JP2017105729A - ミトコンドリア病の治療剤 - Google Patents

ミトコンドリア病の治療剤 Download PDF

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高明 阿部
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Abstract

【課題】ミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤を提供すること。【解決手段】式(1)で表される化合物及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の化合物を含むものを、ミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤とする。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、ミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤等に関する。
ミトコンドリアは、真核生物細胞の細胞小器官の1つであり、主な機能は電子伝達系によるATPの生産である。生物の体内で消費するエネルギーのほとんどは、ミトコンドリアからATPとして供給される。ここ最近、ミトコンドリアは、エネルギー産生系という本来の機能とは別に、多様な機能に関与することが報告されている。例えば、ミトコンドリアを介するアポトーシス経路、ミトコンドリアの分解系、さらに、ミトコンドリアの異常を原因とする多数の疾患の解明が、医学の分野では盛んに進められるようになった。
ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの機能低下や障害に起因する疾患の総称である。これまでは、ミトコンドリア病は、MELAS(メラス:脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群)、MERRF(マーフ:赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群)等のミトコンドリア脳筋症のように、ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の遺伝的変異による先天性の疾患と考えられてきたが、最近では、環境因子や薬剤によるミトコンドリア機能障害や、神経変性疾患によるミトコンドリア異常等の後天的なミトコンドリア病も報告されている。
ミトコンドリア病の治療剤の開発は進められており、例えば、脳保護剤として販売されている3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを有効成分とする製剤(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ社製)は、ミトコンドリア脳筋症患者において梗塞の拡大を停止する効果や、浮腫を抑制する効果を有することが報告されている(特許文献1)。また、本発明者らは、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1H−インドール−3−イル)−4−オキソ−ブタン酸が、ミトコンドリア病の治療効果やエリスロポエチン発現増強効果を有することを報告している(特許文献2)。しかしながら、未だミトコンドリア病に対して有効な治療法は確立されておらず、対症療法に頼っているのが現状である。
特開2005−89456号公報 国際公開第2014/080640号パンフレット
本発明の課題は、ミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、インドール骨格にハロゲン原子や疏水性基を導入したものは、ミトコンドリア病の治療効果やエリスロポエチン発現量の増強効果を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕式(1)
(式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)で表される化合物及びそれらの塩からなる群(以下、「本件化合物群」ということがある)から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするミトコンドリア病の治療剤。
〔2〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする上記〔1〕に記載の治療剤。
(式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
〔3〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする上記〔1〕に記載の治療剤。
〔4〕ミトコンドリア病が、Leber病、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、又はLeigh脳症であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の治療剤。
〔5〕式(1)
(式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)で表される化合物及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするエリスロポエチン発現増強剤。
〔6〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする上記〔5〕に記載のエリスロポエチン発現増強剤。
(式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
〔7〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする上記〔5〕に記載のエリスロポエチン発現増強剤。
〔8〕式(1)表される化合物又はその塩。
(式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)
〔9〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする上記〔8〕に記載の化合物又はその塩。
(式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
〔10〕式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする上記〔8〕に記載の化合物又はその塩。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、ミトコンドリア病の治療又は予防を必要とする対象(患者)に投与することにより、ミトコンドリア病を治療又は予防する方法や、ミトコンドリア病の治療又は予防剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、ミトコンドリア病の治療又は予防における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、ミトコンドリア病の治療又は予防剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、エリスロポエチン発現低下やエリスロポエチン反応性低下に起因する貧血の治療又は予防を必要とする対象(患者)に投与することにより、エリスロポエチン発現低下やエリスロポエチン反応性低下に起因する貧血を治療又は予防する方法や、エリスロポエチン発現増強剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、エリスロポエチン発現低下やエリスロポエチン反応性低下に起因する貧血の治療又は予防剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、エリスロポエチンの産生低下や反応性低下に起因する貧血の治療又は予防における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、エリスロポエチン発現増強剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用や、エリスロポエチン発現低下やエリスロポエチン反応性低下に起因する貧血の治療又は予防剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、虚血性疾患の治療又は予防を必要とする対象(患者)に投与することにより、虚血性疾患を治療又は予防する方法や、虚血性疾患の治療又は予防剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、虚血性疾患の治療又は予防における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物や、虚血性疾患の治療又は予防剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用を挙げることができる。
本発明のミトコンドリア病の治療剤によると、Leber病、KSS等のミトコンドリア病患者の酸化ストレスによる細胞死を抑制し、ミトコンドリア病を治療することができる。また、本発明のエリスロポエチン発現増強剤によると、腎臓、肝臓などの生体組織で産生されるエリスロポエチン量の抑制を解除することや、かかる生体組織で産生されるエリスロポエチン量を増強することができ、エリスロポエチンの産生低下や反応性低下に起因する貧血を治療することができる。
図1Aは、グルタチオン合成阻害剤BSO(L-Buthionine sulphoximine)で処理したLeber病(LHON)患者由来の皮膚線維芽細胞の細胞生存率を解析した結果を示す図である。図1A中の「*」は、BSO非存在下(BSO(−))の結果に対して統計学的な有意差(p<0.05[t-test、両側検定])があることを示す。図1Bは、BSOで処理したLeber病患者由来線維芽細胞を、各種濃度(0.1、0.3、1、3、及び10μM)の化合物(4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸[以下、「本件化合物#6」ということがある];図中の「A6」)、及び特許文献2における化合物#4(4−(4−フルオロフェニル)−2−(1H−インドール−3−イル)−4−オキソ−ブタン酸[以下、便宜上「比較例化合物#4」ということがある];図中の「#4」)存在下で培養し、細胞生存率を解析した結果を示す図である。図1Cは、BSOで処理したLeber病患者由来線維芽細胞を、各種濃度の本件化合物#6及び比較例化合物#4存在下で培養し、細胞障害レベルを解析した結果を示す図である。 エリスロポエチン産生ヒト肝臓癌細胞株Hep3Bを、3種類の化合物(4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸[以下、便宜上「本件化合物#1」ということがある]、2−(4−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸[以下、「本件化合物#5」ということがある]、及び本件化合物#6;それぞれ図中の「A1」、「A5」、及び「A6」)と、TNFα(Tumor Necrosis Factor-α)存在下で培養し、エリスロポエチン発現量を解析した結果を示す図である。縦軸のエリスロポエチン発現量は、化合物非存在下(DMSO)の結果を1としたときの相対値として示す。
本発明のミトコンドリア病の治療剤は、ミトコンドリア病患者の酸化ストレスによる細胞死を抑制する作用を有する。このため、本発明のミトコンドリア病の治療剤は、ミトコンドリア病の酸化ストレス抑制剤や、ミトコンドリア病の予防剤に有利に適用することができる。治療対象であるミトコンドリア病としては、細胞核DNAやミトコンドリアDNAにおける遺伝子変異等により、ATP産生、アポトーシスの調節、カルシウムイオンや鉄の細胞内濃度の調節等のミトコンドリア機能が低下することが原因の症状であればよく、具体的にはCPEO(慢性進行性外眼麻痺症候群)、MELAS(メラス:脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群)、MERRF(マーフ:赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群)、Leigh脳症(リー脳症:亜急性壊死性脳脊髄症)、Leber病(レーバー病:レーバー遺伝性視神経症[LHON])、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、バース症候群、Pearson病(ピアソン病)、フリードライヒ失調症(FRDA)を挙げることができ、これらの中でもLeigh脳症、Leber病、カーズ・セイヤー症候群(KSS)が好ましい。なお、本発明におけるミトコンドリア病には、ミトコンドリア病の酸化ストレスに起因する、或いは伴う疾患が便宜上含まれる。かかる疾患としては、例えば、神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、フリードライヒ運動失調症、多発性硬化症、ハンチントン病など)、肝疾患(脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎[NASH]、肝硬変など)、腎症(糖尿病性腎症、放射線腎症、造影剤腎症、薬剤耐性腎症など)、臓器線維化(腎線維化、肝臓線維化、脳線維化、肺線維症など)、糖尿病を挙げることができる。
本発明のエリスロポエチン発現増強剤は、腎臓や肝臓などのエリスロポエチンを分泌する組織において、エリスロポエチンの発現(産生)を増強する作用を有する。エリスロポエチン発現の増強作用としては、炎症性サイトカインによるエリスロポエチン発現抑制を解除する作用や、エリスロポエチン発現を促進する作用が好ましく、ここでエリスロポエチン発現が促進するとは、少なくとも通常の酸素(18〜22%O)条件下において、エリスロポエチン遺伝子のmRNAの転写やエリスロポエチンタンパク質の発現が促進(増加)することをいう。また、炎症性サイトカインによりエリスロポエチン発現が抑制されるとは、通常低酸素(0〜10%O)条件下ではエリスロポエチン産生が促進されるが、炎症性サイトカインの作用によりかかる促進効果が抑制されることをいう。本発明のエリスロポエチン発現増強剤の効果により、上記促進効果が抑制されることを解除し、エリスロポエチン遺伝子のmRNAの転写やエリスロポエチンタンパク質の発現を増強(増加)することができる。
上記炎症性サイトカインとしては、エリスロポエチン発現抑制作用を有するものであれば特に制限されず、具体的にはinterleukin-1(IL1)、IL6、IL8、IL12、IL18、tumor necrosis factor-α(TNFα)、Interferon-γ(IFNγ)を挙げることでき、これらの中でもTNFαが好ましい。
上記エリスロポエチン発現抑制の解除やエリスロポエチン発現の促進における作用機序としては、GATA2、3等のGATA因子の発現抑制、GATA因子のエリスロポエチン遺伝子に存在するGATA配列への結合阻害等によりエリスロポエチン産生の抑制が解除され、エリスロポエチン発現が増強される作用機序や、HIF−αの分解阻害、HIF産生促進等によりエリスロポエチン遺伝子プロモーターの転写活性が促進され、エリスロポエチン発現が増強される作用機序を挙げることができる。
本発明のエリスロポエチン発現増強剤は、エリスロポエチンの産生低下や反応性低下に起因する貧血の治療又は予防剤に有利に適用することができる。かかる貧血としては、例えば、膠原病(慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス等)、慢性感染症(結核、感染性心内膜炎、肝膿瘍等)、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、乾癬等)、自己免疫疾患(リウマチ、多発性硬化症等)、腫瘍(卵巣腫瘍、黒色腫等)、慢性腎不全、甲状腺機能低下症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、上記ミトコンドリア病等の疾患に伴う貧血を挙げることができる。
また、本発明のエリスロポエチン発現増強剤は、エリスロポエチンが虚血性疾患の治療効果を有することが知られていることから(例えば、国際公開第2007/142288号パンフレットや、かかる文献の段落[0005]参照)、虚血性疾患の治療又は予防剤に有利に適用することもできる。かかる虚血性疾患としては、虚血性心疾患(虚血性心疾患、心筋梗塞等)、虚血性脳疾患(ミトコンドリア脳症、脳血栓症、脳梗寒等)、虚血性脊髄疾患(脊髄梗塞等)、虚血性腎疾患(腎炎、腎不全等)、虚血性肝疾患(劇症肝炎等)、虚血性肺疾患(急性肺損傷、成人呼吸窮迫症候群[ARDS]等)、虚血性膵臓疾患(膵炎等)などを挙げることができる。
本発明のエリスロポエチン発現増強剤やミトコンドリア病の治療剤としては、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有するものであれば特に制限されるものではなく、本件化合物群に含まれる化合物の詳細な説明は以下に示す。
(化合物)
本発明の化合物は、以下の式(1)で表される化合物である。
式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。
式(1)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
式(1)におけるC1〜C6のアルキル基とは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基等を挙げることができる。
式(1)におけるC2〜C6のアルケニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6の直鎖状または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基等を挙げることができる。
式(1)におけるC2〜C6のアルキニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2〜6の直鎖状または分岐状のアルキニル基を意味し、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基等を挙げることができる。
上記「置換基を有していてもよい」の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、C6〜C10のアリール基を挙げることができる。上記炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基は、式(1)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基と同じである。また、上記C6〜C10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
上記R、R、R、Rは、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、ORで表される有機オキシ基が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のC1〜C3のアルキル基、ORで表される有機オキシ基がより好ましい。
上記Rは、水素原子又はC1〜C3のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
上記Rは、C1〜C6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のC1〜C3のアルキル基、ベンジル基がより好ましい。
前記式(1)で表される化合物の中でも、好ましくは、以下の式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)で表される化合物又はその塩である。
上記式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。
式(1)で表される化合物は、具体的には、以下に示す化合物を例示することができる。
上記化合物の中でも、好ましくは、以下の化合物である。
本件化合物群に含まれる化合物を、ミトコンドリア病の治療剤として用いる場合、本件化合物群に含まれる化合物としては、本件化合物#6を好適に例示することができ、本件化合物群に含まれる化合物を、エリスロポエチン発現増強剤として用いる場合、本件化合物群に含まれる化合物としては、本件化合物#1、#5、及び#6を好適に例示することができる。
(化合物の合成)
本発明における式(1)で表される化合物は、公知の有機化学反応を用いる有機合成手法によって得ることができる。例えば、以下に示すように(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸と式(7)で表されるインドール誘導体とをマイケル反応させることにより、式(1)で表される化合物を得ることができる。
(上記式(7)におけるR、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
上記(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸は、以下に示すように1,3−ジフルオロベンゼンと無水マレイン酸とのフリーデル−クラフツ反応により合成することができる。かかるフリーデル−クラフツ反応は、ルイス酸、リン酸、ポリリン酸等を触媒として作用させることで行い、触媒として好適には塩化アルミニウムが好適に用いられる。
上記式(7)で表されるインドール誘導体は、市販品を用いることができる。市販のインドール誘導体としては、4−フルオロインドール、4−クロロインドール、4−ブロモインドール、6−フルオロインドール、6−クロロインドール、6−ブロモインドール、5−メチルインドール等を挙げることができる。
また、上記式(7)で表されるインドール誘導体は、公知の有機化学反応を用いる有機合成手法によって得ることもできる。例えば、R、R、R、R、Rがハロゲン原子である場合、市販のインドールに、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド等のハロゲン化剤を作用させることにより上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。また、R、R、R、RがC1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基である場合、上述のように市販のインドールをハロゲン化した後、アルキルリチウム等の有機リチウム試薬との反応、鈴木−宮浦カップリング反応等によって、上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。さらに、RがC1〜C6のアルキル基である場合、ブロモメタン、ブロモエタン等のC1〜C6のハロゲン化アルキルと市販のインドールを反応させることにより、上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。
上記のすべての有機反応は、それぞれ溶媒中で行うことができるが、溶媒は反応温度や反応物等によって適宜選択される。また、上記有機反応の反応温度は、用いる溶媒の沸点等の条件によって適宜選択される。上記有機反応で溶媒を用いる場合、得られた反応溶液を必要に応じて濃縮した後、残渣をそのまま次の反応に使用してもよく、適宜な後処理を行った後に、式(1)で表される化合物として用いてもよい。後処理の具体的な方法としては、抽出処理及び/又は晶出、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製を挙げることができる。
本発明のミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤は、必要に応じて、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等の配合成分がさらに添加されたものを例示することができる。かかる配合成分としては、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。
本発明のミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤の投与形態としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で投与する経口投与や、溶液、乳剤、懸濁液等の剤型を注射、又はスプレー剤の型で鼻孔内投与する非経口投与を挙げることができる。
本発明のミトコンドリア病の治療剤やエリスロポエチン発現増強剤の投与量は、年齢、体重、性別、症状、薬剤への感受性等に応じて適宜決定される。通常、1μg〜200mg/dayの投与量の範囲で、好ましくは2μg〜2000μg/dayの投与量の範囲で、より好ましくは3〜200μg/dayの投与量の範囲で、さらに好ましくは4〜20μg/dayの投与量の範囲で、一日あたり単回又は複数回(例えば、2〜4回)に分けて投与されるが、症状の改善の状況に応じて投与量を調節してよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.化合物の合成
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(本件化合物#1)の合成
6−フルオロインドール(485mg,3.59mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(508mg,2.39mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=2:1)で精製した、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(6−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(433mg,収率52%)を無色結晶で得た。
融点 210-214℃;
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 10.31 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 5.2, 1H), 7.34 (d, J=2.0, 2H), 7.12-7.20 (m, 3H), 6.92 (td, J=9.6, 2.4, 1H), 4.54 (dd, J=10.4, 4.0, 1H), 4.01 (ddd, J=18.8, 10.8, 3.2, 1H), 3.38 (td, J=18.8, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, CDCl3) δ 195.18, 174.85, 166.28 JC-F(dd, 254, 13 Hz), 163.42 JC-F (dd, 254, 13 Hz), 161.74, 159.4, 137.54 JC-F (d, 13 Hz), 133.47 JC-F (dd, 11, 3 Hz), 123.35 JC-F(d, 4Hz), 123.02 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 120.97 JC-F (d, 11 Hz), 113.51, 112.94 JC-F (dd, 10, 2 Hz) , 108.27 JC-F (d, 24 Hz), 105.59 JC-F (t, 27 Hz), 98.27 JC-F (d, 26 Hz), 46.68 JC-F (d, 7Hz) ,38.47;
FAB-MS m/z = 348 [M+H]+
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#2」ということがある)の合成
5−フルオロインドール(925mg,6.85mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(969mg,4.57mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で11時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、クロロホルムと酢酸エチルから再結晶を行い、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(1122mg,収率71%)を無色結晶で得た。
融点 207-208℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.34 (s, 1H), 8.02 (m, 1H), 7.47 (dd, J=10.4, 2.8, 1H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.13-7.21 (m, 2H), 6.93 (td, J=9.2 , 2.8, 1H), 4.52 (dd, J=10.4, 3.6, 1H), 4.03 (ddd, 18.4, 10.8, 3.6, 1H), 3.40 (td, 18.4, 3.6, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.17, 174.86, 166.52 JC-F(dd, 254, 13 Hz), 163.58 JC-F (dd, 254, 13 Hz), 159.52, 157.21, 134.25, 133.46 JC-F (dd, 11, 4 Hz), 127.66 JC-F (d, 11 Hz), 123.01 JC-F (dd, 10, 4 Hz), 113.42 JC-F (d, 5 Hz), 113.28 JC-F(d, 10 Hz), 113.51 JC-F (dd, 21, 4 Hz), 110.56 JC-F (d, 27 Hz), 105.61 JC-F (t, 27 Hz), 104.65 JC-F (d, 24 Hz), 46.68 JC-F (d, 8Hz), 38.48;
FAB-MS m/z = 348 [M+H]+
2−(7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#3」ということがある)の合成
7−クロロインドール(1094mg,5.16mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(935mg,4.41mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で10時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2−(7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(1017mg,収率54%)を無色結晶で得た。
融点 225-227℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.55 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.75 (d, J=8.4, 1H), 7.45 (d, J=2.8, 1H), 7.06-7.14 (m, 4H), 7.08 (t. J=7.6, 1H), 4.57 (dd, J=10.4 , 3.6, 1H), 4.03 (ddd, 18.4, 10.8, 3.6, 1H), 3.41 (td, 18.4, 3.6, 1H);
13C-NMR(100MHz, acetone-d6) δ 195.06, 74.67, 166.53, JC-F(dd, 252, 12 Hz), 163.63 JC-F (dd, 252, 12 Hz), 134.45, 133.46 JC-F(dd, 11, 5 Hz), 129.25, 124.97, 122.98 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 121.91, 120.84, 119.03, 117.22, 114.73, 112.99 JC-F (dd, 21, 3 Hz), 105.61 JC-F(t, 27 Hz), 46.71 JC-F (d, 8 Hz) , 38.50;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
2−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#4」ということがある)の合成
5−クロロインドール(1000mg,6.61mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(935mg,4.41mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に、蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(1084mg,収率63%)を淡黄色結晶で得た。
融点 236-239℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.45 (s, 1H), 8.02 (q, J=8.3, 1H), 7.80 (d, J=1.6, 1H), 7.44 (m, 2H), 7.11-7.22 (m, 3H), 4.54 (dd, J=10.4, 3.8, 1H), 4.01 (ddd, J=18.7, 10.7, 3.2, 1H), 3.41 (td, J=18.7, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.10, 174.76, 166.52 JC-F(dd, 253, 12Hz), 163.62 JC-F (dd, 253, 12 Hz), 136.06, 133.44 JC-F(dd, 12, 4 Hz), 128.47, 125.62, 122.96 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 122.48, 119.33, 113.77, 113.12, 112.96 JC-F (dd, 22, 3 Hz), 105.61 JC-F(t, 27 Hz), 46.72 JC-F (d, 8 Hz), 38.35;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
2−(4−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(本件化合物#5)の合成
4−クロロインドール(903mg,5.98mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(842mg,3.97mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製した後、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2−(4−クロロ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(602mg,収率51%)を無色結晶で得た。
融点 203-204℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.77 (d, J=8.4, 1H), 7.42 (d, J=8.0, 1H), 7.21〜7.03 (m, 4H), 4.57 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.03 (ddd 18.8, 10.8, 3.2, 1H), 3.38 (td, 18.8, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.28, 174.97, 166.55 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.62 JC-F (dd, 254, 12 Hz), 137.646, 137.49, 133.46 JC-F (dd, 11, 4 Hz), 127.37, 123.70, 123.54, 123.05 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.39, 119.88, 119.79, 112.95 JC-F (dd, 22, 4 Hz), 105.58 JC-F (t, 26 Hz), 46.95 JC-F (d, 8 Hz), 38.47;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(本件化合物#6)の合成
5−メチルインドール(171mg,1.31mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(185mg,0.87mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(200mg,収率67%)を無色結晶で得た。
融点200-202℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.10 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.20-7.31 (m, 2H), 7.13-7.20 (m, 1H), 7.96 (d, J=6.8, 1H), 4.53 (dd, J=10.6, 3.6, 1H), 4.01 (ddd 18.8, 10.6, 3.2, 1H), 3.36 (td, 18.8, 3.2, 1H), 2.40 (s, 3H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.33, 175.08, 166.54 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.49 JC-F (dd, 254, 12 Hz), 136.01, 133.45 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.59, 127.63, 124.02, 123.72, 123.05 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 119.43, 112.94 JC-F (dd, 22, 4 Hz), 112.74, 112.03, 105.59 JC-F(t, 26 Hz), 47.01 JC-F (d, 7 Hz), 38.45, 21.64;
FAB-MS m/z = 344 [M+H]+
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#7」ということがある)の合成
1−メチルインドール(2512mg,19.17mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(2710mg,12.78mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で1時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(3898mg,収率89%)を無色結晶で得た。
融点 192-193℃
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 8.00 (m, 1H), 7.75 (d, J=7.6, 1H) , 7.37 (d, J=8.4, 1H), 7.12-7.22 (m, 4H), 7.07 (t, J=7.6, 1H), 4.54 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.00 (ddd, 18.8, 10.4, 3.6, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.36 (td, 18.8, 3.6, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.22, 174.94, 166.52 JC-F(dd, 253, 13 Hz), 163.57 JC-F (dd, 253, 13 Hz), 138.08, 133.46 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.00, 127.79, 123.03 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 122.36, 120.07, 119.72, 112.94 JC-F (d, 22, 4 Hz), 112.33, 110.32, 105.60 JC-F(t, 27 Hz), 47.01 JC-F (d, 8 Hz), 38.36, 32.72;
FAB-MS m/z = 344 [M+H]+
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(7−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸の(以下、便宜上「本件化合物#8」ということがある)の合成
7−メトキシインドール(1083mg,7.36mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(1041mg,4.90mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で14時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、続いて、クロロホルムから再結晶を行って、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(7−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(1179mg,収率67%)を無色結晶で得た。
融点 181-183℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.26 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.35 (d, J=8.0, 1H), 7.28 (d, J=2.8, 1H), 7.12-7.20 (m, 2H), 6.98 (t, J=7.8, 1H), 6.67 (d, J=7.8, 1H), 4.54 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.03 (ddd 18.8, 10.6, 3.3, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.36 (td, 18.6, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 1195.28, 174.98, 166.54 JC-F(dd, 252, 12 Hz), 163.48 JC-F (dd, 252, 12 Hz), 147.35, 133.44 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.81, 127.83, 123.22, 123.05 JC-F (dd, 13, 4 Hz) , 120.43, 113.76, 112.94 JC-F (dd, 22, 4 Hz), 112.7, 105.59 JC-F(t, 27 Hz), 102.52, 55.52, 46.97 JC-F (d, 8 Hz) , 38.59;
FAB-MS m/z = 360 [M+H]+
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#9」ということがある)の合成
5−メトキシインドール(1166mg,7.93mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で10時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、続いて、クロロホルムから再結晶を行って、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−4−オキソブタン酸(1478mg,収率75%)を無色結晶で得た。
融点 205-206℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.09 (s, 1H), 8.02 (m, 1H), 7.27-7.31 (m, 3H), 7.13-7.20 (m, 2H), 6.79 (dd, J=8.8, 2.4, 1H), 4.52 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.00 (ddd, 18.8, 10.4, 3.4, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.38 (td, 18.6, 3.4, 1H;
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.35, 175.03, 166.53, JC-F(dd, 253, 12 Hz), 163.61 JC-F (dd, 253, 12 Hz), 154.84, 133.45 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 132.72, 127.78, 124.22, 123.04 JC-F (dd, 12, 4 Hz), 112.95 JC-F (dd, 22, 4 Hz), 112.96, 112.68, 105.61 JC-F (t, 26 Hz), 101.58, 55.79, 46.9 JC-F (d, 8 Hz), 38.67;
FAB-MS m/z = 360 [M+H]+
2−(6−ベンジルオキシ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(以下、便宜上「本件化合物#10」ということがある)の合成
6−ベンジルオキシインドール(1255mg,5.62mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸(795mg,3.74mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で9時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、クロロホルムから再結晶を行って、2−(6−ベンジルオキシ−1H−インドール−3−イル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(531mg,収率33%)を淡黄色結晶で得た。
融点 177-178℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.0 4(s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.65 (d, J=8.8, 1H), 7.48 (d, J-7.6, 2H), 7.38 (t, J=7.2, 2H), 7.31 (m, 1H), 7.13-7.20 (m, 3H), 7.03 (d, J=2.0, 1H), 6.83 (dd, J=8.4 , 2.0, 1H), 4.51 (dd, J=10.4 , 3.6, 1H), 4.01 (ddd, 18.1, 10.4, 3.3, 1H), 3.36 (td, 18.1, 3.3, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.29, 175.00, 166.54 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.52 JC-F (dd, 254, 12 Hz), 156.33, 138.85, 138.45, 133.45, JC-F (dd, 11, 4 Hz), 129.17, 128.37, 128.23, 123.01 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.49, 121.97, 120.54, 113.24, 113.06 JC-F (dd, 21, 4 Hz), 110.73, 105.59 JC-F (t, 27 Hz), 96.89, 70.70, 46.94 JC-F(d, 8 Hz), 38.57;
FAB-MS m/z = 436 [M+H]+
[参考例1]
(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸
本件化合物#1〜10の合成で用いた(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸は、以下のとおり合成した。すなわち、1,3−ジフルオロベンゼン(1300mg,11.39mmol)を100mL丸底フラスコに入れた後、無水マレイン酸(894mg,9.12mmol)を加え、ジクロロメタン(40mL)で溶解し、スターラーで撹拌した。撹拌しながら、無水塩化アルミニウム(2279mg,17.09mmol)を少しずつ投入して室温で6時間撹拌した。反応液を丸底フラスコの中の反応物を氷水(100mL)に入れて反応を停止させた後、水層を酢酸エチル(150mL)で抽出し、有機層を食塩水(100mL)で2回抽出操作をした後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮して固形物を得た。この固形物を温浴中でベンゼンと少量のアセトンで再結晶させて精製したところ、淡黄色結晶の(E)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸を収率48%で得た。
融点 136.0〜139.0℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 7.98 (m, 1H), 7.72 (dd, J=15.6 , 3.6, 1H), 7.20-7.28 (m, 2H), 6.75 (d, J=15.6, 2H);
13C-NMR(100MHz, acetone-d6) δ 187.13, 166.86 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 166.35, 163.33 JC-F (dd, 254, 12 Hz), 139.95 JC-F(d, 7 Hz), 133.98 JC-F (dd, 66, 59 Hz), 132.91, 123.22 JC-F(d, 9 Hz), 113.33 JC-F (dd, 22 , 3 Hz), 105.76, JC-F (t, 22 Hz)
特許文献2における化合物#4(比較例化合物#4)は、ミトコンドリア病の治療効果や、エリスロポエチン産生の促進効果を有することが示されている。そこで、かかる化合物の類似体である本発明の化合物についても同様に、ミトコンドリア病の治療効果や、エリスロポエチン産生の促進効果を有するかどうか検討した。
以下の実施例2において、Leber病(LHON)患者に皮膚生検を行って皮膚線維芽細胞を得た後、100U/mLペニシリン(GIBCO社製)、100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO社製)、1%FBS(GIBCO社製)を含むDMEM低グルコース(GIBCO社製)培養液(以下、「DMEM低グルコース通常培養液」という)中で5%CO/20%O、37℃条件下で初代培養を行い、線維芽細胞を単離した。また、以下の実施例3において、エリスロポエチン産生ヒト肝臓癌細胞株Hep3B(ATCC[American Type Culture Collection]より入手)は、100U/mLペニシリン(GIBCO社製)、100μg/mLストレプトマイシン(GIBCO社製)、10%ウシ胎児血清(FBS)(GIBCO社製)を含むRPMI1640(GIBCO社製)培養液(以下、「RPMI1640通常培養液」という)中で5%CO/20%O、37℃条件下で培養した。
2.本発明の化合物がミトコンドリア病の治療効果を有することの確認
[方法]
実施例1で合成した本件化合物#6を用い、以下の手順〔1〕〜〔4〕にしたがってLeber病患者由来線維芽細胞の酸化ストレスによる細胞死抑制効果を検討した。
〔1〕24ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり3×10個のLeber病患者由来線維芽細胞を撒いた後、24時間培養した。
〔2〕グルタチオン合成阻害剤BSO(L-Buthionine sulphoximine)(Sigma-Aldrich社製)を、100μMとなるように培養液中に混和し、24時間培養した。
〔3〕本件化合物#6及び比較例化合物#4を、各種濃度(0.1、0.3、1、3、及び10μM)となるように培養液中に混和し、48時間培養した(n=4)。なお、対照として化合物非存在下(DMSOを0.01%となるように添加)で培養した。
〔4〕細胞生存率を、Cell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)を用いたMTTアッセイにより測定した。すなわち、各ウェルにCell Count Reagent SFを100μLずつ添加し、2時間インキュベートし、マイクロプレートリーダーで3秒間撹拌した後、吸光度450nm(リファレンス750nm)を測定した。また、細胞障害レベルは、Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST(同仁化学研究所社製)を用いて細胞外に放出された乳酸脱水素酵素(LDH)活性を測定することにより検出した。すなわち、各ウェルに調製したWorking Solutionを100μLずつ添加し、30分間インキュベーションし、Stop Solutionを50μLずつ添加し、マイクロプレートリーダーで3秒間撹拌した後、吸光度490nm(リファレンス750nm)を測定した。
[結果]
まず、BSO存在下でLeber病患者由来線維芽細胞を培養すると、細胞生存率が低下することを確認した(図1A参照)。次に、かかる条件で本件化合物#6を添加すると、少なくとも1μMの濃度で細胞生存率低下が抑制され(図1Bの左図参照)、細胞障害レベルが低下することが示された(図1Cの左図参照)。一方、比較例化合物#4は、細胞生存率低下を抑制させ、細胞障害レベルを低下させるためには、少なくとも10μMの濃度を必要とすることが示された(図1B及びCの右図参照)。この結果は、本件化合物#6は比較例化合物#4よりも低濃度で、Leber病患者由来線維芽細胞の酸化ストレスによる細胞死を抑制することができることを示している。また、同様の解析法を用いて、本件化合物#1〜5、及び7〜10についても、Leber病患者由来線維芽細胞の酸化ストレスによる細胞死抑制効果を有することを確認した。さらに、KSS患者由来線維芽細胞を用いた同様の解析法により、本件化合物#1〜10は、KSS患者由来線維芽細胞の酸化ストレスによる細胞死抑制効果を有することも確認した。
以上の結果は、本発明の化合物は、Leber病、KSS等のミトコンドリア病患者の酸化ストレスによる細胞死を抑制し、ミトコンドリア病の治療効果を有することを示している。
3.本発明の化合物がエリスロポエチン産生促進効果を有することの確認
[方法]
12ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり1×10個のエリスロポエチン産生ヒト肝臓癌細胞株Hep3B(ATCC[American Type Culture Collection]より入手)を撒いた後、24時間正常酸素(20%O)下で培養し、実施例1で合成した3種類の化合物(本件化合物#1、5及び6)と、リコンビナントヒトTNFα(Roche社製)とを、それぞれ3μM及び220μg/mLとなるようにRPMI1640通常培養液に混和し、さらに24時間正常酸素(20%O)下で培養した後、培養液中に産生されたエリスロポエチンの濃度(mIU/mL)をヒトエリスロポエチンELISAキット(Bender MedSystems社製)を用いて測定した(図2の「A1」、「A5」、及び「A6」)。なお、ネガティブコントロールとして化合物非存在(DMSO添加[1%])下で培養したHep3B細胞(図2の「DMSO」)を用いた。
[結果]
Hep3B細胞におけるエリスロポエチン産生はTNFα存在下で抑制されるが、3種類の化合物(本件化合物#1、5及び6)存在下で培養すると、エリスロポエチンの発現量は増加することが明らかとなった(図2参照)。この結果は、本発明の化合物は、TNFα等の炎症性サイトカインによるエリスロポエチン産生抑制を解除し、エリスロポエチン産生を促進する効果を有することを示している。
本発明は、ミトコンドリア病の治療や、エリスロポエチンの産生低下又は反応性低下に起因する貧血の治療に資するものである。

Claims (10)

  1. 式(1)
    (式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)で表される化合物及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするミトコンドリア病の治療剤。
  2. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする請求項1に記載の治療剤。
    (式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
  3. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1に記載の治療剤。
  4. ミトコンドリア病が、Leber病、カーンズ・セイヤー症候群(KSS)、又はLeigh脳症であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の治療剤。
  5. 式(1)
    (式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)で表される化合物及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするエリスロポエチン発現増強剤。
  6. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする請求項5に記載のエリスロポエチン発現増強剤。
    (式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
  7. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする請求項5に記載のエリスロポエチン発現増強剤。
  8. 式(1)表される化合物又はその塩。
    (式中、R、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表す。Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。Rは、C1〜C6のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基を表す。ただし、R、R、R、R及びRが、すべて水素原子を表す場合は除く。)
  9. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの式(2)〜(6)であることを特徴とする請求項8に記載の化合物又はその塩。
    (式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、R、R、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、R、R、Rと同じ定義である。)
  10. 式(1)で表される化合物が、以下のいずれかの化合物であることを特徴とする請求項8に記載の化合物又はその塩。
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