JP2017104019A - 抗菌防カビ性人工土壌粒子、及び抗菌防カビ性人工土壌培地 - Google Patents

抗菌防カビ性人工土壌粒子、及び抗菌防カビ性人工土壌培地 Download PDF

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Abstract

【課題】人工土壌粒子とそれに使用する抗菌防カビ剤との関係を考慮し、長期的に安定した抗菌防カビ効果が発揮され、且つ安全性の高い抗菌防カビ性人工土壌粒子を提供する。【解決手段】フィラー3及び/又は繊維1と、バインダーとを含む抗菌防カビ性人工土壌粒子50(51、52、53、54)であって、無機層状化合物31の層間に第四級アンモニウム塩32をインターカレートした抗菌防カビ剤30を含有する。第四級アンモニウム塩32は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも一種である。【選択図】図3

Description

本発明は、人工土壌粒子に抗菌防カビ性を持たせた抗菌防カビ性人工土壌粒子、及び当該抗菌防カビ性人工土壌粒子を使用した抗菌防カビ性人工土壌培地に関する。
近年、生育条件がコントロールされた環境下で、野菜や花卉等の植物を栽培する植物工場が増加している。従来の植物工場は、レタス等の葉物野菜の水耕栽培が中心であったが、最近では人工土壌を使用し、花卉、根菜類、さらには観葉植物等の様々な植物が栽培されるようになってきている。植物工場等で使用される人工土壌は、土壌としての基本性能に優れていることは勿論のこと、清潔感があり、且つ取り扱いが容易であることが求められる。例えば、透明ないし半透明のポットに人工土壌を入れ、室内で観葉植物を栽培する商品が開発されているが、このようなインテリア性の高い商品は、見た目の美しさや清潔感が特に要求される。ところが、人工土壌は湿潤な環境に長期間曝されるため、植物の栽培中に人工土壌に細菌類やカビ類が繁殖し、その結果、栽培植物が立ち枯れしたり、根腐れ等を起こし、観葉植物としての美観や衛生を損ねることがあった。また、人工土壌そのものも細菌類やカビ類によって変色し、見栄えが悪化する原因にもなっていた。
そこで、植物の根腐れ等を防止するため、生分解性プラスチックと抗菌防カビ性物質とを組み合わせた人工土壌が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。特許文献1は、生分解性プラスチック中に抗菌剤と防カビ剤とを分散させた人工土壌粒子を開示している。特許文献2は、生分解性プラスチックの表面に抗菌剤と防カビ剤とをコーティングした人工土壌粒子を開示している。特許文献1及び特許文献2によれば、人工土壌粒子に含まれる抗菌剤と防カビ剤との効果により細菌類やカビ類等の微生物が死滅して栽培中に植物が根腐れを起こすことが防止され、抗菌効果及び防カビ効果が無くなると、人工土壌粒子を構成する生分解性プラスチックは土壌中のバクテリアによって分解されるとされている。
特開平9−183970号公報 特開平9−183971号公報
人工土壌培地において、抗菌防カビ作用を効果的に発揮させるためには、当該人工土壌培地を構成する人工土壌粒子の構造を十分に考慮し、適切な抗菌防カビ剤を選択する必要がある。この点に関し、特許文献1の人工土壌粒子は、押し出し成形法によって押し出した樹脂(生分解性プラスチック)を冷却し、裁断してペレット状にしたものである。すなわち、特許文献1の人工土壌粒子は、一粒一粒が細かい樹脂の塊であり、空隙や細孔がほとんど存在しないものとなる。このため、特許文献1のように樹脂中に抗菌剤や防カビ剤を分散させると、抗菌剤や防カビ剤が樹脂中に埋没することになり、その結果、抗菌効果及び防カビ効果が十分に発揮されない可能性がある。また、特許文献2のように樹脂の表面に抗菌剤や防カビ剤をコーティングした場合は、抗菌剤及び防カビ剤が脱落し易くなり、抗菌効果及び防カビ効果を持続的に発揮させることが困難となる。そのため、抗菌剤や防カビ剤を実際の効果量よりも多く人工土壌粒子に混合する必要があり、有機系の抗菌剤等を用いた場合には、その人工土壌により栽培した野菜等に抗菌剤が蓄積されることが懸念される。このように、特許文献1及び特許文献2の人工土壌粒子は、使用する抗菌防カビ剤の長期的効果や安全性を考慮して設計されたものではなく、単純に抗菌剤と防カビ剤とを人工土壌粒子に添加しているに過ぎない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、人工土壌粒子とそれに使用する抗菌防カビ剤との関係を考慮し、長期的に安定した抗菌防カビ効果が発揮され、且つ安全性の高い抗菌防カビ性人工土壌粒子を提供することを目的とする。さらに、当該抗菌防カビ性人工土壌粒子を使用した抗菌防カビ性人工土壌培地を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌粒子の特徴構成は、
フィラー及び/又は繊維と、バインダーとを含む抗菌防カビ性人工土壌粒子であって、
無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤を含有することにある。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌粒子によれば、人工土壌粒子に適切な抗菌防カビ剤を含有させている。本発明者らによる鋭意研究の結果、フィラー及び/又は繊維と、バインダーとを含む人工土壌粒子において、無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤を含有させると、人工土壌粒子に有意な抗菌防カビ効果が認められることが判明した。本構成の人工土壌粒子は、フィラー間及び/又は繊維間に抗菌防カビ剤が存在するため、人工土壌粒子内で、抗菌防カビ効果を略均等に発揮することができる。ここで、抗菌防カビ剤に含まれる第四級アンモニウム塩は、無機層状化合物の層間にインターカレートされた状態にあるため、人工土壌粒子から第四級アンモニウム塩が一度に大量に放出されることがなく、持続性、徐放性、及び安全性に優れたものとなる。また、人工土壌粒子からの第四級アンモニウム塩の放出量の変動も少ないため、長期に亘って安定した抗菌防カビ効果を発揮することができる。その結果、人工土壌粒子の交換サイクルが延長され、経済性にも優れたものとなる。
本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌粒子において、
前記第四級アンモニウム塩は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌粒子によれば、第四級アンモニウム塩として適切な物質を選択しているため、優れた抗菌防カビ効果が得られるとともに、使い勝手のよい抗菌防カビ性人工土壌粒子を設計することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌培地の特徴構成は、
前記何れか一つに記載の抗菌防カビ性人工土壌粒子を用いたことにある。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌培地によれば、本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子を使用しているため、長期的に安定した抗菌防カビ効果が発揮されるとともに、使い勝手のよい抗菌防カビ性人工土壌培地を提供することができる。
本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌培地において、
前記抗菌防カビ剤の含有量が2〜12g/Lであることが好ましい。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌培地によれば、抗菌防カビ剤を上記の適切な範囲で含んでいるため、必要且つ十分な抗菌防カビ作用が発揮されることとなり、その結果、通常の人工土壌培地であれば発生する可能性がある細菌やカビ類の繁殖を抑制することができる。また、上記の範囲であれば、第四級アンモニウム塩によって植物の成長が阻害されることがないため、長期に亘って植物を健全な状態で栽培し続けることができる。なお、このような抗菌防カビ性人工土壌培地で栽培し、収穫した野菜は、抗菌成分や防カビ成分の蓄積が少ないため、安全性が高いものとなる。
本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌培地において、
体積含水率が25%以上50%未満に調整されていることが好ましい。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌培地によれば、体積含水率を25%以上50%未満に調整することで、植物の育成に適した保水量を確保することができ、その結果、水やりの頻度を減らすことができる。また、一定範囲の体積含水率を維持することにより、人工土壌培地中の第四級アンモニウム塩の濃度を一定範囲に保つことが可能となり、長期に亘って抗菌防カビ効果を発揮することができる。
本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌培地において、
JIS Z 2911に準拠して測定されるカビ抵抗性表示がレベル2以下であることが好ましい。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌培地によれば、JIS Z 2911に準拠して測定されるカビ抵抗性表示がレベル2以下であるため、植物の栽培期間中に亘って十分な抗菌防カビ効果を発揮することができる。その結果、細菌類やカビ類の繁殖が抑制され、人工土壌培地の変色を防止することができる。
本発明にかかる抗菌防カビ性人工土壌培地において、
花卉又は観葉植物用の育成培地であることが好ましい。
本構成の抗菌防カビ性人工土壌培地によれば、細菌類やカビ類の繁殖を効果的に抑制できるため、特に、高度な衛生状態や美観を維持することが重視される花卉又は観葉植物用の育成培地として好適に利用することができる。
図1は、本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子の概略構成図である。 図2は、本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子に使用される抗菌防カビ剤のイメージ図である。 図3は、抗菌防カビ剤を含む抗菌防カビ性人工土壌粒子の一部拡大図である。 図4は、JIS Z 2911カビ抵抗性試験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る抗菌防カビ性人工土壌粒子(抗菌防カビ性人工土壌培地)に関する実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
〔人工土壌粒子の構成〕
図1は、本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子50の概略構成図である。以下、抗菌防カビ性人工土壌粒子50を単に「人工土壌粒子」と称する場合がある。図1(a)〜(d)は、4つのタイプの人工土壌粒子51,52,53,54を例示するものである。これらの人工土壌粒子は、ベース材料として、フィラー及び/又は繊維を含む。
図1(a)の人工土壌粒子51は、基部10として繊維塊状体11を備えている。繊維塊状体11は、複数本の繊維1の集合体である。繊維塊状体11を構成する繊維1の間には、空隙2が形成されている。繊維塊状体11は、空隙2に水分を保持することができる。従って、繊維塊状体11の空隙2の状態は、繊維塊状体11の保水性に関係する。空隙2の状態は、基部10を形成する際の繊維1の使用量(密度)、繊維1の種類、太さ、長さ等を変更することにより調整可能である。繊維1のサイズは、太さが5〜100μmのものが好ましく、長さが0.5〜10mmのものがより好ましい。
繊維塊状体11を構成する繊維1は、天然繊維又は合成繊維が適宜選択されるが、親水性の繊維であることが好ましい。好ましい親水性の繊維は、例えば、天然繊維としてセルロース、綿、羊毛、レーヨンが挙げられ、合成繊維として、例えば、ビニロン、ウレタン、ナイロン、アセテートが挙げられる。これらのうち、セルロース、綿、ビニロンがより好ましく使用される。繊維1は、天然繊維と合成繊維とを混繊したものでも構わない。
繊維塊状体11を構成するに際し、繊維1間の空隙2に吸水促進材を導入することも可能である。吸水促進材を含む人工土壌粒子51は、周囲に水分が存在すると、当該水分は吸水促進材を介して速やかに繊維塊状体11内の空隙2に吸収される。従って、灌水の初期段階や灌水が少量の場合でも、植物の生育に必要な水分を植物が利用できるようになる。その結果、栽培植物への水遣りの回数を減らすことができ、作業者の労力を低減することが可能となる。吸水促進材を繊維塊状体11に導入する方法としては、例えば、繊維1と吸水促進剤との混合物を直接造粒する方法、繊維1の造粒中に吸水促進材を含む造粒液を添加する方法、繊維1の表面を吸水促進材でコーティングした後に繊維1を造粒する方法等が挙げられる。
吸水促進材としては、例えば、寒天、ポリエチレングリコール、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、及びその塩又は誘導体、ポリアクリルアミド系吸水性樹脂、ポリビニルアルコール系吸水性樹脂、ポリアルキレンオキサイド系吸水性樹脂等の親水性物質が挙げられる。これらの親水性物質のうち、寒天、ポリエチレングリコール、アルギン酸、及びその塩又は誘導体が好ましく使用される。ポリエチレングリコールについては、分子量2000〜20000のものが好ましい。アルギン酸、及びその塩又は誘導体としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸エステルが挙げられる。上掲の各吸水促進材は、二種以上を混合した状態で使用してもよい。
繊維塊状体11は、公知の造粒法により形成される。例えば、長繊維をカーディング装置等で引揃え、3〜10mm程度の長さに切断し、生成した繊維を転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒等により造粒する。このとき、繊維1は互いに絡まり合って塊状化する。この造粒工程では、繊維1にバインダー(樹脂エマルジョン等)を混合することが好ましい。ただし、繊維1に吸水促進材を添加する場合は、吸水促進材がバインダーとしての機能も兼ねるため、新たにバインダーを添加しなくても構わない。バインダーは、熱溶融可能な材料(熱可塑性樹脂等)を含むことが好ましい。この場合、造粒工程後に生成したバインダーを含む繊維塊状体11を適切な温度で加熱すると、バインダーが溶融して繊維1どうしが固着し、粒子構造が安定なものとなる。繊維塊状体11を造粒するにあたり、繊維1として短繊維を使用することも可能である。この場合、短繊維を撹拌混合造粒装置で撹拌しながら樹脂エマルジョンを少量ずつ投入して造粒する。これにより、繊維塊状体11を形成する短繊維同士が一部で固定化され、強固な基部10を形成することができる。
図1(b)の人工土壌粒子52は、基部10として構成される繊維塊状体11の外表部に被覆層20を設けたものである。このような被覆層20を設けることにより、繊維塊状体11の急激な乾燥を防止することができる。また、被覆層20を水が通過可能な多孔質膜、又は水分が浸透可能な浸透性膜として構成した場合、人工土壌粒子52の水分吸放出特性をコントロールすることができる。
被覆層20は、例えば、以下の方法により繊維塊状体11の外表部に形成される。先ず、造粒した繊維塊状体11を適切な容器に移し、繊維塊状体11の体積(占有容積)の半分程度の水を加え、繊維塊状体11の繊維1間の空隙2に水を浸み込ませる。次に、水を浸み込ませた繊維塊状体11に、繊維塊状体11の体積の1/3〜1/2の樹脂エマルジョンを添加する。そして、繊維塊状体11の外表部に樹脂エマルジョンが均一に付着するように転動させながら、繊維塊状体11の外表部から樹脂エマルジョンを含浸させる。このとき、繊維塊状体11の中心部には水が浸み込んでいるため、樹脂エマルジョンは繊維塊状体11の外表部付近で留まる。その後、樹脂エマルジョンが付着した繊維塊状体11を乾燥機で乾燥させながら樹脂を溶融させ、繊維塊状体11の外表部付近の繊維1に樹脂を融着させて被覆層20としての樹脂被膜を形成する。これにより、繊維塊状体11は、その外表部が被覆層20で被覆される。被覆層20には、樹脂が溶融する際に樹脂エマルジョンに含まれていた溶媒が蒸発することで多孔質構造が形成される。被覆層20は、繊維塊状体11を構成する繊維1の絡み合い部分(繊維1同士が接触する部分)を補強するように、繊維塊状体11の外表部から若干内側に浸透した状態にまで厚みを形成してもよい。これにより、人工土壌粒子52の強度及び耐久性を向上させることができる。被覆層20の膜厚は、1〜200μmに設定され、好ましくは10〜100μmに設定され、より好ましくは20〜60μmに設定される。得られた人工土壌粒子52は、必要に応じて、乾燥及び分級が行われ、粒径が調整される。
被覆層20の材質は、水に不溶性で酸化され難いものが好ましく、例えば、樹脂材料が挙げられる。そのような樹脂材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチロール系樹脂が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンが好ましい。また、樹脂材料に代えて、ポリエチレングリコール等の合成高分子系のゲル化剤、又はアルギン酸ナトリウム等の天然ゲル化剤を使用することも可能である。
図1(c)の人工土壌粒子53は、基部10として構成される繊維塊状体11にフィラー3を含有させたものである。フィラー3は、後述する人工土壌粒子54の作製に使用するフィラー3と同様のものを使用することができ、例えば、イオン交換能を有するイオン交換性フィラーを使用することができる。この場合、人工土壌粒子53は、繊維塊状体11内のフィラー3に植物の育成に必要な肥料成分を担持できるため、保水性だけでなく保肥性にも優れたものとなる。
図1(d)の人工土壌粒子54は、基部10としてのフィラー集合体12を備えたものである。フィラー集合体12は、複数のフィラー3が集合して粒状に構成された多孔質体である。フィラー集合体12において、複数のフィラー3は、それらが互いに接触していることは必須ではなく、一粒子内でバインダー等を介して一定範囲内の相対的な位置関係を維持していれば、複数のフィラー3が集合して粒状になったものと考えることができる。
フィラー集合体12を構成するフィラー3は、多数の細孔(図1では省略)を有する多孔質フィラーが使用される。細孔は、種々の形態を含む。例えば、フィラー3がゼオライトの場合、当該ゼオライトの結晶構造中に存在する空隙が細孔である。また、フィラー3がハイドロタルサイトの場合、当該ハイドロタルサイトの層構造中に存在する層間が細孔である。つまり、本発明において「細孔」とは、フィラー3の構造中に存在する空隙部、層間部、空間部等を意図し、これらは「孔状」の形態に限定されるものではない。
フィラー3の細孔のサイズは、サブnmオーダー乃至サブμmオーダーとなる。例えば、フィラー3がゼオライトの場合、ゼオライトの結晶構造中に存在する空隙のサイズ(径)は、0.3〜1.3nm程度である。フィラー3がハイドロタルサイトの場合、当該ハイドロタルサイトの層構造中に存在する層間のサイズ(距離)は、0.3〜3.0nm程度である。この他に、フィラー3として有機多孔質材料を使用することもでき、その場合の細孔径は、0.1〜0.8μm程度となる。フィラー3の細孔のサイズは、測定対象物の状態に応じて、ガス吸着法、水銀圧入法、小角X線散乱法、画像処理法等を用いて、又はこれらの方法を組み合わせて、最適な方法により測定される。
複数のフィラー3の間には、水分を保持可能なサブμmオーダー乃至サブmmオーダーの連通孔5が形成されている。連通孔5の周囲には細孔が分散配置されている。連通孔5には主に水分が保持されるため、人工土壌粒子54に一定の保水性を持たせることができる。連通孔5のサイズ(フィラー3間の距離の平均値)は、フィラー3やバインダーの種類、組成、造粒条件により変化し得るが、サブμmオーダー乃至サブmmオーダーとなる。例えば、フィラー3がゼオライトである場合、連通孔5のサイズは、0.1〜20μmである。連通孔5のサイズは、測定対象物の状態に応じて、ガス吸着法、水銀圧入法、小角X線散乱法、画像処理法等を用いて、又はこれらの方法を組み合わせて、最適な方法により測定することができる。
フィラー3は、人工土壌粒子54が十分な保肥力を有するように、細孔にイオン交換能を有する材料であることが好ましい。フィラー3は、陽イオン交換能を有する材料、陰イオン交換能を有する材料、又は陽イオン交換能を有する材料と陰イオン交換能を有する材料との混合物を使用することができる。また、イオン交換能を有さない多孔質材料(例えば、高分子発泡体、ガラス発泡体等)を別に用意し、当該多孔質材料の孔内に上記のイオン交換能を有する材料を圧入や含浸等によって導入し、これをフィラー3として使用することも可能である。陽イオン交換能を有する材料として、陽イオン交換性鉱物、腐植、及び陽イオン交換樹脂が挙げられる。陰イオン交換能を有する材料として、陰イオン交換性鉱物、及び陰イオン交換樹脂が挙げられる。
陽イオン交換性鉱物は、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、ゼオライトなどが挙げられる。陽イオン交換樹脂は、例えば、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。これらのうち、ゼオライト、又はベントナイトが好ましい。陽イオン交換性鉱物及び陽イオン交換樹脂は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。陽イオン交換性鉱物及び陽イオン交換樹脂における陽イオン交換容量は、10〜700meq/100gに設定され、好ましくは20〜700meq/100gに設定され、より好ましくは30〜700meq/100gに設定される。陽イオン交換容量が10meq/100g未満の場合、十分に養分を取り込むことができず、取り込まれた養分も灌水等により早期に流失する虞がある。また、第四級アンモニウム塩の存在量も不十分なものとなる。一方、陽イオン交換容量が700meq/100gを超えるように保肥力を過剰に大きくしても、効果は大きく向上せず、経済的ではない。
陰イオン交換性鉱物は、例えば、ハイドロタルサイト、マナセアイト、パイロオーライト、シェーグレン石、緑青等の主骨格として複水酸化物を有する天然層状複水酸化物、合成ハイドロタルサイト及びハイドロタルサイト様物質、アロフェン、イモゴライト、カオリン等の粘土鉱物が挙げられる。陰イオン交換樹脂は、例えば、弱塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂が挙げられる。これらのうち、ハイドロタルサイトが好ましい。陰イオン交換性鉱物及び陰イオン交換樹脂は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。陰イオン交換性鉱物及び陰イオン交換樹脂における陰イオン交換容量は、5〜500meq/100gに設定され、好ましくは20〜500meq/100gに設定され、より好ましくは30〜500meq/100gに設定される。陰イオン交換容量が5meq/100g未満の場合、十分に養分を取り込むことができず、取り込まれた養分も灌水等により早期に流失する虞がある。一方、陰イオン交換容量が500meq/100gを超えるように保肥力を過剰に大きくしても、効果は大きく向上せず、経済的ではない。
フィラー3がゼオライトやハイドロタルサイトのような無機鉱物である場合、複数のフィラー3を集合させてフィラー集合体12を構成するため、高分子ゲル化剤のゲル化反応を利用することができる。高分子ゲル化剤のゲル化反応として、例えば、アルギン酸塩と多価金属イオンとのゲル化反応、カルボキシメチルセルロース(CMC)のゲル化反応、カラギーナンなどの多糖類の二重らせん構造化反応によるゲル化反応が挙げられる。このうち、アルギン酸塩と多価金属イオンとのゲル化反応について説明する。例えば、アルギン酸塩の一つであるアルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基がNaイオンと結合した形態の中性塩である。アルギン酸は水に不要であるが、アルギン酸ナトリウムは水溶性である。初めに、アルギン酸ナトリウムを水に溶解させてアルギン酸ナトリウム水溶液を調製し、これにフィラー3を添加して十分攪拌し、アルギン酸ナトリウム水溶液中にフィラー3が分散した混合液を形成する。次に、混合液を多価金属イオン(例えば、Caイオン)水溶液中に滴下する。そうすると、アルギン酸ナトリウムの分子間でイオン架橋が起こってゲル化する。そして、ゲル化した粒子を回収して水洗し、十分に乾燥させる。これにより、アルギン酸ゲル中にフィラー3が分散した粒状物としての人工土壌粒子54が得られる。このように、高分子ゲル化剤は、フィラー3どうしを結合するバインダーとして機能する。
ゲル化反応に使用可能なアルギン酸塩は、上述のアルギン酸ナトリウムの他、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。これらのアルギン酸塩は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。アルギン酸塩水溶液の濃度は、0.1〜5重量%とし、好ましくは0.2〜5重量%とし、より好ましくは0.2〜3重量%とする。アルギン酸塩水溶液の濃度が0.1重量%未満の場合、ゲル化反応が起こり難くなる。一方、アルギン酸塩水溶液の濃度が5重量%を超えると、溶液の粘度が大きくなり過ぎるため、フィラー3を添加した混合液の攪拌や、混合液を多価金属イオン水溶液中に滴下することが困難になる。
アルギン酸塩水溶液を滴下する多価金属イオン水溶液は、アルギン酸塩と反応してゲル化が起きる2価以上の金属イオン水溶液であればよい。そのような多価金属イオン水溶液の例として、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化コバルト等の多価金属の塩化物水溶液、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸コバルト等の多価金属の硝酸塩水溶液、乳酸カルシウム、乳酸バリウム、乳酸アルミニウム、乳酸亜鉛等の多価金属の乳酸塩水溶液、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸コバルト等の多価金属の硫酸塩水溶液が挙げられる。これらの多価金属イオン水溶液は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。多価金属イオン水溶液の濃度は、1〜20重量%とし、好ましくは2〜15重量%とし、より好ましくは3〜10重量%とする。多価金属イオン水溶液の濃度が1重量%未満の場合、ゲル化反応が起こり難くなる。一方、多価金属イオン水溶液の濃度が20重量%を超えると、金属塩の溶解に時間がかかるとともに、過剰の材料を使用することになるため、経済的でない。
人工土壌粒子54を形成するためのフィラー3の粒状化は、上述のゲル化反応の他、バインダーを用いた造粒法によって行うこともできる。例えば、フィラー3にバインダーや溶媒等を加えて混合し、混合物を造粒機に導入し、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等の公知の造粒法により行われる。得られた造粒体は、必要に応じて乾燥及び分級が行われる。また、フィラー3にバインダーを加え、さらに必要に応じて溶媒等を加えて混練し、これを乾燥してブロック状にしたものを、乳鉢及び乳棒、ハンマーミル、ロールクラッシャー等の粉砕手段で適宜粉砕して粒状物とすることも可能である。
バインダーは、有機バインダー又は無機バインダーの何れも使用可能である。有機バインダーは、例えば、ポリオレフィン系バインダー、ポリビニルアルコール系バインダー、ポリウレタン系バインダー、ポリ酢酸ビニル系バインダー等の合成樹脂系バインダー、デンプン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸塩などの多糖類、寒天、膠などの動物性たんぱく質等の天然物系バインダーが挙げられる。無機バインダーは、例えば、水ガラス等のケイ酸系バインダー、リン酸アルミニウム等のリン酸塩系バインダー、ホウ酸アルミニウム等のホウ酸塩系バインダー、セメント等の水硬性バインダーが挙げられる。有機バインダー及び無機バインダーは、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。
フィラー3が有機多孔質材料である場合、人工土壌粒子54の形成は、バインダーを用いた上述のフィラーの粒状化法と同様の方法で行ってもよいが、フィラー3を、当該フィラー3を構成する有機多孔質材料(高分子材料等)の融点以上の温度に加熱し、複数のフィラー3の表面同士を熱融着させて粒状化することも可能である。この場合、バインダーを使用しなくても、複数のフィラー3が集合したフィラー集合体12を得ることができる。そのような有機多孔質材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、セルロース等の有機高分子材料を発泡させた有機高分子発泡体、前記有機高分子材料の粉体を加熱溶融して連続気泡構造を形成した有機高分子多孔質体が挙げられる。
なお、図示しないが、人工土壌粒子54の基部10(フィラー集合体12)の外表部に、前述した人工土壌粒子52と同様の被覆層20を設けることも可能である。この場合、人工土壌粒子54の水分吸放出特性をより精密にコントロールすることが可能となる。
以上のように作製した人工土壌粒子51〜54は、篩等によって分級することにより所望の粒径に調整される。植物を育成するための人工土壌培地に適した人工土壌粒子の粒径は、0.2〜10mmであり、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは1〜5mmである。人工土壌粒子の粒径が0.2mm未満の場合、粒子間の間隙が小さくなって排水性が低下することにより、栽培する植物が根から酸素を吸収し難くなる虞がある。一方、人工土壌粒子の粒径が10mmを超えると、粒子間の間隙が大きくなって排水性が過剰になり過ぎることにより、植物が水分を吸収し難くなったり、人工土壌粒子が疎になって植物が横倒れする虞がある。人工土壌粒子の粒径は、例えば、光学顕微鏡観察及び画像処理法を用いて測定することができる。
〔抗菌防カビ剤〕
本発明者らは、人工土壌に抗菌防カビ性を付与する目的で、無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤を使用すると、第四級アンモニウム塩を単独で使用した場合よりも、抗菌防カビ効果が長期的且つ安定的に高められることを見出した。この新たな知見に基づき、無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤の新たな用途として、人工土壌への適用を検討した。特に、花卉又は観葉植物用の人工土壌粒子(人工土壌培地)については、土壌としての植物育成能力だけでなく、高度な衛生状態や美観が要求されるため、菌類やカビ類が繁殖し易い環境で使用される人工土壌に抗菌防カビ性物質として無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤を使用することは極めて有用であると考えた。
図2は、本発明の人工土壌粒子51〜54に使用される抗菌防カビ剤30のイメージ図である。抗菌防カビ剤30は、無機層状化合物31の層間に第四級アンモニウム塩32をインターカレートしたものである。第四級アンモニウム塩は、陽イオン界面活性剤の一種であり、抗菌防カビ効果を有する有機系抗菌剤として知られている。第四級アンモニウム塩が抗菌防カビ効果を発揮するメカニズムは、細菌やカビの細胞膜に結合することにより、細胞膜を破壊又は不活性化させるというものである。また、第四級アンモニウム塩は、界面活性剤が有するタンパク質変性作用により、細菌やカビを細胞死に至らしめる作用も有する。第四級アンモニウム塩は、比較的低濃度で殺菌効果又は抗菌効果が得られるため、医療産業や食品産業において利用されている。
無機層状化合物は、第四級アンモニウム塩をインターカレートできるように、少なくとも陽イオン交換能を有する無機化合物であることが好ましい。陽イオン交換能を有する無機化合物として、例えば、陽イオン交換性鉱物である、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、ゼオライト、リン酸化合物であるリン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等のリン酸塩類などが挙げられる。これらのうち、ゼオライト、又はベントナイトが好ましい。上掲の陽イオン交換能を有する無機化合物は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。なお、無機層状化合物には、第四級アンモニウム塩に加えて、銅、亜鉛、銀等の金属イオンを放出可能な無機系抗菌剤をさらに含有させることも可能である。
図3は、抗菌防カビ剤30を含む本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子50の一部拡大図である。図3(a)〜(d)は、図1(a)〜(d)の人工土壌粒子51〜54において、夫々破線円で囲ってある領域A1〜A4の拡大図であり、人工土壌粒子51〜54内における抗菌防カビ剤30の存在状態を模式的に示したものである。
人工土壌粒子51は、繊維1が塊状に集合してなる基部10(繊維塊状体11)を備えたものである。抗菌防カビ剤30は、図3(a)に示すように、主に繊維塊状体11を構成する繊維1間の空隙2に存在する。このとき、抗菌防カビ剤30は、人工土壌粒子51の全体に亘って存在することが好ましいが、少なくとも表面近傍に存在していれば、細菌やカビの繁殖による人工土壌粒子51の表面の変色を防止することができる。人工土壌粒子52は、繊維1が塊状に集合してなる基部10(繊維塊状体11)と、基部10を被覆する被覆層20とを備えたものである。抗菌防カビ剤30は、人工土壌粒子52の全体に亘って存在することが好ましいが、図3(b)に示すように、少なくとも被覆層20に存在していればよく、この場合、細菌類やカビ類の繁殖による人工土壌粒子52の表面の変色を防止することができる。被覆層20と基部10との境界面は、繊維1によって凹凸状態となっているため、抗菌防カビ剤30が含まれる被覆層20は、基部10に対して強固に結合し、剥離して脱落する虞はない。人工土壌粒子53は、繊維1が塊状に集合してなる基部10(繊維塊状体11)にイオン交換能を有するフィラー3を含有させたものである。抗菌防カビ剤30は、図3(c)に示すように、繊維塊状体11を構成する繊維1間の空隙2に存在する。抗菌防カビ剤30にインターカレーションされている第四級アンモニウム塩32は持続的に放出されるため、人工土壌粒子53は長期に亘って抗菌防カビ効果を発揮することができる。人工土壌粒子54は、細孔4を有するフィラー3が複数集合してなる基部10(フィラー集合体12)を備えており、フィラー集合体12において、各フィラー3の間に連通孔5が形成されている。抗菌防カビ剤30は、図3(d)に示すように、主に連通孔5に存在する。土壌環境が湿潤状態になると、抗菌防カビ剤30にインターカレートされている第四級アンモニウム塩32が連通孔5に徐々に放出され、さらに人工土壌粒子54の外部へと放出され、持続的に抗菌防カビ効果を発揮する。
人工土壌粒子51〜54に抗菌防カビ剤30を保持させる方法について説明する。繊維1を含む人工土壌粒子51〜53の場合、繊維集合体11を、抗菌防カビ剤30を含む水溶液又は分散液に含浸させる。これにより、繊維塊状体11を構成している繊維1間の空隙2に抗菌防カビ剤30が取り込まれ、内部に抗菌防カビ剤30が存在する人工土壌粒子51〜53が得られる。上記の水溶液又は分散液が粘性を有する場合は、繊維塊状体11が抗菌防カビ剤30を含む液でコーティングされ、これを乾燥させると、繊維塊状体11の表面及びその近傍に第抗菌防カビ剤30が存在する人工土壌粒子51〜53が得られる。その他の方法として、繊維塊状体11の造粒工程において、バインダー又は吸水促進材に抗菌防カビ剤30を添加する。これにより、繊維塊状体11を構成している繊維1どうしが抗菌防カビ剤30を含むバインダーによって結合され、あるいは繊維1間の空隙2に抗菌防カビ剤30が吸水促進材とともに存在し、抗菌防カビ剤30を含む人工土壌粒子51〜53が得られる。なお、被覆層20を備える人工土壌粒子52に関しては、被覆層20を形成するための樹脂エマルジョンに抗菌防カビ剤30を添加しておいてもよい。この場合、抗菌防カビ剤30が粒子表面に高濃度で存在することになるため、効率よく抗菌防カビ効果を発揮させることができる。
フィラー3を含む人工土壌粒子54の場合、フィラー集合体12を、第四級アンモニウム塩32、及び抗菌防カビ剤30を含む水溶液又は分散液に含浸させる。これにより、フィラー3の間の連通孔5に抗菌防カビ剤30が入り込み、抗菌防カビ剤30を含む人工土壌粒子54が得られる。上記の水溶液又は分散液が粘性を有する場合は、フィラー集合体12が抗菌防カビ剤30を含む液でコーティングされ、これを乾燥させると、フィラー集合体12の表面及びその近傍に抗菌防カビ剤30が存在する人工土壌粒子54が得られる。その他の方法として、フィラー3を粒状化する工程において、フィラー3に抗菌防カビ剤30を混合しておく。例えば、上述したアルギン酸塩と多価金属イオンとのゲル化反応を利用してフィラー3を粒状化する場合では、アルギン酸塩水溶液にフィラー3、及び抗菌防カビ剤30を分散させ、その分散液を多価金属イオン水溶液中に滴下する。そうすると、フィラー3、及び抗菌防カビ剤30が混合した状態でアルギン酸塩が粒状にゲル化し、抗菌防カビ剤30がフィラー3とともにゲル化物に巻き込まれて、フィラー3、及び抗菌防カビ剤30を含む人工土壌粒子54が生成する。また、バインダーを用いたフィラー3の造粒法では、バインダーに抗菌防カビ剤30を混合しておく。この場合、フィラー3、及び抗菌防カビ剤30がバインダーを介して粒状化し、抗菌防カビ剤30を含む人工土壌粒子54が得られる。
抗菌防カビ性人工土壌粒子50(人工土壌粒子51〜54)における抗菌防カビ剤30の存在量(含有量)は、抗菌防カビ性人工土壌粒子50を植物栽培容器等に充填して抗菌防カビ性人工土壌培地を構成したとき、培地1リットルあたりに含まれる抗菌防カビ剤30の重量として、好ましくは2〜12g/Lに調整され、より好ましくは4〜12g/Lに調整される。この場合、必要且つ十分な抗菌防カビ作用が発揮されることとなり、その結果、通常の人工土壌培地であれば発生する可能性がある細菌やカビ類の繁殖を抑制することができる。また、上記の範囲であれば、抗菌防カビ剤に含まれる第四級アンモニウム塩によって植物の成長が阻害されることがないため、長期に亘って植物を健全な状態で栽培し続けることができる。なお、このような抗菌防カビ性人工土壌培地で栽培し、収穫した野菜は、抗菌成分や防カビ成分の蓄積が少ないため、安全性が高いものとなる。
抗菌防カビ性人工土壌粒子50(人工土壌粒子51〜54)における体積含水率は、好ましくは25%以上50%未満に調整され、より好ましく39%以上43%未満に調整される。この場合、植物の育成に適した保水量を確保することができ、その結果、水やりの頻度を減らすことができる。体積含水率が25%未満である場合、植物の育成に必要な水分を十分に供給することができず、植物が枯れてしまう虞がある。体積含水率が50%以上の場合、植物の根腐れが起こり、植物の健全な育成が妨げられる虞がある。
抗菌防カビ性人工土壌粒子50(人工土壌粒子51〜54)におけるカビ抵抗性は、JIS Z 2911に準拠して測定される。ここで、JIS Z 2911は、特にカビ抵抗性を必要とする工業製品又は工業材料のカビに対する抵抗性の試験方法について規定するものである。試験方法の詳細は後述するが、カビ抵抗性表示は、肉眼及び顕微鏡下でカビの発育が認められないものを「0」、肉眼ではカビの発育が認められないが、顕微鏡下では確認できるものを「1」、菌糸の発育が認められるが、発育部分の面積が試料の全面積の25%を越えないものを「2」、菌糸の発育が肉眼で認められ、発育部分の面積が試料の全面積の25%を越えるものを「3」とする。抗菌防カビ性人工土壌粒子50(人工土壌粒子51〜54)におけるカビ抵抗性表示は、レベル2以下であることが好ましい。カビ抵抗性表示がレベル2以下であれば、カビ類の繁殖を抑制することができ、人工土壌培地の変色を防止することができる。その結果、人工土壌培地の美観や衛生状態を長期に亘って維持することができ、特に、高度な衛生状態や美観を維持することが重視される花卉又は観葉植物用の育成培地として好適に利用することができる。
〔人工土壌粒子の調製〕
本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子の性能を確認するため、抗菌防カビ剤を含有する人工土壌粒子(実施例1〜7)を調製した。抗菌防カビ剤は、無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩として塩化ベンザルコニウムをインターカレートしたものを使用した。また、比較のため、塩化ベンザルコニウムのみを含有する人工土壌粒子(比較例1及び2)、及び抗菌防カビ剤を含有しないコントロールとしての人工土壌粒子(比較例3)を調製した。表1に、実施例1〜7、及び比較例1〜3の各人工土壌培地における各成分の配合を示す。さらに、これらの人工土壌粒子を使用し、体積含水率評価試験、抗菌性評価試験、及び防カビ性評価試験に供する人工土壌培地を調製した。以下、各人工土壌培地について説明する。
Figure 2017104019
<実施例1>
人工土壌粒子のベース材料として、繊維及びフィラーを使用した。セルロース繊維(ARBOCEL BWW40、独レッテンマイヤー社製)50重量部、及び珪藻土(ラヂオライト(登録商標)1500H、昭和化学工業株式会社製)50重量部を攪拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製MGS12型)に投入し、これを攪拌及び転動させながら造粒液を加えて造粒し、珪藻土を含有する繊維塊状体を形成した。造粒液は、表1に示す原材料の配合に従って、バインダーであるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(セポルジョン(登録商標)、住友精化株式会社製、20重量%水分散液)150重量部、並びに、吸水促進材である寒天(和光純薬工業株式会社製、0.5重量%水溶液)0.75重量部、及びアルギン酸カリウム(株式会社キミカ製、0.5重量%水溶液)0.75重量部を含むものを使用し、さらに、この造粒液に抗菌防カビ剤0.7重量部を添加した。得られた繊維塊状体を乾燥機により80℃で16時間乾燥し、その後120℃に昇温して1時間熱処理し、繊維塊状体に含まれるポリオレフィン系樹脂を溶融させて繊維どうしを固着させた。このようにして得られた人工土壌粒子を使用し、実施例1の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例1の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、2.0g/L(計算値)であった。
<実施例2>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤1.0重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例2の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例2の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、3.0g/L(計算値)であった。
<実施例3>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤1.3重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例3の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例3の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、4.0g/L(計算値)であった。
<実施例4>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤1.7重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例4の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例4の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、5.0g/L(計算値)であった。
<実施例5>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤2.0重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例5の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例5の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、6.0g/L(計算値)であった。
<実施例6>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤3.3重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例6の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例6の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、10.0g/L(計算値)であった。
<実施例7>
実施例1で使用した造粒液に抗菌防カビ剤4.0重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様の材料を使用し、同様の手順及び条件の下、実施例7の抗菌防カビ性人工土壌培地を調製した。実施例7の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、12.0g/L(計算値)であった。
<比較例1>
人工土壌粒子ベースの材料として、繊維及びフィラーを使用した。セルロース繊維(ARBOCEL BWW40、独レッテンマイヤー社製)50重量部、及びビニロン繊維(株式会社クラレ製)75重量部を撹拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製MGS12型)に投入し、これを撹拌及び転動させながら造粒液を加えて造粒し、繊維塊状体を形成した。造粒液は表1に示す原材料の配合に従って、バインダーであるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(セポルジョン(登録商標)、住友精化株式会社製、20重量%水分散液)150重量部、並びに、吸水促進材である寒天(和光純薬工業株式会社製、0.5重量%水溶液)0.75重量部、及びアルギン酸カリウム(株式会社キミカ製、0.5重量%水溶液)0.75重量部を含むものを使用し、さらに、この造粒液に塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物液(10w/v%)、小堺製薬株式会社製)0.2重量部を添加した。すなわち、比較例1では、人工土壌粒子に塩化ベンザルコニウムを直接混合したものとした。得られた繊維塊状体を乾燥機により80℃で16時間乾燥し、その後120℃に昇温して1時間熱処理し、繊維塊状体に含まれるポリオレフィン系樹脂を溶融させて繊維どうしを固着させた。このようにして得られた人工土壌粒子を使用し、比較例1の抗菌防カビ性人工土壌培地を調整した。比較例1の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、0.6g/L(計算値)であった。
<比較例2>
人工土壌粒子ベースの材料として、繊維及びフィラーを使用した。セルロース繊維(ARBOCEL BWW40、独レッテンマイヤー社製)50重量部、及び珪藻土(ラヂオライト(登録商標)1500H、昭和化学工業株式会社製)50重量部を撹拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製MGS12型)に投入し、これを撹拌及び転動させながら造粒液を加えて造粒し、珪藻土を含有する繊維塊状体を形成した。造粒液は表1に示す原材料の配合に従って、バインダーであるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(セポルジョン(登録商標)、住友精化株式会社製、20重量%水分散液)150重量部、並びに、吸水促進材である寒天(和光純薬工業株式会社製、0.5重量%水溶液)0.75重量部、及びアルギン酸カリウム(株式会社キミカ製、0.5重量%水溶液)0.75重量部を含むものを使用し、さらに、この造粒液に塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物液(10w/v%)、小堺製薬株式会社製)0.7重量部を添加した。すなわち、比較例2では、人工土壌粒子に塩化ベンザルコニウムを直接混合したものとした。得られた繊維塊状体を乾燥機により80℃で16時間乾燥し、その後120℃に昇温して1時間熱処理し、繊維塊状体に含まれるポリオレフィン系樹脂を溶融させて繊維どうしを固着させた。このようにして得られた人工土壌粒子を使用し、比較例2の抗菌防カビ性人工土壌培地を調整した。比較例2の抗菌防カビ性人工土壌培地に含まれる抗菌防カビ剤は、2.0g/L(計算値)であった。
<比較例3>
人工土壌粒子のベース材料として、繊維及びフィラーを使用した。セルロース繊維(ARBOCEL BWW40、独レッテンマイヤー社製)50重量部、及び珪藻土(ラヂオライト(登録商標)1500H、昭和化学工業株式会社製)50重量部を攪拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製MGS12型)に投入し、これを攪拌及び転動させながら造粒液を加えて造粒し、珪藻土を含有する繊維塊状体を形成した。造粒液は、表1に示す原材料の配合に従って、バインダーであるポリオレフィン系樹脂エマルジョン(セポルジョン(登録商標)、住友精化株式会社製、20重量%水分散液)150重量部、並びに、吸水促進材である寒天(和光純薬工業株式会社製、0.5重量%水溶液)0.75重量部、及びアルギン酸カリウム(株式会社キミカ製、0.5重量%水溶液)0.75重量部を含むものを使用した。すなわち、比較例3は、抗菌防カビ剤又は抗菌防カビ成分を含まないものとした。得られた繊維塊状体を乾燥機により80℃で16時間乾燥し、その後120℃に昇温して1時間熱処理し、繊維塊状体に含まれるポリオレフィン系樹脂を溶融させて繊維どうしを固着させた。このようにして得られた人工土壌粒子を使用し、比較例3の人工土壌培地を調製した。
〔体積含水率評価試験〕
実施例1〜7、及び比較例1〜3の各人工土壌培地について、体積含水率を測定した。解放したクロマトグラフ管に人工土壌粒子100mLを充填し、管上部から200mLの水をゆっくりと注水したときの人工土壌培地の保水量を体積含水率とした。試験結果を表2に示す。
Figure 2017104019
実施例1〜7と比較例1〜3とは、体積含水率に差がほとんどないことから、抗菌剤含有量が体積含水率に影響しないことが示された。
〔抗菌性評価試験〕
実施例1〜7、及び比較例1〜3の各人工土壌培地について、一般細菌(好気性菌)を対象とした抗菌性評価試験を実施した。抗菌性評価試験は、各人工土壌培地を灌水して体積含水率が25〜30%となるように調整し、これを室温に維持した室内に14日間放置した。そして、人工土壌培地1グラム当たりに発生した細菌数を衛生試験法に準拠した一般細菌及び嫌気性菌定量試験により計測した。試験結果を表3に示す。
Figure 2017104019
抗菌防カビ剤を含有する実施例1〜7の人工土壌培地は、比較例1の人工土壌培地と比べると、総菌数が1/5000以下となった。また、比較例2の人工土壌培地と比べると、実施例1〜5ではほぼ同じ総菌数となり、実施例6、7では、一般細菌は検出限界以下であった。これらの結果から、本発明の人工土壌粒子(人工土壌培地)は、塩化ベンザルコニウムを単独で使用している人工土壌培地と比べて、一般細菌に対して同等以上の有意な抗菌効果があることが認められた。以上の結果から、本発明は、有効な抗菌性人工土壌粒子(抗菌性人工土壌培地)として利用可能であることが示された。
〔JIS Z 2911に準拠して測定されるカビ抵抗性試験〕
実施例1〜7、及び比較例1〜3の各人工土壌培地について、JIS Z 2911に準拠したカビ抵抗性試験を実施した。カビ抵抗性試験は、人工土壌培地を5cm×5cmになるように平地培地上に密着貼り付けし、試験カビ混合胞子混濁液を吹き付け、26±2℃で2週間培養し、菌糸の発育の様子を観察した。図4は、JIS Z 2911カビ抵抗性試験の結果を示す図である。なお、図4は、実施例及び比較例のうち、代表的な試験結果のみを示してある。さらに、カビの発生及び繁殖状況を示した防カビ性評価試験の結果を表4に示す。
Figure 2017104019
無機層状化合物の層間に塩化ベンザルコニウムをインターカレートした抗菌防カビ剤を有する実施例1〜7の人工土壌培地は、塩化ベンザルコニウムのみを含有する比較例1及び2の人工土壌培地、及び抗菌防カビ成分を含有しない比較例3の人工土壌培地と比べて、明らかにカビ類の発生及び増殖が抑えられていた。図4に例示する試験結果では、比較例においてカビの発生(暗色箇所)が認められる。また、実施例1と比較例2とのカビ抵抗性を比較すると、人工土壌培地中の薬剤の含有量は何れも2.0g/Lであるが、実施例1は比較例2よりもカビ抵抗性が高いことが示された。以上のことから、塩化ベンザルコニウムのみを含む人工土壌培地よりも、塩化ベンザルコニウムをインターカレートした抗菌防カビ剤を含む人工土壌培地の方が、高い防カビ効果が得られることが確認された。これは、本発明の人工土壌粒子(人工土壌培地)に使用する抗菌防カビ剤は、塩化ベンザルコニウムを無機層状化合物にインターカレートしたことにより、長期に亘って安定した防カビ効果を発揮することが可能となったものと推定される。
本発明の抗菌防カビ性人工土壌粒子、及び抗菌防カビ性人工土壌培地は、花卉又は観葉植物用の育成培地として好適に利用されるが、野菜や果実等の栽培用土壌として利用することも当然に可能である。
1 繊維
2 空隙
3 フィラー
4 細孔
5 連通孔
10 基部
11 繊維塊状体
12 フィラー集合体
30 抗菌防カビ剤
31 無機層状化合物
32 第四級アンモニウム塩
50(51,52,53,54) 抗菌防カビ性人工土壌粒子

Claims (7)

  1. フィラー及び/又は繊維と、バインダーとを含む抗菌防カビ性人工土壌粒子であって、
    無機層状化合物の層間に第四級アンモニウム塩をインターカレートした抗菌防カビ剤を含有する抗菌防カビ性人工土壌粒子。
  2. 前記第四級アンモニウム塩は、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の抗菌防カビ性人工土壌粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の抗菌防カビ性人工土壌粒子を用いた抗菌防カビ性人工土壌培地。
  4. 前記抗菌防カビ剤の含有量が2〜12g/Lである請求項3に記載の抗菌防カビ性人工土壌培地。
  5. 体積含水率が25%以上50%未満に調整されている請求項3又は4に記載の抗菌防カビ性人工土壌培地。
  6. JIS Z 2911に準拠して測定されるカビ抵抗性表示がレベル2以下である請求項3〜5の何れか一項に記載の抗菌防カビ性人工土壌培地。
  7. 花卉又は観葉植物用の育成培地である請求項3〜6の何れか一項に記載の抗菌防カビ性人工土壌培地。
JP2015238484A 2015-12-07 2015-12-07 抗菌防カビ性人工土壌粒子、及び抗菌防カビ性人工土壌培地 Pending JP2017104019A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020188727A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 昭和電工マテリアルズ・テクノサービス株式会社 育苗培土の製造方法、育苗培土、植物の栽培方法及び植物の成長調整方法
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