JP2017104781A - 分離膜モジュールおよび分離膜モジュールの製造方法 - Google Patents

分離膜モジュールおよび分離膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血液を確実にシールでき、かつ、ヘッダー内部における血液の滞留を抑制することが可能となるシール構造を有する、製造上の困難もない中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】中空糸膜束5と、中空糸膜束5が収納される本体ケース4と、中空糸膜束5を本体ケース4端部の内壁に固定し、中空糸膜束5とともに本体ケース4端部における端面を形成する隔壁6と、本体ケース4端部に取り付けられた、被処理液の導入口もしくは導出口を有する熱可塑性樹脂製蓋材と、を有する分離膜モジュール1において、本体ケース4端面には熱可塑性樹脂製リング部材を備え、リング部材の一面の少なくとも一部は前記隔壁6に液密に固定し、前記蓋材の内面と前記リング部材の他の一面とを液密に溶着する中空糸膜モジュール。
【選択図】図2

Description

本発明は、分離膜を内部に充填した、血液を処理する用途に好適な分離膜モジュールおよびその製造方法に関する。より詳しくは、シール構造に特徴を有する分離膜モジュールに関する。
従来から、本体ケース内部に中空糸膜を充填し、血液などの体液を処理するためのモジュールが広く利用されている。このモジュールは、円筒形状の本体ケース内部に中空糸膜束を充填し、本体ケースの端部において、中空糸膜束を固定するための隔壁を備える。本体ケースの端部には、モジュール内に体液を導入したり、導出したりするための蓋材(以下、ヘッダーと呼ぶ)が固定される。また、本体ケースの側面には、老廃物などの不要な物質を排出するためのポートが設けられているものもある。ヘッダーは、体液の漏洩を防ぐ目的で、本体ケース端部に対して、液密な状態で固定される。その固定方法としては、ヘッダーと本体ケースを互いにねじで螺合固定する方法や、ヘッダーと本体ケースの一部を溶融させて固定する溶着方法が用いられている。
上記いずれの場合においても、シール性を高めるため、環状の弾性体を挟み込んだ上で、本体ケースにヘッダーを固定する方法が、用いられることがある。
例えば、特許文献1には、環状弾性体を筒状ケーシングの開口端部に設けられた隔壁内部に埋め込んで、筒状ケーシング端部と血液導出入部材との間の確実なシール性を狙った方法が開示されている。
また、環状弾性体を排除したシール方法として、特許文献2には、ポート(ヘッダー)の内壁の一部に備えた突起を、ハウジング(本体ケース)端部に設けられた隔壁に差込む方法が開示されている。
また、特許文献3には、血液導出入口を有する蓋部材(ヘッダー)とケーシング端部の封止部(隔壁)部分とを接着剤により固定する方法が開示されている。具体的には、封止部に設けられた溝部分に蓋部材内面に設けた突起形状部分を差込み、突起の周囲に接着剤を流しこむことで確実なシール性を実現できるというものである。
さらに特許文献4には、透析液流入口及び/または流出口付近のハウジング内面に基端部を有し、先端をハウジング壁面と平行に隔壁内まで延出した環状突部であって、ハウジング側面のノズルからの液体の流入・流出を遮ることができる、一般に邪魔板とかバッフルなどと呼ばれるハウジングの一部分を隔壁内部に埋包させ、ヘッダーと溶着する方法が開示されている。
特公平4-47582号公報 特開2006-087661号公報 特開平8-243158号公報 特開平9-215748号公報
特許文献1に記載の発明においては、環状弾性体が固定されることで、弾性力が発現しにくいという問題があった。また、液密性を高めるためには、環状弾性体のつぶし量を正確に管理する必要があり、製造工程において煩雑な上、固定方法として超音波溶着を選択した場合には、弾性体が超音波振動を阻害して十分な溶着が得られないことが問題であった。
特許文献2に記載の発明においては、隔壁に突起を差し込む際に大きな力が必要であることや、固化された隔壁を事前に加温して柔軟にしなければ差込が困難である、といった製造上の煩雑さが問題であった。
特許文献3に記載の技術においては、硬化した接着剤が処理液(血液等)と接触し得るために、接着剤の材質の選定に制約がある点や接着剤の分量の管理が煩雑である点が問題であった。
特許文献4に記載の発明については、上記環状突部の先端部を溶着部としており、環状突部の肉厚が大きくなければ溶着部の強度が得られないことから、設計上の制約が多い点が問題であった。また、本体ケース端部における中空糸膜束の外径に対して、ヘッダーのシール部の直径が大きすぎると、ヘッダー内の外周付近に血液が滞留するスポットが生じることとなり、血液の凝固が生じるという課題があるが、特許文献4に係る発明では、シール部となる環状突部の直径を本体ケースの直径よりも小さくすることが必要となり、金型を用いてかかるケースを作製することは事実上困難を伴うものであった。また、ケースの一部を超音波を用いて溶着固定すると、超音波による振動がケースへ伝達しやすくなり、ケースに触れた中空糸にダメージを与え膜にリークが生じるという問題があった。
本発明は、従来の技術の有するこのような不都合な点に鑑みてなされたものであって、その目的は、血液を確実にシールでき、かつ、ヘッダー内部における血液の滞留を抑制することが可能となるシール構造を有する、製造上の困難もない中空糸膜モジュールを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の分離膜モジュールは、
分離膜と、前記分離膜が収納された本体ケースと、
前記分離膜を前記本体ケース端部の内壁に固定し、
前記分離膜とともに前記本体ケース端部における端面を形成する隔壁と、
前記本体ケース端部に取り付けられた、被処理液の導入口もしくは導出口を有する熱可塑性樹脂製蓋材と、を有し、前記本体ケース端面には熱可塑性樹脂製リング部材が備えられ、
前記リング部材の一面の少なくとも一部は前記隔壁に液密に固定されてなり、
前記ヘッダーの内面と前記リング部材の他の一面とは液密に溶着されてなることを特徴とする。
ここで、溶着されてなる状態とは、上記2つの部材の内少なくとも一方が溶融してから固化することで互いに接合された構造の状態を示すものである。
また、上記リング部材は上記一面が隔壁に埋包されていると好ましく、その材質が、曲げ弾性率400MPa〜2500MPaの硬質プラスチックであると好ましい。
曲げ弾性率は、一般に広く知られるように、ダンベル片を作成して、JISK7171:2008の方法で測定することができる。
また、本発明の分離膜モジュールの製造方法は、
分離膜と、前記分離膜が収納される本体ケースと、
前記分離膜を前記本体ケース端部の内壁に固定し、前記分離膜とともに前記本体ケース端部における端面を形成する隔壁と、
前記本体ケース端部に取り付けられた、被処理液の導入口もしくは導出口を有する熱可塑性樹脂製蓋材と、を有する分離膜モジュールの製造方法において、
前記本体ケース端面における前記隔壁に、熱可塑性樹脂製リング部材の少なくとも一部を液密に固定し、
前記蓋材の内面と前記リング部材とを液密に溶着することを特徴とする。
なお、本発明において、2つの部材の溶着とは、上記両者の少なくとも一方が溶融して相互に固定されることと定義される。
本発明によれば、分離膜モジュールを血液処理に用いた場合に、血液を確実にシールでき、かつ、ヘッダー内部における血液の滞留を抑制することが可能となる。また、かかる分離膜モジュールは製造上の困難もない。
本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態を例示する外観図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールの一実施形態を例示する側断面図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールに使用されるリング部材の一実施形態を例示する一部断面図である。 本発明に係る中空糸膜モジュールの、隔壁を形成する工程を例示した図である。 中空糸膜モジュールの片側の端部断面図であり、隔壁が硬化して端部として形成される過程を示している。 本発明におけるリング部材の構成のその他の形態を例示した図である。 本発明におけるシール部周辺を例示した断面図である。
本発明における分離膜モジュールは、中空糸膜などの分離膜を内蔵したモジュールであって、被処理液の浄化、中でも血液に代表される体液の浄化のための体外循環用途として、好適に用いることが可能である。
以下、図面に基づいて、本発明の中空糸膜モジュールを例にとって一実施態様を説明する。
本発明に係る分離膜モジュールとして、中空糸膜が内蔵された中空糸膜モジュールの一実施形態を例示する外観図および側断面図を、それぞれ図1、図2に示している。いずれも血液浄化に用いる中空糸膜モジュールとして示している。ただし、好ましい態様や例示はこの場合に限られるものではない。
図2において、中空糸膜モジュールは、中空糸膜束5が収納された本体ケース4と、前記中空糸膜束5を前記本体ケース4端部の内壁に固定し、前記中空糸膜束5とともに前記本体ケース4端部における端面を形成する隔壁6と、前記本体ケース4の端部に取り付けられた、血液導入口21もしくは導出口22を有する熱可塑性樹脂製の蓋材であるヘッダー3を有する。なお、本体ケース4端部において、中空糸が開口して中空糸内部に血液流路を形成している。
血液は血液導入口21から中空糸膜モジュール1に流入し、中空糸膜束によって濾過や拡散、吸着などにより老廃物などが除去された後、次いで血液導出口22の方向に流れ、中空糸膜モジュール1の外部に流出する。
図3において、ヘッダー3と本体ケース4とは、製品の充填液等が漏洩しないよう、また、使用時に血液が漏洩することのないよう、液密にシールされて、固定される。本発明におけるシール部は、隔壁に液密に固定されたリング部材7の一面とヘッダー内面8とが、互いに溶融してから固化することで相互に固定され、「溶着」することで形成される。固定の強度を補うため、またはシールの補足的役割で、その他の部位にも溶着固定部9を設けても良く、例えば従来からよく知られるように、ヘッダーの側壁内周と、本体ケースの外周部分とを溶着固定することができる。
溶着固定の手段として、超音波ホーンをヘッダーに押し当てて超音波振動により部材の溶融をはかる超音波溶着を用いることが挙げられ、短時間で溶着が可能であって、上記シール部と溶着固定部の溶着を一度に行うことが可能となるため、好ましく用いられる。他に、レーザー溶着、振動溶着、熱溶着などを用いても良い。
本発明では、熱可塑性樹脂製のリング部材を用いることで、ヘッダーと本体ケースとのシール性を高める。具体的には、本体ケースの端面には上記リング部材が備えられ、本体ケース端面において、リング部材7の一面の少なくとも一部は隔壁6の端部側の面に固定されている。さらに、リング部材7の他の一面は熱可塑性樹脂性のヘッダー内面と溶着固定される。すなわち、リング部材を介して隔壁とヘッダー内面とが液密に固定される。リング部材における隔壁との間で固定される面が隔壁の内部に埋包されていると、埋包されず隔壁の表面にのみ固定される場合に比べ隔壁とのシール性が高まり好ましく、隔壁に対して、0.5mm以上、5.0mm以下の深さで埋包されていると、リング部材と隔壁とのシール性が安定するため好ましい。
ヘッダー内面8とリング部材7とを超音波溶着で固定する場合には、エネルギーが集中して溶融しやすくなるように、いずれかの部材の固定部位にエネルギーダイレクター10と呼ばれる突起を設けることが好ましい。
ジョイント方式およびかかる方式に適したエネルギーダイレクターの形状は、本発明において特に限定されることはないが、高い液密性が確保できるシェアジョイント方式、または確実な溶け込みが期待できるバットジョイント方式およびこれらに適したダイレクターの形状のものが好ましく用いられる。
ここで、シェアジョイント方式とは、円筒形状のある部材の内周と別の部材の外周とにそれぞれ備えた段差同士を溶着する方法であり、バットジョイント方式とは、一方の部材に、断面が三角形の鋭利なエネルギーダイレクターを全周に備え、エネルギーダイレクターの先端を起点に溶着する方法である。
エネルギーダイレクターは、図3に示すように、ヘッダーの内面に設けることで、超音波ホーンの振動が伝達しやすく、好ましい。
エネルギーダイレクターの大きさは特に規定しないが、溶着部分の強度を十分に確保し、シール部の耐圧性能を高めるために、一定の長さだけ溶着方向に溶け込む溶け込み量を確保する必要がある。
溶着方向への溶け込んだ長さを溶着深さとすると、溶着深さは、0.3mm以上1.5mm以下であると、溶着強度や耐圧性能の確保が容易で、溶着時のエネルギー過多によって内部の中空糸膜を傷つけることがなく好ましい。
本発明において、本体ケースとヘッダーとの間のシール部(以下、「シール部」)の耐圧性能は、66kPa以上であると好ましく、血液浄化用モジュールとして好適に用いられる。かかる耐圧性能は、シール性の評価は、室温25℃から30℃の雰囲気中で、モジュール内部(中空糸膜が内蔵されたモジュールの場合は、中空糸膜の内側およびヘッダー内部)に20から25℃の水を充填し、モジュールのいずれか1つのノズル(ポート)に加圧のためのポンプを接続し、残りのすべてのノズルを閉栓する。
ポンプで加圧を始め、モジュール内部の圧力が10kPaとなった時点で加圧を停止し、5分間保持する。シール部より水の漏洩がない場合は、さらに10kPaずつ加圧し、
同様に漏洩を確認する。70kPaとなるまで試験を繰り返し、漏洩を確認する。
シール部以外にも溶着部が形成されている場合は、シール部以外の溶着部に切り込みを入れたり、切除したりすることで、シール部からの漏洩を発見することが容易となる。また、試験時に、水に着色材を混ぜて、漏洩の発見を容易とすることも可能である。
本体ケースの材質は特に限定するものではないが、超音波溶着による固定が可能な材質として、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)、ポリ乳酸などが好ましく用いられ、効率的かつ精度よく成形できるために、射出成形が好ましく用いられる。
ヘッダーの材質は、熱可塑性樹脂を用いることで、リング部材と溶着が可能となる。材質は特に規定しないが、本体ケースと同一材質を選択することで、本体ケースとヘッダーとの超音波溶着が容易となる。
リング部材の材質は、熱可塑性樹脂を用いることで、同じ熱可塑性樹脂製であるヘッダーとの溶着が可能となる。なお、熱可塑性樹脂とは異なる物質が微量入っていてもよい。曲げ弾性率が、400MPa以上、2500MPa以下の硬質プラスチックが溶着性が良好で、かつ強度確保が容易であり、好ましく用いられる。より好ましくは、800MPa以上、2300MPa以下、さらに好ましくは、2000Mpa以上、2300MPa以下であると、溶着性が良好で好ましい。
たとえば、ヘッダーと同一材質であると、超音波溶着における溶着強度が確保しやすく、好ましく用いられる。ヘッダーと同一材質でなくとも、ヘッダーと同様に、射出成形により成形することができる形状、材質のものが好ましい。
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)、ポリ乳酸などが好ましく用いられ、効率的かつ精度よく成形できるために、射出成形が好ましく用いられる。
隔壁の材質は特に限定するものではないが、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが医療用途として好ましく用いられる。
本体ケースの材質としてポリプロピレンやポリエチレンなどの難接着性樹脂を使用する場合には、隔壁との接着力が著しく低下し、中空糸膜束の固定に支障をきたすことがあるが、表面改質処理をすることで、接着性を高めることができる。同様に、リング部材をこれらの難接着性樹脂で形成する場合にも、表面改質処理により、隔壁に液密に固定することが可能となる。表面改質手段は、プラズマ処理や、火炎処理、イトロ処理、プライマー塗布などが一例として挙げられる。
図4は、本発明における中空糸膜モジュール端部に隔壁を形成するポッティングの工程を例示した図である。
本体ケース内部に端部を目止めした中空糸膜束を長手方向に引き揃えて収納し、本体ケース両端にポッティングキャップ12を取り付ける。そして、本体ケース側方にあるノズル11から、隔壁となる液状の材料13を注入する。同時に、本体ケースを回転させると、遠心力により隔壁材料が本体ケース端部に集まって隔壁を形成するので、これを放置して硬化させる。
この他に、ポッティングキャップを取り付けた後に、ポッティングキャップの底面方向から、隔壁材料を注入する方法なども、好適に用いられる。
ここで、ポッティングキャップには、あらかじめリング部材7を所定位置に挿入しておき、ポッティングを行うとよい。図5は、隔壁材料が硬化した中空糸膜モジュールの一部断面図である。ポッティングキャップを取り外し、端面カットすることで、中空糸が開口された状態で本体ケースに固定される。この場合に、リング部材は、本体ケース端部において、隔壁に液密に固定された状態で露出する。
図6は、本発明におけるリング部材の構成のその他の形態を例示した図である。
図6において、ポッティングキャップを本体ケースに取付けてポッティングを行った後に、ポッティングキャップを取り外すことなく、端面カットを行うことにより、ポッティングキャップの一部を隔壁側に取り残し、リング部材として使用することができる。この際、リング部材として残したい部分のみにプラズマ処理などの表面処理を施したポッティングキャップを使用することで、隔壁部材とリング部材とを液密に固定することが可能となる。
リング部材の構成はこれに限らないが、本体ケースとは別部品で構成することで、前述した課題を解決できる。
図7は、本発明におけるシール部周辺を例示した断面図である。
血液は、血液導入口からヘッダー内部に流入し、中空糸膜束の開口部に流入する。ヘッダー内部の周縁付近には、中空糸膜束の開口部が存在しない領域(以下、非開口域)が形成され、血液流れの澱みや、滞留の原因となっている。
非開口域が多いと、血液粘度が上昇したり、血液が活性化して凝血を生じる場合がある。
非開口域は、シール部の内径と、中空糸膜束の本体ケース端部における外径の差で表すことができ、シール部内径を小さくすることで、血液凝固等のリスクを軽減することが可能となる。
本発明におけるリング部材は、本体ケース端部において中空糸膜束を包囲するように配置される。よって、ヘッダー内部での血液の流れを阻害することなく、血液は全中空糸膜束の開口部に行き渡ることが可能となる。
同時に、中空糸膜束から近い位置において溶着され、ヘッダー内部空間を形成することが可能となるため、上記非開口域を低減させることができる。
中空糸膜束の本体ケース端部における外径を45度間隔で4箇所、ノギスで測定し、最も大きい外径をφDfとする。リング部材とヘッダー内面が円周上に、全周溶着固定されたシール部の、最も小さい内径をφDsとする。
以下に記載の式1が成り立つと、中空糸膜へのダメージが少なく、かつ、血液の滞留を抑制することができ、好ましい。
1≦φDs−φDf≦8・・・(式1)
さらに好ましくは、以下に記載の式2が成り立つことが好ましい。
1≦φDs−φDf≦4・・・(式2)
血液導入口側端部の中空糸膜束外径と、血液導出口側端部の中空糸膜束外径が異なる場合には、いずれも上記式が成り立つことが好ましい。
本発明によれば、リング部材は本体ケースとは別の部品で構成されることから、上記溶着固定されたシール部の最も小さい内径φDsは、本体ケースの胴中央部内径によらず設計することが可能となる。すなわち、φDsを、本体ケースの胴中央部内径φDよりも小さく設計することもでき、非開口域の低減が可能である。
1 中空糸膜モジュール
21 血液導入口
22 血液導出口
3 ヘッダー
4 本体ケース
5 中空糸膜束
6 隔壁
7 リング部材
8 ヘッダー内面
9 溶着固定部9
10 エネルギーダイレクター
11 ノズル
12 ポッティングキャップ

Claims (5)

  1. 分離膜と、前記分離膜が収納される本体ケースと、
    前記分離膜を前記本体ケース端部の内壁に固定し、前記分離膜とともに前記本体ケース端部における端面を形成する隔壁と、
    前記本体ケース端部に取り付けられた、被処理液の導入口もしくは導出口を有する熱可塑性樹脂製蓋材と、を有する分離膜モジュールにおいて、
    前記本体ケース端面には熱可塑性樹脂製リング部材が備えられ、
    前記リング部材の一面の少なくとも一部は前記隔壁に液密に固定されてなり、
    前記蓋材の内面と前記リング部材の他の一面とは液密に溶着されてなる、分離膜モジュール。
  2. 前記隔壁に液密に固定されたリング部材の一面が、前記隔壁内部に埋包された、請求項1に記載の分離膜モジュール。
  3. 前記リング部材の材質が、曲げ弾性率400MPa以上、2500MPa以下の硬質プラスチックである、請求項1または2に記載の分離膜モジュール。
  4. 前記本体ケースと前記ヘッダーとの間のシール部において、耐圧性能が66kPa以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  5. 分離膜と、前記分離膜が収納される本体ケースと、
    前記分離膜を前記本体ケース端部の内壁に固定し、前記分離膜とともに前記本体ケース端部における端面を形成する隔壁と、
    前記本体ケース端部に取り付けられた、被処理液の導入口もしくは導出口を有する熱可塑性樹脂製蓋材と、を有する分離膜モジュールの製造方法において、
    前記本体ケース端面における前記隔壁に、熱可塑性樹脂製リング部材の少なくとも一部を液密に固定し、
    前記熱可塑性樹脂製蓋材の内面と前記リング部材とを液密に溶着する、分離膜モジュールの製造方法。
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