JP2014064496A - 人工土壌およびその製造方法 - Google Patents

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信吉 石坂
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Abstract

【課題】 本発明は、保肥性の高い材料を造粒した後に、肥料成分を担持させることにより保肥性が高く水(例えば、水道水)のみを供給するだけで植物が育成できる人工土壌を提供することを目的とする。本発明はまた、上記人工土壌の製造方法も提供する。
【解決手段】 本発明は肥料成分を担持した粒径0.2〜10mmの保肥性フィラーの造粒物を含有する水のみで植物の生育が可能な人工土壌を提供する。本発明はまた保肥性があるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒した後、造粒物に肥料成分を担持させることを特徴とする水のみで植物の生育が可能な人工土壌の製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、人工土壌およびその製造方法、特に水(例えば、水道水)の供給のみで植物が生育できるようにした人工土壌およびその製造方法に関する。
近年、野菜価格の高騰や家庭菜園ブームにより、様々な人工土壌が商品化されてきたが、天然材料を使用したものがほとんどで、品質面でのばらつきが大きく、特にピートモスなどの天然有機材では、資源の枯渇や環境破壊の問題などにより良質な材料の入手が困難になってきている。
上記のように、天然の土壌に代わる人工的土壌資材の1つとしては、多孔質セル状のため軽量であり、通気性や保水性に優れるとともに、陽イオン交換容量が大きく保肥性に優れ、かつ安価であるなどの点からピートモスが好適に用いられてきた。しかしながら、ピートモスは上記のように多孔質セル状のため保水性に優れるが、一度完全に乾燥状態になると撥水性が強くなり、再び水分を加えても保水しにくくなるという問題があり、また、乾燥を防止するために水分を多量に供給すると水分を保持し過ぎて、通気性が悪くなり、根腐れや病害の原因となるという問題があった。
そのような問題を解決するため、アルギン酸ゲルや多孔性無機材料など、多くの天然の土壌の代替品が提案されてきた(特許文献1〜3)。
特開平6‐209662号公報(特許文献1)には、無菌環境下にある植物種子または再分化組織を生育させるために用いられる無菌植物用人工土壌であって、ゲル性支持材により粒状または紐状の成形体にし、その成形体を集合したことを特徴とする無菌植物用人工土壌が開示されている。ゲル性支持材としてアルギン酸塩などを使用して粒状ゲルを形成し、保水量と通気性を同時に確保する。しかしながら、特許文献1の人工土壌では、アルギン酸塩をイオン架橋して粒状ゲルを形成しただけであり、十分な保肥性は得られない。
特開2002‐80284号公報(特許文献2)には、陽イオン交換容量が50(cmol/kg)以上400(cmol/kg)以下、かつ、細孔分布のメディアン径が0.01(μm)以上15.00(μm)以下であり、外周部にゼオライトが形成されていることを特徴とする無機多孔質体が開示されている。しかしながら、上記無機多孔質体の孔径が15μm以下と小さいため植物が吸水しにくく、陽イオン交換容量について規定はあるが、陰イオン交換性材料が使用されておらず陰イオン交換容量は低いと考えられる。また、原料として鋳物工場の集塵装置から粉塵廃棄物として排出される廃砂(鋳物砂)であり、製造時に高温(800℃)で焼成する必要があり、また有害金属や有害薬品なども微量ではあるが含有しているなどの問題がある。
特開平11‐70384号公報(特許文献3)には、0.1〜10重量%のアルギン酸塩溶液を多価陽イオン溶液に滴下してアルギン酸を架橋結合させて製造することを特徴とするビード形アルギン酸ゲル水処理剤が開示されている。しかしながら、イオン吸着剤が含有されていないため、陽イオンおよび陰イオンの吸着能が低いという問題がある。
特開平6‐209662号公報 特開2002‐80284号公報 特開平11‐70384号公報
本発明は、保肥性の高い材料を造粒した後に、肥料成分を担持させることにより保肥性が高く水(例えば、水道水)のみを供給するだけで植物が育成できる人工土壌を提供することを目的とする。本発明はまた、上記人工土壌の製造方法も提供する。
即ち、本発明は、肥料成分を担持した粒径0.2〜10mmの保肥性フィラーの造粒物を含有する、水のみで植物の生育が可能な人工土壌と提供する。
また、本発明は、保肥性があるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒した後、造粒物に肥料成分を担持させることを特徴とする、水のみで植物の生育が可能な人工土壌の製造方法を提供する。
本発明は、更に、保肥性のあるフィラーおよび多孔質で保水性のあるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒した後、造粒物に肥料成分を担持させることを特徴とする、水のみで植物の生育が可能な人工土壌の製造方法を提供する。
人工土壌に関しては、本発明を好適に実施するために、
上記造粒物が多孔質であり、陽イオン交換容量5meq/100cc以上かつ陰イオン交換容量5meq/100以上の両イオン吸着能を有し;
上記人工土壌が更に、多孔質な粒径0.2〜10mmの保水性フィラーの造粒物を含有する;
ことが望ましい。
また、人工土壌の製造方法に関しては、好適に実施するために、
前記造粒工程時に、多孔質になるように造粒し;
別途、多孔質で保水性がある粒径0.2〜10mmの保水性フィラーの造粒物を形成し、それを混合する;
ことが望ましい。
通常の土壌の場合には、肥料成分を多く含んでいる訳ではないので、後から肥料成分を追加しなければならないが、本発明の人工土壌では肥料成分が予め人工土壌中に担持されているので肥料を投入する必要がない。また、通常の土壌では保肥力が小さいので、肥料を大量に入れても、土壌中に肥料を一部しか保持することができないで殆どが流亡してしまうが、本発明の人工土壌の場合保肥能力が高く、予め肥料成分を十分に保持させておけば肥料を追加施肥する必要が殆ど無い。
また、人工土壌では、天然の土壌に存在する硝化菌がいないので、窒素源のNH イオンを多くの植物が吸収しやすいNO イオンに変換することができないが、本発明の人工土壌では、NO のイオンの形で陰イオンとして吸着させておける。本発明の人工土壌では、人工土壌に吸着された肥料成分であるK、NO イオンなどが、根から分布される根酸などにより、溶離し、水に溶け込み、植物の根から吸収されるため、植物が生育できる。根酸の分泌すなわち植物が養分を必要として根酸を分泌するときのみ肥料成分が溶離されるため、人工土壌中のイオン濃度が過剰になり、肥料焼けを起こしたり、イオン濃度が過少になり、養分不足になることがない。また、人工土壌自体に保肥性があるので、灌水などの水の供給により、造粒体内の肥料成分が流亡することもなく、長期的に肥料成分を放出することができる。
本発明の人工土壌は、保肥性があるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒し、その後保持成分を担持させることにより製造される。
保肥性のあるフィラーは、植物の生長に必要な元素種をイオンの形で担持することができる陽イオン交換能あるいは陰イオン交換能を有し、かつ根酸、具体的にはクエン酸などの多価カルボン酸により、吸着したイオンを放出できるものであればよい。陽イオンの保肥性フィラーとしては、ゼオライト、スメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、陽イオン交換樹脂、腐植などが挙げられる。上記陽イオン交換樹脂としては、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂などが挙げられる。陰イオンの保肥性フィラーとしては、ハイドロタルサイト等の複水酸化物および複水酸化物類、アロフェン、イモゴライト、カオリン、陰イオン交換樹脂などが挙げられる。上記陰イオン交換樹脂として弱塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂などが挙げられる。
上記保肥性があるフィラーは粒径0.2〜10mmに造粒する。保肥性フィラーの造粒方法は、以下の二つが考えられる:
(1)アルギン酸塩、その架橋剤(多価金属イオン)および保肥性フィラー。
(2)バインダーおよび保肥性フィラー。
上記(1)に用いられるアルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。多価金属イオンの例としては、基本的にアルギン酸塩と反応してゲル化が起きる2価以上の金属塩であれば特に限定されないが、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化コバルトなどの多価金属の塩化物、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸コバルトなどの多価金属の硝酸塩、乳酸カルシウム、乳酸バリウム、乳酸アルミニウム、乳酸亜鉛などの多価金属の乳酸塩、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸コバルトなどの多価金属の硫酸塩などが挙げられる。
アルギン酸塩を用いる造粒は、保肥性フィラーをアルギン酸塩水溶液に混合、撹拌して混合液を形成し、得られた混合液を多価金属イオン水溶液中へ滴下してゲル化粒子を形成する。上記保肥性フィラーの配合量は、アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、1〜60質量部、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部であることが望ましい。上記アルギン酸塩水溶液のアルギン酸塩の濃度としては、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%が望ましい。上記多価金属イオン水溶液の金属イオン濃度としては、1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは5〜10質量%が望ましい。
上記(2)のバインダーは、高分子樹脂類(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレン、酢酸ビニル、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)、多糖類(例えば、カラギーナン、寒天等)、ガム類(例えば、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム等)が挙げられる。
バインダーを用いる造粒方法は、いろいろな方法が考えられる。例えば、バインダーと保肥性フィラーとをバインダーが溶融する状態で混合し、混合後固化させてから適当な大きさに粉砕する方法や特開2006−169064号公報に記載の造粒機を用いる方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、造粒物が多孔質であるのが、保水性の観点から好ましい。造粒物を多孔質にするには、いくつかの方法が考えられる。例えば、造粒物自体を多孔質にする方法、多孔質な保水性フィラーを保肥性フィラーと共に用いて造粒する方法などが考えられる。
造粒物自体を多孔質にするには、凍結乾燥などの手段で多孔質にすることができる。
多孔質な保水性フィラーを用いる場合には、製造時に保肥性フィラーと共に保水性フィラーを混入すればよい。保水性フィラーも保肥性フィラーと同様に、粒径は数十μmオーダー以下のものであるのが製造上好ましい。
保水性フィラーの例としては、各種親水性のある鉱物や無機材料、例えばゼオライトやスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、タルク、複水酸化物など;多孔質な粒子状物体、例えば発泡ガラス、多孔質金属、多孔質セラミック、高分子多孔体(具体的には、ポリウレタンフォ−ム粉砕品、ポリビニルアルコール粉砕品、親水性ポリエチレン焼結体粉砕品など)、親水性短繊維などが挙げられる。
本発明の人工土壌には、上記保肥性フィラーと保水性フィラーの他に、必要に応じて他のフィラーを配合しても良い。他のフィラーの例としては、シリカ、活性炭、セルロース粉、ビニロン短繊維などが挙げられる。これらは、増量、色調節、形状保持性の増強など種々の目的のために使用される。これらその他のフィラーは、保肥性フィラーと保水性フィラーと共に、造粒時に適当量配合される。
本発明の人工土壌中の保肥性フィラーの量は、全体の量(ゲル化し乾燥した人工土壌の量)の20〜95質量%、好ましくは30〜80質量%である。20質量%より少ないと、保肥力が不足する。95質量%より多いと、保水性が不足する傾向にある。
本発明の人工土壌中の保水性フィラーの量は、全体の量(ゲル化し乾燥した人工土壌の量)の5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。5質量%より少ないと、保水力が不足する。70質量%より多いと、保肥性が不足する傾向にある。
その他のフィラーは、目的に応じて配合されるものであり、使用量は限定的ではないが、本発明の人工土壌中のその他のフィラーの量は全体の90質量%以下である。90質量%を超えると、保肥性や保水性が不足する。
上記のように得られた造粒物に肥料成分を担持させる。肥料成分の担持方法は、造粒後イオン溶液に浸漬する方法、造粒時に試薬や市販肥料などの肥料成分をフィラーとして同時に混合する方法、造粒時に化学反応によるイオン化物質として担持させる方法、それらを組み合わせた方法などが存在する。
植物の成長には、主として、カリウム、リンおよび窒素が必要な元素であり、それらは、特に野菜ではKの陽イオン、またNO3−、PO 3−等の陰イオンの形態で必要である。また、それら以外にも、カルシウム、マグネシウム、硫黄などの中量必要元素やマンガン、ホウ素などの微量に必要な元素などがある。
上記造粒物は、これらの植物に必要な元素を含む溶液でイオン交換をして、所望の肥料を担持させる。例えば、硝酸カリウム溶液(カリウムと窒素)、塩化カルシウム溶液(カルシウム)、リン酸2水素カリウム(カリウムと燐)および硫酸マグネシウム(マグネシウムと硫黄)等が挙げられる。これらの水溶液に保肥性フィラー、必要に応じて保水性フィラーを浸漬すると、イオン交換が行われてそれぞれのイオンを有する人工土壌が得られる。
得られた人工土壌は、カリウムと窒素を含む人工土壌、カルシウムを含む人工土壌、カリウムと燐を含む人工土壌およびマグネシウムと硫黄を含む人工土壌となり、それぞれを適当量混合して全ての肥料分を含んだ人工土壌としてもよい。また、いずれかの肥料分を多く含む人工土壌としてもよい。
上記の造粒物は好ましくは陽イオン交換容量(CEC)5meq/100cc以上および陰イオン交換容量(AEC)3meq/100cc以上を有する。陽イオン交換容量は好ましくは7〜50meq/100cc、より好ましくは10〜50meq/100ccである。上記陽イオン交換容量が5meq/100cc未満では、十分なイオン交換性を発現できず、肥料を吸着させても、灌水などにより、早期に流下してしまう。また、上記陽イオン交換容量が50meq/100ccよりも大きくてもよいが、材料的に経済的ではない。また、陰イオン交換容量は好ましくは5〜50meq/100cc、より好ましくは7〜50meq/100ccである。上記陰イオン交換容量が3meq/100cc未満では、十分なイオン交換性を発現できず、肥料を吸着させても、灌水などにより、早期に流下してしまう。また、上記陰イオン交換容量が50meq/100ccよりも大きくてもよいが、材料的に経済的ではない。
本発明の人工土壌は、基本的に水(特に水道水)を供給するだけで植物の生育が可能である肥料成分を含んだものである。通常の人工土壌の場合、肥料成分が入っているとしても多量の水により肥料成分が流れて肥料不足になったりすることがあるが、本発明の人工土壌は造粒体内に肥料成分が保持されていて、植物からでる根酸によるイオン交換により、植物が必要量だけを有効に取ることができる。
本発明の人工土壌は、これに水を加えるだけで植物の生育が可能であるが、必要に応じて他の土壌成分や土などと混合して使用することも可能である。
また、本発明の人工土壌は、植物の生育が終われば肥料成分が当然少なくなるが、必要に応じて必要な元素を再度チャージして使用することもできる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。
実施例1
保肥性フィラーとしてゼオライト(陽イオン交換性)10g、ベントナイト(陽イオン交換性)2gおよびハイドロタルサイト(陰イオン交換性)10gを0.5重量%アルギン酸ナトリウム溶液に入れて家庭用ミキサー(三洋電機(株)製の「SM−L57」)を用いて3分間撹拌して、混合液を作製した。次いで、混合液をメスピペットを用いて、多価金属イオン水溶液として5重量%の塩化カルシウム水溶液へ、1滴/秒の速度でゆっくりと滴下した。滴下した液滴が粒子状にゲル化した後、ゲル化した粒子を回収し、55℃の乾燥機中で24時間乾燥させた。得られたゲル乾燥粒子を5重量%KNO水溶液にゆっくりと撹拌しながら6時間浸漬してイオン交換を行い、その後水洗し、55℃の乾燥機中で24時間乾燥した後、スクリーンメッシュで2mmオーバーおよび4mmアンダーに粒径調整したカリウムおよび窒素を含む人工土壌を作製した。
別途同様に作成したゲル粒子を2.5重量%KHPO水溶液にゆっくりと撹拌しながら6時間浸漬して55℃の乾燥機中で24時間乾燥した後、スクリーンメッシュで2mmオーバーおよび4mmアンダーに粒径調整したカリウムと燐を含む人工土壌を作製した。
別途同様に作成したゲル粒子を5重量%Ca(NO水溶液にゆっくりと撹拌しながら6時間浸漬して55℃の乾燥機中で24時間乾燥した後、スクリーンメッシュで2mmオーバーおよび4mmアンダーに粒径調整したカルシウムおよび窒素を含む人工土壌を作成した。
上記の3種の人工土壌を1:1:1(重量比)で混合したものを用いてラディッシュの生育性を以下の方法で確認した。
容量300mLのポリエチレン製カップの底面に排水用の穴を開け、更に底に砂(粒径2〜5mm)を敷き詰め、上記カップの底面に水が溜まらないようにし、その上に上記人工土壌の1:1の混合物200mLを入れ、ラディッシュ(レッドキング)の種1個を播種し、十分な水分を与え発芽させた後、5日に1回の頻度で協和株式会社製の「ハイポニカ液肥(2液タイプ)」を500倍に希釈したもの30mLを養分として供給し、その間は毎日、水道水30mLを供給し、以下に示す評価基準によりラディッシュの生育性をN=3で評価した。
(評価基準)
○:普通に葉も実も生育する。
△:葉が大きくならず、実も肥大化しない。
×:生育しない。
ラディッシュの生育性を下記表1に示す。表には、保肥性フィラーの種類と使用量、保水性フィラーの種類と使用量、その他のフィラーの種類と使用量、人工土壌の陽イオン交換容量(CEC)と陰イオン交換容量(AEC)、担持イオン溶液の種類も記載した。
実施例2〜16
使用する保肥性フィラー、保水性フィラーおよびその他のフィラーを表1〜2に示すものに変更する以外は実施例1と同様に、処理して人工土壌を形成した。得られた人工土壌を用いてラディッシュの生育性を調べた。結果を表1〜2にしめす。
比較例1〜13
表3および4に記載の材料を用いる以外は実施例1と同様に処理した。尚、比較例1〜4では、肥料イオンを担持していない。比較例5〜10では、保肥性フィラーの陽イオンタイプか、陰イオンタイプのいずれかが非常に少ないか、無い場合である。比較例11〜13は、保肥性フィラーを用いない例である。ラディッシュの生育性を実施例1と同様に調べて、結果を表3および4に示す。
Figure 2014064496
Figure 2014064496
Figure 2014064496
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(注1)株式会社エコウエル製人工ゼオライト「琉球ライト600」
(注2)カサネン工業株式会社製ベントナイト「関西ベントナイト」
(注3)陽イオン交換樹脂 オルガノ製アンバーライトIRC−76
(注4)和光純薬工業株式会社製試薬のハイドロタルサイト
(注5)昭和ケミカル株式会社製カオリンクレー「NK300」
(注6)陰イオン交換樹脂 オルガノ製アンバーライトIRA400
(注7)株式会社トリムから商品名「スーパーソル」で市販されている発泡ガラス(平均孔径60μm)
(注8)多孔質ポリエチレン 朝日ケエミカルズ製サンファインAQ
(注9)連続気泡ポリウレタン エー・シーケミカル製ACスポンジU
(注10)HESS PUMICE PRODUCT社製シリカ「NCS‐3」
(注11)活性炭 和幸純薬製試薬
(注12)セルロース粉 旭化成ケミカルズ製セオラス
(注13)ビニロン短繊維 クラレ製VF1203−2
(注14)和光純薬工業株式会社製試薬のアルギン酸ナトリウム
比較例1〜4の肥料成分を担持しない例では、当然ラディッシュは肥料がないので水だけでは生育しない。比較例5〜10のいずれかの肥料が足らない場合は、生育性に問題が生じる。比較例11〜13の場合は、保肥性フィラーが無いので肥料が無い状態と同じでラディッシュは生育しない。
本発明は人工土壌、特に水(特に水道水)だけで植物が生育する人工土壌およびその製造方法に関する。これらはプランターや植木鉢の土壌だけではなく、広い土地での土壌改良などにも用いることができる。

Claims (7)

  1. 肥料成分を担持した粒径0.2〜10mmの保肥性フィラーの造粒物を含有する、水のみで植物の生育が可能な人工土壌。
  2. 前記造粒物が多孔質であり、陽イオン交換容量5meq/100cc以上かつ陰イオン交換容量3meq/100cc以上の両イオン吸着能を有する、請求項1記載の人工土壌。
  3. 更に、多孔質な粒径0.2〜10mmの保水性フィラーの造粒物を含有する請求項1記載の人工土壌。
  4. 保肥性があるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒した後、造粒物に肥料成分を担持させることを特徴とする、水のみで植物の生育が可能な人工土壌の製造方法。
  5. 前記造粒工程時に、多孔質になるように造粒することを特徴とする請求項1記載の人工土壌の製造方法。
  6. 別途、多孔質で保水性がある粒径0.2〜10mmの保水性フィラーの造粒物を形成し、それを混合する請求項4記載の人工土壌の製造方法。
  7. 保肥性のあるフィラーおよび多孔質で保水性のあるフィラーを粒径0.2〜10mmに造粒した後、造粒物に肥料成分を担持させることを特徴とする、水のみで植物の生育が可能な人工土壌の製造方法。
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