JP4362432B2 - 中空糸型モジュール - Google Patents

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本発明は、血液浄化等に使用する中空糸型モジュールに関し、特に処理液の流入口または流出口の開口と中空糸束との間に配設する緩衝板の構造を改良した中空糸型モジュールに関する。
中空糸型モジュールは、筒型ケーシング内に中空糸束を充填するとともに、この中空糸束の両端を樹脂組成物でケーシング内面に固定し、ケーシングの両端に被処理液の供給口または排出口を備えるキャップ部材をそれぞれ装着し、ケーシングの外周部両端近傍に処理液の流入口及び流出口を設け、前記供給口から被処理液を供給して各中空糸膜の内部を通過する際にその外側の処理液により浄化処理を行う装置である。
この中空糸束の両端部を樹脂組成物で固定する工程はポッティング工程といい、例えば、中空糸束を装填したケーシングの両端開口にキャップを被せて閉塞し、この状態でケーシング内に、当該ケーシングの外周部両端近傍に突設した処理液の流入口及び流出口からポリウレタンなどの樹脂液を注入し、この樹脂液を遠心力によりケーシングの端部に流動させて硬化させ、その後、キャップを外して不要部分を切除することにより中空糸束の端部をケーシング内の端部に固定するとともに中空糸膜の両端を開口している。
また、図5に示すように、ケーシング52内の前記処理液の流入口または流出口となる接続ポート53に対応する位置(内側開口の奥)には、これら流入口及び流出口の開口と糸束との間に緩衝板(バッフル板)54を設け、中空糸型モジュール51の使用時に流入する処理液をバッフル板54に当てて分散することにより中空糸膜の破損を防止し、また、中空糸型モジュール51の製造時には注入される樹脂液をバッフル板54により案内する。このバッフル板54は、基端部がケーシング52の内表面に固定されるとともに、先端部がケーシング52の開口端部に向けて延出された舌片状の部材として形成されている。なお、図5において、55は樹脂組成物(ポッティング部)、56は中空糸束である。
これに関連する先行技術としては、以下の特許文献1から3に開示された発明が挙げられる。即ち、特許文献1には、透析液流入口及び/または流出口付近のハウジング内面に基端部を有し、先端をハウジング壁面と平行に隔壁内まで延出した環状突起部が形成され、該環状突起部の側壁に、複数の溝または孔が形成されており、さらに透析液流入口及び/または流出口からハウジング先端の間のハウジング内面が段部のない面を有することを要旨とする発明が提案されている。この発明は、少数の中空糸がハウジング端部に付着することに起因する問題を解消し、糸切れやそのために起きる血液リークを改善できるというものである。なお、特許文献1において、隔壁が前記ポッティング部に相当し、環状突起部が前記バッフル板に相当する。
また、特許文献2には、少なくとも一つの環状空間に設けられ、密封部材から中空繊維束の長手方向に一定間隔を残し、かつ、入口あるいは出口手段の該環状空間に通じる開口からの処理物質の流れを変更させ、さらに中空繊維束を完全に取り囲む環状部を具備することを要旨とする発明が提案されている。この発明は、透析液の分散がよく、中空繊維全体を十分に活用できるというものである。なお、 特許文献2において、密封部材が前記ポッティング部に相当し、環状部が前記バッフル板に相当する。
さらに、特許文献3には、ハウジングの内側でかつ該ハウジング内面から離れた位置で該側部開口に面して該ハウジングの長手方向の中心側から該ハウジング端部方向へ向かって立設されたリブを有し、該リブのリブ頂部近傍の中空糸膜側面と該中空糸膜とが接触しないように、該リブ頂部近傍の中空糸膜側面とその周辺の中空糸膜との間に空間を設けることができる形状とすることを要旨とする発明が提案されている。この発明は、ハウジング端部側面に設けられた開口部よりポッティング剤を注入し、隔壁を形成する際、隔壁形成部以外の中空糸膜に、ポッティング剤が接触、付着し、ハウジングに隔壁形成部以外の中空糸膜が接着してしまうことを防止し、中空糸膜の折損等によるリークを防止するものである。なお、特許文献3において、リブが前記バッフル板に相当する。
特開平9−215748号公報 特開昭53−30990号公報 特開2000−42100号公報
ところで、従来の中空糸型モジュールでは、図5に示したように、中空糸型モジュール51の製造時には、前記バッフル板54を経てポッティング剤としての樹脂液が流入するが、樹脂液が中空糸束の内部に浸透する速度が遅いために、樹脂液流入直後において一時的ではあるが、設計通りのレベルよりも軸方向中心側に樹脂液レベル(這い上がりレベル)Lが上昇してしまう。このとき、バッフル板54の先端が樹脂液層に接触しているとバッフル板54に中空糸束56の一部が固着され、その後の振動や衝撃により中空糸の損傷を誘発することがある。中空糸が損傷して気密性が損なわれると、被処理液に処理液が混入するので製品検査において不適合品として除去され、製品の歩留まりが低下することになり、特に中空糸の充填率が高い場合には顕著となる。また、製品検査後、中空糸型モジュールは、ケーシング中に液体を充填した状態で輸送されるが、バッフル板に中空糸束の一部が固着された状態で輸送中に振動や衝撃が加わると、液体の慣性力が中空糸の固着部分に掛かって中空糸が損傷してしまう。したがって、使用中に処理液の漏れが発生する虞がある。
このようなバッフル板と中空糸束の一部との固着現象は、筒型ケーシング内面とバッフル板との隙間が小さいため、その隙間に樹脂液が回り込んで保持され易く、樹脂液のレベルを管理していても回避することが容易ではなかった。
そして、バッフル板を短くして樹脂液との一時的な接触を避けることも考えられるが、単にバッフル板を短くしただけでは、中空糸型モジュール使用時に接続ポートから流入する処理液を分散できず、中空糸膜の破損を防止することができない。さらに、バッフル板と共に接続ポートをも這い上がりレベルLの位置から遠ざけることも考えられるが、接続ポートをケーシングの長手方向中央側へ移動しまうと、処理液をケーシング内に十分に行き渡らせることができず、中空糸型モジュールの処理能力を低下させてしまう。さらには、接続ポートのうちケーシング内部側の開口(バッフル板に対向する開口)をケーシングの長手方向中央側へつぶしたような形状に開設して、バッフル板が短くても処理液を十分に分散できるようにすることも考えられるが、接続ポート内での流路抵抗が増加して処理液の流量低下が生じてしまい、中空糸型モジュールの処理能力を維持し難い。
そして、特許文献1では、少数の中空糸がハウジング端部に付着するのを防止することはできるが、樹脂液の這い上がりによって生じる環状突起部と中空糸との固着、および中空糸の損傷を防止することはできない。また、特許文献2では、透析液は均一に分散されるようになるが、樹脂液の這い上がりによって生じる環状部と中空糸との固着、および中空糸の損傷を防止することはできない。さらに、特許文献3では、リブ(バッフル板)の頂部近傍において中空糸側面とその周辺の中空糸との間に空間を設けるような形状にすることで、中空糸損傷の誘発を防ごうとしているが、この形状では這い上がり時に中空糸とリブとが固着され、静電気により中空糸とリブとが引っ付き易く、また、リブに段差や勾配を設けると、中空糸の充填率を一定に設定した場合に、必然的にケーシングの直径を大きくしなければならなくなる。
本発明は、前記に鑑みて提案されたものであり、樹脂液の這い上がりが生じても緩衝板と中空糸束の一部とが固着することなく、中空糸膜の損傷を回避して製品として必要な気密性を保持することができ、処理能力の低下を防ぎつつ製品の歩留まりを向上させることができる中空糸型モジュールを提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に記載のものは、ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を中空糸の内側の被処理液空間と中空糸の外側の処理液空間とに区画し、前記ケーシングの端部に被処理液ポートを設けて前記被処理液空間と連通し、ケーシングの端部近傍に処理液ポートを設けて前記処理液空間と連通し、処理液ポートの開口と中空糸束との間に緩衝板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
前記緩衝板は、基端部をケーシングの内表面に固定するとともに、先端部をケーシングの開口端部に向けて前記樹脂組成物に埋没する位置まで延出し、当該緩衝板のうち中空糸束に対向する表面であって前記樹脂組成物に埋没する部分に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、
該突起部は、前記緩衝板の幅方向の一側から他側に亘って形成されていることを特徴とする中空糸型モジュールである。
請求項2に記載のものは、前記突起部は、前記樹脂組成物を形成する樹脂液の這い上がりレベルよりも緩衝板の基端側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸型モジュールである。
請求項に記載のものは、ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を中空糸の内側の被処理液空間と中空糸の外側の処理液空間とに区画し、前記ケーシングの端部に被処理液ポートを設けて前記被処理液空間と連通し、ケーシングの端部近傍に処理液ポートを設けて前記処理液空間と連通し、処理液ポートの開口と中空糸束との間に緩衝板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
前記緩衝板は、基端部をケーシングの内表面に固定するとともに、基端部から先端部に向けて順次縮幅しながら先端部をケーシングの開口端部に向けて延出し、前記ケーシング内表面のうち緩衝板の基端部近傍に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、
該突起部は、少なくとも前記緩衝板の全幅と略同じ幅に亘って形成されていることを特徴とする中空糸型モジュールである。
本発明の中空糸型モジュールによれば、以下のような優れた効果を奏する。
即ち、請求項1に記載の発明によれば、緩衝板のうち中空糸束に対向する表面に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、該突起部は、緩衝板の幅方向の一側から他側に亘って形成されているので、緩衝板と中空糸束外周との間に空間を確実に形成することができる。したがって、緩衝板と中空糸束の一部とが固着することなく、中空糸膜の損傷を回避することができる。このことから、製品として必要な気密性を保持することができ、処理能力の低下を防ぎつつ製品の歩留まりを向上させることができる。
また、緩衝板は、先端部を前記樹脂組成物に埋没する位置まで延出し、該樹脂組成物に埋没する部分に前記突起部を形成したので、突起部と中空糸束との接触部分を樹脂組成物内に配置することができる。したがって、中空糸束が突起部の先端に当たったり離れたりして繰り返し荷重を受けることを防止することができ、中空糸膜を損傷し難くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、突起部は、樹脂組成物を形成する樹脂液の這い上がりレベルよりも緩衝板の基端側に形成されているので、樹脂組成物の形成時に樹脂液の這い上がりが生じても、樹脂液が突起部に付着することを防ぐことができる。したがって、突起部と中空糸束とを樹脂液により接着することなく、緩衝板と中空糸束外周との間に形成された空間を維持することができ、緩衝板と中空糸束の一部との固着を防止して中空糸膜の損傷を回避することができる。
請求項に記載の発明によれば、緩衝板は、基端部をケーシングの内表面に固定するとともに、基端部から先端部に向けて順次縮幅しながら先端部をケーシングの開口端部に向けて延出し、緩衝板の基端部近傍のケーシング内表面に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、該突起部は、少なくとも前記緩衝板の全幅と同じ幅に亘って形成されているので、中空糸束の外周のうち緩衝板に対向する部分に突起部を当接することなく、緩衝板と中空糸束外周との間全体に亘って空間を形成することができる。したがって、緩衝板と中空糸束の一部とが固着することがなく、中空糸膜の損傷を回避することができる。また、樹脂液の這い上がりが生じたとしても、樹脂液が突起部に付着することを防ぐことができる。したがって、突起部と中空糸束とを樹脂液により接着することなく、緩衝板と中空糸束外周との間に形成された空間を維持することができ、緩衝板と中空糸束の一部との固着を防止して中空糸膜の損傷を回避することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る中空糸型モジュールの片半を断面図にした正面図である。
中空糸型モジュール1は、図1に示すように、筒型ケーシング2(本発明におけるケーシングに相当)の内部に中空糸束5を充填し、筒型ケーシング2の一方の端部に、被処理液(例えば、血液)を導入する供給口6を突設したキャップ部材7を螺合装着するとともに、他方の端部に、処理された血液が流出する排出口8を突設したキャップ部材9を螺合装着し、筒型ケーシング2内の両端部に、中空糸束5の端部をポリウレタン樹脂等の樹脂組成物によりケーシング2の内面に接着固定するポッティング部10をそれぞれ設けて封止し、ケーシング2内の空間を被処理液が通る被処理液空間(各中空糸の内側)と処理液が通る処理液空間(各中空糸の外側)とに区画してある。また、筒型ケーシング2の外周両端部近傍に浄化処理する処理液(例えば、透析液)の流入口13または流出口14となる接続ポート15を設け、前記供給口6から供給する血液等の被処理液を中空糸11を介して前記流入口13から注入される透析液等の処理液により浄化処理する。
なお、供給口6および排出口8は、本発明における被処理液ポートに相当し、接続ポート15は、本発明における処理液ポートに相当する。
筒型ケーシング2は、キャップ部材7,9と共に本発明のケーシングを構成する部材であり、本実施形態では両端部分に拡径部2´をそれぞれ形成した略円筒体を呈しており、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン)等の合成樹脂材料により前記流入口13及び流出口14とともに一体成型してあり、中空糸束5の状況等が把握し易いように透明の容器として形成している。
筒型ケーシング2内に装填される中空糸束5は多数の中空糸(中空糸膜)11の束であり、中空糸11としては、セルロースアセテート、銅アンモニアセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル系ポリマーアロイ等、セルロース系中空繊維や合成高分子中空繊維等、適宜な材質の中空繊維を用いることができる。
本実施形態では、筒型ケーシング2内の中空糸の充填率は、例えば40〜80%に設定され、充填率を40〜80%とすることにより、中空糸束内の糸間に適宜の隙間を確保することができ、処理液の液流れを略均一にすることができる。
キャップ部材7,9は、筒型ケーシング2の両端開口部を閉塞するように螺合装着される蓋状の部材であり、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン)等の合成樹脂材料により成型され、被処理液の供給口6または排出口8が突設してある。一方のキャップ部材7に突設された供給口6と、他方のキャップ部材9に突設された排出口8とは、血液等の被処理液の移送チューブの接続口として機能するものである。そして、これらのキャップ部材7,9の内周面には雌ネジ部21が形成されている。キャップ部材7,9の雌ネジ部21は、筒型ケーシング2の両端のキャップ装着部20に形成した雄ネジ部22に螺合して装着するためのものであり、例えば、超音波溶着等により固定される。また、キャップ部材7,9の液密性はその内部に装着したOリング23のシール性で確保している。
供給口6及び排出口8は、ノズル状の短管口としてキャップ部材7,9と共に一体成型され、本実施形態では、前記供給口6は、被処理液供給側のキャップ部材7の中心部、即ち、前記中空糸束5の軸心に相当する部位に軸方向外方へ突設しており、前記排出口8も、キャップ部材9の前記軸心に相当する部位に前記供給口8と相反する方向へ突設している。
また、前述したように、筒型ケーシング2の両端近傍には、処理液の流入口13または流出口14となる接続ポート15が一体成型してあり、本実施例では流入口13と流出口14とは同一の構造を有している。これらの接続ポート15は、前記キャップ部材7,9に一体成型した供給口6及び排出口8よりも口径の大きい短管口として、筒型ケーシング2の両端近傍に一体成型されており、その外周面には移送チューブ等の抜けを防止するための凹凸部30が形成されている。
そして、中空糸型モジュール1は、図1および図2に示すように、浄化処理液である透析液の流入口13及び流出口14の基端側(ケーシング2側)の開口部分に対応する位置に舌片状のバッフル板(緩衝板)41を設け、使用時に注入される透析液を分散し、また製造時に注入される液状の樹脂組成物を案内できるように構成されている。具体的に説明すると、このバッフル板41は、筒型ケーシング2の拡径部2´の内側に、前記透析液の流入口13または流出口14の基端側の開口端から所定間隔を空けて設けられ、当該バッフル板41の軸方向の基端部をケーシング2の内表面に固定するとともに、軸方向の先端部をケーシング2の開口端部に向けて前記ポッティング部(樹脂組成物層)10の手前まで延出し、基端部から先端部に向けて順次縮幅している(図2(b)参照)。また、透析液の流入口13または流出口14の基端側(ケーシング2側)の開口部分を覆うことができる程度の面積を有している。
さらに、バッフル板41の内表面(中空糸束5に対向する表面)には、ケーシング2の径方向中心側、言い換えると中空糸束5側へ向けて突出した突起部42が設けられている。突起部42は、バッフル板41に一体成型され、図2(a)に示すように、バッフル板41の先端部ではなく、前記ポッティング部(樹脂組成物層)10を形成する樹脂液(ポッティング剤)の這い上がりレベルL(樹脂液の注入速度と中空糸束5の充填率により定まるレベル)よりもバッフル板41の基端側に位置する内表面(図中下面)に突設され、また、図2(b)に示すように、バッフル板41の幅方向の一側から他側(バッフル板41の中間部分の幅W)に亘って設けられている。したがって、この突起部42により中空糸束5をバッフル板41から離して、バッフル板41の内表面と中空糸束5の外周との間に空間Sを確実に形成することができ、この空間Sの存在により、ポッティング工程(ポッティング部10の形成時)において樹脂液の這い上がりが生じてもバッフル板41と中空糸束5の一部とが固着することを防ぐことができる。このことから、バッフル板41と中空糸束5との固着により生じる中空糸膜の損傷を回避することができる。また、突起部42を這い上がりレベルLよりもバッフル板41の基端側に形成するので、ポッティング工程において樹脂液の這い上がりが生じても、樹脂液が突起部42に付着することを防ぐことができる。したがって、突起部42と中空糸束5とを樹脂液により接着することなく、バッフル板41と中空糸束5の外周との間に形成された空間Sを維持することができ、バッフル板41と中空糸束5の一部との固着を防止して中空糸膜の損傷を回避することができる。
なお、バッフル板41と中空糸束5との固着を十分に防止するためには、突起部42の高さを1mm以上に設定して、バッフル板41と中空糸束5とが十分に離れて、樹脂液が毛細管現象を生じない程度の空間Sを形成することが好適である。
図3は、第2の実施形態における接続ポート、バッフル板および突起部の側断面構造を示す模式図である。第2実施形態では、突起部42は、バッフル板41の内表面ではなく、ケーシング2の内表面のうちバッフル板41の基端部近傍に設けられ、ケーシング2の径方向中心側(中空糸束5側)へ向けて突出している。このようにケーシング2の内表面に突起部42を設けると、中空糸束5の外周のうちバッフル板41に対向する部分に突起部42を当接することがなく、バッフル板41と中空糸束5の外周との間全体に亘って空間Sを形成することができる。したがって、バッフル板41と中空糸束5の一部とが固着することなく、中空糸膜の損傷を回避することができる。また、樹脂液の這い上がりが生じたとしても、樹脂液が突起部42に付着することを防ぐことができる。したがって、突起部42と中空糸束5とを樹脂液により接着することなく、バッフル板41と中空糸束5の外周との間に形成された空間Sを維持することができ、バッフル板41と中空糸束5の一部との固着を防止して中空糸膜の損傷を十分に回避することができる。
なお、第2実施形態においても、突起部42の高さを1mm以上に設定して、バッフル板41と中空糸束5とが十分に離れて、樹脂液が毛細管現象を生じない程度の空間Sを形成することが好適である。また、突起部42は、図3(b)に示すように、少なくともバッフル板41の全幅(図3(b)ではバッフル板41の基端部の幅)と略同じ幅に亘って形成されることが好ましいが、ケーシング2の内側全周に亘って形成してもよい。
図4は、第3の実施形態における接続ポート、バッフル板および突起部の側断面構造を示す模式図である。第3実施形態では、バッフル板41は、その先端部をケーシング2の開口端部の近傍まで延出してポッティング部10に埋没する位置に配置し、このポッティング部10に埋没する部分の内表面(中空糸束5に対向する表面)に、ケーシング2の径方向中心側(中空糸束5側)へ向けて突出した突起部42を形成している。したがって、突起部42と中空糸束5との接触部分をポッティング部10内に配置することができる。このことから、中空糸束5が突起部42の先端に当たったり離れたりして繰り返し荷重を受けることを防止することができ、中空糸膜を損傷し難くすることができる。
なお、第3実施形態においても、突起部42の高さを1mm以上に設定して、バッフル板41と中空糸束5とが十分に離れて、樹脂液が毛細管現象を生じない程度の空間Sを形成することが好適である。また、バッフル板41は、図4(b)に示すように、その幅を先端部から基端部に亘って略同じ寸法に設定し、突起部42を当該バッフル板41の全幅に亘って形成すれば、バッフル板41と中空糸束5との間の空間Sを、バッフル板41の全幅に亘って形成することができ、バッフル板41と中空糸束5との固着を一層阻止し易い。
即ち、本実施形態の中空糸型モジュール1によれば、バッフル板41の内表面または該バッフル板41の基端部近傍のケーシング2の内表面に、中空糸束5側へ向けて突出しているので、バッフル板41の内表面と中空糸束5の外周との間に空間Sが形成され、特に、前記這い上がりレベルLにおいてバッフル板41の内表面と中空糸束5の外周との間に空間Sが形成され、樹脂液の這い上がりが生じてもバッフル板41と中空糸束5の一部との固着を防止することができ、この固着を原因とする中空糸膜の損傷を回避することとなく、中空糸膜の損傷を回避することができる。したがって、中空糸型モジュール1の製品として必要な気密性を保持することができ、その処理能力の低下を防ぎつつ製品の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
また、這い上がりレベルLに関係なく、バッフル板41の延出長さを自由に変更することができ、筒型ケーシング2の直径を増大させることなく、中空糸膜の固着を防止することができるものである。
なお、上記実施形態では、バッフル板(緩衝板)41を基端部から先端部へ向けて順次縮幅した舌片状の部材として形成したが、筒型ケーシング2の内周に沿って環状に形成してもよく、この場合には、バッフル板41の全周に亘って形成してもよい。また、説明の便宜上から、筒型ケーシング2の接続ポート15の一方を流入口13、他方を流出口14と称し、またキャップ部材7,9の接続口の一方を供給口6、他方を排出口8と称しているが、それぞれ一方は他方の、他方は一方の機能を有し、使用目的に応じて適宜、被処理液及び処理液の流れ方向を変更し得るものである。また、上記実施形態では、ケーシング2に流入口13と流出口14を設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、キャップ部材に流入口と流出口を設けてもよい。要するに、中糸束を装填するケースの両端に被処理液の供給口または排出口となる接続口を設けて被処理液空間と連通し、ケーシングの両端近傍に処理液の流入口または流出口となる接続口を設けて前記処理液空間と連通すればよい。
また、上記の実施形態では血液浄化処理(透析)用の中空糸型モジュールについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、処理液の流入口がない中空糸型モジュールであって、中空糸を透過して血液から抽出される血漿を処理液の流出口を通じて取り出すもの、すなわち血漿分離用フィルタに応用してもよい。また、中空糸の内側空間に連通する流入口と、中空糸の外側空間に連通する流出口をそれぞれ1つずつ備えた中空糸型モジュール(血液浄化器)であって、流入口から流入した血液を半透膜で濾過して流出口から流出させ、血液中の異物を濾し取るもの、すなわち濾過器に応用してもよい。要するに、流入口としての処理液ポートと、中空糸により処理された処理液あるいは処理液中の成分等を導出する流出口としての被処理液ポートとを、少なくとも1つずつ備えた中空糸型モジュールであれば、本発明を適用することができる。
本発明に係る中空糸型モジュールの片半を断面図にした正面図である。 (a)は第1の実施形態における接続ポート、バッフル板および突起部の側断面構造を示す要部模式図、(b)はバッフル板の幅と突起部の長さとの関係を説明する模式図である。 (a)は第2の実施形態における接続ポート、バッフル板および突起部の側断面構造を示す要部模式図、(b)はバッフル板の幅と突起部の長さとの関係を説明する模式図である。 (a)は第3の実施形態における接続ポート、バッフル板および突起部の側断面構造を示す要部模式図、(b)はバッフル板の幅と突起部の長さとの関係を説明する模式図である。 従来の中空糸型モジュールにおける不具合を説明するための模式図である。
符号の説明
1 中空糸型モジュール
2 筒型ケーシング
5 中空糸束
6 供給口
7,9 キャップ部材
8 排出口
10 ポッティング部
11 中空糸膜
13 流入口
14 流出口
15 接続ポート
20 キャップ装着部
21 雌ネジ部
22 雄ネジ部
23 Oリング
30 凹凸部
41 バッフル板(緩衝板)
42 突起部

Claims (3)

  1. ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を中空糸の内側の被処理液空間と中空糸の外側の処理液空間とに区画し、前記ケーシングの端部に被処理液ポートを設けて前記被処理液空間と連通し、ケーシングの端部近傍に処理液ポートを設けて前記処理液空間と連通し、処理液ポートの開口と中空糸束との間に緩衝板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
    前記緩衝板は、基端部をケーシングの内表面に固定するとともに、先端部をケーシングの開口端部に向けて前記樹脂組成物に埋没する位置まで延出し、当該緩衝板のうち中空糸束に対向する表面であって前記樹脂組成物に埋没する部分に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、
    該突起部は、前記緩衝板の幅方向の一側から他側に亘って形成されていることを特徴とする中空糸型モジュール。
  2. 前記突起部は、前記樹脂組成物を形成する樹脂液の這い上がりレベルよりも緩衝板の基端側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸型モジュール。
  3. ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を中空糸の内側の被処理液空間と中空糸の外側の処理液空間とに区画し、前記ケーシングの端部に被処理液ポートを設けて前記被処理液空間と連通し、ケーシングの端部近傍に処理液ポートを設けて前記処理液空間と連通し、処理液ポートの開口と中空糸束との間に緩衝板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
    前記緩衝板は、基端部をケーシングの内表面に固定するとともに、基端部から先端部に向けて順次縮幅しながら先端部をケーシングの開口端部に向けて延出し、前記ケーシング内表面のうち緩衝板の基端部近傍に、中空糸束へ向けて突出した突起部を設け、
    該突起部は、少なくとも前記緩衝板の全幅と略同じ幅に亘って形成されていることを特徴とする中空糸型モジュール。
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