JP4852389B2 - 津波高潮防災構造物 - Google Patents

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本願発明は津波高潮防災構造物に関するものである。
津波災害を軽減する津波高潮防災構造物としては防波堤、防潮堤、津波高潮水門、陸閘および胸壁などが各地で構築されている。これらの構造物は津波を前面で反射することにより背後への津波の浸入を防いでいる。またその他の津波高潮防災構造物としては、例えば、特開平7−113218号公報の発明がある。
特開平7−113218号公報
しかし、津波は水深が浅くなると波の高さが急激に高くなるために上記の津波高潮防災構造物が大断面で大型化している。また、このような大規模構造物は景観にも悪い影響を与えるうえ、津波高潮対策以外に使用用途がないという問題もあった。
本願発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は低天端で景観にも影響を与えない津波高潮防災構造物を提供することである。
以上の課題を解決するための津波高潮防災構造物は、護岸の陸側に津波の越流水を貯水する貯水空間が形成され、該貯水空間は、海側で排水機能を有して形成される前部貯水空間と、該前部貯水空間に連通して陸側に形成されると共に当該前部貯水空間の天井高より高い天井高の後部貯水空間とでなり、前記前部貯水空間の上面に、透水蓋が設置された越流水用取込口が開口され、護岸の海側の面に排水口が設置されていることである。
また、排水口は、貯水空間内水位が護岸前面水位よりも大きくなった場合に、水位差によって前方にのみ回転して排水する回転自在な排水蓋で閉塞されていることを含むものである。
津波の越流水が貯水空間に流入することによって居住区などへの津波の浸入を防ぐことができる。また透水蓋であるグレーチングから貯水空間内に、越流水を取り込みやすくなる。また引波時に排水蓋が前方に回転して貯水空間内の越流水を自動的に排水するため、津波の第2波以降の来襲にも備えることができる。また津波高潮護岸は、背後への津波の越流を許容するため、天端高を抑えることができるとともに、景観にも大きな影響を与えないばかりか、手摺りを付けることにより展望広場となって親水護岸としての機能も併せ持つようになる。また津波の来ない通常は、貯水空間上面に展望公園や避難施設を造ることができるほか、貯水空間を駐車場などに使用することにより便益効果も大きくなる。また想定以上の津波が来襲し、貯水空間から溢水した場合でも、居住区への浸水開始時間を遅延させることができるので避難するための時間を確保することができる。
以下、本願発明の津波高潮防災構造物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この津波高潮防災構造物は護岸を越流した津波を護岸の下側の貯水空間に貯水することによって、居住空間への津波の浸入を防ぐというものである。
津波高潮防災構造物1は、図1に示すように、護岸2の陸側(後方側)に津波の越流水を貯水する貯水空間3と、該貯水空間3の上面に開口した越流水用取込口4と、護岸2の海側の面に開口した排水口5とから構成されている。
この貯水空間3は津波の越流水を貯水するための十分な大きさを備えており、地下街と同じように、適宜間隔ごとに立設した柱6によって天井(護岸上面)7を支持している。この貯水空間3は上面に越流水用取込口4を有した前部貯水空間8と、この越流水用取込口4を有しない後部貯水空間9とからなり、この後部貯水空間9が前部貯水空間8よりもやや高く形成されて(天井高が高くなっている)、より多くの越流水が貯水できるようになっている。
この後部貯水空間9の高さは、例えば前部貯水空間8の高さ(汀線からの高さ)が2mとすると、これよりも1m高い3mとする。このように後部貯水空間9を前部貯水空間8よりも高くすると、越流水をより多く貯水できるばかりでなく、越流水が居住区へ浸入するのを防ぐ機能も果たす。
この前部貯水空間8の上面(護岸上面)に開口された越流水用取込口4には透水蓋10であるグレーチングが設置されている。この越流水用取込口は、越流水を迅速に取り込めるように、前部貯水空間8の上面全面にわたって開口されているか、または適宜間隔ごとに前部貯水空間8の上面全面にわたって開口されている。また前部貯水空間8の上面の海側には手摺り11が設けられて、親水護岸としての機能も持たせている。
一方、後部貯水空間9の上面には避難施設12や展望公園13などが設けられるとともに、後部貯水空間9内には駐車場14が設けられ、展望公園13に来た人たちが利用できるようになっている。この後部貯水空間9の上面は、上記の避難施設12や展望公園13などに限らず、その他のものを設置して有効利用することもできる。
また護岸2の海側の面に開口した排水口5には、図3に示すように、プレキャストコンクリート製のカーテンウォールからなる排水蓋15が設置されている。この排水蓋15の上端部が排水口5の両側の支柱17にピン16で設置され、このピン16を中心に排水蓋15が前方にのみ回転するようになっている。
したがって、排水蓋15は、図4の(1)に示すように、通常時には波によって護岸2側に押し付けられて閉じた状態になる。しかし、同図の(2)に示すように、津波の来襲によって貯水空間3内に越流水が流入して水位が上昇した後、外海水位が引波によって低下した時には、その水圧差によって前方に回転して開くことにより、貯水空間3に溜まった越流水18を自動的に排水するようになっている。また貯水空間3の底面19を海側に向かって僅かに傾斜させるか、または底面19に海側に向かって伸びる細かな排水溝(図示せず)を形成するようにすると、越流水18がスムーズに排水口5から流れ出るようになる。
なお、排水蓋15は、上記のようなカーテンウォールに限らず、鋼製フラップゲートであってもよい。
また図5は前部貯水空間8の海側の上面に、それほど高くない防護堤20を設けた津波高潮防災構造物21であり、これ以外は津波高潮防災構造物1と同じ構成である。このような防護堤20を設けると、津波をさらに効果的に防ぐことができるようになる。
次に、本願発明の効果を確認するために計算例による検証をおこなった。
〔計算地形〕
図6に示すように、幅2km、1%勾配の等水深線海岸汀線に高さ2mの護岸(1)のみを配置する。そして、この護岸(1)の120m背後の居住境界には高さ3mの壁(2)を配置して、貯水空間(底面レベル0m)を設ける。この(1)および(2)には排水機能を持たせない。そして、この前面の護岸を排水機能を持たせた本願発明の護岸(3)とする。この(1)〜(3)の各地形についての比較計算を行った。
〔計算条件〕
周期が10分の正弦波を沖1.5kmで造波し、護岸前面で3m以上となる津波を入射させる。この計算は非線形長波式に陸上遡上を考慮した数値解析で行う。各ケースとも護岸より前面津波高が大きくなった場合は越流式を適用し、さらに(3)では貯水空間内水位が護岸前面水位よりも大きくなった場合は、もぐり越流による排水計算を行う。
〔計算結果〕
各ケースにおける護岸前面(外水位)および護岸背後(内水位)の水位変動を図7に示し、浸水範囲および浸水時間を図8に示す。この結果、(1)では第1波目から背後域360m程度にわたって浸水し、(2)でも第2波以降に居住区境界壁を越えて居住区への浸水が見られる。一方、排水機能を持たせた護岸(3)の場合は、居住区への浸水は見られず(貯水空間への流入と排水を繰り返す)、浸水範囲も他のケースと比べて小さくなることがわかり、本願発明の効果を確認することができた。
なお、上記の実施の形態においては、護岸2の海側の面に開口した排水口5に、プレキャストコンクリート製のカーテンウォールからなる排水蓋15が設置された津波高潮防災構造物1について説明しているが、排水口5に排水蓋15が設置されない津波高潮防災構造物を構築することもできる。
津波高潮防災構造物の断面図である。 津波高潮防災構造物の前部貯水空間の平面図である。 津波高潮防災構造物の排水口の正面図である。 (1)は図3のA−A線断面図、(2)は排水蓋が開いた断面図、(3)は図3のB−B線断面図である。 他の津波高潮防災構造物の断面図である。 計算地形の平面図である。 (1)〜(3)は内外水位変動を示すグラフ図である。 津波の浸水範囲および浸水時間を示す図である。
符号の説明
1、21 津波高潮防災構造物
2 護岸
3 貯水空間
4 越流水用取込口
5 排水口
6 柱
7 天井
8 前部貯水空間
9 後部貯水空間
10 透水蓋
11 手摺り
12 避難施設
13 展望公園
14 駐車場
15 排水蓋
16 ピン
17 支柱
18 越流水
19 底面
20 防護堤

Claims (2)

  1. 護岸の陸側に津波の越流水を貯水する貯水空間が形成され、
    該貯水空間は、海側で排水機能を有して形成される前部貯水空間と、該前部貯水空間に連通して陸側に形成されると共に当該前部貯水空間の天井高より高い天井高の後部貯水空間とでなり、
    前記前部貯水空間の上面に、透水蓋が設置された越流水用取込口が開口され、護岸の海側の面に排水口が設置されていること、
    を特徴とする津波高潮防災構造物。
  2. 排水口は、貯水空間内水位が護岸前面水位よりも大きくなった場合に、水位差によって前方にのみ回転して排水する回転自在な排水蓋で閉塞されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の津波高潮防災構造物。
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