JP4362399B2 - 中空糸型血液浄化器 - Google Patents

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Description

本発明は、透析治療等の血液浄化療法に用いられる血液浄化器に関し、特に半透性中空糸を用いたものに関する。
中空糸型血液浄化器は、例えば腎臓や肝臓に疾患を持つ患者の血液浄化に使用されるものである。この血液浄化器では、筒型ケースに中空糸束を装填し、ケース内部を中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画する。そして、中空糸を介して血液流路を流れる血液と処理液流路を流れる処理液との間で物質交換を行わせる。即ち、血液中の余剰成分を血液から処理液に移動させる一方、血液中の不足成分を処理液から血液へ補充する。この血液浄化器において、血液導入ポートと中空糸束の端面との間には血液供給空間が形成されている。したがって、血液導入ポートから導入された血液は、一旦この血液供給空間を通過した後に中空糸内側の血液流路を流れる。この血液供給空間は、ケース端部に装着されるキャップ部材の内側空間として形成されている。このキャップ部材には、例えば略漏斗状に形成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このキャップ部材では、その筒先部分が血液導入ポートとして機能する。また、血液導入ポートに加え、処理液を導出(排出)する処理液導出ポートを一体に設けたキャップ部材も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、血液導入ポートをキャップ部材の側面に突設し、血液をキャップ部材の側方から導入可能に構成したものもある(例えば、特許文献3参照。)。
そして、略漏斗状に形成されたキャップ部材や処理液導出ポートを一体に設けたキャップ部材では、血液導入ポートの内側空間、すなわち血液導入路の出口が中空糸束端面の略中心に対向する状態で開設されていた。この構成では、導入された血液が中空糸束端面の中心部分へ集中的に供給されることになる。また、血液導入ポートを側面に突設したキャップ部材では、血液導入ポート内の血液導入路の出口が血液供給空間の側面に開設されている。この構成では、導入された血液が中空糸の長手方向に対して略直交する方向から流入するので、血液導入路の出口(すなわちキャップ部材の内側に開設された血液出口)の周辺に血液が集中的に供給されることになる。
特開平10−305218号公報(第1図) 特開2000−189762号公報(第5頁,第1図) 実開平6−63048号公報(第9図)
ところで、上記した構成のキャップ部材では、血液供給空間の一部分へ血液が集中的に供給されてしまうことがあり、血液の供給量が他の部分よりも少ない空間において血栓が生じる虞があった。すなわち、血液供給空間内において血液の供給量が少なく血流の遅い部分があると、この空間を区画する壁面に血液中のタンパク質等が付着し易くなり、血栓形成の原因ともなり得る。この血栓防止の観点からすると、壁面に近い外側の流速を積極的に高めて、キャップ部材内の血液供給空間に血液が滞留するのをなくすことが求められる。また、血液と処理液の間の物質交換を効率良く行うには、中空糸束を構成する各中空糸に均等に血液を供給することが望ましい。しかしながら、上記構成のキャップ部材では、一部分への中空糸へ血液が集中的に供給されてしまうことがあり、この点に改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、血液供給空間内での血液の滞留をなくして、血栓形成を防止できる中空糸型血液浄化器を提供することを目的とする。また、本発明は、中空糸束を構成する各中空糸に対してより均等に血液を供給することができ、血液と処理液の間の物質交換効率をより高めることができる中空糸型血液浄化器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、半透性の中空糸の中空糸束を筒状ケース内に装填し、中空糸束の両端部分をケース内面にポッティングすることによりケースの内部を、中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画し、ケースの両端にキャップ部材を液密状に取り付け、上記血液流路に連通した血液導入ポートを備えると共に、上記処理液流路に連通した処理液ポートを備え、中空糸束の端面とキャップ部材の天井面との間に、血液導入ポートから導入された血液が血液流路内に流入する前に流れる血液供給空間を形成した中空糸型血液浄化器において、
キャップ部材の天井面に、中空糸束の端面側に向けて膨出させた抵抗部を形成するとともに、該抵抗部の外側に天井面を凹ませることで凹溝を円弧状に形成し、
該凹溝は、当該凹溝から前記中空糸束端面までの高さが徐々に変化する螺旋状であって、血液導入ポートから離隔する程に幅が狭くなるように形成され、
凹溝から前記中空糸束端面までの前記高さが最も高い位置に血液導入ポートの出口が位置するようにして、血液供給空間のうち抵抗部の外縁部よりも外側に向けて血液導入ポートを設け
前記抵抗部を天井面の中心から偏心させて配置したことを特徴とする中空糸型血液浄化器である。
請求項2に係る発明は、前記抵抗部を天井面の中心から血液導入ポートの出口側に偏心させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の中空糸型血液浄化器である。
請求項1に係る発明によれば、抵抗部を設けることで血液供給空間は、抵抗部よりも外側に位置する外側領域の高さ(すなわち中空糸束の端面までの距離)が、抵抗部に対向する対向領域の高さよりも高くなる。このため、外側領域の流路抵抗が対向領域の流路抵抗よりも小さくなる。ここで、血液導入ポートは血液供給空間のうち抵抗部の外縁部よりも外側に向けて設けられているので、血液導入路を通った血液が外側領域内に効率よく導入される。そして、外側領域内に導入された血液は、この外側領域に沿って抵抗部を囲繞するように流れる。この流れによって、血液を中空糸束端面の全域に対して均等に行き渡らせることができる。その結果、外側領域に向けて積極的に血液を流すことができ、外側領域を流れる血液の流速を高めることができる。これにより、血液供給空間で血液が滞留するのを防ぐことができる。したがって、血液供給空間の壁面に対して血液中のタンパク質等が付着し難くなり、血栓形成の防止が図れる。さらに、各中空糸に対してより均等に血液を供給することができ、血液と処理液の間の物質交換効率をより高めることができる。
そして、本発明は、抵抗部の外側に天井面を凹ませることで凹溝を円弧状に形成し、該凹溝は、当該凹溝から前記中空糸束端面までの高さが徐々に変化する螺旋状であって、血液導入ポートから離隔する程に幅が狭くなるように形成され、凹溝から前記中空糸束端面までの前記高さが最も高い位置に血液導入ポートの出口が位置するようにして、血液導入ポートを設けたので、血液供給空間内において、血液の渦流を積極的に発生させることができる。
また、抵抗部を天井面の中心から偏心させて配置することで、血液の流れを調整できる。これにより、流速不足等によって生じる血液の不均一な流れを均一化することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記抵抗部を天井面の中心から血液導入ポートの出口側に偏心させて配置したので、血液導入ポートから血液供給空間内に流入した血液に関し、その流速をできるだけ落とさずに送ることができる。このように血液の流れを調整することで、血液の滞留によって生じる血栓の形成を防ぐとともに、血液の不均一な流れを均一化できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明における血液浄化器1の実施形態の一つである透析器を示す部分断面図である。
図1に例示した血液浄化器1は、筒型ケース2の内部に中空糸束3を装填し、ケース2の一方の端部に、血液を導入する血液導入ポート6を備えた導入側キャップ部材7を螺合装着し、他方の端部に、処理された血液が流出する血液導出ポート8を備えた導出側キャップ部材9を螺合装着し、ケース2内の両端部に、中空糸束3の端部をポリウレタン樹脂等の樹脂組成物により接着固定するポッティング部10をそれぞれ設けて封止し、ケース2内の空間を血液が通る血液流路(各中空糸膜の内側空間)と処理液が通る処理液流路(各中空糸膜の外側空間)とに区画してある。また、ケース2の外周両端部に浄化処理する処理液(例えば、透析液)の導入ポート13及び導出ポート14を設け、上記血液導入ポート6から供給する血液を中空糸膜11を介して処理液導入ポート13から注入される透析液等の処理液により浄化処理する。なお、処理液導入ポート13および処理液導出ポート14は、それぞれ本発明における処理液ポートに相当する。
ケース2は、略円筒体を呈しており、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料により上記処理液導入ポート13及び処理液導出ポート14とともに一体成型されており、中空糸束3の状況等が把握し易いように透明の容器として形成されている。
中空糸束3は多数の中空糸膜11の束であり、この中空糸膜11としては、セルロースアセテート、銅アンモニアセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル系ポリマーアロイ等、セルロース系中空繊維や合成高分子中空繊維等、適宜な材質の中空繊維を用いることができる。そして、各中空糸膜11は、中空孔の開口端が封止されることなくポッティング部10の外側の面で開口している。
導入側キャップ部材7および導出側キャップ部材9は、ケース2の両端開口部を閉塞するように螺合装着される蓋状の部材であり、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料により成型されている。また、これらのキャップ部材7,9の内周面には雌ネジ部21が形成されている。キャップ部材7,9の雌ネジ部21は、ケース2の両端のキャップ装着部20に形成した雄ネジ部22に螺合して装着するためのものであり、例えば、超音波溶着等により固定される。そして、キャップ部材7,9の液密性はその内部に装着したOリング23のシール性で確保している。このキャップ部材7,9をケース2の端部に取り付けると、導入側キャップ部材7とケース2との間には血液供給空間24が、また、導出側キャップ部材9とケース2との間には血液導出空間(図示せず)がそれぞれ区画形成される。
なお、これらのキャップ部材7,9は、ポートの機能が違うのみで形状は同一である。すなわち、導入側キャップ部材7における血液導入ポート6は導出側キャップ部材9における血液導出ポート8に対応する。このため、導入側キャップ部材7に関する以下の説明は、導出側キャップ部材9にも同様にあてはまる。なお、この導入側キャップ部材7の構造については、後で詳細に説明する。
上記した構成を有する血液浄化器1の使用時には、導入側キャップ部材7を上方に、導出側キャップ部材9を下方にそれぞれ向けた状態で血液浄化器1を固定する。そして、導入側キャップ部材7の血液導入ポート6には動脈側の血液チューブを、導出側キャップ部材9の血液導出ポート8には静脈側の血液チューブをそれぞれ接続する(何れも図示せず)。また、処理液導出ポート14には回収側の処理液チューブを、処理液導入ポート13には導入側の処理液チューブを接続する(何れも図示せず)。
動脈側の血液チューブから患者の血液が血液浄化器1に供給されると、この血液は血液導入ポート6内の血液導入路6aを通って血液供給空間24内に供給される。血液供給空間24に供給された血液は、その後各中空糸7内の血液流路を流下し、導出側キャップ部材9の血液導出空間(導入側キャップ部材7の血液供給空間24に対応する空間)に流出する。血液導出空間に流出した血液は、血液導出ポート8の血液導出路(図示せず)を通じて静脈側の血液チューブに導出され、患者の体内に戻される。一方、導入側の処理液チューブからの処理液が血液浄化器1に供給されると、この処理液は処理液導入ポート13を通って中空糸7の外側の処理液流路に供給される。その後、処理液は、処理液導出ポートから回収側の処理液チューブ内に流入して回収される。
このとき、血液流路と処理液流路との間では浸透圧などによって物質交換が行われる。そして、物質交換がなされた処理後の血液が患者の体内に戻される。具体的には、血液中の余剰成分は中空糸7を透過して処理液側に移動し、血液中の不足成分は中空糸7を透過して血液側に移動する。
この場合において、血液の処理効率を高めるためには、中空糸束3を構成する各中空糸に対して均等に血液を供給することが望ましい。また、血液供給空間24内の血栓形成を防止するためには、血液供給空間24の壁面付近を流れる血液の流速を高めて血液供給空間24内に血液が滞留するのを防ぐことが望ましい。この点に鑑み、本実施形態では、上記天井面に中空糸束3の端面側に向けて抵抗部を膨出させて設け、この抵抗部が対向する領域の外側に向けて血液導入ポート6を設けている。以下、この点について詳細に説明する。
まず、キャップ部材7,9の構造について、導入側キャップ部材7を例にして説明する。ここで、図3および図4は、導入側キャップ部材7の構造を説明する図である。詳しくは、図3(a)は導入側キャップ部材7を切断した断面図であって、血液導入ポート6の一部も断面で示した図、(b)は底面図である。また、図4(a)は右側面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。なお、上記したように、導入側キャップ部材7と導出側キャップ部材9は同一形状であるので、導入側キャップ部材7についてする以下の説明は導出側キャップ部材9についても同様である。
これらの図に示すように、導入側キャップ部材7は、本体部27および血液導入ポート6を備え、樹脂によって一体成型されている。本実施形態では、ケース2と同様に、例えばポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料によって作製されている。
上記の本体部27は、略円形の天井部28と、この天井部28の周縁から起立し、ケース2のキャップ装着部20の外周面を囲繞する略円筒状の胴体部29とを備え、この胴体部29の内周面に前記した雌ネジ部21を刻設している。
天井部28は、キャップ内側の表面が本発明の天井面として機能する。そして、この天井面のほぼ中央には抵抗部32を設けている。この抵抗部32は、天井部28の一部分を中空糸束3の端面側(即ち、胴体部29の開放端部側)に向けて膨出することで作製されている。本実施形態では、この抵抗部32を底面の大きさに対して高さが低い略円錐形状とし、天井面の中央部分に設けている。この抵抗部32により、導入側キャップ部材7の装着状態において、抵抗部32の頂点が中空糸束3の端面に対して最も近接する。そして、頂点から径方向に離隔する程に、抵抗部表面から中空糸束3の端面までの距離が長くなる。言い換えると、血液供給空間24の高さに関し、抵抗部32の外縁部よりも外側に位置する外側領域24Aの高さが、抵抗部32に対向する対向領域24Bの高さよりも高くなる。したがって、外側領域24Aを流れる血液の流路抵抗は、対向領域24Bを流れる血液の流路抵抗よりも小さくなる。
さらに、本実施形態では、外側領域24A内に位置する天井部28を凹ませることで凹溝33を形成している。そして、この凹溝33は、抵抗部32を囲繞する円弧状に設けられている。また、この凹溝33は、螺旋状に設けられている。即ち、この凹溝33から中空糸束3端面までの高さは、血液導入路6aの出口6b付近が最も高く、この出口6bから離隔する程に少しずつ低くなっている。言い換えると、この凹溝33は、その溝深さが少しずつ浅くなっているといえる。さらに、この凹溝33の幅は、先端に向かう程に、即ち、血液導入ポート6との境界から離隔する程に狭く構成されている。このような凹溝33を設けることで、外側領域24Aの流路抵抗はこの凹溝33によっても小さくなる。また、凹溝33が螺旋状に設けられると共に、次第に縮幅されているので、血液供給空間24内において、血液の渦流を積極的に発生させることができる。
そして、導入側キャップ部材7の内側であって天井部28と胴体部29の境界には、円形状の装着溝部34が形成されている。この装着溝部34は、Oリング13を収納するための溝であり、略半円形状の断面とされ、凹溝33を囲繞するように一周している。
また、血液導入ポート6は、天井部28の外側表面に横向きに設けられ、内部には本体部27の内側空間(即ち、血液供給空間24)に連通する血液導入路6aを開設している。詳しく説明すると、血液導入ポート6は、図3及び図4に示すように、血液導入路6aの入口側(図3(a)中右側)の部分を、ケース2の端部および中空糸束3の端面に略平行に設けると共に、血液導入ポート6を血液供給空間24の中心から偏心した状態で設けている。ここで、血液供給空間24の中心から偏心した状態とは、径方向の仮想中心線に対し、この仮想中心線とは直交する方向に位置をずらして形成した状態である。
なお、本実施形態では導入側キャップ部材7の中心線を仮想中心線Lとしており、血液導入ポート6をこの仮想中心線Lから所定距離△Lだけ位置をずらして、即ち、オフセットした状態で形成している。これにより、血液導入路6aの出口6bを上記の凹溝33内(血液供給空間24における外側領域24A内)に開口させている。言い換えると、この血液導入ポート6は、血液導入路6aが外側領域24Aに向かう状態で形成されている(図3(b)参照)。
このような構造の導入側キャップ部材7を使用すると、血液導入ポート6の血液導入路6aは外側領域24A(本発明における抵抗部の外縁部よりも外側に相当)に向けて設けられているので、血液導入路6aを通った血液が外側領域24A内に効率よく導入される。そして、血液供給空間24では、外側領域24Aの流路抵抗が対向領域24Bの流路抵抗よりも小さいので、導入された血液は外側領域24Aに沿って抵抗部32を囲繞するように流れる。この流れによって、血液を中空糸束3端面の全域に対して均等に行き渡らせることができる。また、本実施形態では、血液導入ポート6を偏心させた状態で設けているので、血液導入ポート6から導入された血液によって血液供給空間24には渦流が生じやすくなり、外側領域24A内における血液の流れをより速くすることができる。これにより、血液中に存在するタンパク質の血液供給空間24の壁面への付着を確実に防止することができる。したがって、血液供給空間24内で血液が滞留するのを防いで、血栓を形成し難くすることができる。
また、上記の抵抗部32を天井面の中央部分に配置しているので、血液供給空間24は、中空糸束端面における中心部が最も低くなり、この位置から外側に向かうにつれて高くなる。このため、外側領域24A内における血液の流れの中心を、中空糸束端面の中心に揃えることができる。その結果、中空糸束3を構成する各中空糸7へ血液を確実に行き渡らせることができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。例えば、図5に示すように、抵抗部41を天井面の中心から偏心させて配置してもよい。例示した実施形態では、胴体部29の内径に対して1/2程度の直径にした円錐状の抵抗部41を用い、この抵抗部41を血液導入路6aの出口6b側に近い位置に設けている。この実施形態では、抵抗部32を血液導入路6aの出口6b側に偏心させていることで、血液導入路6aから血液供給空間24内に流入した血液に関し、その流速をできるだけ落とさずに送ることができる。このように血液の流れを調整することで、血液の滞留によって生じる血栓の形成を防ぐとともに、血液の不均一な流れを均一化できる。
また、抵抗部に関し、図6に示すように、楕円錘(底面が楕円形状の円錐形)の抵抗部42としてもよく、図7に示すように、三日月形状に隆起させた抵抗部43としてもよい。何れの形態でも、血液の流れを調整できる。そして、いずれにおいても血液導入ポート6は、抵抗部42,43が対向する領域の外側に向けて設けられている。
さらに、キャップ部材7,9に関し、上記各実施形態では、導入側キャップ部材7に血液導入ポート6を、導出側キャップ部材9に血液導出ポート8をそれぞれ備えたものを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、導入側キャップ部材7に血液導入ポート6および処理液導出ポート14を、導出側キャップ部材9に血液導出ポート8および処理液導入ポート13をそれぞれ備えたものであってもよい。
加えて、上記各実施形態では、導入側キャップ部材7と導出側キャップ部材9とが同一形状である例を説明したが、導入側キャップ部材に上記した血液導入ポートや抵抗部を備えていれば、導入側キャップ部材と導出側キャップ部材とを異なる形状としてもよい。
そして、上記実施形態では、透析器としての血液浄化器1を例にして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、処理液導入ポートがない血液浄化器であって、中空糸を透過して血液から抽出される血漿を処理液導出ポートを通じて取り出すもの、すなわち血漿分離用フィルタに応用してもよい。また、中空糸の内側空間に連通する血液導入ポートと、中空糸の外側空間に連通する導出ポートをそれぞれ1つずつ備えた血液浄化器であって、導入ポートから流入した血液を半透膜で濾過して導出ポートから流出させ、血液中の異物を濾し取るもの、すなわち濾過器に応用してもよい。要するに、血液導入ポートと、中空糸により処理された血液あるいは血液中の成分等を導出する処理液ポートとを、少なくとも1つずつ備えた血液浄化器であれば、本発明を適用することができる。
血液浄化器の断面図である。 ケース先端部及び導入側キャップ部材を説明する部分拡大断面図である。 (a)は導入側キャップ部材を処理液導出ポートの位置で切断した断面図であって、血液導入ポートの一部も断面で示した図、(b)は底面図である。 導入側キャップ部材の説明図であり、(a)は右側面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。 抵抗部を天井面の中心から偏心させて配置した実施形態を説明する図であり、(a)は断面図、(b)は底面図である。 楕円錘状の抵抗部を説明する図である。 三日月形状に隆起した抵抗部を説明する図である。
符号の説明
1 血液浄化器
2 ケース
3 中空糸束
6 血液導入ポート
6a 血液導入路
6b 出口
7 導入側キャップ部材
8 血液導出ポート
9 導出側キャップ部材
10 ポッティング部
11 中空糸膜
13 処理液導入ポート
14 処理液導出ポート
20 キャップ装着部
21 雌ネジ部
22 雄ネジ部
23 Oリング
24 血液供給空間
24A 血液供給空間の外側領域
24B 血液供給空間の対向領域
27 本体部
28 天井部
29 胴体部
32 抵抗部
33 凹溝
34 装着溝部
41〜43 抵抗部

Claims (2)

  1. 半透性の中空糸の中空糸束を筒状ケース内に装填し、中空糸束の両端部分をケース内面にポッティングすることによりケースの内部を、中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画し、ケースの両端にキャップ部材を液密状に取り付け、上記血液流路に連通した血液導入ポートを備えると共に、上記処理液流路に連通した処理液ポートを備え、中空糸束の端面とキャップ部材の天井面との間に、血液導入ポートから導入された血液が血液流路内に流入する前に流れる血液供給空間を形成した中空糸型血液浄化器において、
    キャップ部材の天井面に、中空糸束の端面側に向けて膨出させた抵抗部を形成するとともに、該抵抗部の外側に天井面を凹ませることで凹溝を円弧状に形成し、
    該凹溝は、当該凹溝から前記中空糸束端面までの高さが徐々に変化する螺旋状であって、血液導入ポートから離隔する程に幅が狭くなるように形成され、
    凹溝から前記中空糸束端面までの前記高さが最も高い位置に血液導入ポートの出口が位置するようにして、血液供給空間のうち抵抗部の外縁部よりも外側に向けて血液導入ポートを設け
    前記抵抗部を天井面の中心から偏心させて配置したことを特徴とする中空糸型血液浄化器。
  2. 前記抵抗部を天井面の中心から血液導入ポートの出口側に偏心させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の中空糸型血液浄化器。
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