JP2017101462A - 浸水防止扉を有する坑道施設 - Google Patents

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Taku Ishii
卓 石井
多田 浩幸
Hiroyuki Tada
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Abstract

【課題】津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没をより確実に防止することができる浸水防止扉を有する坑道施設を提供する。
【解決手段】坑道12の浸水を防止するための浸水防止扉14を有する坑道施設10であって、浸水防止扉14は、坑道12の坑口16または坑口16近傍の坑道12内に設置され、浸入しようとする水Wの力で自動的に閉じる扉である。
【選択図】図1

Description

本発明は、坑道施設に関し、特に、津波や洪水などによる坑道の浸水や水没を防ぐための浸水防止扉を有する坑道施設に関するものである。
従来、交通用のトンネル、石油等のエネルギー物質を貯蔵するための地下施設、あるいは放射性廃棄物埋設処分施設では、坑口の標高よりも低い位置に坑道空間が存在することがあり、これらの坑道空間は、洪水の発生や津波の発生時に坑口に押し寄せる大量の水で水没するおそれがある。
ひとたび水没した場合には、地下坑道内の人間の生命を奪うことが懸念されるとともに、内部に存在する貯蔵物や設備を著しく損傷する懸念が生じる。従来はこのような災害事象は設計上考慮する必要は求められていなかったが、最近では想定外の災害についても対応できるような設計が求められている。
特に、石油等のエネルギー物質を貯蔵するための地下施設、あるいは放射性廃棄物埋設処分施設では、地下深部に坑道群を配置するため、これらの坑道が水没する危険性は排除できない。
放射性廃棄物埋設処分施設における放射性廃棄物は、水に漏出しにくくするために、固化して様々な形状の廃棄体にした後に、地下に埋設して処分される。例えば、高レベルの放射性廃棄物は、搬送に適した廃棄体に入った状態で地下に定置し埋設する。廃棄体は、緩衝材と称されるベントナイト系の土質材料で囲繞され、埋設処分される。緩衝材は、周囲からの地圧を緩衝するとともに、地下水の浸入を抑制し、廃棄体からの放射性物質の漏洩を抑止する。なお、低レベル放射性廃棄物の埋設処分施設についても、地下空洞型の処分施設が計画されている(例えば、非特許文献1を参照)。
図8は放射性廃棄物埋設処分施設の概念図であり、図9は廃棄体を収納する処分坑道の例である。図8に示すように、この処分施設は、地下に設けられた主要坑道1と、主要坑道1に接続した複数の処分坑道2とからなる。主要坑道1には立坑3と、地表4の坑口5から延びる斜坑6が接続している。図9に示すように、廃棄体7は処分坑道2の処分孔8に埋設処分される。
最終的には廃棄体を地下の処分坑道に定置して埋め戻し、地下施設を閉鎖するので、その後は地下水による水没が当然生じることを前提に設計してあるが、操業中においては湧水による機器設備の濡れや水没事故が生じてはならない。
こうした坑道の水没を防止する従来の技術として、例えば特許文献1に記載の放射性廃棄物の処分施設が知られている。この処分施設では、緊急貯水槽を地下坑道群よりも低い位置に設置しておき、水没の危険が生じた場合には、この緊急貯水槽に一時的に排水することで、地下施設全体の水没を防止、あるいは水没に至るまでの時間を緩和するようになっている。
一方、坑口の標高を高くすることで、津波や洪水による坑道の浸水に対処する方策もある。例えば、図10に示すように、地下部の坑道坑口5から地上トンネル9を延長して設置することで、津波や洪水による予想水位よりも標高の高い位置5aまで坑口を変更するのである。しかしながら、地上トンネル9、もしくはそれと地下坑道との連結部に衝撃による一部損傷が生じることによる坑道内への浸水の可能性は否定できないため、想定外事象まで対応できるような施設を求められる場合には適用し難い。
特許第5787160号公報
資源エネルギー庁ホームページ、「余裕深度処分」、[online]、[2011年7月14日検索]、インターネット<URL:http://www.enecho.meti.go.jp/rw/gaiyo/gaiyo03-3.html>
このため、津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没をより確実に防止することができる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没をより確実に防止することができる浸水防止扉を有する坑道施設を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設は、坑道の浸水を防止するための浸水防止扉を有する坑道施設であって、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設置され、浸入しようとする水の力で自動的に閉じる扉であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記各開き戸を回転するための左右の回転軸は、鉛直に対して上側が左右外側に向けて若干傾斜していることを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記隔壁は、鉛直に対して上側が前記浸水防止扉の開く前側に向けて若干傾斜していることを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記観音開き扉の代わりに片開き扉が前記隔壁の開口部に設置され、前記片開き扉を回転するための回転軸は開口部の左または右に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた排水路に向けて排水するための排水管を有することを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた貯水槽に向けて排水するための排水管を有することを特徴とする。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設は、上述した発明において、前記浸水防止扉には、人間が通行可能な小扉が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設によれば、坑道の浸水を防止するための浸水防止扉を有する坑道施設であって、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設置され、浸入しようとする水の力で自動的に閉じる扉であるので、津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記各開き戸を回転するための左右の回転軸は、鉛直に対して上側が左右外側に向けて若干傾斜しているので、浸水防止扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがないという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記隔壁は、鉛直に対して上側が前記浸水防止扉の開く前側に向けて若干傾斜しているので、浸水防止扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがないという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記観音開き扉の代わりに片開き扉が前記隔壁の開口部に設置され、前記片開き扉を回転するための回転軸は開口部の左または右に設けられるので、片開き扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがないという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた排水路に向けて排水するための排水管を有するので、浸水防止扉の前方側に溜まった水を排水管から排水路に向けて排水することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた貯水槽に向けて排水するための排水管を有するので、浸水防止扉の前方側に溜まった水を排水管から貯水槽に向けて排水することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉には、人間が通行可能な小扉が設けられているので、水が引いた後に浸水防止扉を開けることが不可能な場合や、浸水防止扉に閉じ込められた場合などに小扉を開けて脱出することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態1を示す側断面図であり、(1)は常時、(2)は津波や洪水発生時の図である。 図2は、浸水防止扉の構造例を示す透視斜視図であり、(1)は開放状態、(2)は閉鎖状態の図である。 図3は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態2における浸水防止扉の回転軸が傾斜している例を示す透視斜視図であり、(1)は開放状態、(2)は閉鎖状態の図である。 図4は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態3における浸水防止扉の隔壁が傾斜している例を示す図であり、(1)は透視斜視図、(2)は側断面図である。 図5−1は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態4における排水路の設置例を示す図であり、排水処理前の図である。 図5−2は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態4における排水路の設置例を示す図であり、排水処理中の図である。 図6−1は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態5における緊急貯水坑道の設置例を示す図であり、排水処理前の図である。 図6−2は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態5における緊急貯水坑道の設置例を示す図であり、排水処理中の図である。 図6−3は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態5における緊急貯水坑道の設置例を示す概念図である。 図7は、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態6における小扉の設置例を示す透視斜視図であり、(1)は閉鎖状態、(2)は開放状態の図である。 図8は、地層処分施設の一例を示す概念図である。 図9は、廃棄体を収納する処分坑道の一例を示す図である。 図10は、地下施設の坑道の坑口から地上トンネルを延長して坑口の標高を高くする概念図である。
以下に、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では具体的な対策設備を有する坑道施設として、放射性廃棄物の処分施設を例にとり説明するが、この実施の形態により本発明が限定されるものではなく、本発明は坑口の標高よりも低い位置に坑道空間が存在する坑道施設全般に適用することが可能である。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1(1)に示すように、本実施の形態1に係る浸水防止扉を有する坑道施設10は、地表GL下に設けられた坑道12と、坑道12の浸水を防止するための浸水防止扉14を有する。図では、坑道12内部において坑口16に比較的近い位置に浸水防止扉14を設置する例を示しているが、坑口16部分に直接設置してもよい。
この浸水防止扉14は、常時においては開放しているが、図1(2)に示すように、津波や洪水によって一時的に水位WLが上昇し、坑道12内部に大量の水Wが押し寄せると、この水Wの力で自動的に閉じることが可能な自動閉鎖扉として構成されている。このため、浸水防止扉14よりも地下の坑道12には水Wは浸入しない。
図2は、浸水防止扉14の具体例である。
浸水防止扉14は、坑道12内に設けた隔壁18に設置される。隔壁18は水圧に耐える構造であり、坑道12への交通に支障のない大きさの開口部20を有している。浸水防止扉14は、この開口部20に設けられ、左右2枚の開き戸14A、14Bからなる観音開き扉である。各開き戸14A、14Bの左右外側の端部は、隔壁18の図示しない戸枠に設けられた蝶番からなる回転軸22A、22Bに回転自在に取付けられている。一方、各開き戸14A、14Bの左右内側の端部28A、28Bには、水密ゴムなどが設けられており、浸水防止扉14を閉じた場合には端部28A、28Bは水密に接合する。
各開き戸14A、14Bは、回転軸22A、22Bを軸として前方の坑口16側に向けて中央から左右に回転して開き、左右から中央に回転して閉じるようになっている。したがって、浸水防止扉14は坑道12の中から坑口16側に向かって開口するようになっている。
緊急時には電力等の供給に頼ることはできない場合もあるので、基本的には押し寄せる水Wの力で自動的に閉まる扉とすることが望ましい。大量の水Wが坑道12の奥に向かって押し寄せるときには、この浸水防止扉14に流れる水Wが衝突し、その衝撃圧力で浸水防止扉14は自動的に閉まる。浸水防止扉14の外側に水Wが溜まった状態のときは、水圧によって浸水防止扉14は開かないことになる。その後、水Wが引くと水圧がゼロになるので、浸水防止扉14は小さな力で開けることができ、中に閉じ込められた人間は脱出することができる。
押し寄せた水Wの力で、浸水防止扉14が開く向きに作用することがないように、浸水防止扉14は完全に開いた状態ではなく、図2(1)に示すように半開き状態と完全に開いた状態の中間状態で開けられていることが望ましい。そこで、浸水防止扉14の前方の坑道12の左右の側壁に設置した固定プレート24に、側方に向けて突出する上下2つのストッパー26を設けている。各開き戸14A、14Bがストッパー26に当たることで浸水防止扉14がそれ以上開かないようにしている。また、浸水防止扉14を設置する隔壁18において、坑道12の幅は開口部20よりも大きくしておくことが望ましい。そうすることで、隔壁18に押し寄せた大量の水Wは、開いた状態の浸水防止扉14と坑道12壁面との間に流れ込み、その後扉を閉める方向に確実に水流が作用する。
本実施の形態によれば、津波や洪水などによる水Wが押し寄せても、浸水防止扉14はこの押し寄せた水Wの力で自動的に閉じる。このため、坑道施設10の浸水および水没を防止することができる。また、坑道施設10の内部に居る人間の溺水事故を防止することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図3に示すように、本実施の形態2は、坑道12内に設置されている隔壁18の開口部20の左右にある浸水防止扉14の回転軸22A、22Bを、鉛直線Zに対して上側を左右外側に向けて若干傾斜させたものである。この傾斜角度θ1としては、例えば1/1000〜1/200とすることができる。このような構造を採用することによって、図3(1)に示すように、浸水防止扉14に作用する重力Pは扉を開放する方向の分力Phを扉に与えるため、常時は浸水防止扉14を開放状態にし、隔壁18の開口部20の通行を妨げない。
図3(2)に示すように、ひとたび大量の水Wが坑道12内に押し寄せた場合には、浸水防止扉14に水流の勢いが作用し、その後、浸水防止扉14が閉じた後では水圧が作用するので、浸水防止扉14は閉じた状態を維持する。その後、坑道12内に貯留した水Wが無くなると、浸水防止扉14に作用していた水Wの力はゼロとなるため、重力Pの分力Phによって扉は坑口16側に自動的に開くことになる。
上記のような構造を有する浸水防止扉14を設置するため、隔壁18の開口部20および各開き戸14A、14Bは長方形ではなく、変形した四辺形(例えば台形など)となる。坑道12の床面30は浸水防止扉14の回転軸22A、22Bの傾斜角度θ1と同等の傾斜面となっている。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図4に示すように、本実施の形態3は、坑道12内に設置されている隔壁18を、鉛直線Zに対して浸水防止扉14の開く前側の坑口16側に向けて若干傾斜させたものである。この傾斜角度θ2としては、例えば1/1000〜1/200とすることができる。このような構造を採用することによって、浸水防止扉14に作用する重力Pは扉を開放する方向の分力Phを扉に与えるため、常時は浸水防止扉14を開放状態にし、作業車両32などの隔壁18の開口部20の通行を妨げない。
ひとたび大量の水Wが坑道12内に押し寄せた場合には、浸水防止扉14に水流の勢いが作用し、その後、扉が閉じた後では水圧が作用するので、浸水防止扉14は閉じた状態を維持する。その後、坑道12内に貯留した水Wが無くなると、浸水防止扉14に作用していた水Wの力はゼロとなるため、重力Pの分力Phによって浸水防止扉14は坑口16側に自動的に開くことになる。
上記のような構造を有する浸水防止扉14を設置するため、隔壁18の開口部20および各開き戸14A、14Bは長方形ではなく、変形した四辺形(例えば台形など)となる。坑道12の床面30は浸水防止扉14の回転軸22A、22Bの傾斜角度θ1と同等の傾斜面となっている。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
図5−1に示すように、本実施の形態4は、浸水防止扉14の開く前側に貯留した水Wを、浸水防止扉14より標高の低い位置に設けた排水路34に向けて排水するための排水管36を有するものである。
この構成によれば、図5−1に示すように、坑道12内に配置された浸水防止扉14と坑口16との間に水Wが溜まっている状態から、水が引いた後に、図5−2に示すように、坑道12内から坑道12外部の排水路34に向けて地中の排水管36からゆっくりと排水することができる。
排水路34の流路断面積が坑道12の断面積に比べて著しく小さい場合であっても、大量の水Wが押し寄せたときには排水機能は十分ではないが、ひとたび水が引いた後は、時間をかけて排水が進むので、仮に坑道12内部に閉じ込められた人間がいたとしても、溺れることなく例えば数時間あるいは数日後には、浸水防止扉14を開けて外に脱出することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
図6−1に示すように、本実施の形態7は、浸水防止扉14の開く前側に貯留した水Wを、浸水防止扉14より標高の低い位置に設けた緊急貯水坑道38(貯水槽)に向けて排水するための排水管36を有するものである。
この構成によれば、図6−1に示すように、坑道12内に配置された浸水防止扉14と坑口16との間に水Wが溜まっている状態から、水が引いた後に、図6−2に示すように、坑道12内から坑道12外部の緊急貯水坑道38に向けて地中の排水管36からゆっくりと排水することができる。
このような緊急貯水坑道38は、坑道12内に溜まった水Wが坑口16外側近傍の地形の標高よりも低い場合に役立つ。緊急貯水坑道38は、例えば図6−3に示すように、坑口16近くに配置される。緊急貯水坑道38からは自然流下による排水はできないような高低関係で連絡坑40などを介して坑口16につながっている。緊急貯水坑道38は、普段はポンプ排水により常時ドライな状況にしておき、緊急時には緊急貯水槽として機能する。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。
図7に示すように、本実施の形態6は、坑道12内の浸水防止扉14の一部に、人間が出入り可能な小扉42を非常口として設けたものである。小扉40は、浸水防止扉14の内側に居る人間の力で手前側(坑口16側とは反対の側)に開けることができるようにしてある。洪水や津波によって大量の水Wが坑道12に押し寄せた場合には、破壊されたり流されたりした様々な部材や材料が浸水防止扉14に押し流され、浸水防止扉14の前に堆積する場合も想定される。
このような場合には、水が引いて、排水が進んでも残置物が障害となって、浸水防止扉14を開けることが不可能な場合がある。このときには、浸水防止扉14の内部に閉じ込められた人間は、水の引いたことを確認してからこの非常口としての小扉40を開けて脱出することができる。
上記の実施の形態においては、浸水防止扉14が左右2枚の開き戸からなる観音開き扉で構成される場合について説明したが、観音開き扉の代わりに片開き扉で構成してもよい。この場合、片開き扉を回転するための回転軸を開口部20の左側または右側に設け、押し寄せる水Wの力で自動的に閉まる扉とすることが望ましい。また、この片開き扉の回転軸を上記の実施の形態2、3のように、鉛直線Zに対して上側を外側に向けて若干傾斜させたり、鉛直線Zに対して片開き扉の開く前側に向けて若干傾斜させた構成としてもよい。このようにしても、上記の実施の形態2、3と同様の作用効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設によれば、坑道の浸水を防止するための浸水防止扉を有する坑道施設であって、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設置され、浸入しようとする水の力で自動的に閉じる扉であるので、津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没を防止することができる。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記各開き戸を回転するための左右の回転軸は、鉛直に対して上側が左右外側に向けて若干傾斜しているので、浸水防止扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがない。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記隔壁は、鉛直に対して上側が前記浸水防止扉の開く前側に向けて若干傾斜しているので、浸水防止扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがない。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記観音開き扉の代わりに片開き扉が前記隔壁の開口部に設置され、前記片開き扉を回転するための回転軸は開口部の左または右に設けられるので、片開き扉には扉を開放する方向の重力の分力が作用する。このため、常時においては浸水防止扉を開放状態にして開口部の通行を妨げるおそれがない。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた排水路に向けて排水するための排水管を有するので、浸水防止扉の前方側に溜まった水を排水管から排水路に向けて排水することができる。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた貯水槽に向けて排水するための排水管を有するので、浸水防止扉の前方側に溜まった水を排水管から貯水槽に向けて排水することができる。
また、本発明に係る他の浸水防止扉を有する坑道施設によれば、前記浸水防止扉には、人間が通行可能な小扉が設けられているので、水が引いた後に浸水防止扉を開けることが不可能な場合や、浸水防止扉に閉じ込められた場合などに小扉を開けて脱出することができる。
以上のように、本発明に係る浸水防止扉を有する坑道施設は、石油等のエネルギー物質を貯蔵するための地下施設や放射性廃棄物埋設処分施設などの地下深部に坑道群を配置する施設に有用であり、特に、津波や洪水などによる坑道施設の浸水および水没を確実に防止するのに適している。
1 主要坑道
2 処分坑道
3 立坑
10 浸水防止扉を有する坑道施設
12 坑道
14 浸水防止扉
16 坑口
18 隔壁
20 開口部
22A、22B 回転軸
24 固定プレート
26 ストッパー
28A、28B 端部
30 床面
32 作業車両
34 排水路
36 排水管
38 緊急貯水坑道(貯水槽)
40 連絡坑
42 小扉
GL 地表
WL 水位
W 水
Z 鉛直線
θ1、θ2 傾斜角度

Claims (7)

  1. 坑道の浸水を防止するための浸水防止扉を有する坑道施設であって、
    前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設置され、浸入しようとする水の力で自動的に閉じる扉であることを特徴とする浸水防止扉を有する坑道施設。
  2. 前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記各開き戸を回転するための左右の回転軸は、鉛直に対して上側が左右外側に向けて若干傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
  3. 前記浸水防止扉は、前記坑道の坑口または坑口近傍の前記坑道内に設けた隔壁の開口部に設置される左右一組の開き戸からなる観音開き扉であり、前記隔壁は、鉛直に対して上側が前記浸水防止扉の開く前側に向けて若干傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
  4. 前記観音開き扉の代わりに片開き扉が前記隔壁の開口部に設置され、前記片開き扉を回転するための回転軸は開口部の左または右に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
  5. 前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた排水路に向けて排水するための排水管を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
  6. 前記坑道施設は、前記坑口よりも標高の低い位置に前記坑道が配置されている地下施設であり、前記浸水防止扉の開く前側に貯留した水を、前記浸水防止扉より標高の低い位置に設けた貯水槽に向けて排水するための排水管を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
  7. 前記浸水防止扉には、人間が通行可能な小扉が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の浸水防止扉を有する坑道施設。
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