JP2017105199A - 拡径用ドリルビット - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な構造で、細径の下穴にも対応可能な拡径用ドリルビットを提供する。
【解決手段】下穴Hの一部を研削する複数の切刃部21、複数の切刃部21を径方向に移動自在に保持する切刃保持部22、および切刃保持部22を支持するシャンク部23を有するビット部11と、動力源側の回転軸に着脱自在に装着され、ビット部11を基部において支持するシャフト部12と、基端側がシャフト部12にスライド自在に保持されると共に、先端側が複数の切刃部21の内側に係合し、シャフト部12に対する相対的な前進に伴って、複数の切刃部21を径方向外側に拡開させる作動ロッド部13Aと、を備え、シャフト部12のスライド孔32に導入された冷却剤の圧力により、作動ロッド部13の前進が為される。
【選択図】図8

Description

本発明は、主として、コンクリート等の躯体に穿孔した下穴の一部を拡径するための拡径用ドリルビットに関するものである。
従来、この種の拡径用ドリルビットとして、コンクリート等の躯体に穿孔したストレート形状の下穴に挿入して用いられ、下穴の最奥部を拡径するアンダーカットドリル装置が知られている(特許文献1参照)。
このアンダーカットドリル装置は、下穴に挿入される中空円筒状の筒体と、下穴の開口縁部に着座し、ベアリングを介して筒体を回転自在に支持する当て部材と、同軸上において筒体にスライド自在に係合し、筒体と一体回転するシャフトと、筒体の先端側に設けられ、外周面に4つのガイド溝を有する円錐台形状のコーン部と、シャフトの先端部に取り付けられ、各ガイド溝に係合する4つのアームと、4つアームの先端部外面に交互に設けた2つの切刃および2つのガイド部と、を備えている。
切刃およびガイド部は、シャフトを引き上げた状態で筒体の内側に位置している。下穴に挿入した筒体およびシャフトを一体回転させ、シャフトを下動させてゆくと、コーン部のガイド溝により4つのアームが下動しながら外側に開いてゆく。これにより、切刃が下穴の内周面を研削し、下孔の底部(最奥部)に拡径部を形成する。
特開2005−280243号公報
このような従来のアンダーカットドリル装置では、切刃を有するアームをコーン部の外周面でガイドする構造となっているため、コーン部を筒体で支持せざるを得ず、構造が極めて複雑になる問題があった。また、シャフトの外側にアーム、コーン部および筒体を配置する構造となるため、全体が太径となり、比較的細径の下穴に使用することができない問題があった。
本発明は、単純な構造で、細径の下穴にも対応可能な拡径用ドリルビットを提供することをその課題としている。
本発明の拡径用ドリルビットは、躯体に穿孔した下穴に挿入して用いられ、下穴の一部を研削により拡径するための拡径用ドリルビットであって、下穴の一部を研削する複数の切刃部、複数の切刃部の内側において複数の切刃部を径方向に移動自在に保持する切刃保持部、および切刃保持部を支持するシャンク部を有するビット部と、基端側で動力源側の回転軸に着脱自在に装着され、ビット部を基部において同軸上に支持するシャフト部と、同軸上において基端側がシャフト部にスライド自在に保持されると共に、先端側が複数の切刃部の内側に係合し、シャフト部に対する相対的な前進に伴って、複数の切刃部を径方向外側に拡開させる作動ロッド部と、を備え、作動ロッド部がスライド自在に保持されるシャフト部のスライド孔が、ビット部に冷却剤を導入するための冷却剤流路を兼ねており、スライド孔に導入された冷却剤の圧力により、作動ロッド部のシャフト部に対する相対的な前進が為されることを特徴とする。
この構成によれば、ビット部を下穴に挿入した状態で、動力源を回転駆動させると、シャフト部およびビット部が一体回転する。この状態で、シャフト部に対し作動ロッド部を相対的に前進させると、作動ロッド部が、複数の切刃部を径方向外側に拡開させる。すなわち、作動ロッド部を相対的に前進させると、回転する複数の切刃部が径方向外側に拡開して、下穴の一部を研削して拡径させる。この場合、複数の切刃部は切刃保持部に保持され、内側に係合する作動ロッド部により拡開される構成であるため、作動ロッド部を直接シャフト部に連結する構造とすることができ、構造を単純化することができる。また、下穴に挿入される複数の切刃部、切刃保持部および作動ロッド部は、径方向に集約して配置することができると共に、従来技術のような外筒を必要としない。したがって、細径の下穴にも対応(拡径)させることができる。
また、回転駆動する動力源側から冷却剤を導入することにより、シャフト部に対し作動ロッド部を相対的に前進させることができ、拡径作業を簡単且つ迅速に行うことができる。この場合、ビット部の切刃部は、単純に拡開することで、下穴を拡径することになる。したがって、切刃部の切刃は、外周面にのみ形成されることが好ましい。なお、冷却剤として、冷却液、圧縮エアー、冷却ガス等を用いることが好ましい。
この場合、シャフト部に取り付けられ、下穴の開口縁部に当接してビット部の下穴への挿入深さを調整可能な調整アタッチメントを、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、調整アタッチメントにより、ビット部の下穴への挿入深さを調整することで、下穴の任意の深さ位置に対し拡径を行うことができる。
また、切刃保持部は、円筒状に形成されると共に、軸方向に延在する複数のスリット部を有し、各切刃部は、切刃保持部の外周面に沿うように設けた切刃本体と、切刃本体の内側に突設され、スリット部に対し径方向にスライド自在に係合するリブ部と、リブ部の先端に設けた抜止め部と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、径方向外側に移動する切刃部は、そのリブ部が切刃保持部のスリット部に案内されてスライド移動する。この場合、各リブ部が、軸方向に延びるスリット部に対し径方向にスライド自在に係合しているため、切刃本体は、径方向外側に平行移動する。これにより、下穴(の一部)を均一に研削することができる。また、抜止め部により、径方向外側に移動する切刃本体の移動端位置が規制されるため、下穴の拡径寸法を一定にすることができる。なお、各切刃本体は断面円弧状に形成することが好ましい。このようにすれば、拡開が進むに従って、各切刃本体の研削部位が円弧状の周面全体から中間部分に移行する。すなわち、研削が進むに従って切刃部の摩擦抵抗が小さくなるため、研削を円滑に進めることができる。
そして、作動ロッド部は、複数の切刃部の内側に係合する先細りのテーパー部を有し、前進するテーパー部に抜止め部が係合することにより、複数の切刃部が拡開することが好ましい。
この構成によれば、作動ロッド部のテーパー部で、複数の切刃部を均一に且つ簡単に拡開させることができる。また、抜止め部に、テーパー部の受け部を兼ねさせることにより、構造を単純化することができる。
実施形態に係る拡径用ドリルビットを穿孔装置に装着した状態の外観図である。 第1実施形態に係る拡径用ドリルビットの構造図である。 拡径用ドリルビットのビット部廻りの斜視図である。 拡径用ドリルビットのビット部廻りの構造図(a)、および分解構造図(b)である。 拡径用ドリルビットの拡径動作を示す説明図である。 第2実施形態に係る拡径用ドリルビットの構造図である。 第2実施形態の変形例に係る拡径用ドリルビットの構造図である。 第3実施形態に係る拡径用ドリルビットの構造図である。 第3実施形態の変形例に係る拡径用ドリルビットの構造図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る拡径用ドリルビットについて説明する。この拡径用ドリルビットは、主として、アンカーを打ち込むためにコンクリートや石材等の躯体に形成した下穴に対し、その最深部を拡径するものであり、打ち込んだアンカーの引抜き強度を高め得るものである。ダイヤモンドコアドリル等で穿孔したストレート形状の下孔は、微小な軸ブレにより開口部側が広く奥側が狭く穿孔され、実質上、微小なテーパー形状となる。このため、打ち込んだアンカーに、地震等による大きな力が繰り返し加わると、経時的に引抜き強度が低下する。拡径用ドリルビットは、このようなアンカーの経時的な引抜き強度の低下を防止すべく、下穴と同様の作業要領で下穴の一部を拡径するものである。
図1は、拡径用ドリルビットを穿孔装置に装着した状態の外観図である。同図に示すように、穿孔装置1は、手持ちの電動ドリル2と、電動ドリル2に装着した冷却液アタッチメント3とを有し、この冷却液アタッチメント3に拡径用ドリルビット10が装着される。すなわち、拡径用ドリルビット10は、動力源を構成する穿孔装置1(電動ドリル2)の冷却液アタッチメント3における回転軸3aに着脱自在に装着して用いられる。
この回転軸3aには、冷却液の流路が形成される一方、冷却液アタッチメント3は、図外の冷却液供給装置が接続されており、冷却液は、この冷却液供給装置から冷却液アタッチメント3を介して拡径用ドリルビット10の先端部に供給される。実施形態の穿孔装置1では、冷却液アタッチメント3に穿孔用ドリルビット(例えば、ダイアモンドコアビット)を装着して下穴Hを穿孔した後、穿孔用ドリルビットに代えて拡径用ドリルビット10を装着し、下穴Hの最奥部Ha(穴底部)を拡径するようにしている。
図2は、第1実施形態に係る拡径用ドリルビットの構造図である。同図に示すように、拡径用ドリルビット10は、先端部で下穴Hの拡径を行うビット部11と、基端側で穿孔装置1の回転軸3a(冷却液アタッチメント3)に着脱自在に装着され、先端側でビット部11を基部において同軸上に支持するシャフト部12と、基端側でシャフト部12の軸心にスライド自在に保持されると共にビット部11に挿通する作動ロッド部13と、を備えている。
また、ビット部11は、下穴Hを研削する複数(実施形態のものは2つ)の切刃部21と、複数の切刃部21を径方向に移動自在に保持する切刃保持部22と、切刃保持部22を介して複数の切刃部21を支持するシャンク部23と、を有している。この拡径用ドリルビット10では、ビット部11を下穴Hに挿入した状態で、穿孔装置1により拡径用ドリルビット10を回転させさせながら押し込むことで、作動ロッド部13が相対的に後退し、複数の切刃部21を径方向外側に拡開させる(図5参照)。
シャフト部12は、その小口に窪入形成した雌ねじ部31を有し、この雌ねじ部31が、冷却液アタッチメント3の回転軸3aの雄ねじ部(図1参照)に螺合される。図示しないが、シャフト部12にはスパナ用の工具掛け部が形成されており、シャフト部12は、雌ねじ部31の部分で冷却液アタッチメント3、すなわち穿孔装置1に着脱自在に装着される。
シャフト部12の軸心部には、作動ロッド部13をスライド自在に保持するスライド孔32が形成されている。スライド孔32には、コイルばね34が設けられており、後退位置にスライドした作動ロッド部13を前進位置(ホーム位置)に戻し得るようになっている。
また、スライド孔32は、シャフト部12の軸心部にあって、冷却液アタッチメント3に連通する冷却液用のシャフト内流路35を兼ねている。このため、スライド孔32は、基端側において上記の雌ねじ部31と連通し、先端側において作動ロッド部13と連通している(詳細は後述する)。シャフト部12を冷却液アタッチメント3の回転軸3aに装着すると、このシャフト内流路35と冷却液アタッチメント3とが連通し、冷却液アタッチメント3からの冷却液の通液が可能となる。なお、作動ロッド部13の基部にはOリング36が設けられており、シャフト内流路35の液密性が担保されると共に、作動ロッド部13の無用な脱落が防止される。
図2、図3および図4に示すように、ビット部11は、シャフト部12の先端から延びるシャンク部23と、シャンク部23の先端に設けた円筒状の切刃保持部22と、切刃保持部22の外周部に保持された2つの切刃部21と、を有している。この場合、下穴Hの内径に対し、2つの切刃部21の外径は僅かに小径に形成されている。また、2つの切刃部21の外径に対し、切刃保持部22の外径は僅かに小径に、さらに切刃保持部22の外径に対し、シャンク部23の外径は小径に形成されている。
シャンク部23は、円筒状に形成され、その内部はシャフト部12のスライド孔32に連通している。すなわち、シャンク部23の内側には、作動ロッド部13が挿通するようになっている。同様に、切刃保持部22も円筒状に形成され、その内側に作動ロッド部13が挿通する。
切刃保持部22は、2つの切刃部21を外周面に沿うように保持する保持部本体41と、保持部本体41が取り付けられる保持部受け42と、を有している。保持部受け42は、基端側がシャンク部23に連結されており、先端側内周面には、保持部本体41が螺合する雌ねじ44が形成されている。実施形態のものは、保持部受け42、シャンク部23およびシャフト部12が一体に形成されている。もっとも、これら保持部受け42、シャンク部23およびシャフト12を適宜別体とし、ねじや溶接により接合する構成であってもよい。また、保持部受け42は、シャンク部23より太径に形成されており、これらの内部には、雌ねじ44の部分を含んで作動ロッド部13が臨んでいる。
保持部本体41は、フランジ状の先端フランジ部51と、先端フランジ部51に連なり、2つの切刃部21を保持する円筒保持部52と、円筒保持部52に連なる円筒ねじ部53と、を有している。また、保持部本体41は、円筒保持部52および円筒ねじ部53の部分に形成した複数(2つ)のスリット部55と、を有している。この場合、先端フランジ部51、円筒保持部52および円筒ねじ部53は、一体に形成されていることが好ましい。なお、先端フランジ部51、円筒保持部52および円筒ねじ部53の内側には、作動ロッド部13の先端部が臨んでいる。
先端フランジ部51と保持部受け42とは同径に形成され、円筒保持部52に保持された切刃部21を、微小な間隙を存して軸方向に挟み込むように配設されている。詳細は後述するが、各切刃部21は、スリット部55を介して円筒保持部52に保持されており、この状態で円筒ねじ部53が保持部受け42の雌ねじ44に螺合している。なお、保持部本体41を保持部受け42に螺合するために、先端フランジ部51に工具掛け部を設けることが好ましい(図示省略)。
円筒ねじ部53は、外周面に雄ねじが形成されているものの、円筒保持部52と同径に形成されている。また、2つのスリット部55は、円筒ねじ部53の基端から円筒保持部52に向かって切り込むようにして形成されている。さらに、2つのスリット部55は、円筒保持部52および円筒ねじ部53の周方向において、点対称位置に形成されている。したがって、各切刃部21は、円筒ねじ部53の基端、すなわち小口からスライドさせるようにして、円筒保持部52に装着される。また、保持部本体41は、2つの切刃部21を装着してから保持部受け42に取り付けられる。
各切刃部21は、切刃保持部52の外周面に沿うように設けた切刃本体61と、切刃本体61の内側に突設されたリブ部62と、リブ部62の先端に設けた抜止め部63と、を有している。切刃本体61と抜止め部63とは、略1/4円弧の断面形状を有しており、リブ部62がスリット部55に対し径方向にスライド自在に係合している。すなわち、切刃保持部52(保持部本体41)の外側に切刃本体61が位置すると共に、内側に抜止め部63が位置し、この状態で、リブ部62がスリット部55に対しスライド自在に係合している。
また、切刃本体61に対し、リブ部62および抜止め部63を軸方向において短く形成されており、これらは、切刃本体61の軸方向の中間部に突設されている。そして、抜止め部63の内側には、後述する作動ロッド部13のテーパー部72が係合するようになっている。なお、抜止め部63の内面は、テーパー部72の周面に倣った(相補的な)面とすることが好ましい。
このように、切刃保持部22に保持された2つの切刃部21は、作動ロッド部13の後退により径方向外側に拡開する。すなわち、拡径の初期状態において、切刃本体61の内面が上記の円筒保持部52の外周面に接触し、拡径の完了状態において、抜止め部63の外面が円筒保持部52の内周面に接触する(図5参照)。なお、実施形態における下穴Hの拡径は、アンカーの抜け止めを目的とするものであるため、拡径寸法は微小であってもよい。したがって、切刃部21のスライド移動を0.1〜2mm程度とすることが好ましい。
切刃本体61は、断面円弧状のダイヤモンドの切刃で構成されており、研削用のダイヤモンドは外周面にのみ設けられている。これにより、下穴Hの最奥部Ha内周面が研削され、所定の寸法に拡径される。切刃本体61は円弧状を為すため、拡開が進むに従って、その研削部位が円弧状の周面全体から中間部分に移行する(図5参照)。すなわち、研削が進むに従って切刃本体61の摩擦抵抗が小さくなるため、研削を円滑に進めることができる。また、研削初期における研削抵抗を小さくすべく、切刃本体61の周方向の先端側(回転方向の先端側)は、面取り形状とすることが好ましい。なお、周方向において、2つの切刃部21が初期状態にあるこの部分の径は、下穴Hの径より0.5〜1.0mm程度細径に形成されており、ビット部11の下穴Hへの挿入が円滑に行えるようになっている。
図2に示すように、作動ロッド部13は、基部側でシャフト部12にスライド自在に保持された軸部71と、軸部71に連なると共に複数の切刃部21の拡開時に上記の抜止め部63に係合する先太りのテーパー部72と、テーパー部72に連なると共に下穴Hの孔底に突き立てられるニードル部73と、で一体に形成されている。複数の切刃部21が閉じている初期状態では、作動ロッド部13はホーム位置に有り、ニードル部73は、切刃保持部22(先端フランジ部51)から外部に突出している。
また、作動ロッド部13の軸心部には、上記のシャフト内流路35に連通するロッド内流路74が形成されている。そして、ロッド内流路74の流路端は、テーパー部72の先端部に形成した横断貫通孔75により切刃保持部22内に開放されている。ロッド内流路74に導入された冷却液は、横断貫通孔75から切刃保持部22内に流れ、切刃保持部22内から上記の2つのスリット部55を介して2つの切刃部21に向かって、下穴H内に放出される。なお、冷却液に代えて、圧縮エアーや冷却ガスを用いることも可能である(詳細は、後述する)。
複数の切刃部21が閉じている初期状態(非拡開状態)では、作動ロッド部13の軸部71の先端部が抜止め部63に係合しており、上記のコイルばね34に抗して作動ロッド部13が後退してゆくと、テーパー部72が抜止め部63に係合し、2つの切刃部21が外方に拡開する。
次に、図1および図5を参照して、拡径用ドリルビット10による下穴Hの拡径作業について説明する。この拡径作業では、予め対象となるコンクリート躯体A等に下穴Hが形成されているものとする。なお、この場合のコンクリート躯体Aには、コンクリート製の外壁、内壁、スラブの他、基礎や梁等が含まれる。下穴Hは、例えば上記の穿孔装置1にダイアモンドコアビットを装着した穿孔作業により形成される。
拡径作業では、先ず穿孔装置1に拡径用ドリルビット10を装着し、そのビット部11を下穴Hに挿入する(図5(a)参照)。作動ロッド部13(ニードル部73)を下穴Hの穴底に突き当てるように挿入したら、電動ドリル2を駆動して拡径用ドリルビット10を回転させる。また同時に或いは相前後して、シャフト内流路35およびロッド内流路74を介して、切刃部21に冷却液を供給する。ここで、穿孔時と同様に、回転を継続しつつ、ハンドリングした電動ドリル2を押し込むようにする。
電動ドリル2が押し込まれると、シャフト部12のスライド孔32と作動ロッド部13との相互のスライド係合により、穴底に突き当った作動ロッド部13に対し、シャフト部12およびビット部11が前進する。すなわち、コイルばね34に抗して、ビット部11に対し作動ロッド部13が相対的に後退する。作動ロッド部13が相対的に後退してゆくと、作動ロッド部13のテーパー部72が各切刃部21の抜止め部63に係合し、2つの切刃部21を外側に拡開してゆく。これにより、回転する切刃部21が、前進しながら下穴Hの内面を研削し、下穴Hの最奥部Haが拡径されてゆく(図5(b)参照)。最奥部Haが所定の寸法に拡径されると、抜止め部63が保持部本体41により位置規制され、拡径が完了する。
ここで作業者は、電動ドリル2を停止させ、下穴Hからビット部11を引き抜く動作に移行する。初期の引抜き動作では、コイルばね34により作動ロッド部13を残して、ビット部11およびシャフト部12が引き抜かれてゆく。すなわち、ビット部11に対し作動ロッド部13が相対的に前進してゆく。作動ロッド部13が相対的に前進すると、作動ロッド部13のテーパー部72が抜止め部63から外れ、2つの切刃部21が閉じるように初期状態に戻る。ここで、コイルばね34が伸び切り、ビット部11と共に作動ロッド部13も引き抜かれる。
このように、第1本実施形態では、ビット部11を下穴Hに挿入して回転させながら、電動ドリル2を押し込むだけで、下穴Hの最奥部Haを簡単且つ短時間で拡径することができる。また、複数の切刃部21をその内側に配設した作動ロッド部13により拡開される構成であるため、装置構成を単純化することができる。さらに、複数の切刃部21、切刃保持部22および作動ロッド部13は、径方向に集約して配置することができるため、細径の下穴Hに対しても適切な拡径を行うことができる。
次に、図6を参照して、第2実施形態に係る拡径用ドリルビット10Aにつき、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。この拡径用ドリルビット10Aは、下穴Hの最奥部Haを拡径する第1実施形態の拡径用ドリルビット10と異なり、下穴Hの任意の深さ位置を拡径することを意図している。このため、第2実施形態の拡径用ドリルビット10Aでは、作動ロッド部13のニードル部73が付け替え可能に構成され、且つ長さの異なる複数のニードル部73が用意されている。
作動ロッド部13におけるテーパー部72の先端部には、雄ねじが形成され、各ニードル部73の基端部には、雌ねじが形成されている。すなわち、長さの異なる複数のニードル部73は、テーパー部72の先端部に螺合することのより、付け替え可能に構成されている。
これにより、下穴Hの穴底にニードル部73が突き当たった状態で、下穴H内のおける切刃部21の位置が区々となり、下穴Hの任意の深さ位置に拡径部を形成することができる。なお、テーパー部72側を雌ねじとし、ニードル部73側を雄ねじとしてもよい。
図7は、第2実施形態の変形例に係る拡径用ドリルビット10Bであり、この拡径用ドリルビット10Bでは、長さの異なる複数の作動ロッド13が用意されている。複数の作動ロッド13は、その軸部71およびテーパー部72が同一の寸法に形成され、ニードル部73の長さが異なる形態を有している。
このような構成でも、下穴Hの穴底にニードル部73が突き当たった状態で、下穴H内のおける切刃部21の位置が区々となり、下穴Hの任意の深さ位置に拡径部を形成することができる。
次に、図8を参照して、第3実施形態に係る拡径用ドリルビット10Cにつき、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。この拡径用ドリルビット10Cでは、作動ロッド部13Aに先細りのテーパー部83が形成されると共に、作動ロッド部13Aが、スライド孔32に導入した冷却液により前進するようになっている。また、シャンク部23の基部には、雄ねじを形成したビット取付け部25が形成され、このビット取付部25が、シャフト部12の先端部に窪入形成した雌ねじの部分に螺合するようになっている。すなわち、第3実施形態のビット部11は、ビット取付部25を介して、シャフト部12の先端部に着脱自在に取り付けられている。
作動ロッド部13Aは、基端側のピストン部81と、ピストン部81の先端から延びる軸部82と、軸部82に連なると共に複数の切刃部21の拡開時に上記の抜止め部63に係合する先細りのテーパー部83と、テーパー部83に連なると共に抜止め部63に初期状態で係合する初期係合部84と、で一体に形成されている。また、作動ロッド部13Aの軸心部には、上記のシャフト内流路35に連通するロッド内流路85が形成されている。
一方、スライド孔32は、ピストン部81をスライド自在に保持する太径スライド孔32aと、軸部82をスライド自在に保持する細径スライド孔32bとで構成されている。この場合、太径スライド孔32aは、シャフト部12の軸心部に形成され、細径スライド孔32bは、ビット取付部25の軸心部に形成されている。そして、太径スライド孔32aは、いわゆるシリンダ室を構成している。また、ビット取付部25とピストン部81との間には、軸部82に巻回するように戻しばね87が介設されている。
なお、図中の符号54は、切刃保持部22の先端に突設した尖塔部である。尖塔部54は、上記の切刃保持部22の先端フランジ部51に突設されており、拡径作業時に、下穴Hの穴底に突き当てられる。これにより、ビット部11の回転に際し、穴底との間の摩擦を軽減することができると共に、ビット部11の回転ブレを抑制することができる。
電動ドリル2を駆動して拡径用ドリルビット10Cを回転させると共に、冷却液アタッチメント3からシャフト内流路35を兼ねるスライド孔32(太径スライド孔32a)に冷却液を供給すると、冷却液の液圧により作動ロッド部13Aが前進する。すなわち、太径スライド孔32a(シャフト内流路35)の断面積と、ロッド内流路85の断面積との差により、ピストン部81が液圧を受けて前進してゆく。作動ロッド部13Aが前進してゆくと、初期係合部84に続きテーパー部83が抜止め部63に係合し、2つの切刃部21が外側に拡開する。一方、この状態から冷却液の供給を停止すると、作動ロッド部13Aは、戻しばね87により後退し元の位置に戻る。
このように、第3実施形態では、ビット部11を下穴Hに挿入して回転させながら、冷却液を導入するだけで、2つの切刃部21は外側に拡開し、下穴Hの最奥部Haを簡単且つ短時間で拡径することができる。なお、冷却液に代えて、圧縮エアーや冷却ガスを導入するようにしてもよい(詳細は、後述する)。
図9は、第3実施形態の変形例に係る拡径用ドリルビット10Dであり、この拡径用ドリルビット10Dは、ビット部11の下穴Hへの挿入深さを調整可能な調整アタッチメント90を、更に備えている。
調整アタッチメント90は、シャフト部12に螺合する円筒状のアタッチメント本体91と、アタッチメント本体91に隣接してシャフト部12に螺合する止めねじ部92と、アタッチメント本体91の先端部に設けた円環状の回転受容部93と、を有している。
シャフト部12の外周面には、雄ねじが形成されており、これに対応してアタッチメント本体91の内周面および止めねじ部92の内周面には、雌ねじが形成されている。シャフト部12に対し、止めねじ部92を深く螺合した後、アタッチメント本体91を螺合してビット部11の下穴Hへの挿入深さを調整する。調整が完了したら、アタッチメント本体91が緩まないように、止めねじ部92を戻してアタッチメント本体91に接するように締め付ける。なお、シャフト部12の外周面には、挿入深さを指標する目盛を形成しておくことが好ましい。
回転受容部93は、例えばスラスト軸受で構成されており、下穴Hの開口縁部に当接するようになっている。アタッチメント本体91および止めねじ部92は、シャフト部12と共に回転するが、回転受容部93によりこの回転を縁切りし、下穴Hの開口縁部に回転動力が伝達しないように構成されている。
このような構成では、アタッチメント本体91のねじ込み深さにより、ビット部11の下穴Hへの挿入深さを調整することができる。すなわち、下穴Hの任意の深さ位置に拡径部分を形成することができる。
なお、本実施形態では、切刃部21の個数を2つとしたが、3つ以上であってもよい。また、冷却液に代えて、圧縮エアーや冷却ガスを用いる場合には、冷却液アタッチメント3に冷却液供給装置に代えて圧縮エアー供給装置(コンプレッサー等)を接続するか、或いは冷却液アタッチメント3に代えて、液化ガス等のガスボンベを搭載可能な冷却ガスアタッチメントを用いるようにする。
1 穿孔装置、2 電動ドリル、3 冷却液アタッチメント、3a 回転軸、10,10A,10B,10C,10D 拡径用ドリルビット、11 ビット部、12 シャフト部、13,13A 作動ロッド部、21 切刃部、22 切刃保持部、23 シャンク部、32 スライド孔、35 シャフト内流路、41 保持部本体、42 保持部受け、51 先端フランジ部、52 円筒保持部、53 円筒ねじ部、54 尖塔部、55 スリット部、61 切刃本体、62 リブ部、63 抜止め部、71 軸部、72 テーパー部、73 ニードル部、74 ロッド内流路、81 ピストン部、82 軸部、83 テーパー部、90 調整アタッチメント、A コンクリート躯体、H 下穴、Ha 最奥部

Claims (4)

  1. 躯体に穿孔した下穴に挿入して用いられ、前記下穴の一部を研削により拡径するための拡径用ドリルビットであって、
    前記下穴の一部を研削する複数の切刃部、複数の前記切刃部の内側において複数の前記切刃部を径方向に移動自在に保持する切刃保持部、および前記切刃保持部を支持するシャンク部を有するビット部と、
    基端側で動力源側の回転軸に着脱自在に装着され、前記ビット部を基部において同軸上に支持するシャフト部と、
    同軸上において基端側が前記シャフト部にスライド自在に保持されると共に、先端側が複数の前記切刃部の内側に係合し、前記シャフト部に対する相対的な前進に伴って、複数の前記切刃部を径方向外側に拡開させる作動ロッド部と、を備え、
    前記作動ロッド部がスライド自在に保持される前記シャフト部のスライド孔が、前記ビット部に冷却剤を導入するための冷却剤流路を兼ねており、
    前記スライド孔に導入された冷却剤の圧力により、前記作動ロッド部の前記シャフト部に対する相対的な前進が為されることを特徴とする拡径用ドリルビット。
  2. 前記シャフト部に取り付けられ、前記下穴の開口縁部に当接して前記ビット部の前記下穴への挿入深さを調整可能な調整アタッチメントを、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の拡径用ドリルビット。
  3. 前記切刃保持部は、円筒状に形成されると共に、軸方向に延在する複数のスリット部を有し、
    前記各切刃部は、前記切刃保持部の外周面に沿うように設けた切刃本体と、
    前記切刃本体の内側に突設され、前記スリット部に対し径方向にスライド自在に係合するリブ部と、
    前記リブ部の先端に設けた抜止め部と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の拡径用ドリルビット。
  4. 前記作動ロッド部は、複数の前記切刃部の内側に係合する先細りのテーパー部を有し、
    前進する前記テーパー部に前記抜止め部が係合することにより、複数の前記切刃部が拡開することを特徴とする請求項3に記載の拡径用ドリルビット。
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