JP2017105225A - 踏切支障報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】踏切内の歩行者の行動を補助するとともに、踏切内に歩行者が閉じ込められた時に、列車を迅速に停止させる踏切支障報知装置を提供する。
【解決手段】踏切1が開放状態である時には、列車の通行に支障がないため駆動部が可動手すり部8を立った状態に切り替え、歩行が困難な歩行者Mが可動手すり部8に掴まりながら踏切1を通過する。踏切1が閉鎖状態である時には、列車の通行に支障がないように駆動部が可動手すり部8を倒れた状態に切り替える。踏切1内で歩行者Mが転倒して歩行困難な状況である場合には、歩行者Mが掴んでいる可動手すり部8を手動で倒すと、信号機6が発光動作して信号機6が左回りに点灯し、列車の運転士がブレーキ装置を作動させて、踏切1の手前で列車が停車する。
【選択図】図3

Description

この発明は、踏切に接近する列車にこの踏切内の支障を報知する踏切支障報知装置に関する。
鉄道では、踏切内の障害物を障害物検知装置によって自動的に検知し、この障害物検知装置が出力する検知情報に基づいて自動的に踏切支障報知装置を動作させている。このような障害物検知装置は、主として自動車などの比較的大型の障害物を検知している。また、鉄道では、踏切内で自動車や歩行者などが動けなくなるといった支障が発生したときに、踏切付近に設置された踏切支障報知装置の押しボタンなどのスイッチが操作されたときに、踏切支障報知装置によって信号炎管を燃焼させたり特殊信号発光機を発光させたりして、列車運転士に非常停止を知らせている。このような踏切支障報知装置は、非常時に踏切警報機近傍の非常スイッチまで行き、ボタンなどを押し下げる必要があった。
従来の物体検出装置は、踏切内を移動する歩行者にレーザ光を照射する照射手段と、この歩行者からの反射レーザ光を受光する受光手段と、歩行者からレーザ光の受光位置までの距離を計測する計測手段と、この距離に基づいて歩行者の位置を検出する検出手段などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の物体検出装置では、監視領域内の歩行者の移動速度を計算し、歩行者が監視領域内で停滞していると判断したときには、特殊信号発光機に特殊信号を発光させている。
特開2007-126025号公報
従来の障害物検知装置は、自動車などの比較的大きな障害物を検知することができるが、歩行者のような比較的小さい障害物を検知することが困難である。また、従来の踏切支障報知装置の押しボタンは、非常時に踏切警報機近傍の当該装置まで行きボタンを押し下げる必要がある。このため、従来の方法では、歩行者が踏切内に閉じ込められたようなときに、踏切の手前で迅速に列車を停止させることが困難であった。さらに、従来の物体検出装置は、レーザ光の発光手段や反射レーザ光の受光手段などを設置する必要があり、装置が大型化しコストが高くなってしまう問題点がある。
この発明の課題は、踏切内の歩行者の行動を補助することができるとともに、踏切内に歩行者が閉じ込められたときに列車を迅速に停止させることができる踏切支障報知装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1〜図4に示すように、踏切(1)に接近する列車にこの踏切内の支障を報知する踏切支障報知装置であって、前記踏切への前記列車の接近の有無に応じて起倒可能であり、この踏切を歩行する歩行者(M)が手で掴み歩行行動の補助として使用する可動手すり部(8)と、前記可動手すり部を前記歩行者が非常操作させたときに、前記列車を停止させるための停止信号を信号機(6)に現示させる制御部(11)とを備える踏切支障報知装置(7)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の踏切支障報知装置において、図1、図2及び図4に示すように、前記踏切を列車が通過するときには前記可動手すり部が倒れた状態に切り替わり、前記踏切を列車が通過しないときには前記可動手すり部が立った状態に切り替わるように、この可動手すり部を駆動する駆動部(9)を備えることを特徴とする踏切支障報知装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の踏切支障報知装置において、図4に示すように、前記可動手すり部が所定の傾斜角度を超えて前記歩行者によって傾斜させられたときに、踏切防護信号を発生する踏切防護スイッチ部(10)を備え、前記制御部は、前記踏切防護信号に基づいて前記列車を停止させるための停止信号を前記信号機に現示させることを特徴とする踏切支障報知装置である。
この発明によると、踏切内の歩行者の行動を補助することができるとともに、踏切内に歩行者が閉じ込められたときに列車を迅速に停止させることができる。
この発明の実施形態に係る踏切支障報知装置の可動手すり部が立った状態を示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る踏切支障報知装置の可動手すり部が倒れた状態を示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る踏切支障報知装置の可動手すり部を歩行者が非常操作をしたときの状態を示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る踏切支障報知装置の構成図である。のフローチャートである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1〜図3に示す踏切(踏切道)1は、軌道2と道路3とが平面交差する部分である。踏切1は、道路3の一部を構成するとともに軌道2の一部を構成する。軌道2は、列車が走行する通路(線路)である。図1〜図3に示す軌道2は、例えば、1本の本線で構成された単線であり、上りと下りの両方向に列車が使用可能である。道路3は、自動車などの車両が走行するとともに歩行者Mが歩行する通路である。図1〜図3に示す道路3は、例えば、この道路3の中心線と軌道2の中心線とが交差角度90°で交差している。
図1、図3及び図4に示す歩行者Mは、踏切1を歩行する踏切通行者である。歩行者Mは、例えば、高齢者又は視覚障害者のような歩行による移動行動に何らかの制約が生じている移動制約者である。踏切遮断器4は、踏切1の出入口で道路交通を遮断かん4aによって遮断する装置である。図1〜図3に示す踏切遮断器4は、1本の遮断かん4aを電動機によって上昇及び下降させる腕木式踏切遮断器である。踏切警報機5は、交互に点灯する閃光式赤色灯と音響とによって歩行者Mに列車の通過を警報する装置である。踏切警報機5は、道路3の左側に設置されている。踏切警報機5は、踏切通行者に踏切1の存在を表示する踏切警標と、赤色灯を交互に点灯する踏切警報灯と、音響を発生する音響発生器と、列車の進行方向を表示する列車進行方向指示器と、これらを支持する警報柱などを備えている。
図1〜図4に示す信号機6は、列車に信号を表示する装置である。信号機6は、列車を停止させるための停止信号を現示する。信号機6は、例えば、踏切支障報知装置7と連動して列車に停止信号を現示する特殊信号発光機であり、図4に示すような正五角形に並んだ五つの赤色灯を左回りに点灯させることによって踏切1の手前で列車を停止させるための停止現示を表示する。
図1〜図4に示す踏切支障報知装置7は、踏切1に接近する列車にこの踏切1内の支障を報知する装置である。踏切支障報知装置7は、図3及び図4に示すように、踏切1内で支障が発生したときに、この踏切1に接近する列車を停止させるための停止信号を信号機6に現示させる。踏切支障報知装置7は、踏切1内での支障の発生を未然に防止するために緊急停止信号を発報する。踏切支障報知装置7は、図1〜図4に示す可動手すり部8と、図4に示す駆動部9と、踏切防護スイッチ部10と、制御部11などを備えている。
図1〜図4に示す可動手すり部8は、踏切1への列車の接近の有無に応じて起倒可能であり、この踏切1を歩行する歩行者Mが手で掴み歩行行動の補助として使用する手段である。可動手すり部8は、軌道2上で起倒可能な外観が柵状の部材であり、歩行者Mが踏切1内を通過するときに歩行者Mが手で掴みながら移動する。可動手すり部8は、踏切1に列車が接近しているときには踏切1を通過する列車の走行に支障があるため立った状態から倒れた状態に姿勢が切り替わり、踏切1に列車が接近していないときには踏切1を通過する列車の走行に支障がないため倒れた状態から立った状態に姿勢が切り替わる。可動手すり部8は、例えば、図1及び図3に示すように、踏切鳴動時以外(踏切開放時)には立った状態になり、図2に示すように踏切鳴動時(踏切閉鎖時)には倒れた状態になる。可動手すり部8は、図1に示すように、踏切1と軌道2との間の境界に沿って踏切1の両側に連続して並べて配置されており、歩行者Mが掴まる補助手すりとして機能するとともに、歩行者Mが誤って踏切1側から軌道2側に入り込むのを阻止する侵入防止柵としも機能する。可動手すり部8は、この可動手すり部8の下端部を支点として回転可能なように、この可動手すり部8の下端部が軌道2側に回転自在に支持されている。可動手すり部8は、例えば、過走した列車を進入させる安全側線の車止めの手前に設置して、列車が接触枠に衝突したときにこの接触枠が倒れて、停止信号を発生する安全側線緊急防護装置に近似した構造である。
図4に示す駆動部9は、可動手すり部8を駆動する手段である。駆動部9は、図2に示すように、踏切1を列車が通過するときには可動手すり部8が倒れた状態に切り替わり、図1に示すように踏切1を列車が通過しないときには可動手すり部8が立った状態に切り替わるように、この可動手すり部8を駆動する。駆動部9は、例えば、踏切開放時には可動手すり部8が倒れた状態から立った状態に切り替わるように可動手すり部8を駆動し、踏切閉鎖時には可動手すり部8を立った状態から倒れた状態に切り替える。駆動部9は、可動手すり部8を起倒させるための駆動力を発生する流体圧シリンダなどを備えており、この流体圧シリンダのピストンロッドが可動手すり部8に回転自在に連結されている。
図4に示す踏切防護スイッチ部10は、可動手すり部8が所定の傾斜角度を超えて歩行者Mによって傾斜させられたときに、踏切防護信号を発生する手段である。踏切防護スイッチ部10は、歩行者Mが列車を停止させる必要があるときに歩行者Mが操作するスイッチであり、踏切1で支障が発生したときに列車に停止信号を現示させる踏切防護スイッチのような非常ボタンとして機能する。踏切防護スイッチ部10は、可動手すり部8が歩行者Mによって手前側に引かれたり奥側に押し込まれたりされて非常操作されたときに踏切防護信号を制御部11に出力する。
制御部11は、踏切支障報知装置7に関する種々の動作を制御する手段である。制御部11は、歩行者Mが可動手すり部8を非常操作させたときに、列車を停止させるための停止信号を信号機6に現示させる。制御部11は、踏切防護信号に基づいて、列車を停止させるための停止信号を信号機6に現示させる。制御部11は、例えば、列車検知装置12が出力する列車接近検知信号に基づいて可動手すり部8が倒れた状態に切り替わるように駆動部9に動作を指令したり、列車検知装置12が出力する列車通過検知信号に基づいて可動手すり部8が立った状態に切り替わるように駆動部9に動作を指令したり、踏切防護スイッチ部10が出力する踏切防護信号に基づいて信号機6に発光動作を指令したりする。制御部11は、信号機6、駆動部9、踏切防護スイッチ部10及び列車検知装置12に電気的に接続されている。
列車検知装置12は、踏切1への列車の接近及び踏切1の列車の通過を検知する装置である。列車検知装置12は、例えば、踏切1に接近する列車が所定地点を通過したときに踏切1への列車の接近を検知し、踏切1を通過した列車が所定地点を通過したときに踏切1の通過を検知する踏切制御子などである。列車検知装置12は、踏切1への列車の接近を検知したときには制御部11に踏切接近検知信号を出力し、踏切1の列車の通過を検知したときには制御部11に踏切通過検知信号を出力する。
次に、この発明の踏切支障報知装置の動作を説明する。
図1に示すように、踏切1内への歩行者Mの通過を許可するように踏切1が開放状態であるときには、列車の通行に支障がないため駆動部9が可動手すり部8を立った状態に切り替えており、歩行が困難な歩行者Mが可動手すり部8に掴まりながら踏切1を通過する。一方、図2に示すように、踏切1内への歩行者Mの通過を阻止するように踏切1が閉鎖状態であるときには、列車の通行に支障がないように駆動部9が可動手すり部8を倒れた状態に切り替える。図3に示すように、例えば、踏切1内を歩行者Mが通過している間に踏切警報機5が鳴動を開始したり、踏切遮断器4が遮断かん4aの降下を開始したりしている場合や、踏切1内で歩行者Mが転倒するような歩行困難な状況である場合などには、踏切1内に歩行者Mが閉じ込められる危険性がある。このような場合には、図3及び図4に示すように、歩行者Mが掴んでいる可動手すり部8を手動で倒したり、歩行者M以外の踏切通行者が近くの可動手すり部8を手動で倒したりすると、踏切防護スイッチ部10が踏切防護信号を制御部11に出力する。踏切防護信号が制御部11に入力したときには、踏切1内に歩行者Mが閉じ込められていると制御部11が判断して、信号機6に制御部11が発光動作を指令し、信号機6が左回りに点灯する。その結果、列車の運転士がブレーキ装置を作動させて、踏切1の手前で列車が停車する。
この発明の実施形態に係る踏切支障報知装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、踏切1への列車の接近の有無に応じて可動手すり部8が起倒可能であり、この踏切1を歩行する歩行者Mがこの可動手すり部8を手で掴み歩行行動の補助として使用し、この可動手すり部8を歩行者Mが非常操作させたときに、列車を停止させるための停止信号を信号機6に制御部11が現示させる。このため、踏切1内の歩行者Mの行動を補助することができるとともに、踏切1内に歩行者Mが閉じ込められたようなときに、緊急停止信号を迅速に発報して列車を確実に停止させて、踏切支障の発生を防止することができる。
(2) この実施形態では、踏切1を列車が通過するときには可動手すり部8が倒れた状態に切り替わり、踏切1を列車が通過しないときには可動手すり部8が立った状態に切り替わるように、この可動手すり部8を駆動部9が駆動する。このため、踏切閉鎖時には可動手すり部8を自動的に軌道2側に倒れた状態に切り替えて、踏切1に列車を安全に通過させることができる。また、踏切開放時には可動手すり部8を自動的に軌道2側から立った状態に切り替えて、踏切1に歩行者Mを安全に歩行させることができる。
(3) この実施形態では、可動手すり部8が所定の傾斜角度を超えて歩行者Mによって傾斜させられたときに、踏切防護スイッチ部10が踏切防護信号を発生し、この踏切防護信号に基づいて列車を停止させるための停止信号を信号機6に制御部11が現示させる。このため、例えば、歩行者Mが踏切1内で歩行困難な状況になったときに、信号機6に停止信号を現示させて踏切1の手前で列車を迅速に停止させることができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
この実施形態では、軌道2が単線である場合を例に挙げて説明したが、複線又は複々線である場合についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、信号機6が回転式の特殊信号発光機である場合を例に挙げて説明したが、多数の発行体が点滅を繰り返す発光式の特殊信号発光機である場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、踏切遮断器4及び踏切警報機5によって道路交通を遮断する踏切1を例に挙げて説明したが、踏切遮断器4を備えず踏切警報機5のみを備える踏切についてもこの発明を適用することができる。
1 踏切
2 軌道
3 道路
4 踏切遮断器
5 踏切警報機
6 信号機
7 踏切支障報知装置
8 可動手すり部
9 駆動部
10 踏切防護スイッチ部
11 制御部
M 歩行者

Claims (3)

  1. 踏切に接近する列車にこの踏切内の支障を報知する踏切支障報知装置であって、
    前記踏切への前記列車の接近の有無に応じて起倒可能であり、この踏切を歩行する歩行者が手で掴み歩行行動の補助として使用する可動手すり部と、
    前記可動手すり部を前記歩行者が非常操作させたときに、前記列車を停止させるための停止信号を信号機に現示させる制御部と、
    を備える踏切支障報知装置。
  2. 請求項1に記載の踏切支障報知装置において、
    前記踏切を列車が通過するときには前記可動手すり部が倒れた状態に切り替わり、前記踏切を列車が通過しないときには前記可動手すり部が立った状態に切り替わるように、この可動手すり部を駆動する駆動部を備えること、
    を特徴とする踏切支障報知装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の踏切支障報知装置において、
    前記可動手すり部が所定の傾斜角度を超えて前記歩行者によって傾斜させられたときに、踏切防護信号を発生する踏切防護スイッチ部を備え、
    前記制御部は、前記踏切防護信号に基づいて前記列車を停止させるための停止信号を前記信号機に現示させること、
    を特徴とする踏切支障報知装置。
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