JP4867731B2 - 地中構造物の構築工法及びその工法で構築された地中構造物、並びに管状部材 - Google Patents
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Description
本発明による地中構造物の構築工法によれば、液体が所定の圧力で管内に供給されるので、確実に流動体の管内への流入を防止することができる。また、液体の圧力を管理することにより硬化材の飛び出しを防止し、上方にゆっくりと安全に移動させることが可能となる。また、硬化材を排出することにより小さくなる硬化材の自重の変化に対応するように圧力を管理するので給水機の効率的な運転が可能となる。
本発明による地中構造物の構築工法によれば、管が設置されているので削孔中の孔壁の崩落を防止することが可能となる。したがって、長期間、確実に地下水の水位を確認することが可能となる。
本発明による地中構造物の構築工法によれば、管の内部に孔を削孔して井戸を構築した際に、管の下端が地中構造物の下端部から離れているので、地中構造物の下端部周辺の地下水や土砂等の流動体が管内に流入しないので、地中構造物の周囲の地盤を緩めることがない。
本発明による地中構造物の構築工法によれば、管を芯材として用いられるので地中構造物の強度を向上させることができる。
本発明による地中構造物の構築工法によれば、ソイルセメントやコンクリートは、市場での入手性にすぐれている。
本発明による管状部材によれば、管の両端が開口して筒状なので、地中構造物内に容易に建て込むことが可能となる。
また、圧送管を介して所定の圧力の液体を管内に供給することができるので管の下端から流動体が流入することを防止できる。したがって、ボイリングを防止することが可能となる。
本発明による管状部材によれば、管内に供給される液体が所定の圧力で供給されるので、確実に流動体の流入を防止することができる。液体の圧力を管理することにより硬化材の飛び出しを防止し、上方にゆっくりと安全に移動させることが可能となる。
本発明による管状部材によれば、逆止弁や止水栓は市場での入手性にすぐれている。
図4〜図10は、本実施形態に係る井戸削孔用ガイド1の設置手順を示す図である。
図5に示すように、井戸削孔用ガイド1の建て込みは、井戸削孔用ガイド管6の下端部がソイルセメント柱列壁2を貫通して砂層4に到達するまで行う。給水口7を止水栓でキャップしているので井戸削孔用ガイド管6の建て込み時にソイルセメントが圧送管9内に流入することはない。
この井戸削孔用ガイド管6内に貯留した水の圧力(圧力値P1)で井戸削孔用ガイド管6内の半固結状態のソイルセメントを上方に移動させて外部に排出する。
Fw=P×π×r2 ・・・(1)
ここで、P:水圧、r:井戸削孔用ガイド管6の内周面の半径である。
Fs=γt×Z×π×r2 ・・・(2)
ここで、γt:ソイルセメント単位体積重量、Z:ソイルセメント被り厚である。
Fm=2×π×r×Z×f ・・・(3)
ここで、f:井戸削孔鋼管周面摩擦力である。
Fw>Fs+Fm ・・・(4)
そこで、この(4)式に(1)式〜(3)式をそれぞれ代入すると(5)式となる。
P×π×r2 > γt×Z×π×r2 +2×π×r×Z×f ・・・(5)
この(5)式を変形すると(6)式となる。
P>γt×Z +Z×f/r ・・・(6)
つまり、(6)式に示すように、井戸削孔用ガイド管6内のソイルセメントを上方に移動させて外部に排出するためには、井戸削孔用ガイド管6内に貯留した水の圧力Pが、ソイルセメントの自重による圧力(=γt×Z)とソイルセメントの摩擦力(=Z×f/r)との合算値よりも大きくならなければならない。
P>Wp ・・・・(7)
ここで、Wp:被圧地下水の水圧であり、地質調査等により予め測定された値を用いる。
蓋33は、井戸削孔用ガイド管6の内径と同じ長さの直径を有する円板形状の板材で、直径方向の両端に円柱形状のピン34が取り付けられている。
図12〜図14は、本実施形態に係る井戸削孔用ガイド31の設置手順を示す図である。
このとき、ソイルセメントに建て込む際の抵抗を減らすために、地上に設置された巻取機36でワイヤーロープ35を操作して蓋33を鉛直にした状態に保っておく。このため、建て込み時には井戸削孔用ガイド管6の下端は開口しており、ソイルセメントが井戸削孔用ガイド管6内に流入する。建て込みは、この井戸削孔用ガイド管6内に取り付けられた蓋33がソイルセメント柱列壁2を貫通して砂層4に到達するまで行う。
図15は、本発明の第三実施形態に係る井戸削孔用ガイド41を示す図である。図15に示すように、井戸削孔用ガイド41は、井戸削孔用ガイド管6と、圧送管9と、閉止手段32とを備える。
図16〜図18は、本実施形態に係る井戸削孔用ガイド41の設置手順を示す図である。
図17に示すように、巻取機36でワイヤーロープ35を操作して蓋33を水平な状態に回転させて井戸削孔用ガイド管6の下端面を閉じる。
次に、図18に示すように、地上に設置された給水機8を稼動させて圧送管9内に水を圧入すると、この水が井戸削孔用ガイド管6内の下端部にソイルセメントを押し上げながら流入して貯留する。このまま井戸削孔用ガイド管6内の水が圧力値P1になるまで水を注入する。
3 粘土層(不透水層) 4 砂層(被圧帯水層)
5 掘削予定箇所 6 井戸削孔用ガイド管
7 給水口 8 給水機
9 圧送管 10 圧力センサー
11 止水手段 12 クレーン
13 ロッド 21 井戸削孔用ガイド
22 アースオーガー 31 井戸削孔用ガイド
32 閉止手段 33 蓋
34 ピン 35 ワイヤーロープ
36 巻取機 37 切り欠き部
41 井戸削孔用ガイド P1 所定の圧力値
P2 所定の圧力値
Claims (10)
- 地中に構築された壁、杭、壁杭のいずれかであり、管が埋設された地中構造物の構築工法であって、
時間が経過すると硬化して前記地中構造物を構成する硬化材を流動状態で地中に設け、
両端が開口した筒状の管を流動状態の前記硬化材内に挿入し、
前記管内の下部に液体を圧入することにより、前記管内を前記液体に置換しながら前記管内に存在する前記硬化材を上方へ押し上げて外部に排出するとともに、該硬化材が上方へ押し上げられて形成される部分に地盤から土砂や地下水等の流動体が流入することを防止することを特徴とする地中構造物の構築工法。 - 前記液体を、一端が前記管の下部に設けられた給水口に接続されている圧送管を介して所定の圧力で前記管内に供給することを特徴とする請求項1に記載の地中構造物の構築工法。
- 前記管の内部から所定の深度まで孔を掘削して前記地中構造物内に井戸を構築することを特徴とする請求項1又は2に記載の地中構造物の構築工法。
- 前記管は、前記管の下端部が前記地中構造物の下端よりも下に突出するように埋設されることを特徴とする請求項3に記載の地中構造物の構築工法。
- 前記管は、前記地中構造物の芯材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の地中構造物の構築工法。
- 前記硬化材は、ソイルセメント又はコンクリートのいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の地中構造物の構築工法。
- 請求項1〜6のいずれかの構築工法で構築されたことを特徴とする地中構造物。
- 地中に構築された壁、杭、壁杭のいずれかである地中構造物内に設置される管状部材であって、
両端が開口した筒状の管と、
一端が前記管の下端部に設けられた給水口に接続され、液体を前記管内に送給するための圧送管と、
前記給水口に接続され、前記圧送管内の前記液体が所定の圧力よりも高くなると開いて、前記液体を前記管内へ供給可能となる止水手段とを備えることを特徴とする管状部材。 - 前記液体を前記所定の圧力で供給するための給水機と、
前記給水機から供給される前記液体の圧力を測定するための圧力計とを更に備えることを特徴とする請求項8に記載の管状部材。 - 前記止水手段は、逆止弁又は前記管の内側から設けられた止水栓であることを特徴とする請求項8又は9に記載の管状部材。
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