JP2017101399A - 不等沈下制止構造及びその施工方法 - Google Patents

不等沈下制止構造及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 注入する固化材が杭本体の周面から外側に拡散することがなくて隣接する建築物の地盤に達することがないとともに、下からの負荷にも十分対応でき、しかも安価でできる不等沈下制止構造及びその施工方法を提供する。【解決手段】 建築物の基礎下へ地中深く打ち込まれた鋼管杭3を有し、この鋼管杭はその下端部が軟弱層Bを超えて圧密層Cに達している。鋼管杭3の下端部付近に鋼管杭の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊5が一体形成されているとともに、該塊より所要長さ上方位置の鋼管杭の周壁外周面にイボ状のコンクリート製凸部6が複数個、周壁に穿設した穴から突出して一体形成されている。【選択図】 図1

Description

この発明は、軟弱地盤や埋め立て造成地などに木造の戸建住宅など小規模建物等の建築物を構築して、地底や地下水位の異変があっても、建築物の沈下や傾斜が起きないようにすることができる不等沈下制止構造及びその施工方法に関するものである。
地震や地下水位の変動により地面が浮上、異変、傾斜等して、建築物が沈下、傾斜することがある。例えば軟弱地盤や埋め立て造成地は、埋立地の沼、池、湖に多く作られ、地中に圧密層を作るのが困難である。また軟弱地盤で、基礎杭なしで、建築されている建築物も多く見る。ボーリングすると、埋め立て前と埋め立て後の地層が確認でき地質もわかる。
ところで、液状化防止効果が得られるものとして、従来、特許文献1に示すような鋼管杭の施工方法が提案されている。この方法は、鋼管からなる杭本体の周面に予め固化材の流出口を形成しておき、該杭本体を地盤中に設置した後、該杭本体の内部から前記流出口を通して周囲地盤に固化材を加圧注入して拡径部を形成するとともに、該固化材の加圧注入により周囲地盤を締め固めかつ地盤改良を行うものである。
しかしながら、この方法は比較的大規模な鉄筋コンクリート製の建築物を想定した技術であり、この技術で小規模建物を構築する場合は、注入する固化材が杭本体の周面から外側に拡散し、拡径部が大きくなって隣接する建築物の地盤に達して問題となることが予測され、小規模建物用としては不向きである。また、杭本体の下端部より上部に多く固化材が使われて形成され、杭本体の基礎石となる拡径部でのみ杭本体を支える構造であるため、地震等によって杭本体に下からの負荷(浮上力)がかかるとこれに十分対応できないという問題がある。
特開2007−255108号公報
そこで、この発明は、前記従来技術の問題点を解決し、注入する固化材が杭本体の周面から外側に拡散することがなくて隣接する建築物の地盤に達することがないとともに、下からの負荷にも十分対応でき、しかも安価でできる不等沈下制止構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軟弱地盤上に建てられた建物など建築物の不等沈下を制止する不等沈下制止構造であって、建築物の基礎下へ地中深く打ち込まれた鋼管杭を有し、この鋼管杭はその下端部が軟弱層を超えて圧密層に達しており、前記下端部付近に鋼管杭の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊が一体形成されているとともに、該塊より所要長さ上方位置の鋼管杭の周壁外周面にイボ状のコンクリート製凸部が複数個、周壁に穿設した穴から突出して一体形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、軟弱地盤上に建てられた建物など建築物の不等沈下を制止する不等沈下制止構造の施工方法であって、下部周壁に複数個の穴が穿設された鋼管杭を軟弱層より下の圧密層まで打ち込み、該圧密層まで達した鋼管杭の内部の土に水を供給しながら掻き混ぜ、泥水として地上に吸引し鋼管杭内を中空にする一方、鋼管杭の下端部付近の土を掘削手段で掘削し、該掘削された下端部を高圧水で洗浄するとともに、該洗浄で生じた泥水を地上に吸引し、さらに下端部を清掃具で清掃し、これら洗浄、吸引及び清掃を複数回繰り返すことで下端部付近に空洞部を形成し、この空洞部形成の前に鋼管杭の周壁に設けた前記穴に向けて順次高圧水を噴射し、穴の外側の地盤に小凹所を形成する空洞部及び小凹所形成工程と、先端に巾着袋が取り付けられたコンクリートミルク注入ホースを、地上から鋼管杭の内部に挿入して前記空洞部まで送り、前記巾着袋が一杯になるまでコンクリートミルクを高圧注入し、該コンクリートミルクを固化させて鋼管杭の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊を一体形成し、さらにコンクリートミルクを鋼管杭の内部に充填するとともに、前記穴から小凹所へ注入し、鋼管杭の外周面に複数のコンクリート製凸部を一体形成する基礎石等形成工程と、を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、掘削手段は、鋼管杭の下端部の掘削の前に鋼管杭の内部の土を回転することにより掻き混ぜ可能なようにその先端が渦状のキリとなった掘削回転棒であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、空洞部及び小凹所を形成した後、鋼管杭の内部に計測治具を挿入して空洞部の深さ及び径方向の寸法、ならびに小凹所の深さを計測する空洞部及び小凹所の計測工程を有し、その計測結果に基づき、コンクリートミルクの注入量を把握することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、計測治具は、後端に進度計測用の目盛りテープが巻き付けられた計測ワイヤーを挿通する第1パイプ部材と、該第1パイプ部材から送り出される前記計測ワイヤーの先端が出入可能な開口部が形成された第2パイプ部材と、を有し、これら両パイプ部材が一体的に鋼管杭の内部を昇降可能に構成され、第2パイプ部材の開口部が鋼管杭の穴に対向する位置となるように計測治具を鋼管杭の内部へ下降させ、該開口部が穴と対向する状態で地上から計測ワイヤーを押し込んで、該ワイヤーの先端を前記開口部から穴を経由してこの穴の外側に形成された小凹所内へ進入させ、該ワイヤーの押し込み前後における目盛りテープの変化量に基づいて該ワイヤーが小凹所内を進入した距離を計測し、この距離を小凹所の深さとすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、計測治具は、第1パイプ部材の上端から第2パイプ部材の下端までの長さが鋼管杭の長さよりも長くなるように構成され、第2パイプ部材の下端が鋼管杭の下端部に達したときに鋼管杭の上端より上方に現れている第1パイプ部材の長さと、第2パイプ部材の下端が空洞部の底部に達するまで治具全体を下降させたときに鋼管杭の上端より上方に現れている第1パイプ部材の長さとの差分を求め、この値を空洞部の深さとするとともに、第2パイプ部材の下端が空洞部の底部まで下降した状態で地上から計測ワイヤーを押し込み、該ワイヤーの先端が空洞部の内周面に突き当たるまで該ワイヤーを空洞部内へ進入させ、該ワイヤーの押し込み前後における目盛りテープの変化量に基づいて、該ワイヤーが空洞部内へ進入した距離を計測し、該距離に基づいて空洞部の径方向の寸法を求めることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかにおいて、前記基礎石等形成工程は、コンクリートミルクの充填に伴って地上方向へ浮上可能な浮子が取り付けられた注入確認棒を、地上から鋼管杭の内部に挿入して前記空洞部まで送り、前記巾着袋に注入されたコンクリートミルクを固化させて鋼管杭の下端部に基礎石となるコンクリート製塊を鋼管杭と一体形成した後、さらにコンクリートミルクの注入を続け、該コンクリートミルクの充填に伴い浮上する浮子が鋼管杭の周壁に設けた最下位の穴の高さまで到達した時点で、コンクリートのミルク注入を低圧注入に切り替えてコンクリートミルクを穴から小凹所内に注入して外方へ突出する状態で固化させ、該コンクリートミルクの低圧注入と固化とを鋼管杭の周壁に設けたすべての穴について繰り返して、鋼管杭の外周面に複数の凸部を一体形成することを特徴とする。
この発明は、以上のようであって、請求項1に記載の発明によれば、前記のような構成からなるので、下端部付近にダンゴ状のコンクリート製塊からなる基礎石が、また周壁外周面にイボ状のコンクリート製凸部が、それぞれ一体に付いた鋼管杭が前記基礎石の上に乗り、その上に建築物が建てられる構造であるため、地震等があっても、浮上又は沈下、あるいは傾斜等のいずれにも耐えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記のような構成からなるので、コンクリート製塊を形成するに当り巾着袋を用いて注入するコンクリートミルクが鋼管杭の外周面から外側に大きく拡散することがない。そのため、従来のように隣接する建築物の地盤に達してしまうということもなくなり、小規模建物用としても利便性が高い。しかも、地震等によって鋼管杭に下からの負荷がかっても鋼管杭の下端部より下部にコンクリートミルクが多く使われて形成されたコンクリート製塊と該塊より上方の部分に形成されたコンクリート製凸部により該負荷を抑制してこれに十分対応することができる。また、前記したような鋼管杭の下端部付近に空洞部を形成し、該空洞部をダンゴ状のコンクリート製塊として基礎石を形成する、等の全ての作業を地上からの操作により地下で行うことができ、施工が容易で、かつ費用を安価にすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、先端が渦状のキリとなった掘削回転棒で鋼管杭の内部の土を掻き混ぜることができ、鋼管杭の内部の土を効率よく排出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、計測工程の計測結果に基づき、コンクリートミルクの注入量を把握するので、施工管理を容易に行うことができる。
請求項5及び6に記載の発明によれば、きわめて安価に計測治具を構成することができ、さらに小凹所の深さや空洞部の深さ、径方向の寸法の計測も地上から簡単に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、コンクリートミルク注入ホースからのコンクリートミルクの注入により鋼管杭の下端部に基礎石となるコンクリート製塊とコンクリート製凸部を形成するので、基礎石等の設置を容易に行うことができる。
この発明の一実施の形態を模式的に示す概略説明図で、(A)は全体斜視図、(B)はその中から一つの鋼管杭を表した拡大図である。 掘削回転棒を鋼管杭内に挿入して、先端部が渦状となったキリで鋼管杭下端直下の圧密層を掘削する前の状態の図面である。 高圧洗浄及び泥水吸引時における鋼管杭の下端部を拡大して示す図面である。 同上の鋼管杭の下端部に形成される空洞部の清掃時における状況を示す部分拡大図である。 図4のさらに拡大した詳細図面である。 同上の清掃時における清掃状況を示す部分拡大図である。 計測治具を鋼管杭内に挿入して、計測している状態の図面である。 同上の小凹所の深さを計測する様子を示す概略図である。 同上の空洞部の深さ及び径方向の寸法を計測する様子を示す概略図である。 コンクリートミルク注入により鋼管杭の下端部に基礎石が形成され、さらに鋼管杭の周壁にイボ状の凸部が形成される過程を説明するための図面である。 コンクリートミルク注入時に鋼管杭に挿入されるコンクリートミルク送出ホースの下端部に巾着袋が紐で結わえて取り付けられた状態を示す拡大図である。 同上の不等沈下制止構造の施工方法を説明するフローチャートである。
この発明の一実施の形態を、図面を参照して以下に説明する。
図1において、1は軟弱地盤の上に建てられた小規模建物で、該建物の基礎2直下には複数本の鋼管杭3が地中深く打ち込まれている。鋼管杭3は中空円筒管からなり、所定長さの管が複数、直列に接続され、その最下方の鋼管杭3の下端部は基礎2直下の圧密層Aからその下の軟弱層Bを超えて支持層となる圧密層Cに達している。鋼管杭3の打ち込み本数や打ち込み位置等は必要により任意に設定される。打ち込まれる鋼管杭3の全長としては5〜20m程度である。
各鋼管杭3の下端部付近、詳しくは鋼管杭3の下端開口面から下方周囲には鋼管杭3の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊5が一体形成されている。また、該塊より所要長さ上方位置の鋼管杭3の周壁外周面にはイボ状のコンクリート製凸部6が複数個、周壁に穿設した穴7から突出して一体形成されている。このコンクリート製凸部6の一体成形においては、鋼管杭3内に充填されるコンクリートを介しコンクリート製塊5とも一体に繋がった形となる。コンクリート製凸部6は鋼管杭3の周壁外周面に千鳥足状に配置されており、設けられる範囲としては鋼管杭3の下端から中間部位の長さの範囲である。言い換えると、鋼管杭3の下端がある圧密層Cの範囲内で軟弱層Bに至らない範囲である。このようなコンクリート製塊5を設けたのは鋼管杭3の下端部をしっかりと圧密層Cで支持させるためである。また、コンクリート製凸部6を設けたのは鋼管杭3の引き抜き耐性を向上させるためである。8は別の鋼管杭で、この鋼管杭8はその下端部が圧密層Cに達せず軟弱層Bにとどまっている。9は栗石工、10はその上に打設されて、鋼管杭3内のコンクリートと一体となったコンクリートを示し、その上に基礎2が乗る。
前記のような建物1は基礎2下の圧密層Cまで打ち込まれた鋼管杭3で支持されることとなるので、地震等の揺れに強いものとなる。特に、鋼管杭3はその下端部に設けたコンクリート製塊5や、その上方の周壁外周面に設けたイボ状のコンクリート製凸部6によって通常の鋼管杭に比して抜け方向の力が強いものとなっているので、より一層の強度を保ち、建物1の沈下や、地震等の揺れに伴う傾きを制止することができる。そのため、軟弱地層や埋め立て造成地などに建物1を建てて、地底や地下水位の異変があっても、建物1の浮上又は沈下、あるいは傾斜等が起きないようにすることができる。
<施工方法>
次に、図2以下、及び図12のフローチャートを参照して、前記のように構成された不等沈下制止構造の施工方法について説明する。
先ず、建物1を建築するに当り、その土地の地盤下、地質をボーリング調査などにより調査を行う(ステップ01)。そして、その調査データを基に図面を作成するとともに、建物全体の重量に耐える基礎杭としての鋼管杭3の長さや本数、鋼管杭3の周壁に穿設した穴7の大きさや数、位置等、を前もって設定する(ステップ02)。そのうえで基礎2直下となる地盤の任意の位置に地上に設置した杭打ち機で所要数の鋼管杭3を、その最下方の鋼管杭3の下端部が圧密層Cに達するように打ち込む(ステップ03)。
なお、打ち込みに際し、上下に接続される複数本の鋼管杭3の対向端部を接続する必要があるが、この接続には、図示省略したが上位杭の下端部と下位杭の上端部を電気溶接により行う。
鋼管杭3を打ち込んだ後の作業としては次の通りである。
(1)空洞部及び小凹所形成工程
この空洞部及び小凹所形成工程では地上に設置した高圧洗浄機、泥水吸収車(バキューム車)、清掃機、等を用いる。
先ず、前記したように杭打ち機により圧密層まで打ち込まれた鋼管杭3の内部に、図2に示すような先端部が一体として渦状のキリ11aとなった掘削回転棒11と、図3に示すように高圧洗浄機からの高圧洗浄水送出ホース17と、泥水吸収車からの泥水吸収ホース18とを鋼管杭3の内部に挿入し、吸収ホース18で鋼管杭3内の小石や粉塵などを吸収しながら高圧洗浄水送出ホース17で水を送り、掘削回転棒11を図示しない駆動モータからの駆動力で回転させて鋼管杭内の土を掘削する。このとき、高圧洗浄水を送る前に掘削回転棒11を回転させると、鋼管杭内の土がダンゴ状になってしまい掘削の施工効率が低下するので、掘削回転棒11の回転に先立って高圧洗浄水を送るようにすると掘削がスムーズに進む。掘削された鋼管杭内の土は泥水となるので、これを吸収ホース18で汲み上げる。以下、吸収、洗浄及び掘削を繰り返して、鋼管杭3内をきれいに清掃する(ステップ04〜05)。そして、掘削回転棒11の先端のキリ11aが鋼管杭3の下端面に到達した後も回転を続けることによりキリ11aで鋼管杭3下端直下の圧密層Cを所定深さまで掘削して(ステップ06)、下端面にピラミッド状の掘削穴を掘り、その後、掘削回転棒11、高圧洗浄水送出ホース17、及び泥水吸収ホース18は引き上げる。
なお、掘削回転棒11は上端がワイヤー12の下端と溶接固定されている。ワイヤー12の周りにはコイルばね13、樹脂製の外部ホース14が順次配設され、三重構造となっている。コイルばね13は外部ホース14が摩耗するのを防止するために配設されている。コイルばね13とワイヤー12との間には潤滑オイルが供給される。ワイヤー12と掘削回転棒11の接続部にはゴムパッキン15が装着され、掘削回転棒11の回転により生ずる泥水が上方に行くのを防止する。掘削回転棒11は掘削手段の主たる構成部材であり、地上に達しているワイヤーを回転することによりこの回転力を掘削回転棒11に伝える。
掘削回転棒11、高圧洗浄水送出ホース17、及び泥水吸収ホース18を引き上げた後、再び高圧洗浄水送出ホース17と泥水吸収ホース18を鋼管杭3の内部に挿入し、高圧洗浄水送出ホース17の先端開口部から鋼管杭の周壁に設けた穴7のそれぞれ最上位のものから最下位のものまで順次に向けて高圧水を噴射してその水圧で穴の外方となる地盤に小凹所20を形成する。小凹所20はここでは有底の略半球状に形成されているが、その形状はあくまでも一例である。小凹所20を形成した後、高圧洗浄水送出ホース17と泥水吸収ホース18をさらに下降させて図3に示すように掘削回転棒11のキリ11aで掘削した鋼管杭3の下端部付近の掘削穴に位置させる。そして、高圧洗浄水送出ホース17の先端開口部から高圧水を噴射してその水圧で掘削穴を高圧洗浄する一方(ステップ07)、泥水吸収ホース18の先端開口部から前記洗浄により下端部に溜まった泥水を地上へ吸引する(ステップ08)。この高圧洗浄では単なる洗浄だけでなく、掘削穴を切削して成形する作用もある。
そして、この高圧洗浄と泥水吸引を複数回、所定時間、繰り返すことにより、圧密層Cに所定の大きさの空洞部19が形成される。なお、この空洞部19の形成に際しては送出ホース17の先端開口部に噴射向きを変えられる複数個の噴射口部(図示省略)を用意し、必要により交換して使用する。
空洞部19の形成が終了したら、高圧洗浄水送出ホース17と泥水吸収ホース18を引き上げ、今度は図4に示すように清掃機からブラシ付き清掃棒21を鋼管杭3の内部に挿入し、その先端部に取り付けられた清掃具22を用いて前記泥水を吸い出し出した部分である空洞部19内を清掃する(ステップ09)。
この清掃棒21は、掘削回転棒11の上部のワイヤー12部と同様な構成となっており、図4,5に示すように中心からワイヤー23、コイルばね24、外部ホース25が配置された三重構造からなっている。ワイヤー23の先端部には清掃具22の回転軸26の基部が取り付けられ、ワイヤー23と接続された図示しない駆動モータから駆動を受けて回転可能となっている。27はワイヤー23の先端部に回転軸26の基部を着脱可能に接続するための取付部である。回転軸26上にはその周面から直交する向きに支持棒28が複数個設けられている。支持棒28は回転軸26周りに軸方向中央では長く、両端部では短くなっている。そして、該棒にはコイルばね29が先端側を支持棒28から所定長さ突出するようにして介装されている。したがって、清掃棒21は回転軸26の回転とともに回転するコイルばね29の先端側により土を掘り起こす作用を行うようになっている。
取付部27には揺動用ワイヤー30の一端が取り付けられ、他端は取付部27より所定高さ置いた外部ホース25に設けた取付リング32を通り地上まで伸びていて、地上からの操作で清掃具22をその回転軸26が垂下状態から図示のように所定の角度を付けられる傾斜状態になるように揺動できるようになっている。
清掃するには清掃具22の回転軸26を回転させ、かつワイヤー30により清掃具22を揺動させながら支持棒28上のコイルばね29の先端側を空洞部19の内面に当てることにより行う。この際にも、図4に示すように高圧洗浄水送出ホース17と泥水吸収ホース18を再挿入し、高圧洗浄水送出ホース17の先端開口部から高圧水を噴射し、泥水吸収ホース18の先端開口部から前記洗浄により下端部に溜まった泥水を地上へ吸引する。
前記清掃具22による空洞部19内の清掃が終了したら、次に清掃具22に代えて図6に示すような別の清掃具35を取付部27に取り付ける。そして、この清掃具35を清掃具22と同様にその回転軸36を回転させ、かつ揺動させて空洞部19の内面の清掃を行う。清掃具35は回転軸36上にブラシ37が取り付けられ、このブラシ37の先端側で清掃を行う。ブラシ37はピアノ線でできている。なお、清掃を司る清掃具22,35は一例であって、これら図示した以外の構成からなる部材であってもよい。
これら洗浄、吸引及び清掃を複数回繰り返して行うと、圧密層Cである鋼管杭3の下端部付近に空洞部19が形成される(ステップ10,11)。そして空洞部19の内面はピアノ線からなるブラシ37で清掃されるため、清掃後の状態ではブラシ溝状を呈した形状となる。
(2)空洞部及び小凹所の計測工程
この計測工程では、計測治具を用いて、前述の空洞部及び小凹所形成工程で形成した空洞部19の深さや径方向の寸法、ならびにコンクリート製凸部6を形成するために鋼管杭3の穴7の外側に形成した小凹所20の深さの計測を行う(ステップ12)。
(a)計測治具の構成について
計測治具40は、図7に示すように、中空円筒状で先端に曲がり管43が接続された第1パイプ部材41と、該パイプ部材41より径大で同じく中空円筒状の第2パイプ部材42とが、紐で結わい付けられて一体に接続された構成となっている。曲がり管43は、第2パイプ部材42の壁面に形成された切り欠きFを通って第2パイプ部材42の内部を横切り、反対側の壁面の所定位置に形成された開口部44にその先端が対向するように配置されている。これら両パイプ部材41,42及び曲がり管43は、例えば水道配水用として一般の戸建住宅や排水設備に用いられるエスロン(登録商標)パイプで構成することができる。
第1パイプ部材41から曲がり管43にかけては、空洞部19等の詳細な寸法を計測するための計測ワイヤー45が挿通されている。計測ワイヤー45は、先端側が曲がり管43の出口付近まで達する一方、地上に出ている後端側には所定の間隔(例えば100mmごと)を保って目盛りテープ46が複数巻き付けられている。この目盛りテープ46は、地上から施工者が計測ワイヤー45を押し下げたときに、ワイヤー45がどのくらいの距離だけ押し下げられたかを計測する目安となる。
具体的には、計測ワイヤー45が地上から押し下げられると、ワイヤー45の先端が曲がり管43の出口を出て、さらに第2パイプ部材42の開口部44を通って外方へ突出することになる。このとき、ワイヤー45の押し下げの前後で鋼管杭の上端部よりも上方に残っている目盛りテープ46の数を記録し、それぞれの差分を求めることにより、ワイヤー45が押し下げられたおおよその距離が分かる。この原理を利用し、計測対象の小凹所20や空洞部19に計測ワイヤー45を進入させることにより、小凹所20や空洞部19の径方向の寸法等についておおよその値を計測することができる。
なお、47は計測治具40を加重して治具全体を下降させやすくするための重りであり、第2パイプ部材42の所定位置に固定されている。また、48は計測治具40を昇降させるための固定ロープであり、地上の施工者がこれを操作して治具全体を昇降させる。
また、図面では第2パイプ部材42の外側に第1パイプ部材41を紐で結わいて固定しているが、これとは逆に第2パイプ部材42の内部に第1パイプ部材41を挿入し、第2パイプ部材42の内側で両者を固定するようにしてもよい。その場合も、第1パイプ部材の先端に接続された曲がり管43が第2パイプ部材42の開口部44に対向する姿勢で固定されていればよい。要は、第1パイプ部材先端の曲がり管43から出る計測ワイヤー45が、第2パイプ部材42の開口部44から出入自在となるような態様で、両パイプ部材が一体的に昇降できるような構成となっていればよい。また、第1パイプ部材41と曲がり管43とは、別部材ではなく同一部材で一体的に構成されていてもよい。
なお、計測治具40全体の長さ(第1パイプ部材41の上端から第2パイプ部材42の下端までの長さ)は、鋼管杭3の長さよりも長くなるように設定する。必要に応じて、複数のパイプ材を継ぎ足して第1パイプ部材41を構成したり、第2パイプ部材42を長尺のもので構成したりすることで、計測治具40全体として十分な長さが確保できるようにする。また、第2パイプ部材42の開口部44は、第2パイプ部材42の下端から所定距離だけ上方に形成されるのが望ましい(図7のL)。以上のように構成することで、空洞部19の深さ及び径方向の寸法の計測が便宜となる。この点については後述する。
以下、計測治具40を用いた小凹所20及び空洞部19の具体的な計測方法について説明する。
(b)小凹所の深さの計測
まず、地上から計測治具40を鋼管杭3の内部に挿入し、第2パイプ部材42の開口部44が杭本体に設けた穴7のうち最上位の穴の位置に対向する位置となるまで治具全体を下降させる。このとき、計測治具40を下降させる距離や治具の向きは、施工前のボーリング調査の際にあらかじめ鋼管杭3に形成した穴の位置に関する情報(例えば鋼管杭3の上端から各穴までの距離や各穴の向き等)を記録しておくことで、設定することができる。
そして、第2パイプ部材42の開口部44を最上位の穴7に対向させた状態で地上から計測ワイヤー45を押し下げると、図8に示すように、ワイヤーの先端が第2パイプ部材42の開口部44を出てさらに穴7を通り、穴7の外側に形成された小凹所20に進入する。ワイヤー45の先端が小凹所20の奥行き方向の壁に突き当たるまでワイヤー45を押し下げる。このとき、ワイヤー45の押し下げの前後において、地上に出ているワイヤーの目盛りテープ46の数がどのくらい減少したかを記録し、その減少量からワイヤー45が進んだ距離を求める。この値が小凹所20のおおよその深さとなる。
例えば、計測ワイヤー45を押し下げる前に地上に出ていたワイヤーの目盛りテープ46の数が500mm相当であり、押し下げた後のテープの数が400mm相当となった場合、ワイヤー45は小凹所20を100mm進んだこととなり、したがって小凹所20の深さは100mmであると考えることができる。
このようにして、最上位の穴7の外側にある小凹所20の深さの計測が終わったら、計測ワイヤー45を引き上げてワイヤーの先端を曲がり管43の中へ引き戻し、計測治具40を2番目の高さの穴7まで降ろしていく。もし2番目の穴が最初の穴の直下ではなく、鋼管杭3の周方向にずれた位置に形成されている場合は、第2パイプ部材42の開口部44が2番目の穴と対向するように計測治具40を適宜回転させながら下降させる。そして、最初の小凹所20の場合と同様にして2番目の小凹所20の深さを求める。以上の操作を最下位の小凹所20まで繰り返すことで、すべての穴7の外側にある小凹所20の深さを求めることができる。
(c)空洞部の深さの計測
小凹所の深さの計測が終わったら、次に空洞部19の寸法の計測に移る。まず、計測治具40を最下位の穴の位置からさらに下降させ、第2パイプ部材42の下端が鋼管杭3の下端部付近に達した位置で止める。第2パイプ部材42の下端が鋼管杭3の下端部付近に達したか否かは、あらかじめ鋼管杭3の長さを計測しておき、その長さ分だけ計測治具40を鋼管杭3の上端から降ろし終えたときに、第2パイプ部材42の下端が鋼管杭3の下端部に達したと想定できる。例えば、鋼管杭3の長さが9,000mmであれば、計測治具40を鋼管杭の上端から9,000mmだけ降ろし終えたときに、第2パイプ部材42の下端が鋼管杭3の下端部付近に到達したと考えることができる。
このとき計測治具40は、上述のように第1パイプ部材41の上端から第2パイプ部材42の下端までの長さが鋼管杭3の長さよりも長く設定されているため、鋼管杭3の上端よりも上方に第1パイプ部材41の上端部分が突出する。このとき鋼管杭3の上端より上方に現れている第1パイプ部材41の長さL2を計測する。次に、この状態から第2パイプ部材42の下端が空洞部19の底部に達するまで治具全体を下降させ、このときに鋼管杭3の上端より上方に現れている第1パイプ部材41の長さL3の値を求める。そして、それぞれの長さL2とL3との差分を求め、この値を空洞部19の深さとする。すなわち、第2パイプ部材42の下端を鋼管杭3の下端部の高さから空洞部19の底まで下降させたときに、下降の前後で鋼管杭3の上端よりも上方に残っている第1パイプ部材41の長さの減少量を計測し、この値を空洞部19の深さとする。
例えば、鋼管杭3全体の長さが9,000mm、計測治具40全体の長さ(第1パイプ部材41の上端から第2パイプ部材42の下端まで)の長さが10,000mmであるとき、計測治具40を空洞部内へ下降させる前に鋼管杭3の上端より上方に現れている第1パイプ部材41の長さは1,000mmとなる。そして、この状態から第2パイプ部材42の下端を空洞部19の底まで下降させたときに、鋼管杭3の上端より上方に現れている第1パイプ部材41の長さが500mmとなった場合、計測治具40は空洞部19内を500mm下降したと考えられ、したがって空洞部19のおおよその深さも500mmであると考えることができる。このようにして、空洞部19の深さを計測する。
(d)空洞部の径方向長さの計測
次に、第2パイプ部材42の下端を空洞部19の底部まで降ろした状態で、地上から計測ワイヤー45を押し下げる。すると、ワイヤーの先端が第2パイプ部材42の開口部44を出て、空洞部19の中へ進入する。さらにワイヤー45を押し下げ、ワイヤーの先端を空洞部19側方の内周面に突き当てる(図9参照)。
このとき、前述の小凹所20の深さを計測したときと同じように、ワイヤー45の押し下げの前後で地上に出ているワイヤーの目盛りテープ46の数を確認し、それらの差を求める。その値が、ワイヤー45が空洞部19内を径方向へ進んだ距離、すなわち空洞部19の径方向への広がり具合を示す距離となる。例えば、目盛りテープ46の数が300mm相当分だけ減少していれば、計測ワイヤー45が空洞部19の内部を300mm進行したと考えられ、これにより空洞部19が鋼管杭3の外径より300mmだけ側方へ広がっていることが確認できる。
なお、このとき第2パイプ部材42の開口部44は、第2パイプ部材42の下端から所定の距離(図7のL)だけ上方に形成されているため、第2パイプ部材42の下端が空洞部19の底部に達したときに、計測ワイヤー45の出てくる開口部44が空洞部19の底よりも高い位置にくるようになる。これにより、ワイヤーは空洞部19の底よりも高い位置で径方向へ進むことができ、より正確に空洞部19の径方向への広がりを計測することができる。
以上のような計測を、計測治具40を回転させながら空洞部19の全周(360度)方向にわたって繰り返すことにより、空洞部19の径方向の寸法(空洞部が鋼管杭を中心として径方向にどのくらい広がっているか)が分かる。全周での計測が困難な場合は、例えば空洞部19の全周を6等分又は8等分し、それら等分した位置での距離を計測することでおおよその寸法を求めるようにしてもよいが、測定する箇所数については任意であり、精度を求める場合はより多くの方向で計測することが望ましい。
前記のような計測工程によれば、鋼管杭3の内部にコンクリートミルクを充填する前に、コンクリート製凸部6が形成される小凹所20の深さや空洞部19の深さ、径方向の寸法を地上に居ながらにして極めて簡単に計測することができる。また、この計測工程によれば、これまで施工後に計測することが困難とされていた基礎石のおおよその大きさについて、コンクリートミルクを注入する前の段階で簡易に計測することができるので、施工に必要となるコンクリートミルクの量を予め予測することができ、施工業者にとっても施工管理が容易になる。また、当該建築物への入居予定者にとっても、基礎石等の施工が確実に行われるであろうという安心感につながり、建築物の購入意欲の向上という心理的効果も期待できる。
(3)基礎石等形成工程
空洞部19等の計測後、今度は図10に示すようにコンクリートミルク圧力機からコンクリートミルク送出ホース50とコンクリートミルク確認棒51を鋼管杭3の内部に挿入し、前記空洞部等に基礎石等を形成する。これらホースと確認棒の挿入に際して、送出ホース50の先端に図11に示すような合成樹脂製の巾着袋52を紐53で結い付けて取り付けるとともに、確認棒51の先端にコンクリートミルクの送出に伴って地上方向へ浮上可能な浮子55を取り付ける。巾着袋52を取り付けるのは送出したコンクリートミルクが家庭の水道圧と同じ2気圧程度の高圧で注入するため巾着袋52を取り付けないと周囲に拡散して1m程度で接する隣家の地盤まで及ぶのを防ぐためである。巾着袋52の大きさは計測して求めた空洞部19の大きさに相当するものとし、材質的には樹脂を含む布製が好ましい。
そして、挿入により送出ホース50の先端が鋼管杭3の下端開口よりやや突出し、確認棒51の先端が鋼管杭3の下端開口よりやや上方の位置となったところで、送出ホース50から固化材としてのコンクリートミルクをホース先端の巾着袋52が一杯になるまで高圧注入する(ステップ13,14)。この高圧注入によりコンクリートミルクで巾着袋52が一杯になると、鋼管杭3の外径より径大のダンゴ状となる。
高圧注入によりダンゴ状となったコンクリートミルクは徐々に固化し、コンクリート製塊5として鋼管杭3と一体となって基礎石となる(ステップ15)。一方、コンクリートミルクの高圧注入を続け、そのミルクの充填に伴い浮上する浮子55が鋼管杭3の周壁に設けた最下方の中間部穴の高さまで到達すると注入量が所定になったことが確認棒51に設けた目盛により確認できるので、その時点で、コンクリートのミルク注入を高圧注入から低圧注入に切り替える(ステップ16)。そして、この低圧注入によりコンクリートミルクが穴7から外方へ突出する状態で固化させる。この中間穴へのコンクリートミルクの低圧注入と固化とを鋼管杭3の周壁に設けた最上位の穴まですべての穴7について繰り返して、鋼管杭3の外周面に複数のコンクリート製凸部6を一体形成する(ステップ17,18)。
コンクリート製塊5はその外面が巾着袋52で覆われた状態を維持するが、空洞部19のブラシ溝状となった内面に強く食い込む形で圧密層Cに配設されるため、安定した状態で鋼管杭3と一体化する。
そして、コンクリート製凸部6の形成が終わったら、コンクリートミルク確認棒51を鋼管杭3の内部から引き上げる一方、同様に引き上げるコンクリートミルク送出ホース50からコンクリートミルクを鋼管杭3の内部に注入し、鋼管杭の上端に達したら、この施工は完了する。あとは、栗石工9を行って下盤を固め、その上にコンクリートを打って、基礎2の工事を行う。そして、この基礎2上に土台を有する建物1が建てられることになる。
前記施工方法で建てられた建物1は、鋼管杭3の下端部付近にダンゴ状のコンクリート製塊5からなる基礎石が、また周壁外周面にイボ状のコンクリート製凸部6が、それぞれ一体に付き、前記基礎石の上に鋼管杭3が乗る形になるため、地震等によって鋼管杭3に下からの負荷がかかっても、コンクリート製塊5とコンクリート製凸部6により該負荷による鋼管杭3の浮上又は沈下、あるいは傾斜等のいずれにも耐えることができる。また、コンクリート製塊5の形成にはコンクリートミルク送出ホース50の先端に巾着袋52を取り付けるので、コンクリートミルクを水道水の圧力と同じ2気圧で注入しても隣家の地盤にまで及ぶことがない。そのため、小規模建物において隣家と近接した地盤でも鋼管杭3を打ち込んでコンクリート製塊5を形成することができ、鋼管杭3の下端部に適度の大きさの基礎石を形成することができる。
前記のようにこの施工方法によれば空洞部形成の掘削、清掃、基礎石等の形成のコンクリートミルク注入等の全ての作業を地上からの操作により地下で行うことができるので、施工が容易で、かつ費用を安価にすることができる。
前記実施の形態では、一般的な木造の戸建住宅など小規模建物を挙げて説明したが、必ずしも図示したような建物でなくともよく、コンクリート製のビル等の大規模建築物にも施工することが可能である。また、施工に際して用いる高圧洗浄機、泥水吸収車、清掃機、等の各構成部材も一例であり、これらも特許請求の範囲に記載の範囲内で任意に変更、修正できる。
1 建物(建築物)
2 基礎
3 鋼管杭
5 コンクリート製塊(基礎石)
6 イボ状のコンクリート製凸部
7 穴
11 掘削回転棒
11a 渦状のキリ
17 高圧洗浄水送出ホース
18 泥水吸収ホース
19 空洞部
20 小凹所
21 ブラシ付き清掃棒
22,35 清掃具
26,36 回転軸
27 取付部
29 コイルばね
30 揺動用ワイヤー
37 ブラシ
40 計測治具
41 第1パイプ部材
42 第2パイプ部材
43 曲がり管
44 開口部
45 計測ワイヤー
46 目盛りテープ
47 重り
48 固定ロープ
50 コンクリートミルク送出ホース
51 コンクリートミルク確認棒
52 巾着袋
55 浮子
A,C 圧密層
B 軟弱層

Claims (7)

  1. 軟弱地盤上に建てられた建物など建築物の不等沈下を制止する不等沈下制止構造であって、
    建築物の基礎下へ地中深く打ち込まれた鋼管杭を有し、
    この鋼管杭はその下端部が軟弱層を超えて圧密層に達しており、前記下端部付近に鋼管杭の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊が一体形成されているとともに、該塊より所要長さ上方位置の鋼管杭の周壁外周面にイボ状のコンクリート製凸部が複数個、周壁に穿設した穴から突出して一体形成されていることを特徴とする不等沈下制止構造。
  2. 軟弱地盤上に建てられた建物など建築物の不等沈下を制止する不等沈下制止構造の施工方法であって、
    下部周壁に複数個の穴が穿設された鋼管杭を軟弱層より下の圧密層まで打ち込み、該圧密層まで達した鋼管杭の内部の土に水を供給しながら掻き混ぜ、泥水として地上に吸引し鋼管杭内を中空にする一方、鋼管杭の下端部付近の土を掘削手段で掘削し、該掘削された下端部を高圧水で洗浄するとともに、該洗浄で生じた泥水を地上に吸引し、さらに下端部を清掃具で清掃し、これら洗浄、吸引及び清掃を複数回繰り返すことで下端部付近に空洞部を形成し、この空洞部形成の前に鋼管杭の周壁に設けた前記穴に向けて順次高圧水を噴射し、穴の外側の地盤に小凹所を形成する空洞部及び小凹所形成工程と、
    先端に巾着袋が取り付けられたコンクリートミルク注入ホースを、地上から鋼管杭の内部に挿入して前記空洞部まで送り、前記巾着袋が一杯になるまでコンクリートミルクを高圧注入し、該コンクリートミルクを固化させて鋼管杭の外径より径大となった基礎石となるダンゴ状のコンクリート製塊を一体形成し、さらにコンクリートミルクを鋼管杭の内部に充填するとともに、前記穴から小凹所へ注入し、鋼管杭の外周面に複数のコンクリート製凸部を一体形成する基礎石等形成工程と、を有することを特徴とする不等沈下制止構造の施工方法。
  3. 掘削手段は、鋼管杭の下端部の掘削の前に鋼管杭の内部の土を回転することにより掻き混ぜ可能なようにその先端が渦状のキリとなった掘削回転棒である請求項2に記載の不等沈下制止構造の施工方法。
  4. 空洞部及び小凹所を形成した後、鋼管杭の内部に計測治具を挿入して空洞部の深さ及び径方向の寸法、ならびに小凹所の深さを計測する空洞部及び小凹所の計測工程を有し、その計測結果に基づき、コンクリートミルクの注入量を把握する請求項2又は3に記載の不等沈下制止構造の施工方法。
  5. 計測治具は、後端に進度計測用の目盛りテープが巻き付けられた計測ワイヤーを挿通する第1パイプ部材と、該第1パイプ部材から送り出される前記計測ワイヤーの先端が出入可能な開口部が形成された第2パイプ部材と、を有し、これら両パイプ部材が一体的に鋼管杭の内部を昇降可能に構成され、第2パイプ部材の開口部が鋼管杭の穴に対向する位置となるように計測治具を鋼管杭の内部へ下降させ、該開口部が穴と対向する状態で地上から計測ワイヤーを押し込んで、該ワイヤーの先端を前記開口部から穴を経由してこの穴の外側に形成された小凹所内へ進入させ、該ワイヤーの押し込み前後における目盛りテープの変化量に基づいて該ワイヤーが小凹所内を進入した距離を計測し、この距離を小凹所の深さとする請求項4に記載の不等沈下制止構造の施工方法。
  6. 計測治具は、第1パイプ部材の上端から第2パイプ部材の下端までの長さが鋼管杭の長さよりも長くなるように構成され、第2パイプ部材の下端が鋼管杭の下端部に達したときに鋼管杭の上端より上方に現れている第1パイプ部材の長さと、第2パイプ部材の下端が空洞部の底部に達するまで治具全体を下降させたときに鋼管杭の上端より上方に現れている第1パイプ部材の長さとの差分を求め、この値を空洞部の深さとするとともに、第2パイプ部材の下端が空洞部の底部まで下降した状態で地上から計測ワイヤーを押し込み、該ワイヤーの先端が空洞部の内周面に突き当たるまで該ワイヤーを空洞部内へ進入させ、該ワイヤーの押し込み前後における目盛りテープの変化量に基づいて、該ワイヤーが空洞部内へ進入した距離を計測し、該距離に基づいて空洞部の径方向の寸法を求める請求項5に記載の不等沈下制止構造の施工方法。
  7. 基礎石等形成工程は、コンクリートミルクの充填に伴って地上方向へ浮上可能な浮子が取り付けられた注入確認棒を、地上から鋼管杭の内部に挿入して前記空洞部まで送り、前記巾着袋に注入されたコンクリートミルクを固化させて鋼管杭の下端部に基礎石となるコンクリート製塊を鋼管杭と一体形成した後、さらにコンクリートミルクの注入を続け、該コンクリートミルクの充填に伴い浮上する浮子が鋼管杭の周壁に設けた最下位の穴の高さまで到達した時点で、コンクリートのミルク注入を低圧注入に切り替えてコンクリートミルクを穴から小凹所内に注入して外方へ突出する状態で固化させ、該コンクリートミルクの低圧注入と固化とを鋼管杭の周壁に設けたすべての穴について繰り返して、鋼管杭の外周面に複数の凸部を一体形成する請求項2ないし6のいずれかに記載の不等沈下制止構造の施工方法。
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