナトリウム、グリシン、エチルアルコール、ポリリジンおよびその製剤、プロタミンおよびその製剤、リゾチームおよびその製剤、ペクチン分解物、アラニン、チアミンラウリル硫酸塩、ユッカフォーム抽出物、キトサンおよびその製剤、プロピレングリコールなどがあげられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、L−アスコルビン酸およびアスコルビン酸Na、エリソルビン酸およびエリソルビン酸Na、ミックストコフェノールなどがあげられる。
甘味料としては、例えば、上述の高甘味度甘味料、単糖類(アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フルクトース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アピオース、エリトロース、トレオース、グリセルアルデヒド、セドヘプツロース、コリオース、プシコース、ソルボース、タガトース、リブロース、キシルロース、エリトルロース、ジヒドロキシアセトン等)、二糖類やオリゴ糖類(スクロース、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、イソトレハロース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、パラチノース、トレハルオース、フラクトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、グリコシルスクロース、ラクトスクロース、テアンデロース、ガラクトシルラクトース、ラクチュロース、α−結合ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パノース、ニゲロオリゴ糖、トレハロース、デキストリン、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、ビートオリゴ等)、糖アルコール類(グリセロール、エリスリトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、還元パラチノース、マルオトリイトール、イソマルトトリイトール、マルトテトライトール、イソマルトテトライトール等)、水飴、還元水飴、糖含有シロップ、液糖、糖蜜、蜂蜜などがあげられ、その化学構造や性状(固体、液体、顆粒など)は特に限定されない。
着色料としては、β−カロチン色素、抽出カロチン色素、ビタミンB2、銅クロロフィルおよび銅クロロフィルNa、アナトー、アカキャベツ、アカダイコン、イカスミ、植物炭末、ウコン、エルダーベリー、カカオ、カロブ、クロロフィル、クチナシ黄、クチナシ青、クチナシ赤、グレープスキン、コチニール、コーリャン、シソ、シアナット、スピルリナ、タマリンド、タマネギ、トマト、パプリカ、ビートレッド、ブドウ果汁、ベニコウジ、ベニバナ黄、ベニバナ赤、マリーゴールド、ムラサキイモ、ムラサキコーン、ラック、カラメルなどがあげられる。
色素としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、赤色3号レーキ、赤色40号レーキ、黄色4号レーキ、黄色5号レーキ、青色1号レーキ、青色2号レーキなどがあげられる。
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、PGエステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン類(レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン等)、植物ステロールなどがあげられる。
増粘ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、アルギン酸およびその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、アーモンドガム、アラビアガム、キサンタンガム、アラビノガラクタン、エレミ樹脂、カラヤガム、ガッディガム、ダンマル樹脂、トラガントガム、モモ樹脂、アマシードガム、カシアガム、グアーガム、グアーガム分解物、ローカストビーンガム、タラガム、サイリウムシードガム、サバクヨモギシードガム、セスバニアガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、トリアカンソスガム、カラギーナン、フクロノリ抽出物、ファーセルラン、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ペクチン、アエロモナスガム、アウレオバシジウム培養液、アゾトバクター・ビネランジーガム、ウェランガム、エルウィニア・ミツエンシスガム、エンテロバクター・シマナスガム、エンテロバクターガム、カードラン、ジェランガム、スクレロガム、デキストラン、納豆菌ガム、プルラン、大豆多糖類、カラギーナン、マクロホモプシスガム、ラムザンガム、レバン、酵母細胞壁、微小繊維状セルロースおよびその製剤、バクテリアセルロースおよびその製剤、結晶セルロースおよびその製剤、粉末セルロースおよびその製剤、キチン、キトサン、グルコサミン、オリゴグルコサミン、グルコマンナン、こんにゃく粉、寒天、デキストリン、分岐デキストリン、難消化性デキストリン、PGA、ポルフィラン、ファーセルラン、フコイダンなどがあげられる。
品質改良剤としては、ステアロイル乳酸Ca、フィチン酸、プロピレングリコール、リン酸Ca、リン酸Na、ピロリン酸Na、ポリリン酸Na、メタ・ヘキサリン酸Na、リン酸K、リン酸アンモニウム、リン酸、焼みょうばん、生みょうばん、ホエーたん白、カゼイン、カゼイネート、プラズマパウダー、粉末状大豆たん白、粉末状小麦たん白、ペースト状小麦たん白、EDTA塩類などがあげられる。
調味料としては、例えば、グルタミン酸Na、核酸系調味料、アミノ酸系調味料、エキス系調味料、酵母エキス、グリシン、アラニンなどがあげられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸液、グルコノデルタラクトンなどがあげられる。
強化剤としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ニコチン酸およびニコチン酸アミド、葉酸、パトテン酸Ca、グルコン酸Ca、乳酸Ca、天然Ca、ミルクCaなどがあげられる。
香料としては、例えば、ピーチフレーバー、オレンジフレーバー、レモンフレーバー等のフルーツフレーバー類、アロマフレーバー類、マルトール、フラネオール等のシュガーフレーバー類、ソトロン等のフレーバーエンハンサー類、フラボノイド類、カカオマス等のポリフェノール類、プリカーサーフレーバー類、ミートフレーバー類、コーヒーフレーバー類、ミルクフレーバー、メントール類、デカラクトン類などがあげられる。
酵素としては、例えば、αアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、グルコースイソメラーゼ、プロテアーゼ、レンネット、パンクレアチン、パパインなどがあげられる。
ここで言う医薬品とは、薬事法に規定される医薬品をさす。つまり以下の(1)〜(3)に該当するものであり、医薬品薬効成分の多くがこれに含まれる。
(1)日本薬局方に収められている物
(2)人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品(以下「機械器具等」という。)でないもの(医薬部外品を除く。)
(3)人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)
ここで言う医薬部外品とは、薬事法に規定される医薬部外品をさす。つまり以下の(4)〜(7)を目的に使用されるものであり、且つ、人体に対する作用が緩和な物であって、機械器具等でないもの、およびこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、上述の(2)または(3)に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物を除くものとする。
(4)吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
(5)あせも、ただれ等の防止
(6)脱毛の防止、育毛又は除毛
(7)人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止
さらに医薬部外品には、上述のものに準ずるもので厚生労働大臣の指定する、「新指定医薬部外品」や「新範囲医薬部外品」も含まれる。新指定医薬部外品には、例えば、のど清涼剤、健胃清涼剤、ビタミン剤、カルシウム剤、ビタミン含有保健剤などがこれに該当する。また、新範囲医薬部外品には、例えば、いびき防止薬、カルシウム含有保健薬、うがい薬、健胃薬、口腔咽頭薬、コンタクトレンズ装着薬、殺菌消毒薬、しもやけ用薬、瀉下薬、消化薬、生薬含有保健薬、整腸薬、鼻づまり改善薬(外用剤のみ)、ビタミン含有保健薬(一部を除く)などが該当する。
ここで言う化粧品とは、薬事法に規定される化粧品をさす。つまり、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、上述の(2)または(3)に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物、および医薬部外品は除くものとする。
ここで言う医薬品添加物とは、薬事法上の医薬品や医薬部外品に該当しない、医薬品製剤に含まれる有効成分以外の物質であり、「製剤化を容易にする」、「品質の安定化を図る」、「有用性を高める」などを目的として、医薬品や医薬部外品などに添加される物質の総称である。用途により、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、増粘剤、界面活性剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、懸濁化剤、粘稠剤などに分類される。代表的な医薬品添加物は、「医薬品添加剤事典」(株式会社薬事日報社)、「医薬品添加物ハンドブック」(株式会社薬事日報社)などに収載されている。
本発明のゲル状組成物とは、上述のゲル化剤とそれを溶解するために用いられる媒体(水など)を必須成分とし、溶解、凝固させることで得られる。そのゲル強度は、後述の破断荷重を指標として表される。この破断荷重が0.2N以上である場合に、ゲル状組成物である、つまりゲル化していると判断できる。
ゲル状組成物における、上述のゲル化剤の添加量は、特に限定されるものではないが、通常は0.35質量%以上、好ましくは0.5質量%以上である。0.35質量%未満であると、ゲル形成能が発揮できない場合が多いからである。
また本発明のゲル状組成物の主要用途としては、特に限定されるものではないが、食品組成物、医薬品組成物としての使用に適しており、工業用製品への応用も可能である。
ここで言う食品組成物とは、薬事法で規定される医薬品および医薬部外品と、食品衛生法で規定される食品添加物を除き、飲食に供されるものが全て含まれる。
応用できる食品組成物の例としては、「羊羹、水羊羹、餡、団子、饅頭、おはぎ、くずきりなどの和菓子類」、「プリン、ゼリー、ババロアなどのデザート類」、「フルーツヨーグルト、栄養強化ヨーグルト(Ca強化等)を含むヨーグルト類」、「アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット、ソルベなどの冷菓」、「飲料、みつまめ、ヨーグルトなどにアクセント付けとして添加される具材」、「グミキャンディー、キャンディー、グミキャンディー、キャラメル、ガム、チョコレートなどの菓子類」、「クッキー、ビスケット、煎餅などの焼菓子類」、「フィリング類」、「バッターミックス類」、「ショートニング類」、「嚥下障害者用食品、介護食、きざみ食、とろみ食などのユニバーサルデザインフード」、「ダイエット食品などの健康食品」、「ゼリー状飲料やチュアパック飲料」、「ソース、タレ、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料」、「練りがらしに代表される各種練り調味料」、「麺類」、「餃子、春巻き、中華饅頭などの皮」、「うどん、そば、中華麺などの麺類」、「食パン、菓子パン、スポンジケーキ、シフォンケーキなどのパン・ケーキ類」、「フルーツソース、フルーツプレパレーション、ジャムに代表される果実・野菜加工品」、「食品に区分される流動食類」、「健康食品や栄養強化食品」、「茶碗蒸しや豆腐などのゲル状食品」、「かまぼこなどの練り製品」、「ソーセージ、ハムなどの畜肉食品」、「スプレッド、チーズ、ホイップクリームなどの乳製品」、「惣菜・弁当類」、「通常飲料(コーヒー、茶類、アイソトニック飲料、牛乳、乳飲料、酸性乳飲料、豆乳類、大豆飲料、抹茶、ココア、しるこ、ジュース、果肉入り飲料など)として摂取されるもののゲル化物」、「ペットフード類」などがあげられる。中でも砂糖の添加量が多い和菓子類や、ヨーグルト類やダイエット食品などをはじめとする健康志向型食品への応用に適している。
尚、レトルト食品、冷凍食品、電子レンジ用食品等のように、形態または使用時調製の加工手法が異なっていてもよい。
またここで言う医薬品組成物とは、上述の医薬品、医薬部外品および化粧品に加え、薬事法で規定される医療機器をさす。つまり、人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、または人もしくは動物の、身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であって、政令で定めるものである。また医療機器は、「機械器具」、「医療用品」、「歯科材料」、「衛生用品」、「動物専用医療機器」などに分類される。
上述の規定に合致するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、機械器具としては、聴診器、注射筒、補聴器など、医療用品としては、縫合糸、整形用品など、 歯科材料としては、歯科用ワックス、歯科用研削材料など、衛生用品としては、紙おむつ、生理用品など、動物専用医療機器としては、悪癖矯正用器具、受精卵移植用器具、妊娠用診断器具などがあげられる。
医薬品組成物の例としては、「経口医薬品、ホルモン剤などの経鼻医薬品、経腸医薬品、外皮用薬、経皮医薬品などの医薬品類」、造影剤、「医薬品に区分される流動食類」、「薬用化粧品、ビタミン含有保健剤、毛髪用剤、薬用歯磨き剤、浴用剤、殺虫剤・防虫剤、腋臭防止剤、口内清涼剤などの医薬部外品」、「人工軟骨、薬物担体、DNA担体、生体用接着剤、創傷被覆材、人工臓器などの生体材料」、貼布剤、コーティング剤、カプセル、「美容成分含有ゲル状化粧料、パック、モイスチャークリーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、クレンジングクリーム、洗顔料、バニシングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、日焼け止め用化粧料などの皮膚用化粧品」、「ファンデーション、口紅、リップクリーム、ほほ紅、サンスクリーン化粧料、まゆ墨、マスカラ等まつげ用化粧料、マニキュアや除光液等のつめ化粧料などの仕上用化粧品」、「シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ポマード、チック、ヘアクリーム、香油、整髪料、ヘアスタイリング剤、ヘアスプレー、染毛料、育毛剤や養毛剤などの頭髪用化粧品」、さらにはハンドクリーナーのような洗浄剤、浴用化粧品、ひげそり用化粧品、芳香剤、歯磨き剤、軟膏、貼布剤などがあげられる。
また、応用できる工業製品の例としては、顔料、塗料、インク類、消臭・芳香剤、抗菌・防カビ剤、接着剤、コーティング剤、界面活性剤、「紙おむつなどの衛生材料」、「細胞、細菌、ウイルスなどの培養材料」、「電気泳動用ゲル、クロマトカラムあるいはその充填剤などの実験材料」、「土壌改良剤、植物栽培用保水材などの農業・園芸用品」、人工雪、ろ過材、洗剤、液体石けん、火薬・爆薬類、燃料などがあげられる。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお本願発明にかかる物質の諸物性の評価は以下の手法に拠った。
<糖組成>
以下の条件で、糖組成分析を行った。
装置:高速液体クロマトグラフ「LC−20A型」(株式会社島津製作所製)
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器)
カラム:「Asahipak NH2P−50」(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/水=75/25(容積比)
流量:1mL/min
<寒天のゼリー強度>
ゼリー強度を日寒水式法により求めた。方法を以下に示す。
まず寒天の1.5質量%水溶液を調製し、その水溶液を20℃で15時間放置して凝固させてゲルを作製した。さらに、そのゲルを日寒水式ゼリー強度測定器(株式会社木屋製作所製)により荷重をかけ、20℃で20秒間その荷重に耐えるときの表面積1cm2あたりの最大質量(g)をゼリー強度とした。
尚、日寒水式測定法では、100g/cm2以下のゼリー強度を測定できないので、ゼリー強度と寒天濃度の比例関係を利用して算出するものとする。例えば、15%寒天濃度のゼリー強度が200g/cm2であった場合、1.5%寒天濃度のゼリー強度は20g/cm2と換算できる。
<ゲル状組成物および水羊羹の破断荷重測定>
(1)内径約45mm、高さ5cmのステンレス製円筒の、開口部の片方に耐熱性ラップを貼り、輪ゴムでとめて、ゲル充填用の容器を準備する。
(2)ゲル化剤を溶解したゲル化剤溶液を、上記の容器に、高さ約40mmになるまで注入・充填する。
(3)容器に耐熱性ラップをかけて、輪ゴムでとめて、密閉する。
(4)ゲル化剤溶液の入った容器を、10℃で24時間冷却する。
(5)容器の上部及び底部のラップを外し、サンプルの底面が上になるように上下を反転させた状態で、容器ごとレオメータの試料台に載せる。
(6)容器をそっと抜き取り、サンプルだけを試料台に載せた状態で、サンプルの厚み(mm)を測り、以下の条件で測定する。
装置:レオメータ(RE−33005−1型)(株式会社山電製)
モード:破断強度解析
ロードセル:2kg
押し込み速度:1mm/sec
押し込み治具:12mmφ×25mm円柱状
測定温度:10℃
(7)得られた破断パターンから、破断点の荷重値である「破断荷重(N)」を読みとる。
以下、本発明を実施例と比較例を示して、具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例で使用する原材料について、次の(1)〜(8)に示す。
(1)セロオリゴ糖の製造:普通寒天培地にTricoderma reesei、GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、受領番号FERM BP−10323)を接種し、37℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、塩化カルシウム0.3g、トレースエレメント1mL(硼酸6mg、モリブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量100mLの精製水に溶解させたもの)、アデカノール1mL、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製「セオラスPH−101」)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。
培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、培地のpHを2.8〜4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上清を目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ株式会社製 「マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013」)を使用して、容積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。
次に、市販針葉樹由来の溶解パルプを使用し、加水分解条件を塩酸濃度0.4%塩酸水溶液、120℃、1時間として、加水分解し、酸不溶性残渣を洗浄、ろ過し、ウェットケークを得た。このウェットケークをセルロース10%濃度の水分散体とし、超高性能分散機・湿式微粉砕機(アシザワ株式会社製、「パールミルRL」、φ1mmジルコニアビーズ使用 充填率80%)を使用し、圧密・磨砕処理を施し、セルロース微粒子分散体を得た。
この磨砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし、ガラス製フラスコに仕込んだ。
このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、グルコース0.3質量%、セロビオース1.5質量%であった。
該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ株式会社製、「マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013」)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た。
上記で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコに導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノールを水に加え晶析した。水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、セロオリゴ糖粉末を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成は、グルコース0.9質量%、セロビオース98.2質量%、セロトリオース0.4質量%、セロテトラオース0.2質量%であった。
(2)ショ糖(三井製糖株式会社製)
(3)スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)
(4)寒天(伊那食品株式会社製、粉末寒天)
ゼリー強度を後述の方法で測定したところ、610g/cm2であった。
(5)生あん(原料:小豆、砂糖無添加)
(6)ゲル化剤α
セロオリゴ糖:寒天=86:14の質量比で混合したもの
(7)ゲル化剤β
セロオリゴ糖:寒天:スクラロース=(85.998):14:(0.002)の質量比で混合したもの
(8)ゲル化剤γ
セロオリゴ糖:寒天:ショ糖=20:2:78の質量比で混合したもの
[実施例1]
内径約45mm、高さ5cmのステンレス製円筒の、開口部の片方に耐熱性ラップを貼り、輪ゴムでとめて、ゲル充填用の容器を準備した。
90℃の水をプロペラ攪拌翼で攪拌しながら、5質量%のゲル化剤αを添加して、全量を100質量%とする。さらに400rpmで5分間攪拌したゲル化剤溶液を、上記の容器に、高さ約40mmになるまで注入・充填し、容器に耐熱性ラップをかけ、輪ゴムでとめて、密閉した。
さらにゲル化剤溶液の入った容器を、10℃で24時間冷却し、ゲル状組成物Aを調製した。この容器の上部及び底部のラップを外し、サンプルの底面が上になるように上下を反転させた状態で、容器ごとレオメータの試料台に載せた。
次に、容器をそっと抜き取り、サンプルだけを試料台に載せた状態で、サンプルの厚み(mm)を測り、以下の条件で測定した。
装置:レオメータ(RE−33005−1型)(株式会社山電製)
モード:破断強度解析
ロードセル:2kg
押し込み速度:1mm/sec
押し込み治具:12mmφ×25mm円柱状
測定温度:10℃
得られた破断パターンから、求めたゲル状組成物Aの破断荷重は2.4Nであり、同量の寒天を含有する、比較例1のゲル状組成物Xと比較して、ゲル強度の向上がみられた。
[実施例2]
実施例1のゲル化剤αの代わりに、ゲル化剤βを使用して、実施例1と同様の方法で、ゲル状組成物Bを製造・評価した。
ゲル状組成物Bの破断荷重は2.4Nであり、同量の寒天を含有する、比較例1のゲル状組成物Xと比較して、ゲル強度の向上がみられた。
[実施例3]
98℃の水をプロペラ攪拌翼で攪拌しながら、28質量%のゲル化剤γを添加し、400rpmで2分間攪拌する。さらに生あんを20質量%加え、全量を100質量%として、さらに2分間攪拌した。このゲル化剤溶液を、攪拌しながらとろみが出るまで冷却し、上記の容器に、高さ約40mmになるまで注入・充填し、容器に耐熱性ラップをかけ、輪ゴムでとめて、密閉した。
さらにゲル化剤溶液の入った容器を、10℃で24時間冷却し、水羊羹Cを調製した。水羊羹Cの破断荷重を、実施例1と同様の方法で評価したところ、1.7Nであり、同量の寒天を含有する、比較例2の水羊羹Yと比較して、ゲル強度の向上がみられた。
[比較例1]
実施例1の5質量%のゲル剤αの代わりに、0.7質量%の寒天を使用して、実施例1と同様の方法で、ゲル状組成物Xを調製し、実施例1と同様の方法で製造・評価した。
ゲル状組成物の破断荷重は2.2Nであり、実施例1および2のゲル状組成物と比較して、ゲル強度が劣っていた。
[比較例2]
実施例3の28質量%のゲル化剤γの代わりに、0.56%の寒天を配合し、実施例3と同様の方法で、水羊羹Yを製造・評価した。
水羊羹Yの破断荷重は1.4Nであり、実施例3の水羊羹と比較して、顕著にゲル強度が劣っていた。
本発明は、セロオリゴ糖と寒天を組み合わせることで、低カロリーで、且つ、ゲル強度が向上したゲル化剤と、それを含有するゲル状組成物を提供することができる。つまり消費者の健康志向に即した食品組成物や、生活習慣病罹患者のための医薬品組成物などに広い用途に応用可能である。

Claims (5)

  1. セロオリゴ糖と寒天とを1:99〜(99.9):(0.1)の質量比で含有することを特徴とするゲル化剤。
  2. セロオリゴ糖におけるセロビオース含有量が90質量%以上である、請求項1に記載のゲル化剤。
  3. 寒天のゼリー強度が100〜1000g/cm2である、請求項1または2に記載のゲル化剤。
  4. さらに0.0001〜10質量%の高甘味度甘味料を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゲル化剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゲル化剤と、食品素材、食品添加物、医薬品、医薬部外品、化粧品および医薬品添加物から選ばれるいずれかの物質を含有する、ゲル状組成物。
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